しゅさいのブログ

コメディ作家で、劇団ZIPANGU Stage主宰の今石のブログです。
稽古日記や、スポーツ観戦記などなど。
お気軽にお立ち寄りくださいませ。

ラグビーWCフランス大会閉幕

決勝
ニュージーランド 11 ― 12 南アフリカ

まあ、いろんな意味でタイヘンな試合でした。僅か1点差。ラグビーで1点差ってすごく珍しいと思うのだけど、南アはなんと準々決勝から3試合続けて1点差の勝利なのです。どうやったらそんな測ったように勝てるんだ(笑)。しかも……
この試合、いろんなタラレバがあったのですね。雨中でなくドライコンディションだったら……サム・ケインのレッドカードがせめてイエローなら……ニュージーランドのPGやコンバージョンがあと一本決まっていたら……まあ、そういうの全てひっくるめて最後には一点差で勝ってしまう南アフリカを褒めるしかないと、今は思います。準決勝で温存した(後半の最後の方だけ使いましたが)ポラードとデクラークをここだけはフル出場させ、交代のカード6枚のうち5枚をフォワードに使い、思惑通りのロースコアの勝負にして、最後は思惑通り競り勝つ。まあお見事と……言うしかない、なあ。
個人的なMVPは、4本のPGをパーフェクトに決めてみせたポラードですね。フル出場でも最後まで驚異的な運動量で暴れまくったデクラークも、最後まで走りまくったコルビも素晴らしかったけど、まあこの人がいなければ南アの上記戦略は成り立たなかったでしょう。オールブラックスはもとより、フランスやイングランドにだって勝てたか分からない。まさに、いてよかったポラード。……マルコム・マークスの怪我がなければいなかった、かもなのですが(笑)。


3位決定戦
アルゼンチン 23 ― 26 イングランド

正直、こんな僅差の勝負になるとは思ってませんでした。アルゼンチン、ホントに強いんだか弱いんだか分からない(笑)ですねえ。まあフィジカル勝負になりやすい相手の方が相性が良いんでしょうけど、でも、それにしても。
あとまあ、ジャパンとプールを戦ったこの2チームが、ここで戦ってることに、ある種の感慨を覚えた一戦でした。あの時ひとつ間違えたら……ひょっとして……ってまあ、それは次回のお楽しみにしときましょう(笑)。


さて今大会を振り返ってみると……
真の4強はクォーターファイナルで直接対決した、南ア、フランス、ニュージーランド、アイルランドでしたね。この四国はどこが優勝してもおかしくなかった。イングランドやアルゼンチン、フィジーは比べると少し差があって、更にその下のサードグループあたりに、ウェールズやオーストラリア、ジャパンなど。優勝を目標に掲げた我らがジャパンですが、さすがに最強4カ国に勝つイメージは……。かつてのサンウルブズのスーパーラグビー参戦のような劇薬(?)含めて、あと一歩を埋めていく強化を、どうかお願いします。しかし……

10年前のワタシに、10年後はジャパンがワールドカップでこんな活躍してると言ったら……まあ悪い冗談だと思われると思う(笑)。自国開催でもない大会でこの成績は立派で……改めて強くなったモノだなあというのが正直な実感なのです。面白くて楽しんだワールドカップでございました。

ワールドカップの行方

準々決勝

アイルランド 24 ― 28 ニュージーランド

凄い試合でした。今大会イチバンの、大会を代表するゲームだったんじゃないかと、素直にそう思ったですもん。前半終わって、24-25の僅か1点差で、最終スコアも僅か4点差。トライひとつでひっくり返る、どっちに転んでもおかしくない試合。そして最後の……アイルランドの37フェーズにも及ぶ長い長い激闘は大げさじゃなくスポーツ史に残ると思う。まさに、攻めに攻めたり、守りに守ったり。反則をせずに攻め続けるのはアイルランドでなければできなかったし、反則せずに守りきるのはオールブラックスでなければできなかった。素晴らしいスピードを誇る両チームが両方とも、最後の最後はなんだかスロー再生のようなプレー速度になってましたね。やがて力尽きたアイルランドがペナルティを取られ……倒れこむほぼ全ての選手がおそらくは極度の酸欠状態、いやあ出し切ったなあって感じでした。物凄いモノ……観ちゃいましたね。


