前回記事 市営基町駐車・駐輪場一帯再開発浮上
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広島の都市問題 都心部活性化

今日の話題 1月4日中国新聞1面より引用
広島・基町駐車場再開発
複合ビル建設 官民協議 隣接民有地含む敷地想定


画像1(左) 1月4日中国新聞1面より
画像2(右) 同新聞再開発予定地位置図(画像 中国新聞記事より)


【記事詳細】
 広島市や広島商工会議所などが検討している市中心部の紙屋町・八丁堀地区にある
 市営基町駐車場。駐輪場一帯の再開発事業で、同駐車場と、西隣と南側にある民間
 2社の所有地を合わせた敷地計約7,500平方㍍に複合ビルを建設する構想を描
 いていることが2日、分かった。事業を始めるための基本合意を目指した関係者が
 協議を進めている

 関係者によると、民有地は、同駐車場西隣の中電基町ビルの敷地と道路を挟んだ朝
 日ビルディング(大阪市)が所有する広島朝日ビル跡地。同跡地は、現在、平面駐
 車場として活用されている。紙屋町・八丁堀地区は昨年10月、国の都市再生緊急
 整備地域に指定されており、市のこの事業を『リーディングプロジェクト』に位置
 付けて民間開発を促し、新たなまちづくりを加速させる

 市と商議所、民間2社などは同念10月以降、事務レベルでの勉強会を重ね、指定
 に伴う整備方針に基づき、開発手法や複合ビルの機能配置などの議論を他都市事例
 も参考にして意見交換を行っている。再開発事業では、1965年に完成し老朽化
 が著しい商議所ビル(中区基町)の建て替え・移転も合わせて検討される。中電基
 町ビルも70年完成で、いずれも建物の更新期を迎えている。市は駐車場は廃止し
 て、駐輪場のみ残したい考え。再開発事業を巡っては、18年9月、松井広島市長
 は商議所の建て替え・移転を含めた基町駐車場一帯での検討方針を明らかにした。
 移転する場合は、現在のビルと敷地を市に売却する可能性があるとしている
 

【考察その1】
徐々に明らかにされつつある基町駐車場一帯再開発事業



画像3 広島朝日会館跡地から市営基町駐車場一帯を望む(画像 アンドビルド広島より)

広島商工会議所の移転・建て替えを巡る経緯

06年01月 商議所の都市機能委員会がビル移転を含む広島市民球場跡地利
       用構想を発表
09年01月 広島市が球場跡地の利用計画を決定。ビルを跡地の東側に移す
       案を示す
10年09月 商議所が13年春に市の助成を利用した移転を目指す新ビル案
       を発表。費用の全額負担を前提とする市との認識の相違が表面
       化

   12月 深山秀樹現会頭が就任
11年04月 旧市民球場跡地利用見直しを公約に掲げた松井一実市長が就任
   05月 商議所が新ビル計画の延期を発表
15年10月 現商議所ビルが完成より50年を迎える
16年07月 深山会頭が商議所ビルの移転・建て替えの本格検討を開始を表
       明
17年03月 広島県と市が『ひろしま都心活性化プラン』を策定
18年02月 紙屋町・八丁堀地区への『都市再生緊急整備地域』への指定を
       国と協議していることが明らかになる
       深山会頭も移転先を紙屋町・八丁堀地区を軸に検討していると
       表明

   09月 松井市長が商議所ビルの移転・建て替えを巡り、市営基町駐車
       場・駐輪場を候補地に一体で再開発事業を検討する方針を決定 
   10月 市と商議所と民間2社(中電、朝日ビルディング)の4者で事
       務レベルの勉強会開始

19年01月 再開発事業予定敷地を約7,500平方㍍程度と想定(上記画像
       2参照)⇐今ここ


画像4 市営基町駐車場の外観(画像 広島都市整備公社HPより)

