封入体筋炎患者闘病記

 封入体筋炎患者のヒロです。病歴は2019年で満11年、12年目に入りました。在宅勤務の仕事とリハビリの日々を送り、細やかながらも家族3人で暮らしています。ブログ記事は闘病記と広島地元ネタ、社会保障などの時事ネタ中心です。希少疾患の封入体筋炎の周知が目的です。関心があれば、ツイッターなどでご紹介していただければ幸いです。疾患関係で直コメントが苦手の方は、ツイッターのダイレクトメールを利用してください。封入体筋炎の闘病史は各進行段階の症状や生活障害、必要な社会保障制度等をまとめています。良ければ参考にしてください。最新の封入体筋炎の状況は『近況について色々と』、取り組んでいるリハビリについては『2019年春~夏 筋疾患(封入体筋炎)リハビリ』にて素人の体感目線で書いています。モバイル版で読みにくい場合は、PC版に転換してからお読みください。

2018年01月

前回記事 海外先進事例 チューリッヒ 

【考察その1】
地形的に非常に参考となるオランダの大都市群



画像1 
直径30~50㌔圏内に円形の環に沿って立地するオランダの環状都市群。これを一括りとして『ランドスタット』と呼ばれる

 今日からのシリーズではオランダの都市を紹介する。前回のチューリッヒもそうだが、紹介都市の市域人口は100万人未満の都市が多い。『市域人口約120万人の広島市の参考になるのか?』の疑問があって然るべきところだ。市域人口のみで都市規模を量るのは早計だ。西・東洋の都市を見ると東洋の都市のほうが市域面積が広い。市域人口よりも都市圏人口が都市規模を量る目安になる。海外都市の場合、情報量も少なく、正確なデータばかりではないが数万人の誤差は、シリーズ主旨の観点では大した問題ではない。欧州の都市の場合、地域のアイデンティティを重視する傾向が強く、安易な広域合併はしない。フランスのように法律にて禁止している国もある。フランスの例だと、広域都市圏の連合体組織の都市共同体(ウィキペディア)なるものがあり、権限と財源を持ち都市圏全体の整備にあたっている。広島で例えると、1.5%都市圏の自治体が所属して『都市圏全体の発展を考えましょう』的な組織となる。日本では類似の制度として政令指定都市があるが、少し異なる。県と市町の中間的な組織と言える。で、前回シリーズでも書いたが、欧米では公共交通を日本のように運賃収入だけで運営している国は1つもない。運賃収入の運営費に占めるカバー率は30~70%程度。差額は、国や自治体の補助となる。当然、採算ラインのハードルは日本の都市よりも下がり、BRTは人口5万人以上、LRTは人口10万人以上、フル規格地下鉄は人口50万人以上の都市が導入検討都市の目安となる。

 運賃収入の運営費に占めるカバー率がほぼ100%を求められる日本の場合、BRTとLRTは人口50万人以上、モノレール・AGTは人口100万人前後、フル規格地下鉄は3大都市圏の大都市と地方中枢都市以上が導入検討都市となる。この論理で、欧州都市の人口50万人程度でフル規格地下鉄を有しておらず、LRTやBRTのみで都市交通問題の解決を計った(図ろうとしている)都市事例は参考となる。オランダの場合、他の国とは異なる点も広島市の場合参考になる。その異なる点とは、オランダの国名はオランダ語でネーデルラント。これは『低地の国』『低地地方』を意味する国の表面積のおよそ半分が海抜1.0㍍未満。国土の1/4は堤防で守られたポルダーとよばれる海面下の干拓地。広島市も後背湿地帯と三角州、干拓・埋め立て地が市域の平野部の大半を占めており、共通点が多い。地下開発(鉄軌道系整備も含める)に難があり、コストが地盤が強固な内陸都市よりも高コストなのも似ている。欧州の都市基準でいうと、広島市は人口70~100万人弱程度の都市に該当する。オランダの都市で最も人口が多いのは憲法上の首都で、経済・金融センターのアムステルダムの73.1万人(2008年)、次いでユーロポートの工業と港湾機能を受け持つロッテルダムの59.3万人(2008年)、3番目は行政と国際機関など政治機能を担当するデン・ハーグの47.9万人(2008年)、最後はドイツなど内陸ヨーロッパの玄関口となるユトレヒトの25.4万人(2008年)。これがオランダの4大都市である。

 この4大都市は独自の地方都市圏も形成する。アムステルダム大都市圏(圏域人口約229万人)、ユトレヒト都市圏(ノース・ウィング・ユトレヒト 圏域人口約112万人)、ロッテルダム・ハーグ各都市圏(サウス・ウィング 圏域人口約370万人)である。これらの都市圏が直径30~50㌔圏内に円形の環に沿って連なっている。これを指して帽子の縁
(ふち)の都市(ランドスタット)と呼ばれる環状都市群を形成している(上記画像1参照)。都市群が帽子の縁ならば本体はグリーンハート(田園地帯)と呼び、開発緩衝(禁止)地帯として都市の拡散を防いでいる。ランドスタット4州12自治体にまたがり、面積は約5420㌔平方㍍と国土の約13%、710万人がその地に住み総人口の約45%を占めている。都市圏規模はEU圏で、ロンドン、パリ、ライン・ルール(ドイツ)、ミラノに次ぐ5番目の規模。GDPは国の約46%にも及び、都市のみならず非常にコンパクトな国土を構築している。

【考察その2】
国土の実情が色濃く出た自動車抑制策

 国の表面積のおよそ半分が海抜1.0㍍未満、1/4が海面下のオランダにとってCO排出による地球温暖化、海面上昇は国土が消えることを意
味して死活問題だ。都市の拡散-スプロール化(ウィキペディア)は、自動車移動利用の需要を伸張させるので国土政策で法的に抑えている。経済発展と開発の抑制-この矛盾する課題に取り組み続けてきた。他国ではあまり見られない自動車利用抑制策を取り上げる。

▼ABC(適材適所)立地施策-土地利用と交通需要双方のコントロールを図る施策
 国内の4大都市圏(アムステルダム、ロッテルダム、デン・ハーグ、ユトレヒト)に1990
 年代以降このシステムを導入した。地区・立地(業種)ごとの自動車利用抑制策である。市域
 内を以下の3パターンに区分けする

 A立地:公共交通の利便性が高い。
 ①中央駅への距離が1.2km未満 ②同駅への距離が1.8km未満で、バス停が300m以内
 ③同駅への距離が2km未満で、地下鉄駅などが300m以内 ④同駅への距離が1.4km未満
  で、トラムが300m以内 -のいずれかに該当
 B立地:公 共交通の利便性が比較的高くて自動車の利便性 もよい。
 ①鉄道駅か地下鉄駅などから800m以内 ②高速道路へのアクセスが2km以内、もしくは主要
 道路から500m以内 -の全てを満たす
 C立地:自動車の利便性がよい。
 高速道路へのアクセスが2km以内

 更にモビリティー(コトバンク)特性を決める指標を ①従業員密 度 ②来訪者密度 ③自動車
 の業務利用割合 ④ 貨物の搬出入
の条件から、11分類の事業所タイプごとに適切な立地先を指
 定。そして
これら地区ごとに駐車場比率設定を実施、自動車利用を抑制して公共交通利用を促す。

 1 低密度な工場 =C  2 農業関連企業
 C  3貿易関連企業 B 4運輸・通信関連企業
 C  5自動車依存度の高い業務オフィス
 B  6 高密度な工場B  7 自動車依存度の低い
 業務オフィス
A 8官公庁 A 9 社会サービスB 10 公共施設 A 11 医療施設 
 =

 【駐車場数設定】A地区ー従業員数×10~20% B地区ー従業員数×20~40% C地区
         ー制限なし。
 

画像2 東京とアムステルダムにおける月間降水量とその平均(2009 年)