フランス 28 ― 29 南アフリカ

凄い試合でした。今大会イチバンの、大会を代表するゲーム……をまた観ちゃったぞ(笑)と、素直にそう思ったのです。こっちはなんとフルタイムで僅か1点差。PG一本でひっくり返る、なんとも最後まで分からない試合でした。まあでもこのゲームの本当の凄さは主に前半でして、両チーム共に試合開始から思いっきりフルガスでしたね。攻撃が早い早い。あまりに目まぐるしくて見る方がちょっとついてけないくらいで、まあどっちの攻撃も止まらない、というか止めようがない。流石に後半はちょっと落ち着きましたけど、点差がまるでつかないシーソーゲームはなかなか息をつく暇もなかったです。最後は互いに、PGをもらいに行くようなプレーが増えてしまった(やたらレフェリー見てなんか訴えてましたね)のだけれど、それだけお互い疲労困憊だったのでしょうね。僅か1点をしたたかにしのがれてしまった、地元フランス。ホント強かったし良いチームでしたね。


ウェールズ 17 ― 29 アルゼンチン

アルゼンチン、強いな(笑)。
フルタイムのスコアだけ見ると差があるゲームにも思えますが、実は後半20分近くまでリードしていたのはウェールズの方でして、終盤見事にひっくり返して最後は突き放した、アルゼンチンの会心のゲームなのです。そして負け惜しみ(笑)だけど、もしジャパンがここにいたら……てなことをつい考えてしまうゲームでもありました。……。勝てたな(笑)。


イングランド 30 ― 24 フィジー

フィジー、強いな(笑)。
後半30分、一度は同点に追いついたフィジー。もしかしたらと誰もが思ったよね。そこからはしたたかにPGを重ねたイングランドでしたが、最後もうちょっとで……
まあ、なんだかんだと逆転を許さないイングランド、なのでした。苦しんだプール戦を経て、なんだか強くなってる気もしましたね。


準決勝

イングランド 15 ― 16 南アフリカ

なんと準々決勝に続き、2試合連続で1点差のゲームをモノにしてしまった南アフリカ、なのでした。ただこの試合、勝ちに値するラグビーをしたのはイングランドの方でして、オーエン・ファレルを始め、気合の入り方からしてすさまじかったですね。南アフリカ相手にフィジカルでも上回ってた印象でして、ラックで乗り越えられてボールを失う南アなんて、ワタシたぶん初めて見たよ。実際スコアでも後半30分近くまでは9点差で勝ってましたから……ゲームを支配して押しまくってた時間帯に、あと一つでもトライが取れてれば、南アも諦めてた、かもしれないです。しかし南ア、負けないですねえ。最後勝負を決めたのは、マークスの怪我で追加招集されたハンドレ・ポラードのPGでした。あれ、リボックだったら外してたかも(笑)とかつい思ってしまうワケですが。


アルゼンチン 6 ― 44 ニュージーランド

アルゼンチン、弱いな(笑)。
それともオールブラックスが強すぎるのかしら。最近ワールドカップの決勝トーナメントで、こんな大差になったゲームは記憶にないです。まあ正直プール戦4試合と準々決勝をやって、アルゼンチンは相当消耗してたのかなあって印象でして、対するニュージーランドは明らかにピークをここらへんに調整してたなあ、とも。4年前のジャパンも決勝トーナメント入って明らかに落ちてましたもんね。ここらへんが、超のつく強豪国との差なのかもしれません。しかしまあ、もしジャパンがここにいたら……たぶん、もっとぼこぼこにされてたかもしれない。それでも観たかったなあと言うのが素直な感想ではありますが。


さて、決勝の組み合わせは……

ニュージーランド対南アフリカ
となりました。
まさにラグビー界の両巨頭、ジャイアント対決ですな。
現状の両チームの調子を考えるに、オールブラックスかなあとは思いますが、まあ何が起こるかこのレベルになると全く分からないです。ロースコアの接戦になれば南アが、点の取り合いになればニュージーランドが優位、だとは思いますけど果たして……

日本時間の日曜朝4時、運命のキックオフなのです。

ジャパンの旅の終わりとクォーターファイナルと

日本 27 ー 39 アルゼンチン

一週間、気絶してました(笑)。
惜しかったなぁ。でも力負け。先行されては何度も追いすがるジャパンに対し、常に常に先手を取って、最後に突き放したアルゼンチンがやはり一枚上手でした。悔しいなぁ。でもこれがジャパンの現在地。前半終了間際の齋藤のトライで1点差に詰め寄ったシーン、後半27分にナイカブラのトライで2点差まで迫ったシーン、正直ワタシは夢を見たよ。なんかちょっと2015年の南アフリカ戦に似ている感じもしましたし。でもあの時の南アと違ってアルゼンチンは最後の詰めも誤らなかったですね。後半30分のカレーライス(失礼、カレーラスでした)がこの日3本めのトライを決め、後半35分にニコラス・サンチェスがPGをきっちり決めて、万事休す。……悔しいなぁ。まあ以前のジャパンを考えたら、アルゼンチン相手にこんな競ったゲームができること自体がドリームなんですけど、でも、それでも。

