ちとせならば軽々と抱えて飛べるイチカも、みっちゃんだとギリギリ浮くのが精一杯になってしまうのでは。みっちゃんが穿いているのはパンツではない何かです。
前回は三女さんとちとせという、のりお先生の依代としての主役キャラを取り上げてみました。今回はもう一方の主役であるみっちゃんとイチカです。
自称ドSの女王様気取りとちょっとドジな親友キャラ。ぱっと見には共通点が探しづらいのですが、敢えて挙げるならば
承認欲求に基づく自己顕示
でしょうか。
みっちゃんは基本的に自分の欲求に正直に振る舞いますが、その行動は自分の存在を認めさせたいという点で一貫しています。残念ながら、その試みはみっちゃんの思い描いた通りに成功する事は絶対にありませんが、その行動が変わる事はありません。後半薄れていった女王様キャラも、自分を常に見ていて欲しいという願いが、相手を支配したいという歪んだ形で現れているように思えます。
対するイチカはちとせに「ロボとしての自分」を認識させたいがための行動とその失敗がストーリーを形作っていました。そしてそれはちとせが美術部に入り、自分は美ボ会に入会するまで全面に出ていました。結局ちとせには終盤までロボットとは認識されず(ちとせは怪しんでいたようですが)、結局美術部でのドタバタがストーリーの主軸になると、その方向性はフェードアウトして行きました。
次に挙げるなら「身を挺した汚れ役になりがち」な点ですね。結局みっちゃんもイチカも自分の意思に反しながら、自分を犠牲にしてしまう傾向にありました。基本的に2人とも善人なんですよね。三女さんやちとせのように上手くすり抜けれずに、色々晒してしまうのがお約束です。
何より2人共にコミュニケーションが得意な陽性キャラです。全く物怖じせずに人と関係が結べます。むしろ図々しいレベルですらあるのは、「かつての自分はこうありたかった」というのりお先生の願望に近いものを感じます。その結果色々良くない事が自分の身の上に起こるのではありますが。
身体的には2人共ややしっかりした体つきであるのも好ましい共通点と言えるでしょう。イチカはある意味個人的には理想かも。
そしてライバルキャラの存在も見逃せません。みっちゃんには杉ちゃんが、イチカには歩鳥がいて、色々ちょっかいを出されますが途中でどんどん馴れ合って和解していくのも似ているところです。
もちろん相違点はたくさんあります。しかし物語を引っ張る陽気で前向きな姿は、作品の陽のサイドを象徴するものだと言えるのではないでしょうか。