しゅさいのブログ

コメディ作家で、劇団ZIPANGU Stage主宰の今石のブログです。
稽古日記や、スポーツ観戦記などなど。
お気軽にお立ち寄りくださいませ。

サッカー

カタールワールドカップ、名迷言集

さて、ワールドカップ・ロスの日々……(笑)

前回にも書いたのだけど、本当に思いがけず(?)とても面白い大会で、それはゲーム内容のみならず、いろんな意味でおもしろくて記憶に残る大会になったと思っています。てなワケで、恒例(?)の名迷言集いっちゃいますね。では、チャカチャン♪

ブラボー!(長友佑都)

この何の捻りも変哲もない長友センパイの言葉を名言(迷言?)と呼ぶにはいささか抵抗もあるのだけれど、まあテレビでネットで新聞で目立ちまくりのフレーズでしたね。日本中、あっちでブラボー、こっちでブラボー。開催時期があと1か月早ければ今年の流行語大賞間違いナシだったかも。そして今回の日本代表、まあ素晴らしかったです。大会前、ドイツとスペインを両方逆転で破ると言った人がもしいたら、間違いなくヘンな人です(笑)。選手もブラボー!監督も、スタッフもブラボー!……てなワケで今大会の日本代表を象徴する言葉であるのは間違いないです。みんなブラボー!(笑)

「足が長くて良かった」(三笘薫)

スペイン戦の逆転ゴールの、ほとんどゴールラインを割ったかに思えたボールに追いついてクロスを上げた、いわゆる『三笘の1ミリ』について、インタビュアーに聞かれた際の言葉です。今回の三笘さん、まあワタシはMVP級の働きだと思っていて、過去の代表でこれほどまでに登場するだけで流れも空気も変えてしまった人を知りません。……。だとしても……この発言、おそらく真意は全然違うと思うのですが、「それは、自慢?」と、まあ、突っ込んでしまいますねえ(笑)。「どや、俺の足、長いやろ?」とまあ三笘さんは関西弁は喋らないと思うのだけど、そんな風にも聞こえてしまって、「どうせ俺の足は短いわ!」と長友さんが突っ込んだとか(嘘だけど)。足が届いてよかったです、というようなことを伝えたかったんだろうなあとは推測しますが、三笘さん、ワタシの中では天然疑惑が(笑)。いや、日本としても三笘さんの足が長かったお陰でスペインに勝って決勝トーナメントに行けたので、長くてホントにホントに良かったんだけどサ。


「PKは宝くじではない」(ルイス・エンリケ/スペイン代表監督)

スペイン代表監督のエンリケさんが、クロアチア戦のPK戦で外しまくって負けた日本代表に、苦言(?)を呈しての発言、みたいです。ちなみにこの発言の後に、スペイン代表については全員に1000回以上のPK練習を課している、というようなお言葉が続くのですが……まあPK戦は昔から籤引きみたいなモノ、と言った風潮に対して、日本もちゃんとやるべきことをやってればあんなこと(クロアチア戦のPK戦惨敗)にはならなかったのに、といったニュアンスだと想像します。ところが、その直後に行われたモロッコとのラウンド16戦が、まさかのPK戦になりまして……

スペイン 0−0(PK0−3) モロッコ

日本は浅野が決めたので1−3なのだけど、スペイン、なんと全員が外してしまって0−3の大惨敗。1000回以上やったPK練習……無駄な努力(笑)でしたね。毎度毎度ワールドカップには赤っ恥な監督がいるものなのですが、今回の赤っ恥大賞はエンリケ監督でした。「言わなきゃ良かった」……と発言したかどうかは知らないですが(笑)。

「我が人生に一片の悔いなし!」(アブバカル/カメルーン代表キャプテン)

カメルーンのプール最終戦のブラジル戦で、自ら劇的なゴールを決めた直後にレッドカードで退場になってしまった際の、アブバカルさんのお言葉です。いえ、正確にはお言葉ではなく、いわゆる『顔に書いてある』ってなモノでして、まあワタシの私見ですけどその顔にはまさしく表記のセリフが書いてあったのです。
その大敵ブラジル戦、まあブラジルの方は既に決勝トーナメント進出を決めていて、ターンオーバーでごっそりサブの選手を使っていたのだけれど、カメルーンの方は勝てばまだ進出の可能性もある、絶対に負けられない戦い、でした。ゲームは0−0で進んで、終了間際、後半もロスタイムの47分に、件のアブバカルがゴールを決めます。正に、決勝トーナメントへの夢を繋ぐ素晴らしいゴールだった、ハズなのですが……
アブバカルはゴール後に喜びを爆発させたあまり、ユニホームの上を脱ぎ捨ててゴール裏のサポーターの所に駆けて行きます。……。まあご存じの方も多いと思うのだけど、昨今サッカーではそれをやったら(ユニホームの上を脱ぎ捨てて上半身裸になったら)イエローカードの対象になるというルールになってまして、しかも彼はこの試合、既に一枚イエローカードをもらってまして……
ピッチに戻って来たアブバカルに、苦笑いの主審が走り寄り、まあ手順通り、イエローカードを掲げ、続けて、レッドカードを掲げました。ユニホーム脱げばレッドカードと、おそらくは百も承知で、それでも彼は、それを……脱いだ……。
実はこの時点でのカメルーン、勝てば決勝トーナメントあり得たんですね、同時開催されている別カードの結果如何で。でもここでレッドもらっちゃったら、よしんば進めたとしてもラウンド16の試合は出場停止になっちゃいます。それでも彼は、それを……脱いだ……。
大敵ブラジル……まあサブ中心ではありましたが、それでも彼のゴールで勝った。それは間違いないのです。レッドカードを主審に掲げられ、彼は、晴れやかでした。その顔には、表記の言葉が間違いなく書かれてました。なにより退場になってあんな晴れやかな顔をする人を、ワタシは初めて見たよ。

あと一歩♪ そこからあと一歩♪(NHKワールドカップ番組テーマソング)

