Made in USSR bis

桜井のりお先生の「みつどもえ」(連載完結)および「ロロッロ!」(連載完結)について1話ごとに感想を述べております。

2013年04月

みつどもえXXX卵性 みつどもえと髪型

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※絵の内容と本文とは関係ありません※

先週よく確認しないまま三女さんをお団子頭にしてしまいましたが、248卵性を読み直していた所二つ結びになっていました。みつどもえへの信頼感はこういう細かい所をきっちり描き分けて来る所にあるのかなと思った次第です。三女さんは早くおなかの所からボールを出さないとあらぬ誤解をうけないか心配です。 

みつどもえ作者である桜井のりお先生がPNとは裏腹に女性作家であることは広く世に知られていますが、単行本を手に取ったばかりの読者はその時点で男だと思いながら読み始めるのが常ではないかと思われます。少なくとも自分もそうだった訳ですが、ある時点で違和感が心にまとわりつき始めます。その違和感の源は小学生を活写しすぎているリアルでしかもかわいい服装でした。世には小学生向けファッション雑誌がちゃんとあって、時々ネットに紹介されたりしていますが、やはりその中の小学生ファッションは異次元のもので、道ですれ違う小学生のそれとは全く違う訳です。みつどもえ作中のファッションは登場キャラクターごとに違和感なく設定され、しかも着回しなどのコーディネートがとにかく細かい。そして男が小学生に着て欲しいファッションでは無く、「小学生が自分で選んでいそう感」が強くあって、この作者は女子小学生の生まれ変わりか!?と思っていた所、女性だと知って納得したのでした。

同じ事が髪型にも言えると思います。見た目重視のありえない髪型では無く、髪量がまずあってこれをまとめたらこうなる、というのがちゃんとしていてしかもシチュエーションに合わせて変化します。吉岡さんはプールやお風呂では二つ結びにするし、宮下さんは変わらないようでバレット?がゴムだけになったりする。宮下さんも宮下ヘアーとしか言い様のない髪型ですが、あれはほどくともの凄い髪の量と長さになって大変身できるのですが、本人のスポーティーな性格上あまり下ろしてくれなくて、たまにそうなると読者の自分はうれション状態になったりする訳です。 

単なる記号的な描き分けじゃなくて、生命を吹き込む描き分けは言葉で言うのは簡単ですが、難易度が高いと思います。目的を持って、観察力と経験と想像力を総動員しないとできないと思うのですがどうでしょうか。 

みつどもえ248卵性 そういう方向にやる気を出すな!!/捨て身の戦法・・・許さざるを得ん!!

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み、宮ちゃんは男子力が高すぎるよ!!

吉岡さんも呑気に「宮ちゃんと三女さん仲良しだねっ!!」じゃ無いですよ。ボール入りの三女さんのお腹周りの絵面から想像されるのは・・・鴨橋小学校を舞台に繰り広げられる、爛れきったポートボール無間愛欲蟻地獄・・・!!的な昼ドラ展開ではないでしょうか。違いますか。はい。

ポートボール。かすかな記憶を辿ると、体育でバスケットボールが始まる直前にほんの少しだけやったような気がします。2回位やっただけで、ルールをよく把握できないまま、すぐにバスケットボールが始まってしまいました。バスケットボールは何だかんだとハードルが高く、大きなボールで未経験のドリブルだの小学生にはやたら高いゴールめがけてシュートだのをしないといけないので、ポートボールではドッジボールで使うボールでちょっとだけ高いゴールに人がいてキャッチしてくれて、というモラトリアムな競技だったと思います。さすがに作中でも解説されていましたが、今回思い出した方も多いと思われます。

6年3組の体育はまさにそのポートボール真っ最中。男女対抗戦です。対峙するのはみつご+チーム杉崎+さっちゃんとしんちゃんと千葉氏その他。wikipediaによるとポートボールは7人制で、フィールドプレイヤー5人にゴールマン、ガードマンがひとりずつで行われるとの事。

そこで水を得た魚のように活躍する、鴨橋オリオンズを率いるディフェンスの鬼ことバスケ命の宮下さん。身体能力の高そうなしんちゃんや千葉氏を全く寄せ付けずに鮮やかに決めるダンクシュート!!はゴールマンの三女さんがなぜか阻止。もちろんボールを取らないといけない訳ですが、ぬっと飛び出してきた宮下さんを見事なチョーキングで止めてしまう三女さん。これまでの経緯上やむを得ない脊髄反射的反応ではあります。

