封入体筋炎患者闘病記

 封入体筋炎患者のヒロです。病歴は2022年で満14年、15年目に入りました。在宅勤務の仕事とリハビリの日々を送り、細やかながらも家族3人で暮らしています。ブログ記事は闘病記と広島地元ネタ、社会保障などの時事ネタ中心です。希少疾患の封入体筋炎の周知が目的です。関心があれば、ツイッターなどでご紹介していただければ幸いです。疾患関係で直コメントが苦手の方は、ツイッターのダイレクトメールを利用してください。封入体筋炎の闘病史は各進行段階の症状や生活障害、必要な社会保障制度等をまとめています。良ければ参考にしてください。最新の封入体筋炎の状況は『近況について色々と』、取り組んでいるリハビリについては『20年春~夏 筋疾患(封入体筋炎)リハビリ』にて素人の体感目線で書いています。モバイル版で読みにくい場合は、PC版に転換してからお読みください。

 封入体筋炎の周知と脳の筋委縮予防、そして適度な闘病生活のガス抜き目的でこのブログを書いています。疾患関係の記事は、同病、他の筋疾患患者の方、ご家族、友人が苦しんでいる方の参考にでもなれば幸いです。些細な生活の様子や疾患の情報などのコメントをお待ちしております。他の傷病で障害をお持ちの方なども歓迎です。悪意目的のリンク貼りはお断りします。その時々の気分で、記事内容に偏りが出ます。大目に見てください(笑)最近、自分語り記事が増えています。哀れな障害者の泣き言だと思い、寛容な心でお読みください(笑) 広島都市開発系記事のコメント欄は、過去に酷い粘着行為、誹謗と中傷、〇〇予告などがあり閉じています。ご了承ください。

前回記事 再び広島市の人口減少について考える その1

【考察その3】
縮小社会(大幅人口減少+超高齢化)の功罪について


画像1 65年までの高齢化と人口の推移(画像 『内閣府HP高齢化の状況』より)

 では、このまま少子化対策の甲斐なく、人口が減り続けたらどうなるのだろうか?15年の国勢調査に基づいた国立社会保障・人口問題研究所の推計だと現状の合計特殊出生率で推移した場合、18年度人口1億2,644万人(高齢化率28.1%)が、60年9,264万人(高齢化率38.1%)、2100年5,972万人(高齢化率38.3%)になるという。80年後には半分以下になる見込みだそうだ。

指標3 ブログ主が考える縮小時代(超高齢化+大幅人口減少)の近未来図
1 経済市場の大幅縮小
 人口減少は経済市場の大幅縮小を誘引する。単純な人口減少、そして生産年齢人口(上記画像7の赤部分)の減少で経済市場は縮小する。企業の業績は悪化し、業界の再編と集約は不可避に、雇用が減る可能性も高い。当然法人税もこれに合わせ減少する。高齢化率も高いまま維持されるので、生産者世代の社会保障費負担増加も避けられない。消費税も増税するだろう。当然購買力が下がり、市場縮小に拍車がかかる。すると、高い価格のままではモノが売れなくなり、下げざる負えない状況に。すると潤沢な人件費が賄えなくなり、収入は減りさらに購買力が下がり、また市場が縮小するという負のスパイラルになる可能性が高い



画像2 
将来の社会保障給付の予測(画像 『財務省HP・社会保障について』より)


画像3 
90年度と20年度の国の一般会計予算の内訳(画像 『これからのために日本の税制を考える』より)

2 財政の悪化
 少子高齢化に伴い急騰しているのが社会保障給付だ。上記画像2はその将来予測だ。天井知らずで膨張し続けているといってもいい。この給付は現役世代ともいえる生産者の人たちの保険料と国の一般会計予算、地方自治体の一般財源から賄われている。25年は、医療費と介護費が急騰すると言われる75歳以上に団塊の世代の人たちが突入し、40年はその子ども世代の団塊ジュニア世代が高齢化するため、『2025年問題』『2040年問題』と囁かれている。上記画像3をご覧頂きたい。
社会保障給付費の高騰で90年度と19年度を比較すると、国の社会保障費予算が約3倍にまでなり、財政を圧迫している。今後も社会保障給付費が高騰し続けることから、国の負担はさらに重くなるのは必定だ。財政の硬直化が加速する。そして日本は世界に冠たる長寿国でもあり、平均寿命は65年には男性84.95歳、女性91.35歳にまでに到達する。しかし、健康寿命の伸びは平均寿命ほどには伸びないので介護費の負担が増すことになる。しかも、税収は市場の縮小で法人税、所得の低迷で所得税の大幅な減収は避けられないところだ。財政の悪化の要因しか残らない。特定財源として消費増税をしようにもさらなる市場の縮小を誘引し、ひいては消費税収入は増えても他の税収が減る可能性が高く、おいそれとは出来ない。財政の悪化は、景気対策などの活性化余力も奪い税収を増やす機会の損失にもなりかねない。ここまで来ると負のスパイラルしか残らなくなる。


画像4 
左から90年、現在、将来と各年代の社会保障制度を支えるイメージ(画像 『かわいいフリー素材集いらすとやより』より)

