2009年09月

2009年09月23日

バイクの人

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 そう言えば、先日の「バイクに変形する女性型ロボット」の件。
 肝心のバイク形態を紹介していなかった。

 こうなる(写真)。

 実を言うと、変形ロボットの中でも特に「女性型」と「バイクに変形」というカテゴリには以前から興味があった。
 どちらもデザイン的にマスが小さく、変形のための構造を組み込むのが困難だからだ。

 その意味で、このアイテムは非常に面白い解を出している。
 写真をご覧いただきたい。
 ボディ側面にナナメに走っている白い棒状のパーツは、実は人型の際に大腿部を構成するパーツである。車体後方で太いマフラー(?)を構成しているのは、この大腿部のカバー・パーツだ。

 お判りだろうか?
 つまりこのバイク形態は、人型ロボットが「正座の状態から、両腕で頭を抱えて前のめりになった」ような姿勢をしているのである。
 この姿勢を基本として、前述のように大腿部の外側が展開し、頭部を胸に収納、一方で背中にあったフロント・カウルを前輪とともに定位置に移動させているわけだ。
 そう。
 実はこのデザイン、ほとんど「変形」をしていない。基本にあるのは「人型の姿勢変更」なのである。これはバイク変形の優秀な解答の1つとして記憶されるべきだろう、と思う。

 ちなみにこのメーカーさん、現在、同じシリーズの発展型を製作しておられるようだ。
 いや、楽しみ楽しみ。



zoahunter at 22:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月17日

恋愛ゲーム

 そろそろ製品上で確認済みの方もおられるようなので、公言する。

 コナミの恋愛ゲーム『ラブプラス』のシナリオを書いた。
http://www.konami.jp/products/loveplus/

 私の担当したのは、3人のキャラクターの中の1人。「歳上」の彼女。
 もっとも、私の作成したテキスト以外のものも混じっているし、私が書いたセリフにも変更された部分がある。
 熱心な依頼を受けて無理やりスケジュールを空けた仕事だったため、予定外の追加シナリオや大幅な加筆などの要求に応えられなかったせいだ。いささか残念だが、まあゲームのシナリオとはそういうものであるらしい。

 もっとも、その「熱心な依頼」をしてくださった理由が、拙作『スペクター』をお読みいただいたからだったというのが、ちょっと謎(笑)。
 だって『スペクター』は、変身ヒーローが宇宙人と殴り合うアクションSFだからねえ。どういうわけで恋愛ゲームのシナリオに起用してくださったのか、実は今でもよく判らないのだった。

 ともあれ、商品の評判は上々であるらしい。
 恋愛ゲームというジャンルそのものに抵抗があるのでなければ、ぜひどうぞ。



zoahunter at 12:05|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2009年09月16日

可動

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 今回、新作の仕込みのためにいろいろと物色したものの中に、こういうものがある。
 まあ、とにかく写真をご覧いただこう。
 身長・約29センチの、可動フィギュアである。

 商品名は“S.F.B.T-1”。
「サフビット・ワン」と発音する。
 ガレージキット・ディーラー「Mフィールド」さんの商品。
http://www.mfield-gk.com/
 私はこれを作家仲間から紹介されたのだが、いや写真を見た瞬間に引っ繰り返ったね。
 可動箇所は約80ポイントにも及ぶそうだが、実際にはそんな単純な問題じゃないのだ。

 最初に目を惹かれたのは、前腕の構造だ。
 こんなもん普通に考えりゃ、手首に回転軸を一つ、ぶち込んどきゃいいだけのハナシじゃん?
 それなのに、手首と掌の位置関係を維持したまま、前腕全体が捻れるんだぜ!?
 人間の前腕を構成する2本の骨(橈骨・尺骨)のメカニズムを、そのまま外部に露出させているわけだ。しかもそれでいて、外形のシルエットを安定させるという、信じられんことをやってるのだ。
 まさに正気の沙汰ではない(褒めてます)。

