0a1784a2.jpg

「やっぱりお礼に縛ってあげます!!」
ハート目黒髪少女、峰さん。単身教室に潜入して机にチョコをセットする度胸のある彼女がしんちゃんの些細な変態くらいでめげる筈がありません。
「縛られるのはイヤですが、縛るのなら何とか!いっぱい練習してきましたから!!」

みつどもえ175卵性 「間接フレーズ」

バレンタインデー。甘酸っぱい思い出が胸一杯に広がりやがった方は、よもやこんな駄文を読んでいらしたりはしますまい。苦痛と屈辱の日だと顔を歪めて言う方は手を取り合いましょう。製菓業界の陰謀と言い張るだけ虚無感にさいなまれるというもの。バレンタインデーは厳然と存在し、しかもみつどもえ時空の中でも繰り返し立ち現れます。怯むことなく向き合うべきなのです。

我々の側に立つ男、千葉雄大。彼の男ぶりは際だっていますが、まかり間違っても下駄箱にチョコが入っている筈がないという点で同志です。しかし、ある筈の無い物が机の中に存在してしまった時、全てが音を立てて変わり始めます。教室のドアからそっと様子を窺う黒髪の少女。驚きの新キャラ、6-2の峰さんです。ストーリーに絡む新しい同級生は、最近ではヘーイヘーイ回に出てきた久保田君位ですが、「目立たないけどいい奴」の記号で固められていた久保田君とは違い、峰さんは十分メインが張れそうなオーラを漂わせています。黒髪直毛ロングでちっこい、というビジュアルは誰ともかぶらないですし。今回はあえなく敗退しましたが、次の登場が待ち遠しい。峰さん断固支持!!

千葉氏は表情一つ変えないくせに舞い上がっています。実際嬉しくない男はいないと思うのです。しかし、千葉氏が男だったのは、彼の喜びが峰さんにチョコを貰った事ではなく、しんちゃんにチョコをくれてやれる事にあったと言う事。多分彼のエロスの焦点は同級生を飛び越えているので、チョコを貰ってお付き合いという低い次元に留まらないのでしょう。毎年2月14日に山盛りのチョコを押しつけてくるイケメン親友に一矢報いればそれで良かったのです。伝言ゲームの末に峰さんが泣きながら去っても、後を追う事もなく昼休み淡々とドッジボールに向かう千葉氏は全く引き摺っていません。

さて、峰さん視点から見ると、彼女も千葉氏には特別の興味は無く、ただ単にしんちゃんの机を間違えてしまっただけです。しかし、明らかにチョコを回収できる状態になく、焦燥渦巻く心中を察するに余りある状態です。そして宮下さん。「何かの間違いだろ 聞きに行ってやろう」久々にナイスウザ!!今回感じたのは、宮下さんがウザいと言われるのは着想も行動も正しいから、と言う事。無意識にはさむクッションが数枚ないだけ。ちょっと日本人離れしていて、外国の人が宮ちゃんを見たら、単にストレートでいい奴、隠し立てしない奴と思われるのではないか。外国の人を宮下さんがいい奴だと思うかは別問題として。

ともかくこういう事はできるだけ間接的に行くのが常道なので、伝言ゲームが始まります。吉岡さんにとっては最大の関心事なので、情熱を込めて正しく伝えたはずですが、ふたばさんフィルターで平坦化され、同じく興味のない男子二人を通して、最後はみっちゃんの食欲フィルターを通すと、「佐藤君の入れ間違えた」→「砂糖を入れ間違えた」に。うわっ!大事なところは一文字しか間違っていない。日本語って難しい!!そして最高に格好いい千葉氏の「俺は誰にも縛られたくない」は「お礼に縛られてみたくない?」に。これは間違いなく吉岡さんのいんらんフィルターの仕業!!そしてこれを伝える宮下さんの硬直とも脱力ともつかない表情が素晴らしい。しかもそのまま伝達されていると言う事は、しんちゃんの変態さが浸透している事の証拠。この行き帰り1ページずつ使った伝言ゲームの精密なシークエンスはのりお先生ならではの物だと思います。

これだけでも十分一回分だと思えるのに、しょうがない隊まで出現します。しかも今回特筆すべきなのは、しょうがない隊の裏をかくスキルの高い第2しょうがない隊が結成されている?と思われる事。6ページ右下のコマのお三方です。伊藤さん発案の千葉氏経由の迂回作戦をキャッチして、即座に先回りして千葉氏の下駄箱にブツを仕掛ける俊敏さと攻撃力の高さ。今後絡んでくるのでしょうか。しょうがない隊の3人のキャラが濃すぎるのでちょっと難しい気もしますが、のりお先生ならしょうがない隊vs第2しょうがない隊をやってくれるかもしれません。期待して待ちたいと思います。しかし気になるのが下駄箱に入っているチョコが「4つ」、という点。単にクラスのその他女子代表なのかもしれません。これも今後の展開待ちですね。

久々に黒いお嬢様。迂回作戦を自分が発案しておきながら、事が露見すると率直にわびるおがちんの横で「私はやめようって言ったんだけど」と!!しかし本当に黒さが発揮されたのはおそらくしんちゃんが千葉氏宛と思い込んでもぐもぐしていた峰チョコがしんちゃんへの愛のチョコだと発覚した後。ひとり冷たい笑みをうかべる詩織お嬢様は「下剤を飲ませるのよ!!」と平和的な解決を提案するおがちんを尻目に、しんちゃんの体内から確実にチョコを除去したと思われます。怖いよ。そして黙々とチョコを食す千葉氏。結局いつもと一緒じゃねーか、という心境でしょうか。やはり千葉氏は同志。

今回は誰々回、という言い方をしますが、今回は千葉氏回であり、峰さん回であり、宮下回であり、しんちゃん回であり、しょうがない隊回でした。バランス良く、というよりぎゅうぎゅう詰めですが、これがうまくまとまるのが千葉氏力。千葉氏がのびのび動く回はいつも面白い!渋いセリフ回しも千葉氏ならでは。まあ、チョコレートなんか貰えない方がいいんじゃない?と思える良い回でした。2/14が日曜日で良かった!

追記(#100205):当ブログはべれったさんの提唱する峰(Mine)さん=まいんちゃん説に賛同します。しんちゃんを巡ってのふたばさんとの料理対決が見てみたい!