Made in USSR bis

桜井のりお先生の「みつどもえ」(連載完結)および「ロロッロ!」(連載完結)について1話ごとに感想を述べております。

2016年12月

みつどもえXXX卵性 2017年はモブがアツい・・・といいな

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モブとレギュラー

あと一歩の所で浮上できない所にいるおでこさん達3人組と生まれながらの主役3人。決して対立するものではないと分かっていても、あえて対立してもらった方が面白い気がします。

みつどもえの素晴らしいところは、メインキャラと同じくらい、いや時としてそれ以上にメインではないキャラ達(モブ)が輝いている所です。これはみつどもえに限らず、個人的に面白いと思う漫画には必ず良いモブキャラがいる事から普遍性があると思っています。メインキャラとモブキャラの線引きは難しいし、作者はきっと同等に頭の中で動かして作品を作っているとは思うのですが、やはり登場頻度が少なかったり掘り下げがされにくいというのはモブの宿命だろうと思います。

みつどもえで言えば、個人的には峰さんがモブのアルファでありオメガなのですが、メインキャラの親たち、先生、1年生達など圧倒的な数のモブが存在感をもって動き回っていて、豊かな作品世界を作り上げているので、読む人ごとに好きなモブキャラもいるんだろうと感じています。

まだどうなるかは分かりませんが、2017年の夏に向けてモブモブしていきたいと考え始めている年の瀬です。年明け以降、サークル「眉毛の形は人ぞれぞれだよねっ」のブログ上でもポチポチ告知を始めていきますのでみつどもえのモブを愛する方はよければ覗いてやって下さい。

2016年は拙いブログを見て頂きどうもありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。 

みつどもえ333卵性 マホウ・・・カケルフォ・・・/ウフフ幸せな聖夜ッス

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丸井家のクリスマスって・・・

しんちゃんを目潰ししたあと、ちゃっちゃと体を洗いながらこんな会話があったとしたら。いつもクリスマスイブはふたばの夢を壊さないように駆けずり回っている2人。みっちゃんと三女さんが主役になれる丸井家のクリスマスもそろそろあってもいいのではと思ってしまいます。

334卵性もそうですが、今月はタイトルカット無しでいきなり始まるスタイル。みつたまさんに指摘されて気付いたのですが、柱のキャラクター紹介もありません。ロロッロの影響なのか、気分一新という事なのか、次号がどうなっているか気になります。

スタイルは変わりましたが、クリスマス回は基本に戻って丸井家のふたばと草次郎サンタ。パパの部屋は居間の隣の和室なのですね。隣にふたばがいる状態でサンタ服の試着とはあまりにウカツすぎる草次郎パパ。寝静まった深夜にこっそりやるべきでしたね・・・。去年のイブは午後3時には就寝していたふたばですが、今年は起きて直接サンタさんにふたばの願いを伝える事になってしまいました。しかもサンタ服姿のまま見送られて、家に入る事もままならぬ状態に。じゅんじぃサンタと草次郎サンタ、それぞれの外国人セリフがフランス語風なのが面白いところです。

イブ当日。トナカイの曳くソリに乗って空から現れるわけにもいかず、地上を歩いてくる草次郎サンタ。「メリクリ」と言いながらメロイックサイン的な手(もしくはI love youサイン?)をしているのがかわいらしい。早速のふたばのお願いは「パパをイケメンにして欲しい」。あれだけ懐いているパパはやはりふたばからしてもイケメンではなかったのか・・・これは草次郎パパもショックだったはず。とにかくでっち上げてでも叶えようとするひとはとみっちゃん。かくして頭部はしんちゃん、体は矢部っちなキメラ草次郎が出来上がります。元々若き日のパパはしんちゃんそっくりだったというこれまでのネタを上手に活かした展開ですね。

しかし、ふたばの真意はそこには非ず。みっちゃんとひとはが普段から口にしていた草次郎パパへの不満を解消して、パパと仲良くして欲しかったという、ある意味2人の「ふたばのために」をそっくり返された形になってしまいます。ここでのキメラ草次郎とのイチャコラがみっちゃん=しんちゃん、ひとは=矢部っちという2つの形でのイチャコラに還元されるという魔展開。それぞれのファンにはたまらない構図でしょう。ひとはは矢部っちの上に座っていますしね。さすがに心中穏やかとはとても言えない草次郎パパ。前が見えない矢部っちは仕方無いとして、その殺気におののくしんちゃん。

