Made in USSR bis

桜井のりお先生の「みつどもえ」(連載完結)および「ロロッロ!」(連載完結)について1話ごとに感想を述べております。

2013年09月

みつどもえXXX卵性 絵日記百花繚乱

130927blog

ふたば絵日記創作秘話
意外な事に、みつご中唯一絵日記が作中に登場していないふたばさん。全ての日におっぱいが描いてあるのは間違いないと思うのですが、一歩進んでコマを割って長編まんがを描いているかも。夏休みは40日ほどあるので読み応えがありそうです。

壁新聞はみつどもえを語る上で外せない重要アイテムですが、夏休みに限って言えば絵日記も負けず劣らず頻出のアイテムです。今月号に至っては自らの尿でゴワゴワになった某S崎さんの絵日記まで提出される事態に至っています。6年生にもなって絵日記?と思わないでもありませんが、いつ頃まで書いていたのか思い出せないでいます。今の小学6年生は絵日記を書いているんでしょうか。

絵日記は描いている本人になり切らないとなかなかリアリティが持たせられない事を考えると、実にみつどもえ的なアイテムに思えます。筆跡・絵柄にとどまらず、何をどう描くかはまさに個性。たんなるキャラ付けにとどまらない絵日記の個性まで楽しめるのが本当に素晴らしい。

そう思って読み返してみると、その登場は意外に遅く6巻105卵性「夏のわたし」から。一連の夏休みものの中でも名作の誉れ高いエピソード(個人的感想)ですが、そこにはひとはとみつばの絵日記が重要なアイテムとして出てきます。ひとはの絵日記は主にみつばや家族が描かれ、自分は登場しません。ザリガニ釣りを経てようやく登場したひとはに自分の気持ちに素直になり始めたひとはが重なって何度読んでもいい話です。対するみっちゃんはぶれる事なく自分だけ描いていますが、HARAKIRI!と見まがう豪快な画風であってもこの時は
まだそこまでひどくない絵なのが面白い所です。

次は一年経った次の夏休み、9巻154卵性「太陽と地味な教室」。直接は描かれていませんが、みっちゃんが頭を足蹴にされているひとはを絵日記に描いてやる!と叫んだり、上半身裸で背中をふたばに踏まれているみっちゃんをひとはが絵日記にスケッチしている様子が出てきます。

さらに一年経った11巻200卵性「帰路の旅」。この夏はさっちゃんが丸井家に居候していた夏でした。夏休みの終わりにみっちゃんの絵日記の手伝いを押しつけられたさっちゃんが、8/12の日記にUMAが描かれている事に狂喜しています。8月中旬までちゃんと描いてあると言う事はみっちゃんもそれなりに真面目に取り組んでいたようですね。UMA=チクビなわけですが、みっちゃんの画風はさらにキュビズム方向に進化を遂げています。

そして休載を挟んで今月号の吉岡さんとさっちゃんと某S崎さん絵日記公開に至るわけですが、11巻まではあくまで丸井家に限定されていた絵日記が、今回チーム杉崎まで広がった事で他のクラスメイトの日記も来年の夏には垣間見える可能性が出てきました。SSS隊ストーカー日記とか千葉氏秘技開発日記とか峰さんお味噌汁日記とか色々夢が膨らみます。 

みつどもえ258卵性 マサイ並みの視力!!/訴えられる!!著作権とか・・・

130919blog

試しにおがちんと草次郎パパを入れ替えてみただけで絵面が・・・

一気に犯罪の領域に。こんな所を一郎太に見られたら校内で無差別発砲事件が起こってしまいそう。 

眉目秀麗、勉学優秀、スポーツ万能のイケメン野郎佐藤信也ことしんちゃん。意外な所に苦手ポイントがありました。それは絵。今回は図工の時間に父兄の肖像画を描くという、自分がリアル小学生だったらきっと泣いて逃亡したであろう鬼畜な授業参観の今回ですが、しんちゃんの描くあかりママはどう考えても微妙。本人もその事を大いに自覚しています。そしてそれを取り繕おうとしてみつどもえ恒例の勘違いコンボにどハマリする王道的展開。

