
両作品を代表する母性
母性あふれ出るお二人ですが、麻里奈ママは胸部に、エレナママは臀部にとりわけ母性が集中していると言っても過言ではないでしょう。
「胸の谷間なんて便所以外の何物でもないよ!!」(三女さん)
「相変わらず尻で稼いでるね」(イチカ)
これに勝る賛辞はあるでしょうか。いや無い。
のりお先生作品の母は偉大である。
これは間違いのないところ。その母性はにじみ出すもので、ひけらかすものでは無い所がまた素晴らしいのです。母の形は人ぞれぞれだよねっ><が今回のテーマです。
みつどもえ世界に緊張を与える母の不在。杉崎家、吉岡家、佐藤家、千葉家と母のバラエティが豊富であればあるほど、丸井家にポッカリ空いた空白の座がますます重みを増します。三女さんは黙って母に代わって食事を作り、ふたばは草次郎パパにべったりとくっつき、みっちゃんはただただお菓子を貪る。テレビの上のナスの牛がわずかに痕跡を感じさせるだけ・・・残念ながら連載中にその謎が明かされる事はありませんでしたが、意図的に残されて埋められる事のない隙間は今もなお、読む私たちに鈍い痛みを与え続けます。しかし、出てくる母キャラたちは本当に誰もみな性格が見事に違っていて、それぞれの子供との関係性や与えているであろう影響も親子それぞれで、この重層性は今読んでも本当にあっぱれとしか言いようがありません。
ロロッロ!でも同じく森繁家には母親がいないのかと思いきや、世界を股にかけてお尻動画で稼ぐ陽気な母、エレナママが颯爽と登場してくれました。夫を愛し、娘を愛する良き母ですが、家にいないのはちとせにはやはり不安なはず。でもその不在をむしろ誇りに思うちとせがまたいじらしいのですね。一方で夫くん(森繁博士)の作り出したロボであるイチカや歩鳥を、何の隔たりもなく娘として受け入れるエレナママの大きな器もまさにビッグママ。中学生がメインのせいか、登場した母親はうみちゃんの胸配信ママくらいでしたね。キャラ達の自立が進んで、お互いの関係性の方が親子関係を上回っているからでしょう。その分エレナママの存在が際立っていました。
のりお先生のインタビュー記事でも、ママキャラを喜ぶ読者を意識していらっしゃる様子が窺えましたので、今後も魅惑のママキャラが出てきてくれる事でしょう。