しゅさいのブログ

コメディ作家で、劇団ZIPANGU Stage主宰の今石のブログです。
稽古日記や、スポーツ観戦記などなど。
お気軽にお立ち寄りくださいませ。

スポーツ

藤澤五月はファンタジスタなのだよ

「このチーム、メンタルコーチがサードに入ってるぞ」

ネットで拾った、何というか凄く的を射た言葉です。大会を通じて常に常に藤澤を励まし、褒め続けていた吉田知那美の姿は涙ぐましいほどで、そしてまあ今にして思えばそれが日本の生命線だったようにも感じるのですね。

サッカーやラグビーでも、所謂天才肌の選手にはよくあることなのだけど、好調の時には手が付けられないスーパープレーを続出させるクセして、そうでない時は落差が大きい。そして得てしてメンタルの強さが微妙で気持ちの浮き沈みがプレーに少なくない影響を与えてしまう。カーリングという競技自体そもそもメンタル要素が凄く大きい気もしますから、ゲームを通していかに平常心を保ち、ここぞという時に集中力を発揮させるかがとても大事に思えます。そして我らがスキップ、さっちゃんこと藤澤五月。デンマーク戦でのラストショットは定規で測ったようにピンポイントで相手ストーンだけをダブルテイクアウト! この時は2点取らないと負けの状況からのまさかの3点でしたから、まさにスーパーショットでした。そして絶妙なドローやダブルテイクアウトを連発した準決勝のスイス戦は、世界のどこのスキップにも負けない、まさにスーパーさっちゃんでした。だからこそ……

吉田知那美はサードで、バイススキップですからね。自らのプレーも勿論高い質を求められるし、戦術的にストーンをどこに置くかの選択などでも常にスキップと相談しながらゲームを進めなければならない。やることはいっぱいあって常にタイヘンだなぁと思うのだけど、おそらく勝利のために何より大事なのが、さっちゃんをスーパーさっちゃんにすることで……

今日の決勝戦。結果的には大敗してしまったのだけれど、選手たちが心底悔しがっていたのが印象的でした。序盤から流れをつかめず中盤で4点のビッグエンドも作られ、客観的に見ればノーチャンスのゲームにも思えたのだけれど、彼女たちには勝ち筋がずっと見えていたんだと思う。ロコソラーレって、守りの試合をしないんだよね。ここはサークル内のストーンを減らしておこうよ、って時でも2点のチャンスがあるとみればどんどんストーンを貯めていってしまう。最後さっちゃんがちょっとでもミスしたら大量失点になりかねない状況でも、難しいショットにチャレンジする。まあそれが故にホントにビッグエンドをつくられてしまったケースも多いので(笑)観てる方は常にハラハラさせられるのですが。彼女たちは、信じているんだな、と思う。だからこそ、どんなに大変でもさっちゃんを励まし、褒め続けるのかな、と。

銀メダルは言わずもがな、快挙なのです。
そして毎日こんなにもハラハラドキドキさせてくれた彼女たちに、心から感謝したい。ホント面白かったですね、今回の女子カーリング。
願わくば決勝でもスーパーさっちゃんが観たかったけど、それはそれとして。

渡部暁斗はキングオブスキーなのだよ

ノルディック複合ラージヒル。
その後半クロスカントリーのレースが、なんともご褒美のように面白かったのです。終盤ものすごいデッドヒートで、僅か0秒6差。10キロ走ってのコンマ6秒差ですから……競馬でいえば、ずっと逃げて逃げて最後まで粘ったワタベアキトオーがゴール前の壮絶な叩き合いの結果、鼻差、首差かわされての3着、といった感じで……そのまま!そのまま!ぎゃー!とは叫ばなかったものの、いやはや興奮したなぁ。ソチ、平昌と続けて銀メダルだった暁斗ですが、今シーズンはワールドカップでもなかなか思うような結果をあげられず、一週間前のノーマルヒルでも7位。正直今回は厳しいのかなと思ってました。それが、こんな興奮するレースを見せてくれるとは。

