維新の会のアイデアに対して、番組コメンテイターで評論家の宮崎哲弥は「クーポンが現金化されたり、クーポンを発行する団体ができると、それが天下り先になる」可能性を指摘しつつ、「やることを検討してもいいかなあと思いますけど」とお座なりのコメント。
一方、テリー伊藤は「ボクは大反対」と声を上げ熱弁をふるった。このようなクーポン制度は、不正受給を前提にしてるが、生活保護を受けている大半は真面目にやっているけど生活が苦しい人たちだという。また、食生活やライフスタイイルは人によって違う。たとえば年配の人だと食費はそんなにかからない。生活保護の残ったお金があったら、それをプールして絵の具を買って絵を描いたり、ネコを飼ったりし、それが喜びになるならいいことじゃないかと、テリーは主張する。
一部マスコミでよく槍玉にあがるパチンコなどのギャンブルについても同様の考えだ。「(生活保護費で)パチンコやってなにが悪い。アダルトビデオを楽しんだらいけないのか。いいじゃないですか。人間、生きてるんですから。そんなことまで全部クーポン券で規制するなんて、北朝鮮と一緒ですよ」
(J Castより転載)
前にTwitterに書いた事があるけど、クーポン券とか商品券とか、まして現物支給なんて事には反対です。
「北朝鮮と同じ」というのは本質的な精神構造を言い当てていると思っています。
不正受給を減らす事に効果があるのはその通りだけど、そのために人権を無視していいってもんじゃない。
いや、もはや人権云々とか言う前の話でしょうか・・・
おいらは受給者がそういう生活を強いられる以上に、そういう生活を強いてもいい人間がいると考える世の中に怖さを感じる。
真面目に働いていても余裕がないって人もいますから、若くて働ける人なら、一定期間そういう生活をしてもらってもいいと思うけど、生活保護者をひとくくりに考えると、病気や高齢で、これから働く事が出来ない人に、何の希望も持てずに、ただ食うだけっていう生活を死ぬまで過ごしてもらうって事になってしまいます。
こんな政策が人間を扱うものとして相応しいとは思えません。
餌を与えて死ななきゃいいというのでは、ペットと同じで”人を人として扱わない”北朝鮮と同じです。
何も湯水のごとく支給しろって言ってる訳ではありません。
決まった支給額の中で、やりくりしているなら、絵の具を買おうと、ペットを飼おうと、パチンコに行こうとAVを見ようと、それはその人の価値観の違いです。
生活保護受給者だからと言って、人から価値観まで奪って、生活を保護しているとは言えません。
人間扱いしているとは言えません。
「生活保護は、生きるか死ぬかの問題」と言った方がいましたが、これは間違っている。
最低限「健康で文化的な生活」を保証するのが生活保護です。
こんな事を損得感情で書かなければいけないのは本当は辛いんですが、この政策が何を意味しているのかを考えれば、生活保護受給者でなくても無関係な話ではありません。
国が(実は自分たちでもあるんですが)国民をどのように扱うかの問題です。
人権を剥奪してもいい人間がいると考える事は、その標的がいつ自分に向けられるか分からないってことです。
つまり、生活保護受給者の人権を軽視するのは、国民全体の人権も軽視しているからなんです。
もっと言えば、国民全体を犬や猫と同じ様に思っているって事です。
今、人権を尊重してもらってると思っている方もいると思いますが、実はそっちのほうが例外であって、言ってみれば「イルカショーのイルカ」が、演技が成功してイワシを貰っているのと変わらないんだと思いますね。
ついでに、これはずっと昔からテリー伊藤さんが言っていて、おいらは最初違和感があったけど、今は分かるような気がしている言葉があります。
「税金を上げたほうがいいっていう国民はおかしい」
と、そのままではありませんが、そんな趣旨の発言をよくしています。
そんなの、時と場合によるだろうって思ってたんですが、最近は「税金をあげた方がいい」と言ってる人は、国に頼りすぎなんじゃないかと思うようになりました。
「えっ、逆だろ・・・」と思うかもしれませんが、これで合ってます。
税金は、出来るなら払いたくないのは誰でも同じです。
しかし、それでは国は立ち行かなくなって、結局自分の生活も立ち行かなくなるので、一定の税金を収めます。
でも、できる限り税金は低く抑えてもらいたいのも、誰でも思う事です。
つまり、税金は喜んで沢山収めるものじゃないので、ここは相手が国や自治体であっても、戦うべきなんです。
国が「これだけかかります」と言っても、それを鵜呑みにして「それなら」と払ってしまうのは、国は正しいと思い過ぎです。
だって、民主党が「仕分け」なんてやっても、たいして金は出てこなかったじゃないか・・・と言うかもしれないけど、この仕分けは現行制度を基準にしていて、仕組み自体を吟味しているとは思えません。
例えば、生活保護に密接に関係している「年金」・・・
サラリーマンには「労使折半」というのがありますね。
民間企業で労使折半するのは、会社が儲けの中でやっている事ですからとやかく言う問題ではありませんが、公務員の労使折半ってなんでしょう?
労使の”使”って役所の事ですよね。
だから役所が公務員の年金保険料を一部負担してるんですが、役所の収入って基本的に税金ですよ。
ということは、公務員の年金保険料納入の為に、我々は税金を払っている部分があるって事になります。
年金を払っているという事ではなく、その保険料ですよ・・・
他人の保険料をせっせと払わされているんですよ。
それで「税金上げろ」って言うのは、簡単に納得していいのかと思っちゃいますね。
最後にもう一回元の話に戻りますが、クーポン券を発行して、食えればいいだろうっていうのは、人を人として扱わない、北朝鮮の様な国を「いい国だ」と言っているのと変わりません。
この問題に限れば、おいらはテリー伊藤に一票いれます。
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