「看護婦さんにアルコール綿を貰ってきたから全身くまなく綺麗にしようねっ!!大丈夫!油性マジックも綺麗に落ちるから!経験者の言う事は聞いておくものよ♡」・・・二重三重の屈辱に震える三女さん。
夏真っ盛りです。連日の猛暑日の熱量を吸収・蓄積してどんどんおかしくなっていく6年3組の夏の人と言えば松岡さん。みつどもえの夏は松岡さん無くしては語れません。
さて、二本立ての229卵性はひとはにとっての原点とも言える松岡さんと全身経文回です。全身経文と言えば、松岡さんとのなれそめのプールだったり、熱で倒れた矢部っちに施された物が転写されたりとひとはにとって厄以外の何物でもありませんが、連載復活後もひとはを捉えて離しません。
豪華二本立ての二本目は、折り鶴にまたがるひとはさんでスタート。すっごくいい表情をしていますね。そしてもっといい表情をしているのがヨダレを垂らしながら狂喜乱舞する松岡さん。天に昇っています。サスペンダーが外れてぶらぶらしているのがやたら色っぽいのですが、これはどういう意味があるんでしょうか。スカートを留めているのだと思うのですが・・・。
喜びの元は一枚のポラロイド写真。半眼ひとはとウザイまでに決めた宮下さんのツーショットの背後に青白い手が。心霊写真はポラロイドに限る、という松岡さんの主張の賜物でしょうか。常識人として心霊うんぬんにうんざりしているのか、よせばいいのに3階外壁のわずかな出っ張りに人が立っていたからだと主張してしまう宮下さん。怪を否定したいがために不可能を持ち出してしまうその愚は心情的に分からなくもありませんが、理解不能vs理解不能の不毛な戦いを引き起こしてしまいます。そこに「立てない」事を証明するためにそこに立とうとする松岡さん。多分引き留める間もない敏速な行動だったのでしょう。あっけに取られている間に松岡さんの手は窓枠から消え、衝撃音が。
慌てて窓に駆け寄る宮下吉岡三女の三人ににこやかに立てない事を報告する松岡さん。ほっと胸をなで下ろす間もなく広がる血だまり。松岡さんのこの自説の検証にかける情熱は、その方向が正しければ将来例えば何かの科学的発見に結びつくかもしれませんが、決して生かされる事は無さそうでつくづく残念です。
頭を打ったものの、とりあえずの無事が確認され入院した松岡さん。「久方ぶりの凶(狂?)気を肌で感じましたね」という傍観しているような文学的なような台詞回しが三女さんらしくていいのですが、感想を述べている間も無く、友人代表として入院見舞いの取りまとめをさせられる羽目に陥ります。いつもつるんでいるチーム杉崎あたりから攻めていけばいいものを、日頃の交渉の乏しいモブの皆さんの間をうろうろして恐怖を煽ってますますハードルを上げてしまう戦術ミスをしてしまう三女さん。妥協の挙げ句、色紙を放置して勝手に書かせる作戦に出ますが、肝心な「松岡さんへの」を忘れたために色紙が個人的な願い事で埋められただけで無く、自分が「まともではない」と思われている事まで露呈してぐったりさせられます。何も書かなくても松岡さんのためのものだと分かるだろう、という思い込みは松岡さんへの気持ちの大きさ故だったんでしょうか。
色紙がとにかく良くて、どれもニヤニヤさせられるのですが、中でもみっちゃんと杉ちゃんの「てした100にん。丸井みつば」「←みつばが社会的信用を失いますように 杉崎みく」「おかしのおうちにすむ。丸井みつば」「←みつばの存在が抹消されますように 杉崎みく」「げぼく100にん。丸井みつば」「←みつばが社会的に抹殺されますように 杉崎みく」が最高でした。いちいち記名する杉ちゃんの律儀さがいい。「佐藤君と結~~~」になって、結婚と書くのを阻止されているのはSSS隊内部の抗争か、それとも外部の人間の横恋慕を粉砕した痕跡か。
疲れ果てて黒板の下で眠り込むひとは。「せん何とか」という骨を折ってくれという極めて意味不明かつ危険な解釈のもと、ひとはをひしごうとして気絶させてしまうふたば。そして寄せ書きと気絶したひとはを見て、内なる一休さんが答えを出してしまったみつば。もはやひとはには全身経文ならぬ全身寄せ書きの台紙としての命運が定まってしまったのでした。
一つ疑問に思ったのは、ひとはと矢部っちは病院にどうやって行ったのかと言う事。全身にマジックで落書きされた小学生を連れて歩く教師が目撃されたら大問題ですよね。一郎太ならずとも即射○されてもおかしくない。かと言ってこれまで矢部っちが車に乗っていた様子もありません。ひとはにカーディガンを犯人被りさせてタクシーで病院まで連行したのでしょうか。謎です。それを言うなら松岡さんの1巻での全身経文も、登校前の親の目と登校中の周囲の目はどうなっていたのか凄く気になります。とにかく全身経文は危険なファンタジーなのです。
とりあえず松岡さんが入院してしまったので、今年の丸井家キャンプはなさそうですね。今回頭を打った松岡さんの精神にどの様な変容が見られるのでしょうか。アルコールを一気飲みした時のようにまともになってしまうのか。楽しみです。