前半ジャンプで5位につけた暁斗。1位のリーベルとのタイム差は54秒、そして後に金メダルのグローバクや銀のオフテブロには1分ちょっとの差をつけていました。これがまあ、微妙というか絶妙なタイム差。なんだよ1分も差をつけた選手に抜かれてしまったの?と思う向きもあるかもですが、実はそんな単純なハナシではないのですね。暁斗にとって不運なことに、リーベルはともかくとして、同じグループを形成することになるジャンプ2位〜4位の選手たちに、クロカン得意な人が見当たらず、必然的に暁斗が先頭でずっとずっとグループを引っ張ることになりました。自転車ロードレースと同じで空気抵抗を一手に引き受ける先頭と言うのは後ろについて走る選手よりもずっとずっと疲労をためることになります。対してグローバクやオフテブロは共に自身もクロカンが得意なだけでなく、周囲に追走したいクロカン得意な選手が沢山いましたから、うまく先頭を交代しつつタイム差をつめていけたのです。そしてまあ、リーベル。この人は競馬で言えば差し馬でして、末脚に絶大な自信を持っていますからどんな状況であれ絶対に先頭を走らない。常に誰かを先に走らせて後ろにつく。んでまあゴール前で、というそれはそれは姑息な(笑)選手なのですね。この日も、暁斗らに追いつかれた後、後ろから怖い選手がどんどんタイムを詰めてきているのに全然前を走らない。(正確には最後ちょこっとだけ前に出ましたが)結果として実に4周回のうち3周以上を暁斗が前をひくことになって……今思えばこれでよくラスト近くまで追いつかれなかったものだとすら思うよ。そして、冒頭に書いた通りのゴール前の壮絶な叩き合いで、コンマ6秒差。

解説者の人も言ってましたけど、今回は銅メダルでも実は今までで一番金に近いレースだったと思います。現長野市長の荻原健司さんなど、過去日本の複合の偉大な選手たちも、その勝ち方はジャンプで大差をつけてクロカンは逃げ切って、というものでしたから……こんなレース展開でもクロカンで順位を上げて、しかも最後の最後まで壮絶なメダル争いして……正直、なんだか夢みたいなのですね。2017〜18年のシーズンにワールドカップで総合優勝した暁斗は欧州では立派なキングオブスキー。本当に流石で、すごいなぁと素直に思ったよ。

北京オリンピックの前半を総括してみると

さて、早くも後半戦となってまいりました。ここまでの日本のメダルを振り返ってみると、
金2、銀3、銅5
の計10個となっております。

金メダルの2個は、共に、取るべき人が取った印象です。ジャンプ・ノーマルヒル金の小林陵侑は昨日のラージヒルでもあわやというところでしたが、僅かに届かず銀。ラージはほぼ無風でかつ全員がほぼ同じコンディションでしたから、ジャンプとしては珍しく公平なコンペティションとなり、リンビーク、陵侑、ガイガーという今シーズン常に常にワールドカップでも首位争いをしている三人がそのままメダリストとなりました。金を逃したのは残念ですが、実力者がきちんと結果を出した良い戦いでしたね。結果は紙一重で、まさに負けてなお強し、陵侑なのです。

そして過去2大会連続で銀メダルだった平野歩夢。トリプルコーク1440(フォーティーンフォーティ)という、過去誰も成功してない、素人目には何回回ってるんだかわからない、もはや人間業とは思えないトリックを鮮やかに成功させての金。ちなみに二度目の試技でそのトリプルコーク1440を含めてほぼ完ぺきな演技を決めながらジャッジがその時点で2位の点数をつけたのだけど(これには各国の報道陣もめちゃくちゃ怒ってたみたいです)三度目の試技で全く同じ構成を更に完成度をあげて成功させたのですね。「どやねん、これでも点数出さへんつもり?」と、平野歩夢は関西弁は喋らないとは思うのだけどジャッジに突きつけてるみたいで、結果、金メダル。なんてかっこいいんだろうと思ったよ。

取るべき人が取れなかったのがスピードスケート女子1500mの高木美帆で、オランダのイレイン・ブストに0秒44及ばず銀。今回の北京の氷はパワー型の選手に有利なようでして、いつもは落ちない最終周のラップが僅かに……うーん、悔しいなぁ。まだ、500mと1000m、チームパシュートも残す高木、今後に期待したいです。