3 社会保障制度の存続の危機
 現役世代(生産者世代)の社会保障の保険料支払いで高齢者の社会保障制度を支えている。90年は約5.8人で1人の高齢者を支える神輿型だったが18年は約2.1人で1人を支える騎馬戦型になり、40年には約1.5人で1人を支える肩車型になる(それぞれ上記画像4参照)。何が言いたいかと言うと、現役世代(生産者世代)の負担が増えるということだ。支え手が人口減少と高齢化で減るのである。減った支え手の年金や医療の保険料は上がり、支えられる高齢者たちの支給額などは厳しさが増す。将来は医療費負担は段階的に引き上げられ3割負担から5割負担、老齢年金受給も原則70歳に引き上げられるかも知れない。そうしないと制度の維持が困難になるからだ。少子化という根本の問題を解決しない限り、負の連鎖は永遠に続き、縮小再生産を繰り返しやがては制度が崩壊するだろう。


画像4 東京圏の年齢階層別の転入超過数(人口社会増)推移(画像 『首相官邸HP中枢中核都市の現状について』より)

4 東京一極集中の超加速
 現在でも東京一極集中は目に余るものがある(上記画像4参照)。新型コロナウイルス蔓延で東京特別区だけに限れば21年は、統計を取り始めて初の1万人を超える人口社会減(転出超過)に転落したが、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の括りでは、東京圏だと8万1,699人の転入超過で東京一極集中から東京圏一極集中になっただけの話だ。しかし、これは一時的な現象に過ぎず、コロナ禍が完全に収束すると元に戻ると思われる。先進国の中で首都への依存度では日本の右に出る国はない。縮小時代(超高齢化+大幅人口減少)に入ると、ブログ主はこの流れが加速すると考える。今でも全国各地の若年者層の多くが進学先と就労先を求め、民族大移動とばかりに転入している。縮小時代に入りいよいよ地方経済が疲弊して、職に就けず希望も未来も感じられない生まれ育った土地を捨てまだ希望を感じる東京に居を移す。モデルケースとして北海道の一極集中を挙げたい。北海道の人口は97年の569.9万人をピークに減少に転じた。基幹産業だった農林水産業、石炭、鉄鋼の構造不況による道外転出予備軍を道内の首都的都市の札幌市がダム機能となり、必死に食い止めていたが、その札幌市をもってしても食い止められなくなった。それに加え、2000年代前半から人口の自然減少がいち早く始まった。16年現在の人口は524.3万人となっている。北海道は広いので地域生活経済圏を6ブロックに区分しているが、札幌市を中心とした道央経済圏は、332.1万人と道内人口63.3%が集中。そう札幌一極集中だ。75年の道央圏への集中率は54.9%と8.4%増加している。そして止まるどころか、加速の勢いを見せている。札幌市は、今なお人口増加を続けているが内訳を見ると人口の社会増加-転入超過数-が年平均8,000~10,000人程度あり、少子化による自然減少分をカバーしている。この姿は北海道を日本と見立て、札幌市を東京、道内の函館市や旭川市、稚内市を日本の地方主要都市として見立てれば、将来の日本の縮図ともいえる。いくら公共投資を疲弊した都市に施しても民需が弱すぎて、喚起のきっかけにすらなっていない。東京も国内都市同様に人口減少と超高齢化が押し寄せるが、減少分を地方都市から幾分か補完して、ある程度は栄え続ける筈だ。政府も外需受け皿の都市として重点配分した公共投資をすると思われ、それとの相対関係で地方都市は置き捨てられ疲弊の一途を辿るかも知れない

【考察その4】
広島市の人口減少について その1
広島市も蚊帳の外にはいられない・・・


画像5 広島市の都心地区の様子を上空をから見た姿(画像 『もとまちパーキングアクセス』より)


画像6 
広島市の将来人口推計(画像 『世界に誇れる『まち』広島』人口ビジョン』より) 


画像7 広島市の人口自然増減の推移(画像 『世界に誇れる『まち』広島』人口ビジョン』より)

 国の人口が、移民政策を本格解禁していないためほぼ自然増減で決まるのに対し、地方自治体の人口は『期末人口=期首人口+社会増減+自然増減』は決定する。社会増減とは転入者が転出者を上回れば社会増-転入超過-で、その逆だと社会減-転出超過-となる。自然増減は、出生数が死亡者数を上回れば自然増、その逆は自然減になる。広島市の将来人口推計は、上記画像6の通りで60年102.1万人と辛うじて100万人を維持するとの事だ。これはあくまでも、現時点で一定条件の元、予測される数値でしかなく、この通りになるとは限らない。可能性は低いが合計特殊出生率が大幅に改善されれば、減少幅は緩和されるし逆に現状よりも下がれば減少幅は拡大し、60年100万人維持は不可能になる。自然増減だけではなく、社会増減も当然加味されているのでそれにより大きく変わる可能性もある。確実に言えるのは、早期に20年現在の広島市の合計特殊出生率を1.42人から、2.07人にしない限り、下がり幅は緩やかになっても人口減少局面からは脱せないということだ。既に広島市は、人口自然減局面に17年から突入し(上記画像7参照)、出生数が年々減少している事実を踏まえると、世代人口が多い団塊の世代の人たちがこの世を本格的に去り始めると、この動きが加速する。それをカバーするために人口社会増-転入超過-を目指すべきだとの意見も一部にあるが、仮にそうなっても人口自然減の数が多過ぎてカバーしきれるものではない。広島市の将来人口推計は、上記画像6の通りに現時点では予測されているが、他都市はどうなのかを調べてみる。都市ごとで若干設定と推計年次が異なったりするのでその点だけをご了承頂きたい。