▼積極的な自転車利用
 オランダをはじめとする北西ヨーロッパ諸国の自転車利用率が高い背景としては、まず、 地形が
 平坦である上に、年間を通して比較的温暖でかつ降水量も少ない(上記画像2参照)。地理的理
 由を挙げることができる。九州ほどの面積であるオランダは、その国土のほぼ全域が海抜 100
 ㍍以下である.しかも、その約 1/4は海面下であり、国内の 標高が最も高い地点でも 321
 ㍍ しかない。このように、国土が平坦なので、高温多湿で寒暖の差が大きく、雨量も多い日本よ
 りも自転車利用のリスクが少ない。現在オランダでは、自転車道が約 18,000㌔も整備されて
 おり、総道路延長の約 9%が自転車道であり、しかも,その約 1/4は自動車や歩行者等の他の
 交通手段から完全に区分された自転車専用道路や自転車専用車線である。

 【世界各都市における自転車交通分担率(トリップベース)】
 ユトレヒト(オランダ)33.0% アムステルダム(オランダ)30.0% コペンハーゲン
(デンマーク)30.1% ケンブリッジ(イギリス)29.0% ハーグ
(オランダ)25.0
 % 
大阪市24.6% ロッテルダム(オランダ)20.5% 福岡市17.2% 広島市16
 .4%
 ※日本の都市は政令指定都市のみ

 軒並み、オランダの4大都市が上位を占めている。この4市の自転車交通分担率は、公共交通分担率よりも高く、自動車に迫る勢いなのだ。世界的に環境問題への意識の高まりから、自転車利用の見直しが進んでいる。と言っても、自動車利用に迫るシェアまで獲得している都市は少数派だ。ロッテルダムの数字が低いのは、市街地が大河・マース川によって隔てられているため、ここを跨ぐ移動に自転車が利用されにくいことや、他の3市に比べ市街地の道路容量に余裕があり自動車利用が高いこと。公共交通の整備状況が良く、その利用率が高いことが理由に挙げられる。それでも他の欧州の都市よりもかなり高い。1930年頃に自転車道整備が開始され80年代の環境問題への意識の高まりにより、国策で自転車道整備に邁進してきた。交差点の改良や専用信号設置、それに伴う道路法の改正、自転車施策実現のための特別会計化。利用促進のための税制改正、自転車教育の徹底など。そして都心部地区の大量の駐輪場整備。この分担率を見る限り、オランダにおいては、『短・
距離移動-自転車・公共交通、長距離移動-自動車』になるのかも知れない。環境負荷が少ないという点では最も優れた移動手段ではある。

考察その3】
オランダの実質首都『国際都市 デン・ハーグ』の概要


画像3 オランダの実質首都 デン・ハーグのビネンホフ地区の様子(ユーチューブ画面撮影より)

 北海沿岸に位置するオランダ南ホラント州基礎自治体ヘメーンテ)であり、同州の州都。事実上のオランダの首都で、アムステルダムロッテルダムに次ぐオランダ第3の都市。スターテン・ヘネラールと称されるオランダ議会の議事堂が所在している。議事堂のほかに、王室の宮殿、中央官庁、各国の大使館などが置かれており、ほぼすべての首都機能を担う、国内政治の中心都市である。そのほかにも、国際司法裁判所旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷国際刑事裁判所等の重要な国際機関が複数置かれ、『平和と司法の街』とも呼ばれる。一般に首都とされているアムステルダムは、憲法において首都と規定され、かつ王宮も存在する(ただし実質的には離宮)ものの、歴史的に首都機能はデン・ハーグが担ってきている。市域人口は、
47.9万人(2008年)。デン・ハーグ都市圏人口99.8万人。サウス・ウィングとして見た場合は、圏域人口約370万人。ランドスタットの括りだと約710万人圏域となる。EU圏5大都市圏の1つで、その中核を受け持つ都市の1つである。次回はそのデン・ハーグの都市交通について考える。 


動画1 
Welcome to the Hague

続く。


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前回関連記事 広島の都市問題 ヒルトン広島進出
カテゴリー記事 広島の都市問題 都心部活性化

 またと言っては語弊があるが、ホテル建設の計画が持ち上がっている。場所は広島市内都心部の東亜地所本社跡地だ。鯉城通りと平和大通りが交差する立地でありながら、有効活用されているとは言い難かった。真向いのNHK放送センターや斜め前のANAクラウンプラザホテルとつい比較して、『あの角地は何とかならないものか?』と思ったりもした。ようやく、この地に相応しい活用法が動き始めた。そんな記事が掲載されていたので、取り上げたい。

……………………………………………………………………………………………………………
▽今日の議題 1月20日中国新聞8面より引用
広島中心部に新ホテル
東亜地所本社跡地 3社共同 20年予定


画像1 1月20日中国新聞8面より(ブログ画像からは読めません)

【記事概要】
▼広島市中区の本社を置く不動産の東亜地所が本社跡地のビルを解体して、跡地に同業の『いちご』(東京都千代田区)と総合建設業『ゲンバカンリシステムズ』(広島市中区)との共同でホテル

 業を展開することとなった
▼東亜地所の自社ビルを解体して、隣接地も合わせて約830平方㍍の敷地に15階建て前後のビ
 ルで、約220室を設ける方針
▼土地は東亜地所とゲンバカンリシステムズ、ホテルはいちごの子会社、いちご地所の所有とな
 る。ホテルの運営は他の事業者が運営する。ホテル名は明らかにされていないが、東京の事業
 者で10件のホテル運営を手掛けているという 
▼東亜地所によると、建設予定地は1972年から本社を置いていたが、建物の老朽化を理由に昨年
 12月に中区中町に移転した。跡地の高度利用を検討していたが、好立地を武器にホテル建設を決
 めたとのこと。完成は2020年春の開業を予定している。


……………………………………………………………………………………………………………
【考察その1】
 過熱化する広島ホテル大戦争


画像2 広島市中区大手町 白神社交差点にある東亜地所本社跡地(アンドビルド広島より)

-1⃣ 広島ホテル戦争 百花繚乱状態
▽【広島駅周辺・京橋地区】
 ◎『アパホテル広島駅前大橋』(727室 2016年10月開業)
 ◎『ダイワロイネットホテル』(約200室 2019年3月開業予定)
 ◎
GAパートナーズ主導のホテル建設計画(250室 2020年春開業予定)
 ▽【八丁堀地区】
 『カンデオホテルズ広島八丁堀』(183室、2018年2月開業予定)
 ◎『ホテルビスタ広島』(228室、2018年夏開業予定)
 ◎『(仮称)広島サンケイビル建て替えプロジェクト』(2019年春開業予定)
 
▽【紙屋町・大手町地区・その他】
 ◎『くれたけイン広島大手町』(2019年春開業予定)
 ◎『ヒルトンホテル』(広島東署跡地一帯? 2020年頃)
 ◎『サンモールを中心とした一体開発』2024年頃?

 ◎『東亜地所本社跡地』(220室程度、2020年春開業)
⇦NEW!!

