Made in USSR bis

桜井のりお先生の「みつどもえ」(連載完結)および「ロロッロ!」(連載完結)について1話ごとに感想を述べております。

ロロッロ!

みつどもえXXX卵性 桜井のりお画業20周年記念展 ひすとりーすくーる直前妄想

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ひすとりーすくーる上尾会場に社会科見学に訪れた鴨橋小学校6年3組女子

 令和最新版の吉岡さんと宮下さんが、杉ちゃんの初代携帯を物珍しそうに眺めるの図。会場には連載初期からのみつどもえゆかりの品々が所狭しと展示されている様子です。峰さんを縛るのに使われたヒモまで並んでいるらしいのです。何てマニアック。物販には女子のみなさんがしんちゃんに贈ろうとしたチョコ(!)まで並んでいるとか・・・いいのか倫理的に。
 とまあ、このようにみつどもえ時空は「源義経の子供の頃の頭蓋骨」みたいなのが普通に起こってしまう奇跡の時空であります。現在の杉ちゃんはiPhoneの最新機種を使いこなしているのか、はたまたGoPro等のアクションカメラでみっちゃんの秘部のライブ感を追求しているのか・・・

 それはともかく、上尾市は今回のひすとりーすくーるを誘致して、恒久的な「桜井のりお漫画博物館」を建設することをぜひご検討頂きたいと切に願います。博物館の立地については、緑豊かなさいたま水上公園跡地がふさわしいと思います。聖地でもありますし。上尾が生んだ漫画界の巨星、のりお先生を誇らずに何を誇りましょうぞ。

 いよいよ7/12からのりお先生の記念展、「ひすとりーすくーる」が大阪に堂々上陸を果たしました。西日本民としては、見捨てられていなかったという一点に感涙ものであります。本来ならば47都道府県をくまなく回るべき展覧会とは思いますが、まずは大井川を渡って来てくれたというだけでも御の字とすべきでしょう。

 内容については「巨大なご神体が飾られているらしい」等漏れ聞こえては来ますが、ここは記憶を完全に初期化してまっさらな状態で会場に入りたいものです。のりお先生の4大連載であるところの子供学級・みつどもえ・ロロッロ!・僕ヤバは全て学校が舞台ですので、それぞれの学校を建物ごと完全再現して読者を永遠にその世界に閉じ込めてしまう・・・というのは最近のVR技術を使えば出来てしまうのかもしれませんが、やはりのりお先生の創作産物の実物を間近で見る、というのは本当に希有な機会です。描線の一本一本を目に焼き付けておきたい、そう意気込んでおります。

 今回の記念展ではさまざまなプレゼント企画も行われています。こういうのに当たったためしがないので、いつもダメ元で応募してそのまま忘れてしまうのですが、今回何とひすとりーすくーる展のポスター(展覧会サイトのトップに出てくるアレです)を頂きました。B2の大きなポスターで、印刷も美しいものです。早速アルミパネルを買って額装してみましたが、自分の部屋にB2サイズを掛けておくスペースが無いという結論に達しました。薄々分かってはいましたが・・・。現在は床置きで本棚に立てかけていますが、そのうちちゃんとした居場所を作りたいと思います。下さった運営の皆様本当に感謝です。

 ひすとりーすくーる拝観のあかつきには、また当ブログにて縷々報告いたしたく存じます。それにしても、なんというめくるめく空間が待っている事よ!

ロロッロ!ver. XXX イチカのボディ変遷史

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水没=死からの解放

 イチカ本人にとって、体にまつわる1番のストレスは水没故障の恐怖で間違いなかったと思うのです。そこから解放された喜びをお尻で表現してみました。いいですよねイチカのお尻。重要機能を色々詰め込んでしまった故の大きさでしょうけど、このバランスは森繁テクノロジーの極致と言わざるを得ない。


 ロロッロ!は遠くなりにけり…

 遠い目をしながらしみじみしてしまう2021年の初秋の今日この頃ですが、ページを開きさえすればもうそこは作品世界。電子版のおかげで、書店の広くない秋田書店スペースから放逐されてそのまま消えてしまう心配をする必要も無くなりました。