終わって振り返ってみても、決して勝てなくはなかったゲーム。何が勝負を決めたかと考えれば、やはりサモア戦で露呈したジャパンの欠点を、ジャパンは修正しきれず、アルゼンチンは抜け目なく攻めたってコトかなあと思うのですね。まずは密集(ラック等で大勢が集まった状態)の脇のディフェンス。サモアは後半、この近場を徹底してゴリゴリ押してきましたが、アルゼンチンも広く展開せず、密集脇に何度も強烈なランを仕掛けてきました。そして後半20分からの、ジャパンの魔の時間帯。後半入ってくる交代選手が大会通じて元気がなく、基本はフルガスで戦うジャパンがどうしても苦しくなる時間帯に、アルゼンチンに狙い通り突き放されています。まあある意味強豪国にプラン通りのゲームをされていて、そうなると流石に厳しいワケです。あと、試合開始早々のアルゼンチンの先制トライ、ワタシには奇襲にも思えたのだけれど、あれも今思えば絶対にジャパンに先制させないという、強い意思だったのかなぁ、とも。格下が格上を破るためにはやはり先制点が凄く大事で、ジャパンとしてはなんとか先制してプレッシャーを与えたかったハズ。そう考えれば、やはりトータルでの力負けと言わざるを得ず……何度も言うぞ。悔しいなぁ。負け惜しみも言うぞ。もう一回やったら勝てるんちゃう?(笑)

前回を上回るベスト4以上の目標は、てなワケで次回に持ち越しなのだけど、引き続き魅力的なジャパンが観られるよう祈っております。選手の皆様、本当にお疲れ様でした。実はちょっと心配してましたが、夢を見させてくれた本当に良いチームだったと思います。これはマジで。さて……

ワールドカップはいよいよクォーターファイナル(準々決勝)となります。いつも書いてますけど、サッカーでもラグビーでも、一番面白いゲームになることが多い4試合。ラインナップはといいますと……

ウェールズ vs アルゼンチン(日本時間15日0時 今夜です!)

アイルランド vs ニュージーランド(15日4時 明朝です!)

イングランド vs フィジー(16日0時)

フランス vs 南アフリカ(16日4時)

……。
なんて面子なのだ。ここにジャパンの名前があったら奇跡だなぁ、と。まあ勿論4年前にはその奇跡を起こしちゃってるワケなんだけど、でも、それでも。ちょっとサプライズなのがフィジーくらいでして、まあそのフィジーにジャパンはワールドカップ前に完敗してますからね。あとはまあ、超のつく強豪ばかり。特にアイルランド対ニュージーランドとかフランス対南アフリカは、これが決勝でも全くおかしくないです。どんなめくるめくゲームを見せてくれるのか。あまり普段ラグビー観ないんだけどの人にも是非ご覧になっていただければ、と。

決戦の日曜日

日本 28 ― 22 サモア

前半はこれまでで一番と言っていい立ち上がりでした。ディフェンスも攻撃も安定感があって、スクラムもガッチリ止めて、前半32分までに2トライ。今日は安心して観てられるなあ、なんて思っていたのだけれど、やはりそんな甘いもんじゃなかったのです。33分、堀江の不用意に高く入ってしまったタックルがイエローカードになって、そのペナルティキックを起点にサモアが怒涛のモールでトライ。いやあホントに要らん失点で、前半は17対8となりました。こういうので得てして流れが変わってしまうのですね。一人少ないジャパンは後半も開始直後から攻めに攻められ……ああ結局はこういう試合になってしまうのだなあ、と。ところが……

その堀江が戻った後半7分に、今度はサモアのベン・ラムがレッド・カードで一発退場に。直後の9分、今度はジャパンがモールでトライ。16分にはキック絶好調の松田がPGも決めて、スコアは25対8。ツートライでも追いつかれない点差になって、流石にこの時は決まったかな、と思ったよ。だいたいは過去のサモアならこれで切れてましたしね。あとはボーナスポイントが付く4トライめを待つばかりだなあ、とか呑気に思っていました。ところが……

