しゅさいのブログ

コメディ作家で、劇団ZIPANGU Stage主宰の今石のブログです。
稽古日記や、スポーツ観戦記などなど。
お気軽にお立ち寄りくださいませ。

ラグビー

奇跡か必然か

「(試合中)すっごい吐きそうでした」(橋本勝也/車椅子ラグビー日本代表)

車椅子ラグビー準決勝。最終ピリオドで残り時間は15秒を切り、同点ながらもオーストラリアボール。当然のことながらギリギリまで時間を使っての得点を狙うオーストラリア。ここで狙い通りにトライを取られてしまっては、もはや反撃の時間も残っておらず……まさに、絶体絶命。もしワタシがオーストラリア人なら、これで勝ったなと、素直に思っていたと思うよ。一進一退の難しいゲームをオーストラリアはずっと支配して……それこそ99.9パーセントまできっちりミッションを成し遂げた、ハズ、だったのだけど。その瞬間、なぜかこぼれたボールをジャパンの池が拾い上げて……

日本 52‐51 オーストラリア

いやはや……
こんなのアリ?とジャパン贔屓のワタシですら思ったのです。タイムアップ間近での、奇跡(?)の同点トライ。そして延長戦、オーストラリアのパスを、またしても池がインターセプトして……。

「こんなのアリぃぃぃぃぃ(エコー)」(ワタシ(笑))

実はここまでパラリンピックでジャパンは、3大会連続で準決勝で敗れていたのですね。最も金メダルに近いとされていた前回東京大会でも、プール戦で優勝候補のオーストラリアを破りながら、準決勝では別プールの2位通過だったイギリスの、突然確変したかのようなプレーに圧倒されて……

準決勝には……魔物がいる

ジャパンの、呪いです。正直ワタシは今回も、「ああ、またなのか」と思ってしまいました。それがまさかの……まさか、こんな勝ち方をしてくれるとは。

今改めて思うと……
勝ち方そのものは、もう奇跡としか言いようがないです。どっかの三流シナリオライターだって、こんなシナリオは非現実的過ぎて書けない(笑)です。ただ……
それを実現させたのは奇跡ではないのです。その一つが、橋本の存在。ジャパン待望の若きハイポインター。3年前は代表に選ばれこそしましたが、ほとんどプレー時間もなく存在を示せずにいましたけど、今回はもう完全に主力の一人。池や池崎に頼りっぱなしだった過去と違って、ローテーションで彼らにも休む時間を作り、自らきっちりと得点を重ねていく。対するオーストラリアは、主力のハイポインターの選手が二人ともほぼ出ずっぱりで、延長は明らかに精度が落ちましたから。自分の成長で……これまで何度も突破できなかったジャパンの準決勝の壁を破りたい……それがまあ、冒頭に書いた橋本の試合中ずっと感じていた吐き気の正体、みたいなのですね。

こんな奇跡みたいな、でも実は奇跡ではない勝ち方を見せてもらったら、もはややり残したことは一つだけです。決勝戦、日本時間の今夜2時半から。NHK総合で生放送してくれるみたいです。皆様、是非ジャパンにエールを。

ラグビーWCフランス大会閉幕

決勝
ニュージーランド 11 ― 12 南アフリカ

まあ、いろんな意味でタイヘンな試合でした。僅か1点差。ラグビーで1点差ってすごく珍しいと思うのだけど、南アはなんと準々決勝から3試合続けて1点差の勝利なのです。どうやったらそんな測ったように勝てるんだ(笑)。しかも……
この試合、いろんなタラレバがあったのですね。雨中でなくドライコンディションだったら……サム・ケインのレッドカードがせめてイエローなら……ニュージーランドのPGやコンバージョンがあと一本決まっていたら……まあ、そういうの全てひっくるめて最後には一点差で勝ってしまう南アフリカを褒めるしかないと、今は思います。準決勝で温存した(後半の最後の方だけ使いましたが)ポラードとデクラークをここだけはフル出場させ、交代のカード6枚のうち5枚をフォワードに使い、思惑通りのロースコアの勝負にして、最後は思惑通り競り勝つ。まあお見事と……言うしかない、なあ。
個人的なMVPは、4本のPGをパーフェクトに決めてみせたポラードですね。フル出場でも最後まで驚異的な運動量で暴れまくったデクラークも、最後まで走りまくったコルビも素晴らしかったけど、まあこの人がいなければ南アの上記戦略は成り立たなかったでしょう。オールブラックスはもとより、フランスやイングランドにだって勝てたか分からない。まさに、いてよかったポラード。……マルコム・マークスの怪我がなければいなかった、かもなのですが(笑)。


3位決定戦
アルゼンチン 23 ― 26 イングランド

正直、こんな僅差の勝負になるとは思ってませんでした。アルゼンチン、ホントに強いんだか弱いんだか分からない(笑)ですねえ。まあフィジカル勝負になりやすい相手の方が相性が良いんでしょうけど、でも、それにしても。
あとまあ、ジャパンとプールを戦ったこの2チームが、ここで戦ってることに、ある種の感慨を覚えた一戦でした。あの時ひとつ間違えたら……ひょっとして……ってまあ、それは次回のお楽しみにしときましょう(笑)。