指標4 東京特別区と地方大都市の将来人口予測 単位:万人(減少率は%)  
 出典:各自治体人口ビジョンなどより
       
【首都】                                  20年対比  
        15年   20年   30年   40年   60年    減少率
東京都特別区 927.3 968.2 905.5 865.0 732.1  -25.4
※15年と20年は実態人口。20年以降は、10年国勢調査に基づく社人研推計

【四地方中枢都市】
                             20年対比 
        15年   20年   30年   40年   60年    減少率
札幌市    193.7 197.3 1
87.1 175.0 143.0  -27.5
仙台市    107.6 109.2 107.3 103.3 089.1  -18.4
広島市    119.4 120.8 119.4 115.1 102.1  -15.5

福岡市    152.5 160.3 160.4 160.1  ・・・    ・・・
※15年と20年は実態人口。20年以降は、10年国勢調査に基づく社人研推計。福岡市は6
 0年人
口推計をしていない

【地方政令指定都市】
                            20年対比  
        15年   20年   30年   40年   60年    減少率
静岡市    070.5 068.8 061.2 
055.9 047.0  -32.7
浜松市    078.9 077.5 074.9 069.5 056.4  -27.2
岡山市    071.3 072.0 068.6 065.1 058.2  -29.2

熊本市    074.1 073.8 070.0 065.9 055.0  -25.5
※15年と20年は実態人口。20年以降は、10年国勢調査に基づく社人研推計。岡山市は60年
社人研推計値がなかったので、市推計値の40年から60年の減少幅を用いた

 まあこんな感じになっている。少し、福岡市の推計が意味不明で、理解に苦しむところだが例えば、東京特別区は新型コロナウイルスの蔓延前の19年まで、毎年5~7万人台の人口社会増-転入超過-が続いていた。収束後は、再びこの水準に戻ると思われるが、そんな東京特別区さえ20年と60年を対比すると25.4%減少することが予測されている。広島市の人口推計の前提で人口社会増-転入超過-が実は入っている。



画像8~9 東京特別区と20政令指定都市の21大都市の転入超過数。マイナスは転出超過(画像 『住民基本台帳人口移動報告2021年結果 』より)

指標5 総務省の統計による広島市の転入超過数推移(単位:人)
 80年   91年  98年  99年   00年  01年  02年  03年
6,855 -1,680 170 -1,276 -744 -863 -404  -594

 04年  05年  06年  07年  08年  09年  10年  11年   
2,180  364  409  997 1,123 1,152 1,650 1,984


 12年  13年  14年  15年  16年  17年  18年   19年 
1,123 1,152 -528  289  119 -359 -661 -1,220

 20年   21年
-427 -
2,632 

指標6 地方中枢四都市の転入超過数の推移(単位:人)
     14年  15年  16年  17年  18年    19年   20年
札幌市 8,609 8,106 9,315 8,952 8,283  9,812 1万,0493
仙台市 2,050 1,140  615 1,399 1,979  1,349  2,990
広島市 -528  289  119  -359 -661  -1,220 -427
福岡市 6,564 7,680 7,287 6,986 6,136  8,191
  7,909

      21年

札幌市  9,711
仙台市  2,288
広島市 -2,632
福岡市  7,158

 広島市は実は広島市の統計では、人口社会増-転入超過-となっているが、総務省の統計では17年から人口社会減-転出超過-に転落しており、19年は統計を取り始め初の4桁台となり、兄貴分の広島県は47都道府県最大の
人口社会減-転出超過-となった。翌20年は、新型コロナウイルス渦での移動制限もあり、427人となったが、21年は再拡大し遂に2,632人で20政令指定都市最大数になり、広島県も7,159人と栄えあるWワースト記録を達成した。衰退都市のイメージが強い北九州市よりも多いのはある意味、衝撃的だ。この点について広島市の松井市長の正式なコメントはなく、嫌味な意味ではなく、この事実をどう捉えているのかお聞きしたいものだ。ネガティブ思考にはなるが、今後の継続的に人口社会減-転出超過-が毎年、1,000人ぐらい続く仮定で60年人口を試算し直しすと、どうなるのか?広島市の推計値は、人口社会増-転入超過-が毎年500人程度を前提に含めていると思われるので、そこだけを単純に訂正する。すると96.1万人となり、20年と60年対比での減少率は、15.5%から他都市並みの21.4%程度となる。では、『人口社会増を目指したまちづくりを進めれば減少幅は圧縮する筈だ』との反論意見が聞こえそうだが、そう容易い話ではない。広島市の人口社会増-転入超過-の最高値は、政令指定都市移行後の80年以降に限ると80年の6,855人。それ以降は、04年の2,180人が最高値になる。この年は、01年9月に閉鎖したマツダの宇品第2工場を操業再開し、当時の小泉政権下の好景気もあり人口社会増-転入超過-を記録した。まちづくり目線だと、任期中12年のうち9年が財政健全化計画期間だった秋葉市政(99~11年)の時よりも、後任の松井市政(11年~)の方が遥かに進んだ印象が強いが、マツダを筆頭にした自動車産業の生産調整理由で人口社会減を記録していない秋葉市政の方が人口社会増-転入超過-が多いことに着目するべきだ。これは、人口社会増減に結果の上ではまちづくりがイメージほど影響していないことを示唆しているからだ。まちづくりが好影響を与えるのであれば、目に見える形で進んだ10年代半ば以降、広島市は毎年人口社会増-転入超過-を記録している筈だからだ。この点にハード重視の政策の限界をブログ主はどうしても感じてしまう。

