
辛辣な海江田さん
たとえあの場面で何人かとのデートに応じていたとしても、最終的に何も変わらなかったのではないでしょうか・・・。海江田さん基準をクリアできる男子高校生なんて間違いなくいないです。相馬くんだって絶対無理。「趣味・特技・親の年収」って高校時代から婚活ですか海江田先生・・・!
みつどもえの巻末を飾る今昔物語。登場キャラの馴れ初めや在りし日の姿を垣間見せてくれる貴重な番外編ですが、12巻は三十路こと海江田先生。題して「三十路大昔物語」!大昔です大昔。高校2年、17歳と仮定して計算しておそらくは12年前、6年3組のみんながこの世に誕生する前のこと。男どもが広末で盛り上がっているので90年代後半~2000年くらいでしょうか。
今は来年に大台を迎え、西の合コン東の婚活パーティーに奔走する海江田先生ですが、高校生の頃はさながら誘蛾灯のごとく男子を集める超モテ期を過ごしていたという衝撃の事実。 しかもフラフラと集まってきた男子にわざわざ高圧電流を食らわせて追い払っていたのです。今でも十分美人な海江田先生ですが、さすがに高校生時代もハイレベル。学年一的なポジションだった模様です。
しかし、群れ寄る男に対しては①よく知らない②知り合う期間を設ける気は無い③ゆえに却下、のとりつく島無き閉鎖回路の自己循環で、本人がいくら「彼氏が欲しくないわけじゃない」とのたまってもこれは無理。さすがにこれでは現状を打破できないと、気が合いそうな男どもをキープする「男牧場」の創設を決意する傍目にはエグい海江田さんですが、本人は大まじめです。男女間の友情的関係そのものを否定する立場上、外部からの徹底的な監視によって当該男子のプロファイリングをすることに。その結果「ストーキングクイーン」の称号を勝ち得てしまい、気付けば男津波もはるか沖合に去って行った・・・という悲しい物語。
そんな海江田先生ですが、同性の友人には恵まれているんですよね。11巻の「親切な海江田さん 」にも出てくる3人の友人と今回の髪の色の薄い人など。だから決して人と交われない訳ではないのです。そんな親友達も一人また一人と結婚していき、ついに残った自分一人。コンビニ弁当と氷結の缶がもの凄いリアリズムです。
そんな海江田先生が男に対して発しているこのオーラは何か。高校生時代や一コマの中に描かれた大学・新任教師時代から現在に至るまで、一貫しているのは完璧主義と妥協の無さ。相手が自分に全てを捧げることを求める、あるいは完璧な人生のプランを既に立ててしまって、そこにぴったりはまる最後のピースとしての相手を探し続けているのか。男からすると失禁するくらい怖い相手としか言いようがありません。
今こうして20代最後の年を、ぐるぐる螺旋を描く世界で小学生をライバル視しながらそれなりに充足して生きている時間は、海江田先生にとってはある意味幸せなのかも。この螺旋がほどけて30歳になり、男を狩人として追わなくなった瞬間にふとした出会いがあるんじゃないかという気がします。でもそれが海江田先生を幸せにするのかは本人にしか分かりません・・・。とりあえず矢部っちがスコープから外れていることは十分理解できた大昔物語でした。