さて今大会を振り返ってみると……
真の4強はクォーターファイナルで直接対決した、南ア、フランス、ニュージーランド、アイルランドでしたね。この四国はどこが優勝してもおかしくなかった。イングランドやアルゼンチン、フィジーは比べると少し差があって、更にその下のサードグループあたりに、ウェールズやオーストラリア、ジャパンなど。優勝を目標に掲げた我らがジャパンですが、さすがに最強4カ国に勝つイメージは……。かつてのサンウルブズのスーパーラグビー参戦のような劇薬(?)含めて、あと一歩を埋めていく強化を、どうかお願いします。しかし……

10年前のワタシに、10年後はジャパンがワールドカップでこんな活躍してると言ったら……まあ悪い冗談だと思われると思う(笑)。自国開催でもない大会でこの成績は立派で……改めて強くなったモノだなあというのが正直な実感なのです。面白くて楽しんだワールドカップでございました。

ワールドカップの行方

準々決勝

アイルランド 24 ― 28 ニュージーランド

凄い試合でした。今大会イチバンの、大会を代表するゲームだったんじゃないかと、素直にそう思ったですもん。前半終わって、24-25の僅か1点差で、最終スコアも僅か4点差。トライひとつでひっくり返る、どっちに転んでもおかしくない試合。そして最後の……アイルランドの37フェーズにも及ぶ長い長い激闘は大げさじゃなくスポーツ史に残ると思う。まさに、攻めに攻めたり、守りに守ったり。反則をせずに攻め続けるのはアイルランドでなければできなかったし、反則せずに守りきるのはオールブラックスでなければできなかった。素晴らしいスピードを誇る両チームが両方とも、最後の最後はなんだかスロー再生のようなプレー速度になってましたね。やがて力尽きたアイルランドがペナルティを取られ……倒れこむほぼ全ての選手がおそらくは極度の酸欠状態、いやあ出し切ったなあって感じでした。物凄いモノ……観ちゃいましたね。


フランス 28 ― 29 南アフリカ

凄い試合でした。今大会イチバンの、大会を代表するゲーム……をまた観ちゃったぞ(笑)と、素直にそう思ったのです。こっちはなんとフルタイムで僅か1点差。PG一本でひっくり返る、なんとも最後まで分からない試合でした。まあでもこのゲームの本当の凄さは主に前半でして、両チーム共に試合開始から思いっきりフルガスでしたね。攻撃が早い早い。あまりに目まぐるしくて見る方がちょっとついてけないくらいで、まあどっちの攻撃も止まらない、というか止めようがない。流石に後半はちょっと落ち着きましたけど、点差がまるでつかないシーソーゲームはなかなか息をつく暇もなかったです。最後は互いに、PGをもらいに行くようなプレーが増えてしまった(やたらレフェリー見てなんか訴えてましたね)のだけれど、それだけお互い疲労困憊だったのでしょうね。僅か1点をしたたかにしのがれてしまった、地元フランス。ホント強かったし良いチームでしたね。


ウェールズ 17 ― 29 アルゼンチン

アルゼンチン、強いな(笑)。
フルタイムのスコアだけ見ると差があるゲームにも思えますが、実は後半20分近くまでリードしていたのはウェールズの方でして、終盤見事にひっくり返して最後は突き放した、アルゼンチンの会心のゲームなのです。そして負け惜しみ(笑)だけど、もしジャパンがここにいたら……てなことをつい考えてしまうゲームでもありました。……。勝てたな(笑)。


イングランド 30 ― 24 フィジー

フィジー、強いな(笑)。
後半30分、一度は同点に追いついたフィジー。もしかしたらと誰もが思ったよね。そこからはしたたかにPGを重ねたイングランドでしたが、最後もうちょっとで……
まあ、なんだかんだと逆転を許さないイングランド、なのでした。苦しんだプール戦を経て、なんだか強くなってる気もしましたね。


準決勝

イングランド 15 ― 16 南アフリカ

なんと準々決勝に続き、2試合連続で1点差のゲームをモノにしてしまった南アフリカ、なのでした。ただこの試合、勝ちに値するラグビーをしたのはイングランドの方でして、オーエン・ファレルを始め、気合の入り方からしてすさまじかったですね。南アフリカ相手にフィジカルでも上回ってた印象でして、ラックで乗り越えられてボールを失う南アなんて、ワタシたぶん初めて見たよ。実際スコアでも後半30分近くまでは9点差で勝ってましたから……ゲームを支配して押しまくってた時間帯に、あと一つでもトライが取れてれば、南アも諦めてた、かもしれないです。しかし南ア、負けないですねえ。最後勝負を決めたのは、マークスの怪我で追加招集されたハンドレ・ポラードのPGでした。あれ、リボックだったら外してたかも(笑)とかつい思ってしまうワケですが。