しかしふたばはそんな程度では満足しません。畳みかけるようにお風呂を要求。矢部っちはお湯の中でシュノーケリングでひたすら耐えるという苦行。水面上に出たしんちゃんはドキドキしながら2人を待ちますが、みっちゃんの容赦ないシャンプー攻撃で目つぶしを食らって悶絶します。ふたばのために体を張る姉妹2人と巻き込まれた不幸な男2人とひたすら耐える父。しかし、その姿を見て無邪気に喜ぶふたば、しかも心の底では家族の睦まじい幸せを願っていたふたばの姿に涙する草次郎。ここまで来るとふたばのサンタを信じているのも実際はどうなのか分からなくなってきますね。

仕上げは「一緒におねんね」しんちゃんには天国なのか地獄なのか分からないクリスマスイブとなりましたが、ふたばの就寝でようやく解放されます。こんな極限の状況でもちゃんと「よいお年を」と挨拶して去って行くあたりがイケメンなしんちゃん。未来の嫁への奉仕を果たしきりました。1人寝るふたばの横に寝る草次郎と、ぎゅっとしがみつくふたば。ふたばはふたばなりに家族に奉仕する自分のクリスマスを実践したわけです。満ち足りた寝顔が微笑ましい。

翌朝、丸井家を訪れた吉岡さんと宮下さん。この2人は一体どういうクリスマスを過ごしたのやら。そして目にしたのはパン1でみっちゃんとひとはと同衾していた矢部っちの乱れた姿。この状況で寝てしまえる矢部っちも相当タフな精神の持ち主だと感心してしまいます。昨晩は体担当として、周囲の状況が分からぬまま耐えてきた疲れ故でしょうか。ここぞとばかりに昨日のフラストレーションを解消しちゃう草次郎パパですが、元はと言えばパパの不手際を助けてくれた恩人な訳で、ちょっと矢部っちが気の毒かなと思うオチとなりました。

みつどもえ334卵性 あたし吉岡と永遠に結ばれちゃうの!?/爛れた三角関係だよ〜〜

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こんな正月も悪くないなっ☆

2017年の正月早々、1コマ目で永遠に結ばれてしまった吉岡さんと宮下さん。肩を寄せ合ってココアで体を温めながらカップルを待ち伏せ。こんな時間の過ごし方もいいものです。 

今回は順番を変更して334卵性から感想を述べたいと思います。なぜって新年1月号からまさかの吉宮回。一足早いのりお先生からのお年玉です。盆と正月が一緒に来たとはまさにこの事。今回は333卵性もですが、タイトルカットなしでいきなり始まっています。2017年はこのスタイルで行くのか、元に戻るのか気になる所です。

鳥居と初日の出をバックに、宮下さんとのツーショット自撮りを決めた吉岡さん。自ら「この神社の鳥居の中に入った初日の出をバックに2ショットを撮ると2人は永遠に結ばれる」を実践しております。慌てる宮下さんですが、何とこの噂はカップル採取を目的とした吉岡さんの流した噂。でもちゃんと自分たちでやっているわけですから、吉岡さんと宮下さんは永遠に結ばれる事確定と言う事でよろしいかと思います。「大丈夫」とか「デマ」は今さら通じませんので吉岡さんはしっかり責任を取って下さいね。この神社ですが、
立派な石畳や鳥居の感じなどから上尾の隣の大宮の氷川神社なのではと考えていますがどうでしょうか。

噂を流しておいて引っかかったカップルを観察しようという吉岡さんの決意は固い。やり方が汚いと言われ「宮ちゃんは帰っていいよ」と返すのは親友ならではの距離感のセリフですが、そう言われてもちゃんと寒さを気遣ってココアを買ってくる宮下さんもなかなかの友ぶりと言えましょう。
素直に喜ぶ吉岡さんもかわいい。という事は、宮下さんは2ショット写真を撮るためだけに呼ばれたという事?おそらく2人で初詣は済ませたのだと思いますが・・・しかし、朝から張っていてもそこにいるのは運命の人を自撮り棒片手に待ち受ける海江田先生のみというボウズ・オブ・ボウズのお寒い状況。

そんな中、訪れたのはみっちゃんとひとは。ひとははチクビと永遠の絆を確かめに・・・ちゃんと片目をつぶって写真におさまるチクビのあざといまでの賢さよ。ひとはを笑うみっちゃんですが、そんなみっちゃんに千葉氏のストレートなお誘いが。不意打ちに慌てるみっちゃんをよそに、なぜか冷静に太陽の高度を気にする千葉氏。こういう時に拒絶しないのがヒロインたるみっちゃんの偉い所。OKしかけたところに乱入する杉ちゃんとこれまたドストレートな告白と衝撃を受ける吉宮。みっちゃんを巡る三角関係ですが、なぜか太陽の高度については通じ合っている杉ちゃんと千葉氏。お互いの意図を完璧に理解し合っているような。

