Made in USSR bis

桜井のりお先生の「みつどもえ」(連載完結)および「ロロッロ!」(連載完結)について1話ごとに感想を述べております。

2018年05月

ロロッロ! ver. 32.0 便利だなこの人/弄ばれた……

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そろそろ部長さんに極上の素材(ボディ)を提供していただきたい記念特別カラー
 華ちゃん会長が脱ぐたびに諌める部長さんですが、もうこうなったら一度華ちゃんとガッツリ抱き合ってモデルをしてみたらいいのではないでしょうか。美術部の良心を失うことになりますが…適度な身長差といい、対照的なルックスといい、太眉といい、とてもいいコンビだと思っています。部長さんの華ちゃん呼びがとても来るんですが、逆はどう呼んでいるんでしょう。ポリスの妹なので名前が出てこない可能性が高いのですが、ここは何とか幼馴染としての呼び方を知りたいのです。

 今日も今日とて肌と肌を合わせてモデルにいそしむ痴女会の2人。イチカが入会するまでは華ちゃん単体だったはずなのに、せっかくの絡みに腐女子組はおらず、ちとせがせっせと鉛筆を走らせています。痴女会のお2人は端から見ると誠にけしからん光景ですが、スケッチ対象としては非常に腕を鍛えられるぜいたくな題材です。裏から透かしてバランスを見るちとせ。これをするとおおむね謎の世界が見えてしまうので慌てて修正する事になります(実感)。紙だと左右反転機能が無いのが残念ですね。アンドゥも無いなんてもう自分には無理かも。しかし描いた側をスケッチされている人に晒す事になるので、華ちゃんは悦ぶしイチカはちとせの自己顕示を疑う事に。いずれも本意ではないので明るい窓の外にかざすと…わぁ〜お!

 そんな時に限って一見チャラそうで実は極めてガチで体育会系なダンス部が再登場。さすがダンスは体力勝負、きっちり走り込んでいるのですが、ダン先輩のコスチュームはダンスにしてもちょっと際どすぎやしませんか。ずり落ちそうです。そんなダンス部がいるとも露知らず、校舎の窓に何と自分達をさんざん貶して入部しなかった生意気な1年生が、窓からワイセツな図画を陳列しているではありませんか。確かこやつはクソアホとか言ってダン先輩を泣かせていたような。名前は戌井うみこと名乗っていたはず。これは事件の予感。

 同じ頃、作中でも1、2を争う良識の人、部長さんがしつこく脱ぐ華ちゃんにこれまた諦めずに説教をしています。芸術の皮を被った変態vs.良識では、やはり変態の方が強いようです。華ちゃん会長にとっては脱ぐ事即ち自己表現なわけで、芸術だと言い張られたら否定しづらくはあります。そもそも芸術とは何でしょうか。そんなに深く考えている様子はありませんが。

 そんなこんなで人に見られたら困るという話をしている最中に不意なノックの音。慌ててカーテンの中に二人をぐるぐる巻きに閉じ込める部長さんの早業。きっと華ちゃんとの日々で鍛えられた技でしょう。もしくはトリガーの異常に軽いポリス姉から無辜の民を守るために磨かれたのかもしれません。

 入って来たのはダンス部。部長さんは「段原」と呼び捨て。パソコン部情報では二人は同じクラスだとか。うみちゃんの有能さが腐女子達にもようやく受け入れられていますね。というかしれっと美術部にいるのねうみちゃん。まあ・・・友達2人がいますからね。ミシェルさん他腐女子連は。ダンス部の放つリア充かつパリピな光に目を灼かれて石の裏のダンゴムシ状態に。光が眩しければ眩しいほど影も濃くなるというやつでしょうか。ちなみにダン先輩は部長さんの事も眼中には無い様子。中々不遜な態度です。