 久しぶりにロロッロ!を読み返してみて感じたのは初期の絵柄の丸っこさ。みつどもえの延長で読んでいた時にはことさら感じませんでしたが、今改めて見るとこの丸さが実にいい。特にイチカです。そんなイチカのボディがどう進化していったのか振り返ります。


イチカボディ変遷史
 1巻 ver. 0.1 おしりからのエネルギー噴射で飛行

 1巻 ver. 0.2 おしりの上に冷却ファンの排気口があってスカートがまくれる。プロジェクションマッピング機能で服を着たように見せられる(以後多用される)。

 1巻 ver. 0.3 体表面の穴に水が入ると故障すると宣告される→ゴツい完全防水水着で対処。

 1巻 ver. 0.4 ネコ型ロボット内に人格をバックアップできることが判明。

 1巻 ver. 0.5 味覚センサーにより食事が楽しめることが判明。食べたものは喉の奥のスイッチで口から排出。ボディの改良には1~5年が必要との推定。ちとせといるためにボディの改良は諦める。

 1巻 ver. 4.0 小堀少年のピポに森繁博士によって人格が宿る。

 1巻 ver. 9.0 開口部にテープ(へそには乳首)を貼って入浴に成功。

 1巻 ver. 9.1 乳首を触るとほんのり顔が赤らむように改良

 1巻 ver. 10.0 相撲部入部のため男ボディに。ついでに心も男の子に

 1巻 ver. 11.0 心だけ女の子に戻される。大相撲編 完

 2巻 ver. 27.0 身体測定対策のためバストを外して軽量化。身長164cm、体重56kg(改造前)と判明。 


-------------------------------ここから防水ボディ-------------------------------
 3巻 ver. 41.0 ビーチで行われる美術部の合宿に参加するために、急造の防水ボディに交換(博士は結局3ヶ月くらいで作ってしまった)。首も取れるように。以後このボディで生活していた模様。

 3巻 ver. 47.0 裸を恥じない事を憂慮した博士により羞恥心が強めに調整される。ちとせへの友情が羞恥心に優って元の木阿弥に。

 4巻 ver. 58.0 年齢相応の精神の獲得のため中二病を発動する。即日戻される。

 4巻 ver. 62.0 ストーブに寄りかかってしまいお尻が溶ける。(プラスチック系の素材?)本人は感覚が欲しかったが熱の可視化能力を与えられる。

 5巻 ver. 77.0 ピポが完全な人型ロボット歩鳥として登場。(以後ロボ機能ネタは歩鳥メインに)

 5巻 ver. 88.0 防水ボディは熱がこもりやすいため、冷却機構を外部に出す。高温になった冷却水は口(鼻孔)から排出する仕組み

 6巻 ver. 107.0 プロジェクションマッピングでちとせになりすます。声も変えて誰も気づかない出来栄え。

 7巻 ver.110.0 歩鳥にロボであると認識される。首は取り外し不可な構造になっている。

 7巻 ver. 116.0 温泉の電気風呂で電流のため整う。なぜか陰謀論を唱えはじめる。

 7巻 ver.122.0 落雷を受け記憶を失う。

 7巻 ver. 123.0 ついにちとせにロボとして認識される。

 7巻 ver. 最終話 ちとせとずっと寄り添って生きていく事を表明。


 こうして列挙してみると、コンスタントにイチカのボディネタがあった事に気付かされます。全体の3分の2は美術部編だった気がしていましたが、真面目なヒューマノイドロボものでもあったんですね。イチカはちとせにロボットだと分かった上で友達でいてほしい。作られた存在であっても、人格を得た瞬間に他人からの承認を求め始めるという。出てくるキャラの多くも承認欲求が一つの軸だった気がします。その中でそのテーマを背負うために、際立った出自が与えられたのがイチカというヒロインだったのでしょう。

ロロッロ!ver. XXX ロロッロ!の語られなかった半分を妄想する

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小堀少年の「性別不明」設定は何だったのか

 公式には「性別不明」のままな小堀少年。ロボ好き金満少年が性別不明でなければならない理由とは。今となっては真相は闇の中ですが、当ブログは変わる事なく小堀少女説を支持しております。