アルゼンチン 6 ― 44 ニュージーランド

アルゼンチン、弱いな(笑)。
それともオールブラックスが強すぎるのかしら。最近ワールドカップの決勝トーナメントで、こんな大差になったゲームは記憶にないです。まあ正直プール戦4試合と準々決勝をやって、アルゼンチンは相当消耗してたのかなあって印象でして、対するニュージーランドは明らかにピークをここらへんに調整してたなあ、とも。4年前のジャパンも決勝トーナメント入って明らかに落ちてましたもんね。ここらへんが、超のつく強豪国との差なのかもしれません。しかしまあ、もしジャパンがここにいたら……たぶん、もっとぼこぼこにされてたかもしれない。それでも観たかったなあと言うのが素直な感想ではありますが。


さて、決勝の組み合わせは……

ニュージーランド対南アフリカ
となりました。
まさにラグビー界の両巨頭、ジャイアント対決ですな。
現状の両チームの調子を考えるに、オールブラックスかなあとは思いますが、まあ何が起こるかこのレベルになると全く分からないです。ロースコアの接戦になれば南アが、点の取り合いになればニュージーランドが優位、だとは思いますけど果たして……

日本時間の日曜朝4時、運命のキックオフなのです。

ジャパンの旅の終わりとクォーターファイナルと

日本 27 ー 39 アルゼンチン

一週間、気絶してました(笑)。
惜しかったなぁ。でも力負け。先行されては何度も追いすがるジャパンに対し、常に常に先手を取って、最後に突き放したアルゼンチンがやはり一枚上手でした。悔しいなぁ。でもこれがジャパンの現在地。前半終了間際の齋藤のトライで1点差に詰め寄ったシーン、後半27分にナイカブラのトライで2点差まで迫ったシーン、正直ワタシは夢を見たよ。なんかちょっと2015年の南アフリカ戦に似ている感じもしましたし。でもあの時の南アと違ってアルゼンチンは最後の詰めも誤らなかったですね。後半30分のカレーライス(失礼、カレーラスでした)がこの日3本めのトライを決め、後半35分にニコラス・サンチェスがPGをきっちり決めて、万事休す。……悔しいなぁ。まあ以前のジャパンを考えたら、アルゼンチン相手にこんな競ったゲームができること自体がドリームなんですけど、でも、それでも。

終わって振り返ってみても、決して勝てなくはなかったゲーム。何が勝負を決めたかと考えれば、やはりサモア戦で露呈したジャパンの欠点を、ジャパンは修正しきれず、アルゼンチンは抜け目なく攻めたってコトかなあと思うのですね。まずは密集(ラック等で大勢が集まった状態)の脇のディフェンス。サモアは後半、この近場を徹底してゴリゴリ押してきましたが、アルゼンチンも広く展開せず、密集脇に何度も強烈なランを仕掛けてきました。そして後半20分からの、ジャパンの魔の時間帯。後半入ってくる交代選手が大会通じて元気がなく、基本はフルガスで戦うジャパンがどうしても苦しくなる時間帯に、アルゼンチンに狙い通り突き放されています。まあある意味強豪国にプラン通りのゲームをされていて、そうなると流石に厳しいワケです。あと、試合開始早々のアルゼンチンの先制トライ、ワタシには奇襲にも思えたのだけれど、あれも今思えば絶対にジャパンに先制させないという、強い意思だったのかなぁ、とも。格下が格上を破るためにはやはり先制点が凄く大事で、ジャパンとしてはなんとか先制してプレッシャーを与えたかったハズ。そう考えれば、やはりトータルでの力負けと言わざるを得ず……何度も言うぞ。悔しいなぁ。負け惜しみも言うぞ。もう一回やったら勝てるんちゃう?(笑)

前回を上回るベスト4以上の目標は、てなワケで次回に持ち越しなのだけど、引き続き魅力的なジャパンが観られるよう祈っております。選手の皆様、本当にお疲れ様でした。実はちょっと心配してましたが、夢を見させてくれた本当に良いチームだったと思います。これはマジで。さて……

ワールドカップはいよいよクォーターファイナル(準々決勝)となります。いつも書いてますけど、サッカーでもラグビーでも、一番面白いゲームになることが多い4試合。ラインナップはといいますと……

ウェールズ vs アルゼンチン(日本時間15日0時 今夜です!)

アイルランド vs ニュージーランド(15日4時 明朝です!)