-2⃣ 地方中枢4都市のホテル施設数と国際会議数(2016年度)
 出典 2017年12月10日中国新聞記事より
◎札幌市-180施設(2万6,105室) 115件
◎仙台市-131施設(1万4,005室) 115件
◎広島市-083施設(1万1,252室) 076件 ホテル稼働率84.2%
◎福岡市-174施設(2万3,834室) 383件


 今回の東亜地所本社跡地のホテル建設は無論のこと、現在浮上している各計画分では一部で懸念されている供給過剰は無いと考える。-2⃣の指標がその論拠となるが、浮上している計画の合計客室数は2,000室強程度。インバウンドの2020年頃までの需要を加味すると、完成後も稼働率の大幅減はないと踏む。完成後も70%前後は確保出来るだろう。指標-2⃣の稼働率は客室稼働率だと思うが、黒字経営の稼働率は運営する事業者の内容により変わってくる。土地、建物所有で運営している事業者と運営のみの事業者でも違うだろうし、土地、建物所有で運営している事業者でも、既に初期(イニシャル)コストの償却が終わったかどうかでも変わってくる。おおよその目安として、50~60%の客室稼働率が採算ラインになるようだ。札幌や福岡ほどの需要はないが、仙台程度の供給はあって然るべきだ。バブル経済崩壊後、特に中央資本の投資先として広島市は敬遠されてきた。投資先の魅力に乏しいと言われればそれまでだが、近年、日銀の金融施策の後押しもあり有力な投資先になりつつある。官主導の公共事業はあくまでも、民需誘導の先行投資の側面がある。官が率先して身銭を切り動き、それに触発された民が後に続く。都市の需要に沿ったものであれば、一度好循環が生まれるとしばらくは継続する。昨今の公共事業は、必ずしもこの法則通りに動かないのが悩みの種だが、官よりも民がその(インバウンド中心の)需要高騰に反応している点が、広島の都市経済力の力強さとして感じる次第だ。
 
 
非常に残念なのは、ご多聞に漏れず、郊外大型商業施設に押され都心部商業施設の新規投資が少ないことだ。こればかりはその都市施策に係る部分で、半強制的な拘束力を持った法律の施行でもない限り、根本的な改善は難しい。ブログ主の個人的な意見だが、都心部の求心力回復は商業機能の回復-買い物の需要の都心回帰なくして語れないと考える。居住者の都心回帰現象が現れていく久しいが、それに反比例して、買い物需要の郊外流出が進んだ。大店立地法(ウィキペディア)施行によるものだが、広島都市圏では、2004年のイオンモール広島府中開業以降、ゆめタウンとの仁義なきバトルが繰り広げられている。ここ数年の新しい流れとしては、従来型店舗ではなくテーマパーク要素も盛り込んだアウトレットモールタイプに切り替え、移り気な消費者の歓心を引こうと懸命になっている。その存在は否定しないが、より多くの選択肢を提供する段階を超えて、地域間バランスを壊している。怒涛の出店攻勢に対抗手段を打てなかった都心部地区の否も大きいが、法にて容認している時点で仕方がない面がある。この都心部地区の商業機能の低下は、全国共通した傾向だ。伝統的なアーケード街はシャッター街と化し、駅前百貨店は撤退を余儀なくされ、テナントビルは空き室が目立ち始め、コインパークばかり増え虫食い状態。広島市はまだ市域・都市圏人口も多いので深刻化してはいないが、中核都市以下では都心部地区の空洞化は看過出来ない都市問題となっている。

 時期を逸した感が強いが、欧州の都市のようにそろそろ郊外大型商業施設の規制を本格検討する段階ではなかろうか?静岡市のような条例にて、各地区の商業施設面積の設定も有効な手段だが現行法の大店立地法の簡単な届け出だけでほぼ無審査な状況を改め、厳格化にするだけでも大きな効果が得られるだろう。その出店する自治体の戦略に沿わなければ認可しなければいいだけの話だ。単独での実施では効果が限定されるので、国単位での法改正が望ましい。国土交通省は、集約型都市構造
(国土交通省HP)への転換を謡いながら、都心部の求心力低下の原因となったものは排除していない。都市計画を市場原理主義だけに任せた場合、秩序も法もあったものではなくなり歪な都市構造になり果てる。事業者は赤字になれば、撤退するだけで済むが後始末するほうは大変だ。行政が定めた一定の枠組みの中で、民需を上手く誘導する手立てを講じ、都心部地区の求心力の回復を図る、これがベストだろう。欧州の都市はイギリスを除き、地方・中央関係なく元気だ。それに比べて日本の地方都市はというと・・・である。その原因は、集約都市-向うでいうところのコンパクトシティの都市構造か否か、が最大の原因と考える。どちらが正しい選択かは、地方都市の都心部地区を見れば自ずと出ている。それっはもう議論の余地はない。集約都市と聞いて、人口規模の指摘や『タコが自分の手足を食べるようなもの』と揶揄する向きもある。人口や都市規模を指してのそれではなく、都市構造の在り方をどうするのかの議論で指摘は的外れだ。『タコが自分の手足を食べるようなもの』については、縮小再生産の繰り返しでジリ貧局面になるだけとの意味だろう。その危険性は確かにあるが、根本を変えるには少子化の流れを完全に堰き止め、多産化に舵を切り直さないと出来ない相談だ。少子・超高齢化・人口減時代を前提として如何にして持続的な都市の成長を目指すのか?これを主眼に置いた都市戦略なので、集約都市構造への転換しか手段はなかろうと思う。


画像3 新ホテル建設地から徒歩数分圏内には平和記念公園がある(広島市HPより) いつも思うが広島商工会議所と某教団ビルが・・・(笑)

【考察その2】
将来性がある(かも知れない)平和大通りの未来


画像4 画像1拡大画像 新ホテル建設予定地

【考察その1】では話が脱線したので戻す。東亜地所本社跡地は上記画像4をご覧になると分かると思うが、
広島県主導で誘致活動をしているヒルトンホテルが進出する予定地の広島東署跡地一帯の富士見町よりは、好立地だ。斜め前にはインバウンド需要の最大の集客施設の平和記念公園があり、都心部地区のほぼ中央。公共交通の広電市内軌道線の宇品線沿線で3つの系統が走る。アストラムの都心起点駅の本通駅からも徒歩圏内、バス路線も鯉城通りなので集中する。何よりも平和大通り沿線であることが将来性を感じる。かなり先の話だが、2030年代後半にはアストラム都心線もしくは、広電平和大通り線の何れかが開通する見込みだ。どちらもルートは、西広島駅-白神社間だ。私個人の見解だと、アストラム都心線は形だけの検討はするが、結局建設断念、代替え案として緑大橋などの建て替え問題で棚上げされている広電平和大通り線が浮上すると考える。平和公園周辺の架線などで、平和団体が過去に反対していたが、電停集電方式の架線レス軌道にすれば問題は解決する。

 道路幅員100㍍の平和大通りだが、中央公園同様に有効活用されているとは言い難い。目につく活用法はGW期間中のフラワーフェスティバル、優勝パレードとひろしま朝市(公式HP)ぐらいだ。にぎわい性創出には、ほど遠く貴重な都心部空間の空白エリアになっている。京橋川や元安川など、河岸緑地帯でのオープンカフェなどの賑わい性創出には積極的な広島市だが、道路でのにぎわい性創出には消極的な印象を受ける。実は1998~99年にかけてオープンカフェの社会実験が、平和大通りで実施された。98年は試行的な要素が強かったが、99年の実験は2か月に及ぶ本格的なもので約1.9万人の来店があった。アンケートでは高評価が89%、継続希望が91%と評価は上々だった。本格導入に至らなかったのは、道路に面した店舗の厨房を使うのではなく、敷地内に仮設の厨房を設置。夏季限定の営業では採算が取れないこと。近隣同業者からの苦情が殺到した。当時の県警の理解が深まらなかったことが挙げられる。その後、道を活用した地域活動の円滑化のためのガイドライン(国土交通省HP)が定められ、環境の変化があった。しかし、当時のことがトラウマとなったのかは定かではないが、全く音沙汰がない。【考察その1】でも論じたが、都心部地区の求心力回復は郊外大型商業施設の立地規制と都心部の公的空間を最大限活用したにぎわい性創出、そして歩行環境の大改善の3点セットなくして覚束ないと考える。市と県は都心部地区活性化の方策づくりに
共同であたっている。 ~ひろしま都心活性化プラン~(広島市HP) このプランは具体性に乏しく総花的なプランではあるが、あるべき方向性を示している。いずれ、公的な空間に乏しい相生・鯉城通りよりも平和大通りに比重を移したにぎわい性創出策を打ち出すものと期待している。


