しゅさいのブログ

コメディ作家で、劇団ZIPANGU Stage主宰の今石のブログです。
稽古日記や、スポーツ観戦記などなど。
お気軽にお立ち寄りくださいませ。

から・さわぎご来場御礼編

御礼遅くなりましたが、ZIPANGU Stage公演『から・さわぎ』無事終了いたしました。全ステージを通してお客様の笑顔と笑い声の絶えない、本当に幸せな公演となりました。ご来場いただきました全てのお客様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

空舞台01今回の舞台はお菓子メーカー。ってことで、なるべくシンプルでかわいい美術をとお願いしたのだけれど、本当に素敵ですね。実は会社を舞台にするのって美術的にはとても難しいのです。オフィスっぽさを出そうとすると、どうしても絵としては面白くない、画一的なモノになりがちでして、なのにまあ……。相変わらずセンスバツグンの美術の鎌田さんと、お菓子のポスターや会社のロゴマークを作成してくれた小道具協力の松下さんに多大な感謝を。そして、それをうまく引き立ててくださった猿谷さんの明かりにも。ロゴマークの当てがさりげなくハートになってたりして、こういう遊び心って素敵ですよね。

マダム01マダムという呼び名の、会社に君臨するワンマン女社長を演じた宮坂さんの一枚。物語は、そのマダムの逆鱗に触れてクビになりそうな主人公たちが、彼女に恋をさせようと企むところから始まるのですが、逆に言えば、その怖い怖い女社長に存在感とリアリティを与えられる女優さんあってこその今回のお話しなのでした。どうでしょう、この迫力。すごいよね。

シーン02 (1024x720)今回は、シェークスピアの古典戯曲をモチーフに……まあ、設定は現代日本だし全然シェークスピアっぽくはないのだけれど、『喜劇』というものの原点に立ち返ってみようという企画でした。はかりごと、と、嘘があって、うまく行きそうになっては破綻して、の繰り返し。

企画室01 (1024x683)








まあ、最近のうちの作品と比しても、最も明るくて気軽に笑える、ある意味一番シンプルなコメディ作品になったと思っています。実はそういうのが、やる上では一番難しいんだけど。

松尾&藤01怪優、長野さんが演じた松尾取締役。語り口が一人だけ芝居じみてて、なぜだか無理やり韻を踏む。これ、実はシェークスピアをフューチャーして作ったキャラクターだったんだけど、まあ、そんなこたぁ分からなくてもお客様には大人気キャラでした。最後の方で何故だか普通のセリフがラップになってしまうんだけど、あそこは何度見てもワタシ自身が大笑いしてたなぁ。

全景02 (1024x683)

















あと、今回は『から騒ぎ』のハズなのに、劇中何度も流したのは映画『ロミオとジュリエット』のテーマ曲。まあ、あの有名なフレーズだけを効果音的に編集してもらって使ったのですが、最後このシーンになってその意味が明らかになるのです。音響の田島さん、相変わらず良い仕事をしてくれますね。あの物悲しい名曲がこの悲しそうな場面に流れていて、おそらくはここ、お客様の笑いを一番とれたシーンなんじゃないかな。かつ、ここで感動したり泣いたというお客様も少なからずいらしたりして。専務役の三上さんの名演のお蔭もあって、ここは凄く良いシーンになったとも思うのです。

全景04 (1024x638)















今回も本当に大変な稽古でしたけれど、全てを出し切ってくれた役者さんたちにも心からの感謝を。コメディって、なんだかんだ言ったところで、結局はお客様に楽しんでいただけたかどうかが全てで……
ホントに、とんだ『から・さわぎ』でしたね。

言いまつがいシリーズ

さて、明日は最終稽古。

思う存分稽古できるのも、どうやったらもっと面白くなるのかを突き詰められるのも、実質的には明日で最後。小屋入りしたら、本番環境にアジャストすることに神経を使わざるを得ないので……もちろん、それは千秋楽が終わるまで続けるにしても、明日で最後と思った方がいいのです。

お芝居は日々面白くなってきております。でも、あと一歩。そのあと一歩が実に難しい。コメディってさ、本当にセリフの量も膨大だし、きっかけの数も膨大だから、それをこなすだけでも大変なのだけど、その、あと一歩が踏み出せるかどうかが、ものすごく分かれ目なのですね。どんなにシリアスなシーンだろうと、どこかで役者さんが楽しみながらやらないと、お客様にはその楽しさが伝わらない。どれだけ、余裕と自信を持ってできるかが、最後の勝負。