『再び広島市の人口減少について考える その3』へ続く

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広島市の都市問題 広島の都市問題 郊外・その他

【考察その1】
人口減少する理由について その1

楽観論に反吐が出るブログ主
 

画像1 65年までの高齢化と人口の推移(画像 『内閣府HP・高齢化の状況』より)


画像2 日本の西暦3000年までの人口推計

 日本も少子・高齢化のなれの果てである人口減少時代に突入した。国人口は08年1億2,808万人をピークに下がり始め、10年に一旦は微増で若干回復するも再び減少に転じ、その後は減り続けている。21年10月1日時点の日本の人口は、1億2,550万人となっている。人口統計は、『期首人口+人口自然増減+人口社会増減=期末人口』で構成される。自然増とは、『死亡数<出生数』、自然減は『死亡数>出生数』で社会増『転出者<転入者』、社会減『転出者>転入者』で構成され、国人口だと社会増減は他国からのそれになるので、移民政策を本格解禁していない日本においては、『人口減少=人口の自然減』で解釈することが多い。偏に、世代人口が多い年齢階層の高齢者が世を去り始め、少子化で出生数が少ないのでこのようなことになる。人口減少問題を示す指標として、よく合計特殊出生率が用いられる。一生涯の女性が産む子どもの数の事だが、女性一人で妊娠はしないので、成人した大人の男女2人が将来残す子どもの数として捉えられている。21年の合計特殊出生率は1.33人。OECD加盟の中でのかなりの低い水準で、単純計算だと減り続けて当然と言える。合計特殊出生率だけを見ると、2.0人を切ったのは随分と前で75年1.91人からで、08年まで日本の人口が増え続けたのは、極端な世代人口のボリューム感があった団塊世代とその子どもの団塊ジュニア世代が厚みとして支え続けたからだ。しかし、それも難しくなるほど出生数が毎年のように減り続け、遂に08年から減少に転じた。現時点では、人口維持に必要な合計特殊出生率は2.07人と言われ、この水準に回復しない限り、人口は永遠に減り続ける。2.00人ではない理由は、LGBT的な少数性的指向者の人たちが一定数居ること、結婚を望んでも果たせない重い障害を持つ人、若くして傷病で世を去る人が居ることが挙げられている。高齢化は顕著となり、19年10月1日時点で28.4%で約3人に1人が65歳以上だが、人口減少はそこまで顕著にはなってはいない。しかし、広島市のような地方大都市部でも約10年後の30年代以降は、目に見える減少局面に入ると予測されている。人口減少と聞くと、ざっくりとしたイメージが湧かず、『人口減少のどこがいけないの?』『元々、この狭い国土に1億人以上の人口は多過ぎる』などの常軌を逸するお花畑的な感想もネット内では囁かれる。識者の中でも、『人口減少は日本にとってチャンスだ』『人口が減ることは、むしろ経済成長にとって強みである』『(人口減少で生じる)労働力不足は、AI(人工知能)の応用や移民の受け入れで解決する』と強弁する人も少なくはない。将来人口予測は、国においては65年頃(上記画像1参照)まで、地方自治体だと60年頃までしているケースが殆どだ。このまま少子化が、推計の前提条件のまま進んだ場合、今から約980年後の西暦3000年頃は、この国はほぼ消滅(上記画像2参照)する可能性すらある。よって不都合な真実を無視した楽観論は個人的には反吐しか出ない。少子化は、先進国病とも言われるがなぜ、日本でここまで少子化が進行したのか?その理由を探る。


画像3 子ども一人当たりの子育てコスト(画像 『mattoco Life』より)

指標1 少子化が進む理由 その1
1 女性の社会進出による晩婚化
 経済発展して国民が豊かになると、女性の高学歴化が進み社会進出が顕著となる。それはすなわち女性の経済力が向上とイコール。発展途上国では『女性の結婚=生活のため』の側面も強い。それが薄れ晩婚化が進む。厚労省の調査だと、日本の男女の平均初婚年齢は1950年-男性25.9歳 女性23.0歳、70年-男性26.9歳 女性24.2歳 90年-男性28.4歳 女性25.9歳 00年-男性28.8歳 女性27.0歳 12年-男性30.8歳 女性29.2歳 19年31.2歳 29.6歳 と推移し晩婚化が進んでいる。女性の妊娠のしやすさは32歳を境に次第に下降し、37歳を過ぎると急降下する。男性も同様で、年齢とともに妊孕能が低下し近年では生死の劣化や数減少の指摘もされている

2 先進国有数の高い子育てコスト
 日本はOECD加盟国の中でも、指折りの高い子育てコストを誇る。100%実態を反映させているとは言えないが上記画像3は、そのコストの試算。その大半を占めるのは教育コストだ。高等教育(大学など)受験までの教育コスト(学習塾など)や高等教育コストなどがそれだが地方都市でも新築マンション購入コストに該当する。その辺は子育て世代の方々は身に染みてお分かりだろう。そして、高等教育機関に進学後のコストもかなりの高額だ。『諸外国の教育統計 平成31年版』によると、
大学初年度納入金(入学金+授業料など)比較では、次の通りとなる。日本-国立81.8万円 私立133.3万円、アメリカ-州立101.4万円 私立339.5万円、イギリス-国立135.5万円、ドイツ-州立3.7万円、フランス-国立2.3万円 ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・オーストリア-公立0円(国によっては私立大は有料) 内閣府の意識調査では、『子供を増やしたくない』と答えた割合は53.1%とアメリカ、フランス、スウェーデン、韓国の中で一番高く、その理由は、『子育てや教育にお金が掛かりすぎるから 』が56.3%を占めた。上記画像3の棒グラフの赤部分(教育コスト)が半減、1/3になると随分家計は楽になる。貧困の拡散防止の観点、家族層の消費喚起の観点からも、教育コストの軽減は求められる