反対に株を上げたのがおがちん。加藤さんは嗅覚、伊藤さんは氷の冷酷さ、おがちんの長所はパンツを着用しない事かな?程度に考えていたら、視力3とも4とも言われるマサイの民に対抗できる視力と、それを存分に駆使した上に描いてもらったあかりママがふにゃふにゃになる位の画力を備えていました。料理も得意なおがちんは実は出来る子だったんですね。これ位の能力があれば変態三昧に現を抜かしても何とかなりそうです。ただ、その能力が正しく使われていない所もおがちんらしい所。

図工室での参観日。みなそれぞれ自分の保護者の肖像画にいそしんでいます。トップバッターは杉崎みくさんですが、あろう事か豊満で知られる麻里奈ママの胸を断崖絶壁に描いてしまう救いがたいコンプレックスのダイレクトな発露。本人も葛藤している様子ですが、この後平面のまま提出できたのかが気になります。絵そのものはそつない感じ。思い立って絵本を出版できる位ですしね。

みつごの父、丸井草次郎は遅刻。ひとはさんが手回し良く警察に問い合わせをしてしまう位警察に(理不尽な形で)お世話になっている父ですが、今回はそうでもないらしい。画伯ふたばはモデルを必要としないその画力でとっとと描いてしまっております。すかさずみっちゃんが「絶対おっぱいを描くんじゃないわよ」と突っ込んでいる辺り、既にふたばはおっぱい付き草次郎を結構描き込んでいるのかもしれません。必要になったらパラパラマンガの容量で草次郎おっぱい分を補給できるようにしてあるあたり、ふたばさんもぶれません。

おがちんの保護者、上尾の治安を守る警官一郎太も遅刻。おがちんは何ら気にする事無く、しんちゃんの瞳に映ったあかりママを美麗なタッチであっという間に仕上げます。おがちんもむしろふたば寄りの天性の才能を持ったグループに属しているのかもしれません。SSS隊のリーダーはこれくらいでないと務まらないのか。

図工室に現れない父兄を気にする矢部っちに対して、あっという間に仕上げたおがちんが偵察を引き受けます。この辺り、対しんちゃん以外で積極性を見せるおがちんは凄く新鮮な感じです。おがちんが廊下で見つけた警官の制帽を被る人物は・・・!なんと草次郎パパ。あわてて回避機動で体の腐蝕を防いだおがちんですが、そもそもおがちんは既に3巻43卵性で草次郎パパと浴室で裸のお付き合いをしてしまった仲な訳で、何をいまさら感が無くはありません。あと、一郎太と間違えたおがちんがとっても嬉しそうに抱きついていこうとしている点も注目でしょうか。そして非番の時(のはず)に制服で妹の学校に来て、制帽を民間人に貸与してしまう一郎太。間違いなく警官として色々まずいはずですが、そこは一郎太。お構いなしです。

とりあえず事情を飲み込めたおがちんは、なわとびで草次郎を引っ張って図工室に誘導します。両手首に巻いて歩く姿は刑事と被疑者そのもの。草次郎パパ的には慣れっこなのかもしれませんが、まさか娘の同級生にまで捕縛されるとは。おがちんは接近しそうになっては懸命の回避機動で接触を避けつつ図工室を目指します。おがちんの体腐蝕のメカニズムも知りたいですね。

図工室ではしんちゃんが母の肖像画に苦戦中。おとなしく微妙に不出来な絵を晒せばよいものを、ここでカッコつけたくなってしまう辺りがしんちゃんのまだまだ甘い所。みっちゃんクラスになれば堂々としたものです。おがちん作の美麗なあかりママ絵を運良く(悪く?)発見し、自分の絵と偽って母に見せてしまいます。あかりママは天に昇る気持ち。千葉氏の適当肖像画を愚痴る和美ママに「そっくりじゃないですか〜〜」と答えてしまういかれポンチぶり。矢部っちの目にも止まり、市のコンクールに出展しようと話が大きくなって大いに慌てるしんちゃん。マズイ展開です。

そこにたどり着くおがちん+草次郎パパ。手首を繋がれて警官の制帽を被った姿にさすがのみっちゃんとひとはは知らん振りです。そして加藤ママ登場。加藤さんに似て感じの良いお母様。制帽を見て、一郎太兄と勘違いしてしまいます。さすがにSSS隊は家族ぐるみの付き合いまではないのですね。ここでふたば画の草次郎の肖像がおがちん絵として出てくる2段階目の勘違い。起こり始めた騒ぎに、張本人であるしんちゃんは責任を取って男らしく自白します。オトコマエ!

