Made in USSR bis

桜井のりお先生の「みつどもえ」(連載完結)および「ロロッロ!」(連載完結)について1話ごとに感想を述べております。

2020年04月

ロロッロ! ver. 125.0 あたしに似てるから/組織ってのはサブが優秀な方が上手く回るのよ 

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ちとせ新部長とうみちゃん新副部長

 ちとせもうみちゃんも確かにぐっと成長はしましたが、全く別の人間になった訳ではないのです。今まで繰り返してきた事を続けながら、螺旋を描く様にして少しずつ高い所に昇っていくのでしょう。その横にはイチカと歩鳥もいるはず。


 ちとせとうみちゃん、どちらが部長にふさわしいのか。長年の因縁に決着を付けるべく、状況が全く分からないのに巻き込まれてしまった新入生に、その決着が託されようとしています。何も判断する材料を持っていない人に決めろというのも無理な話ですが、この2人の場合、よく知っているほど選び難い気がするのでこれでいいのかもしれません。

 イチカがせっかく気合を入れてファイッと叫んでくれたというのに、肝心の2人はコミュ障を再発させてモジモジするばかり。どうしてもこの2人じゃないとダメなのか、というある意味究極の選択。何なら自分から絵を見せてくる自称文部科学大臣受賞の絵師1年生の鈴鹿すてら氏でもいいんじゃないかというくらい。


 しかし他人に対して上から物を言うことにかけてはこの2人は強い。すてらの作品を見て、「普通に上手い」「つまんない」等の言説でイラつかせてくれます。しかしすてらも新入生でありながらペンネームで自己紹介してくるハートの強さ。間違いなくミシェルの系譜に連なる者、生まれながらの美術部員と言えるでしょう。

 そしてうみちゃんの身も蓋もない、もっと下手な奴を貶させろという振舞い。この人はあおい旧部長やミシェル前部長の何を見て育って部長になろうとしているのか。この辺はうみちゃんを表現するさじ加減が難しいですね。うみちゃんが貶すのは基本ちとせだけだと思っていましたが。しかしやはりすてらが強い。そんな事言うならお前が見せろ、とのごもっともなお言葉。間違いなく2年後の部長はすてらでしょう。


 勇気を奮って見せたちとせの絵はすてら的には「素朴」という評価。すてら的にも嫌いな絵ではなかったのでしょうか。絶対自分より上手い事が分かっている相手にちゃんと絵を見せたちとせに、イチカが慈母のような眼差しを送っております。うみちゃんは上手いんだけど、自分だけしか描かないのでさすがにドン引きされます。1枚は身体だけはイチカのものだという申告がありますが、これはうみちゃんなりのイチカへのリスペクト?


 うみちゃんの仕切りでデッサンの時間になります。満を持して脱ごうと待ち構えるイチカですが、2年生の歩鳥取り巻き軍団の希望で歩鳥にモデルの座を奪われてしまいます。このために美術部に入ってきた人達なので仕方が無い。ここでもすてらは速いし上手い。さすがのうみちゃんも認めざるを得ない実力者です。ここでずっと黙っていたメカクレくんが耐えられなくなり入部を辞退する事に。多分絵は好きなのに自信が持てないのでしょう。そんな出て行く彼を引き止められないちとせ。しかし、どうしても諦められずに部室の近くにいるメカクレくんにちとせが動きます。絵を見せてくれ、と頼むちとせ。おそらくそこにはちとせの想像以上に多くの絵が描かれていたようです。そんな姿にかつての自分を重ねたちとせ。メカクレくんもそんなちとせに心を開きます。


 その姿をじっと見ていたうみちゃん。思う所は多々あったはずですが、一つの決心をして投票箱をゴミ箱に捨てます。そして自分がサブについてちとせを支えるという宣言。ちとせの方が一回り器が大きいと認めたようです。負け惜しみを言いつつ照れながら握手を交わす2人。実は新入生はみんなちとせを推していた訳ですが、この場合うみちゃんの自発的な気持ちが何より大事だったのでこれでいいのです。


 最後のコマの美術部の活動申請書ですが、今まで名前の無かったモブ部員の本名がやっと判明しました!佐藤愛奈・津田利花・吉村芽衣の3人です。でも誰が誰かが分からないのが残念。2年生の紺野リサさんは歩鳥取り巻き隊の1人でしょうか。


 これから1年ちとせ部長とうみちゃん副部長が、この海千山千の新入生たちとどんな部活を作っていくか見たい…見たくて仕方がない…それが今の率直な感想です。

ロロッロ!ver. 124.0 ウブなネンネしかいねーんスかここ/エロ先輩・・・? 