画像5 地域の特性をテーマとして、都心を6つのゾーン に区分したゾーンごとの将来イメージ(広島市HPより)

 広島市が検討中のピースツーリズムのルート設定でも平和大通りが基軸となっている。国内都市広島の視点では、相生・鯉城通りが今後も都市経済を支える中心となるだろうが、国際平和都市ヒロシマに可変すると、『ピースストリート』(ブログ主造語)こと平和大通りが第一都心軸になる。広島に限らず、日本全体が21世紀に入り人口減時代に突入した。都市部ではまだ顕著となっていないが15~20年後の203~40年代に入ると、地方大都市部でも人口減と超高齢化局面に入る。それを見越して、国内の殆どの都市が定住人口拡大から、定住人口確保と交流人口拡大策に舵を切っている。要は、市域外からの入込人口を大幅に増やし、消費活動を活発にしてもらう。これが肝となる。その実現には、観光資源であったり集客装置となり得るスポーツコンテンツの存在が不可欠となる。その方法論の1つが集客都市構造への転換-管理しやすく強い都心の復活-となる。【考察その2】で論じた都市経済活性化の論法だと将来、平和大通りは都市経済活性化軸になり得る可能性を秘めている。インバウンド需要が高騰している今こそ、転換の好機だ。その意味合いで、インバウンド需要を恒久的に取り込むインフラとしてホテルは一定数必要だ。今日、取り上げた東亜地所本社跡地のホテル建設は的を得たタイムリーなものではなかろうか?平和大通りの実情は、多目的利用に向いているとは言い難く、課題も多い。 ~『平和大通りリニューアル事業』基本方針~(広島市HP) 広島市内の都心部の建物は築30年以上のものが全体の約59%を占める(下記画像5参照)。今後10~20年の間にスクラップアンドビルドが進むと予測する。条件付きの容積率緩和も検討されている。平和大通り沿線もその対象なので、期待大だ。将来の広島を担う平和大通りの今後に注視していきたい。


画像5 広島都心部地区における建物の築年数比率(広島市HPより)


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シリーズ記事 海外都市先進事例 チューリッヒ 

【考察その6】
『欧州の都市で最も公共交通が利用される都市チューリッヒ』のトラム(路面電車)、バス輸送改善
ハード・ソフト改良編

画像1 チューリッヒ中央駅ターミナルに停車中の14系統トラム(ユーチューブ画面撮影より)

 チューリッヒは
長距離-Sバーン(都市近距離鉄道)、中距離-近代化され改良されたトラム、短距離-近代化され改良されたトラムとバス』の三層交通ネットワーク構築を目指した公共交通施策を1974年、市交通計画の改訂に反映させた。1985年までには、立案された公共交通優先施策はほぼ全て導入された。この考察では、個々の公共交通優先策について触れたい。

▼ 道路インフラの改良と交通規制の7大施策

  道路容量を犠牲にした島式電停の多用
  都心部では、両方向の 電停を設置するだけの十分な道路幅員がないケースが多いため、片方向
  だけを島式とする方式が多くの箇所で採用されている。

  トラムと平行する車線の左折禁止(スイスは右側通行)、横断、Uターン規制
  日本では右折禁止規制に該当する。左折車両とトラムとの交錯を減らすことによっ て、トラム
  のスムーズな走行を確保するため。左折禁止の標識設置や芝生軌道化を進め、軌道横断やUタ
  ーンを規制している箇所も多い。

 3 公共車両(トラム・バス)を優先するための一般車両道路の車線削減
  全ての区間ではないが、一般車両道路の削減が実施されている。トラムおよびバスの停留所の
  前後は、片側2車線(両側4車線)にもかかわらず、停留所の箇所は車線を削減し、片側1車
  線(両側2車線)にして、トラムやバスと一般車両とが同時に並行走行出来ないようにしてい
  る。トラムあるいはバスが停留所に接近すると、一般車両に対しては赤信号が出され、公共車
  両通行の優先権を与えている。これは沿線住民の安全、騒音対策も含んでいる。

  都心部一部道路の一方通行化
  幅が狭い都心部道路の一方通行化やトランジットモール化は欧州の都市では多々見られる。チ
  ューリッヒのそれは、広幅員道路で実施している点が異彩を放っている。他の施策とは異なり
  市民生活に与える影響も大きいので数度、住民投票で民意を問われた。1987年は否決。1
  999年及び2002年は、賛成が上回り導入となった。その結果、導入区間のトラムの各系
  統の所要時間が3分短縮した。

  路面軌道の準専用化
  これはチューリッヒだけのオリジナルではないが、道路の橋に軌道を寄せる-サイドリザベー
  ション化や中央走行でも軌道部分のかさ上げによるセンターリザベーション化などが随所に採
  用されている。新規開業都市や新線建設、路線移設では多々見られる例だが、
チューリッヒの
  場合、既存区間をそのまま準専用軌道化している点が特筆される。
 
 6 徹底した歩行者優先施策の採用
  歩行者滞留スペースを多く取る代わりに横断歩道部の車線を減少させ、横断距離を短縮させた
  り、市内の広幅員道路の電停の大半を二段渡しの横断歩道に改良した。これは、サイクル長の
  短縮を通じて、公共交通車両の待ち時間の軽減にも寄与している。同時に市内居住地区で交通
  静穏化施策が導入され、車両流入を規制することにより、歩行者の歩行環境を改善している。

 7 市中心部の駐車規制
  1970年には61,200台分あったスペースを、1980年に51,500台、さらに199
  9年には48,267台にまで削減した。そして現在は30,000万台にまでになっている。駐
  車料金も政策的に割高になっており、閑散としていることが多い。


▼公共交通優先の交通信号制御
 1 世界最先端の公共交通優先信号(設置当時)
  高度に効果的な公共交通の供給を維持するために公共交通を優先させる新しいソフトウエア(
  公共車両優先信号)が1975年開発され、1982年より本格導入に至った。開発と設置コ
  ストは当時のフル規格地下鉄500㍍建設程度(100億円未満)と試算された。当時はトロ
  リーコンタクター式の電車優先信号が主流だった。
チューリッヒで開発されたシステムは、現
  在の主流のPTPS(公共車利用優先システム)の雛形になっている。SESAMシステムと
  呼ばれるものだが、市内の主要な約 400の交差点の各車線の地中には、約3,000の感知器
  が設置されている(カバー率90%以上)。トラムや各バスには車載装置が搭載され感知器で
  得た通行車両のデータが中央情報センターに送られる。このデータをもとに、中央情報センター
  の大型計算機は、各交差点の通過車両数と速度を推定し、次いでこれらの推定値をもとに、オ
  ペレーターのプログラムに沿ってリアルタイムで交差点のサイクル長やフェ ーズを調整する。

 2 個別交差点の信号のリアルタイム制御、ミクロセル制御-4~8交差点分の信号のグループ、
   マクロセル制御-市内7ゾーングループ による三層制御

  ●個別交差点の信号のリアルタイム制御-各交差点に設置され感知器の情報に基づいて、動的
  に行われる。同時に交差点が所属するミクロセルの近隣信号についても、車両がスム ーズに
  走行できるよう同時に制御される。対象交差点を取り巻く交通環境が変化する度に、感知器の
  情報をもとに当該交差点の全方向の渋滞長データが、一定時間にわたり収集され、このデータ
  に基づき、青信号サイ クル1回あたりの期待待ち車両群がさばける信号サイクルに変更され
  る。
  ●ミクロセル制御-系統的な制御は行われない。ミクロセル間の道路は、異なるミクロセル間
  の緩衝帯あるいは滞留スペースとしての機能が持たされている。
  ●
マクロセル制御-郊外と市内とを結ぶ約20カ所の道路においては、市内流入方向の交通に
  対して青信号時間の短縮化で、実質的な自動車の流入規制が課されている。