てなところで、恒例の言いまつがいシリーズ。今回も大変愉快な言いまつがいが稽古場に溢れております。ものすごく良い役者さんでも、なぜか時にはこんな愉快な言いまつがいをしてしまう。なんでなんでしょうね。ではいきます。チャンチャン。

「専務が血便をふるっているんだ!」(by佐土原正紀)

言いまつがいチャンピオンの佐土原氏の、今回の最高傑作。正しいセリフは「専務が熱弁をふるっているんだ!」なのです。なんでこの人は毎回毎回……熱弁をふるうならわかるけど、血便をふるうって、一体どういうコトなんだ? 血便を、ふるうのか。その絵は想像できなくもないけれど、その絵、できれば想像したくないよ、オレは……
大変な稽古の中で、時に言いまつがっちゃうのはわかるけど、なんでこんな面白おかしく言いまつがえるんだろうね。もしかして、狙っているのか、佐土原。


「君らの介護が役員会議で承認された」(by三上さん)

今回専務の役で出演していただく三上さん。もう雰囲気が専務だし、独特の語り口にはものすごく味があるし、存在感のあるステキな役者さんなのですが……正しいセリフは「君らの解雇が役員会議で承認された」なのです。女社長の逆鱗をかってクビにされちゃいそうな主人公。正義の専務はそれに対抗すべく尽力するのだけど、相手は社長なので、力及ばず、苦渋でそれを主人公たちに伝えるセリフなのだけど……役員会議で承認されたの、介護なの? つまり役員会議で介護するかどうか検討してたことになるんで……えーっと、なんか、違いますよ、ね? 解雇と介護。最後の一文字に濁点が入るか入らないかだけなのだけど、それって、ハゲとハケくらい違うと思うのですよ。主人公は20代の若者設定なんで、たぶん、介護は必要ないですよ、三上さん。


「ハトちゃん、気合入りすぎ。気合入れな」(by小野寺さん)

正しいセリフは、「ハトちゃん気合入り過ぎ。思い切りよくやりな」なのです。今回のヒロイン的存在の役どころの小野寺さん。クール&ビューティな先輩社員が、てんぱってる新入社員のハトちゃんをリラックスさせようとするセリフなのだけど……
気合入りすぎ。気合いれな……って言われると……どっちやねん!って突っ込み入れたく、なりますよ、ね? 普段からクール&ビューティの小野寺さんの、痛恨の言いまつがいでした。


「初めて聞きました」(by宮坂さん)

えーっとこれは、正確には言いまつがいではなくて、演出家としてのワタシのダメ出しを聞いた時に宮坂さんが、つい言ってしまう言葉なのです。今回、女社長の役を演じていただく宮坂さんは、もうとてつもない存在感のある役者さんで、宮坂さんが絶好調なら、誰もが比肩できないほどの良い芝居をしてくださるだろうと、私は思っている。でも、この方、なぜだかわからないけれども、演出家のダメ出しをすぐ忘れてしまうのです。3回、4回と同じダメ出しをして、また同じところを同じようにやられるので、「宮坂さん、そこはこうですよ」ってワタシが説明すると、冒頭のセリフが出てくる。いやいや待ってよ、オレ、おんなじこと何度も説明してますよね? って言って初めて、あー!となる。どうやら本当に忘れてしまわれるようです。演出家としては「えー?」となってしまうのだけど、でもそんな宮坂さんが言葉にしてくれる言葉は、もう、オレの想像の範疇をはるかに超えるくらい、良い言葉にしてくださるので……
この宮坂さんの、本当の言葉をどれだけ引き出せるのかが、演出家としてのワタシの使命だと、この頃は思っています。そのためならワタシは、宮坂さんの中でストンと落ちるまで、何回でも何回でも説明しますよ。例えその度に「初めて聞きました」と言われようとも。

他にもいろいろ紹介したいのだけど、今回はこのへんで。今回集まっていただいた役者さんたちは本当に素晴らしい方たちばかりで、それはもう、その潜在能力を発揮してくだされば、公演の成功は約束されたくらいだと思う。その潜在能力を引き出すのが演出家の役目なので……
がんばりますよ、ワタシも。頑張り甲斐のある方たち。本当にそう思えるので。
明日は最終稽古。