 そんなダン先輩が真っ直ぐ向かったのは、かつて自分をクソアホ呼ばわりしたロボットダンス娘。しかし、ダン先輩はその時の経験をバネに自分達をさらに高めてダンスに向き合うという高い意識の持ち主でした。さしものミシェルさんも感嘆です。さすが学校内で憧れを一身に集める存在だけはあります。しかしちとせは全く覚えていなかった。「誰?」の一撃にさらにくらっと来るダン先輩。カーテンの中のイチカの助け舟でようやく思い出したようです。そしていつもの謎の上からスタイル。うみちゃんとイチカもいつもの事ながら唖然です。自分は絵が好きだと言おうとして自分の絵に目をやったところ、描かれていたのはあられもない姿で抱き合う女子2人。これはまずい。

 好きでも無いのに無理に描かされたと誤解され、ダンス部に連行されて行くちとせ。肝心の部長も痴女会2人を何とか隠しているので救援できません。ちとせの心中を思って激しく心乱れるイチカ。一番好きな場所から連れ出され、ちゃんと相手を説得するコミュニケーション能力もないちとせにここに戻って来る事が出来るでしょうか。遠ざかるダンス部とちとせにホッとした部長さんが手を離した瞬間、ギリギリまで巻かれていたカーテンが解ける力でイチカが華麗に舞い踊りながらちとせをキャッチ。突然クルクル回って現れた全裸女子ですが、ダンス部にとってはその華麗なターンと、それに反応できなかった事だけが問題なのでした。骨の髄までダンスなダン先輩。いいキャラです。

 ダンスしかない自分がダンスで敗れ、しかも自分のターゲットを奪い取られた…ショックで走り去るダン先輩を一緒に走りながらせっせとおだてて持ち上げる部員達。このヨイショし慣れている感じからして今回が初めてではなさそうです。情熱的だが脆い。イチカは情緒に問題ありとしますが、まあ根っからの芸術家気質なんですね。これからもちょくちょく出て来て心を弄ばれてほしいキャラです。

 とりあえず美術部の評判を守りきってホッとした部長ですが、肝心の華ちゃんが窓を突き破って外部に露出していたというオチ。ミシェルさんの「アウトっス」が気持ちよく締めてくれました。割とガッツリ突き破っていたのでケガが心配です。今回は懐かしいみつどもえ感のある勘違い連鎖ネタ。やはり鉄板の面白さです。うみちゃんも無事に合流してこれからの3人の美術部生活が楽しみです。

ロロッロ! ver. 31.0  男ってやつは…/謎が……増え…たのだ……

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林田さんの面談シーンが想像できない記念特別カラー
 常に寝ている林田さんがこの学校で生存できているのは「寝ているように見えてもちゃんと勉強が出来るから」の一点だと思うのですが、こういう三者面談時は起きていられるんでしょうか。そして林田さんの保護者は一体どんな人物なのか…こんなクセ者揃いのクラスをそれなりにまとめている先生も実は中々の実力の持ち主の様に思えてきました。

 ちとせ達のクラスを担任している名も無き巨乳先生(仮名)。みつどもえの教師陣とは異なり、今の所はごくごく常識的ないい先生です。常識人ぶりで言うなら美術部の部長子さんと同じくらい。常識破りなのはその胸のサイズくらいでしょうか。誘蛾灯のように父親たちを引き寄せております。

 そんな三者面談のイチカとちとせにとっての悩みのタネは博士の風貌です。著名な発明家としての社会的な地位とその能力に反して、鉄仮面に半裸エプロンという謎のいでたち。今のところまだなぜその格好をしているかについての具体的な説明はないままです。さすがに愛する一人娘に仮面を外してスーツを着て来いと言われたら、そうするのが親の道だとは思いますが…巨乳目当てに廊下にたむろする父親達の中から自分の親を探せないちとせ。心なしか父親たちの体型も割と似ています。自分の父親の素顔を知らないちとせ。物心ついた時からあの格好だったということでしょう。おそるべし森繁家。