イングランド vs フィジー(16日0時)

フランス vs 南アフリカ(16日4時)

……。
なんて面子なのだ。ここにジャパンの名前があったら奇跡だなぁ、と。まあ勿論4年前にはその奇跡を起こしちゃってるワケなんだけど、でも、それでも。ちょっとサプライズなのがフィジーくらいでして、まあそのフィジーにジャパンはワールドカップ前に完敗してますからね。あとはまあ、超のつく強豪ばかり。特にアイルランド対ニュージーランドとかフランス対南アフリカは、これが決勝でも全くおかしくないです。どんなめくるめくゲームを見せてくれるのか。あまり普段ラグビー観ないんだけどの人にも是非ご覧になっていただければ、と。

決戦の日曜日

日本 28 ― 22 サモア

前半はこれまでで一番と言っていい立ち上がりでした。ディフェンスも攻撃も安定感があって、スクラムもガッチリ止めて、前半32分までに2トライ。今日は安心して観てられるなあ、なんて思っていたのだけれど、やはりそんな甘いもんじゃなかったのです。33分、堀江の不用意に高く入ってしまったタックルがイエローカードになって、そのペナルティキックを起点にサモアが怒涛のモールでトライ。いやあホントに要らん失点で、前半は17対8となりました。こういうので得てして流れが変わってしまうのですね。一人少ないジャパンは後半も開始直後から攻めに攻められ……ああ結局はこういう試合になってしまうのだなあ、と。ところが……

その堀江が戻った後半7分に、今度はサモアのベン・ラムがレッド・カードで一発退場に。直後の9分、今度はジャパンがモールでトライ。16分にはキック絶好調の松田がPGも決めて、スコアは25対8。ツートライでも追いつかれない点差になって、流石にこの時は決まったかな、と思ったよ。だいたいは過去のサモアならこれで切れてましたしね。あとはボーナスポイントが付く4トライめを待つばかりだなあ、とか呑気に思っていました。ところが……

その後のサモアがすさまじかったのです。一人少ないハンデを埋めるためにスクラムハーフのジョナサン・タウマテイネを下げて、展開のラグビーを敢えて封印して(だってパス出しできる人いないですから)近場ばかりをゴリゴリ攻めてきた。この苦肉の策にも思える戦法がめちゃくちゃジャパンには有効で、まあ押される、押される。切れるどころか、キレっキレのリアリーファノ中心にどんどん攻めてきて後半26分と38分にサモアのトライ。気がつきゃ点差は6点差になってまして、つまりはワントライで逆転可能。いやー、こんなにヒヤヒヤしたの、生まれて初めてよ(笑)。

結果的には切れないサモアをなんとか振り切っての勝利。ボーナスポイントは取れなかったけど、まあ取れるどころじゃなかったです、ハッキリ言って。結果的には、セルジオ越後さん風に言えば「勝ったことだけが収穫だよ」てな、危ういゲーム。まあ本当に、勝てて心からホッとしました、ワタシは。なにより……
後半20分以降のゲームは、近場のゴリゴリ戦法やら、交代選手の不出来も含めてジャパンはこうすれば倒せるという情報を、アルゼンチンにたっぷり与えてしまったとも思う。
果たしてこの短期間で修正はできるのか。まあJJ(ジャパン監督)も分かっちゃいると思うので何かしらの対策を考えてくる……とは思うのだけど。

さて、いよいよ本当の決戦、なのです。
プールDの2位アルゼンチンとの直接対決。ここまでの戦績は互いに2勝1敗で勝ち点も同じく9。ただ得失点差はだいぶ向こうが上なので、引き分けではダメ。ただ、勝てさえすればどんな勝ち方でも我らがジャパンの決勝トーナメントが決まるのです。チリやサモアと違って、普通にやっては勝てない格上相手ですが、2015年も19年も『何か』を起こしてきたのがジャパン。
期待しましょう。


ジャパンの行く末

日本 12 − 34 イングランド

キックオフ直後、ジャパンのインゴールでマシレアが痛恨のノックオン(笑)。
イングランドのキックが長すぎてゴールラインを越えてしまっていたので、ただボールを拾って置くだけでジャパンボールになる局面。大してプレッシャーもかかってなかったのになぁ。マシレアって好不調の波が激しいというか、良い時はホントにキレッキレなのだけど、この日はなんか目が泳いでる感じで、よっぽど緊張してんのかなあとか思ってました。しかし……

直後のイングランドボールのスクラム。ジャパンがガッチリ受け止め、微動だにしなかったのです。これ実は、昔からのファンには感涙モノでして、おお! 止まってるよ、と……ジャパンがガッチリ止めている、あのイングランドのスクラムを、しかも試合開始直後に。この瞬間、私は今日のゲームは接戦になると確信しました。なにせ敵さんにはあのジョージ・フォードがいるのですから……スクラム押されて反則取られたら即PGで3点なのです。実際イングランドはそういうゲームプランだったと思うので(昨年のテストマッチではスクラム押されまくって大敗してます)それを初っ端から……まあこのワンプレーの持つ意味は計り知れなかったと思う。実際この日のジャパンのスクラムは素晴らしかったです。全く押されないどころか、いくつかのそれは明らかにジリっと押していましたから。残念ながら後半20分過ぎにジャパンがフォワード一列の選手を全て入れ替えた後は、ゲームの流れを失ってしまうのだけど。