 さらに手指は全て可動、足指も「親指とそれ以外」という分け方ではあるものの可動するし、挙げ句の果てには瞼の開閉と眼球の視線移動まで出来る。それも、上下左右に。
 腕の付け根も凄いぞ。肩をすぼめる、肩を引く、さらには肩をすくめることも出来る。上の写真では、左肩は落して右肩だけを上げて、さらにすぼめている。右の鎖骨(に相当するパーツ)が僅かに上がっていることがお判りいただけようか?
 加えて首も傾げているが、これは首パーツが付け根から横に倒せるから可能なポーズ。この首は当然、前に倒したり後ろへ起こしたりすることも出来る。
 さらに驚くべきは、脚の付け根。
 可動によって隙間が開けばそれを塞ぐプレートが滑り出してくるし、逆に邪魔になるプレートは可動に合わせて引っ込むし。
 ここまでくると、腕を曲げると上腕二頭筋が突出する、なんてのは「当然」みたいな感じである。

 こんな気が狂ったような造形(褒めてますからね)なのだが、まあ上記リンク先へ跳んでみて価格をご確認いただきたい。驚くから。
 お断りしておくが、これはキットの値段ではない。完成品の値段なのだ。
 ピンとこない方のために説明すると、もしガレージ・キットの製作代行業者に組み立てを依頼すれば、この金額はあっさり超えるだろう。
 そのくらい常軌を逸した低価格設定なのだな。

 さて。
 ここでしかし、「でもね」と付け加えておきたい。
 残念ながら私は、この商品を大きな声でオススメしようとは思わない。
 なぜかと言うと、物凄く「人を選ぶ」からだ。
 非常に繊細な構造であるだけでなく、素材もそれほど丈夫なものではない。これは、個人製作の限界だ。
 構造の複雑さを考えるなら、本当ならABSなどの柔軟かつ硬質な素材を用いたいところなのだろうが、それだとコストが一気に跳ね上がる。射出成形のための金型って、べらぼうに高価だからね。
 そういうわけで、
 このアイテムはアクション・フィギュアや可動素体と言うより、むしろ「繊細かつ精密なモケイ」と考えた方がいいだろう。
 興味を持たれた方は、その点をまずご理解いただきたい。
 これは、緻密なメカニズムそのものを楽しむべき商品だ。

 てなことを前置きした上で、
 ここ何ヶ月か、新作のための取材として「女性モチーフの可動フィギュア」を物色していたのだが、このアイテムはその中でも特A級の逸品であると明言する。
 こっそりバラしておくと、
 私の作家仲間の中にも何人か、購入した連中がいるのだった。



zoahunter at 12:07|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2009年09月06日

体調不良は突然にくる

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 えらい目にあった。
 突然の発熱と下痢(失礼)。

 徹夜のつもりで原稿を書いていて、明け方ごろに不調に気づいた。
 その時やってた原稿は、その日の昼までには編集部へ投げる予定だったのだが、どんどん体調が悪くなってくる。
 仮眠した方がいいか、とも思ったが、「いや、今ここで寝たらもう起きられないに違いない」と判断して作業続行。
 予定を15分ほどオーバーする感じで脱稿し、そこからベッドに入ったら、思ったとおり。1日そのまま寝込んじまったよ。

 翌日には熱もかなり下がって、腹の調子も「ちょっと心もとない」くらいにまで回復したのだが、こりゃ何だったのだろうかね? 何かにアタッたか?
 とにかく、ぎりぎりのスケジュールで動いていると、こういう時にツブシがきかぬ。もっと計画的に仕事をしようと心に決めたよ。
 いや、マジでマジで。

 まあそれはともかく。
 先日のフィギュアは、現在こんな感じ(写真)。
 先の「女性型バイク」と並行して、ちまちまと組み立て進行中。
 塗装したのは、金色のパーツやら三角形の「穴」部分、耳の中の回転パーツやら腰のボタン(?)やら指先やら、それくらい。それ以外は形成色のまんま。
 これでざっくり身長17センチほど。
 この後は、目のデカールを貼って前髪を組み付けてやれば完成。目を白く塗装してあるのは、デカールの透け防止の下地処理。
 デカールは水を使うためパソコンと同じデスクで作業出来ないので、ここで作業が停まってる次第。

 こうやってみると、やっぱりいいデザインだ。
 もっと設定に近いリアルな造形のものもあるらしいので、探してみようと思う。
 ゲームも遊んでみた方がいいのかなあ。



zoahunter at 07:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)