以上のハード、ソフト両面の施策の着実な実行により、旅行速度16.42km/hを達成してトラムからLRT昇華に成功した。路線㌔数が100㌔超の旧型トラム都市で、この速度の達成は容易ではない。欧州LRTのイメージはフランスのストラスブールに代表されるような、都心部はトランジットモール、郊外はグリーンベルトまがいの広々としたサイドリザベーション、高規格化された電停、そして洗練されたデザインの100%超低床車両が疾走しているイメージが強い。間違いではないが、これは高速走行前提の新規開業都市での話。
旧型トラム都市では、旧市街地の狭隘な道路に軌道を施設してまともな電停はおろか、軌道敷内自動車走行可となっているところもある。そこまでいかなくとも軌道、車道、歩道が分離されていない区間も多い。速度向上を阻む障害が多いのだ。チューリッヒもそんな走行環境の都市の1つにしか過ぎなかった。欧州の都市では、モータリーゼーションの波をかいくぐり、路線㌔数が100㌔超の旧型トラム都市が数多く残っている。トラムからLRTへの昇華を標榜しながらも、脱皮出来ず苦しんでいる都市もまた多い。そんな中、LRTへの昇華を見事に成功したチューリッヒは、路面公共交通の模範生と言える。次の考察では、使いやすい制度について触れる。


画像2 トランジットモール区間のBahnhofstrasseを走る11系統トラム
(ユーチューブ画面撮影より)

【考察その7】
『欧州の都市で最も公共交通が利用される都市チューリッヒ』のトラム(路面電車)、バス輸送改善
使いやすい制度編

画像3 郊外新設区間を疾走する8系統トラム(公式HPより)

 1987年、チューリヒ市議会は「ブルーペーパー」で以下の5つの都市交通政策の主要目標を提起した  。 ①公共交通整備の促進  ⓶自動車交通量の縮小  ③住居地域での交通を制限すること  ④通勤者のための駐車場の縮小する ⑤自転車や徒歩による環境に優しい移動の保証  こうした目標のもとに、90年代以降公共交通システムの改善や交通規制がより具体的に展開された。1988年にはチューリヒ州の住民投票により公共交通法が成立し、1990年5月には、広域運輸連合として ZVV(チューリッヒ運輸連合)が設置された。ZVVは、チューリッヒ州、ヴィンタートゥー ル州、チューリッヒ州内の171の自治体およ び周辺の14の自治体内を運行する39の公共交通事業者 をカバーする組織である。運輸連合とは、日本では聞き慣れない言葉だが地域内にある鉄道やバスなどの交通事業者が連合体を形成して、地域内の公共交通を一元的に管理・運営する組織のことだ。ゾーン制運賃制度(雷都レールとちぎ)を採用して、安価な料金設定とし自動車移動から公共交通移動へシフトさせる狙いがある。1965年、ハンブルグにて世界初の運輸連合が誕生して、ドイツ語圏の国々では殆どの地域で採用されている。交通事業の独立採算が大前提の日本では信じられないが、ZVV(チューリッヒ運輸連合)の運営費用の運賃収入カバー率は約52%(2000年)、残りの約48%は公的補助で賄われている。
画像4 ゾーン運賃制の仕組み(広島市HPより)

 日本であれば、大赤字で世間から批判の雨嵐に晒されるところだが、欧米の都市交通は学校や図書館など同様に公益性の高さを鑑み、赤字分は公的補助で賄うのは当然だという考えが根幹にある。交通権が確立しており、その
公的権利の保障の意味合いもある。大雑把な比較となるが、国別の都市交通事業の運賃カバー率は、フランス-約32%、アメリカ-約33.5%、ドイツ-約71%、日本-約93%で、日本以外の国の補填は公的補助、日本は事業者の他部門(不動産、広告など)による補填となる。日本の都市では、人口50万人以上の中核都市以上がLRTやBRTの導入検討都市となるが、運営費の7割近くを公的補助で賄うフランスでは、人口10万人規模の都市がその対象となるのもこのせいだ。話を戻す。ZVVでは、マーケティングについても対象地域内の交通サービスに関する顧客満足度調査を定期的に実施することによって、各事業者のサービスレベルを評価。評価結果に応じて、各事業者に対して交通サー ビスの改善を求めたり、それを事業者との契約や運賃設定に反映させている。ZVVの年間輸送人員は約6億人、1日平均換算だと約164.4万人/日の利用がある。 ~ ZVV-チューリッヒ運輸連合~(公式HP) 1990年に37の交通事業者でスタートしたが、2018年現在、50事業者まで拡大した。次はZVVの中核をなすVBZ-チューリッヒ市交通局について触れる。 

画像5 チューリッヒの13のトラムの路線図(ウィキペディアより)

【考察その8】 
VBZの概要とチューリッヒの都市交通施策の妥当 

 
VBZ-チューリッヒ市交通局(公式HP)チューリッヒ市交通局の略で、13のトラム路線と54本のバス路線、6本のトロリーバスからなる公共交通ネットワークが形成され、7~12分間隔で午前5時半から午前0時半まで運行されている。トラム路線-路線㌔延長118.7㌔(2013年 下記画像4参照)、バス-営業㌔延長120.6㌔(2005年)、トロリーバス(架線バス)-営業㌔延長53.8㌔(2011年)などを中心に運行している(ウィキペディアなどより)2004年のVBZの利用者数は年間2億8,900万人-1日平均79.2万人。内訳は、トラム(路面電車)-1日平均53.9万人、バス-1日平均10.5万人、トロリーバス(架線バス)-1日平均14.7万人となっている。市域人口が37.6万人(都市圏人口約200万人)で、この公共交通利用者数は異例中の異例だ。市域人口が約3.2倍(120万人弱)の広島市でさえ、市内の公共交通利用者数は55.6万人(2012年)。チューリッヒ市民への公共交通依存度の高さを窺わせる。ここで面白い指標を並べてみる。

-1⃣ 各都市モーダル・スプリット(交通機関分担比率)単位%
出典 ドイツと日本の都市における旅客輸送に関する交通機関選択の比較より
▼日本の都市
 ◎3大都市圏      徒歩   二輪車    公共交通   自動車
 人口100万人以上   27   18     31     23
 人口50~100万人  23   18     28     30
 人口30~50万人   24   16     21     39

 ◎地方都市圏      
徒歩   二輪車    公共交通   自動車
 人口100万人以上   29   12     16     42
 人口50~100万人  24   19     11     47
 人口30~50万人   24   19     08     49

 
▼欧州の都市交通先進国の都市 
 ◎人口100万人以上  徒歩   二輪車    公共交通   自動車
  ミュウヘン※注1    24   15     25     36
  ハンブルグ
注1    22   12     21     45
 ◎人口
50~100万人 徒歩   二輪車    公共交通   自動車
  ブレーメン
注2    21   22     17     40
  ハノーバー
注3    23   16     22     39
 ◎人口30~50万人  徒歩   二輪車    公共交通   自動車
  フライブルグ
注2     24   18     17     41
  チューリッヒ
※注2   28   07     37     28
 ※注1フル規格地下鉄が複数あり 注2路面走行式のLRTのみ 注3地下式LRT(シュタッ
   トバーン)あり