その後のサモアがすさまじかったのです。一人少ないハンデを埋めるためにスクラムハーフのジョナサン・タウマテイネを下げて、展開のラグビーを敢えて封印して(だってパス出しできる人いないですから)近場ばかりをゴリゴリ攻めてきた。この苦肉の策にも思える戦法がめちゃくちゃジャパンには有効で、まあ押される、押される。切れるどころか、キレっキレのリアリーファノ中心にどんどん攻めてきて後半26分と38分にサモアのトライ。気がつきゃ点差は6点差になってまして、つまりはワントライで逆転可能。いやー、こんなにヒヤヒヤしたの、生まれて初めてよ(笑)。

結果的には切れないサモアをなんとか振り切っての勝利。ボーナスポイントは取れなかったけど、まあ取れるどころじゃなかったです、ハッキリ言って。結果的には、セルジオ越後さん風に言えば「勝ったことだけが収穫だよ」てな、危ういゲーム。まあ本当に、勝てて心からホッとしました、ワタシは。なにより……
後半20分以降のゲームは、近場のゴリゴリ戦法やら、交代選手の不出来も含めてジャパンはこうすれば倒せるという情報を、アルゼンチンにたっぷり与えてしまったとも思う。
果たしてこの短期間で修正はできるのか。まあJJ(ジャパン監督)も分かっちゃいると思うので何かしらの対策を考えてくる……とは思うのだけど。

さて、いよいよ本当の決戦、なのです。
プールDの2位アルゼンチンとの直接対決。ここまでの戦績は互いに2勝1敗で勝ち点も同じく9。ただ得失点差はだいぶ向こうが上なので、引き分けではダメ。ただ、勝てさえすればどんな勝ち方でも我らがジャパンの決勝トーナメントが決まるのです。チリやサモアと違って、普通にやっては勝てない格上相手ですが、2015年も19年も『何か』を起こしてきたのがジャパン。
期待しましょう。


決戦前夜なのだ

アルゼンチン 19 ― 10 サモア

雨中の決戦。ただこれ、正直言えばドライ・コンディションで観たかった試合でした。互いにミスの多い、ちょっと何だかなーなゲーム。互いに攻めに攻め、守りに守った実力伯仲の結果と言うよりは、そのコンディションも含めてうまくゲームを運んだアルゼンチンが、無理せず勝ちを拾いにいった印象、なのですね。晴れていたら全く違った結果になっていた、かもしれません。互いにトライは一つずつで、ペナルティキックの成否がそのまま点差になっています。サモアはリアリーファノが、あまり難しくない角度からのキックを2本外したのが痛かったですね。それを含めて……
やはりアルゼンチンの方が強い印象ですけど、差はそんなにはないなあとも。これからこの2チームと戦うジャパンなワケですが、おそらくだけど現状のジャパンはサモアとほぼ同格で、アルゼンチンはやや格上。2連勝は夢物語ではないけれど、連敗も十分あり得ます。まずはサモアに僅差でもいいので勝っていただいて、最後のアルゼンチン戦に挑む形にしたいですね。うーん、緊張するなあ(笑)。


イングランド 71 ― 0 チリ

チリもいいチームだと思ってたんですが、やはりここまで差がつくんだなあ。スタンドオフをオーウェン・ファレル(前の試合まで出場停止でした)に戻したイングランドは、アルゼンチン戦の時とはうって変わってPGやドロップゴールではなく得点は全てトライ。相手次第ではこういう勝ち方も、やはりできるのね。と言うワケで現状のプールDは……


1位 イングランド 3勝 勝ち点14 (残 サモア)
2位 サモア 1勝1敗 勝ち点5 (残 日本・イングランド)
3位 日本 1勝1敗 勝ち点5 (残 サモア・アルゼンチン)
4位 アルゼンチン 1勝1敗 勝ち点4 (残 チリ・日本)
5位 チリ 3敗 勝ち点0 (残 アルゼンチン)

イングランドの勝ち抜けはよっぽどのことがない限り(サモアとアルゼンチンが共に3勝1敗で並んで勝ち点でサモアに上回られ得失点差でアルゼンチンに及ばない……てなことホントにあり得るのかしら?)まあ確定に近いです。チリのグループ敗退は決まりました。てなワケで以前にも書きましたがこのグループは実質、日本、サモア、アルゼンチンの、もう一枠の争いになります。そして日本が残り2連勝すれば……他の勝敗や勝ち点に関わらず、グループ突破が決まるようなのですね。

まずは明朝のサモア戦。
繰り返しになりますが、ほぼ同格の相手です。完勝も大敗もどっちもあり得るとワタシは思っています。そしてまあ、この一戦をなんとか乗り越えられれば……
アルゼンチン戦は結構イケるんじゃね?とも。これはマジで。

がんばれ、ジャパン!