 実は博士は謎のハッカーに対抗するため研究所を離れられなくなっておりました。外部とのネット接続を切って来れば良かったような気もしますが、ホログラム投影で済ませようとする博士。ついでに仮面も取らなければスーツも準備していないダメダメぶり。割と生活能力に疑問がある感じです。家の切り盛りはちとせの仕事だったんでしょうね。イチカの腕時計がプロジェクターのようですが、投影されていないはずの後頭部もリアルに描出できる驚異のテクノロジー。ちなみにイチカもロボットのくせに謎のくしゃみを発して、巨乳先生を脅かします。しかもこんな時に限って便意を催す博士。とりあえず切断して順番を待つ二人。

 順番が来て入室し、そろそろ終わった頃合いと見て電源を入れると博士は排便の真っ最中。ここら辺が今回の挑みでしょうか。先生を究極に脅かしますが、それでも逃げないこの先生は意外と強いのかも。とりあえず正しい位置に投影して無事面談を終える3人。面談そのものはスムーズに終わったようです。ちとせはともかくイチカは色々成績等で言われたのではないかと思われます。

 そんな中、匍匐前進で面談室に忍び込む林田さん。夜ごとハッキングを仕掛けて来た張本人です。AI研究の第1人者としての森繁博士の全てを知りたいと願う林田さん。しかし肝心の博士は研究所のトイレにいてまだ局部丸出し状態だったいう…今までPCのモニタ越しにイチカの視覚情報を見ていたようですが、トイレではどうやっていたのか。鉄仮面のバイザー部分に情報の表示能力があるとかでしょうか。とりあえずホログラムで投影されている自分の姿もイチカを通じて見えていたと思うのですが…いくらホログラムでもパンツぐらいは上げるべきでしょうね。先生や娘たちの前なので。

 結局林田さんは後ろから博士の露出した下半身を目に焼き付ける羽目に。謎が増えたという林田さんの目には宇宙が映っていたのですが、一体どんな小宇宙(コスモ)が見えていたのやら。とりあえずその日を境にハッキングは鳴りを潜めたという事ですが、何か違った方面に林田さんの興味が移ってしまったような気がしてなりません。面談シーンが見たかったといえば、林田さんの他にもうみちゃん、小堀ちゃん、マリエンヌ会長あたりの親御さんはみてみたかったかも。会長さんは面談の時も変態しちゃってないか心配です。

ロロッロ! ver. 30 まーだマウントとろうってわけ?/おじさん……っ

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うみちゃん「通りすがりのおじさん」にホイホイ騙され記念特別カラー
 自己承認欲求の虜になってしまったうみちゃんを意のままに操るのは、ちとせにとって赤子の手をひねるよりも簡単なのであった…うみちゃんチョロい!チョロ過ぎる!そう、そこがいい!美術部および痴女会入部ももはや時間の問題と言えましょう。

 もはや入り乱れる人間関係によって、何が何だか分からなくなった感のあるちとせとうみちゃんの「どっちが先に友達が出来るか」競争ですが、今のところ美術部入部を果たしたちとせが一歩リードです。美術部でのちとせの立ち位置についてはうみちゃんも既に知ってはいるのでいいのですが、ちとせのアピールが大変にウザいのです。思わず同じ土俵に立ってしまううみちゃんですが、こうなるとちとせの方が一歩上手でさらに煽ってきます。うみちゃんのSNS充もサブ垢で自分をフォローする大変もの悲しいものだったので、煽られるのもやむなしではありますが…そんな2人を平等に黙らせてしまうイチカのさり気ない一言。コミュ力勝負では圧勝のイチカならではですが、この3人はもはやトリオと言っていいですね。うみちゃんはブレザーを脱いでベストに衣替えです。