この曲……楽曲としては嫌いじゃないんですけどね。でもなんか……縁起悪いなあとは思ってました。試合中継や、ニュースのスポーツコーナーや、デイリーハイライトが始まるたんびに、あと一歩♪あと一歩♪(笑)そしてまあ……我らが日本代表は目標のベスト8に、文字通りあと一歩でしたから……
日本の敗退以降、この曲が流れる度、「うるせえよ、あと一歩だったよ!」となんだか邪気が溜まって(笑)しまったしゅさいなのでした。NHKさん、次回は是非ともベスト8達成してよかった的な感じの曲でお願いします。でもホントに……あと一歩でしたね、今大会。

おめでとう!アルゼンチンなのだ

アルゼンチン 3−3(PK 4-2) フランス

凄いゲームでした。いやはや、こんなことになろうとは……でもこれ、今にして思えば、波乱続きの今大会のファイナルに相応しい試合だったのかなあとも思います。

前半はアルゼンチンの一方的なゲームでした。例えるなら日本対ドイツや日本対スペインの前半みたいで。フランスのボールはアルゼンチンのプレッシャーでことごとく収まらず、右サイド(アルゼンチンから見れば左サイド)を何度もディマリアに破られ、前半だけで2点を失って……もしかしたらこれ、今大会イチバンの凡試合になるんじゃないかと……まあ夜も遅いし、前半だけで寝ちゃってもいいかなとすら思っていたのですね。ところが……

前半41分に、フランスのデシャン監督が思い切った交代の策に出ます。なんと、ジルーに代えてテュラム、デンベレに代えてムアニ。ここまでフランスの攻撃をエムバペと共に支えてきた3トップのうち二人を前半のうちに交代。確かにここまでミスもあったし機能してなかったのだけど、でも2点リードされてるこの状況で、得点源の二人を……

そして、後半、デシャン監督が更なる博打(?)に出ます。まだまだアルゼンチンに押されていた後半26分に、テオ・エルナンデス(モロッコ戦で値千金の先制点を取った選手です)に代えてカマヴィンガ(すいません、誰それ?って印象でした)、中盤の要のグリーズマンに代えてコマン(直前に体調崩した選手って印象しかなかったです)。正直……デシャン監督、錯乱しちゃった?って思ったよ。その頃から、あれあれ?なんだかフランスがボールキープでき始めてきたなあ、さすがにアルゼンチン疲れてきたのかな、と思い始めた、その刹那に……

後半35分、PKでエムバペ。そこまで圧倒的にアルゼンチンの空気だったのがにわかに暗雲急を告げて……
その僅か1分後に、物凄いスーパーボレーをまたしてもエムバペ!

なんだこれ?全く意味が分からんぞ、というのが正直な感想でした。この時に何が起こっていたのかは、未だワタシには全くわからないです。いつの間にか、もうどっぷりフランスの空気になっていました。体調の悪かったレギュラー先発メンバーを次々と代えていったら、って感じなの? それとも中盤のせめぎ合いで不利と感じたフランスが中盤をなくして最終ラインから前線という戦術に出たからなの? でもなあ……だったらジルー(身長190センチ超)は残した方がいいのでは? 確かに今大会、後半になってまるで前半とは別のゲームになることは多かったですが、うーん……なんでこうなったのか、誰か教えてください(笑)。

その後はもう、皆さんご存じの通りで……
2−2のまま延長戦に突入。延長後半3分にメッシがゴール!流石に決まったかと思いきや、延長後半13分にまたしてもエムバペが!
かくしてPKにまでもつれ込んだ歴史に残る大熱戦を最後に制したのはアルゼンチンでした。先制して追加点、追いつかれて勝ち越し、また追いつかれて……こういう試合の流れならば、まあ普通にフランスが勝ちます。追いついた方が精神的には圧倒的に有利。それでも。

今大会のMVPはメッシ。これはまあ誰も文句のつけようがないです。そして大会得点王は決勝でハットトリックしてしまったエムバペ。前回ロシア大会から2大会通算で12ゴールの彼は、まだ23歳。大きな怪我などがない限りはワールドカップの通算ゴール記録も作ってしまうなあと想像します。大会を盛り上げ続けてきた二人が、決勝戦でお互いゴールを取り合って……

いやはや、面白い大会でしたね。正直、こんな面白い大会になるとは……白状すると大会前は、まあ日本戦くらいは観るだろうけどね……くらいの個人的な盛り上がりでして、その日本代表の躍進まで含めて、望外の大会でした。優勝したアルゼンチンには心からおめでとう!と言いたいです。ちょっとだけ想像力を膨らませると……日本がもし、ラウンド16でクロアチアに勝っていたら……まあ準々決勝でブラジルに勝てた可能性は……そうすると、アルゼンチンの準決勝はブラジルだった可能性が高く……いくらアルゼンチンでも、ブラジル戦の激闘を制して、更にフランスを連破した可能性は……

もしかしたら、アルゼンチン優勝をアシストしたのは、我らが日本だった(笑)のかもしれません。

さて、次回は当ブログもいよいよ連載最終回。おなじみ、ワールドカップ、名迷言集です。今大会、ゲームも凄く面白かったけど、いろいろとコメディな大会でもありました。どうぞお楽しみに。

準決勝を振り返ってみると

アルゼンチン 3−0 クロアチア

結果だけを見るとアルゼンチンの攻撃力がクロアチアの守備力を上回った、ともとれるのだけど、モドリッチ含めたクロアチアに準々決勝ほどのキレが見られなかったことがある意味全てかなと思います。まあ日本とブラジル相手に2試合連続で延長・PKを戦ったクロアチアは実際かなり消耗していたんだと想像します。しかも最強の敵ブラジルに競り勝った……延長前半についには先制点を許したのに後半で追いついて……クロアチアは本当に凄かったです。それだけにその代償は大きかったとも思う。モドリッチもね、ブラジル戦はホント凄かったよね。あっちにいたかと思えばこっちに戻りっち(笑)、そっちにいたかと思えばあっちに戻りっち。もう、どこでも、どこにでもモドリッチ。実際、延長後半に追いついた得点にしても、ブラジルが攻勢に出たところを中盤でモドリッチが綺麗に縦パスを通したところからですから。余談ですが、あの試合のブラジル、先制して以降は時間もつかいながら、したたかに試合を進めていたのに、あの瞬間だけ何故だか前がかりになってて、そこが不思議でした。あと3分とか守り切れば勝てる状況で、クロアチアのカウンターに守備陣が4人しか残ってなくて……どういう理由かは全く分からないのですが、ブラジルでもぽっかり魔が差す瞬間というのがあるのだなあ、と。

