さて、これを書いている現在、準決勝一試合目の5時間ほど前です。ワールドカップも残すところ、4試合。残ったのは、クロアチア、アルゼンチン、モロッコ、フランスです。果たしてその行方は……
まずは、ちょっと早いけれど、今大会を振り返ってみたいと思います。実は今回、過去の大会と比べてかなり異色のワールドカップでした。その一つが、アジア・アフリカ勢の躍進です。モロッコのベスト4は言うに及ばず、ベスト16に日本を含めたアジアから3か国、アフリカ勢もセネガルを加えて2か国。一体どうしてこんな大会になってしまったのか。(過去だとベスト8は殆どがヨーロッパか南米で占められ、ベスト16ですらアジア・アフリカは1か国かせいぜい2か国でした)
まずは過去の大会がヨーロッパリーグのシーズンオフの6月〜8月開催だったのに、今回はシーズン最中の11〜12月開催だったこと。ヨーロッパの強豪国(当然、南米のチームもその殆どの選手はヨーロッパのリーグ所属)は今までみたいに直前合宿もできず、中にはリーグの中断前から中一週間ほどで大会を迎えることになった選手もいるみたいです。直前にコンビネーションを確認する間もなく、いきなり本大会ですから……実力を存分には発揮できなかったケースはままあると思われます。
次に、開催国が西アジアのカタールであったこと。距離から言えば、ヨーロッパからはさほど遠くないハズですが、ここは所謂アラブ文化圏。距離的にもほど近い北アフリカで、同じアラブ圏のモロッコにはそれが非常に優位に働いたとしても不思議ではないです。更にアジア勢、日本や韓国、オーストラリアはアジアカップやアジア予選等で西アジアの国での戦いに慣れてましたからね。サウジも初戦でアルゼンチンを破るなど、実力以上の結果を出したとも言えます。カタールはね、残念ながら予選プール3連敗でしたけど、彼らは今回が初のワールドカップ。(しかもアジア予選を突破した経験すらなくて、地元開催での初選出)まあ、経験不足は否めず、時間帯や相手による戦い方もない、ただただ全力を尽くす彼らは、相当ウブに思えました。(日本も初挑戦の98年フランスはそうでしたね)ただグループリーグの戦いを観た限りでは個々の能力は相当高かったです。時間はかかるかもですが、いずれは相当強くなってしまうなあとも。
最後が今大会で初採用された、VARによるオフサイド半自動判定システムです。これは本当に今後の世界の戦い方を大きく変えてしまうモノになる、かもしれないです。大会序盤で多くのゴールがこれによって取り消されたことで、今大会でも多くのチームが戦術を変更せざるを得なくなり、まあ流石に決勝トーナメント以降はあまりゴールの取消はなくなりましたけど、ラウンド16でも準々決勝でも、オフサイドラインぎりぎりから飛び出したスルーパスからのゴール、というのは見なくなりました。これが実は所謂強豪国の得点能力を著しく低下させた可能性があると私は思っていて、スペインやブラジルなんかは攻撃の選択肢をかなり少なくされた(ギリギリでオフサイドラインから飛び出すのは、どうしたって躊躇してしまいますから)かもしれません。つまりはVARのシステムが、守備的なチームをより優位に、悪く言えば守備さえ固めればなんとかなるという事態を、引き起こしている、気はするのですね。今大会では流石に間に合わなかったと思うけど、戦術に今では絶滅したかに思えた『オフサイド・トラップ』が、今後復活する、かもしれない。
さて、いよいよ準決勝です。アルゼンチン対クロアチアと、フランス対モロッコ。奇しくも、攻撃が売りのチームと守備が売りのチームの戦い。この結果に、今後のワールドカップの戦い方の未来図が見えてくる、かもしれません。……なんか今日は、「かもしれません」ばかりですけど(笑)、面白いゲーム、素晴らしい準決勝、決勝を、期待します。
まずは、ちょっと早いけれど、今大会を振り返ってみたいと思います。実は今回、過去の大会と比べてかなり異色のワールドカップでした。その一つが、アジア・アフリカ勢の躍進です。モロッコのベスト4は言うに及ばず、ベスト16に日本を含めたアジアから3か国、アフリカ勢もセネガルを加えて2か国。一体どうしてこんな大会になってしまったのか。(過去だとベスト8は殆どがヨーロッパか南米で占められ、ベスト16ですらアジア・アフリカは1か国かせいぜい2か国でした)
まずは過去の大会がヨーロッパリーグのシーズンオフの6月〜8月開催だったのに、今回はシーズン最中の11〜12月開催だったこと。ヨーロッパの強豪国(当然、南米のチームもその殆どの選手はヨーロッパのリーグ所属)は今までみたいに直前合宿もできず、中にはリーグの中断前から中一週間ほどで大会を迎えることになった選手もいるみたいです。直前にコンビネーションを確認する間もなく、いきなり本大会ですから……実力を存分には発揮できなかったケースはままあると思われます。
次に、開催国が西アジアのカタールであったこと。距離から言えば、ヨーロッパからはさほど遠くないハズですが、ここは所謂アラブ文化圏。距離的にもほど近い北アフリカで、同じアラブ圏のモロッコにはそれが非常に優位に働いたとしても不思議ではないです。更にアジア勢、日本や韓国、オーストラリアはアジアカップやアジア予選等で西アジアの国での戦いに慣れてましたからね。サウジも初戦でアルゼンチンを破るなど、実力以上の結果を出したとも言えます。カタールはね、残念ながら予選プール3連敗でしたけど、彼らは今回が初のワールドカップ。(しかもアジア予選を突破した経験すらなくて、地元開催での初選出)まあ、経験不足は否めず、時間帯や相手による戦い方もない、ただただ全力を尽くす彼らは、相当ウブに思えました。(日本も初挑戦の98年フランスはそうでしたね)ただグループリーグの戦いを観た限りでは個々の能力は相当高かったです。時間はかかるかもですが、いずれは相当強くなってしまうなあとも。
最後が今大会で初採用された、VARによるオフサイド半自動判定システムです。これは本当に今後の世界の戦い方を大きく変えてしまうモノになる、かもしれないです。大会序盤で多くのゴールがこれによって取り消されたことで、今大会でも多くのチームが戦術を変更せざるを得なくなり、まあ流石に決勝トーナメント以降はあまりゴールの取消はなくなりましたけど、ラウンド16でも準々決勝でも、オフサイドラインぎりぎりから飛び出したスルーパスからのゴール、というのは見なくなりました。これが実は所謂強豪国の得点能力を著しく低下させた可能性があると私は思っていて、スペインやブラジルなんかは攻撃の選択肢をかなり少なくされた(ギリギリでオフサイドラインから飛び出すのは、どうしたって躊躇してしまいますから)かもしれません。つまりはVARのシステムが、守備的なチームをより優位に、悪く言えば守備さえ固めればなんとかなるという事態を、引き起こしている、気はするのですね。今大会では流石に間に合わなかったと思うけど、戦術に今では絶滅したかに思えた『オフサイド・トラップ』が、今後復活する、かもしれない。
さて、いよいよ準決勝です。アルゼンチン対クロアチアと、フランス対モロッコ。奇しくも、攻撃が売りのチームと守備が売りのチームの戦い。この結果に、今後のワールドカップの戦い方の未来図が見えてくる、かもしれません。……なんか今日は、「かもしれません」ばかりですけど(笑)、面白いゲーム、素晴らしい準決勝、決勝を、期待します。