福島第一原発事故 号外未曾有の大天災を齎した3.11は、大人災も生んだ事は構成の危機管理の教科書に「最低の事例」のケーススタディーとして掲載される事はまず間違いないだろう。

然しながら、同時に日本人・社会は多くの事を3.11から学んで行くべき課題が山積していると言えるが、その中で現在、我々が最も直面している事象の一つがメディアリテラシーであると、指摘出来るのではないだろうか??
メディア・リテラシー(英: Media literacy)とは、情報メディアを主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のこと。「情報を評価・識別する能力」とも言える。ただし「情報を処理する能力」や「情報を発信する能力」をメディア・リテラシーと呼んでいる場合もあるが、歴史的に見ても日本人・社会は受発信共にメディア・リテラシーが非常に苦手である面があるのではないかと指摘出来る。

3.11後目立つ誤報と誤解釈に思える事例の連続

3.11は一般に千年に一度の大地震・大津波と言われるが、現場の混乱を象徴するかのようにマスメディアによる誤報も少なくないが、誤報と判明した後に訂正のされない始末の悪さが現実的には存在する。

特に原発や放射能に関する報道以前に、そもそも一般常識の中にSv(シーベルト)やBq(ベクレル)と言う単位すら本来は持っていない者が圧倒的多数であり、これはマスメディア側の「情報を処理する能力」や「情報を発信する能力」にも大きく関わる問題であると言えるだろう。その点では、知識不足から来る誤報と言うものも存在する事を認識しておくべきだろう。

その好例を紹介する。

放射能 影響 福島第一原発事故
















放射能 影響 福島第一原発事故
















放射能 影響 福島第一原発事故















以上のキャプションは5月16日朝のNHKで放送されたニュースの一部であるが、放射能の影響に対しての報道である。この根拠になった情報は国立がん研究センターが5月10日にHP上に発表したPDFに記載の通りの

100mSv:通常の1.08倍野菜不足・受動喫煙とほぼ同じ
200~500mSv:通常の1.2倍運動不足・塩分取りすぎとほぼ同じ
2000mSv :通常の1.6倍喫煙・毎日3合以上飲酒と同じ程度
―――であると思われるのだが、全く正反対の報道もある。


 

被ばく量100ミリ・シーベルトで健康への影響

放射線を浴びた時の人体への影響についての明確なデータはないものの、一般的に、健康に明らかな影響が出る被曝(ひばく)量は、およそ100ミリ・シーベルトと言われている。

これより低い場合は妊娠中でも胎児への影響も出ないとされる。

福島第一原発の事故現場付近では、400ミリ・シーベルトの放射線が観測されたが、この付近にいると白血球の一時的な減少などの急性症状が出るとされる。

2000ミリ・シーベルト以上の放射線を浴びると、被曝後10日から3週間の間に、免疫力の低下や皮膚からの点状出血、腸管の損傷による下痢などの急性症状が出る(1ミリ・シーベルトは1000マイクロ・シーベルト)。
(2011年3月15日12時43分  読売新聞報道)


と、NHKと読売新聞と言う日本でも屈指のマスメディアが、一見、全く異なる見解を報道しているが、これが情報の受信側を混乱させる要因であると指摘出来るが然しながら、
NHKと読売新聞共にこの情報に関して言えばウソは言っていないのである。強いて言えば、発信側…要は報道のしかたに問題があるし、受信側…視聴者側の知識不足にも問題がある点を指摘出来る。

何故なら、両者の報道は
NHK:年間でのトータルの被曝量(Sv)の影響
読 売:瞬間的な被曝量(Sv)の影響
…を、述べているのである。

もっと分り易く、噛み砕いて例えれば
年間でのトータルの被曝量(Sv)の影響≒1日にマイペースで飲んで健康に問題ない酒量
瞬間的な被曝量(Sv)の影響≒一気に飲むと急性アルコール中毒で死に至る量
が、同じ量だっただけの話である。

この問題で言えば、発信側(マスメディア)の舌っ足らずと受信側(視聴者)の知識不足によって、引き起こされた事象であると言えるが、この点を考えた場合、受発信問わずにメディアリテラシーの重要性を痛感させられる出来事ではないだろうか??