完本、からの……

さて、今回もなんとか無事、完本となりました。
まあ、当たり前なんだけどさ。ホンが出来なきゃお芝居は出来ないので……でもまあ、毎度毎度、書いてる途中には思うのですよ。ホンマにこれ、ちゃんと最後まで書けんのかよ?って。ああ、恐ろしい(笑)。

例によっての備忘録。稽古初日の3月23日に16ページ。これ、稽古初日に出した分量としては、過去3番目くらいに多いと思う。前回なんて、稽古初日は5ページくらいでしたもんね。立ち上がりは上々。3月30日で、22ページ、4月5日に28ページ、12日で37ページ。まあミステリィと違って、後半の展開設定がアバウトでも書き進められたコトと、まあわりあい物語の初期イメージとコンセプトがはっきりしていたので、前半部はラクでしたね。本番のひと月前の4月19日に48ページと、ここまでは週毎に10ページ前後の更新で、正直ここまではあまり苦労した覚えがない。まあイケイケで書けるうちに書いとけ! みたいな勢いでした。稽古場での読み合わせも笑いが絶えず、この分なら、自己記録更新でアップしちゃうんじゃないかと錯覚するほどに。もちろん……そんな甘いモノではなかったワケです。そこからが、今回は大変でした。
4月30日、直しを含めて、51ページ。収束部分と結末が見えてこず、書いては書き直しという、まあいつもの苦労(作業?)がここに来て始まりました。最近はわりあい、中盤で苦労して、その分終盤は一気にってことが多かったんだけど、今回はさにあらず。ああなってこうなっての成り行きだけは決まっていたので、先を書き進むこともできたんだけど、あえてそこから中盤の見直し。台本は、難しいやね。まあさんざんあーでもないこーでもないを繰り返した挙句、ようやくしっくりこなかった部分がしっくりし始めて……
5月2日に完本。最終的なページ数は63ページになりました。本番初日の3週間前の完本は前回とほぼ同じで、ページ数的にもほぼ同じなのに、まあ道のりというのは旅の数だけあるのですね。ネタバレになっちゃうので詳しくは書けないのだけれど、たわいもないような男女の喧嘩のシーンが思いのほか膨らんで、それが結果、ラストシーンに至るまでの原動力になったのでした。書いてみなきゃわからんコトって、何本戯曲を書いてもなくならない。なんかヘビーな笑えないシーンになりそうな予感がしていたのに、書いてみたら、それがその後のシーンにまで命を与えてしまう。作家があらすじやらプロットを事前にいくら練っていても、実際書いてみなけりゃわからない部分にこそ、命は、芽生えるのだなぁ。

例によって今週の稽古で大急ぎで最後の部分の立ち位置をあたって、今日(もう昨日だけど)無理くり通し稽古を敢行しました。いろいろ問題点も山積みで、まだまだこれから感満載なのは、いつもの初通し稽古と同じなのだけど、不思議とあっと言う間に時間は過ぎていって……終盤部は、あれ、もう終わりなの?と、なんだか終わるのが惜しいような気になったのです。まだまだもっと直しも入れたい。残り2週間で、台本的にももっともっと面白くなるなぁ、と。現実的には時間との戦いの中での冷静な判断になるのだけれど、少なくともそれを戦う甲斐はある。それはまあ、脚本家として幸せなことなのかな、と。

うむ。本当にエキサイティングだなぁ。あ、今回役者さんもそうとういいです。それについてはまた次回のブログで。

から・さわぎ

からさわぎチラシ表面
チラシ画像は、例によって大河画伯の作品です。いやはや素敵に面白そうですね。こんなチラシを見かけたら、私自身がワクワクしてしまうなぁ(笑)。本編も、これに負けないお芝居にしなくちゃね、って、これも毎回思っていることではありますが。

稽古は順調に進んでおります。来週木曜日(20日)からはチケットも発売開始となりますので、下記をご覧の上、是非ともお早目のご予約をご検討くださいね。
劇団公式サイト

今回のお話のタイトル、実はシェイクスピアによく似た(というか,ほぼ同名の)戯曲がありますが、例によって内容は全く関係なく、それを一部モチーフにしたZIPANGU Stage版『から騒ぎ』という企画となります。