チューリッヒの公共交通の利用率の高さが-1⃣の指標からもお分かりだろう。日本の3大都市圏の人口100万人都市クラスよりも高く、地方都市圏に至っては比較すら憚られる水準だ。日本の同規模の都市も遥かに公共交通網が整備されているドイツの諸都市よりも、公共交通利用が高い水準にある。反面教師として、取り上げたいのはハンブルグだ。ハンブルグは、羅列したドイツの都市で唯一、路面・地下式LRTが走っていない。モータリーゼーションの最中にトラムを、ドイツでは珍しく全廃して、フル規格地下鉄とバス中心の都市交通施策に切り替えた。人口170万人を超えるドイツ第2の都市でありながら、人口規模が小さい都市よりも自動車への依存率が高い。これはフル規格地下鉄建設だけでは、都市交通問題は全て解決しないことを示唆している。都市規模こそ違えど、チューリッヒの需要に応じた階層化された公共交通整備の方向性が正しかったと言えるだろう。これだけ公共交通の利用率が高く、自動車に依存しない都市を作り上げた。欧州各都市はチューリッヒを模範にしているとの事だ。広島市もフル規格地下鉄やAGT地下線(アストラム都心線)を反対や、財政難などの理由から建設期を完全に逸してしまった。直近の市の計画である ~公共交通体系づくりの基本計画~(広島市HP)では
AGT地下線(アストラム都心線)を形式上残しながらも、既存の都市交通インフラ(路面電車、バス)を活用、高度化した都市交通施策に転換した。交通機関の特性に応じた階層ネットワークの構築など、現実に促した政策の印象が強い。広島市が人口減時代に入っても、持続的な成長可能な都市交通施策のヒントが、チューリッヒにふんだんにあると言える。

【考察その8】

広島市が参考とするべき点-短い電停間隔のトラム(路面電車)の速度向上と都心部、デルタの自動車交通量削減

http://livedoor.blogimg.jp/zono421128/imgs/7/0/706ebca7.jpg
画像6 昨年12月の広島市議会本会議にて、広島市は広島駅-紙屋町間の電停の統合検討を表明した 

-2⃣ 平均電停間隔距離と旅行速度
                   平均電停間隔距離    旅行速度
広島の路面電車(広電市内軌道線)   約306㍍間隔    9.00km/h
チューリッヒのトラム         約350㍍間隔   16.42km/h

新規LRT開業都市          約500㍍以上   18~25km/h

 一般論となるが、駅や電停間隔が長いほど表定(旅行)速度は向上する。逆に短いと高速運転に入る前に次の電停が迫り速度は上げられない。永遠にこれの繰り返しで、当然、旅行速度は低い水準となる。路面電車(トラム)の欠点の1つに短い電停間隔があり、新規LRT開業都市では、500㍍以上がおおよその設置目安となっている。広島市に限らず、併用軌道中心の国内路面電車の平均電停間隔は、おおよそ300㍍台、旅行速度は12~14km/h程度。広島市の旅行速度の差は、利用者数、系統、本数多いこと。大ボトルネックの紙屋町交差点。そして、都心部及びデルタ内周辺の自動車交通量の違いがその原因だ。ややもすると、広電のこれまでの怠慢が批判されるが、ハンディキャップマッチともいえる軌道法運転規則の縛りや走行環境は、広電の自助努力の範囲外で思わず同情する。話を戻すと、チューリッヒのトラムの約350㍍間隔での旅行速度-16.42km/hは大いに参考になる。【考察その6】の一般車道の削減で、電停拡幅による車線潰しや相生、鯉城通りの歩道拡幅で道路容量の削減が図れる。一方通行の導入も賛否が大きく分かれそうだが、効果的だ。要は、(自動車が)容量の削減で、都心部道路が使いにくいものに、徐々に変えていくのだ。都心部及びデルタ近隣の自動車交通量全体を減らす方向に誘導する。乗り入れ規制よりは現実的で、反発は食らわないだろう。

 チューリッヒの交通信号制御で感嘆したのは、【考察その6】のマクロセル制御で、郊外からの流入自動車交通量を青信号時間を短縮化で、実質的な流入規制している点だ。これを実現するには路面電車のみならず、主要道路を全てPTPS(公共車両優先信号)化する必要がある。コスト面では、一般道の環状道路整備よりも遥かに安価で、中央センターでの管理も容易だ。PTPS(公共車両優先信号)導入の基本インフラとなる光ビーコン施設は、都心部及びデルタ内の主要道路でほぼ完了している。後は信号設置とバス・路面電車の車載装置搭載だけだ。都心部道路を使いにくいものにして、PTPS(公共車両優先信号)でデルタ外の流入自動車を少しだけ制限をする。この実施だけでも、旅行速度の2割以上の向上が果たせるような気がする。しかも、電停統合なしでだ。私個人の見解だが、現在の広電市内軌道の電停数は57だ。実際には、40ぐらいで十分と考える。これだと平均電停間隔距離は約475㍍間隔となり、ほぼLRT基準となる。これでもLRTへの昇華は不十分で、信用乗車方式の採用、本・宇品線負荷の軽減、低性能の他都市譲渡車両の駆逐、軌道の簡易センターリザベーション化、軌道法運転規則の特認などLRT昇華メニューを全てやりきって、ようやく旅行速度15.0km/hが達成可能と考える。技術・コスト両面では何の問題もない。別に一気にする必要もないし、2030年ぐらいまでにほぼ終われば、と思う。問題は、公(おおやけ)と私(わたくし)の境界線が曖昧で、拡大解釈がまかり通る日本で、公的交通(路面電車、バス)の優先権を確立して私的交通(自動車)を制限できるのか?、これが最大の壁となりそうだ。


終わり


参考文献:スイス・チューリッヒにおける公共交通優先型都市交通政策  加藤浩徳
    :ヨーロッパにおける都市交通戦略への視点 諫山正


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前回記事 海外都市先進事例 チューリッヒ 1

考察その4
国際金融都市チューリッヒの都市交通施策の変遷 1
2度も否決された地下鉄案


画像1 チューリッヒ都心部のトランジットモール区間の様子。人通りが絶えず都心部地区の賑わい性は日本の地方都市とは比較にならない(ユーチューブ画面撮影より)

▼1950年代の
Tiefbahnプラ ン(トラムの部分地下化)
 チューリッヒ市で、都市交通問題が 顕著になり出したのは、人口増加と経済成長がモータリ ゼーションと相まって始まった1950年代と言われる.当時『チューリッヒで幹線道路を走ったり駐車場を見つけたりするのは、らくだを針の穴に通すより難しい』と揶揄されていた。公共交通整備に関しては、1950年代にTiefbahnプラ ンという計画が、チューリッヒの公共交通事業者から提示された.このプランは、トラム(路面電車)の速度向上と自家用車に道路スペースを提供することを目的として、都心部において、既存のトラムの路線を地下に入れようとするものだった。旧西ドイツのシュタットバーン(地下式LRT)やベルギーのフル規格地下鉄への移行前提の過渡的処置―プレメトロ化と同様の計画思想をもったものだった。道路使用の最優先権は自動車に譲り、退場を強いられた
トラムを地下の専用空間に移設して再生を計る、である。この計画は1962当時でも、543.7百万スイスフ ランが必要とされ連邦法の規定に従い、住民投票にかけられた。1962年4月にトラムの地下移設に関する住民投票が実施された。約72%という高い関心の元、行われた結果市民の選択は、61.1%の反対だった。当時計画された高速道路計画に対しても強いアレルギーを示しており、関係者や専門家に衝撃を与えた。
 