準決勝のハナシに戻りますが(笑)、疲労がたまってキレがないクロアチアにとっては、先制点を許してしまったのは痛かったですね。前半のうちに2点目も取られ……そこからは攻撃的な選手を次々に入れていくのだけれど、こうなってしまってはクロアチアの強さは半減。思いがけず大差がついた準決勝になってしまいました。でもまあ、競れば競るほど強さを発揮するクロアチアに勝つには、アルゼンチンにしてすら先制点と早めの追加点が不可欠だったとも思います。プール戦の初戦で負けたアルゼンチンですが、ここにきてメッシ含めたチーム状態は間違いなく上がっていて、これは決勝が楽しみになりました。メッシもいいけど、アルバレスが絶好調。

フランス 2−0 モロッコ

負けはしましたけど、モロッコこんなに強いんだというのが試合を観た率直な感想です。フランスに開始早々に先制され、ゲームプランの変更を余儀なくされながらも、何度もチャンスを作り、その幾つかはゴールになってもおかしくなかった。守備だけのチーム、ではなかったです。実際前回王者で今回も大本命のフランスに対して、あれだけのゲームができる国はどのくらいあるのか……

いろんなところで言われているように、今回のモロッコは日本代表の戦い方にヒントを与えてくれていると思う。実際、ヨーロッパの主要なリーグで戦っている選手の数で言えば、日本と大差ないです。では何が違うのかと問われれば、高さを含めた選手個々のフィジカルが、まずモロッコは強いです。デュエルと呼ばれる球際の強さも際立ってました。狭いエリアでごちゃごちゃとボールを取り合う、なんて状況でもモロッコは滅多にボールを失わない。日本はね、簡単にボールを奪われるシーンが多すぎて……まあ、なかなか難しいとは思うけど、日本がベスト8やベスト4を目指すのだとしたら、せめてモロッコなみのフィジカルとデュエルが必要なのかな、と思う。

またまた余談になりましたが(笑)、そのモロッコを破ったフランスについて。先のブログで触れたように、モロッコはとにかく守備が固く、その上今回のVARの半自動オフサイド判定システムで、オフサイドラインぎりぎりのスルーパス、なんて戦術が封じられてますから、守備的な戦術の国の方が今回は断然有利。その有利な鉄壁の守備を打ち破ったのは……やはりというか個の能力でした。

フランスの一点目はグリーズマンの突破から、中央で受けたエムバペがシュート、そのこぼれ球をテオ・エルナンデスが決めたもの。二点目は中央の非常に狭いスペースをエムバペが強引に突破してシュート、こぼれ球をムアニが決めたもの。まあ、どっちも決めたのはエムバペではないものの、半分くらいは彼の得点と言ってもいいくらいで。
フランスはグリーズマンがとても良いですし、ジルーもデンベレも好調ですから、ただでさえ攻撃は驚異なのですけど、エムバペという間違いなく違いを作れる人がいることで、鉄壁の守備を誇るモロッコにも、思い通りのゲームプランにさせなかった印象なのですね。まあ、改めてエムバペ、そのスピードを含めて、規格外ですね。

さて、決勝のカードは、アルゼンチン対フランス、になりました。
ある意味予想通りなのだけど、共に固い守備を持つ相手を自分たちの土俵に追い込んでの勝利は見事でした。サッカーってどれだけ組織的になっても、最後は個の力、違いを作れる選手が試合を決めるのだなあと再確認できた準決勝の2試合。そういう意味でも……

アルゼンチンはメッシ、フランスはエムバペ。奇しくも共に今大会で5ゴールをあげていて、得点王争いでもトップで並んでいます。互いに点を取り合う決勝戦になればものすごく盛り上がると思うのだけど、果たして。また、アルゼンチンのアルバレス、フランスはグリーズマンなど、主役を食っちゃうような選手が沢山います。波乱続きの今回のワールドカップですが、最後は優勝候補の強豪国同士の争い。がっぷりよつの戦いが見たい。いやはや……楽しみですね。

ワールドカップの行方と、アジアアフリカ勢の躍進と

さて、これを書いている現在、準決勝一試合目の5時間ほど前です。ワールドカップも残すところ、4試合。残ったのは、クロアチア、アルゼンチン、モロッコ、フランスです。果たしてその行方は……

まずは、ちょっと早いけれど、今大会を振り返ってみたいと思います。実は今回、過去の大会と比べてかなり異色のワールドカップでした。その一つが、アジア・アフリカ勢の躍進です。モロッコのベスト4は言うに及ばず、ベスト16に日本を含めたアジアから3か国、アフリカ勢もセネガルを加えて2か国。一体どうしてこんな大会になってしまったのか。(過去だとベスト8は殆どがヨーロッパか南米で占められ、ベスト16ですらアジア・アフリカは1か国かせいぜい2か国でした)

まずは過去の大会がヨーロッパリーグのシーズンオフの6月〜8月開催だったのに、今回はシーズン最中の11〜12月開催だったこと。ヨーロッパの強豪国(当然、南米のチームもその殆どの選手はヨーロッパのリーグ所属)は今までみたいに直前合宿もできず、中にはリーグの中断前から中一週間ほどで大会を迎えることになった選手もいるみたいです。直前にコンビネーションを確認する間もなく、いきなり本大会ですから……実力を存分には発揮できなかったケースはままあると思われます。