フィギュアスケート男子は、鍵山優真が銀、宇野昌磨が銅。金のネイサン・チェンが強すぎでしたので、そこはノーチャンスでしたが、逆に言えば4位の羽生くんを含めて他の選手が2位3位を取るのもノーチャンスでした。鍵山が出したショート含めた310点を超える得点は普通なら間違いなく金がとれる素晴らしい快挙なのだけど、ネイサンの330点超えという得点は……おそらくだけども羽生くんがクワッドアクセルやめて、ただ高得点を効率よく取るプログラム構成にしていたとしても及ばなかったんじゃないかとも。なんとも凄いチャンピオンになったものだと思います。宇野昌磨はね、北京始まってすぐの団体がもしかしたらピークで、フリーは若干コンディションを落としてたのかもしれませんね。それでも団体含めて銅メダル2個は立派。
羽生くんのクワッドアクセル、スローで見るとあとほんのちょっとでしたね。惜しい!やはり羽生くんは羽生くんで、誰も及ばない孤高のスケーターなのです。ホントにお疲れ様でした。


日本のメダル最多獲得数は、合計だと平昌の時の14個、金メダルだけなら長野の5個なんだそうです。共に超える可能性があって、今後も楽しみですね。

沙羅ちゃんは胸を張って帰って来るがよいよ

スキージャンプ・混合団体
高梨沙羅を含む、4か国5人の女子選手がジャンプスーツの規定違反で失格となり、金メダルのスロベニアはともかくとして、銀がロシア(ROC)、銅がカナダという、スキージャンプファンなら「なんじゃそら!?」てな結果になってしまったワケです。一体全体、なんで、こんなことに、なってしまったのか。

そもそもの前提として、ジャンプ競技でスーツ規定違反は結構な頻度で起こるのですね。男子ノーマルヒルで金メダルの小林陵侑も今年のワールドカップで一度やられて失格の憂き目をみてますし。こんなに沢山いっぺんに、はさすがに珍しいですけど、まあジャンプ選手には誰でも起こり得る、つきものと言っていいとすら思う。

スーツ規定違反ってなに?って方のために解説しますと、そもそもスキージャンプという競技は『追い風よりも向かい風の方が有利』という、とんでもない(?)特性があるのですね。走ったり飛んだりする陸上競技だと誰がどう考えても追い風が有利。あまりに追い風強いと好記録が出ても『追い風参考記録』になっちゃうワケで。ところがスキージャンプだと、追い風は最悪のコンディションで、向かい風だと好記録が連発することになります。そこに『浮力』というヤツが関わるからなんですが、まあ難しい理屈はともかく、向かい風の方がより大きな浮力を得られるため、結果的には遠くへ飛べるワケです。で、そこにスーツ問題が出てくるワケなのだけど……

スーツを意図的にだぶだぶにしちゃうと、空気抵抗が増えて遠くへ飛べる、なんてことが実際に起こってしまうのです。空気抵抗が大きい方が飛べる、てのもまあヘンな気もしますけど、極端なハナシ、ムササビみたいな羽を両手と胴体の間につければ(ジャンプの際の操作はめちゃくちゃ難しいかもですが)計測不能な地点まで飛んで行っちゃう、かもしれない。でまあ、それは極端にしても、股の間だとか脇だとかいろんなところのスーツをだぶだぶにすることで、同じように風を沢山受けられて、結果、浮力を得られてしまう。それだと公平性を保つのが難しいということで、ワールドカップでもなんでもジャンプの大会には必ず厳格な『ジャンプスーツ規定』というヤツが存在するのですね。それこそ太ももは緩みが何センチまで、腕は、脇はとすごく細かく規定されているらしいです。

ならば沙羅ちゃんは規定違反になるのをわかっていてズルをしていたのかと言うと、これワタシ自信を持って、ノーと言えます。同じく失格になったドイツのアルトハウスは、その二日前の個人戦で銀メダルを獲得した時と同じスーツを着ていたそうです。つまりは同じスーツでもOKだったり失格だったりするワケで、これは検査をする人の厳密さ次第、てなことになってしまうのだと思うのですね。どんな競技でも、検査にはいわゆる『グレーゾーン』というやつが存在します。だいたい、これくらいなら検査官も認めてくれるであろうといったゾーンですね。生真面目に厳密に規定を守ったら失格になることはないけれど、競技的には不利になるワケですから、当然選手も監督も失格にならないギリギリを狙います。今回、混合団体では、ものすごく厳密な検査官に沙羅ちゃんがまずは犠牲者になって、同じくらいの違反度なので後の4人も失格にせざるを得ず……てなところがあの大量失格を生んだ真相じゃないかと想像します。いくら規定といえどこんなに大量にいっぺんにとなるとファンもどっちらけですから、ホントに何かやりようがあったんじゃないかと……これはもう選手の責任というよりは、大会規定を含めた運営サイドの大いなる失態ではないか、とすら思うのです。