しかししんちゃんが掴んだスケッチブックはふたばのもの。開かれたページにはふくよかな乳房が。ああ、今晩の家族会議はきっとエンドレス。佐藤家の明日はどっちだ!! 一連のシークエンスがカチッカチッと噛み合わさってオチになだれ込んでいくみつどもえらしい展開でした。

みつどもえ257卵性 ヤンキーに真っ先に狙われるのは私よ〜/何かグッショリした形跡!!

130912blog

・・・じゃ、じゃあM下さん(仮名)の日記を見てみようか・・・

 8月30日 今日は親友二人の信じられない姿を見た。
幼少期からの親友であるY岡はスプレー片手に指二本を宙に突き立てながらドスの効いただみ声で凄んでいた。将来が心配なのでこれからもあたしが見守ってやらなくては。
そして同じく親友であるS(本人の名誉のために特に名を秘す) はFトンネル内で下半身からありえない量の発汗をしていた。決して某三女のいたずらで恐怖の余り失禁したのではなく、汗であった事を特に強調しておきたい。

何と発売日前日の9/11にのりお先生直々の予告がTwitterでありました。すなわち今号257卵性は「みく 汗をかく」との事で、杉ちゃんが曰くありげな水滴に囲まれております。読み終えた今なら納得のナイス予告ですが、さすがにこれを見た時に想像した事は何一つ当たっていませんでした。この予想のひっくり返され方も意外感を増強していて、実に味わい深い予告と言えるでしょう。来月も期待していいのでしょうか。

そしてそもそも今回のタイトルが「みくちゃんのGスポット」です。Gは「ゴースト」とちゃんとルビが振ってあるので小さなお子さんでも安心ですね!物憂げな杉ちゃんのタイトル絵がさらに謎を深めます。困惑した空気の中、一人暴走している松岡さん。悲劇の予感しかしません。

9月1日・・・これもこの文章を書いているまさにその時のりお先生から9/1は日曜日だったというツイートが。さらにこれは単行本では「二学期初日」に訂正される事も告知され、リアルタイムな疾走感がありありな今日この頃のみつどもえ、本当にいい時代です。こういう部分は編集がチェックするのかと思っていましたが、そうでもないんですね。タイトルのあおりでも積極的にのりお先生のTwitterIDを積極的に告知しています。

とにかく二学期初日、夏休みの宿題を回収した矢部っち先生が、宿題の絵日記を読む所から惨劇は始まります。たまたま一番上にあったのか、開いたページが吉岡さんの8月30日の杉崎家でのお泊まり会の日記だったのが発端です。以前のりお先生が主要キャラの筆跡を描き分けている驚異についてこのブログにも書きましたが、今度は絵です。吉岡さんの絵は確かに吉岡さんの雰囲気漂う可愛い絵柄。注目したいのは自画像の眉毛が控えめな所。まあ、そうですよね。とにかく、チーム杉崎+さっちゃん+三女さんの5人によるごくごく平和なお泊まり会がそこには展開されています。

そこで松岡さんの参加に目を留める辺りが矢部っちの先生として偉い所。ちゃんとクラスを見ている証拠です。早速松岡さんの当該ページを開くとそこには・・・霊で満たされた空間ににこやかに「一人で」佇む松岡さん。松岡さんの意外に男性的な文字で漢字を多用した文章とワイルドな絵。地面に大きく描かれた自画像と同じ顔がこの絵の「本物」感を醸し出していてちょっと怖い。時々見る患者さんの絵に通じるものを感じます。とにかくガーリーな吉岡さんの日記とは180度正反対な凄惨な情景が描写され、ここに一つの謎が提起されるのです。真実は一体どこにあるのか。

時間は戻って8月30日。夏休み終了寸前。前回プールでうっかり松岡さんと廃病院巡りの約束をしてしまってこの日を迎えたチーム杉崎。何とか心霊スポット巡りを回避したい3人です。廃墟につきものと言えばヤンキーの方々の謎のスプレー落書き。ヤンキーに襲われる妄想心配をしつつ何とか策をひねり出したい杉ちゃん。そこに松岡さん登場。途中不幸にも拉致された「ス−パーアドバイザー」の三女さんも一緒です。

