封入体筋炎患者闘病記

 封入体筋炎患者のヒロです。病歴は2019年で満11年、12年目に入りました。在宅勤務の仕事とリハビリの日々を送り、細やかながらも家族3人で暮らしています。ブログ記事は闘病記と広島地元ネタ、社会保障などの時事ネタ中心です。希少疾患の封入体筋炎の周知が目的です。関心があれば、ツイッターなどでご紹介していただければ幸いです。疾患関係で直コメントが苦手の方は、ツイッターのダイレクトメールを利用してください。封入体筋炎の闘病史は各進行段階の症状や生活障害、必要な社会保障制度等をまとめています。良ければ参考にしてください。最新の封入体筋炎の状況は『近況について色々と』、取り組んでいるリハビリについては『2019年春~夏 筋疾患(封入体筋炎)リハビリ』にて素人の体感目線で書いています。モバイル版で読みにくい場合は、PC版に転換してからお読みください。

2019年04月

カテゴリー記事 孤発性封入体筋炎を発症して思う事

【述懐その17】
半年ぶりのシリーズ記事なんですが・・・


画像1 春のイメージ(画像 かわいいフリー素材集いらすとやより)
 
 少しではなく、相当間が空いたこのシリーズ記事を久々に書きたい。間が開いてしまった理由は、よく考えるとこのシリーズは、他のカテゴリーの『近況について色々と』と内容が被り、必要性が感じずブログ主自身忘れていたからだ(笑)。しかも持病の封入体筋炎に特化したものだけで、当ブログの長文記事を書くのは実に大変な作業だ。要は『いらん子』だった。まあ、思い立ったので今日は書いてみたい。他シリーズ記事で、3月以降のブログ主の絶好調ぶりを自慢するかの如く、書きまくっている。いい年をしてみっともない限りだが、内から湧き出る妙な高揚感は抑え難い。負の感情でもないので、無理してまで隠す必要がない。嬉しいものは嬉しい。ただそれだけだ。理由は、『封入体筋炎の進行が一応、現時点ではストップしている』『一人息子が希望の大学と学部に入学した』(しかも想定上の最短コストコースで)『冬場の筋硬直、関節拘縮現象から解放された』『障害厚生年金が昨年末の更新で、頼みもしないのに1級となり金額が1.25倍になった』などである。金にまつわる話が多くて恐縮だが、闘病生活はぶっちゃければ、金とは決して無縁ではないので綺麗ごとを言っても始まらない。何かと健常者と比べ、その日常障害ゆえに出費も嵩む。健康体の方ではあり得ないし、信じられないかも知れないが4月に入り、最高気温が20℃超えの日々が増えたが、こんな気温でも夕方以降は、暖房を入れている。冬場のピーク時など電気代は1カ月3万円以上は常識となり、結構なコスト負担だ。なぜそうなるかと言うと、封入体筋炎の進行で筋萎縮が酷くなり、足掻いても日常の活動量が低下。身体の新陳代謝が鈍くなり、血流の低下や体内のエネルギー活動の低下を誘引。体温が下がるので、寒く感じるのである。寒さと暑さに強かった健康体時代が懐かしい。一例を挙げるとこんな感じだ。


画像2 ブログ主の生活障害イメージ(画像 かわいいフリー素材集いらすとやより)

 3月頃から感じている高揚感に話を戻すと、この疾患を発症して、日常生活障害が増して障害者になったが12年当初は、身体を動かす自由も今よりはずっとあり-自動車の運転が可能だった-、メンタル構造も健常者のそれそのものだったに違いなかった。人間不思議なもので、年齢関係なく何が理由であっても身体が弱り、衰えるとメンタルもそれに符合するかのような構造になる。心身は一体化している。健常者時代より今現在のブログ主の穏やかかつ落ち着いたメンタルを思うと特にそう感じる。特に、この疾患になる前は、人を労働力の一部と機能として見立て、その生産性がブログ主の仕事上の価値判断だった。究極の自分教の強烈な信者で、教祖が自分で教義は『
能力・努力・結果』である。競争こそ万物を進歩させる源だと本気で信じていたし。法さえ犯さなければ、結果という大正義の前ではすべて許される。こんな感じだった。『三つ子の魂百まで』ではないが、自分教は今なお、心のどこかで生き続けているが対象が仕事から闘病生活と終活に切り替わった。考えの幅も広がり、優しくなったらしい(家内談)。まあ、悪い傾向ではない。皆がそうとは一概には言えないが、生命予後不良の難病になると、被害者意識が高騰してくだらない屈折思考が支配しそうになるが、以前よりは被害者意識は上がったと思うが、比較的少ないらしい。これは人生を良い意味で達観し、取捨選択に徹していることが大きいかも知れない。思考の柱としている論理的思考主義もきっと手伝っている。感情的な思考は、道を誤るし典型的な『貧すれば鈍する』『〇〇(漢字のほう)の考え、休みに似たり』の陥る。人としての最低限の戒めだと思ったりする。人間どのような状況に陥っても、心の余裕と複数の選択肢だけは持っていたいと考えるからだ。