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 個人的に最注目な新入生2人

 自称文部科学大臣賞を受賞した天才絵師1年生ボクっ子さんと、歩鳥の取り巻きだという2年生の黒髪パッツンロン毛さんのお2人です。取り巻きさんは前作みつどもえのメインキャラの1人(諸説あります)である峰さんがすくすく育ったお姿にしか見えないので、仮に「嶺さん」と呼びたいと思います。しかしいきなり美術部が大強化されましたね。これだけ絶対面白くなりそうなメンツが入ってきたのに、ほ・・・本当に終わるんですか・・・?というのが偽らざる気持ちです。


 4月!
 いつもなら新学期がスタートした晴れやかな時期ですが、現実世界ではコロナウイルスのせいで正常な社会生活を営むことすら困難になりつつあります。しかし!我々の魂の住むロロッロ世界では、正しく新入生の勧誘が行われています。そう、これが私たちが取り戻すべき日常の風景なんですよね。
 

 演劇部の部長はみんな大好き(個人の感想です)大野さん。責任感もあるし、しっかり者の彼女なら間違いはなさそう。しかし、翻って我らが美術部はどうかというと・・・4月になったのにまだ部長を決めていない体たらく。大野さんもびっくりです。うみちゃんは自分の写真とスリーサイズ(81・58・76)に加え、「立口」「3ーA」「長い歴史」を巧みに組み合わせて部長と誤認させようというセコい既成事実化チラシで部長の座を狙い、ちとせはビラと称して新入生を諭吉さんで買って部長の座をせしめようという醜い戦いを続けています。


 結果、部室に連れてこれたのは、ちとせが理科室の解剖人形と骨格標本、うみちゃんがダッチなおワイフという散々な結果。どれも人ですらありません。やはり美術部はここまでなのか・・・そこでなぜか歩鳥が前に。「おい入れ」と言われて入ってきたのは何と女子3人。しかも峰さんまでいるではありませんか(歓喜)。しかも何と歩鳥の取り巻き!姿が美少女なだけのスケベおっさんの取り巻きって、一体普段何をさせられてるの・・・?とすら思いますが、本人たちは一緒の部活がしたいという一途さです。これにはイチカも大喜び。


 そして忘れられがちですが、歩鳥は立派な美ボ会会員。なので一緒の部活に入ってしまった3人は即全裸です。あっと言う間に机の上でポーズを取らされております。何て素敵なシチュエーション・・・ちゃんとポーズを指示したりして、歩鳥も立派な美ボ会員。嶺さんたち3人は戸惑うばかりですが、この恥じらいこそ貴重。


 そこにダイレクトなタイミングで入室して来る次のニューカマー。アミ助先輩を思い出させる奇抜な金髪にグラマラスな体型。おまけに目には花まで咲いている強烈な造形の新キャラちゃんでオマケにボクっ子。卓上の全裸女子はとりあえず見なかった事にして、平静を装う事のできる太い神経の持ち主でもあるようです。しかも自称「文部科学大臣賞受賞の絵師」だそうでこれは強い。しかしそれを聞いた瞬間に興味を失って散っていく先輩たち。思ったのと正反対のリアクションに慌てるボクっ子絵師さん。


 そんな強烈な1年生の後ろに背後霊のように立つ完全メカクレくんまで出現です。一応男子扱いされていますが、彼もまた小堀少年のように性別不明である可能性があります。トミー先輩の時はそうでもなかったのに、初めて男を目撃したかのように遠巻きにしてヒソヒソ話始める先輩たち。絵師子さんも思わずツッコまずにはいられません。


 とりあえず誰かが仕切らねばこのカオスは収束しません。買って出たのはうみちゃん。全裸に剥かれた3人も、美ボ会は遠慮して美術部へ転向した模様なので、何と計5人が入部してくれました。さっそくその流れで部長を自称しようとしますが、すかさずちとせの反撃を受けて「エロ先輩」に降格されたうみちゃん。部をエロにするのは立口よりも無理がありますが・・・久しぶりに睨み合ううみちゃんとちとせ。やはりちとせとうみちゃんは、お互い張り合っていてこそ輝く関係ですね。ここでイチカが新入生にどちらが部長にふさわしいか決めて貰おうという大胆な提案。さあ、どちらが部長にふさわしいのか!