ジャパンの行く末

日本 12 − 34 イングランド

キックオフ直後、ジャパンのインゴールでマシレアが痛恨のノックオン(笑)。
イングランドのキックが長すぎてゴールラインを越えてしまっていたので、ただボールを拾って置くだけでジャパンボールになる局面。大してプレッシャーもかかってなかったのになぁ。マシレアって好不調の波が激しいというか、良い時はホントにキレッキレなのだけど、この日はなんか目が泳いでる感じで、よっぽど緊張してんのかなあとか思ってました。しかし……

直後のイングランドボールのスクラム。ジャパンがガッチリ受け止め、微動だにしなかったのです。これ実は、昔からのファンには感涙モノでして、おお! 止まってるよ、と……ジャパンがガッチリ止めている、あのイングランドのスクラムを、しかも試合開始直後に。この瞬間、私は今日のゲームは接戦になると確信しました。なにせ敵さんにはあのジョージ・フォードがいるのですから……スクラム押されて反則取られたら即PGで3点なのです。実際イングランドはそういうゲームプランだったと思うので(昨年のテストマッチではスクラム押されまくって大敗してます)それを初っ端から……まあこのワンプレーの持つ意味は計り知れなかったと思う。実際この日のジャパンのスクラムは素晴らしかったです。全く押されないどころか、いくつかのそれは明らかにジリっと押していましたから。残念ながら後半20分過ぎにジャパンがフォワード一列の選手を全て入れ替えた後は、ゲームの流れを失ってしまうのだけど。

改めて、スクラムの持つ意味って物凄く大きいのだなあというのを教えてもらった試合でした。ジャパンは攻撃面でミスが目立ったし、相手のヘディング(?)でトライを取られるといった不運な要素もあったのに、それでも後半20分まではどっちに転ぶか分からない接戦でしたからね。まあイングランドクラスの相手だと、あれだけミスしたら勝てないし、ちょっとの運も味方にしなければ難しい。前半は少なくともリードして終わって後半相手にもっとプレッシャーがかかる状況にしなければならなかった、のでしょうね。結局イングランドは最後まで余裕をもってプレーしていた印象。ただ……

もう一回やったら勝てるんちゃう?(笑)

と、そのくらいの夢は見られた試合でした。少なくとも、ワタシにとっては。


サモア 43 − 10 チリ

スコアだけ見ると、ほとんどジャパン対チリと同じような結果です。ここも前半はチリが本当に頑張っていて(前半だけだと19−10)チリ、やっぱりつええなぁとか思ってたのですが、残念ながら後半はサモアの一方的なゲームでした。そしてスコアだけ見ても、サモアというチームは、ほぼ、ジャパンと同クラスの力を持ったチームなのです。実際、ワールドカップ直前のテストマッチでも、2点差で負けている相手でもあります。かなり荒っぽくて規律を守れないチーム……といった過去の印象は、スタンドオフにリアリーファノという選手が入ったことで払拭された、のかもしれません。ちなみにこのリアリーファノ、前回WCではワラビーズ(強豪オーストラリアです)の司令塔をしていた選手。(ルール改正で以前別の国の代表だった選手でも、その国にルーツがあれば代表になれるようになっちまったのです)PGもほとんど決めてしまう名キッカーでもあります。もともと屈強なフィジカルを持つ上にゲームメイクに彼が加わった今のサモア……正直、相当手ごわいです。


さて、イングランドに負けてここまで1勝1敗のジャパン。
決勝トーナメントに進むためには、次のサモア戦は絶対に絶対に負けてはならないです。その上で最後のアルゼンチン戦に勝負をかける。おそらくはイングランドが全勝で抜けるでしょうから、実質的にこのプールは、アルゼンチン、サモア、日本の2位争いとなります。残り2試合を直接対決するジャパンは、ここからは実質負ければ終わりのトーナメントなのです。うーん、ワタシの心臓持つのかしら(笑)。がんばれ、ジャパン!