画像4 都道府県別の経済的豊かさ(可処分所得と基礎支出) 画像 『東京一極集中の是正方策について』より

3 都市化の影響
 国が高度成長し、国民が豊かになると生活の利便性を求め田舎から都市部、特に大都市部に移り住むのは必然だ。都市住民が増えると、出生数が減る傾向が強い。都市部で生活すると不動産価格を筆頭に生活コストが上昇するからだ。子育てコストに割ける金額が当然減る。 上記画像4は都道府県別の可処分所得は3位だが、所得階層中央に位置する世帯においては家賃などの基礎支出が高く、可処分所得からそれらを差し引けば中間世帯は地方よりも貧しい。一見、都会での華やかな生活のイメージから、地方よりも豊かな生活をしている印象が強いが必ずしもそうではない。事実、東京都の合計特殊出生率は、20年は1.12人と全国平均の1.34人よりもかなり低い。生活支出が多く、既婚者の理想とする子ども数が持てない

4 夫婦共働き時代における子育て環境の悪化
 21世紀の今日、夫の収入だけで拡大した生活水準を維持するのは困難だ。兼業主婦-夫婦共働き-世帯は労働政策研究・研修機構の調査データによると、18年度は1,219万世帯で比率は67.01%。3世帯のうち2世帯は、夫婦共働き世帯となっている。その中、子育て環境は悪化している。理由を求めると次の通りになる。①待機児童や待機幼児の受け入れ不備 ②古い夫婦観による夫の家事不参加 ③夫の長時間労働 ④②と③の理由による妻の負担増 になる。15年の国立社会保障・人口問題研究所の調査だと、夫婦が望む理想の子ども数の平均は2.32人だったのに対し、夫婦の完結出生児数は1.94人との開きがある。そして年々、理想とする子どもの数も減っている。これは夫婦共働き時代における子育て環境の劣化を示す証左になる

【考察その2】
人口減少する理由について その2


画像5 
生涯未婚率の予測推移(画像 『国立社会保障・人口問題研究所HP』より)


画像6 
年齢&就業形態別の既婚率(画像 『国立社会保障・人口問題研究所HP』より)

指標2 少子化が進む理由 その2
5 経済格差の拡大による生涯未婚率の急上昇
 近年の生涯未婚率の急上昇も少子化が進む大きな理由だ。生涯未婚率とは50歳までに結婚経験がない人たちの割合を指す。離婚者はこの中には含まれない。バブル経済末期の90年頃までは、男女共に低い比率で推移していたが、バブル経済崩壊、90年代半ば以降のデフレ時代の到来辺りから急上昇を続け、上げ止まる気配すらない。見方によっては結婚観の多様化が進んだと言えなくもないが、結婚に関してはそうとばかり言いきれない。上記画像6の
年齢&就業形態別の既婚率で判断すれば、経済格差拡大の産物だろう。日本人特有のメンタルになるが、『結婚するにはこれぐらいの収入が必要』の固定観念、結婚を望む女性の求める男性像-経済力を優先で相手を選択-が根底に今もあり、それに沿わない男性諸氏が対象から外され、このような結果になったものと考える。興味深いのは、男女の生涯未婚率の格差だ。15年時点で約10%もの開きがある。男女の人口構成比は、半々であることを思えば、不思議な現象だ。素人なりの深読みをすれば、初婚女性が初婚、再婚に拘らず経済力を念頭に選んでいるのではないだろうか? 経済力さえあれば男性は離婚経験者であっても初婚女性に選ばれ、逆になければ結婚経験がなくても、女性に相手にされない悲しい現実が浮き彫りになっている。とある婚活サイトによれば、30代半ば~40代前半の結婚の意志がある会員の特徴として男性は、容姿、収入、学歴で劣る人が多数を占め、女性はその反対で容姿、収入、学歴でスペックが高い人が多いそうだ。結婚は似た属性の人間を好む傾向が強いので、需給のミスマッチが生じることが多々あるそうだ。最後に結婚観の多様化も触れたい。結婚観の多様化がさぞや進んだと思いきや実はそうではない。下記画像7は、年代ごとの未婚者の結婚意思についてだが、1987年と15年とではそう変化が見られない。時期の問題はあるにせよ、世の殆どの人たちが結婚の意志を持っている事実は時代が変われど、変わっていない。となると、意思はあるが出来ない現実がそこにあると言える。未婚者の上昇は、当然出生数の減少にダイレクトに反映する。


画像7 年代ごとの未婚者の結婚意思について(画像 『国立社会保障・人口問題研究所HP』より)