たまらず飛び出す吉岡さん。この愛をしぼませてはいけないという恋愛至上吉岡主義の発露であります。初日の出はすでに中天高く昇り、条件を満たすためには必然的に超ローアングルからの写真になります。写真に満足する千葉氏。そこにはみっちゃんの真っ白な初日の出(詩的表現)が・・・それを見てさらにヨダレを垂らしながら後ろ向き撮影をリクエストする杉ちゃんと、何の疑いもなく再度ローアングル撮影を行う吉岡さん。この新年早々の変態リクエストに応えるみっちゃんと吉岡さんの天使ぶりが際立ちます。

みっちゃんパンツはいいとして、吉岡さんがあれだけ流した噂どおりの写真を杉ちゃんは壁新聞で公開するのでしょうか。多分自分の顔には目隠し線でも入れるんでしょうが・・・どっちにしてもみっちゃんとの永遠の愛の絆を大公開という事になって真っ赤になって否定する未来しか見えません。良い未来ですけどね。

みっちゃんを巡る爛れた三角関係痴話ゲンカのさなか現場を逃亡した海江田先生は、単に燃料たる氷結の補給に出ていただけである事も最後に判明しました。正月早々これでは海江田先生は海江田先生のままの2017年になりそうですね。ある意味安心ではあります。

みつどもえXXX卵性 みつどもえとロロッロ

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みっちゃんロボ大地に立つ

もしみっちゃんがイチカ並のロボボディを手に入れたら・・・とりあえず「空を飛ぶ」時に重くてリフトオフ出来なさそうな予感がします。(iPadPro+procreateで描いてみました)

今年のみつどもえ界を振り返ってみた時、一番のニュースは短期集中連載「ロロッロ」の登場でした。テイストはのりお先生作品そのものですが、SF的な世界をベースにしたお話の構成や舞台など新機軸を狙った意欲的な作品で、5話を読んだ今も続きが楽しみでなりません。同時並行で連載されていたみつどもえとロロッロ、どう違うのか並べてみました。

(1)1話完結と連続もの
みつどもえは最近の数話の例外を除いて、1話完結を頑なに守ってきました。しかも1話の中にオチが複数ある構成で、とにかく高密度のお話が特徴です。ロロッロはイチカが完成してちとせと出会ってからその翌朝までの24時間をイベント毎に区切って見せる連続ものの形式を取っています。ただ、構成としてはイベント毎にきっちりオチがついていて、時系列上に綺麗に並んだ1話完結型の作品群と言っていいかもしれません。

(2)リアルな日本とどこか不思議な街
みつどもえの舞台は連載中の日本そのものです。特定可能な時事的な背景は描かれませんが、携帯電話が二つ折りのガラケーからスマホに進化してゆくなど、時代を限っているのではない事は明白です。また、みつどもえ時空と呼ばれる不思議な時間の中で物語は進みますが、これは説明されない前提として、6年生のまま螺旋を描くように時間が流れます。ロロッロは背景を見る限り、日本離れした風景で場所を特定する事は現時点ではできませんし説明もされません。しかし、コマーシャルのロボットやイチカを作り上げた森繁博士の技術は明らかに現在よりも進んでいてSFの領域と言って差し支えないでしょう。今後のストーリー中で少しずつ明らかになっていくものと思われます。

(3)不審な父と不在な母 
両作品においても主人公たちの父親は周囲にとっては不審人物で、髪型・体格的にも似ているように思えます。森繁博士は森繁製作所という謎の工房の主で鉄の面で素顔を隠していますが、隠している理由は不明です。草次郎パパは若い頃イケメンだった、という以外職業等一切不明のままです。どちらの父も良き父であろうとしている点は共通しています。そして母の不在。これはいないのが当然のようなストーリーであることも両作品で共通かつ一貫しています。 

(4)ライバルキャラ
みっちゃんにはピョンピョン杉ちゃん、ちとせには駄犬うみちゃん。ヒロインにはライバルキャラは絶対必要です。どちらも愛が暴走気味ですが、イチカにちとせを取られそうなうみちゃんの方が今はちょっと心配です。

(5)ダメなおまわりさん
自分の欲望・欲求にストレートな両作品の警官たち。裏返せば両世界の平和さの象徴とも言えます。一郎太はあたりはばかる事無く妹の愛梨を溺愛かつ執着し、もはや闇のレベルに至っています。ロロッロのポリスさんは基本的に発砲魔と思われ、独り身が寂しい事を隠そうともしません。一郎太に較べればまだ職務への熱心さはまだまだ失っていないように見えます。一郎太は妹愛が強すぎて社会生活に完全に支障を来している疑いすらあります。ここはのりお先生の警察観の反映なのでしょうか。

300回を軽く突破したみつどもえですが、のりお先生も作家として色々な作品に挑戦したい、という思いがあってそれが結晶したのがロロッロなのではないかと思います。この二つの作品世界が上手に噛み合って長く続いてくれる事を今は祈りたいと思います。
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