改めて、スクラムの持つ意味って物凄く大きいのだなあというのを教えてもらった試合でした。ジャパンは攻撃面でミスが目立ったし、相手のヘディング(?)でトライを取られるといった不運な要素もあったのに、それでも後半20分まではどっちに転ぶか分からない接戦でしたからね。まあイングランドクラスの相手だと、あれだけミスしたら勝てないし、ちょっとの運も味方にしなければ難しい。前半は少なくともリードして終わって後半相手にもっとプレッシャーがかかる状況にしなければならなかった、のでしょうね。結局イングランドは最後まで余裕をもってプレーしていた印象。ただ……

もう一回やったら勝てるんちゃう?(笑)

と、そのくらいの夢は見られた試合でした。少なくとも、ワタシにとっては。


サモア 43 − 10 チリ

スコアだけ見ると、ほとんどジャパン対チリと同じような結果です。ここも前半はチリが本当に頑張っていて(前半だけだと19−10)チリ、やっぱりつええなぁとか思ってたのですが、残念ながら後半はサモアの一方的なゲームでした。そしてスコアだけ見ても、サモアというチームは、ほぼ、ジャパンと同クラスの力を持ったチームなのです。実際、ワールドカップ直前のテストマッチでも、2点差で負けている相手でもあります。かなり荒っぽくて規律を守れないチーム……といった過去の印象は、スタンドオフにリアリーファノという選手が入ったことで払拭された、のかもしれません。ちなみにこのリアリーファノ、前回WCではワラビーズ(強豪オーストラリアです)の司令塔をしていた選手。(ルール改正で以前別の国の代表だった選手でも、その国にルーツがあれば代表になれるようになっちまったのです)PGもほとんど決めてしまう名キッカーでもあります。もともと屈強なフィジカルを持つ上にゲームメイクに彼が加わった今のサモア……正直、相当手ごわいです。


さて、イングランドに負けてここまで1勝1敗のジャパン。
決勝トーナメントに進むためには、次のサモア戦は絶対に絶対に負けてはならないです。その上で最後のアルゼンチン戦に勝負をかける。おそらくはイングランドが全勝で抜けるでしょうから、実質的にこのプールは、アルゼンチン、サモア、日本の2位争いとなります。残り2試合を直接対決するジャパンは、ここからは実質負ければ終わりのトーナメントなのです。うーん、ワタシの心臓持つのかしら(笑)。がんばれ、ジャパン!

ラグビーWC開幕

さて、大変遅ればせながら(笑)……

あまり明るくないブログを長々と書いているうちに、いつの間にやら始まっちまってました。あの大興奮の日本開催からはや4年。本当に早いなあ。今回もできる範囲でその魅力や見どころなどをお伝えしたいと思っておりますので、よろしくお付き合いいただければ幸いなのです。では。

日本 42ー12 チリ

大緊張の初戦、でした。日本が入ったプールDの力関係や日程を考えるに、この初戦をもし万が一落としてしまったら、ジャパンの今大会はほぼ終わったと言っても過言でないくらいの超重要な一戦。ホントにホントに勝てて良かったのだけど……

チリ、強かったですね。点差だけを見れば完勝、なのだけれど、実は私、最後の最後まで、いつひっくり返されるかと気が気でなかったです。タックルで倒しても倒してもすぐ起き上がってきて、次々にランナーが襲ってくるチリはとても魅力的なチームでした。そしてまあ、結果的にはそのチリを相手に、4トライ以上のボーナスポイントも含めて勝ち点5を得たのですから、悪くない初戦でしたね。良かった良かった……ホントにホントに緊張したけど。

イングランド 27ー10 アルゼンチン

そしてこれが、日本と同じプールDの、言ってみれば2強の対決なのです。優勝1回、前回大会準優勝のイングランドはもちろん超のつく強豪ですし、ベスト4に過去二度入っていて、現在の世界ランク6位のアルゼンチンはジャパンから見ればかなりの格上。そしてまあジャパンが決勝トーナメントに進むためには、そのどちらかを倒す必要があるのです。果たしてそんなことができるのか(笑)。
実は試合前、私の予想はアルゼンチンでした。不振が続いて、以前ジャパンを率いていた監督のエディさんを昨年末に解任したイングランドは、ゲームの要となるスタンドオフのオーウェン・ファレルが実は出場停止中(日本戦も出られません)でして、今の勢いだとアルゼンチン優位かと。そして悪いことは重なるもので、試合開始僅か3分で守備の要のトム・カリーがレッドカードで一発退場に。まさに絶体絶命イングランド。ところが……

彗星の如く現れたジョージ・フォードという名の選手がゲームを一変させます。(余談ですが、ジョージさんもフォードさんもいっぱいいますよね。日本で言えば山田太郎とか鈴木一郎って感じの名前かしら?)ラグビーには超難しい、ドロップゴールという得点があるのだけれど(インプレー中に、あの楕円のボールをワンバウンドさせてからキックで直接ゴールポストのH型の上を通すという、まあ滅多には観られないゴールです)山田太郎さん、じゃなかったジョージ・フォードさん、なんと前半のうちに3本もこれを決めてしまったのですね。それだけじゃなくて、PG(ペナルティ・ゴール)も次々と……