 広島商工会議所の建て替えと移転論議の経緯と市営基町駐車場一帯再開発の絡みは上記の通りとなる。前回取り上げた新聞記事では、中電基町ビルについては特に触れていなかったが今回は検討されていることが明らかになった。規模もブログ主が想定した範囲とほぼ同じ約7,500平方㍍と県主導で進められている広島東署跡地一帯再開発(ヒルトン広島)が計約6,403平方㍍で規模ではこれを上回ることを目指していることが明らかになった。複合ビルの方向性としては、フィスやホテル、観光情報の発信拠点などの機能が想定され、最短で4年程度の竣工(22年度頃)との事だ。17年度に広島市が見直し作業に着手した容積率の緩和(6主要通り、一定条件あり)、記事でも触れている都市再生整備地域指定による同処置で超高層化が可能となる。現在広島市で、近隣地区も含めた一体型再開発事業が、西広島駅のひろでん会館一体地区(1万8,200平方㍍)、紙屋町地区のサンモール一帯地区(1万5,000平方㍍)などでも鋭意進められている。今後の老朽ビルの建て替えのモデルの一つになりそうだ。数多くの地権者の利害を調整して、『小異を捨てて大同につく』形に持って行くのかが実現の肝になりそうだ。地権者が少ないほど容易なのは言うまでもない。話を戻すと、前回記事でも書いたが検討されている機能に商議所、ホテル、オフィス、観光情報発信拠点の他に是非MICE(マイス)機能も加えてほしいところだ。昨年末に広島商工会議所のMICEに関する提言がなされたばかりだが、その候補地が西飛行場跡地(3.6㌶)、商工センター地区の広島サンプラザ一帯(5.2㌶)の2ヵ所で、10万平方㍍クラスの日本最大規模の東京ビックサイトを上回る巨大展示場建設を謳ったもので、身の丈を弁えていないというか、バブル期でも夢に見ない規模のものだ。実情に適った提言とは程遠く、『そこまで言うのなら自分たちで何とかしろよ』と言いたくなる。『今の時代にコストセンターを建設してどうするよ?』規模の荒唐無稽ぶりもさることながら、立地をあえてと都心部地区から外す意味がよく分からない。この規模に拘るから、都心部地区に土地がないになり結果だけを見ると頓珍漢な提言となる。MICEライバル都市の神戸や北九州市、福岡市などでは、会議場・展示場・宿泊施設・観光施設・商業施設が集中立地したオールインワン体制が潮流になっており、バラバラに立地させ相乗効果を下げる愚はしない。定時性が高い公共交通機関で結ばれていればその限りではないが、広島市の場合それは望めない。であれば、集約立地は必須条件となるのだが・・・。空港と国立大学が市域内はおろか、市域外の遠隔地にあるマイナス要因を忘れてはいけない。詳しくはこちらの記事にて ~『MICE(マイス)の話題 2』~ ただ、同提言の意義は、新展示施設建設の問題の態度を明らかにしていない行政へ建設を迫る効果はあると考える。市と県も専用展示施設の検討を明らかにしている。

 再開発立地図を見ると基町駐車場と西隣の中電基町ビルの敷地はつながっていて、広島朝日会館跡地とは道路を隔てている。L字を反対、逆さにしたような形状だ。現在の建物ごとの敷地面積の詳細は定かではないが、見た感じだと基町駐車場と西隣の中電基町ビルの敷地で約6,000平方㍍弱、広島朝日会館跡地で約1,500平方㍍程度と見て取れる。前回も同じような再開発ビルのイメージ提案らしきものをしたが、今回も趣向を少し変えてしてみたい。その詳細を下記にまとめてみる。素人のお絵かきレベルなので笑って読んでもらいたい。

ブログ主提案の市営基町駐車場一
体再開発イメージ

再開発A地区(基町駐車場、中電基町ビル跡地) 敷地面積約6,000平方㍍
  第1ビル A棟 広島商工会議所(3~12階)
       B棟 業務系テナントビル(3~20階) 
       A・B棟共用棟1階-広島展示場(面積5,000平方㍍)、広島観光
                 情報センター    
              2階・地下1~2階-大小の会議場など

 再開発B地区(広島朝日会館跡地) 敷地面積約1,500平方㍍
  第2ビル 外資系ホテル(50階建て 客室数400室前後)
  ※第1、第2ビルとは空中デッキで直結させる(イメージは下記画像5参照)


画像5 エディオン本店本館建て替え工事の様子。道路をまたいだ敷地の建物同士を一体運営する好事例(画像 アンドビルド広島より)

 規模は昨年末の商議所提言の1/20程度だが、既存類似施設の広島市中小企業会館-2,640平方㍍、広島県広島産業会館-9か所計5,500平方㍍、広島グリーンアリーナの小アリーナ1,700万平方㍍であることを思えば、供給過小ではないだろう。様々な需要に対応できるように小規模区画であっても利用可能な構造とすれば、稼働率は上がる筈。広島市規模だと展示会も国際見本市や全国見本市の開催は難しい。地域、専門見本市や展示会の開催になるので、他のイベント利用にも対応出来るような工夫がなされれば、問題はない。単体施設として、高稼働率が求められる都心部地区の置くのは悪手だが、複合化すればクリアできる。先の商議所の提案だと都心部地区から外れ過ぎており、滞在はおろか大した消費もしないで都心部地区など素通りして、用が終われば帰宅の途につくだろう。ブログ主の理想の立地は中央公園広場で、サッカースタジアムとの複合施設での実現だ。都市公園法の縛りで1万平方㍍以上のものはNGとされており、それならば9,999平方㍍以下の規模で建設すれば問題はないと思うのだが、ただこの地はスタジアム問題が随分とこじれているのでいつ実現するのか?不透明だ。近隣基町地区住民の反対も、感情論一辺倒になっており合意形成の見通しは立っていない。それまでの過渡期処置として日本規格の中規模サイズのものがあっても、良いと考える。本気でMICE都市を標榜し、曲論だがMICEを産業化して将来の都市成長の礎にするのであれば、大胆な戦略を取らないとお題目で終わってしまう。