繰り返しになりますが、沙羅ちゃんには全く罪はないです。犬に噛まれたみたいなもので、昨日の羽生くんのトラブルを超えるトラブルに運悪く見舞われてしまっただけ。結果的に日本チームのメダルがなくなったことで、沙羅ちゃんご自身がいたく心を痛めているようですが、これも断言しますけど、今の日本の混合チームに沙羅ちゃんがいなかった場合はメダルの可能性なんてないに等しいです。そのことは誰よりもチームメイトの伊藤有希や佐藤幸椰、小林陵侑が感じていたハズで……

どうぞ胸を張って帰ってきてください。

男子フィギュアスケートの展望を考えてみる

ショートプログラム。

羽生くん、残念でしたね。冒頭の4回転サルコウ、踏切の際にスケート靴のブレードが、前の選手の作った溝にばこっとハマっちゃったんだそうです。ミス……というには、あまりにもな不運。結果このジャンプの得点がまるまる入らず、まあ羽生くんの4回転サルコウだとGOE加点(出来栄えによる加点ですね)含めて15点は固いところでしたので、15点分まるっと損した計算になります。ただ……
それでもショートプログラムの得点が95点台ですから、さすがと言うより他はないのです。損した15点があれば110点超えの、良い時の羽生くんの得点レベル。冒頭のジャンプに引きずられることなく、残りの演技はほぼパーフェクトにこなしたワケで、普通ちょっと出来ることじゃないですよね、そんな不運がのっけからあったのに。

もちろん、まだ終わったワケではないので、悲観するのは早いのだけど、今回のネイサン・チェンは4年前みたいに自滅してはくれそうもないので……羽生くんがショートもフリーも完璧な演技をして4回転アクセルも決めて、果たして届くかどうか、という戦いにおそらくなると思ってました。そのネイサン、今日のショートはまさに完璧。ショートプログラムの世界記録の114点近い得点をたたきだしてくれちゃいました。ジャンプの質がね、4回転なら4回回って、ぴたっと止まるのですよ。これ相当難しいんじゃないかと思うのです。羽生くんとの得点差は20点近くとなり、これはちょっと……ネイサンがジャンプを二つ、もしかしたら三つミスしてくれないと届かない、かもしれないです。昔のネイサンなら十分あり得ることなんですが、まあ、厳しい。羽生くんには、前人未到の4回転アクセルの成功を是非。その上で最後まで伸びやかな演技を期待したいです。

そして今回、宇野昌磨と鍵山優真がとてもいいですね。宇野は団体戦の時も素晴らしいショートプログラムで自己ベストを更新。こんな綺麗な演技ができるようになったのかと、ちょっと感動したのだけれど、今日はそれを上回る得点で再び自己ベスト。状態がとてもよさそうです。そして……
鍵山のショートは、今日全選手含めて一番良かったんじゃないかな。とにかく観てて楽しい演技で、かつ三度のジャンプも完璧。これも団体戦の時に思ったのだけれど、全日本の時から短期間でまあ、成長がハンパないです。ネイサンとのショートの得点差が鍵山で6点、宇野で8点くらいですので、これなら、ひとつ何かあれば、あるいは……

いずれにせよ、ネイサン、鍵山、宇野を上回る可能性のある選手は、羽生くんを除いて見当たらず、少なくとも二つのメダルは堅いと見ます。明後日のフリーが、とても楽しみなのです。

小林陵侑の金メダルは別に驚きではないよ

こないだ終わったばかりなのに、もう次のオリンピックなのですね。まあ東京大会は1年遅れの開催でしたので、そうなると次の冬季は半年後になっちまうのだな。てなワケで当ブログの記事もオリパラだらけ(笑)になっちまうのですが……めげずに今回もやっちまいます。例によって、スポーツライターでもなんでもないコメディライターの書くものなので、たまに盛って(?)あったり、いささか不真面目だったりすることもあるかも、なのですがどうかご容赦くださいませ。