結局この試合のイングランドの得点27点は、全て鈴木一郎、じゃなかったジョージ・フォードのキックによるモノでした。つまりはトライは一つもナシ。これ試合開始早々に一人少なくなった影響も勿論あるとは思いますが、こんな飛び道具を手に入れてしまったイングランドはゲームメイクに迷いがなくなったんだと思う。スクラムや接点でとことんプレッシャーをかけてペナルティを取る、あるいはドロップゴールを狙う。これがどういうことになるかと言えば……

相手チームはまず、自陣でのペナルティがご法度になります。ペナルティ取られれば即、相手に3点が入ると思わなければならない。同じように自陣でのノックオンも厳禁になります。スクラムでプレッシャーをかけられれば即、その後ろからドロップゴールが飛んでくる。そしてまあイングランドというチームは、そういう接点とかスクラムでプレッシャーかけるのが何より得意なチームです。相手は常に常にそのプレッシャーの中で……
結果、アルゼンチンはワントライと1PGに抑えられての完敗でした。いやはやイングランドおそるべし。もしかしたら15人でオーウェン・ファレルがいるより強いんじゃね?とすらワタシは思ったよ。

我らがジャパンの次の相手は、そのイングランドなのです。キックオフは明朝4時。いやはやタイヘンなゲームになりそうで……繰り返しになりますが、自陣での反則はノックオンまで含めて全て厳禁です。それを、プレッシャーの鬼みたいなイングランド相手に80分やり続けることが、果たしてできるのか……
我らがジャパンに是非、早起きして声援を。

ステイホームの日々

今日は朝からバドミントンの混合ダブルス、準決勝。
日本の渡辺・東野ペアが優勝候補の中国ペアに挑む構図だったのですが、ファーストセットをいきなり逆転で取って、大興奮(笑)。結果的には底力を出した中国ペアに逆転されちまったのだけど(中国は特に女子の選手がめちゃくちゃうまかったです。悔しいけど何度もスーパーショットに唸らせられた)日本ペアの調子は相当良いようなので、3位決定戦は期待できるんじゃないかと思う。そしてこの日本ペア、なんかいいんだよね。試合中のお互いへの気遣いなんかがさりげない感じで、おまえらくっついちゃえば?(笑)なんて中学生みたいな想像(?)をドラマ作家としてはついしてしまう。まあ実際中学時代からの先輩後輩らしいので長い付き合いには違いないようでして、だからなんですかね。同じ混合ダブルスでも卓球の方は仲の良い父娘(笑)みたいで、どう間違えてもそういうことにはなりそうもないスから。

その水谷と美誠ちゃんの金メダルはお見事でした。途中ハラハラでしたけど最終セットなんて全く負ける気しなかったです。実は卓球の金メダルって史上初めてだったようで、つまりはずっとずっと中国の牙城を崩せなかった歴史だったんですね。その中国ペアを相手に最後は圧倒。凄い!
美誠ちゃんは今日シングルスでメダルをかけた準決勝。これも大いに期待できそうですね。伊藤佳純の準々決勝は残念だったですね。勝たせてあげたかったけど、あの試合に関しては相手のおばはん(失礼)がめちゃくちゃ強かったです。男子の張本君は……あのお方、どうも期待すると肩透かしするクセがあるようです。強い時はめちゃくちゃ強いのにね。なんでなんだろ?

コロナ禍のオリンピック。
当然ですけど、地元開催の地の利はいつものオリンピックに比べても大きい気がしています。そりゃそうだ。外国選手にとっては予定していた事前合宿も軒並み中止。直前に来て、ホテルと試合会場だけを往復する日々で、気晴らしに六本木に飲みにも行けない。(行ってる人、いるかもですが(笑))調整はとても難しかったと思うのですね。
ただ、その日本にとっての恩恵(?)が、結果に反映されてる種目とそうでもない種目があって、不思議な感じもします。柔道はもちろんもともと強いのだけど、ここまで5日間で男子は4つの金、女子も金2銀1銅1はいつもに比べても良い結果だと思う。サッカーもあの死の組で3戦全勝はちょっと出来すぎですよね。フランスは特に調整失敗したの?てな不可解な弱さで、正直、勝ってもあんまり嬉しくなかった。(フランスなのに⁉)建英、3戦連続ゴール!なんていつもなら熱狂してるところ、なんだけどなぁ。

対して不可解な結果も多いです。瀬戸大也選手は、あの決勝に余力を残そうとして失敗した400m個人メドレーからすっかり調子を狂わせてしまったのか、得意のバタフライでも予選落ち。引きずられたワケじゃないだろけど男子競泳陣は全般に不調。
そしてラグビー男子。ワタシ、近頃じゃ正妻がサッカーだかラグビーだか分からなくなってる(笑)んで、ものすごく期待していたのですけど、結果は参加12チーム中の11位。しかも、どうしちゃったの?ってな内容でした。そもそも走れてないからタックルにも行けないしパスも回らない。肩でぜいぜい息してるのは日本の選手ばかりで、ここ一番、がんばるべきところで……負けてるんだから早く始めようよ、って時のリスタートの際に日本の選手の方が遅れて集まってくる。根本的にフィットネスの調整に失敗したんじゃないかとさえワタシは思ってしまった。振り返ればリオの時には惜しくもメダルを逃す4位。予選でオールブラックスを破ったりしてワタシ、熱狂しました。それが地元開催の日本で……ホントに、なんでこうなっちゃったんだろう。そもそも地の利なんてのは、少し有利になるだけで、調子を落としている人やチームがそれによって勝てるほどは有利に働かないってことなんでしょうね。もともと互角に近い実力があってこその利。