 日本も21世紀前後から、少子化対策に前向きに取り組んできた。特に2代前の安倍政権は、『一億総活躍社会』の中で新三本の矢の二の矢に『夢をつぐむ子育て支援』を設定し、希望出生率1.80人と言う高い目標を掲げていた。希望出生率1.80人を早急に回復し、40年頃に人口の維持に必要とされる2.07人程度まで回復させると60年頃は1億人、そして長期的には9,000万人程度の維持が可能と試算していた。少子化対策も万全を期したつもりだった。~令和元年版 少子化対策白書~(内閣府HP) 安倍政権が政権復帰した翌年の13年の合計特殊出生率は1.43人。19年のそれは1.36人と意気込みとは逆に減った。ひたむきな少子化対策も虚しく空振りに終わった。一時的な合計特殊出生率の回復は、世代人口が圧倒的に多い団塊ジュニア世代の女性が最後の一仕事をしたからで、その時期が終われば、低下するようになった。子育て末期の立場で言わせてもらうと、既婚者の少子化は、やはり先進国有数の子育てコストが大きいと実感する。もう一つ見逃せないのは、生涯未婚率の急上昇だ。20年現在、男性26.6%、女性17.8%となっているが、今から約30年前の90年は男性5.6%、女性4.3%だったが、それぞれ4倍以上にまで拡大した。結婚の意志は持っているがしたくても出来ない現実がありそうなっていることを踏まえると、経済格差の是正が急務に感じる。安部政権下では、大企業に忖度しこの部分まで踏み込めなかった。上記画像6の30~34歳の非正規就労者の低い既婚率はそれを雄弁に物語っている。年収200万円台、雇用も不安定、賞与なし、住まいも実家で高齢者の両親と同居、これでは生涯を任せるに足る相手として絶対に認識されない。経済力が低いので経済的に自立が出来ず、生まれ育った子ども部屋で生涯を厄介者として過ごす。バブル経済末期の90年の日本人の平均年収は、425.2万円。バブル経済崩壊後も少しずつ上昇する。そして97年に467.3万円に。その後下がり始め、19年は436.0万円と殆ど増えていない。この金額はOECD加盟国平均より低く、97年対比では唯一日本だけが下がっている。あの韓国よりも低い水準で驚く。それでも、辛うじて生計が維持出来るのはデフレで低価格が当たり前になっているからだ。日本のデフレぶりを知るには、世界各地にあるマクドナルドのビックマックの値段を比較すると良いだろう。日本は33位だ。~世界のビックマック価格ランキング~ 要は高価格だと売れないのだ。商品の値段には、原材料費の他に人件費も含まれている。低価格故に人件費は低く抑えられる。正規雇用などしていては、赤字になる。そして非正規就労者が自然と増えるという負のスパイラルに入る悪循環を繰り返す。この被害者が彼らかも知れない。少子化は日本全体の問題だ。犯人探しをしても意味がない。『子育てコストの軽減』『経済格差の是正』なくして、多子化への転換は不可能だ。しかし、一番効果を発揮するのは移民政策の解禁だ。少子化は先進国病だが、それを克服した国々もある。欧州各国で代表的なのはイギリスとフランスだ。フランスの事例だと、非移民系の合計特殊出生率は1.77人に対し移民系のそれは2.60人(共に17年)と高い。国全体では、1.88人なので移民系の国民が全体の数字を押し上げている。功罪が多いと指摘される移民政策だが、少子化問題の解決、国全体のイノベーションを促すメリットも多い。それは世界一の移民国家のアメリカをみると明らかだ。『日本の古き良き伝統文化が破壊される』『犯罪が増え、治安が確実に悪化する』などのデメリットばかり、論ぜず、いい加減移民鎖国から脱却すべきだ。デメリットの『~古き良き伝統文化の破壊』も明治維新以降、経済的な豊かさを求め散々捨て去りアイデンティティを喪失した日本人のどの口がそれを言うと思うし、キリスト教の教会が良くてイスラム教のモスクがなぜダメなのかもよく分からない。それって潜在的な差別ではないかと思う。犯罪云々も、単なる印象でしかなく確固たるデータに基づいたものではない。
 
『再び広島市の人口減少について考える その2』へ続く

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カテゴリー記事 広島の都市問題 都心部活性化

【本日の引用記事】 
5月13日中國新聞デジタルより引用



【考察その1】
自転車専用道設置の方向性はいいが、まずはグランドデザインを描くべきでは?


画像1 平和大通りの全体像(画像 『平和大通りの利活用のための基本計画(案)』より)


画像2 自転車専用道整備後の平和大通りイメージ(画像 『中国新聞フェイスブック』より)

 今回の広島市の決定は基本的には賛成する。賛成はするが、細かい部分を見ると現行案では、全面賛成出来ない。今回の広島市計画概要は以下の通りになる。

広島市の平和大通り自転車専用道整備案
①設置場所-自動車車道側の幅5.0㍍の歩道の植樹帯部分に幅1.5~2.5㍍の自転車道を
      (上記画像3参照)各上下線に設ける
②事業スケジュール-22年度は、西端の鶴見橋西詰~平和大橋東詰(上記画像2参照)間1
          .4㌖の設計をして、23年度に整備着手。工期は約3年程度。全線の整
          備完了時期は未定
③その他-鶴見橋、平和大橋、西平和大橋、緑大橋の4橋は、幅員不足なので自転車道は設置し
     ない

 のようだ。設置場所は区分上は歩道だが、現在は歩道として利用されていない植樹帯をそのまま転用する案なので、歩道幅は実質削減されない。個人的な自転車専用道の考えとなるが、日本では歩行者以上、車両未満的な扱いだが、この事に多少違和感を覚える。立派な車両だし、一定の速度で走行するので完全な歩車分離をしないと危険だ。足元が不安定で、突発的なことに対応が難しい高齢者や障害者、幼児が危険に晒されるリスクが高くなる。自転車道を設けるのであれば、やはり自動車車線側に設け、歩車分離を徹底しないと歩けたものではない。平和大通りは広島市を代表するメインストリートの1つで、まちなか道路で歩行者も相生通りや鯉城通り同様に多い。下記画像4は、19年3月に上流側だけに歩行者専用橋を設けた平和大橋の様子だ。一応、道路車線側に自転車道を設置し歩車分離をしたとのことだが、案の定、専用走行路でなく優先走行路的になっており、歩行者が普通に歩いている。視覚による区別もつきにくく、普段利用する人は認知しているだろうが、利用しない広島市民や観光客などからすれば絶対に分からない。歩道真横というか歩道の一部に設ける場合は、カラー舗装で区分するのも必要だが、縁石を設置し完全可視化させる工夫が欲しいところだ。