舞台となるのは、お菓子メーカー。社運を賭けた新しいチョコレートの発売のために、役員会議でのプレゼンに臨む商品企画室のメンバーたちが、なぜだか突拍子もない恋の空騒ぎを巻き起こすことになります。ワンマンで怖い女社長や、一癖も二癖もある重役たちを相手に、悪戦苦闘、七転八倒の社員たち。はかりごと、に端を発した、恋騒動の行方や、いかに。

原典の『から騒ぎ』もそうですが、そこにはジェンダー論や結婚論などなど当時の彼の国でも人々が興味津々だったことが、実は深いテーマとして喜劇に盛り込まれています。人生の甘いも辛いも知り尽くした中高年の『から騒ぎ』には、様々な人間模様が浮き彫りになるハズ。新しいチョコレートを作るための、おそらくはただ甘いだけではすまない珍騒動に……
どうぞご期待ください。


今年も春にして……

気がつけば、はや三月。
さすがに暖かい日が増えてきましたね。時折寒の戻りもあるものの、まあ、春なのです。出会いの、季節。ってことで今日は、オーディションとワークショップの情報をひとつづつ。

まずはうちの5月本公演に向けてのオーディション。まだご応募は受けつけておりますので、どうぞ下記劇団HPをご覧のください。
ZIPANGU Stage公式サイト

今回、5月に上演するお芝居は、ZIPANGU版『から騒ぎ』ってことで、老いらく(?)の恋騒動に振り回される会社員たちを描いたコメディになります。いろんな年代の役者さんが必要なお話しなので、オーディションに年齢・経験は問いませんが、現状、特に20代〜30代の女優さんが足りないので大いに募集いたしております。オーディションとは言っても、普段我々がやっている稽古に一日体験参加していただく感じですので、どうぞお気軽に。ご応募お待ちいたしております。


もう一つは、私が劇団とは別に参加している、日本コメディ協会の方で、今月のワークショップを今石が担当いたします。今回は「アクションとリアクション」というタイトルで、コメディ演劇における、役者さんの『動き』や『所作』といったモノに焦点をあてたワークショップとなります。お芝居は初めての方から、もうベテランなんだけど動きの基礎的な部分をさらってみたい方まで、どなたでもご参加いただけます。詳細は下記HPをご覧ください。
日本コメディ協会公式サイト


どちらもHPに応募方法が書いてありますが、今石にメール等で直接ご連絡いただいても構いません。
これからはどんどん暖かくなっていって、やがて桜も芽吹いて……
何かを始めるには、とても良い季節かもしれませんね。
ご応募、お待ちいたしております。

酒場でダバダご来場御礼と2月と

さて、いつの間にやら2月となりましたね。

全景01



先のワークショップ公演『酒場でダバダ』上演の際には、沢山のご来場をいただきましてありがとうございました。お蔭様にて大好評のうちに千秋楽を迎えることができました。

田畑響01
















今回が初舞台の役者さんも、おそらくは大変なプレッシャーと戦いながらも、お客様の笑い声に助けられ、私が思っていた以上にのびのびと舞台を務めていたと思います。コメディって、本当にお客様あってのモノで、我々がどんなに稽古場で積み上げてきたとしても、最後のピースはお客様に観ていただいて初めて完成するんだなってことを、私もまた改めて感じた舞台でした。

全景02

ママさん山崎01JPG


















ご来場いただいた全てのお客様と、関わってくれたスタッフさんやお手伝いさん等全ての方に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。


さて、2月となりまして、お知らせを二つほど。

ひとつめは今月より、劇団ホームページのアドレスが変更となりました。念願だった独自ドメイン。新アドレスは、
http://zipangustage.com
となっております。いやはや、短くていいですね(笑)。今までの、なんか長かったですからね。旧アドレスについては既に削除されておりまして、ご面倒ですが登録いただいていた方は上記に修正をお願いできれば幸いなのです。今後とも劇団ホームページをよろしくお願いいたします。

そして来る5月の本公演に向けて、今月と来月にオーディションワークショップを開催いたします。公演に出演ご希望の役者さんのみのワークショップとなりますが、我々の培ってきたコメディ演劇というものに、がっつり浸っていただく内容となっております。(詳細は上記ホームページをご覧ください)ご参加を心よりお待ちいたしております。


ひとつ公演が終わって、また次の公演へ。20年以上も前から繰り返してきたことですが、今後もまた、その繰り返しなのですね。変わらない流れの中で、より面白いコメディを追及していきたいと思っております。皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