次に、開催国が西アジアのカタールであったこと。距離から言えば、ヨーロッパからはさほど遠くないハズですが、ここは所謂アラブ文化圏。距離的にもほど近い北アフリカで、同じアラブ圏のモロッコにはそれが非常に優位に働いたとしても不思議ではないです。更にアジア勢、日本や韓国、オーストラリアはアジアカップやアジア予選等で西アジアの国での戦いに慣れてましたからね。サウジも初戦でアルゼンチンを破るなど、実力以上の結果を出したとも言えます。カタールはね、残念ながら予選プール3連敗でしたけど、彼らは今回が初のワールドカップ。(しかもアジア予選を突破した経験すらなくて、地元開催での初選出)まあ、経験不足は否めず、時間帯や相手による戦い方もない、ただただ全力を尽くす彼らは、相当ウブに思えました。(日本も初挑戦の98年フランスはそうでしたね)ただグループリーグの戦いを観た限りでは個々の能力は相当高かったです。時間はかかるかもですが、いずれは相当強くなってしまうなあとも。

最後が今大会で初採用された、VARによるオフサイド半自動判定システムです。これは本当に今後の世界の戦い方を大きく変えてしまうモノになる、かもしれないです。大会序盤で多くのゴールがこれによって取り消されたことで、今大会でも多くのチームが戦術を変更せざるを得なくなり、まあ流石に決勝トーナメント以降はあまりゴールの取消はなくなりましたけど、ラウンド16でも準々決勝でも、オフサイドラインぎりぎりから飛び出したスルーパスからのゴール、というのは見なくなりました。これが実は所謂強豪国の得点能力を著しく低下させた可能性があると私は思っていて、スペインやブラジルなんかは攻撃の選択肢をかなり少なくされた(ギリギリでオフサイドラインから飛び出すのは、どうしたって躊躇してしまいますから)かもしれません。つまりはVARのシステムが、守備的なチームをより優位に、悪く言えば守備さえ固めればなんとかなるという事態を、引き起こしている、気はするのですね。今大会では流石に間に合わなかったと思うけど、戦術に今では絶滅したかに思えた『オフサイド・トラップ』が、今後復活する、かもしれない。

さて、いよいよ準決勝です。アルゼンチン対クロアチアと、フランス対モロッコ。奇しくも、攻撃が売りのチームと守備が売りのチームの戦い。この結果に、今後のワールドカップの戦い方の未来図が見えてくる、かもしれません。……なんか今日は、「かもしれません」ばかりですけど(笑)、面白いゲーム、素晴らしい準決勝、決勝を、期待します。

準々決勝を予想してみるのだ

さて、夢のような日々(?)も終わって、今日から準々決勝なのです。落ち込んでる場合じゃないよ、ワタシ(笑)。準決勝や決勝も面白いけど、どちらかと言えばお互い守備的に負けないように戦うことが多いですから、(ここまで来て負けたくない、という心理が働くんでしょうね。分かる気はするけど)結構ノーガードの打ち合いっぽくなることも多い準々決勝は、実は一番面白いゲームが多いのですね。てなワケでその4試合を百倍(?)面白く観るために……大胆にも勝敗予想をやっちまいます。いつも書いてることだけど、スポーツライターでもなんでもないコメディライターの予想なので、時に不適切だったり不真面目だったりしますが……どうかご容赦ください。では、チャカチャン。

クロアチアーブラジル(日本時間の明日0時)

日本の快進撃をPK戦で止めてしまったクロアチア。前回の準優勝国の実績が示す通り、競り合いには滅法強いです。そしてまあ、プール戦の3試合を僅か1失点で切り抜けた、組織力含めた守備力は相当高い。ベルギー相手に0−0、あのモロッコ相手にも0−0と無失点で切り抜けていて、(ちなみに日本相手にも記録上は1−1の引き分けです)つまりは力の差があっても接戦に持ち込むのが大得意なのですね。ブラジルはラウンド16の韓国戦こそ4−1(前半4−0)と大勝しましたが、実はプール戦では、セルビア戦こそ2−0ですがスイスに1−0、カメルーンには0−1(ターンオーバーでメンバーはごっそり入れ替えてましたけど)と、結構苦労していた印象。まあ大エースのネイマールが負傷離脱から戻って来て変わったとの見方もできますが、クロアチア相手に果たして……
大会自体のこの先の盛り上がりを考えると、ブラジルには是非残っていただきたいのだけれど、ここは延長、PK戦に持ち込んでの、クロアチアの勝ちとします。いいのか?(笑)


オランダーアルゼンチン(同・明日4時)

おー、わくわく感満載の堪らないカードですねえ。プール戦を2勝1分で切り抜け、ラウンド16でも難敵アメリカを3−1で撃破したオランダは好調がうかがえます。一方プール初戦でサウジアラビアに金星を提供してしまったアルゼンチン。その後なんとか立て直してここまで来たものの、うーん、どうなんだろう。今回はメッシ頼みのチームではない(なんか毎回そう言ってる気もしますね(笑))らしいのだけど、やっぱりメッシの好不調でチーム力は大きく変動する気もします。絶好調なら誰にも止められない、ですからねえ、あのオッサン。(昔はかわいい少年だったのに)
そのメッシがあまりにも走らないから(交代で下がった後でチームメイトに水を運ぶ前田大然の方がよっぽど走ってる気が(笑))その周りの選手がまあ、走る走る。もしかしたらメッシがいない方が強いんじゃね?とすら、たまに思ってしまいます。延長、PKまであり得るノックアウトステージですから、競ったゲームになったあげく、疲れたアルゼンチンに最後はオランダが走り勝つと予想します。いずれにしても好ゲームになりそうな予感。

モロッコーポルトガル(同・明後日0時)