 とは言え高性能ロボなのにメカはてんでダメなイチカ。いじっていたうみちゃんのiPud Proでうみちゃんが描いた自画像をTwitterに投稿してしまいます。うみちゃんはCLIP Studioで絵を描いているので、1.うみちゃんが描いた絵を「写真」に保存→2.イチカがTwitterで写真アイコンを押す→3.自画像を選択してツイートボタンを押すという一連の流れであったと推察されます。メカオンチが適当にいじって勝手に起こる事とは思いにくいのですが、まあそこはイチカですから。ちなみに今週のメタ発言はちとせの「メカオンチ設定忘れてた」でした。

 本邦初公開のうみちゃんハウスとパジャマうみちゃん!うみちゃんハウスは瀟洒かつ屋根に煙突があったりして、これまたなかなか良いご家庭の娘さんのようですよ。中学生でiPad Proを持っているあたりそんな気はしていましたが…そんなうみちゃんにさらっと金持ち自慢をする小堀ちゃんもやはり相当な富豪の子女ですね。森繁家もお金に困っている様子はなく、みんなゆとりがありそうです。うみちゃんの、スマホを眺めながら朝の歯磨きという超プライベートショット、のりお先生ありがとうございます!下ろした髪とラフな服装もとても良いものです。そんな朝のひと時、イチカに勝手に投稿された自画像が262いいね、フォロワー数も激増といきなりバズり始めたうみちゃん。ついに来たかうみちゃん時代。フォロワー100万人を目指してガンガン描きまくるうみちゃん。この辺のフットワークの良さ1つを取ってもなぜぼっちなのか分からないうみちゃん。

 そんなバラ色のSNS生活に一筋の影を落とす謎の「通りすがりのおじさん」。いつも同じ方向ですねですと!?余計なお世話じゃ!!と割と読んでいるこちらも心を抉られる一撃。ちなみに下の「みっちゃん保育倶楽部」がとても気になります。麻里奈ママでしょうか?無礼かつ図星なコメントに、ブロックしようとして思い留まるうみちゃん。「薄々気づいていたけどその通りよ」という自省があるのがうみちゃんの偉いところ。早速右向き絵を投入しますが、敵もさるもの。直ちに左右反転ですね、だと…言っていい事と悪い事がある事を知らないようですねこやつは…ちなみに今回のブログ絵も左右反転ですが、それは単にうみちゃんを左利きに描いてしまったのを色を塗り始めてから気付いたから、ですからね!!ぷんぷん!

 その後もエスカレートするおじさんのコメントの嵐。「全身を描け」「色を塗れ」「清書しろ」…こんな暴言が許されてよいものでしょうか。しかしうみちゃんは全てクリア!デッサンの甘さ云々を言われれば全裸になってスケッチするまで乗せられています。このおじさん、うみちゃんの性格を知り尽くしているのでは。リアルうみちゃんと自画像うみちゃんの体型の違いが萌えポイントですね。もちろんリアルうみちゃんのが可愛いです。大変素晴らしい。

 直接会おうと言い出すおじさん。これはヤバいパターンではないでしょうか。SNSによる青少年の被害的な意味で。もちろん最初はそんな気は全くないうみちゃんですが、投稿したイラストが「自画像」であると書いたところいいね数が急落。予想外の事態に慌てているところに狙いすましたかのように来るおじさんの誉めコメント。うみちゃんはコロッと陥落です。チョロい。実にチョロい。自画像と書いていいねが減ったのはちょっと引かれてしまったんでしょうね。

 日曜日、おじさんに会いに行こうとするうみちゃんを必死で引き止めるイチカ。美しい友情の形です。もううみちゃんはおじさんに依存しかけていて、これは何としても止めなければうみちゃんがおじさんの餌食になるのは必定。目印のバラの花束を「キモいおっさんセンス」とdisってまで頑張りますが…待ち合わせ場所に花束を持って立っていたのはまさかのちとせ。そう!他人の絵に対しては常に上から目線を崩さないちとせだったのでした。多分若干の嫉妬もあってキツめのコメントを繰り返していたと思うのですが、基本的にレベルの高いうみちゃんがどんどん難癖をクリアしていくのでここまでに至ってしまったようです。