メダルラッシュです。
大会5日めの昨日時点での日本の金メダルが既に13個。大会全体の金メダル数が2個とか5個とかの時代に青春を過ごした(笑)ワタシには隔世の感があります。恒例のメダル予想も今回はちとモチベーションが、ねえ。30個を超える予想なんかが、あんまりシャレにならない、ですから。こんな時期での開催だからこそ、ひとつひとつの競技に熱狂し、テレビの前から声援を送りたいと思うのです。


ラグビーワールドカップ2019・名珍言集

ラグビー・ロスの日々(笑)。
ワタシやラグビーファンのみならず、わりあい日本中がそうだと、いろんなところで仰ってる方がいて、ホンマかいな?と思いつつも、今大会の始まりと終わりとでは、何かが確実に変わったのだなぁとは思っています。来年一月に開幕するトップリーグの指定席の前売りはあっという間に完売になったそうでして、これちょっと、サッカーのJリーグ開幕の時の状況に似てますね。大事なのは、これから。

で、唐突ですが恒例(?)の、珍迷言集。

「(試合が)早く終わればいいと、ずっと思っていました」(田村優)
ご存知、ジャパンの司令塔の、開幕・ロシア戦を終えての一言。ホント、どんだけ、緊張してたんでしょうね(笑)。試合開始からミスが続出するジャパン。最悪の立ち上がりから、終わってみれば、4トライ以上のボーナスポイント含めて勝点5をゲットする、最高のオープニング・ゲームでした。あれだけ緊張しててもちゃんと勝てたことに胸を撫でおろしつつ、開幕戦がロシアで本当に良かったとも、今になってしまえば思いますね(笑)。

「もはや奇跡とは呼ばせない!」(NHKアナウンサー)
その時点で世界ランク2位で、ワールドカップ開幕時には1位だった、アイルランドに勝ってしまった際の、NHK実況アナの叫びです。正直に言います。ワタシ、あの段階ではアイルランドに勝てるとは全く思っていませんでした(笑)。ただ……
4年前の南アフリカ戦は、繰り返しになりますけどジャパンをなめてくれた南アフリカが先発メンバーに控え選手を並べ、何の対策もナシに戦ってくれて、かつ、いろんな運のファクターも確実にあって、なんとか勝った試合でしたけれども、この試合は、きちんとジャパンに対して準備してきたアイルランドを、運の要素はほぼなく、がっぷり四つで戦った末の勝利でした。暑さと湿気の要素が多少有利には働いたにしても。
「日本は強いと思っていたし、実際強かった」
アイルランドの監督の言葉です。ホントに、奇跡ではない、です。

「(もし試合が中止になって)巻添え被害にあえば法的措置も検討している」(スコットランド協会・最高責任者)
台風19号の影響で、3試合が中止になった大会でした。そして我らがジャパンのプール最終戦も、試合当日の11時になるまで開催なのか中止かが決まりませんでした。もし、中止になれば引き分け扱いになるというのが大会前に決められたレギュレーションでしたから……あの時点で中止の判断は、すなわちジャパンの決勝トーナメント進出と、スコットランドの敗退を決めるものでした。それを受けてのスコットランド協会の発言。同国ヘッドコーチのタウンゼントさんからも、(試合中止は)日本の陰謀だ、とでも言いたげな発言もありました。でもね……
断言しますけど、日本のラグビーファンで、あの試合の中止を望んでいた人なんて、いませんでしたよ。我々には4年前の屈辱の記憶がありましたから……
どんな形であれ、試合は開催して欲しい。勝って、文句ない形でのプール戦を突破して欲しい。誰もがそう望んでいたと思います。そして、実際開催された試合の結果は……胸のすくような勝利。くー。気持ちいい!
スコットランド協会のこの発言、世界に対しての見事なまでの、赤っ恥、なのでした。

「あの瞬間、あなたは思い知っただろう。スコットランドが対面しているのは、ラグビー文化を持たない極東の島国ではなく、強大なサポーターを持つ、己の真価を世界に証明しようと言う覚悟の決まったチームだということを」(英・ガーディアン紙)
そのスコットランド戦を終えての、イングランドの名門紙・ガーディアンの一報です。彼の地の新聞は、時に真実を、かくも詩的に切り取ります。

「日本のラグビーファンたちは、今なら何だってできる、どこが相手だって倒せると信じているだろう。そして、日曜日の夜に彼らが偉業を成し遂げた今、日本人だけではなく世界中の誰しもが、同じように思っている」
同じ記事の締めくくりの一文です。あの日、横浜で、ワタシもそう思ったよ。