▼1960年代の『U(フル規格地下鉄)/Sバーン(近距離鉄道地下化)プラン』
 投票結果を受け、チューリッヒ市は、都市計画の専門家を特別に雇い入れ、新たな計画の策定に乗り出した。1960~70年代にかけてのチューリッヒは、ヨーロッパの金融都市として急速な経済発展を続けていた。欧州を代表する世界都市を目指すのか、それとも市民の生活に根差した質的向上を目指すのか、の二者択一に悩まされていた。前計画の失敗は、既存のトラム路線を単純に地下に移そうとしたからだと断定。そこで、チューリッヒは、都心部の幹線道路を走るトラムの代わりにUバーン(フル規格地下鉄)を整備するという計画を提案。同時に、スイス国鉄(SSB)は、チューリッヒの近距離鉄道(Sバーン)を、チューリッヒの都心部に引き入れようとする計画を持っていた。両者の考えが結合され、長距離はSバーン、中距離はUバーン、短距離はトラムやバスという三層交通ネットワークを念頭に置いたU/Sバーンプランを代替え案としてまとめた。この案は、業界や政府関係者の多くが賛成し、1972年の世論調査では大多数の有権者がこのプロジェクトに賛同していたとの結果が出ていた。前回の住民投票から約10年後の1973年5月、このプランの賛否を住民投票が実施された。案に相違して、反対票57%の結果によりこの案は否決された。投票前に社会民主党や労働組合などの左翼勢力がネガティブキャンペーンを張ったことも災いしたが、住民の開発による都市環境の悪化、多額の建設コスト、道路中心の都市交通施策に対する反発なども否決の背景にあった。そしてチューリッヒは、再度の仕切り直しを迫られることとなった。郊外の先行掘削区間は、1986年トラム専用軌道区間として転用された。

【考察その5】
国際金融都市チューリッヒの都市交通施策の変遷 2
21世紀の持続的な都市の成長戦略を先取りしたチューリッヒの都市交通政策の大転換


動画1 Köln U-Bahn - 9th November, 2011(ユーチューブ動画より) ドイツ第4の都市ケルンのシュタットバーンの様子。1968年よりトラム(路面電車)路線の地下(路下)化を順次進め、シュタットバーン(地下式LRT)化した。路線㌔数は、196.0㌔、15路線、1日平均利用者は約57万人を誇る。最近では地下式LRTは、コスト高や都心部のにぎわい性の向上に貢献しない理由などから敬遠されている。チューリッヒでは、1962年の住民投票でトラム地下移設案は否決された。 

『U(フル規格地下鉄)/Sバーン(近距離鉄道地下化)プラン』の反対勢力の中核となった社会民主党や専門家や労働組合、学生らが中心となり、新規の交通インフラ整備ではなく、既存のトラムネットワー ク改良を中心とした都市交通政策が検討されることになった。『公共交通促進のための市民戦略』と銘打った計画案を作成した。この計画は、よくありがちな非現実的なものではなく、1971年にチューリッヒ市都市計画課が作成し た調査報告書を参考に作成され、具体的なトラムの改良提案が数多く含まれたものだった。この案に対して、保守政党や産業界は当然のように猛反発した。そして『フル規格地下鉄案vs改良トラム(LRT)案』の構図が出来上がった。そしてチューリッヒを二分する論争にまで発展した。『U(フル規格地下鉄)/Sバーン(近距離鉄道地下化)プラン』否決の住民投票より4年が経過した1977年3月、この戦略に対する住民投票が行われ、51.25%の賛成というぎりぎりの結果で採択されることでこの論争は一応の決着をみた。この結果はチューリッヒの都市交通施策の大転換をもたらすものとなった。フル規格地下鉄と道路建設中心の施策からトラムとバス輸送の改良・拡張中心への大きな分岐点となる。普通は余程の大差があれば別だが、これぐらいの僅差だと行政が推奨していた案を多少反対派の意見を取り込む形で、押し通すものだ。しかし、チューリッヒをそれを一切せず、政策の大転換に踏み切った。1977年当時の世界の都市交通施策の潮流は、旧西ドイツのシュタットバーン(地下式LRT)やフル規格地下鉄、フランスのVAL(ゴムタイヤ式のミニ地下鉄)が主流だった。LRTという概念はまだなく、翌年の1978年カナダのエドモントンで世界初の路面走行式LRTが誕生した、そんな時代だった。LRTが欧州の都市に誕生するのは1980年代半ばで、フランスが先鞭を切った。1994年のストラスブールの大成功で一気に都市交通の潮流に上り詰めたが、それはまだ先の話だ。日本に至っては、中量輸送機関はモノレールやAGT(アストラム)のみ。路面電車は生かさず殺さず扱いで、辛うじて息をしている状態だった。
 
 三度目の都市交通施策に関する住民投票の結果を受け、1978年には、連邦発議により、 チューリヒのトラムとバス輸送の拡張に対して、2億スイ スフランの予算が組まれた.これを受けて,チューリッヒ市議会は、1979年10月に公共交通を私的交通(自動車)より最優先させるという決議を採択 。欧州でももっとも公共交通が利用されている都市チューリッヒの素地が出来た。①経済的により効率的であること(より安価な投資と運営コスト) ②環境的により効果的であること(大気汚染と自動車騒音がより少ない) ③社会的により平等であること(平等に利用しやすい公共サービスの提供と安全性) 以上3点の概念を打ち出した。今の時代感覚でこの文言を読み解くと何の違和感も感じないが、今から40年近く前の時代だと先進的の先を走っていると想像できる。具体的には、『路面電車、トローリーバスそしてバスに基礎を置いた既存の交通システムの運営を継続し、更にこれら既存の交通システムをより近代 的、効率的かつ快適な交通システムへと開発すべきである』である。チューリッヒ市民は『長距離-Sバーン、中距離-Uバーン、短距離-トラム、バス』ではなく、『長距離-Sバーン、中距離-近代化され改良されたトラム、短距離-近代化され改良されたトラムとバス』の三層交通ネットワークを選択した。

 ここで少し補足しておく。
1973年5月、住民投票にて否決された『U(フル規格地下鉄)/Sバーン(近距離鉄道地下化)プラン』だったが、現実的な問題としてスイス国鉄(SSB)の終端駅構造のチューリッヒ中央駅の深刻な容量不足が続いていた。中央駅の地下を通過するSバーンの建設計画が検討された。この計画は、1981年に住民投票に かけられ、74:26という大差で,建設が認められること となった.この建設は、1990年に終了し、Sバーン(都市近距離鉄道)の運行が開始された。『Sバーン』とは聞き慣れない言葉だが、ドイツ語圏で各国の国有鉄道、国営鉄道、またはこれに準ずる公的機関などが運行している都市内・都市近郊鉄道のことであり、地上鉄道の形態を指す。日本でいうところのJR線、大手民鉄線がこれに該当する。『Uバーン』とは、一般的にはフル規格地下鉄を指すが、ドイツ語圏では地下区間があるシュタットバーン(地下式LRT)も『U1』などと表記しており、地下走行区間がある鉄軌道線全体を指す。『シュタットバーン』も本来は、今でいうところの地下式LRTなのだが、路面走行オンリーのLRTも表記することがある(地域差あり)。日本のように厳密な意味で区別しておらず、割とアバウトだ。LRT先進国のフランスではLRTとは表記せず、単にトラムと呼び、LRT発祥の地の北米では郊外線区間がある軽軌道システムをLRTとして市街地のみの路線は、LRTとは呼ばず『ストリートカー』と呼ぶ場合もある。次回は、チューリッヒの具体的都市交通施策に踏み込み説明したい。


動画1 Tram Zürich - Strassenbahn Zürich 2014(ユーチューブ動画より)

参考文献 スイス・チューリッヒにおける公共交通優先型都市交通政策
  加藤浩徳


続く

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前回記事 近況について色々と ブログ主のよもやま話 14
カテゴリー記事 近況について色々と

33 ブログ主のカットの話
6度目の訪問カット、遂に坊主に(笑)
床屋さんのイラスト「床屋のおじさん」
画像1 カットのイメージ画像
(かわいいフリー素材集いらすとやより)