 最初はイチカの能力にスポットライトを当てるなど、ロボットものの色が濃かったロロッロ!ですが、途中美術部や美ボ会の仲間との交流に舵を切り、ちとせに比重を置いたままイチカのロボバレをして、みんなのその後を描いた最終回で終わりました。

 しかし途中、森繁博士は敵対組織におびえた様子を見せ、いつも寝ている林田さんはAI研究者としての設定がありイチカがロボットである事を確信するなど、何かが起こりそうな気配を感じさせつつ結局どちらも何も起こりませんでした。林田先生を中心とした大きな構想が語られずに残ってしまったのではないでしょうか。

 そこに最終7巻の「これまでのあらすじ」です。これまでの展開をガン無視して「森繁博士の高い技術力に目を付けた闇の組織ハヤシダ」「世界唯一の人型AIであるイチカを誘拐し・・・大量破壊兵器への転用をもくろむ」などの言葉が踊り、イチカが「最後だからいいでしょっ」とダメ押しをしてくれます。最後だからと、使わなかったストーリーをちょい見せしてくれたのだろうと思うのはハズレでしょうか?

 完全に覚醒し全能力を解放しているはずの「起きている林田さん」が敵組織のボスとして森繁博士やイチカの前に立ちはだかり、刺客ロボが次々とイチカ達を襲う割とハードな展開があり得たのでは。そしてその刺客ロボの一人目こそがピポ、つまり歩鳥だったのだと思うのです。

 登場シーンのスリリングさから、ロロッロ!の路線転換を個人的に完全に信じてしまった緋村歩鳥の登場シーン。あの瞬間、本気ならイチカを完全に無力化できた歩鳥。その後のなし崩し的な美ボ会入会展開には不釣り合いな緊迫感でした。

 イチカの製作にかなりの年月を要し、日々メンテナンスに追われていたはずの博士があっという間に歩鳥を仕上げたのも不思議なら、歩鳥の体の構造がイチカと全く違うのも別な頭脳の存在を感じさせます。何ならイチカのスペアでもう一体組んだ、とかなら分かりますが、眼球まで取り外して偵察に使えるなど、徹底的に攻撃的な構造のピポは、ヒトらしさを追求していた森繁博士とは別の哲学の産物のように思えます。

 そしてロボット愛好会での小堀少年と林田さんの接点。何となくその後のストーリーでは無視されてしまいましたが、本来ピポの改造は組み込まれた森繁博士由来の頭脳を利用して林田さんが行い、イチカの制圧を目論んだ、という展開の方がしっくり来ます。その過程で小堀少年の性別不明がストーリーに生きて来た可能性もあります。本編では林田さんはトミー先輩を森繁博士と取り違えていましたが、本当は小堀少年に勘違いが起こったのでは。 

 などなど妄想すればキリがないロロッロ!。学園ものとしてのロロッロ!も大好きでしたが、本当はもっとロボロボした感じだったのかなという妄想がいまだに捨てきれません。こういう妄想のはるか斜め上をぶっちぎって下さるのがのりお先生なので、本当はもっと凄い話だったのかも。永遠に明らかになる事がないのが残念ですが・・・ 

みつどもえXXX卵性&ロロッロ!ver. X 麻里奈ママとエレナママ

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両作品を代表する母性

 母性あふれ出るお二人ですが、麻里奈ママは胸部に、エレナママは臀部にとりわけ母性が集中していると言っても過言ではないでしょう。
「胸の谷間なんて便所以外の何物でもないよ!!」(三女さん)
「相変わらず尻で稼いでるね」(イチカ) 
これに勝る賛辞はあるでしょうか。いや無い。

 のりお先生作品の母は偉大である。
 これは間違いのないところ。その母性はにじみ出すもので、ひけらかすものでは無い所がまた素晴らしいのです。母の形は人ぞれぞれだよねっ><が今回のテーマです。

