
ロッドの話をしていて、思い出した。

とあるロッド工場での話。
「これ、触ってみてください。片方が30t(25tだったかな?)で、片方が40tです」
40tは先まで40tで、非常にリスキーなロッドである。折れやすい。ギリギリの設計というか、素材だ、と。
ガイドもついていない素のブランクだった。

振ってみる。
ブンブン。
天井に当てる。
コツン。グイー。
?????
「(あの、これ、どっちもだるいんですけど)」
僕は、言葉を飲み込んだ。大人だから言葉を飲み込んだ。
自信満々に持ってきた限界ギリギリ設計の40tカーボンブランクが、どうにもダルいだなんて、口にできるわけねぇ。
ガイドすらついていないのに、「こんなもん?」なんて、いえねー。
これが25%レジンの世界。
ダイワのロッドに慣れすぎた。
いくら高弾性だからといっても、レジン量が標準的だと、けっこうダルいのだ。
ちなみに、ルアーロッドだとダイワがレジン量を一番、そぎ落としているといわれているが、逆に、その使用カーボンの弾性率は、そんなにバカ高くないって話だ。
釣り竿に、100tまでいったかは覚えていないが、80tのカーボンが使用されたのなんて、90年代の話だ。
それよりも、いまの時代の50tいや、40tカーボンの方がシャープだ。
それは、文字通りレジン量を絞っているから。筋肉の塊、マッスルなのだ。
だが、工場によって、メーカーによって、モデルによって、レジンの量はバラバラだ。
設計者の意図や、メーカーの好みもある。
例え国産でも技術の差はバラッバラ。大企業に町工場は敵わんよ。
下町ロケットな世界はあるかもしれんがね。
だが、釣り人は、レジン量はおろか、使用カーボンの弾性率すら知ることができない。ufmウエダとかは、公開していたような気がするけどなぁ。がまかつのバスロッド、ノームには60tカーボンが使用してある、とかね。広告に書いてあったのを覚えているけど。
あ、ただし、誤解しないで欲しいのは、レジンっていうのは必ずしも悪さばっかりするものではないっていうこと。
そろそろ、適度なダルさを追求する時代が来たように思う。それは、管釣りと磯釣りがリードした流行かもしらんね。