【考察その2】
何度も言うが、集客施設建設は対処療法に過ぎない


画像6 広島市都心部地区中心地(紙・八地区)の小売売上高と売り場効率の推移(画像 日本政策投資銀行HPより)

 都心部地区の求心力の低下が叫ばれ、随分の年月が経っている。画像6は96年と13年の紙・八地区を中心とした都心部中心地の総小売売上高と売り場効率の推移だ。僅か17年で売上高ベースでは、4割以下まで落ち込んでいる。最大の理由は郊外大型商業施設の乱立になり、それに尽きる。広島市だけの現象ではなく、地方都市共通のものだが、さすがにここまで落ち込むと共存論など綺麗な言葉で括った理想論に過ぎない。30%程度の落ち込みであれば、それをベースとした共存論も悪くないのだが・・・。ブログ主の個人的な意見となるが、イベント広場やスタジアムやアリーナなどの集客施設建設も一定効果のある手段だが、あくまでも症状を改善する対処療法に過ぎない。本家本元の日常消費者の都心回帰がない限り、真の都心部地区復活はあり得ない。否定的な見解になるが、一過性の各イベント(スポーツコンテンツのものも含む)で集客された人たちが、日常品の購入を積極的にするとは思えない。買い物目的で都心部地区を訪れる人たちを増やさないことには、どうにもならない。突き詰めれば、自動車移動前提の都市から、公共交通移動前提の都市-集約型都市構造への転換を促すことにもつながる。それを実現する術の一つとして、根本治療として都心部地区を現在の車道中心の都市空間から、歩行者専用道路中心の都市空間に大胆に改める必要がある。広島市も県と共同で策定した『ひろしま都心活性化プラン』(広島市HP)にて、方向性として打ち出してはいるがコンパクトシティ本場の欧州都市のそれと比較するとお茶を濁している程度のもので、その本気度が実に疑わしい。補助金目当ての集約都市建設では?と問われると返答に窮する。下記画像7~9は、コンパクトシティの本場ドイツ第3の都市-ミュンヘンの歩行者専用道路とそのネットワーク図だ。ドイツの都市としては後発組だが、ミュンヘンオリンピック開催年の72年、初の歩行者専用道路-モールが完成した。その距離は僅か800㍍だったが沿線の商店街は、来訪者の急増(2倍)により売り上げが大きく伸びた。その後順次拡大され、現在総延長15㌔という膨大な歩行者専用道路ネットワーク(下記画像9参照)が完成した。これは都心部地区面積の約10%に相当する。

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画像7(左) ドイツのミュンヘンの歩行者専用道路の様子
画像8(右) 同市の歩行者専用道路を示す標識(あくまでもイメージです)


画像9 ミュンヘン都心部地区(旧市街地)の歩行者専用道路ネットワーク図

 日本の都市での歩行者専用道は、単発では横浜市の『イセザキモール』や旭川市の『平和通買物公園』など少数の都市で実現、トランジットモールでは駅前広場型で姫路市などで実現している。欧州都市のそれと比べるとかなり限定的で、ネットワークを形成するには至っていない。都心部地区の自動車量に一定の制限を課し、歩行者専用道路だけを整備するだけでは、片手落ちで同時に公共交通の再編と高度化、同地区の通過自動車交通を迂回させる複数の環状道路整備、郊外大型商業施設の立地規制などを包括メニューとして実施しないと効果が上がるどころか、負の面だけ浮き彫りとなり失敗に終わる。歩行者専用道路をネットワーク化し歩いても楽しい都市空間を現出させ、郊外地区には絶対に持ちえない魅力を高めるしかない。時間はかかるだろうが・・・。根本治療-歩行者専用道路ネットワークの形成・タウンマネージメント、体質改善-郊外大型商業施設の立地規制、対処療法-再開発・跡地利用の促進、集客施設の配置 になる。下記画像10は、コンパクトシティの本場欧州の特に成功している3か国の郊外開発に係る都市計画の諸制度一覧だ。原則制限されており、高いハードルをクリアした場合のみ例外的に認める姿勢を打ち出している。簡単な届け出だけで、無審査で認可される日本のそれとは大違いだ。『自由な経済活動の阻害要因に~』などの大義名分は公的利益の前では通用しない。『広島は自動車メーカーのマツダがあるのだから~』も同様で、ダイムラーベンツの本社があるドイツのシュトゥットガルトや同国でBMWのミュンヘン、ボルボがあるスウェーデンのヨーテボリでは公共交通移動を目指したコンパクトシティ建設に邁進している。それとこれは別儀だ。話を戻すが、日本の従来型の都市活性化策のみに頼るだけではなく、記事内で述べた根本治療、対処療法、体質改善などの緒策を整理して、着実に実行し短期で問題を解決するのではなく、中・長期的な観点で取り組むことが重要だ。どうせ、短期では解決するほど問題の根は浅くない。折角、時期を逃した感はあるが国の都市再生緊急整備地域に指定されたのだ。これを逃す手はないと思う次第だ。


像10 ドイツ、フランス、オランダの故鴎外発に係る諸制度一覧。


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