オネイロポンプ~ジグリーヌの牢獄~

シナリオ作家。「悶絶上映 銀幕の巨乳」(雑誌映画秘宝 ピンク映画ベストテン10位)「肉体販売 濡れて飲む」「さかり荘メイドちゃんご用心」「巨乳狩人 幻妖の微笑」「シーサイドバラッド」「女教師 秘密の放課後」等のピンク映画、その他GIGA、Eドラ、アタッカーズ等でAV作品、アクション時代劇の舞台作品等も執筆。時折、アブノーマル官能小説を書いております。

原桂之介監督「BACK STREET GIRLS ゴクドルズ」を新宿バルト9で見た。

70年代ヤクザ映画を思わせるBGMにのせて現れる東映マーク。
ヤクザ映画へのオマージュを随所に挟み込んでいて、セリフでもあれこれと役者の名前が出てきたりする。金子信雄や成田三樹夫まで出てきて、コアな突っ込みを見せてきれるのは楽しいのだが、本作、確かピンキーバイオレンスを21世紀に復活させるような試みであったと思うが、残念ながらそこは失敗。だってピンキーに必要なエロ要素が全くなく、あくまでアイドル活動の可愛らしさを描くのみ。そこに彼らのいろんな背景が入り込んでこんでくるのだが
なんで彼らと書いたか、というと、この3人のアイドルユニットは元、男であり、性転換して女子に生まれ変わった設定なのである。それもアイドルは儲かるというので、親分の復讐を失敗させた償いで、そう改造されてしまうのだが…こういうぶっ飛び設定は悪くなく、とても面白いだが、その為に先程書いたエロの要素がどうもこうも生かせない事に陥ったのは否めない。それでもアイドル活動の中で男性としての苦悩も描かれていて、ラストのアクションシーンもそれなりに楽しめる。けれども悪の親玉がアッサリと倒されるのはどうか、この辺りがガツンと悪の強大さを出していれば、もっと面白く観られたと感じた。

 

 

 

古新舜監督「あまのがわ」をスバル座で観た。

やられた!ここのところ良いなぁ、と思う映画が続いていただけに、こんなトンデモ映画に出会うとは、予想が当たってしまったとしか言いようがない。

まずこの主人公、史織さん。泥棒です。いくら同じ紙袋を間違って杉本彩が持っていったにせよ、その中身にあったAIロボット?を勝手にそのまま持っているのは、どうなんでしょうか?映画だから、それでもいいじゃんか!っていう声もあるかもしれないけど、恐らくこのAIロボットで100円、200円で購入できる代物ではないですよね?遠隔操作でお話しまでできるのだから…それに市販されているようなものではないから、相当な金額の物をまんまくすねて平気でいる。持ち主を探そうともしないんですよ。てか、自分が持っていた紙袋には何が入っていたか知らないけど、それはあまり必要ではなかったのかな?杉本彩も紛失届くらい出すべきだと思う。そんな展開でスタートするので、その時点で本作はもうダメ印を私は与えてしまった。

その後の展開もグダグダでもう終わりかな?と思ったら、まだ1時間以上もあってびっくり。

発端になる屋久島だかどっかの太鼓叩きも何かとってつけたようなものでしかないし

友人が自殺したのが原因で引きこもるのはいいけど、母親が何か研究者で頭が偉く良い人の割には子供への愛情が薄く、放任している。こんなんで母に同情できるか?っていう描写ばかりで、親子の絆の結びつきも都合よくラストに結びつくのが不満。

X星人こと水野久美さんが出演されてるが、倒れて入院するのはいいけど、これもまた全く膨らむ要素なく、ラストのセイラとの出会いを作るためだけにあるようなもの。

太鼓叩きがしたかったのか、それとも鹿児島あ最先端のロボット工学に力を入れてるのをアピールしたかっただけなのか、ちっともテーマ以前に何の見どころもない、呆れた映画でしかありませんでした。

三木孝浩監督『フォルトゥナの瞳』をTOHOシネマズ新宿で観た。

A「いやぁ、平日の14時10分の回を見たんだけど、ほぼ満席だったんで驚いたよ。こんなにヒットしてるなんて思いもしなかった」

B「そうだね。周りは女子とカップルが多かった…それも若い10代が目についたけど、学校はどうなってんだろう」

A「試験休みか、何かなのかな?そんな年代の子供を持つ人間が回りにいないから、よくは解らんけれども…」

B「で、そんな若者に囲まれて見たこの映画なんだけど…有村架純と神木隆之介って人気があるんだなって思った」

A「えっ。有村さんは解らんでもないけど、神木さんの方は…そうなの?」

B「知らん。でも、あの混みようっていったら、そうでないの?」

A「原作ファンかも?」

B「あんな若い、どうみても本を読まなそうな子ばかりだったよ」

A「分からないよ。意外と本を読む子は多いから…これが20代、30代になるとね…減ってるような気がするけど…それで映画だけど…うーん。何かオチがありきたりって言えば、それまでだけど…原作がああなのかな?」