さて、小林陵侑。
純ジャンプ競技での金メダルは長野オリンピックの船木以来の24年ぶり、ノーマルヒルに限れば先の東京の笠谷以来50年ぶりなのだそうでして、ものすごい快挙だと言われたりしてますが、これ驚きの結果でもなんでもなく、実は大本命が予想通りに獲得したメダルなのですね。4年前の平昌オリンピックではさしたる結果を残せなかった陵侑ですが、その翌シーズンに一気に大ブレイク。ワールドカップで実に13勝して総合優勝、欧州伝統のジャンプ週間で4戦4勝するなど、現地報道陣に『あいつは宇宙人なのか?』とまで言わせしめる異次元の強さでした。今シーズンもワールドカップで既に7勝、ジャンプ週間も3勝するなど、まあ、大本命と言うにふさわしい戦績でして、昨夜もそのワールドカップで総合優勝を争うガイガーやリンビークなどの有力選手がのきなみ追い風に苦しんで飛距離を伸ばせない中、1本目にヒルサイズ近い104.5mのジャンプで首位に立つと、2本目も比較的強い追い風の中で99.5mにまとめる実に強い勝ち方でした。まあ、大本命がなかなか取れないのがオリンピックの金メダルですから快挙なのは間違いないのだけれど、同じ条件なら現在、世界ナンバーワンのジャンパーであることを自ら証明してくれただけ、だとも思うのですね。今後、ラージヒルも勿論大本命、2冠めを取ってもワタシは全然驚きませんし、男子団体や沙羅ちゃんらと戦う混合団体も、陵侑の好調が続けば大いに期待していいと思っています。繰り返しになりますが、陵侑の金メダルは当然の結果でワタシは別に驚かなかったのです……

滅茶苦茶嬉しくて、テレビ観ながら何度もガッツポーズしたけど、それは、それとして。

パラリンピック、名(迷)言集

さて、終わっちまいましたねえ。もう溢れ出さないラルラリラ(笑)。さみしいなあ。

大会通して、こんなにもいろんな競技を楽しんだのは実は初めてでした。まあ例年この時期は秋公演の台本やら準備やら仕事に追われていて観たくても厳しかったのだけれど、今回はステイホームまっさかり(?)。そのお陰、と言ったらなんですけど、いろんな競技のいろんな面白さが味わえて、それだけは良かったと思っております。いろんなところで言われてますように、もはやパラは障がい者が障がいに負けず頑張ってる姿を応援するものではなくて、純粋にスポーツ競技として楽しむもの。実感としてもオリンピックにも全然負けない面白さをもっていますね。アメリカやドイツには車いすバスケのプロリーグもあるそうなのだけど分かるなぁと思う。日本にもしそれがあって、鳥海くんや藤本や香西なんかが出ていたら、ワタシはお金を払って観に行くと思いますもん。

てなワケで、パラとしては初めての、名(迷?)言集いっちゃいます。ちゃかちゃん。

「ビッタビタに来ましたね」(ボッチャ・解説者)

BC2クラス個人で杉村が金、ペアで銀、団体で銅メダル、と今回三つのメダルを獲得したボッチャ。
その中継放送中に、的玉に吸い付くように投球がピタッとくっつくと上記の発言になるのですけど、まあ今回どの試合も本当にビッタビタだらけ。最初こそ、障がいのある腕でよくぞ、なんて思ってましたけど、もはやそんなことは通り越して、途中からはただただ驚愕しておりました。まさに神業!杉村の決勝なんてもう、相手選手が常にビッタビタ。それを弾いてからの杉村の投球がまたビッタビタ。その度に解説者は上記発言を繰り返してまして、まさにビッタビタが溢れ出して(笑)おりました。
ちなみにこの言葉、放送局内でもちょっとブームになってたようでして、例えば競泳のリレー種目で引き継ぎがうまくいった際にも解説者が「タッチがビタビタでしたね」なんて使ってまして、もしかしたら今年の流行語大賞にノミネートされる、かもしれません。ワタシも負けずに使ってみよう。先週金曜日に遂にはモネと菅波先生がビッタビタ。……朝ドラのハナシです。失礼しました。

「最年少記録って(自分では)更新できないけど、最年長記録って、できますよね?」(杉浦佳子)

自転車・女子タイムトライアルを制した際の杉浦の言葉です。50歳というのは日本史上最年長の金メダル獲得ということで話題にもなり、そのレースもダイジェストながら後にテレビ放映されて、自転車好きのワタシにとっても大変嬉しい快走でした。しかしまあ、表彰式の様子を観ても、若者の大会に一人、選手のお母さんが紛れ込んでる(笑)みたいで、でもそのお母さんが表彰台の真ん中に立っていて、娘世代の子たちに祝福されている。なんか見てて、いいなぁって景色なのでした。なんて思っていたら……
その三日後に行われた、自転車女子ロードレースでも見事に金!たった三日後に、まさに有言実行しちゃったのでした。なんて凄いお母さん(違うけど)なんだろう。