今大会一番のサプライズは日本じゃなくてモロッコでしたね。ベルギーを2−0、スペインを0−0からのPK戦で撃破してのベスト8はフロックではなく、きちんとした底力を感じます。(うらやましいぞ(笑))このチーム、まあ滅法守備が固いのですね。プール戦とラウンド16含めて4試合で、失点は僅か1(ベルギー、クロアチア、スペイン戦含む)は驚異的と言っていいと思う。対するポルトガル、ラウンド16こそ難敵スイスに6−1と大勝しましたが、プール戦では韓国に足をすくわれたりして(決勝トーナメント確定した後の試合ではあります)守備は盤石とは言い難い印象。クリ・ロナの使い方含めて迷いそうなポルトガルに、モロッコが守り勝つと予想。

イングランドーフランス(同・明後日4時)

いやはや、ちょっと早すぎます、というのが正直な印象で、これ準決勝かもしくは決勝でもよかったカードです。絶好調同士のイングランドとフランス。どっちにもいなくなって欲しくないけど、まあそうもいきませんよね。
攻撃が売りの両チームですから、激しい点の取り合いを期待したいところですが、こういうゲームは得てしてそうならず、ロースコアになりやすいです。では誰が点を取るのか。今大会イチバン(?)のエース、エムバペを擁するフランス優位、となりそうですけど、ほとんどの得点をエムバペとジルーであげてるフランスに対して、イングランドはいろんな選手が得点していて、どこからでも点が取れる怖さがあります。もつれにもつれた結果、ここはイングランドが競り勝つと予想。


いやはや、楽しみですね。ワタシの予想がもし万が一全部当たれば、ベスト4は、クロアチア、オランダ、モロッコ、イングランド。

……。
……。
ないわー(笑)。

いいんです。予想が当たるか外れるか、楽しみながらゲームを観るのが一興なのですから。
アジア・アフリカ勢の躍進についても書きたかったのだけど、長くなり過ぎちまったので、また次回に。


日本代表、旅の終わりとこれからと

日本 1−1(PK1-3) クロアチア

……二日間、気絶してました……
というのは勿論冗談ですが、試合後は自分がサッカーしたワケでもないのに気力体力を限界まで使い切ったボロボロの(笑)状態でした。一緒にテレビ観戦した劇団員たちと少しは喋ったハズなのだけど、何を喋ったかも覚えておらず、気が付いたら泥のように眠っていて、起きてもずーっと、ぼーっとしていた気がします。勝てばあっと言う間に回復したのだろうけど。そしてまあ負けても明らかな力不足なら諦めもつきやすいのだけど……ああいう負け方はね。PK戦というのは、ホントにいつもなんだか、モヤモヤしますね(笑)。

先のブログで書いたメンバーのうち、スターターに名を連ねたのは、遠藤、冨安、そして堂安でした。私には攻撃的とも守備的とも言えず(堂安は最初から出すけどスリーバック)、バランス重視の……まあ悪く言えば中途半端な布陣にも思えた。ただクロアチアという相手を考えた時に、やはりドイツやスペインほどは押し込まれないけれど、守りは堅いし攻撃もあなどれない。実際、ボール支配率も五分五分とはいかず、危ない時間帯も結構ありましたから、このバランス型スタートは間違ってなかったとも言えると思う。そして90分で終わるとも限らないワケですから、そうそう思い切って早めの交代を仕掛けるのもギャンブルになります。なんだか難しい試合になりそうだなぁと思い始めた前半終わり間際に、前田大然のゴールが!日本、待望の先制点、なのだけど……実はこれがこの先の展開を更に難しくすることになります。

前半終わってクロアチア相手に1点のリード。この1点を守りにいくのか2点目を取りにいくのか……森保監督の判断は現状維持。ハーフタイムに交代は使わず、前半のメンバーのままで後半に突入します。これもまあ間違った判断とは言い難いです。守りに入るには残り45分は長すぎますし、守備的な選手を増やしたところで守り切れるとは限らない。現状でいけるところまで行って……しかし日本は激闘のスペイン戦の疲れもあってか、徐々にプレスがかからなくなり、「そこ詰めなきゃ!」というシーンが増えていって、後半10分、ピンポイントのクロスからペリシッチに……

同点。グループリーグと違って、勝てなければ先に進めないワケですから、当然点を取りに行くべきです。しかし、相手の追加点は絶対避けなければならない。ドイツ戦やスペイン戦の例を出すまでもなくこういうのは追いついた方に勢いが出るモノです。実際危ないシーンは続いていて、このままじゃヤバい、何か手を打たなきゃ、なのですが、それは攻撃の選手を増やすのか、その前に守備を固めるのか難しい選択を迫られていて……

後半19分、長友に代えて三笘、前田大然に代えて浅野。
森保監督はとりあえず切り札の三笘を出し、走りまくっていた前田を交代させました。でもこれ、攻撃的に行くぞ、というメッセージではなく同じポジション同士の交代。(厳密に言えば長友と三笘は違いますけどこの時はスリーバックですんで二人ともウイングバックになります)まあ、三笘さんなんとかして作戦(笑)、以外は現状維持なのですね。時折、三笘の攻撃参加からチャンスも作りましたけど、追加点を取るにはいたらず、そして押される時間帯も続いていて……

後半30分、鎌田に代えて酒井。
これもまあ、システムを変えるワケではなく、右ウイングバックに酒井を入れて、伊東純也のポジションを一つあげた。鎌田のポジションは堂安がスライド。バランスは決して壊さず(この時間帯に追加点取られたらほぼ終わりですから)酒井で守りを固めて、攻撃は伊東先生お願いします作戦(笑)。この後も危ないシーンは何度かありましたが、どうにか追加点は許さず。

後半42分、堂安に代えて南野。
同じポジションです(笑)。まあ難しいなあとは思う。ここまでくれば延長も視野にいれなきゃならない。バランスは崩せない、のは分かるのだけど……本当はね、勝つためにはここでなんとかしなきゃならなかったのだろうなあとも思うのです。4年前の大会でも決勝トーナメント3試合を延長とPKで勝利したクロアチア相手だったのですから、粘り強さはハンパないのです。今にして思えば……勝つには90分で決めるしかなかったのだろうなと思う。