ラグビーWC開幕

さて、大変遅ればせながら(笑)……

あまり明るくないブログを長々と書いているうちに、いつの間にやら始まっちまってました。あの大興奮の日本開催からはや4年。本当に早いなあ。今回もできる範囲でその魅力や見どころなどをお伝えしたいと思っておりますので、よろしくお付き合いいただければ幸いなのです。では。

日本 42ー12 チリ

大緊張の初戦、でした。日本が入ったプールDの力関係や日程を考えるに、この初戦をもし万が一落としてしまったら、ジャパンの今大会はほぼ終わったと言っても過言でないくらいの超重要な一戦。ホントにホントに勝てて良かったのだけど……

チリ、強かったですね。点差だけを見れば完勝、なのだけれど、実は私、最後の最後まで、いつひっくり返されるかと気が気でなかったです。タックルで倒しても倒してもすぐ起き上がってきて、次々にランナーが襲ってくるチリはとても魅力的なチームでした。そしてまあ、結果的にはそのチリを相手に、4トライ以上のボーナスポイントも含めて勝ち点5を得たのですから、悪くない初戦でしたね。良かった良かった……ホントにホントに緊張したけど。

イングランド 27ー10 アルゼンチン

そしてこれが、日本と同じプールDの、言ってみれば2強の対決なのです。優勝1回、前回大会準優勝のイングランドはもちろん超のつく強豪ですし、ベスト4に過去二度入っていて、現在の世界ランク6位のアルゼンチンはジャパンから見ればかなりの格上。そしてまあジャパンが決勝トーナメントに進むためには、そのどちらかを倒す必要があるのです。果たしてそんなことができるのか(笑)。
実は試合前、私の予想はアルゼンチンでした。不振が続いて、以前ジャパンを率いていた監督のエディさんを昨年末に解任したイングランドは、ゲームの要となるスタンドオフのオーウェン・ファレルが実は出場停止中(日本戦も出られません)でして、今の勢いだとアルゼンチン優位かと。そして悪いことは重なるもので、試合開始僅か3分で守備の要のトム・カリーがレッドカードで一発退場に。まさに絶体絶命イングランド。ところが……

彗星の如く現れたジョージ・フォードという名の選手がゲームを一変させます。(余談ですが、ジョージさんもフォードさんもいっぱいいますよね。日本で言えば山田太郎とか鈴木一郎って感じの名前かしら?)ラグビーには超難しい、ドロップゴールという得点があるのだけれど(インプレー中に、あの楕円のボールをワンバウンドさせてからキックで直接ゴールポストのH型の上を通すという、まあ滅多には観られないゴールです)山田太郎さん、じゃなかったジョージ・フォードさん、なんと前半のうちに3本もこれを決めてしまったのですね。それだけじゃなくて、PG(ペナルティ・ゴール)も次々と……

結局この試合のイングランドの得点27点は、全て鈴木一郎、じゃなかったジョージ・フォードのキックによるモノでした。つまりはトライは一つもナシ。これ試合開始早々に一人少なくなった影響も勿論あるとは思いますが、こんな飛び道具を手に入れてしまったイングランドはゲームメイクに迷いがなくなったんだと思う。スクラムや接点でとことんプレッシャーをかけてペナルティを取る、あるいはドロップゴールを狙う。これがどういうことになるかと言えば……

相手チームはまず、自陣でのペナルティがご法度になります。ペナルティ取られれば即、相手に3点が入ると思わなければならない。同じように自陣でのノックオンも厳禁になります。スクラムでプレッシャーをかけられれば即、その後ろからドロップゴールが飛んでくる。そしてまあイングランドというチームは、そういう接点とかスクラムでプレッシャーかけるのが何より得意なチームです。相手は常に常にそのプレッシャーの中で……
結果、アルゼンチンはワントライと1PGに抑えられての完敗でした。いやはやイングランドおそるべし。もしかしたら15人でオーウェン・ファレルがいるより強いんじゃね?とすらワタシは思ったよ。

我らがジャパンの次の相手は、そのイングランドなのです。キックオフは明朝4時。いやはやタイヘンなゲームになりそうで……繰り返しになりますが、自陣での反則はノックオンまで含めて全て厳禁です。それを、プレッシャーの鬼みたいなイングランド相手に80分やり続けることが、果たしてできるのか……
我らがジャパンに是非、早起きして声援を。

君と過ごした最後の一年(最終)

治療をやめてから一日が過ぎ、二日、三日と過ぎても、
彼はまだ呼吸をしていました。最後の点滴から四日間、薬も栄養も、水すらも摂らないままで……すごい生命力だと素直に思ったよ。ただ横たわり、呼吸で胸だけを小刻みに動かしている君。

本当はさ、死に際なんて誰にも見せたくないんだ。僕は猫だからね。
だけどもう、身体がちっとも動かないや。へへ。潔くなくてすまないね。


潔くないのは私の方だ。
白状すると、先生の前で君を見送ると決めたクセに、あれからまだ迷っている。先生にもらった点滴液がまだ残ってるから……せめて水と栄養だけでもって、何度も、君に点滴針を刺そうとしたよ。そんなことしたって君が苦しむのが延びるだけって理性では分かってる。でも、それでも……私は、愚かだ……