「木村君が金メダルをとったことが何より嬉しくて……」(富田宇宙)

競泳男子バタフライ100mの視覚障がいのクラスで銀メダルを獲得した富田選手のレース後のインタビューの言葉です。同レースの金メダルは富田のライバルの木村敬一でした。つまりは同じレースでトップを競い、見事日本人が1位2位を独占した快挙の後での言葉が上記なワケでして、自分の銀より、まずは木村の金。よっぽど木村選手のことが大好きなのか?とも思ったのだけどそういうことだけでもなくて、長らくファンであり憧れの存在でもあったようなのですね。だからなのか、上記の言葉は聞いていてウソはないように思えた。4大会連続でパラリンピックに出場し沢山のメダルを獲得しながら金だけはとったことがなかった木村。その初めての金メダルレースの後は、解説者が涙、実況者も涙。現地レポーターも、スタジオアナも、ゲストも。大げさでなく全員号泣ものでして、まあ普段こんなことになったら鼻で笑ってたであろう捻くれ人間のワタシにも、ちょっと良い光景に見えてしまったのでした。なによりね、こんな言葉を本気で言えてしまう富田宇宙ってすごいよねと思ったよ。

「溢れ出すラルラリラ」(嵐)

ラルラリラ、ってなに?(笑)

風が吹けば 歌が流れる
口ずさもう 彼方へ向けて
君の夢よ 叶えと願う
溢れ出す ラル ラリ ラ

敬愛するソングライター米津玄師先生の歌詞に文句をつける気は毛頭ないのですけど、こうして歌詞を並べてみると、改めて思うのです。サビの3行目までは完璧な歌詞です。でも……
ラルラリラ、ってなに?

パラは続くよ

そんなワケで、まだまだ続く、ラルラリラ溢れ出す日々(笑)。

車いすラグビー。ホントにホントに残念ながら二大会連続の銅メダルでした。長年、日本にとって大いなる壁だったオーストラリアを予選リーグで下しながら、準決勝でイギリスにまさかの敗北。悪夢のような第三ピリオドがあって、その後差を詰めることもできず……ワタシ、ハンパなく落ち込みました。こんな衝撃はワタシにとっていつ以来だろうと思うに、サッカーの2002年日韓ワールドカップでトルコに負けた時に以来なんじゃないか。あの時もそうだったのだけど、何の根拠もなく日本は勝つと思い込んでいて、そしてざっくりと心に傷を負ったのでした。パラでも世界選手権でもさしたる実績のない英国に、まさかまさか……(結果的にはその後の決勝でもアメリカを破って優勝しているので、実は今回、イギリスが一番強かったワケですが)

パラスポーツにはありがちなのだけれど、主力選手が何年も同じメンバーで、なかなか世代交代が進まない。まあ、前提として障がいのある人のスポーツなので競技人口増やすのも難しいだろうとは想像します。日本もオーストラリアも、おそらくはアメリカもほとんど毎回同じ主力メンバーで戦っていて、そんな中で今回、イギリス等のかつての第二勢力(ラグビーぽく言えばティア2国?)との相対的な力関係に少しずつ変化が表れてきている、のかもしれません。あと、イギリス、ホントまじめに守備やるんだよね。比べると3位決定戦の時のオーストラリアとか、守備はスカスカの印象でしたもん。それにしても……

今のジャパン、本当に良いチームで、もうこのチームで是非とも金を取って欲しかった。日本の誇るイケイケ(池・池崎)も、もう決して若くはない年齢ですし、レジェンド島川は46歳ですから……いつまでも同じメンバーでというワケにもおそらくはいかない。2年前の世界選手権を優勝して、パラでも金メダルを……それができるチャンスなんてそうそうない、かもしれないですから。若きハイポインターの橋本や、唯一の女子選手である倉橋など今後ジャパンを支えていくだろう若い選手たちのためにも、今回、勝たせてやりたかったなぁ。