役者さんたちのこと

dabada2017-03さて、気がつけば本番までほぼ1週間、なのだなぁ。

今月に入って(つまりは年明けから)本格的な公演稽古になり、もはやワークショップ公演の稽古だか普通の公演稽古だか分からない日々となっております(笑)。まあ、どんな公演だろうとも、それがコメディである限りは、最低限お客様を楽しませなきゃならないワケでして、まあ当たり前のことですね。いつの間にやらどっぷりと、役者さんには過酷な稽古の日々。稽古日程が短い分、いつもの公演よりも過酷かもしれない。まあ、演出家は本公演ほどは厳しくないですよ。たぶんだけど(笑)。

今回はワークショップ公演なので、なるべく今回初めて参加してくださった役者さんのための稽古をしたいとは思うのだけど、なぜだか(いや、なぜかは明らかなのだけど)気がついたら金さん(佐土原)とか世古さんの稽古をしていて、いかんいかんと我に返る瞬間があるのだ(笑)。残された時間は少ないのだけれど、本番に向けて、お客様を最大限に楽しませることと、ワークショップ参加者の方々に沢山稽古していただくことの両方を達成しなきゃならんのです。演出家にとっても過酷だ(笑)。世古や金さんに時間をかけてる場合じゃないのだ。分かっちゃいるのだけどさ。
今回はうちの常連客演のコヤさん(でこぼこギア)とか、そのでこぼこギアさんの看板女優さんであるところの北川純子さんにも来ていただいているので……お芝居初めての方もいるのだけれど、役者さんの相対的な潜在能力としては、いつもの本公演にも遜色ないと私は思っているのです。そして、今回が初舞台の二人についても、(後述するけど)大変な潜在能力を秘めてると思う。良い人に集まってもらえたなぁと素直に思えて、良い公演になりそうで楽しみなのです。セコと金さんさえ、普通に力を発揮してくれれば、なのだけど(笑)。二人とも、力みさえしなければ良い役者なのになぁ。それがまあ、いつも迷走した結果、力むのです。うーん、これ何とかならんのか(笑)。

……気を取り直して(笑)、今回のワークショップに参加してくれた役者さんの紹介を。

まずは、北川純ちゃん。
この人は本当に……ものすごいコメディエンヌ(コメディ女優)になれる潜在力を持ってる女優さんだと思う。まずは積んでるエンジンがでかいです。ちょっと他の人には出せないパワーを出せる人で、それってすごいアドバンテージだと思うのです。頭も良い役者さんなので、台本の要請とか演出家の要請にもその場で答えを出せるしね。ただ……
時に、そのエンジンのでかさを、シチュエーションの要請抜きにして出しちゃう時があって、そういうのが惜しい。今回、純ちゃんにやっていただくのは、ある意味大人の女性でして、その人がそこで叫ぶかどうかよりも、自分の内面の声に押されて、つい叫んじゃったり。でもね、オレは純ちゃんはすごく魅力的な大人の女性をやれると思っているのです。大人の女性ってさ、時にズルかったり、時に自分に惚れてる男を利用したりもするさ。だって大人の女性だからさ。でもそういう大人が、それこそ時に、ポロっと本音が漏れちゃう瞬間とかがあって、その時にこそ、純ちゃんが持ってるでかいエンジンのパワーを使ってくれれば……
これは相当凄いことになる気がするのですね。うん、楽しみだ。あとは演出家(つまりは私)が、それをうまく引き出せるかどうか。

峰子さん。(瀬戸さん、なのだけど、うちの世古と紛らわしいので稽古場ではそう呼ばれています)
この方は自分で映像作ったりする方なので、まあ頭は良いし、お芝居のカンも良いです。そして、ヘラヘラ笑ったりする演技の表情がとても良い。役者さんとして、とても大切な素養であるところの、観た人に愛される何かを、もともと持ってらっしゃる。今回が演技者として表に立つの初めてなのにね。凄いなぁと素直に思わされるよ、毎日。
でも、当然だけど、その演技は訓練された役者さんのそれとは違うので、表現力、というモノにはまだ欠けてしまうのです。声を大きくする、というところから始めなければならなくて、それが時にもどかしい。内面のパワー……それを言葉に発するだけの最低限のパワーではなくて、その100倍くらい大きい内面のパワーから言葉を発すれば、一体どういうことになるのか。
今回演じていただくのは、もうコメディならでは、なんて役です。専門用語でいえば、コメディリリーフでして、つまりは笑いのためだけに存在する人物。当然、初めての方には相当難しいと思うのだけど、
峰子さんならできるなぁ。最初は結構オレもどの役にするか悩んだのだけど、もともとコメディ大好きな彼女がせっかくコメディのワークショップに来てくれたので……
今回は、こんな役です。本番でお客様の前で彼女がどうなっていくのか、それが目下のところのワタシの楽しみでもあります。

