お蔭様にて、劇団本公演『笑う数学者』も、無事全日程を終了したのです。
今回、ミステリーってことで、個人的には少々不安もあったのだけど、最後まで、漲る緊張感とお客様の笑い声が同居する、濃密な時間をお届けできたんじゃないかと思っております。まずはご来場いただきました、全てのお客様に心より感謝いたします。ありがとうございました。

こうして見ると、本当に素敵な美術ですね。
いつもながら良い仕事をしてくれる、舞台美術の鎌田さんにも感謝を。本格ミステリーのちょっと突飛な設定の『カシオペア館の一室』という演出オーダーに見事に答えを出していただけたと思います。上手下手にそれぞれ作られた階段が、実はストーリー的にすごく意味があるのだけれど、高低差を錯覚させる手すりや、その奥の岩肌をくり抜いた感じやら、すごく細かいところまで手を尽くしていただいた装置でした。そしてまあ、大きな謎かけになっている、暖炉の上に飾られた館の全体図。これを書いていただいたのも鎌田さんです。今回マジで、千秋楽終わって壊すのが惜しいと思ったよ。

その『カシオペア館』で巻き起こる、一連の事件。探偵役になるのは、オーナーの孫娘(森山あゆみ)がたまたま連れてきた大学教授(米田京平)です。奇妙な出来事に対して数学の力を使って謎を解く、超ロジック派の探偵なのですが、そこに謎の漂流者(村上友一)が現れたり、なぜか刑事さん(佐藤竜)が表れたりで、館は波乱含みの一夜を迎えるのです。

そして、館に住む美貌の未亡人(野本蓉子)に、先生が恋をしてしまうところからハナシは破天荒に転がりはじめるのです。果たして事件の結末とレンアイの行く末は……

本格ミステリーのトリックって大きく分けると心理トリックと物理トリックの二つで、今回は数学者が探偵で数学の力で謎を解くってことで、必然的に物理トリックになったのだけど、ぶっちゃけ物理トリックの名作って最近じゃ少ないのですね。まあ、分かってみれば「なーんだ」ってなコトになりがちだからなのだけど、それをそう思わせないための仕掛けが、実はチラシから当日パンフから舞台美術から、いっぱい仕掛けてあったのですね。お芝居におけるミステリーは、『見せ方』が命なので、今回はいつにも増して、宣伝美術や装置含め、いろんなスタッフさんにご協力いただいたのです。先生の最後の推理で、謎がひとつひとつ明らかになる過程で、その度に客席全体からほーってため息が漏れて、これは本当に作り手冥利なのでした。そしていつものことなのだけど、素晴らしい音のマジックを仕掛けてくださった田島さんにも感謝。劇中の要所で流れる波の音が本当にさりげなく謎解きの緊張感を高めてくれて、これはワタシ自身が何度も劇中にゾクっとさせられたのです。

最後に、終演後の舞台です。さりげなく階段奥から漏れる明かりが綺麗ですね。本当に細かいところまで役者さんと美術をとことん生かしてくださった照明の猿谷さんにも感謝を。演出家のちょっとした思いつきに対して、それを実現させるために様々なことを労力を惜しまずやっていただけるスタッフさんたちは、皆さん劇団にとっての、かけがえのない宝だと思っております。本当にありがとうございました。
役者さんたちへも一杯感謝したいのだけど、長くなっちまったので、待て次号。
今回、ミステリーってことで、個人的には少々不安もあったのだけど、最後まで、漲る緊張感とお客様の笑い声が同居する、濃密な時間をお届けできたんじゃないかと思っております。まずはご来場いただきました、全てのお客様に心より感謝いたします。ありがとうございました。

こうして見ると、本当に素敵な美術ですね。
いつもながら良い仕事をしてくれる、舞台美術の鎌田さんにも感謝を。本格ミステリーのちょっと突飛な設定の『カシオペア館の一室』という演出オーダーに見事に答えを出していただけたと思います。上手下手にそれぞれ作られた階段が、実はストーリー的にすごく意味があるのだけれど、高低差を錯覚させる手すりや、その奥の岩肌をくり抜いた感じやら、すごく細かいところまで手を尽くしていただいた装置でした。そしてまあ、大きな謎かけになっている、暖炉の上に飾られた館の全体図。これを書いていただいたのも鎌田さんです。今回マジで、千秋楽終わって壊すのが惜しいと思ったよ。

その『カシオペア館』で巻き起こる、一連の事件。探偵役になるのは、オーナーの孫娘(森山あゆみ)がたまたま連れてきた大学教授(米田京平)です。奇妙な出来事に対して数学の力を使って謎を解く、超ロジック派の探偵なのですが、そこに謎の漂流者(村上友一)が現れたり、なぜか刑事さん(佐藤竜)が表れたりで、館は波乱含みの一夜を迎えるのです。

そして、館に住む美貌の未亡人(野本蓉子)に、先生が恋をしてしまうところからハナシは破天荒に転がりはじめるのです。果たして事件の結末とレンアイの行く末は……

本格ミステリーのトリックって大きく分けると心理トリックと物理トリックの二つで、今回は数学者が探偵で数学の力で謎を解くってことで、必然的に物理トリックになったのだけど、ぶっちゃけ物理トリックの名作って最近じゃ少ないのですね。まあ、分かってみれば「なーんだ」ってなコトになりがちだからなのだけど、それをそう思わせないための仕掛けが、実はチラシから当日パンフから舞台美術から、いっぱい仕掛けてあったのですね。お芝居におけるミステリーは、『見せ方』が命なので、今回はいつにも増して、宣伝美術や装置含め、いろんなスタッフさんにご協力いただいたのです。先生の最後の推理で、謎がひとつひとつ明らかになる過程で、その度に客席全体からほーってため息が漏れて、これは本当に作り手冥利なのでした。そしていつものことなのだけど、素晴らしい音のマジックを仕掛けてくださった田島さんにも感謝。劇中の要所で流れる波の音が本当にさりげなく謎解きの緊張感を高めてくれて、これはワタシ自身が何度も劇中にゾクっとさせられたのです。

最後に、終演後の舞台です。さりげなく階段奥から漏れる明かりが綺麗ですね。本当に細かいところまで役者さんと美術をとことん生かしてくださった照明の猿谷さんにも感謝を。演出家のちょっとした思いつきに対して、それを実現させるために様々なことを労力を惜しまずやっていただけるスタッフさんたちは、皆さん劇団にとっての、かけがえのない宝だと思っております。本当にありがとうございました。
役者さんたちへも一杯感謝したいのだけど、長くなっちまったので、待て次号。