画像4 19年3月に上流側だけに設けられた平和大橋の歩行者専用橋(画像 『アンドビルド広島』より)


画像5 広島市の自転車道路ネットワーク(画像 『広島市自転車都市づくり推進計画【改訂版】』より)


画像6 車道側に設置されたピクトグラム。
(画像 『広島市自転車都市づくり推進計画【改訂版】』より)

 橋梁部は幅員が狭いため今回は設置を見送る。現実的な判断と言われればそれまでだが、自転車道ネットワークの観点だと、問題がある。平和大通りは正式名称『市道比治山庚午線』の一部で橋梁は5つある。橋梁に当たるたびに自転車道がなくなる。新聞記事では、車道側に上記画像6のようなピクトグラムを設け、歩行者の安全を図るとの事だ。あの狭い車道に設けて大丈夫なのかの一抹の不安も残る。報道を聞いて疑問に感じたのは、大々的な土木工事を施さないのに工期が3年もかかることだ。しかも一気に4㌖の整備で、3年かかるというのであれば理解の範疇だが、1.4㌖の整備でこの工期。素人ではなぜこんなにかかるのかが、よく分からない。財政難といっても、そこまでのコストが掛かる訳ではない。批判とかではなく、理由が本当に分からない。自転車といってそうバカにしたものではない。広島市内の移動に関する分担率では、11.6%(18年度)と高く、新型コロナウイルスの蔓延で20年度以降は、その分担率は三密回避の観点から上がっている。重要な移動手段の選択肢と言っても差し支えない。世界的にも移動手段としての自転車は21世紀に入り、見直されている。自働車が持てない階層だけが使う的な見方はもう古い。OECD加盟先進国で、自転車の移動分担率が高いのは、デンマークの首都のコペンハーゲンで35.1%。オランダなどは、4大都市-アムステルダム、ロッテルダム、ハーグ、ユトレヒト-の分担率は、22~34%と非常に高い。北欧の国々や、オランダやドイツが高い傾向がある。総じて欧州の国々は高いが、自動車分担率を下げ環境問題に対処するためにこうなっている。日本では、現在のガソリン車を電動車に切り替えることでCO2排出を削減するアプローチを主眼と置いているがかの国々ではそうではなく、電動車に切り替わってもガソリンに代わる電気が火力発電所で大量に発電され、CO2を排出し続けるので変わらないと捉え、自動車走行量を減らす方が環境負荷を下げるのに合理的と考えている。その代替え移動手段が公共交通であり、自転車になる。欧州各国では、人間性に回帰しイノベーションを誘発すると言われるコンパクトシティがまちづくりの主流となっている。大量かつ長距離輸送機関であるフル規格地下鉄や都市近距離鉄道や自動車が必ずしも必要としない、短・中距離輸送機関であるLRT、BRTで事足りるサイズのまちづくりがコンパクトシティの肝でもある。都心地区の駐車場スペースを意図的に削減したり、利用料金をかなり高めに設定し、利用を抑える政策誘導をし逆に自転車は、都心地区の駐輪スペースを拡大したり自転車専用道ネットワークの拡大に邁進している。話を広島市に戻すが、広島市も概ねこの方向性に沿ったまちづくりが進みつつある。そのこと自体は歓迎すべきことで賛同するものだが、ただ苦言を呈すると財政難や取り組みの切込み不足もあり、遅々としている感が強い。自転車のまちづくりを都心地区の駐輪スペース拡大も含め、自転車専用道整備を加速させ、80㌖程度の計画など10年前後で完成させ、30年後の50年頃には2倍の160㌖の自転車専用道ネットワークを整備するぐらいの気概を見せて欲しいものだ。



画像7 広島市の移動に関わる各分担率(画像 『広島市総合交通戦略』より)

【考察その2】
平和大通りの将来について考える
リフォームではなく、リノベーションをすべき!


画像8 鶴見橋西詰から望んだ平和大通りの様子(画像 『ウィキペディア・平和大通り』より)