ミーナちゃん。
この子はまあ、天然です(笑)。天然というよりは不思議ちゃんかしら。良い意味で、天真爛漫。この子もお芝居自体は初体験。ただ、もともと声優さんの養成所にいた方なので、声の表現力だけはしっかり訓練されています。それが時に、お芝居という現場では邪魔になる時もあるのだけれど、それは、それとして。
素敵な声の持ち主なので、それを生かしてあげたいと思いながらも、ただどうしても声優さんにありがちな、声だけでお芝居してしまう部分がある。セリフありきで、所作とか表情とかが二の次になってしまいがち。でもお芝居だとそれじゃ、勿体ない、ですよね。
やっていただく役も、ある意味、ヒロインみたいな役です。ただし、ちょっとヘンなところのあるヒロイン。ミーナちゃんが、時々、役とかお芝居であることすら忘れて、(まあつまりはセリフであることすら忘れて)発する言葉はとても魅力的です。子役と動物と天然には、なかなか普通の人は勝てません(笑)。
そのミーナちゃんに、板の上で魅力的になっていただくのが私(演出家)の仕事ですね。うーん、大変だけど(笑)……でも私にとってもとても楽しい作業です。

常連客演のたっくさんを含めて、本当に良いメンツに集まっていただけたと、これは素直にそう思うよ。このメンツでどこまでもどこまでも、より面白いコメディ目指してやっていきたいなぁというのが、今現在のワタシの偽らざる本音なのです。本番まであと一週間。

謹賀新年2017

17劇団年賀状


















皆様、明けましておめでとうございます。
本年もZIPANGU Stage並びに今石を、どうぞご贔屓に(笑)。

てなワケでして今年は年頭から、はや月末に迫ったワークショップ公演に向けての稽古・準備が始動しておりまして、なにやら慌ただしい日々が始まっております。公演情報のコーナーを更新しておりますので、是非こちらもご覧になってみてください。
ZIPANGU Stage公式サイト

目下絶賛ご予約受付中でございます。サイト内の公演情報ページから専用フォームでどうぞ。
初舞台の人も出演するワークショップ公演ではありますが、さりげにうちの役者も4人出演しますし、昨今常連客演になったコヤタカフミさん、そのコヤさんの劇団であるでこぼこギアの看板女優で、昨秋の協会お披露目公演にも出演した北川純子さんも出演します。こうしてみると、結構豪華キャストなのです。
そして今回の劇場は、ステージカフェ下北沢亭さん。その名の通り、ここはお芝居観ながらお酒も飲めるという、ちょっと珍しい劇場さんです。酒場が舞台のお芝居観ながら一杯、なんていう珍しくておつな体験が楽しめます。どうぞご予約ご検討ください。

そして来る5月の本公演に向けまして、来月からワークショップオーディションを開催いたします。
うちの5月公演に出演希望の役者さん限定のワークショップとなりますが、ワタシらが培ってきたコメディ演劇というやつに、どっぷり浸っていただくワークショップにしたいと思っております。奮ってご応募ください。
(詳細は上記、劇団公式サイトをご覧ください)

17猫年賀状最後に、最近毎年作っている猫友達限定猫年賀状(笑)。
猫さんたちも揃って元気に年越ししたのでした。

酒場でダバダ

さて気がついたらクリスマスも過ぎて……もはや、どっぷりと年末ですね。なにかと慌ただしい年の瀬ですが、
年明け早々の1月下旬には、劇団のワークショップ公演がありますのでご案内させてください。

今回お届けするのは、『ラッキー・ガイ』という名の酒場の一夜を描いた、劇団では名物シリーズとなった一連の作品群の第一作。タイトルは『酒場でダバダ』と申します。
(詳細の公演情報はこちらをご覧ください)

