「ちまちまスプーンで変な色のメロンをすくってないで豪快に行きなさいよ!」「あんたねぇ・・・(夕張メロンなんだけど・・・)」
みっちゃんがカブトムシなら杉ちゃんは外国のクワガタ。夏はまだまだ続く。(iPad2+procreate)
みつどもえの人間模様を思い浮かべる時、避けて通れないのが親の問題。問題と言ってもダメな親とかモンスターとかいう意味ではありません。むしろみつどもえのみんなの親たちはこの親にしてこの子あり、と言いたくなる魅力的なキャラクターばかりで、のりお先生の人物造形の素晴らしさを体現しています。 しかし、作品に複雑さを与えている影の部分に親たちがいるのもまた確か。
筆頭は丸井家の母の不在。作中で直接語られる事はありませんが、みっちゃんの表情や黙って一人で家事を受け持つひとはなど明らかです。その事情が全く語られない事が作品に異様な緊張感を与えています。そして父草次郎は確かに働いているものの、職業は不明。これも母と同じくヒントを全く残さない位徹底的に隠されています。そのお陰で読む側は怠惰な先入観をもって三つ子たちを見る事なく、ひたすら注視し続ける事になります。また、母の不在が三つ子たちの多様な性格や行動の余地を作っているとも言えます。
丸井家と鏡像をなすのが杉崎家。こちらは父親が不在です。父は市長と友達だったり海外に長期出張中だったりと一定の輪郭をもって語られますが、どういう人物かは分かりません。麻里奈ママと龍太は明らかに父を恋しがっていますが、健気な杉ちゃんはそれを見せません。しかしモノを見せびらかしたりみつばに執着したりと心のバランスを危うくしていて、みつばの存在が杉ちゃんの自我を支えている様に見えます。みつばが杉ちゃんを拒絶しないのも、片親を欠く気持ちを理解できるからなのかもしれません。
不在と言えば、おがちんの両親です。妹煩悩な兄を持つとはいえ、作中での描かれ方から兄妹の二人暮らしをしていると想像されます。しんちゃんへの度を超えたストーカー行為がそのせいかどうかは分かりません。加藤さんと伊藤さんも同じ位アレですが、全く説明されていないからです。しかし危うい雰囲気が常に緒方家の周囲に漂っている気がしてなりません。
千葉家もまた、父の影が見えません。千葉氏は稀に見るナイスガイですが、和美ママの影響を色濃く受けているというより、そのミニチュアと言える位そっくりです。もちろんこれは不在を意味しませんし、むしろどんな父なのか興味を惹かれます。
この稿多分続きます。