しかし、宮下さんの放った普通のシュートもさっと躱してしまう三女さん。運動が苦手なのでゴールマンにさせられた三女さんですが、
状況を読んでスイーと音も無く離脱するのが持ち味なだけに、何かを避ける事は得意中の得意なのでした。決まりが悪くなったのか人間をゴールに見立てる事の愚かさを説いてみますが、さすがにこれは苦しい。自分でも分かっていても長年身にしみついた行動原理はそう簡単には変わりません。宮下さんもキャプテンらしくフォローを入れますが、宮下さんらしい悪気の無いフォローにならないフォローでさらに三女さんのやる気をさらに削いでしまいます。みっちゃんの「何度目よ ひとはの運動神経どうにかするシリーズは・・・」というメタ発言まで飛び出す有様です。確かにバレーに水泳にと年中行事ではありますね。

吉岡さんの提案はボールに三女さんの愛してやまないチクビを描く事。これなら三女さんの保護欲を刺激してキャッチするモチベーションも上がるはず。しかしふたばが描いたのは
ハムスターではなくリアル乳首。みっちゃんの回転していたらそもそも見えないというツッコミも入ります。ふたばの「無駄乳首」が何だかおかしいですが、「有効乳首」もあるのでしょうか。一コマごとに表情を変えながら聞き耳を立て成り行きを見守っていたひとはは絶望のあまり雨乞いを始めてしまいます。

しかし、次はふたばがスーパーショットで事態の打開を図ります。ボールが怖いのなら男子に取られない形でスピードを落としてやればいいのです。全力でボールに拳を叩き付けて空気を抜きつつひとはの直上に打ち上げ、ゆるゆると落ちてきたボールをキャッチさせるという高度な荒技。うまくキャッチできそうだった直前にふたば自らが描いたリアル乳首が仇となり、無残にうち捨てられるボール。たしかにこれは気持ち悪い。しかし、ひとはも何とか皆の熱意に応えようとします。

第三弾はひとはによるキャッチできないのならボールをくっつけてしまえばよい、という粘着テープ鳥もち大作戦。頭脳派ならではの閃きです。しかし、両手を粘着化した後の杉ちゃん渾身のシュートは無残にも腕の間をすり抜けていきます。当たらなければくっつかない非情な現実。おまけに両手がくっついて取れなくなる事態に。見破られないようわざわざ透明テープを使った三女さんは合わせた両手で呪詛と見せかけてテープの存在を誤魔化します。さっちゃんのフォローと日頃の行いから無事に誤魔化しおおせ、何とか引きはがしますが、弾みで田渕くんの顔面を強打。吹き出す鼻血をいたわる間も無く飛んでくる宮下さんのシュート!今度こそキャッチあるのみ!

しかし、この時両手は体操着にがっちりと粘着していました。高々と掲げられた両手にくっついてめくれ上がる体操着。露わになるひとはの上半身と
凍り付くみんな(含む矢部っち)。真横にいた田渕くんの顔面から流れる鼻血は肘撃ちからのだけではなかったのは間違いないでしょう。慌てて手を下ろした所にはまりこむボール。一瞬の逡巡のあと、吹き鳴らされる矢部っちのホイッスル!!ついに待望の初得点です。これには千葉氏も納得です。

ハイタッチして回る宮下さん。そして立役者のひとはとのひときわ大きなハイタッチ!しかしそこには粘着性の罠が。みつどもえの常としてこの後は描かれませんが、ひとはが大きな犠牲を払って得た点は無しになることは無かったものと思われます。運動ネタはいいものですね!

みつどもえ247卵性 それは気が乗らない・・・/先生からメガネを取ったら何が残るんです!?

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メガネレスの栗山っちちょう可愛い。

メガネっ娘の古典的最終奥義「メガネを外すとかわいさ5割増し」を存分に発揮していた今回。メガネをしていても可愛い栗山先生ですが、何と言っても最後のギヌロ顔が良いコントラストになって印象が100倍増しでした。対して矢部っちが良い所無し。失言後はともかく、栗山っちからの避けられ方が生々しくて気の毒なレベル。果たして1巻の頃のあの二人に戻れる日は来るのでしょうか。頑張れ矢部っち!負けるな矢部っち!とりあえず性的嗜好は胸の底にしまって生きよう!!