NO-92











写真は初演時のモノです。
店主に不運がある時、客の誰かに幸運が訪れるという噂のBAR『ラッキー・ガイ』。その名とは真逆にいつも不運でさえない店主と、その店主には不似合いの出来たママさんが営む店です。そこの一癖も二癖もある常連客たちを交えて巻き起こる一夜の珍騒動(?)を描いた作品となります。初演は、なんと97年2月ですから、ほぼほぼ20年前の作品でして、その後、2008年に劇団15周年記念作品のひとつとして再演してますから、まあ都合3度目の、それもほぼ10年毎に再演されるという、自分事ながら不思議な縁のある作品なのですね。

今回は、ワークショップに参加していただいた若い役者さんたちを中心とした公演となります。ワタシがまだ30代になったばかりの頃に書いた戯曲を、その頃の私よりも更に若い役者さんたちに演じていただくコトになるワケでして、どんなコトになるやら、自分としてもとても楽しみなのです。どうぞご期待ください。


さて、過行く2016年。個人的に振り返ってみれば、今年はいろんな公演に関わらせていただいた一年でした。
2月、文鳥舎さんのプレゼンツでの朗読劇『ごろうまるの行方』を皮切りに、4月にはその朗読劇と、村上晃一さん矢野武さんとのトークライブのコラボイベント『あの日、ブライトンで』。
5月は自分ところの劇団本公演『笑う数学者』、9月にはキム木村さんが演出した吹澤信子事務所公演『カサ・ノワール』に、脚本提供と舞監の一人として関わりました。そして11月の日本コメディ協会『お披露目〜お金編』の総合演出。劇団の公演は一本のみでしたが、こうしてみると割合一年中切れ目なく、いろんな所の稽古場にお邪魔し続けていた気がします。そしてまた来年1月に向けた稽古が既に始まっていて……まあ毎年のコトではありますが、お芝居に明けて暮れる一年でした。全てのお客様と、公演や稽古場でお世話になった全ての皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

お披露目〜お金編〜裏話的なこと

IMG_0845はや2週間ほど前になりますが、
日本コメディ協会
お披露目〜お金編〜
無事千秋楽の幕を降ろすことができました。
ご来場いただきました全てのお客様に、
まずは厚く御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。







IMG_0850本当に良い美術ですね。
シチュエーションコメディにあたって、必要にして十分。美術の小林さんの素晴らしい仕事ですね。
今回の美術は、過去の2度のお披露目公演と違って、完全具象セット。実はこれ、5月くらいに4本の脚本のプロットが出てきた段階で私が判断したコトでして、今回は具象でいけるんじゃないかと、まあたまたまですが集まった4本のプロットが全て一般家屋のリビングでのお話でしたので、そう決めたんですけど、そこからまあ、小林さん始めとするスタッフさんたちの全ての苦労と戦いが始まったワケです。


IMG_0851『つまらないものですか?』

実はこの作品が、具象美術にするにあたって最大の難関でした。
この作品、家のリビング以外にも、トイレという、極めて重要な場がありまして、これを具象のセットでどう表現するか、演出の遠藤さんとも何度も打ち合わせをしつつ、最終的にはあの、衝立で囲った装置に行きついたのだけど、
実は脚本を担当した、まるかど企画の田島さんの台本が、当初は抽象美術を想定されて書かれたものなのですね。(脚本依頼の段階では、まだ美術がどうなるかは決まってませんでした)
例えばですが、暗幕を周囲に張っただけの美術だとしたら、この脚本は何の問題もなく成立するのだけれど、それを具象の美術でやるとなると、かなりの力技でしたから……結果的に台本の一部修正を余儀なくされて、もしかしたら田島さんには不本意だったかもしれません。
それでも、遠藤さんの演出と、スタッフさんたちの試行錯誤の結果、なんとも楽しくてちょっと切ない作品になったと思います。最終的には遠藤さんは『バラエティコメディ』という言葉を使ってましたが、言い得て妙ですね。
4本全部面白かったけど、これが一番好き、という感想も少なくはなかったです。


IMG_0852『リピートするのに遺産はいらない』

いろんなところで言われてる通り、脚本の竹田さんと演出の一宮さんのコンビが素晴らしかったと思います。
ここは舞台奥中央に置かれた柱時計が極めて重要な小道具になってますから、そのモノだけは妥協せずに徹底的にこだわりました。結果、時計の借用・調達にかかった費用が、実は4座組全ての小道具代の半分くらい(半分は大げさかもですが、借用小道具代の3分の1くらい?)を占めていたかも(笑)。
ゴーン、ゴーンと時計が鳴る都度に、物語が一段階上のテンションを獲得していって……いやはや、何度観ても面白かったよ。毎回毎回ワタシが一番笑ってたんじゃないかな。