あー、返す返すも悔しい(笑)。
できることなら準決勝の第三ピリオドからもう一度やり直させてくれないかなとか、未だに思ってしまう(笑)全然立ち直れてないしゅさいなのですが、パラリンピックはまだまだ続いていくのです。
てなワケで今日の注目は、車いすバスケットボール男子の準々決勝。
今大会でブレイクした感じの鳥海選手、ルックスといい身のこなしといい、もちろんそのプレーまで含めて、大変な輝きの選手です。パラアスリートで待望のスターが出現した、のかもしれない。是非ご注目を。

車いすラグビーの魅力とは

てなワケで再び、嵐のカイトを聞く日々。毎日、溢れ出すラルラリラ(笑)。

パラリンピックで個人的に、特に注目しているのが、車いすラグビーでして、この競技ホントに面白くて、ヘタしたらオリンピックのどの競技よりも面白いんじゃないかとすら思う。例えば、車いすバスケは車椅子に乗ったプレイヤーによるバスケットボールで、まあ特有のルールもあるにはあるみたいだけど、観ていてバスケだなぁと、当たり前だけど思うのですね。対して、車いすラグビーは、はっきりとラグビーとは別の競技。ボールは球形だし、前方へのパスはOKだし、クオーターのピリオド制だし、トライまでのタイム制限があったりして、観ている感触としてはどちらかと言えばバスケに近いです。前方へのロングパスを飛び出した選手が受けてそのままトライ、なんてプレーが続出してこちらはアメフトのタッチダウンに近いと思う。ボールを持ってない相手プレイヤーにタックルしたり進路を妨害したりしながら味方の走るコースをうまく作ったりとかも、なんだかアメフトちっくだしね。

で、この幾つかの球技の良い所取り(?)みたいなルールが実に良くできていて、スリリングでゲーム性バツグンの競技になってるんですね。車いすどうしが豪快にぶつかり合う、別名マーダーボール(殺人球技)は、障害者のスポーツとしてはいかがなものかと最初はワタシも思ったのだけど、これがまあ観れば観るほどハマってくるところは……そこだけはものすごくラグビーぽい(笑)です。よくもまあこんな競技を思いついたものだと思うよ。

そして、我らがジャパン(ラグビーだからこう言っていいのかな?)。
プール初戦のフランス戦は、ずっとずっと2点リードされたまま最終ピリオドへ。正直、負けを覚悟した瞬間もあったのだけれど、終盤に見事にひっくり返しての2点差勝利。いやあ、ハラハラさせてくれちゃいますよね。ゲームの序盤で幾つかミスがあったのは今にして思えば相当固かったのでしょう。最後は底力で上回っての勝利の印象なのです。

そして今日のデンマーク戦。確かに簡単な相手ではなかったですが、うまく出だしで点差をつけられたせいか、昨日に比して選手が落ち着いてましたね。終始リードを保ったまま、最後は控え選手を試しつつの勝利。いやあ、気持ち良かったです。
このデンマーク、実は昨日のゲームで優勝候補筆頭のオーストラリアを大番狂わせで破っちまってまして、おかげでプールAは混戦模様なのですね。プール最終戦で、日本はそのオーストラリアと対戦するのだけれど、負ければプール戦敗退が濃厚なオーストラリアは、それこそ車いすラグビー大国(過去、パラリンピックで3連覇中なのです)の威信をかけて底力を発揮してくるハズ。ここまで2戦2勝の日本も、もし負けたら2勝1敗で3チームが並んで、得失点差で勝ち抜けが決まる、なんてことになりかねない。フツーに考えてこのプールは日本とオーストラリアで決まりで最終戦は消化試合だろうと思っていたのに、最後の最後で……なんてヒドいプレッシャーのかかる試合にしてくれちゃうんだろ(笑)。

てなワケで明日は天下分け目の決戦。我らが車いすのジャパンに、是非テレビの前からみんなの元気を(笑)送っていただきたいのです。

オリンピックロスの日々(笑)

終わっちゃいましたねえ。早いなあ。あれだけ毎日聴かされていた嵐の『カイト』が全く流れなくなってる。なんか不思議な感じさえしますね。最近はオリンピック終わっても総集編とかすぐにはやってくれないのね。利権とかいろいろ難しくなってきてるのかなぁ。

てなワケで、総集編代わりに(?)、すこぶる個人的な大会名(迷?)言集。ではいきます。ちゃんちゃん。


「いままでサッカーだけやってきてこんな悔しいことはない」(久保建英)