 個性的な新入生軍団の一挙投入でグッと引きつけておいて、これからますます面白くなって来そうな予感が押し寄せて来ているのに、あと2話だなんて正直信じられません。僕ヤバの更新頻度も上がるとかで、本当に終わりそうな気配も何となく強まってはいますが、奇跡を信じて次回を待ちたいと思います。だってこんな面白いマンガが他にあるでしょうか。

ロロッロ!ver. 123.0 ロボさんの 友達/今日は何の日♬ フッフー♬ 

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花見中のみんなにも見せたいイチカの晴れ姿

 イチカの記憶喪失を利用して、ここぞとばかりに自分の姿を美化して盛り上げてくれた先輩たち。ちとせだけではなく、この場のみんなもイチカがロボとは知らいわけで、最終回までには披露されるんでしょうが、今回の劇的な飛行シーンを地上から目撃していた可能性もゼロではないかもしれません。ロロッロ世界での技術の深達度がどうなっているのか分からずじまいだったので、完全な人型ロボットであるイチカの存在がどう受け取られるのかは予想がつきませんが、少なくとも先輩たちは今まで通りに接してくれそう。


 イチカが記憶を失って、何とか取り戻そうと奮闘するちとせ。記憶を刺激してくれる最後はアミランのお二人。お嬢様を装いますが、うみちゃん以上に怪しいというか最初から演技を放棄しているというか。それより「処女わよ」とわざわざ言うって事はそうじゃないと言う事でしょうか。これはきっとラン先輩に捧げちゃったパターンですね。百合無罪。でないと泣きます。


 先輩は諦めて、思い出の通学路を巡り始めたちとせとイチカ。そしてそれを背後から見守る博士と歩鳥。ロボットの妹分として、博士の技術力はよく分かっている歩鳥は、博士がイチカをすぐに修理しない事に違和感を感じます。イチカの人格は多分バックアップが取られていて、本来なら体を直してそこに戻せば今まで通りなんでしょうね。口では色々言う歩鳥も、イチカを心配しているんですね。その気持ちを見透かされた歩鳥の「別に」の表情が良すぎです。しかし、博士は愛娘のちとせの今までにないイチカに対する真剣さの方を重視していました。ところでちとせの後ろ姿のコマにはイチカが見えませんが、完全に隠れているのか描き忘れでしょうか?


 イチカに自分とイチカとの関係を真っ正面から聞かれるちとせ。予期せぬ質問に思わず口ごもるちとせですが、自分がイチカの事をちゃんと知らない事を話し始めます。イチカの「それは困りましたね」に、出会ってからは思い出がたくさんある!とムキになって強調するちとせ。何となく過ごしていたようでいて、イチカとの日々を大事にしていたんですね。思い出のプリクラは思い出のver. 5.0最後のコマ。連載時は「次号No. 49に続く」のアオリで隠されていたのですが、単行本でもそのままだったのは気付いていませんでした。そして今回、アオリが取れてちとせがプレゼントしたTバックなおパンツの着用時の姿がモロに…という形で、「穿いているパンツ」をのりお先生が解禁した衝撃的な一コマにもなっています。みつどもえ以来頑に穿いているパンツを描かなかったのりお先生が遂に!今後穿いたパンツが怒濤のように解禁されるのでしょうか。


 思い出話はver. 0.1での初めての飛行に遡ります。ポリスに撃たれそうになって交番から学校へ飛行した事。木に衝突して飛行時の記憶を失ったちとせですが、不思議な出来事として強く印象に残ってはいたのでした。イチカの渾身のロボアピールは表面上は失敗しましたが、ちとせの中では不思議な事としてちゃんと残っていたんですね。


 そして運命の風がちとせのベレー帽を吹き飛ばします。拾いに道に出たちとせに迫るトラック。絶対に間に合わないタイミング。その瞬間、ちとせはイチカに抱えられて空中へ。ver. 0.1のあの大ゴマが再現されます。あのコマを見て、みつどもえじゃない新しい世界が始まった事を確信したのでした。そして舞い散る桜の花びら。そこでちとせは長い間言えなかった事を口にします。イチカがロボットである事、自分がイチカの友達である事。満面のちとせの笑顔。目頭が熱くなるページですが、読む側にとっては物語の結末を明らかに告げる最後の宣言でもあります。みつどもえ終盤の三女さんの笑顔が重なりますね。


 森繁製作所に無事に着地して、イチカのネタバレタイム。今日は何と4月1日。記憶喪失はエイプリルフールの嘘だったという衝撃の結末。しかしイチカへの落雷は完全に事故だった上に、下手したらこの世からいなくなっていた訳で…身を張りすぎでしょう。しかしオチとしては完璧を通り越して鳥肌ものでした。