B「じゃない。もし大幅に脚色するなら、ああいう展開は避けるもん。あの最後のシークエンス。安っぽい2時間サスペンスみたいだったね。そう思わない?」

A「ああ。あれはないと思ったよ。だいいちあんな特殊能力を持つ人間があちこちに存在しているってのが、主人公の存在を薄くしている気がしたけどね。彼だけが、ああいう能力を持ってるという方が神秘性もあった気がするね」

B「そこなんだよね。あの能力を身に付けた背景は説明してたけど、だからってあんな多くの人間に備わってるということがどうも‥サイエンスフィクションの世界というより神秘的なというか霊的な力だと思うんだけどね…」

A「とにかく全体的に何か消化不足なドラマに思えて仕方なかったな。DAIGO演じる金持ちのチャラ男もコテコテのありきたりだし、子持ちというのにはびっくりしたけどさ¨」

B「だけど、唯一、志尊淳が演じた悪役はキラリと輝いていたけど…」

A「志尊淳は確かによかったね。本作品では一番印象に残った。そっか、志尊淳ファンが詰めかけていたのか!」

B「まさか。でも、この作品の志尊淳は本当に良い味を出していたね。ますますファンになったかも」

A「えっ、ファンだったのかい」

B「いやいやそれは…そう言えば、今、えっって言ったけど、最近の日本映画でなにかあると、えっ、えっ…とセリフで頻繁に言ってる気がする。何か妙にそれが気になるんだよね」

A「そうかな‥確かにこの作品でも回想シーン含めて23回、えっ、と言っていたね。111分の作品だから5分に1回は、えっ、って言ってるわけだ」

B「ええっ!そんなにあったの!」

A「数えてたからね」

B「暇だったんだね」

A「そんな映画だもん」

B「だね」

                      完

 

 

 

 

パク・フンジョン監督【隻眼の虎】を韓国文化院で観た。

139分ある映画

内容は「リメインズ」「マタギ」「鯨神」を思わせるような映画。

山神様と呼ばれる片目の虎を狩ろうとする狩猟たち。日本軍の命令により、行動するものの、相手は強大な人食い虎。メインの狩猟者の息子。彼が結婚の為に軍の狩猟隊に志願し、戦うが‥息子の死をもとにこれまで山神を討つのを拒んでいた主人公が立ち上がっていく。

彼と山神片目の虎には因縁がある仲。その伏線から苦悩していく主人公の姿も悪くない。

最後の虎との対峙は「鯨神」のクライマックスを連想させるものであった。

139分が少し長く感じられたが、話はストレートで分かり易い。ジョーズのテーマに似たフレーズを醸し出す音楽も良い。残虐なシーンもあるけれども、敵に向かっていく男気を感じさせる。

日本軍の指令官役で大杉漣氏が出ていた。

そう言えば「ゴクドルズ」にも友情出演ということで出ておられ、先日の「世界一と言われた映画館」でもナレーターをつとめ、まだ公開前の作品もあるので、本当に多忙でいらっしゃったんだな、と思いました。

 

ピーター・ファレリー 監督「グリーンブック」をGAGA試写室で観た。

今年になって、これはナンバーワンの1本だ。作品背景にある徹底した差別のあれこれ。
主人公が黒人のピアニストであり、また運転手に雇った白人もイタリア人であり、彼もアメリカの地で受けてる差別。二人とも形や具合は異なるけれども差別される、いわば弱い立場の人間同士が関わりあうなかで少しづつ心を開いていき、より深くて強い友情に変化していくいちいち差別の内容を書いても仕方ないが、タイトルのグリーンブックが全てを物語っている。
それは黒人専用の宿泊先が記載された本。裕福層相手にピアノを演奏しても、それはあくまでも彼らの見せかけの似非教養を満足させるだけで、主人公を心から友人、同等の人間としては見ていない苦悩が淡々と描かれていた。
また彼の性癖がアッとするもので、ここでまた二重の差別を受けることになる。本作はややアメリカの人種差別問題や訛りといった部分で分かりにくい部分もあるけれども、そういう難点を差し引いても十分に楽しめる作品。
コメデイという括りには私にはどうにも思えない社会派映画だと思う。

 

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