とは言いながら……
まあ、大抵の勝負事は下駄を履く前には分かっちゃうモノなのだけど、それでも時々そういうコトが起こってしまいますね。勝負が決まるその瞬間には、物凄いプレッシャーが……時にそれが考えられない逆転劇を生む、こともあるのです。それもオリンピックという4年に一度の競技会ならではの魅力なのかもしれません。

体操男子団体

全6種目中の5種目まで終わって、首位中国との点差は3点以上。これがまあどれだけ絶望的な差かは体操競技を一回でも観たことある人なら分かると思う。正直に言えばワタシは、なんとか銀は取ってくれよと思いながら観てました。ところが……

「絶対に諦めるな!」(萱和磨)

日本のキャプテン萱が競技中、何度も何度も叫んでましたね。何度も何度も得点で中国に離され、エースの橋本のまさかの鞍馬での落下もあって、でもなんとか食らいついて……そしてまあ、皆様ご存じの通り、鉄棒で中国選手の、まさかまさかの二度の落下があって……

「諦めたら、そこで試合終了ですよ」(安西先生/湘北高校監督)

久々に思い出した、某有名漫画の有名なセリフです(笑)。最後鉄棒で落下した中国の選手はいわゆる補欠選手で、正選手の怪我で急遽出場しました。まあ普通に、物凄いプレッシャーだったのかなあ、と。観ていた方は、「えーーっ、そんなコトある?」てな最後の展開でしたけど、それでも、最後まで諦めなかったらこそ、転がり込んだ金メダルなのでした。
「あっぱれ!」あげてください(笑)。


スケートボード男子ストリート・堀米雄斗

最後の試技を残して、堀米の順位は8人中7位。首位との得点差はなんと、96.98。そこまでの全選手のベストトリック最高点タイを出しても及ばない。まあ……追い詰められるだけ追い詰められた(笑)先の東京五輪の金メダリスト、なのでした。ところが……

「彼はプレッシャーキングだ」(ナイジャ・ヒューストン)

そこまでのトップで、結果的には銀メダルとなってしまったナイジャ選手の言葉通りに、最後の最後、堀米の出した得点は、97.08。物凄いプレッシャーがかかる場面に限って凄いトリックを出してしまう。実際これまでの世界選手権でもパリ五輪の予選大会でも、最後の逆転が何度もありましたし。

実は今回、メダルどころか日本の代表に選ばれるかどうかもかなり危うかった堀米。最後は大逆転でオリンピック2連覇を成し遂げてしまったのでした。お見事、プレッシャーキング!「あっぱれ!」あげてください(笑)。


柔道混合団体決勝

正直、フランスに対してはかなり分が悪いのかなあとは思ってましたが……
それでも、女子の最重量級で高山が重い重いディコを倒したりと、望外の結果もあって、6人が終わった段階で3勝3敗の五分。勝負は、抽選で階級を決める代表戦、へともつれ込んだワケです。そして運命のルーレットが回って……選ばれた階級は……

90キロ超級

まあ、よりによって、フランスの絶対王者・リネールがいる90キロ超級。抽選のルーレット、操作されてた?(笑)対する日本の同階級は斎藤立。あの、オリンピックを2連覇した斎藤仁さんの息子さんということで、注目も期待もしてきた選手なのですが、果たしてその試合は……

試合序盤からリネールの、負ける確率を時間と共に減らしていく王者の戦い方。もくろみ通りに早々に指導を二つ取られ、攻めなきゃならない斎藤のスタミナは時間と共に削られていって……まあ、なすすべもないままに……

下駄を履かずとも結果が分かることも……まあ、あります(笑)。
まだまだ若い斎藤立ですから、この敗戦からの更なる飛躍を信じたいと思います。192センチ160キロという、破格の体躯の持ち主。それでなくても体格に劣ることの多い最重量級にあって、まったく見劣りしない、どころか一番大きく見えるくらい。まだまだきっと強くなる。これからの期待も込めて……「喝!」あげてください(笑)。

ちなみにこの混合団体の4人目、登場したのは、先に当ブログでも紹介した48キロ級の角田夏実でした。相手は2階級も上の57キロ級の銅メダリスト、サラレオニー・シジク。なんとも最初から無茶な組み合わせで、さすがに厳しいのかなあと思ってましたが……
その二階級上のメダリストさえも、角田は必殺の巴投げでぶん投げてしまったのでした。凄過ぎるでしょう!
あっぱれ!(笑)