 いつもながらの上から目線でうみちゃんの成長を讃えるちとせ。ついに2人の友の情が始まる…!もう一人の友、イチカはこっそり離脱を計りますが、こういうところは絶対に聞き逃さないちとせに「キモいおっさんセンス」を聞かれてしまっていました。この後3人で遊んだんでしょうね。色々身につまされもしたうみちゃん回でした。やっぱりうみちゃんはいいものですね。構成も見事だったとても良い回でした。これからのうみちとに期待が高まります。

みつどもえXXX卵性 9周年ありがとうございます/あの素晴らしい吉宮を5度6度

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吉岡さんと宮下さん
 9年間描いてもまだまだ描き足りないのでこれからも続きます

 おかげさまでこの拙いブログも開設満9年を迎えました。2009年4月29日から、みつどもえの最新話を読んだ衝撃を吐き出すために始めた感想ブログですが、内容的に何ら進化しないまま今日に至っております。それでも細々と続けてこれたのは、毎回新鮮な驚きで心を揺さぶって下さるのりお先生と、資料性等一切の価値が無いと分かった上で覗いてやって下さる皆様のお陰です。心から感謝申し上げます。

 みつどもえを始めとして、現在連載中のロロッロ、僕の心のヤバいやつまで、のりお先生のマンガに登場するキャラは誰一人お互いに似ておらず、極端に言えば誕生から死まで想像が出来るほどの独立した個性を持った「人間」として誌面に現れてきます。そんな中で、磁石のようにくっついて離れないのが吉岡さんと宮下さんの2人です。メインのみつごは立場上様々なキャラクターと接近したり離れたりを求められます。この2人はそもそも最初からくっついているので、宮下さんがひとはを追いかけ回してみたり、吉岡さんがひとはと松岡さんを巡って張り合ったとしてもビクともしないのです。なんと祝福された関係でしょうか。

 などという超個人的な妄想と共に読み続けたみつどもえですが、その作品世界はこの瞬間も終わってなどいないのです。読む人それぞれが、自分だけの大切に思える関係性を持てるほどに因果の糸が縦横に張り巡らされたこの世界、作品という形で現れなくなった今は読者一人一人が妄想でもって育んでいく時なのかもしれません。

ロロッロ! ver29.0 そのせいで俺が地獄を見る/わいせつ事件…

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林田さんで女子力の練習をすればいいんじゃない記念特別カラー
 小堀ちゃんに「女子力の練習」と称して胸を揉みしだかれるピポ子さんですが、ちょっと待って!女子力って事はつまり…小堀ちゃんは女子って事ですよね?女子と接する事を女子力とは言わないわけで。そういう事なら林田さんと裸のお付き合いをいくらしたって問題ないですよね。そろそろ「性別不明」をやめてカミングアウトしてもいい頃なのでは。

 初登場時から軽妙なトークで常に女子の輪の中にいる小堀ちゃん。最近ちょっと女子との接し方にぎこちなさが目立って来ております。女子に触れられると可愛く叫んだりなんかしちゃったりして。お金持ちアピールをして女子に接近しているように見せかけて、どうも実は女子と接触するのが苦手なのは本当のようです。自ら修行のようにして女子と接触している様ですが、それでも女子の輪が途切れないのは、小堀ちゃんがお金持ちだったり可愛い外見だったり以上に、女子として小堀ちゃんが警戒心を引き起こさないからなのではと思うのですが…