針はもういいよ。あれは痛いからね。
世話かけたね。あと、もう少しだけだから……


彼の言葉は全ては妄想だけど……横たわる彼と何度もそんな会話をしていたのです。

翌日……
タイムの呼吸が突然、しゃっくりのような音に変わりました。私は全てを理解して……
二階に、この日はたまたま在宅勤務だったかみさんを呼びに行きました。
二人で見守ること数分で……
タイムのからだが二度、小さく痙攣しました。
かみさんが震えた彼の前足をそっと握り……
私は彼を撫でながら何度も耳元で……

大好きだよ、タイム。
本当に本当に、君のことが大好きだった……

やがて……
かみさんと手をつないだまま、眠るように……
タイムは、呼吸をやめたのでした。


大家さんと相談して、彼のお墓は庭の、くーちゃんの眠る近くに作らせてもらいました。
彼の岸で仲良くしてるといいなと願いながら……まあ、くーちゃんのことだから、遅すぎるよ、何年待ったと思ってんの!? とかなんとか怒ってる、かもしれません。

改めて……
君の21年の生涯を考えると、最後の一年を含めて、悪くない猫生だったんじゃないかと思うよ。
天寿を全うし、両親(私とかみさんだけど)に見送られて最後の時を過ごした……
私らにしても、そりゃボロ泣きはしたし寂しいけど、一年間かけてゆっくりお別れできたからね。無事に君を見送れて、よかったんだとは思う。

君が幸せだったかは……
正直わからないよ。でもこれだけは分かる。
君と21年一緒に過ごして、いつも一緒にいて、
私とかみさんは
間違いなく幸せだったよ。

ありがとう。

君と過ごした最後の一年(6)

それからは……

実はこの頃の記憶があまりありません。ツラ過ぎるから、というワケではたぶんなくて……無意識のうちに、そのこと、を考えるのを避けていたのだと思います。もうこれ以上は……がんばらなくていいんだよと、スヤスヤ寝ている君に問いかけます。君は当然何も応えず……その寝顔は、天使のようでした。時折、むつくりと起き上がり、水を飲んだりご飯を食べたり。左目はもう光をとらえてはいないようでしたし、歩くことは徐々に難しくなってきていました。それでも彼は……生きていたのです。

10日ほどが過ぎたある夜。
むつくりと起き上がったタイムが、数日ぶりの排便をしました。あまり歩けなくなってからは便をするのがとても大変になってましたから、私はガッツポーズしたくらいでして。今日は調子が良いのかしらとご飯をあげてみたら、元気な頃くらいの量をガツガツと。私はかみさんと手を取り合って喜び……どこまでこの子はがんばるつもりなのか、と。それが……
タイムの最後のごはんになったのでした。

翌朝。
目覚めて、いつものようにタイムの様子を見にいくと、いつもの寝場所ではなくて、リビングの真ん中あたりで横たわっていました。呼吸はちゃんとしていたのでしばらく様子を見ていたのだけれど、なにかおかしい。病院に連れていくためにキャリーに入れようとして抱き上げてもタイムは目覚めず、前足がピンと伸びたまま曲がらなくなっていました。(後で知ったのですが、前肢過伸という神経症状だそうです)

先生の顔が曇り……
これから、毎日通うことはできますか?と。
意識が戻らなければ、ごはんは勿論、水を飲むのも薬を飲ませることも難しいのです。飲み込む、という作業は意識がなければできないので……全てを、皮下点滴という方法でとるしかない。
とりあえずその日の点滴をしてもらって……
彼が、目覚めるのを信じるしかなくて……

翌日も同じ時間に病院へ。
その翌日は病院がお休みなので、ってことで、先生に皮下点滴のやり方を教わりました。ビビリな私は針を刺すのもシリンダを操るのもおっかなびっくりでしたが、手順を教わりながらどうにかこうにか。二日分の薬と点滴の用具一式を買って帰って……ただ……
その間もタイムが目覚めることはありませんでした。前足が過剰に伸びた状態で横たわり、ほとんど動くことはなく。呼吸だけが規則正しく続いていて……

今になって思うのは、先生にはもう分かってらっしゃったんじゃないか、と。飼い主が、なんとかしたい、なにかしてあげたいと望むことも、何もせずに諦めることなんてできないことまで。
その後の二日間。私はかみさんに手伝ってもらいながら点滴液をシリンダにとり、そこに注射器から薬をうつして点滴針をタイムの背中に刺した。意識のない彼は、ただなされるままに横たわっていて痛がることもないのです。それでも彼は……