 今日の記事は身近な別の話題で進めたい。昨年3月から行きつけのアルパークの1,000円カットに行けなくなり、訪問カットサービスを利用している。最初の利用は、色々とネットで業者を検索して下調べをした。高齢化時代を反映してかかなりの数の業者があった。値段の相場というものがよく分からず、5,000円以内であれば問題なしとたかを括っていた。料金4,000円の業者にお願いをしたのだが、頻繁に利用し始めると少しでも安い業者にしたいと思うの人の情だ。2回目以降は別の業者に変更した。現在の業者は、カットのみで3,200円。頻度が2か月に1度ペースなので、ひと月当たりで1,600円。そう考えるとかなりリーズナブルだ。前職時代は、1か月に一度、美容院でカットしていたことを思えば、本当に安い。地毛が癖毛なので、ストレートパーマをかけ自宅で白髪染めもしていたので毎月1万円以上は髪の毛に投資していた。スーツ仕事なので容儀に適う投資は渋れない。身なりが汚らしいのも大嫌いだったのもあるが、割とその辺はうるさいタイプだ。そして今週の日曜日に、6度目の訪問カットに来てもらった。いつものことだが家内が在宅する土日にお願いしている。一番最初は、横と後ろを3㍉のバリカンで刈り、上と前をを2㌢前後残す『スポーツ刈り』にした。家族の笑いと恥ずかしさだけを招く結果となり、その後は上と前は手をあまり加えず、横と後ろだけを6㍉程度に刈る『段カット』で仕上げてもらっていた。

 私の場合、髪の毛の量が多く、しかも伸びるのが早い(1か月で2㌢弱)。年齢を考えれば、決して悪いことでないが手間がかかるのが玉に瑕で、日常動作の障害が進むと洗髪や整髪の難易度が上がる。他記事で冬場特有の筋硬直による腰抜け現象で、一時的に障害レベルが上がったことは何度も書いた。再度、手間がかからない髪型に迫られた。さすがにここまで障害が進むと見た目がどうとかよりは、実利最優先となる。そんなものに構っている状況ではなくなった。で、今回、清水の舞台から飛び降りる勇気を持って坊主に挑んだ(笑)。厳密に言えば、横と後ろが3㍉、前と上は6㍉。最初のスポーツ刈り同様に家内は猛反対したが、押し通した。『お前の好みなど知らね~よ』だ(笑)。話を戻すが、訪問カットの理容師(?)さんが約束時間の13時頃に参上した。今回も女性の理容師さんだ。シートを敷いて、
延長コードもセット。電動ベットの横にいつもの椅子を移動させる。その椅子に座ってカットしてもらう。坊主は本当にカット(?)時間が早い。リクエストらしきものは『もみあげはどうしますか?』ぐらいしか聞かれない。私の答えは『自然のままで』だ。十数分で終了した。

 女性理容師さんと短時間だが少し話し込んだ。家族以外の人間と話すのは、社の担当者ぐらいでレギュラーメンバーだ。いつもよりつい饒舌になった。今回の私のように自宅訪問のカット依頼よりは、高齢者の介護施設や
入院施設に理容院が入っていない中規模以下の病院の訪問が多いとの事だ。男性依頼者は割と細かいことは言わないケースが殆ど。女性はカット・パーマ・白髪染め・洗髪の4点セットが多く、細かい部分の注文もうるさいらしい。『女は骨になるまで女』とはよく言ったものだ。坊主だと料金がさらに格安となり、何と! 2,700円だった。『坊主ぐらいでわざわざ訪問カットなど‥‥』みたいな野暮なことを言うのはなしで(笑)。移動困難が酷くなると、こうした普段は接することが人とのコミュニケーションが重要だったりする。因みにこれは家計から出さず、私の小遣いからカット代を出している。こうでもしないと小遣いが減らない。坊主後の2~3日は頭が寒かったので、ニット帽を着用した。坊主は見た目はあれだが、非常に機能的だ。ドライヤー要らずで済む。乾いたタオルで数度拭けば、すぐに乾く。夏などは拭く必要さえないだろう。家内の印象は『パパ、年の割には坊主が似合う』だった。年の割には、が余分だが『腐っても鯛だ』の自負は心の底深くある(爆)。ここまで楽に慣れると、坊主一辺倒になりそうだ。

 
坊主頭の男性のイラスト
画像2 坊主のイメージ画像だが、この画像は囚人さんの坊主みたいだ(笑) 
かわいいフリー素材集いらすとやより

34 息子のお下がりのスマホ
次期室内おもちゃ候補のキープ君


画像3 息子の携帯機種変でもらった古いスマホ。保護フィルムが汚い(ブログ主撮影)

 ブログ主の携帯電話はスマホではない。厳密に言えば、スマホを使う必要性が皆無なのだ。仕事は在宅就労。障害の関係で長時間の外出は2か月に一度の大学病院通院のみ。その通院も家内が付き添っている。仕事の連絡はPCメールもしくは社の携帯電話(これはスマホ)。ブログやツイッターなどのアプリは当然プライベート用PC。これだったらスマホどころか、携帯電話そのものも必要ないのでは?となるが、身内の人間が私目的で電話をする場合、自宅電話だと呼び出し音10回以内で受話器が取れないので、直接私の携帯電話にしてもらうようにしている。必要性と言えばこれぐらいになる。一昨年、大して使いもしないのに、月8,000円程度のスマホ料金が異常に無駄に感じてガラケーに再切換した。だからと言ってスマホを全く使っていないわけでない。就寝時、ベットに入り完全に寝付くまでの玩具の一つとして、今も使っている。もう1つあった。ブログ記事で中国新聞記事を掲載しているが、この画像撮影でも使っている。その玩具スマホは、2014年夏に2代目スマホとして機種変した。もうこの当時は、既に在宅就労で、外に出る時間は今よりは多かったが、かなり限られていた。文頭で説明した事情なので、初代スマホよりも全然傷んでいない。故障は一度もないし、保護フィルムとジャケットの交換も一度もない。予備で各2つあるのだが、当分必要がなさそうだ。

 ただ当たり前だが永遠に使い続けられる保証はないので、息子のスマホ機種変を機会にその古い機種を次期玩具候補としてもらった(上記画像3)。息子がこの機種を使い始めたのは、2016年春頃(うろ覚え)。今時の子どもなのでさぞや酷使していると言いたいところだが、そうではない。まずは高校がスマホ禁止。で週に4日は学習塾。自宅でも勉強三昧。そもそもスマホが必要なのか、の疑問も湧くがこんな考えを押し通すほどの石頭でもないし(笑)。保護フイルムは傷が多く汚いのが不満だが、キープ君として取り置きしておこうと思ったのだ。ただ今の玩具スマホも後数年はイケそうな気がする。寝付くまでの30分程度玩具端末を、数万円出して買うのも実に馬鹿らしい。今後障害が進めば、予定外の出費も出てくる可能性もある。本当に必要なものやご近所さんの手前削れないものはまあ仕方がないが、どう見ても無駄なものには一銭も使いたくないのが本音だ。やはりブログ主はケチだ(笑)。で、今回の息子のスマホ機種変はお年玉の許可した使用限度額の残高と2月の誕生日プレゼント分の拠出金で計3万円前後、必要だったらしい。機体、ジャケット、保護フィルム、関連機器などがその内訳。イベント(クリスマス、誕生日)もののプレゼントに自己負担せずとも、と思ったりするのだが、自分で出すと言うので判断は本人に任せた。私的には、毎月の小遣いが殆ど使わず残るので代わりに出しても良かったのだが・・・。また1年半~2年後に同じ手口で譲渡を目論むブログ主であった(笑)。


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