連載開始当初はヒロインの座さえ窺う位置にいながら、その後長らく影が薄かった栗山っち。並外れて天然なキャラクターゆえ、ちょっと出てきてストーリーに絡む訳には行きづらかったためでしょうか。あとは三十路こと海江田先生の必死さに競り負けていたせいかもしれません。何と言ってもまだまだ若く、しかもスタイル抜群。巻頭カットのけしからぬ胸部はまさに王者の余裕としか言いようがありません。

そんな栗山っちが棲息する保健室に、連れだって現れたみっちゃんと杉ちゃん。絆創膏をもらいに来たのですが、特にケガをした様子はないもののちょっと冴えない表情から見て杉ちゃん用でしょうか。前回に続いてこの二人が仲良くしていると心が温まります。ちょっとみっちゃんが優位な今日この頃。なぜかみっちゃんを土下座で迎える栗山っちですが、ごく自然に頭を踏みつけようとするみっちゃんと慌てて止める杉ちゃん。栗山っちに二人分と間違われるみっちゃんですが、宮下さんは栗山っちにも「宮崎」さん呼ばわりされていて気の毒な限り。栗山っちは生徒を「さん」付けて呼ぶんですね。

502個(!)のメガネを葬り去ってようやく自分とメガネの相性に見切りをつけた栗山っち。
レンズ込みで2万円としてメガネに1000万・・・。メガネの値段を考えるとなかなか裕福なドジっ娘ぶりです。かわりにコンタクトレンズへの転換を図っていたのですが、どう考えてもメガネよりずっと痛覚に満ちた展開が待っています。床に落ちたホコリや細菌にまみれたコンタクトを目にそのまま入れたら一体どんな悲惨な事になるのでしょうか。しかも床に直接。考えるだけでも痛さにキュンとします。恐るべし栗山っち。しかもよりによって画鋲をコンタクトと間違えるドジで済まないドジぶり。みっちゃんの機敏なクリアが無ければホラーかつ片目の視力喪失につながる悲劇的な展開が待っている所でした。 

二人のおかげでついにメガネの軛から解放された栗山先生ですが、この事実は矢部っちをどん底に突き落とします。枕にメガネをかけさせて抱きついていたほどの重度のメガネスキーから生きる希望を奪い取ってしまったのです。生徒の前で何はばかる事無くうわごとを垂れ流す矢部っち。その一方でもらったメガネの有効利用法に頭をひねるみっちゃん。おっぱい絵に没頭するふたばにかけさせては乳首の位置をずらさせ、しんちゃんにかけさせてはおがちんから鼻血を噴出させる鬼畜な所行。しかもよく見えていないしんちゃんに救護に駆け寄らさせるというサービスぶり。今回SSS隊は視覚によって避けられていた事が判明したので、そのうち伊藤さんがしんちゃんの視覚を撹乱する作戦にでるものと予想されます。

何とか栗山っちをメガネに引き戻したい矢部っち。どうやら授業を放棄してぶつぶつ独り言を言っていた様子ですが、みっちゃんの悪行を口実に栗山っち自らにメガネを取り戻させようという他力本願大作戦。栗山っちも自分のメガネでみっちゃんが暴れているとあっては来ざるを得ませんが、メガネスキー矢部っちのためと言われると気乗りがしない様子。矢部っちが気の毒になってきます。

当然いくら返せと言われてもさらさらその気はないみっちゃん。何とかコンタクトをしていない事を納得させたい栗山っち。手探りで杉ちゃんや吉岡さんをなで回して見えないアピールをするのですが、矢部っちは華麗にスルーしてかえって疑惑を深めてしまいます。あからさまにワクワクしていた所にこのスルーぶりは「生理的に受け付けない」レベルで矢部っちは深く傷ついたはず。ここではみっちゃんの自虐ノリツッコミも冴えています。

そしてメガネ奪還を焦った矢部っちの大失言。「先生からメガネを取ったら何が残るんです!?」さすがにほんわか系の栗山っちもこれは許せない。ひとは顔負けの連載初の厳しい表情で矢部っちをフリーズさせます。嫌悪感丸出しですが、これはさすがに矢部っちを擁護できませんね。そもそもメガネも巨乳も好きなんだから「胸しか残りませんね!!」とでも言っておけば・・・いやこれも無いですね。矢部っちはそろそろパーツにこだわるのをやめた方がいいと思います。 

しかし、この目を細めた表情がようやく疑い深いみっちゃんを納得させたのでした。しかし時は既に遅し。いくら気の長い矢部っちでも栗山先生の心の氷を溶かすには連載で数年先になるのではないでしょうか。自らが招いた事態とは言え、ちょっと矢部っちがかわいそうになるオチでした。栗山先生に無限の可能性がある事も示されました。次は海江田先生が栗山っちの若さにズタズタにされそうですがどうでしょう。ちょっとシャレにならないから無しのような気もします。 