3位決定戦、日本は相当疲れていた印象でした。そりゃそうだ。ずっと中二日で予選プールから数えて6試合め。こんな日程は誰でもおかしいとは思う。まあ、条件はメキシコも同じですから、お互い相当疲れている中での試合です。そんな中でメキシコはしたたかにうまくゲームを進めて、そのしたたかさの差でやられた試合だったと思う。日本はね、やはり準決勝のスペイン戦があまりにも全てで、ひとつ山を越えてしまった感もありました。
試合に敗れて号泣する久保。その号泣ぶりは日本のみならず海外でも共感を呼んだようです。ただ、ワタシには多少の違和感があって、それがなんなのかを考えるに、大人に、なりきれてないんだな、とも思ったのです。泣くのは子供で泣かないのが大人、とか言うつもりはないですよ。ただあの久保の号泣ぶりは子供のそれでした。サッカーってね、大人を子供にするんです。ずるっこいことをしても審判の目を欺けばOKとかって、これはもう子供の論理です。ファウルに近いタックルをされたら、とりあえずものすごく痛がってみせて、ファウルもらえたらOKとかね。それがまあ当たり前のこととしてまかり通ってますから。でも、それって、おそらくは誰にとっても日常で子供のころからフツーにあったことだとも思います。ズルする奴はどこにでもいて、ズルするヤツが得をする。その洗練されてるとは言い難いところが、逆にサッカーの魅力でもあるワケです。誰もが経験したことある葛藤がゲームの中にダイレクトに表れてくる。(久保の涙は、ズルされたとかそういうことではなくて、純粋に負けた悔しさの涙には見えたのだけど)
負けて号泣する。そこに人はサッカーの本質までも見てしまう。だからこそ久保の涙は多くの人の涙でもあったのだろうなぁと思うのです。


「(水谷さんを)引退はさせません!」(張本)

韓国との団体3位決定戦。格上ペアとのダブルスを丹羽と水谷が勝って、エース対決を張本が制して、あと一勝すれば日本の勝利という場面。次のシングルスに出てきた丹羽が、なんだか今日はやけに気合入ってるなぁと思っていたのですね。普段はクールな丹羽が、ポイントを取る度にやたら叫んでいる。なんかおかしいなぁと思っていたら……それ全部、ベンチで観戦している張本の声でした(笑)。いやあ、叫びすぎだろ、張本。(笑)
結局張本の声援むなしくいいところなく敗れた丹羽ですが、ただし、その後に出てきた水谷が凄かったのです。韓国の相手選手は格上で、それまで勝ったことなかったみたいなのだけど、その試合だけは……もう、水谷の全てのキャリアから出てくる技術が……いろんなサーブを打ち分けたり、それこそ全ての引き出しを出し切って、見事勝利。凄い!
例えばですけど、張本と水谷がフツーに試合をしたら……これはかなりの確率で張本が勝つんだろうなと思う。でも、それがオリンピックの大事な試合だったら、おそらくは勝率は逆転して、水谷が勝つと思う。それくらい、水谷のここ一番の強さは図抜けていました。そしてこれも仮定のハナシなのだけど、もし、張本に水谷くらいの本番の強さが加われば……
水谷にしても、その勝負強さは初めからあったワケではなくて、若くしてドイツに渡ってあらゆる苦労をして、その過程で身に着けたものなのでしょう。ただ、あのオリンピックの勝負強さを感じてしまった張本は……おそらく水谷からいろんなものを学びたくなって、それが冒頭のセリフに繋がったのかなぁ、と想像してしまう。水谷はだいぶ目が悪いらしいので、さすがにここいらで勘弁してあげて欲しいとも思うのだけど。


「13歳、真夏の大冒険!」(実況アナ)

以前も紹介した、スケートボードの女子ストリートを制した13歳の椛ちゃん。そのあまりに爽快で大胆な滑りを称した実況アナの、なんだかなぁ(笑)ってセリフです。出場選手の誰もがライバルでありながら仲間で、だからこそ13歳であろうが伸び伸びとトリックを決めていく。そんなことが現実にあり得るスケートボードは、実はサッカーと違って大人の競技だなぁと思う。(いや逆にズルするのが大人でズルしなのが子供なのか?よく分からなくなってきましたけど(笑))どっちが大人でどっちが子供かは置いておいて、それはスケボーだけでなく、サーフィンでもスポーツクライミングでも。互いにリスペクトして互いに讃え合う。そういう新競技がすごく素敵だなぁと思ったオリンピックでもありました。
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