 この考察では、平和大通りの将来について語りたい。現在、広島市のメインストリートでもある平和大通りでは02年に策定した『平和大通りリニュアール事業』に基づき、再整備が進められている。『リニュアール』を大々的に掲げている割には、見た目の大きな変化は感じず『どこがどう変わったのか?』と疑問を持つ市民も多い。大胆なレイアウト変更もなく、機能に新たな要素も加わることもなく、経年劣化した部分の一部改修、劣化した部分を元の機能に復することが目的のリニュアールでしかないからだ。同事業の整備の方向性として『基本的な機能は現状を維持しながら、公園利用者のための利便性向上、平和の発信機能の強化を図っていく』、緊急に取り組むべき項目として、『平和記念公園のゲート性に配慮した整備』『国内外の人々が交流できる賑わいの空間づくり』が盛り込まれてはいるが、計画策定から20年経過したことを思うと、その動きは亀の歩みだ。考え方の相違と言われればそれまでだが、まずは広島市の都市計画の憲法にも相当する東西軸線に相当し、広島市都心地区活性化の役割を担わせるのであれば、まずは平和大通りのあるべき姿を明確に示し、その工程表に沿って限られた原資を効率よく投資する手順が必要だ。その時代時代の需要に沿い小出しに整備したのでは、結果として歪な物足りない姿になる。こうした点にも広島市の都市計画には戦術はあっても、大きな戦略がないことは否めない。ただ、平和大通りに関しては広島市の同情の余地もある。誕生の経緯から、平和大通りは被爆で亡くなった市民の鎮魂施設の慰霊碑・石燈籠・記念碑・樹木が無数に存在。~慰霊碑・石燈籠・記念碑・樹木などの立地状況 ~ 場所があれば、所かまわず設置した結果、こうなった。平和大通りの設計変更などしようとした日には、鎮魂機能だけで賑わい機能や他の交通機能など一切必要ないと本当に考えている頭の中身があれな某市民団体が、実現阻止に全力を尽くす、こんなことが茶飯事に広島市では起きるのである。ただ国際平和文化都市を看板に掲げている以上、『話だけ聞いて要望は何ひとつ叶えない』という態度も取れず、悪い意味での圧力団体となっている。だったら、彼らに人質に取られている広大な緑地帯のレイアウトはそのままにして、他の部分に大きな変更を加えれば問題はない。ここで、妄想要素も入るが、今回の広島市の自転車専用道の計画案は無視して、個人的な理想案を考え提案してみる。


画像9 平和大通りの基本構造図(画像 『平和大通りの利活用のための基本計画(案)』より)


画像10 05年『路面電車のLRT化を中心とする公共交通体系の検討委員会』で提言された平和大通り西・東線と駅前大橋線のルート図と停留所(画像 同HPより)

ブログ主の理想的な平和大通りのレイアウトの提案

【現行】(上記画像9参照)
 歩道(5.5㍍)+副道(7.0㍍)+駐車場(4.0㍍)+緑地(20.5~24.5㍍)+歩道(5.0㍍)+車道(16.0㍍)+緑地(20.5~24.5㍍)+副道(7.0㍍)+歩道(5.5㍍)
  
⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓  ⇓
【リニュアール後】
 歩道(※注1 16.5㍍)+緑地(20.5~24.5㍍)+自転車専用道(3.0㍍)+車道(8.0㍍)+公共交通用地(※注2 7.0㍍)+車道(8.0㍍)+自転車専用道(※注3 3.0㍍)+緑地(20.5~24.5㍍)+歩道(※注1 12.5㍍)

【整備スケジュール】
第1期(工期2年程度) 
  対象区間:
平和大橋東詰~鶴見橋西詰

第2期(工期5年程度)  
  対象区間:平和大橋東詰~新己斐橋東詰

緑大橋、平和大橋、西平和大橋の架け替えは、広電平和大通り線具体時に実施する

 ※注1 副道と駐車場スペースを全て歩道に転換。計画中の緑地を都市公園化させパークPFI
     で賑わい機能を高めるのではなく、超広幅員となった歩道で歩行者利便増進道路制度を
     活用し、賑わい性創出を図る。

 ※注2 公共交通用地はいずれ整備されるであろう広電平和大通り線導入用地として確保。整備
     されるまでは、緑地帯とする

 ※注3 自転車専用道は、歩行者の安全を確保する観点から、歩車分離を徹底させ車道側に設置

 補足説明をする。この案は、副道2カ所、市営駐車場、車道側の歩道を廃止して、現在の需要に応じて賑わい性機能と公共交通機能を強化する案になる。キャンキャンと犬のようにうるさい某市民団体が信仰宗教施設の本山扱いをする緑地スペースを一切動かさない前提で考えた。緑地帯を一切触らず、鎮魂機能を維持するのであれば彼らの反対理由(平和大通りに賑わい機能は相応しくない)は消滅するので、振り上げた拳の落としどころがなくなる。車道側の歩道廃止に賛否が分かれそうだが、中途半端なサイズの歩道が複数必要とは思えない。バスの停留所は、緑地部分に設ければ問題ない。自転車専用道と公共交通用地に転換する。その公共交通とは、
緑大橋など3橋の架け替え費用が財政難で捻出出来ない事、路面電車の架線が都市美観を損なうとの2つの理由で棚上げされている広電平和大通り線になる。アストラムライン都心線が国から認可されていない事実を鑑みると、その代替え事業で30年代以降具体化すると予測する。実現の鍵は、99年試算で3橋の架け替え費用150億円の財源確保と、バッテリー搭載型の架線レストラム導入になる。『平和の聖地の穢れ』と当時の広島商工会議所会頭や某市民団体のトップに散々貶されたが、それも20年以上前の話。150億円もの架け替え費用も実際には余裕の200億円超えが予測されるので、財政難の広島市には簡単な話ではない。ただ、アストラムライン西風新都線の建設費約570億円(広島市負担289億円)を供出可能であれば、こちらもその気になれば出せないことはないだろうと思ったりもする。都市交通の話を続けると、平和大通りの車道を時間限定のバス専用レーンとして活用するのもありだと考える。個人的には平和大通りのリノベーションは、多くの可能性を秘めていると考える。リノベーションとは、元は住宅用語で新たな機能と価値を加える改修工事の意味だ。一部の階層の人間の集客施設でしかないサッカースタジアム建設よりも、よっぽど有意義に感じるのはブログ主だけだろうか? 広島市には、平和大通りを積極的に利活用するのはいいが、まずはグランドデザインを描き、それに沿った大規模改修を工程表に沿って行って欲しい。

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