227卵性と228卵性の狭間で
「1年3ヶ月ぶりのヘアピンかあ・・・」「ずっと三女さんとさっちゃんに取られてたもんね」
二人とも雨宿りでみっちゃんに服を借りたまま、丸井家に居候しながら1年3ヶ月を過ごしていたと想像すると、それでもちょっといいかなと思いました。
いよいよ2012年も年の瀬に差し掛かってきました。清々しい程何も無かったマヤ歴の終わりもクリスマスも何とか無事やり過ごした今、これから新年を迎えるに当たってやはり今年を振り返ってみないわけには行かないでしょう。
みつどもえの2012年はズバリ連載再開、これに尽きます。大いなる復活の年とでも言うべきでしょうか。中断したまま再開の見込みすら立たない漫画も多い中、終わってみれば意外と短い1年3ヶ月でした。とは言え事情も分からぬままひたすらみつどもえの連載再開を待ち続けた今年の前半は、読者として非常に辛い日々であった事は間違いありません。個人的には2011年4月の中断直前から海外にいて、再開されぬまま帰国してからも間接的な情報を藁にすがる思いで眺めておりました。ネットに時折流れる心ないデマに一喜一憂させられたのも忘れがたい事です。連載中断後一切の説明が無かったことから、正直な心情としてのりお先生の健在すら疑わしく思えた時期もあり、何らかの情報提供はあっても良かったのではと今でも思います。もちろん再開された今となってはどうでも良い事ではあるのですが・・・。
しかし、7月中旬にチャンピオン作家のツイートで連載再開が報じられ、デマを疑いつつもそれはチャンピオン誌上でも正式に予告され、7月26日のチャンピオン上でのまるでブランクを感じさせない復帰を成し遂げてようやく忍耐の日々は終わりました。長い中断の間、連載再開は多分何事も無かったかのように行われるのでは、と予想したりしていましたが、事情の説明は無かったもののみんなで土下座したりしていたのは待ちくたびれた読者へののりお先生の気持ちの表明だっとのかなと思います。
半ば予想されていた本誌からの月刊の別冊少年チャンピオンへの移籍もスムーズに行きました。現在はカラーページ+8P二本で安定した連載が続いています。週刊から月刊への移動は寂しくないと言えば嘘になりますが、読む側も月刊のリズムに馴染んできたような気がします。そのうち月に8Pになるのかな、と思っていましたが、関連のある二話を一気に読めるのも良い構成のように思います。カラーページがある分どのくらいのりお先生の負荷が減っているのか分かりませんが、読者としては嬉しい感じです。
連載再開に伴って、長らく待たれていた単行本12巻が無事に発行されたのも喜ばしい出来事でした。ようやく手に取れた単行本にその週に掲載された回まで収録されていて、連載再開→単行本発行でみつどもえの勢いを取り戻そうという強い意志の存在を感じさせられました。休載期間中も連載再開に向けた周到な準備が続いていたという事なのだろうと思われます。単純に連載を再開させるだけで無く、万全の体勢で再開に備えていた事が感じられました。
今後の単行本ですが、現在のペースだとこれまで年約2冊だった単行本が1冊になるのでしょうね。逆に毎回カラー扉がある事から、ひょっとして長く待たれていた画集が出る環境が整ってきたのかと淡い期待を抱いています。是非出して欲しいと心から願っています。個人的にはカラーイラストだけでなく、初期稿や設定画、特に各話での各キャラクターの服装設定が見たいと願っています。
2013年のみつどもえはどうなるでしょうか。まずはこのまま今のペースで読めたら素晴らしい事だと思います。きっとますます盛り上がると確信して、2012年を復活の年として祝福しながら別れを告げられる幸福を噛みしめたいと思います。