延長後半0分(つまり延長のハーフタイム)、守田に代えて田中碧。
同じポジションです。(笑)。
こうして振り返ると、バランス重視で始めてしまった試合故か最後までバランスを変えることができなかった試合なんですね。しかも首尾よく先制点を取ってしまった。同点に追いつかれたけどその後はなんとか踏ん張った。もし先制点を取られてしまったり、逆転されてしまっていたら、森保監督だって少々バランスを崩してでも勝負に出たと思うのです。(ドイツ戦やスペイン戦はそうでしたね)ここまで何度も神業的な采配をふるっていた監督が最後の最後、ご自身のもともと得意のスタイル(?)に戻ってしまった、のかもしれません。

まあ、クロアチア、強かったです。選手個々のクオリティはドイツやスペインに及ばなくても、チーム力は明らかに上だった印象。そして、絶対に負けない戦い方をしてきました。それはPK戦にもつれこむところまで含めてそうでしたね。(クロアチアは過去のワールドカップPK戦は3戦3勝、大得意なのです)

かくして日本代表の旅は終わりました。最後のPK戦についてはいろんな意味で何も書く気にはなれません(笑)。森保監督についても、こう書くと批判的に思われるかもしれませんけど、そんなつもりは全然なくて、おそらくは他の監督だったとしても、交代のカードを切るのが非常に難しい試合だっただろうなあという印象なのですね。

選手やスタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。思いがけず(?)本当に観ていて楽しく興奮した日本代表の旅路でした。そして選手個々のクオリティは確実にあがっていることも確認できた大会でした。みんなブラボー!(笑)

森保監督、本当にありがとうございました。素晴らしい采配でした。

……え?この先も続投するの?
……。

それは……できましたらご辞退いただけたら、と(笑)。

ワールドカップはまだまだ続きます。明日からは、いつも書いてることだけど、おそらく観ていて一番面白いゲームの多い準々決勝なのです。楽しみですね。
そしておそらく当ブログもまだ続きます。次回はたぶん、アジア、アフリカ勢の躍進について。
待て、次号(笑)。

いざ、ベスト8へ、なのだ

さて、これを書いている現在、クロアチア戦まで7時間ほどとなっております。

……緊張しますね(笑)。いやワタシが緊張しても仕方がないのだけれど、こればっかりは、うーん……(笑)。

ご存じの通り、日本がワールドカップでベスト8を賭けて戦うのは、これで4度目となります。グループリーグであればノウハウも積み上げ、それなりに結果も残してきた日本ですが、ノックアウト方式の決勝トーナメントはまだ結果を出したことがありません。トルコに、(当時は今よりも)高さのなかった弱点をつかれてフリーキックでまんまと決められ、一点を守り切られた2002年の日韓大会。パラグアイ相手に優位に戦いを進めながら、結局は延長、PK戦に持ち込まれて敗れた2010年の南ア大会。そして記憶にも新しい、当時優勝候補と言われたベルギーを相手に2点リードしながら追いつかれ、ロスタイムに一撃のカウンターを決められた所謂「ロストフの悲劇」が4年前のロシア大会。いずれも経験のなさ故か、相手や試合状況に応じた対処方法に乏しく、ただその時その時に全力を尽くすのみで、言ってみればあまりにもウブな戦い方、だったようにも思えるのですね。さてさて、今回は……

相手はクロアチアです。そりゃ、ドイツやスペインほどの強豪とは言い難いですが、なんと言っても前回大会の準優勝国で、そして司令塔はあのモドリッチなのです。もともとタレントの宝庫と言われ、東欧のブラジルと言われた旧ユーゴ圏。個人技や組織力含めて、まあ上記二か国と同等と考えておかなければならないでしょうね。当然、ボールを保持・支配される時間は長くなるでしょうし、日本は我慢の時間帯を耐えて、長短のカウンターを仕掛けていく試合展開に、今回もなると思う。そしてまあ、負ければ終わりで場合によっては延長やPKまであり得る決勝トーナメントですから……この先はグループリーグとは別物の戦い方が求められるハズ。状況に応じた大胆な選手交代やシステムチェンジなど……森保監督、グループリーグでは神(?)になりましたけど、今回もその采配がこれまで以上に大きな意味を持ちそうなのですね。

堂安や三笘を、今回はスターターから使うのかそれともドイツ戦・スペイン戦と同じように、ゲームの流れを変えるための切り札とするのか。怪我明けの遠藤や冨安はどう扱うのか。世間でもいろいろと意見が分かれているようですが、まあ今の日本にはいろんな選択肢がつきつけられていて、逆に言えばそれだけ選択肢が豊富にあるということで……それが過去3回での日本とは大きく違っている部分だとも思うのですね。個人的には、コンディションが間に合うなら遠藤だけはスターターに戻して、堂安、三笘、冨安は状況に応じた交代カードにすべきと思うのだけど、みなさんどう思います?

さて、ラウンド16なのです。勝てば初めてのベスト8で、それこそ本当に日本サッカーの歴史が変わると思う。今回の日本は、実は初めて実力でそれを掴める立ち位置にいる、ハズ。ジョホールバルで開いたワールドカップの扉が、今夜初めて、その次の扉の先へ……
……嗚呼、また緊張してきたぞ(笑)。

がんばれ、ニッポン!