木を見て森を見ないデマの好例

次に以下の文章を読んで欲しい。

福島第一原発事故 放射能 農水省





































福島第一原発事故 放射能 農水省




































これは4月5日付で農水省が出した文章なのだが、これを見た一部の人間は
「農水省がスーパーとかに産地表示するなって指示したぞ」
―――と、言いネット等で騒いでいる者が少なくない。

こんな感じ
↓↓
福島第一原発事故 農水省 デマ 放射能 野菜
























おそらく、彼等が根拠にする点は、以下に赤字で示した


 

農林水産省といたしましては、これまで福島原子力発電所事故を踏まえ、生鮮食料品等の円滑な流通・消費に資する観点から、食品流通関係団体に対して、随時、放射性物質の検査結果や出荷制限等に関する情報をお知らせしてきたところであります。

つきましては、今回の出荷制限の指示を含めて今後、市町村単位等県を分割した区域毎に、野菜等の出荷制限等の設定・解除の指示が行われることが考えられますので、消費者が科学的・客観的な根拠に基づいて適切に対処していただけるよう、野菜等の販売時における産地名の掲示等について、御配慮をお願いいたします。


の部分で、一見すると受け取り手によって解釈が変わりそうな文面ではあるが、 文面の一部やタイトルだけを拡大解釈しているとしか思えない。少しキツイ言い方をすれば国語の読解力が欠けているか文盲と言っても良いレベルと思えるだろう

確かに、3.11以降の政府や東京電力の情報統制・隠蔽や失敗の数々に起因して、政府・東電・マスメディアに対する不信感と、見えない放射能への恐怖が、リテラシー能力を曇らせている面があるにしても、これは酷すぎると指摘する。

冷静に読めば
今回の出荷制限の指示を含めて今後、市町村単位等県を分割した区域毎に、野菜等の出荷制限等の設定・解除の指示が行われることが考えられますので、消費者が科学的・客観的な根拠に基づいて適切に対処していただけるよう、野菜等の販売時における産地名の掲示等について、御配慮をお願いいたします。

の個所は、分り易くかつ具体的に書きなおせば以下の様になるだろう

「今後は出荷制限の指示を都道府県単位から市町村単位の様な細かく分割した出荷制限の設定・解除を行う可能性があるので、消費者にも分り易く適切に対処出来るように、野菜などの販売時の産地名表示は(○○県××村産の様な、細かくて分かり易い表示にする様な)配慮をお願いします」
―――と、言う内容である事は、冷静に読めば分ると思うのだが…

この点では、メディアリテラシーの情報メディアを主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力であり「情報を評価・識別する能力」が全く欠如しているか途上の段階であると言えるだろうが、この様に3.11以降、非常にメディアリテラシーと言うものを真剣に考えるべき時に、来ているのではないだろうか??

ZRでは、3.11以降、メンバーはそれぞれの持ち場で事態解決に向け微力ながら各々が活動を行っているが、その中では政策提言もあれば、代議士への支援の為に情報収集、分析、報告・意見具申をしているメンバーも居るが、実際に以下の様な事があった。

福島第一原発事故 水道水 汚染


















これはZRメンバーから代議士へ情報提供をした折のメールである(個人情報が含まれるため、一部を伏せた。)が、これを見れば分るように、地方自治体のHPに専門家の見解として掲載された情報と、別の専門家では全く異なる見解を表明する事が実際には起こった。

幸い、現在は代議士からの問題提起があった為、改善はされた(この点は、後日報告する)が、非常に情報が錯綜し易い状況であるが故に、送受信を問わずメディアリテラシーの重要性を考えるべき時に来ているのではないかと言えるのではないだろうか??