 みつどもえ世界に緊張を与える母の不在。杉崎家、吉岡家、佐藤家、千葉家と母のバラエティが豊富であればあるほど、丸井家にポッカリ空いた空白の座がますます重みを増します。三女さんは黙って母に代わって食事を作り、ふたばは草次郎パパにべったりとくっつき、みっちゃんはただただお菓子を貪る。テレビの上のナスの牛がわずかに痕跡を感じさせるだけ・・・残念ながら連載中にその謎が明かされる事はありませんでしたが、意図的に残されて埋められる事のない隙間は今もなお、読む私たちに鈍い痛みを与え続けます。しかし、出てくる母キャラたちは本当に誰もみな性格が見事に違っていて、それぞれの子供との関係性や与えているであろう影響も親子それぞれで、この重層性は今読んでも本当にあっぱれとしか言いようがありません。

 ロロッロ!でも同じく森繁家には母親がいないのかと思いきや、世界を股にかけてお尻動画で稼ぐ陽気な母、エレナママが颯爽と登場してくれました。夫を愛し、娘を愛する良き母ですが、家にいないのはちとせにはやはり不安なはず。でもその不在をむしろ誇りに思うちとせがまたいじらしいのですね。一方で夫くん(森繁博士)の作り出したロボであるイチカや歩鳥を、何の隔たりもなく娘として受け入れるエレナママの大きな器もまさにビッグママ。中学生がメインのせいか、登場した母親はうみちゃんの胸配信ママくらいでしたね。キャラ達の自立が進んで、お互いの関係性の方が親子関係を上回っているからでしょう。その分エレナママの存在が際立っていました。

 のりお先生のインタビュー記事でも、ママキャラを喜ぶ読者を意識していらっしゃる様子が窺えましたので、今後も魅惑のママキャラが出てきてくれる事でしょう。

みつどもえXXX卵性&ロロッロ!ver. XXX 三十路とポリス

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特濃忘年会
 両作品を代表する残念お姉さんがサシ飲みでガチンコ対決。どう考えても悲劇的な結末に至りそうですが、本人達は結構気が合って楽しく飲んでしまいそう。店を破壊し尽くしたあと、肩を組んで歌いながら巨神兵さながらに夜の通りをよろめきながら進むイメージ。

 2020年も残す所わずかとなりました。コロナ一色で塗り潰された1年となりましたが、何と言ってもロロッロ!の連載完結が残念無念でありました。本ブログも10年くらい続けた毎週更新が継続出来なくなり、月1で何とかという惨状となっております。

 今回の無理筋企画を考えた時に、最初に浮かんだのは第1回の三女さんとちとせでしたが、次に浮かんだのが今回の三十路先生とポリスだったのです。しかし何というか、絵面と言うか気力というか、ずるずると先送りにしてしまっていたので今回ようやく区切りが付けられそうです。「草次郎パパと森繁博士」という最終決戦はとりあえず未来の自分に托します・・・

 みつどもえにおける三十路こと海江田先生の存在感は特筆すべきものがありました。教師としては有能で優秀、美貌もありながらの婚活に打ちひしがれるプライベートライフ。今の時代なら別に遅くはない婚期をガッツリ逃しそうな理由も今昔物語で詳らかにしていますが、この妥協の無さと徹底ぶりは恐らく死ぬまで変わらないだろうと思えるリアリティ。多分何かの間違いで結婚しても、絶対に続かなさそう何ですよね。三十路は永遠に三十路だろうという。そして永遠に繰り返す小学6年生の「みつどもえ時空」を紡いでいたのも三十路先生だったという、作品の基本骨格にまで食い込んでくるその力。

 対するポリスも変態と変態行為に対する徹底的な嫌悪を貫くド変態というポジションで、基本脱ぐ人しかいないロロッロ!世界の秩序を担っておりました。そしてそれは愛する幼い妹(あおい)を幼い変態(華ちゃん)に寝取られたトラウマからだったのでしょう。でも高校生くらいで既にエレナママに銃器の手ほどきを受けていた訳で、やはり最初から素質があったようにも思えます。

 この2人はただ並べておけば普通に美人だし客観的には有能なのですが、本人達は永遠に満たされない業を背負っていて常軌を逸した行動に走らずにはいられないという意味で悲劇的な存在なのですよね。ポリスに至っては、この独断専行でよく警察組織に残っていられるなというレベルで・・・。しかし、この2人の突出した異常ぶりがあってこそ、メインキャラ達がのびのび自由に変態行為に走れるという意味で、作品世界の地平線を作っている貴重な存在なのだと思うのです。

 
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