ついに妙案が浮かんだ頭脳派杉ちゃん。心霊スポットをネットで見つけた事にして、目隠しをしたまま松岡さんを自宅に連行。イマイチ飲み込めていない吉岡さんや麻里奈ママを制止しつつ、無事に自宅に到着。目隠しを外そうとする松岡さんには「目玉を奪う霊」をでっち上げて目隠しを外させない悪辣ぶり。さすがにこれは無理があるのではという疑惑の他をよそに、自分の策に絶対の自信を持つ策士みく。

到着時すでに暗くなっていたのか花火を始める事になりますが、そもそも敷地内に桜の林があったりする杉崎邸だけあり虫除けをスプレーしようとする吉岡さん。しかし、鋭敏な松岡さんの耳はその音すら逃さず、廃墟に落書きをするヤンキーが脳内に合成されてしまい果敢な抗議が始まります。そもそも心霊スポットと称して連れてきた以上仕方なく、やむなくヤンキーとして精一杯の低音で抗議を受け入れてみせる吉岡さん。恥ずかしさに真っ赤です。実に愛らしい。そもそもこの手のポーズは何なんでしょうか。ラッパー的な何か?

気を取り直して花火開始です。あまりにちょろいので調子に乗って絵日記まで付け始める杉ちゃんですが、好事魔多し。ネクタイを通して薄ぼんやりと見える花火の光は松岡さんにとっては人魂。狂喜して宮下さんの花火に飛びつく松岡さんですが、さすがにこれはリアルに危険。もつれるうちに松岡さんに引火します。慌てて服を脱がす吉宮二人ですが、目隠し代わりのネクタイまで取れてしまいます。杉崎邸が松岡さんに心霊スポット認定されかねない重大な危機に、慌てて手で目隠しする杉ちゃん。しかしここで肝心のネクタイは三女さんの花火によって焼き尽くされる不運。しかし「ここで」手を放すわけにはいかず・・・

仕方なくリアルな心霊スポットに松岡さんもろとも出向かざるを得なかったチーム杉崎+ひとは。そう、ここは「涅槃のアイドル Sanjo」さんがデビューしたFトンネル。霊のかけらもなさそうな真冬でさえ、あの三女さんが泣いて松岡さんに縋った恐怖のトンネル。生暖かい夏の夜更けともなればどう考えても不気味そのもので、いつもの威勢の影もなく完全に恐慌状態の杉ちゃん。おまけに松岡さんは水を得た魚となりさっさと離れていきます。暗闇の中、杉ちゃんに背後から忍び寄り目を覆おうとする闇より深い漆黒の何か。杉ちゃんは絵日記をお尻に敷いたまま絶叫します・・・。

この二つの日記の理解不能な乖離を解明しようと、矢部っちは制止しようとする三女さんに構わず参加者の中で最も理性的と思われる杉ちゃんの絵日記に手を伸ばします。吉岡さんも松岡さんも方向は違えど思い込みの人。しかし、その絵日記はゴワゴワのガビガビとなり、しかも当該ページは白紙のまま。懸命に汗だとフォローしようとする三女さんの微妙な表情。三女さんはどう書いたんでしょうね。無関係の事を書いてごまかしたか。

きっと杉ちゃんは歯を食いしばって登校し、屈辱にまみれながら絵日記を提出したのでしょう。この現場にみっちゃんがいたらどうなっていたか。そして一見お花畑
に見えた最初の絵日記の行間に溢れる、吉岡さんの心の叫びが改めて聞こえてくる気がします。どう転んでも、吉岡さんの望む女の子らしいお泊まり会などあり得ないのがみつどもえの定め・・・。 

C84寄稿・みつどもえおまんが

今年の夏に刊行された「サークルやらないか」さんのみつどもえ合同誌「Journey Through The Decade」に寄稿した4ページの短いおまんがです。

当初は上尾まで海岸線が進出した「埼玉の海」のイメージが浮かんだのですが、それをマンガにするには背景をめちゃめちゃ描かないといけない事に気付いて断念。コミケはちょうどお盆の頃なので、素直に松岡さんに登場してもらいました。

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