呼吸を、やめないのでした。

翌日。
かみさんと二人でタイムを連れて病院へ。
二人で話し合った結果として、
もしタイムの意識が戻る可能性がないのなら、
これ以上、延命のための治療はやめようと思うと伝えました。
先生は、ふーっと一つ息を吐き、こうおっしゃいました
からだのどこかが悪いとかではなくて、年齢によるものですから……
治療は、ここまでにしましょう……

やがてかみさんの小さくすすり泣く声が聞こえてきて、
先生がかみさんにティシュの箱を差し出してくれたのだけど、その箱がどう見ても奇妙な猫のキャラクターのカバーがついていて、なんだか悲しいシーンに場違い感満載だったのを覚えています。
最後にこうおっしゃってくれました。

最後の最後に、もしかしたらからだが痙攣することがあるかもしれないけれど、
びっくりするかもですが、意識があるわけではないので苦しんでるのではないです。

愚かな私は、そこでやっと……
君を見送る決意をしたのでした。

君と過ごした最後の一年(5)

夏どころか、冬も越してしまったタイムさん。
今から思えば、年が明けてから春くらいまでが(去年の夏に倒れて以降では)一番元気だったように思います。病院通いもご無沙汰で、薬だけはもらっていたのだけれど、もう飲ませなくていいんじゃないかと悩むくらいに。毎日、猫皿からご飯を食べ、給水機の水を沢山飲み、自ら歩いて猫トイレに入り、そして時々私の膝へ。食う飲む出す以外の時間は殆ど寝てましたけど、それを含めて彼の自由がそこにはありました。残念ながら足だけは良くなることはなくて、まあどんどん歩くのが大変にはなってきてました。あと時々歯を痛がる様子も。これはまあ、倒れる以前から時々あったことなので、さほど気にしてはいなかったのだけど……

4月の終わり頃。
タイムの左目の下に、なんだか膿みたいなモノがくっついているのを見つけました。その時は、どこかにぶつけたかな?くらいの印象しかもたず、まあ食欲もあるし元気もなくしてないし、膿をティッシュでふき取っただけで、しばらく様子を見ようと軽く考えていたのですね。それから10日ほど経った連休明けの頃に……
給水機の近くでなんだか困っている様子のタイムがいました。明らかに水を飲みに行こうとしていて、近くまでは行くんだけど、なんだか反対側に向かってみたり。私が抱えて給水機の前に置いて鼻先を水に近づけてやると、勢いよく飲み始めました。もしかして……
目が、あまり見えてないんじゃないか、と。
見ると、彼の左目は充血して赤くなっていたのでした。

慌てて、およそ三か月ぶりくらいに動物病院へ。
先生の見立てでは、口の中の、主に歯茎にたまった膿が目まできているのだと。人間でも歯茎に膿が溜って痛くなることがあると思うのだけど(私にはよくあります。時には虫歯の痛みより痛いくらい)猫の場合は上の歯と目の位置がすごく近いので、時々そういうことがあるらしいのです。そして時には、その膿が皮膚を破って目の下から出てくることも。
皮下点滴に、抗生剤を入れてもらいました。先生は、二週間くらい効果が持続する薬なので、その頃また様子を見ましょう、と。

抗生剤を入れてもらったその夜、タイムは急に苦しそうになりました。ご飯も食べられず水も飲まず、ひとしきり苦しんだ後で、やがて意識を失うように……
呼吸はちゃんとしてましたから、眠っているだけなのは分かったのだけど、愚かな私が事の重大さに気づいたのはやっとこの時なのでした。2週間も持続するような抗生剤は、おそらくだけど身体への負担も少なくはないのでしょう。
私とかみさんは、こんこんと眠っているタイムを見ながら、二度目の覚悟をせざるをませんでした。5月生まれの彼は、もう21歳、人間で言えば104歳くらい。その彼がちょっとでも健康状態のバランスを崩してしまったら……

翌朝。
タイムは何事もなかったかのように、むっくりと起き上がり、まっすぐに給水機に歩いて向かって、水を飲んだのでした。試しに猫皿にフードを入れて彼の前に置くと……
食べるじゃないですか!
やがてトイレも済ませて、再びいつもの寝場所で眠りにつき……
その安らかな寝息は、
もうちょっとだけ頑張るよと
私に語りかけてるよう、なのでした。




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