c7efd0b9.jpg
「佐藤家のクリスマス・イブ」

何が悲しくて中学生女子がクリスマス・イブを(1)父と二人きり→(2)弟の追っかけ女子軍団と死闘、という惨めな過ごし方をしなければならないのでしょうか。せっかく名前が判明した記念すべき回だと言うのに。飲みたくなる気持ちも分かります。しかし佐藤 絵理・・・いい名前じゃないですか!あかり、えりで韻を踏んでいるのかな?(追記:pixivのみつども絵でなるほどと思ったのがまさのぶののぶ=「信」説。しんちゃんの信也はこれから一字取ったとすると辻褄が合います。細やかすぎるぜのりお先生!)

みつどもえ214卵性 サンタが玄関先にやってくる

今年もクリスマス回がやってきました。すぐうしろにやってきたり(2巻・29卵性)そこかしこにやってきたり(4巻・76卵性)息を殺してやってきたり(7巻・124卵性)廻ってやってきたり(9巻・169卵性)するサンタさん、5年目の今年は玄関先にやってきました。しかも丸井家でも杉崎家でも無く、意外や意外の佐藤家です。しょうがない隊ある所にしんちゃんあり。しかし今回しんちゃんはちょっとしか出てきません。佐藤家代表は何と佐藤父→と佐藤姉→の地味顔父娘です。まだまだお久しぶりのあの人シリーズは堂々進行中なのでした。みつごもふたばが一コマだけという徹底した佐藤家シフトの今回です。

近年は杉崎家に呼ばれるしんちゃんを路上で監視するのが聖夜の任務だったしょうがない隊ですが、今年は趣向を替えて佐藤家を眺めながらのクリスマスパーティーを路上にシートを敷いて遂行しています。それぞれの飲み物もおがちん=ココア、加藤さん=ブラックコーヒー、伊藤さん=おしるこ(推定、「る」しか読めない)と描き分けられているのが細かいところ。クリスマスと来ればプレゼントなのですが、おがちんはまだサンタさんの存在を信じている模様です。兄の一郎太が何とかおがちんの純真な心を守り通したと見えます。この時おがちんの夢を壊すまいとする加藤さんと特に頓着しない伊藤さんが対照的で、隊内のおがちん=加藤+伊藤という構図が透けて見えて面白いですね。加藤さんの「腕時計」はしんちゃんの腕時計なのかそれとも普通に新品の時計なのかもちょっと気になります。そして花柄ワンピースのしんちゃんは確かに素晴らしい。詩織様ナイスとしか言い様がありません。何より涙をそそられるのがおがちんのケンタッキーフライドチキンの骨をダシが取れるからちょうだい発言です。一郎太と二人暮らしと推定されるおがちんですが、一郎太の警官の給料はそこまで少ないのか。緒方家の家計が心配でなりません。一郎太もおがちんへの溺愛ぶりを見てもギャンブル等で浪費したりしているとは考えにくいのですが。どうなっているのか緒方家。

さて、しょうがない隊の中では地上の楽園となっている佐藤家の内部も、その実態はしょうがない隊の路上パーティーに近い寒々しさを湛えておりました。あかりママはママ友(千葉母?)とディナー、信也は女の子のうちにお呼ばれされやがって(父談)いてぽつねんと父娘が取り残されたいるという侘しさ。しんちゃんは杉崎家でしょうか(そっちも見たい!)。愛娘のクリスマス夜の外出を精一杯の威厳で阻止しようとする父を「なにその帽子ハゲ隠し?」の心無い一言で撃沈する思春期まっさかりの中学生娘。しかしこの佐藤家父は強かった。「こんなに可愛いのに!!」は親馬鹿としても、娘の「絶対信也の父親とは思われない」というdisを「こんなにイケメンなのに!!」であっさりスルー出来る脳天気力を発揮します。しかも父親は阿部寛似か福山雅治似かというしょうがない隊トークに「昔福山に似ているといわれてたんだよー!!」と割って入れるそのパワー。しんちゃんにその1/10の図太さがあればしんちゃんのレ◯プ目にも光が宿ろうというものです。このシーン、「私たち家族にまで幻想をいだいているらしくて」の絵理姉→様の表情が凛々しくて好きです。さすが剣士。顔が似ている自覚もあるようですね。性格も似れば良かったのにと言いつつ前回しんちゃんを剥いて女装させたりしている絵理姉→様も大胆不敵でいいと思います。

さて佐藤家の玄関から出てきたのに、案の定しょうがない隊にはしんちゃんの父と認識されないまさのぶ父→。しかし顔は地味でも流れる血はまごう事無き佐藤家の血、おがちんに触れてもおがちんを腐蝕させたりしないのでした。異常な(?)事態にさらに驚くしょうがない隊ですが、導きだされた推論はまさのぶ父→=サンタさん説。確かにサンタ帽も着用しています。人外の妖精ならばおがちんを腐蝕させたりしないというおがちん理論。そしておがちんと父→の問答が始まるのですが、初めから噛み合っていないのりお先生十八番の勘違い進行が始まります。そしてジャンスカにサインをねだるおがちん。一郎太に水着に住所と名前を書かれたのは不可抗力として、何がそうさせるのか。

その様子を見守っていた絵理姉→ですが、信也父→として受け入れられたと早合点して姉としてカミングアウトを試みます。しかし父→がそもそも人外扱いだったため、前回同様の「電波ストーカー女」として激しい追撃を受けるハメに。しょうがない隊に「ストーカー女」と言わせるところがのりお先生らしい所。

最終ページ、どんどんしんちゃんにとって理解不能な方向に進む佐藤家に、しんちゃんの心が折れないか心配です。親友と許されない関係に走ろうとする母と自分をつけ回す(しかも穿いていない)同級生の服にサインを残す父。しんちゃんの目に光が再び宿るのはいつの日か!?

巻末ののりお先生のコメントは笑いました。確かにインパクトありすぎです。人を遠ざけていないか心配になるレベルです。

みつどもえ増量中!の放送局と時間も公開されましたね。BS11は土曜のいつもの時間で一週間遅れ。普通に起きて観ていられる時間なのでありがたい事です。
(101210 訂正)