 でも読者としては連載が終わるのもウソ、って言って欲しかった。こんなにも面白いのに…

ロロッロ!ver. 122.0 "美"を周知する活動を…‼︎/夢に向かって頑張るぞい‼︎

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サナトリウム文学な二人

 のりお先生の漫画では終盤にキャラが車椅子に乗る、というのが定番なのでしょうか。みつどもえでも修学旅行先で瀕死を装った伊藤さんが車椅子に乗って、しんちゃんを人気のない所に連れ込んだ挙げ句××していましたね。今回のちとせとイチカはもうちょっとお上品ではありますが、何にせよ寂しい感じがします。


 別れは突然に。

 いきなりの「最終回まであと4話」宣言に打ちのめされております。正直まだ信じられない思いしかありません。こんなにも面白いのに・・・まだ中学2年でしかないのに・・・


 今回は春の嵐で始まります。屋根まで板張りのようで、ちょっと不思議な森繁製作所。瓦とかではないみたいです。雨漏りを直すべく、カッパを着て屋根に上がったイチカ。雨に濡れるのを極端に嫌がっていたあの時に較べて何と丈夫になった事か。調子よく釘で板を打ち付けていたところに雷が直撃。古典的な表現ですが、イチカの内部構造が初公開です。結構人に近くて歩鳥みたいに手足がバラバラにはなりそうもない構造ですね。


 博士に抱えられ、ちとせと歩鳥の元に担ぎ込まれたイチカ。この期に及んで救急車を呼ぼうとするちとせに歩鳥が驚きます。これだけ長く一緒にいて、いまだにロボだとは思っていないちとせ。博士からも、何度もイチカがロボである事を説明しているようですが、ver. 0.1から変わらず信じていなかったのですね。改めて説明しようとしたところでイチカが意識を取り戻します。ホッとしたのも束の間、イチカは記憶を完全に失っていました。落雷で完全に壊れてしまわなかったのは不幸中の幸いだったかもしれませんが、とにかく記憶を取り戻さねばなりません。


 これまで一方的にイチカに助けられてきたちとせでしたが、この事態を受けて遂にイチカのために頑張り始めます。手始めに呼ばれたのはうみちゃん。当然手伝えと言われて渋るうみちゃんですが、イチカやちとせの様子は冗談ではなさそう。とりあえずお花見をしている先輩たちを思い出すのはさすが出来る女。確かにこんな時は頭数は多ければ多いほど助けになりそうです。


 あれ程長く一緒の時間を過ごしてきたのに、やはり誰も思い出せないイチカ。事情を素早く飲み込んだ華ちゃん会長を手始めに、ウソにならない範囲で美化された記憶でアレな自分の記憶の上書きをはじめる先輩たち。美ボ会は「美を周知する活動」、ミシェルのBL漫画は「尊い恋愛漫画」。歩鳥までがエロおやじを「おてんばだけど頑張りやさん」。ポリスまで乱入してきます。物陰からあおい旧部長を監視していたのか…


 そんな中うみちゃんも一緒になって人気配信者を騙ろうとしますが、この時だけはイチカに信じてもらえません。正しいうみちゃんの記憶が余程強固に残っているのか。しかし全体としては、皆のやばい記憶を美しい虚像で塗り替えようとする試みは成功しかけたかに見えました。しかし、そんなのはロボさんではない、というちとせの熱い思いが直接行動を生みます。全部ウソ!と叫びながら華ちゃん会長を一剥きで全裸に剥くちとせ。いつの間にこんな高等美ボ会テクニックを身に付けていたのか。


 美ボ会入会以来、ずっと隣で見てきた会長の裸によって、イチカの回路の奥に残っていたらしい記憶がゆさぶられ始めました。そのぼんやりとした記憶は、ある特定の色に結びついていました。ミシェルのパレットを取り、やおら色を調合し始めるイチカ。そしてその色は、華ちゃんの乳首の色を示していました。唯一思い出せたのが会長さんの乳首の色なのがイチカらしい記憶ではあるのですが、これだけではちとせも納得できません。いつものロボさん呼びすら覚えておらず、自分がロボットである事も忘れている事が判明。
 博士的にはなぜ「めでたし」だったのかはちょっと分かりませんでした。完全なヒューマノイドという事?一方ちとせは完全なイチカを取り戻さなくては収まりません。何と言っても一番の親友なのですから。残りの話数で一体どう着地するのか。色々考えられるでしょうが、正直ラストはまだまだ見たくなかった・・・


 でも、ちとせがイチカに向き合い始めたの事になんとも言えない終盤感があって、喜んでいいのか泣いていいのか分かりませんね。

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