 小堀ちゃんと同じくらい複雑な立ち位置にいるのが小堀ちゃんの唯一の友、ピポです。ハードボイルドな殺し屋としての心を持ちながら、女性としての外見を森繁博士に与えられたせいで女性として振る舞わねばならない屈辱。しかもその外見ゆえに女子とのコミュニケーションツールとして重宝されてしまっているという。しかも小堀ちゃんはピポの体を触る事で女子と接する練習すらしているのです。イチカがカジュアルに女性と男性を行き来したのとは違って、ジェンダーは2人にとって呪縛の様にのし掛かってくるものになっています。

 そんな小堀ちゃんが唯一安らげるのが、基本的に女子とは無縁なギークボーイ達の溜まり場であるところのロボット愛好会の部室。しかし、その聖域は部室の机の上で股をおっ広げて熟睡する林田さんに侵略されておりました。人工知能と一緒にユニークな寝方の研究もしているとしか思えない林田さん。今回は無防備の極みというか何というか。これは危険すぎる。

 こんな時も主人である小堀ちゃんの修行を追求する、お友達ロボットの鑑ピポ子さん。蜂の様に飛び回って周囲の椅子を座れなくして小堀ちゃんを林田さんの股間の前に座る様に仕向けます。自分の代わりに林田さんで女子に慣れろという、我が身可愛さの動機もある様ですがなかなかの忠勤ぶりです。しかもAI雑誌の最新号を餌に、上手に林田さんの上半身を裸に剥いてしまうテクニシャンぶりまで発揮しますが、林田さんはまさかのノーブラ!?もしかしてパンツも穿いていないのでは疑惑すら浮かんできます。身体測定時に鍛えたシックスパックはおろか、胸まで完全露出です。のりお先生の構図の妙により上手に隠されていますが、目測ではちとせより大きくうみちゃんよりは小さいというサイズ感でしょうか。小堀ちゃんは滑り落ちそうになった裸の林田さんを思わず抱き止めて(紳士!)、ピポの狙い通りに女子とのダイレクトなスキンシップを実習中になってしまって身動きが取れません。

 主が女体と格闘している中、林田さんのPCを覗き見るピポ子。そこには不倶戴天の敵、炉端イチカの諸データが入力されておりました。やはり林田さんはイチカをロボットと認識し、観察対象としてフォローを始めていたのです。基本寝ているようで、鋭敏に真実を嗅ぎ分けてすべき事はしている林田さんの一面が明らかになります。やはりただ寝ているだけの人では無かった。しかしピポが思い浮かべたのはイチカに思慕の情を捧げる百合百合な林田さん。このコマは…大変良いものであります。キリッとしたイチカにトゥンクしちゃってるピンクな林田さん。本編では絶対お目にかかれない表情で、この絵面を提供しただけでも今回のピポ子さんの存在価値は200%増しではないでしょうか。

 現実のイチカは鼻歌を歌いながらロボット愛好会に「愛好されに」来ちゃう脳天気高性能ロボなわけで。しかし自分で追い込んでおいて「哀れになってきた」ではないと思うのですがピポさん…八つ当たり気味にイチカに攻撃を加えます。そんな中、早く自分を森繁博士の元へ連れて行けと要求するピポの声に林田さんが覚醒し、ピポも高度な人工知能が森繁博士によって搭載されている事を悟ります。基本的に自分に興味のある事が起こったら覚醒して情報を収集・解釈してまた眠りに落ちるのが林田さんの行動様式なようです。

 その間林田さんの胸に顔を埋める羽目になった小堀ちゃん。せっかくの林田さんの上半身ですが、やはり腹筋のせいでちょっと怖い感じになっているのが残念と言うか何と言うか。結局上半身裸になった林田さんと抱き合っているところをイチカとちとせに発見されてENDですが、桜の枝を折って退学になる学校でわいせつ行為に及んでしまった小堀ちゃんが生存できる確率は一体どれほどのものでしょうか。やっぱりここは小堀ちゃんの性別によってお咎めなしになったのではないでしょうか。今回小堀ちゃんの性別は大きく女性側に傾いたものと言って良いのでは。
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