もはや奇跡とは言わせないのだ

日本 2−1 スペイン

夢……でしょ?(笑)

試合後に仮眠して目覚めてから、なんだかずーっとぼーっとしているしゅさいであります。きっと嘘だ……これは夢だ……でも、堂安の鮮やかなワールドクラスのシュートも、三笘のゴールラインぎりぎりからの切り返しを押し込んだ田中碧も、何度も何度もテレビで流れているのです。いやはや……あり得ない。正直、まだ信じられません(笑)。

前半は予想通り(?)の展開。とにかく全然ボールが収まらないから攻撃が全く形にならず、良いように回され、狙い通りに先制点を奪われて……ドイツ戦の時もそうでしたけどそれ以上に、もう圧倒的なまでの相手の力に、ただただ守らされてる日本。正直、スペインすげえすげえってな感想しか出てこず……よくぞ1点に収まったなあと、これもドイツ戦の時と同じ感想でしたが、感じた力の差はそれ以上でした。スペインにしてみたら「なんやこれ拍子抜けやわこんなん好きな時に何点でも取れんのとちゃう?」と、スペイン人は関西弁は喋らないと思うけど、たぶんそんな感じだったハズ。それが……

後半開始から、久保に代えて堂安、長友に代えて三笘。あれ?なんだか試合の感じが変わったよなぁとか思っていたら、僅か3分後に……。
そしてまたその僅か3分後に……。
……。
森保監督……神なの?(笑)

それからは勿論怒涛のスペインの反撃が始まるワケですが、焦って前がかりになったスペインはもはや前半のような怖さはなく、むしろ日本のチャンスも多くなりました。何度か危ない場面もありましたけど、その後も森保監督は冨安を入れ、遠藤を入れてきっちりと対応。決定的なピンチは前半よりむしろ少なかったです。ロスタイム7分は心臓飛び出そう(笑)でしたけど、それもなんとか抑えきって……

もう一度言うぞ。森保監督……神なの?(笑)

ドイツ戦の時にワタシ、あえて「ドーハの歓喜」と書かず「ドーハの奇跡」と書いたのだけど、それは前半見られた厳然たる力の差がまずあってそれを采配でひっくり返してみせた部分がワタシには「奇跡」にしか思えなかったからなのだけど、でもね、続けて2度起こったことを「奇跡」とは……多分普通言わないです。(その間にコスタリカ戦は挟むのだけど、まあ「続けて」と言って構わないと思う)そうしてみると前半のあの戦い方もスペインが日本を舐めてくれるよう仕向けたとも思えてきて……ドイツの選手もそうでしょうけどスペインの選手も「日本って強いんだか弱いんだかわかんなーい」というのが戦った印象なんじゃないかと想像します。森保戦術、前半弱く見せる作戦(ホンマかいな(笑))に、まんまと二つの強豪国がやられてしまったワケですから……もはや奇跡ではない、のでしょうね。

しかしまあ……
グループ1位ですよ。ドイツとスペインと同組で。
その理由は世界中のどんなサッカージャーナリストにもおそらく分析不可能で、不幸にもグループ敗退となってしまったドイツの人々は未だに、ワケがわからない、と思っていると思うのです。そりゃそうだ。ワタシだって、まだ信じられない(笑)のだから。
かくして日本の戦いは決勝トーナメントに続くのだけど、相手はあのモドリッチ擁する前回準優勝のクロアチアなのです。果たして三度目はあるのか。ワタシの精神状態は正常のままいられるのか(笑)。
がんばれニッポン!

決戦当夜なのだ

さて、これを書いている現在、運命のスペイン戦まで6時間ほど。このまま起きて迎えるのか、仮眠して早起きするのか悩ましい今日この頃(笑)、皆様いかがお過ごしでしょうか。

まあここまできたらどれだけ楽しめるか、だなあと今は思っています。グループリーグ2戦目まで終わって、まだ自力突破の可能性がある。もし勝てれば無条件で決勝トーナメント進出。これ、過去にグループリーグで敗退したどの大会にもなかったことだと記憶しています。2戦めまでに敗退が決まっているか、あるいは勝利が条件で別カードの結果次第では可能性があるといったきわめて難しい状況だった、ハズ。今回はね、勝てば確実で引き分けでも可能性を残す、まあ言ってみればどっちに転んでもおかしくない状況で、それが過去の敗退した大会とは明らかに違ってます。(突破した大会では全部そうでした)まあ……相手があのスペインなのだけど。

三戦目は、別カードと同時開催になりますから……ドイツとコスタリカの戦いで動きがあれば、逐一知らされることになります。ドイツが怒涛の攻撃を見せて、もう勝つしかない状況になるのか、あるいはコスタリカがリードして、えー!?っとなるのか。そしてその時、我らが日本がどうなっているのか……最終戦にそんな楽しみ方ができるのも、どっちもあり得る今の状況だからこそ。4年前、負けてるのにバックラインでパスを回して、結果勝ち残ったあのハラハラ感(本当に大丈夫なの?)が思い出されますね。

想定する最悪の状況は、開始直後からぼこぼこ点を取られて、もう別カードの結果関係なく敗退濃厚になる……まあ、全然あり得ないワケではないんですけど、これは是非避けたい。そして最良の状況は逆に開始直後から日本がぽこぽこ点を取る、ですけど、まあこれは想像しづらい(笑)。
よしんばスペインに先制されても……ドイツ戦のように2点目をなんとか防いでついていければ、その間に別カードの状況が刻々と伝えられてきます。同点のままであればなおのこと……ああ、このままなら決勝トーナメント行ける!とか、このままじゃダメなのであと一点取ってくれ!とか……これがまあ、自力突破の可能性を残したグループリーグ最終戦の醍醐味であり、楽しみ方だと思うのですね。

是非、思いっきり楽しめる状況になってもらいたい。もちろん、途中経過がどうであれ突破できればそれが一番なのだけど、でもそれでも。
スペインに勝てればもちろん望外の喜びなのだけど、それ以上に、後半終了ギリギリまで、どっちに転ぶか分からないような面白いゲーム、面白いサッカーを観たい。まあ、試合開始から怒涛で攻めてくるであろう、スペインの攻撃をどこまで防げるか。0−0とか0−1のまま後半まで行ければ、何かが起こる可能性が広がりますよね。

頑張れ、ニッポン!

