御礼遅くなりましたが、ZIPANGU Stage公演『から・さわぎ』無事終了いたしました。全ステージを通してお客様の笑顔と笑い声の絶えない、本当に幸せな公演となりました。ご来場いただきました全てのお客様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

空舞台01今回の舞台はお菓子メーカー。ってことで、なるべくシンプルでかわいい美術をとお願いしたのだけれど、本当に素敵ですね。実は会社を舞台にするのって美術的にはとても難しいのです。オフィスっぽさを出そうとすると、どうしても絵としては面白くない、画一的なモノになりがちでして、なのにまあ……。相変わらずセンスバツグンの美術の鎌田さんと、お菓子のポスターや会社のロゴマークを作成してくれた小道具協力の松下さんに多大な感謝を。そして、それをうまく引き立ててくださった猿谷さんの明かりにも。ロゴマークの当てがさりげなくハートになってたりして、こういう遊び心って素敵ですよね。

マダム01マダムという呼び名の、会社に君臨するワンマン女社長を演じた宮坂さんの一枚。物語は、そのマダムの逆鱗に触れてクビになりそうな主人公たちが、彼女に恋をさせようと企むところから始まるのですが、逆に言えば、その怖い怖い女社長に存在感とリアリティを与えられる女優さんあってこその今回のお話しなのでした。どうでしょう、この迫力。すごいよね。

シーン02 (1024x720)今回は、シェークスピアの古典戯曲をモチーフに……まあ、設定は現代日本だし全然シェークスピアっぽくはないのだけれど、『喜劇』というものの原点に立ち返ってみようという企画でした。はかりごと、と、嘘があって、うまく行きそうになっては破綻して、の繰り返し。

企画室01 (1024x683)








まあ、最近のうちの作品と比しても、最も明るくて気軽に笑える、ある意味一番シンプルなコメディ作品になったと思っています。実はそういうのが、やる上では一番難しいんだけど。

松尾&藤01怪優、長野さんが演じた松尾取締役。語り口が一人だけ芝居じみてて、なぜだか無理やり韻を踏む。これ、実はシェークスピアをフューチャーして作ったキャラクターだったんだけど、まあ、そんなこたぁ分からなくてもお客様には大人気キャラでした。最後の方で何故だか普通のセリフがラップになってしまうんだけど、あそこは何度見てもワタシ自身が大笑いしてたなぁ。

全景02 (1024x683)

















あと、今回は『から騒ぎ』のハズなのに、劇中何度も流したのは映画『ロミオとジュリエット』のテーマ曲。まあ、あの有名なフレーズだけを効果音的に編集してもらって使ったのですが、最後このシーンになってその意味が明らかになるのです。音響の田島さん、相変わらず良い仕事をしてくれますね。あの物悲しい名曲がこの悲しそうな場面に流れていて、おそらくはここ、お客様の笑いを一番とれたシーンなんじゃないかな。かつ、ここで感動したり泣いたというお客様も少なからずいらしたりして。専務役の三上さんの名演のお蔭もあって、ここは凄く良いシーンになったとも思うのです。

全景04 (1024x638)















今回も本当に大変な稽古でしたけれど、全てを出し切ってくれた役者さんたちにも心からの感謝を。コメディって、なんだかんだ言ったところで、結局はお客様に楽しんでいただけたかどうかが全てで……
ホントに、とんだ『から・さわぎ』でしたね。