IMG_0854『うちにお金はありません。』

佐藤史久さんのライトでウエルメイドな脚本を吉岡さんが爽やかに演出された作品です。
ここは実は装置的な仕掛けが一番多い一本でして、前の作品で普通に出入り口として使っていた奥の襖が、この作品になると突然『押し入れ』になっていたり、下手前の壁にしか見えない場所が突然『隠し扉』になっていたり。
その押し入れと隠し扉を達成するために、美術の小林さんとは何度も何度も打ち合わせました。予算に限度があるので、その度に方法を練り直したり。最終的に全ての装置を生かしてくださった吉岡さんの演出にも感謝です。物語の終わりに、その押し入れから姿を現す国立さん(社長秘書役)の晴れやかな笑顔が、なんとも印象的でした。


IMG_0855『家族の森』

佐藤竜さんの骨太な物語。最後の一本に相応しいよう、演出の祝さんが後味の良いコメディに仕上げてくださいました。
写真には写っていないのだけれど、実は舞台の上下(かみしも)の脇に、それぞれ木をあつらえたパネルが飾られております。木・愛(き、あーい)が重要なモチーフになっているこの作品のために、美術の小林さんがあえて作ってくださったモノです。
4作品共通の美術ですから、この木は実はお芝居始まる最初から両脇にあったワケですが、そこにスタッフさんのマジックがありまして、小林さんは敢えてこの木のパネルの色を黒にしていたのですが、当初ワタシには何故木が黒なのかが正直ちょっと分からなかったのです。ところが……
照明の龍野さんは、敢えて1作品めから3作品めまではこの黒の木パネルに明かりを当てず、最後のこの作品の時だけ下からのアップライトをあてていました。それがどういうことかというと、1〜3作品までは誰もそこに木があるとは気づかずに、この作品のある場面で突然舞台の両脇に木が浮かびあがるという……
いやはや、凄いの一言です。美術の小林さんと照明の龍野さんの頑張りには、私は何度も泣きそうになっていましたね。脚本が凄く評価された作品でしたけれども、そこには、スタッフさんたちの試行錯誤の汗が滲んでいたのですね。


4作品のオムニバスなのに、具象美術。
その困難さは分かってはいたものの、正直予想以上でした。同じ一般家屋のリビングが舞台なれど、田舎の民家あり、金持ちの屋敷あり、貧乏長屋あり、そして森に囲まれた一軒家もありで、本当に設定は様々でしたから。どうすれば良いのか、小林さんと、舞台監督の大友さん、金子さんとも何度も議論しました。
なるべく色目を使わず、どんな家屋にも見えるように作ってくださった小林さんと、各作品ごとに4作品の全ての地明かりを別々に仕込んでくださった龍野さん。金持ち設定の作品にはあえて少し白っぽい明かりをあてて、貧乏長屋の人情コメディには、温かみのある色目にしてと……ワタシには本当にスタッフさんが仕掛けたマジックにしか思えませんでした。本当に凄い!

そして、各作品ごとに音楽とSEを、最後までとことんこだわってくださった音響の竹下さん。4作品全ての座組の稽古に足を運んでくださり、綿密な打ち合わせを最後まで4人の演出家さんとしていた竹下さんには、本当に頭が下がりました。そしてまあ、その音の綺麗でクオリティが高いことと言ったら!

なんとも至らないワタシを何度もフォローしてくださって、かつ最高の仕事をしてくださった、舞台監督の大友さん、金子さん。
一番タイヘンで地味な『制作』という部分を、ご自身すごく忙しい中で担当してくださった浅海さん。
当日運営についてくださって、私たちの細かい要望にことごとく応えてくださった、すわさん。
そして、いろんな分野で身を粉にしてくださった、沢山のお手伝いさん。
全てのスタッフさんにも心からの感謝を。

お蔭様にて、本当に評判も上々の公演になりました。正直、結果はワタシの想像以上だったのですが、
これは勿論、4座組全ての役者さんの、少しでもより面白いコメディにすべく稽古場で流した汗と、
そして、作家さん演出家さん含めた、全てのスタッフさんの、最後まで絶えまぬ戦いの結果なのです。
こういう公演をやると、ほんと、改めて芝居っていいなぁと思いますね。
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