悪☆<バッドエンド>おねえさん 03

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六花さん自らがジコチュー化しそうな勢いだった今回。
青い人と緑の人の8:40を除いて比較的フラットで対等な人間関係だったスマイルと比べて、今作は今のところ圧倒的にマナさん
←←←その他ですね。みんなの愛を一身に集めています。あの豪快な性格は好きですが。物語としては今回で決着が付いたように見えて、これからも続くはずの六花さんのキュンキュンチクンに声援を送りたいと思います。あとはありすさんの器が大きすぎる。大きすぎて辛くなってはいないか心配。何もかもなげうつには重すぎる責任を背負ってニコニコしているその心の内は一体どうなっているのでしょうか。そんなありすさんの「私も昔から混ざりたかった」発言は重い・・・重すぎる・・・。早く転校して来ればいいのに。
今回完全無欠人間ばかり集まってしまったのはバランスを取るために仕方がなかったんだなあと実感。相対的にまこぴーが残念な子になりつつあるような・・・。

みつどもえXXX卵性 みつどもえ時空あれこれ

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小学6年生(+7年)の算数
2006年に始まった連載から、みんなの勉強が直線的に進んでいたら今頃進度に大きな差が付いて大変な事になっていそう。

いわゆる「みつどもえ時空」は時間と肉体は小学6年生を繰り返しますが、経験はリセットされずに蓄積され記憶されるのが特徴です。よくありそうな時間構造ですが、みつどもえは基本的に掲載時点の季節・時期に厳密に従って話が展開するので、その特異性が浮き彫りになっているのではないかと思っています。以前よりたまごまごごはんさんでも取り上げられ(クリスマスの様子から見る、時間の流れるサザエさん時空の世界)、このブログでも書いてみたり(記事)参加させてもらった合同誌にその時空を産み出す源についてのおまんがを寄稿してみたりもしました。

こういう物語のインフラ的な部分を取り上げてどうこう言うのは野暮の極みのように感じますが、みつどもえは骨組みがしっかりしているので少々理屈をこねた位ではびくともしない安心感があります。むしろ変わらない世界を描いているようで、登場人物それぞれの関係性が徐々に変化し、ゆるやかに成長し続けている事を思うと、のりお先生が描き出そうとしている大きな流れが根底にある事の方が大事かもしれません。自分は繰り返しで構成された終点の見えないストーリーが苦手なのですが、4年間みつどもえに熱狂し続けていられるのはこの世界はループしてなどおらず、物語を貫くベクトルが存在しているおかげなのだと思います。 

自分がその世界に身を置いている状態を想像してみます。 3月、卒業して4月からは中学生になるはずの時期です。クラスのメンバーの進路も人それぞれでこのまま行くと別れてしまう人もいるでしょう。しかし卒業式は来る事は無く、気がついたら4月でまた6年生です。同じクラス、同じクラスメイト、同じ先生。しかし去年6年生だった自分は無かった事にはなっていません。人と人との経験は常に新しい展開をするでしょうが、授業で習う内容はどうでしょうか。去年やった事を繰り返すのか、進んでいくのか、それとも微妙に異なった事を平行移動的にやっていくのか。

サザエさんに携帯が出てきてその違和感の大きさにおののく事もありますが、みつどもえ世界でも杉ちゃん携帯が順調にスマホに進化したりさっちゃんがネットで投稿したりと着実に外界の変化もみつどもえ世界に反映されてきています。反対にブルマのようにのりお先生の明確な意思で維持されている旧世代の遺物もあったりしていて、今後のみつどもえ世界のありようが楽しみでもあります。

ある意味当然ですが、キャラクターの進歩のスピードはその登場の頻度に比例して大きくなります。みつごの三人を取ってみても、ひとは≧みつば>ふたばの順で変化のスピードに差がある気がします。ふたばはトリックスター的な存在として最初から振れ幅が大きいので相対的に変化していないように見えるのかもしれませんし、元々他者との関係を気にしない事からその関係の中では変化しづらいのかもしれません。ひとはに引きずられて変化したのはさっちゃんでしょう。吉岡さんや宮下さんの変化はゆっくりで、杉ちゃんはブレないのがむしろあっぱれというか。

2013年度のみつどもえがもうすぐスタートですが、今年はどうなってくれるのか楽しみです。
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