サムライ・ブルーなのだ

日本 0−1 コスタリカ

……夢、だよね?(笑)

一夜明けて、昨日の出来事は全て夢だったに違いないと願ったのは人生で二度目です(笑)。おかげで朝からブルー、ブルー、サムライブルー。もうハンパない失望感に身もだえておりまして、昨日までの高揚感、多幸感は一体なんだったのか、と。人というのは、かくも現金なものなのか。僅か三日間だけでしたけど私はシアワセでした。ありがとう日本代表。
……。
……。

すみません、まだ終わってなかったですね(笑)。
しかしまあ、どうしてこんなことになってしまったのか。

コスタリカは初戦の大敗を取り戻すためにも冒頭からガツガツ攻めてくるかと思ってたのですが、そんなことはなくて、とにかく泥臭くても勝ち点を取りにきましたね。終盤までは守って守って、カウンターもさしてつかわず、もう攻撃は捨ててるんじゃないかとすら途中までは思っていました。そしてあの終盤、突然ギアを変えて日本にプレッシャーをかけてきた。あの時間帯だけ日本は(ディフェンダーのみならず全体的に)ふわふわしちゃってて、そこに突然の前からのプレス。慌てた日本の隙をついて、ここぞとばかりに。もう点を取るならこれしかないという取り方でした。コスタリカのシュート数はゲーム全体で僅か4本、そのうち枠に飛んだのは1本のみ。その1本を決められてしまったのですから……もうこれは相手の戦略・戦術にものの見事にはめられてしまったと言うしかないです。くみしやすし、と思われていたコスタリカ……私もそう思ってましたが、実際にはずっとしたたかでした。あとはね、初戦であんな負け方をしたので、もう何が何でも戦術を遂行するのだという覚悟みたいなのも違ったのかなと思います。

日本はね、激戦のドイツ戦が、選手たちに想像以上にダメージを与えていたんだろうなと想像します。まあ、大きな山場を、これ以上ない結果で終えられれば、どんな人間でもちょっとはホッとします。そして知らず知らずたまってしまったダメージを気力で乗り切るのは、引き分けでもたぶんOKという、この試合のシチュエーションでは、たぶん難しい。森保監督は先発出場選手を5人変えてきたのだけれど、(正直、なんで!?と思いましたけど)そうせざるを得なかった内部事情もあったのでしょうね。なんかね、ずっと攻めててもみんながどっか重い感じで、肝心の遠藤や鎌田も動きにキレを欠いて……
こてんぱんにやられてもう開き直るしかなかったコスタリカと、最大の激戦をなんとか制した日本。この試合の勝敗はそんなところからきているの、かもしれません。

スペイン 1−1 ドイツ

それみたことか、日本勝ってればちゃんと決勝トーナメント決まってたじゃないかー、というタラレバは、悔しいけれども言ってもしょうがない(笑)。それでも、くそー、悔しいなー、勝てたよなー、とは思ってしまいます、ワタシも人間出来てませんから。凄く前向きに考えれば、2戦めまで終わって1勝1敗という結果は決して悪くはないハズです。ただ……

最終戦の相手はスペイン、なのですね。今更ながらなんて厳しいグループなんだろ(笑)。

もし勝てれば、他会場の結果によらず決勝トーナメント進出が確定します。負ければ他会場の結果によらずグループリーグでの敗退が確定します。……なんて分かりやすいんでしょう(笑)。

もし、スペインに引き分けた場合は……
ドイツ対コスタリカ、コスタリカが勝てば日本の敗退が決まります。ドイツが勝った場合は日本とドイツの得失点差や総得点の勝負になりますが、ドイツが2点以上の点差で勝てば日本は敗退となるので結構条件が厳しいです。もしどっちの試合も引き分けとなれば……コスタリカと日本が勝ち点4で並ぶのだけど、コスタリカは初戦の大敗(0−7)がありますから得失点差で日本が決勝トーナメントに進むことになります。
まあ、厳しいですね(笑)。
ですがワタシ、この最後の可能性が結構高いんじゃないかと思っています。最終戦はどっちも引き分け。

スペインは引き分け以上で確定しますから、日本相手に、それこそコスタリカ戦の時みたいにガツガツ攻めてくるとは想像しづらいです。(もちろんスペインをのせてしまえば大差負けも十分あり得ますが)引き分けでOKで、首尾よく1点取れればテキトーに抜いてくる可能性が高い。もちろん日本にリードされたりすれば死力を尽くしてでも点を取りにくると思いますけど、追いついたらまたちょっと緩めるハズ。ドイツは絶対緩めません(笑)が、これはもう国民性みたいなものだとワタシは思っています。
例えばスペインがもう決勝トーナメント進出を決めてしまっていれば、日本戦はターンオーバー使ってごっそり控え選手を使ってきたと思います。ただ、スペインの控え選手ってものすごくうまいんだよね(笑)。そいつらがモチベーションたっぷりでガツガツ攻めてきた場合は、正直引き分けるのさえ相当難しいと思う。ドイツ戦で相当疲れたハズのレギュラーメンバーが出てくることで、最悪引き分けでもOKで、確実に決勝トーナメント進出をスペインは狙うハズ。

ドイツも同じように、ふたつの激戦を乗り越えたレギュラーメンバーで、かつ、勝つしかない戦いをコスタリカ相手にせざるを得ない状況ですから、ガッチンガッチに守備を固めてくるコスタリカと引き分ける可能性は結構あるとワタシは思っています。

いやはや、ここまで書いてみて素直に思うのは、ワタシってば、なんて往生際の悪いヤツ(笑)。
でもまあ、なにか一つ間違えば結果が逆転するのがサッカーですから。アルゼンチンがサウジに敗れ、ドイツが日本に敗れ、ベルギーがモロッコに敗れるのがサッカーですから。今大会、そうしてみるとジャイアントキリング多いよね。スペインの、引き分けでOKという心理をうまくついてうまく試合を運んでくれれば……

がんばれ、ニッポン!



Profile

しゅさい

Twitter
Recent Comments
QRコード
QRコード
にほんブログ村

にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村 演劇ブログへ
よろしければクリックを!
  • ライブドアブログ