パンツ売りの母娘
あれだけの手間と熱意で作ったパンツがみっちゃんの鶴の一声で廃盤の憂き目に。杉崎家の習わしに従い売り切るまでお小遣い無しを自らに課した麻里奈ママであったが、案に相違してみっちゃんプロデュースパンツは飛ぶように売れて杉崎家に更なる富をもたらしたという・・・(ただし購入者はほぼ男性)マニア向けに杉ちゃんもお手伝い。
今月号から別冊少年チャンピオン電子書籍版がついに発売されました。結論から言うと大変素晴らしい。5年前のiPad2+Kindleアプリで読んでいますが、一度体験すると紙の雑誌を開く気になれません。何より印刷が段違いに鮮明です。ただ、惜しむらくは現時点で紙よりも1週間ほど遅れて発売される事。正直細部のよく見えないくせに分厚い紙の束が煩わしくなってきていたので、是非単行本同様に同時発売をお願いしたいと思います。一部の作品は収録されていないようですが、これは何か理由があるんでしょうか。権利的なもの?
みっちゃんと言えばパンツ。様々なパンツを蒐集して着用するのがヒロインの務めであり日々粛々と実行しているわけですが、やや特殊な体型のためパンツが体に馴染むまでパンツを物理的に変形させる必要があります。膨大な数のパンツを着用する事で体に馴染ませるには時間と肉体的苦痛を伴いますので、結果として三つ子の居室の手近なみっちゃんのお尻サイズの物体(e.g.ランドセル)はパンツのエージング用オブジェとして活用されます。しかし今回の三女さんの驚きようを見ると、みっちゃんが新規に考案して試験中のよう。これまでのパンツは一日一日みっちゃんのお尻が大事に育ててきたものだったんですね。
さすがに部屋や自分の椅子をパンツ伸ばしに使われるのは不本意な三女さんとふたば。その痴的な風景は三女さんによってみっちゃんをこよなく愛する杉ちゃんに送られた模様です。また、ふたばのはき古しパンツ提供の申し出は「名前がデカデカと書いてあるのでダサい」という理由で却下されました。しかし、名前さえ無ければ良いのであればひとは→ふたば→みつば(お尻のサイズ順)という形でパンツ資源の限界までの有効利用が可能だと言う事であり、草次郎パパは丸井家の財政のために真剣に検討しても良いのではないかと思われます。
母娘でみっちゃん愛を共有する杉崎家によって、麻里奈ママのハートに火がつきました。三女さんの「みっちゃんのパンツはもうオープンなものだし・・・」というセリフはみつどもえの主題をよく現した名台詞だと思います。しかしわざわざスーツと眼鏡を装備して豊満系ビジネスウーマンを演出する麻里奈ママ素晴らしい。いつものゆるふわ系の服に較べて体のラインが段違いに。そんな麻里奈ママですが、有閑セレブのゴッコ遊びとは次元が違う事を見せつけてくれます。一流下着メーカーの社長との人脈を活かして大量生産一歩手前まで準備してからのご提案には、娘の杉ちゃんも驚愕。吉岡さんへのささやかなジェラシーから本を出版してグッズまで作っていたのはこの血のなせるわざだったのですが、さすが母は規模が違う。みっちゃんは「芸能人みたい」、ひとはにとっては丸井家にリスク無く大富豪への可能性。丸井家サイドに文句のある筈もありません。杉ちゃんのブラが「オーダーメイドの謎の胸あて」呼ばわりされていたのもクスッと来ました。最近は偽装しなくなっていたんですね。自然な杉ちゃんもよいものです。
話が決まれば行動も速いのが杉崎ママ。みっちゃんの生パンツでじっくりサンプリングです。大変いい絵柄です。ひとはもさっそくスマホで記録してますが、無音アプリでの盗撮をみっちゃんがちゃんと理解しているのは杉ちゃんとの10年にわたる愛の盗撮の日々の賜物でしょう。ひとはもスマホを正しくない方向にもちゃんと使いこなしてますね。耐えきれずパンツを脱いで提供するみっちゃん。麻里奈ママの「待ってましたー♡」ですが、分析後コレクション入りは間違いないでしょうね。さて、パンツですが単にみっちゃんパンツを再現するだけでなく、素材も徹底的にこだわり抜く覚悟のようです。ゴムの木から選定していたら1枚1万円ですら安すぎるように思えます。主婦の目線からマーケティングに参加する三女さん。1枚3000円ですら結構なお値段のような。みっちゃん提案の試着済みパンツは一定の層に大人気でしょうが既に先行事案が多発した後で取り締まりの対象ですね。
アタッシュケースを手に学校に乗り込んできた麻里奈ママ。中にはみっちゃん好みの動物柄のゆるふわパンツがずらりと並んでいます。さすがのみっちゃんも自分に合わせたパンツを穿いてくれる同級生女子なんていない事はちゃんと理解しているわけで・・・辛い瞬間ですがそこはふたばがすかさずカバー。まるではいていないような履き心地・・・ですがスパッツの上から穿いても落ちてしまうこの驚異のゆるゆる感。さすがに本人にはぴったりフィット、しかも千葉氏の秘技テストにも合格していよいよ量産化です。
量産が軌道に乗ったのかまた学校に駆け込んでくる麻里奈ママ。バックプリントにも改良が加えられ、着用時の生地の伸びまで加味したデザインになるなど完成度がさらに高められているところに高い技術を感じます。麻里奈ママの情熱を受け止めるさすが○コール。ブルマの上から着用したみっちゃんですが、これはみつどもえにおけるパンツガイドラインギリギリの絵柄ですね。しかし、この形でなければみっちゃんのこの姿は形にならないので大変貴重なものです。
ここまでこだわり抜いたパンツですが、みっちゃんを尊重するあまり、でかでかと「Ⓒ丸井みつば」がお尻に表示されていました。これは麻里奈ママには外せなかったのでしょうが、みっちゃん的には譲れない一線を越えてしまっていたのでした・・・。みっちゃんが回収回収と騒いでいますが、単純にこの文字を抜けばよいだけなので次のロットからは文字抜きで生産し、第1ロットは全国のみっちゃんマニアに売り捌けば定価より高く買ってくれるでしょうから問題無いように思います。このパンツを誰が買うのか問題ですが、みっちゃん世代ではなく成人女性にその装着感とクオリティから人気が出て、それなりにヒットしそうな気がします。ひとはも家計が助かってみんなハッピーというオチもありかと。全編パンツまみれなみつどもえの原点に立ち返ったお話でした。