「何よりすべての選手がプレーする喜びを身体から発散している。同じ印象を受けるのはオールブラックスぐらいだ」(仏・レキップ紙)
こちらはフランスの名門紙・レキップ記者の文章。なんかこの褒められ方は、シビれますね。今回のジャパンは国内はもとより、世界のメディアにも評判がすこぶるよくて、ファンとして誇らしいです。

「笑ったことないんで」(稲垣啓太)
この人は……まあ、マスコミ向きですね(笑)。
強面でヤンキー漫画の登場人物にもなりそうな稲垣。でもテレビのバラエティに出ている彼を見ていると、頭もいい人だなぁと思います。この発言、コメディの演出家視点で見ても、いろいろ応用も効きそうだしね。「稲垣さん、好きなヒトはいるんですか?」「恋したことないんで」とかね。
しかし実際の試合のパフォーマンスは本当にもうお見事としか言いようがなかったです。スコットランド戦のトライの例をあげるまでもなく、スクラムも強いしパスも出来るし、もう世界のお手本のようなプロップです。本当は、笑ったこと一杯あるクセに(笑)、とは思うのだけど。

大会の終わりに

ニュージーランド 40−17 ウェールズ

お互いにトライを取り合う、面白い3位決定戦でした。ただ、こういう試合展開であればオールブラックスに勝るチームは存在しないのでしょう。ノーガードの打ち合いみたいな前半戦があって、でも後半開始直後にニュージーランドのトライが決まって35−10となり、もはや大方の勝負の行方は決してしまったのだけど、ウェールズも最後までよく攻めて、ノーサイドまで興味の尽きることのないゲームでした。この試合を最後に代表を引退する選手が両チーム共にいて、両監督共にこの試合が最後の采配で、と、試合後のインタビューまでなんだか感動的で……不要論など、なにかと物議をかもす3位決定戦ですが、こういう試合なら、何度でも観たいとワタシは思うよ。

イングランド 12−32 南アフリカ

スクラムの大切さ……というものを改めて感じた決勝でした。イングランドが劣っていた部分って、いろいろ探してもそこに尽きると思うので。スクラムは怖いです。自陣でのスクラムでコラプシング(スクラムを崩す反則)を取られれば、即PG。それだけではないにしろ、ハンドレ・ポラードのPGだけで18点を取られてしまったイングランドは、最後力尽きた形で2トライも奪われ……クォーターファイナルでジャパンが南アに取られた26点を上回る、32点を献上してしまったのだから。逆説的だけど、あの試合、よくジャパンのフォワードは、この南アのスクラムに耐えたと、思いましたね。

優勝は南アフリカ、文句はないです。プール戦でニュージーに敗れたことをとやかく言うむきもなくはないようですけど、その後ずっと安定した『強さ』を見せていたのは南アだと思うので。仮にもティア1のイタリアをまさに粉砕したゲームも圧巻でしたし、今大会の台風の目のジャパンをノートラインに押さえた勝ち方も今思えば完璧でした。今大会の3強はいろんなところで言われている通り、ニュージーランド、南アフリカ、イングランド。でもラグビーの世界の2強はやっぱりオールブラックスと南アフリカなのだなぁと改めて。そう言えば、何か特別な対策をしてくるかと思ったエディ監督も、この試合だけは純粋に力勝負にでましたね。ただ、イングランドのピークはやはり準決勝のオールブラックス戦でした。強い強いオールブラックスにあんな強い勝ち方をして、その次の試合は……これ、アイルランドに圧勝してしまった次の試合でオールブラックスが陥った落とし穴と同じにも思えて。ここぞという試合に勝ったチームが次の試合で敗れる、サッカーでもよくあると思うのだけど、やはり人間のやることなので、二試合続けてベストなパフォーマンスをするのは難しいのだろうなぁとも思います。勝負の世界は深いし面白いやね。

で、唐突ですが、ワタシの個人的な大会MVP。ワタシなんぞが選ぶのもホントおこがましいのですけど、ラグビーにはあまり大会MVPという概念がないので、これもまた一興かと。いろいろ悩むのですけど……

大会得点王のポラードも、一躍脚光を浴びたスクラムハーフのデクラークも、ちびっこロケットのコルビも確かにすごいのだけど、今回の優勝を支えたのはやはり、でかいでかい南アフリカの象徴のような、ロックの4選手だと思うのですね。エツベス、デヤハー、スナイマン、モスタート。4人のロックの平均身長はなんと204センチ。ようもまあこんなでかい選手を揃えたと思うし、そしてこの4人がまた、こんなでかいクセに(?)よく走ってタックルもして、と、まさにフィジカル世界一の南アラグビーを支えていたと思うのです。イングランドを粉砕したスクラムも、一列の選手を後押ししたこの人たちの力だとも思う。正に世界最強のロック陣。ここだけはオールブラックスも適わない、ホント、凄いと思うのです。

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しゅさい

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