【述懐その16】 
息子から言われた言葉

画像3 5年ぶりのセカンドカーとして購入予定の軽自動車
画像 かわいいフリー素材集いらすとやより)

 ここから記事内容が少し変化するが、ご容赦を。息子が4月3日大学に入学した。本人が自らの意思で敷いたレールに乗り、必要な努力を怠りなく行い現時点では上手くいっている。自宅大学生となり想定していた最多コストコースの20%以下のコストで済むことになった。そこで通学用の自動車が必要となり、先日運転免許を取得した。甘い親にも映るだろうが、我が家の場合、移動困難者のブログ主の家内の自動車移動に次ぐ、第二の移動手段の確保の目的もある。それも兼ねて、入学祝として軽自動車の新車の購入を考えている。5年ぶりのセカンドカーの復活だ。その息子から最近言われた言葉がある。それは、彼がブログ主の仕事部屋に訪ねてきた時の事だった。特に用もなく、他愛のない会話で始まったのだが、ブログ主の虚を突いてこんなことを言い放った。『父さんって、何事にも絶対に諦めなくて物凄い努力家で結果を出すよね』である。改めて言われると確かにそうだ。疾患や障害の有無に関係なく、社会人になってからは、自分の立ち位置を冷静に見極め、短・中・長期の必達前提の目標設定を行い、必要な努力を人以上に払ってきた。上手くいかない時は、一度立ち止まり必ず微修正を入れた。これが先ほどの自分教たるゆえんだが実は、十代の頃はこれとは真逆の人間だった。当時は『能ある鷹は爪を隠す』の響きに無上の喜びを感じる質(たち)だった。絶えず目一杯の努力はせず、能力の20~30%は隠し、余力を残したうえで人よりも上に行きたいと本気で考えていた。根底に『本気でやればもっとできるけど、それに見合うものがもらえないのでやる価値はない』があった。結果的には、大学入学後、これを激しく後悔した。その辺の苦い体験があり、社会人になってから悔い改め、今のような人間になった。その息子の言葉に、そんなニュアンスのことを言って返した。ブログ主と息子との関係性について話すと、持病の封入体筋炎が大きく影響している。彼が満7歳(小学校2年生)の時に発症。丁度、思春期に入る頃に日常生活障害が酷くなり、障害者になり果てた。この頃から、努力の対象は仕事ではなく、闘病生活と終活にほぼ絞られていた。


画像4 ヤル気にみなぎり頑張っている人のイメージ
画像 かわいいフリー素材集いらすとやより)

 先の息子の発言の『~結果を出すよね』については、厳密な意味合いでは封入体筋炎との関わりでは結果は出ていない。自身の努力や能力の遠く及ばない世界の話であることを差し引いても、現実には疾患は進行し日常生活障害は悪化しているからだ。結果が伴わない努力など、意味がない。これは結果を『封入体筋炎の進行停止』を求めた場合の話で、『封入体筋炎の進行を遅らせる』とした場合は、そこそこの結果を出していると自負はしている。我が家の詳しい経済状況は大学進学に係ることしか話していないので、終活などではなく闘病生活を指してのそれだろう。以前もブログの記事で書いたが、男親の必要性は幼少時はさしてない(笑)。母親と子どものつながりの深さには遠く及ばず、単なる自動ATMもしくは、運転係と荷物係だ。自虐的にいえばそうなる。子どもの手がかからなくなり始めた頃から必要性が高まる。『父の背中を見て育つ』ではないが、特に思春期以降、母親より父親の方がある意味においては重要だと思っている。父親の生きている様が、良くも悪くも影響する。それは子どもの精神的な成長に伴い、視野が広がり父親の生き方を幼い視線で観察している(と思う)。その意味で家族では家内よりは、息子に褒められることは個人的にも嬉しい。ブログ主が密かに目論んだことでもある。これは、封入体筋炎を発症して、ブログ主は一方的に家族への依存度が高まった。まあ止む無き側面はある。発症初期の頃、何れは進行が進みそう遠くない将来死に至ることを知った時に、真っ先に思い浮かんだのは息子の成長の事で、少なくとも彼の足手まといになってはならないだった。子どもが望むことを家庭の事情で断念せざる負えないというのは、その両親はまあ事情にもよるが親たる資格を疑われても仕方がない。その点でも、ブログ主は成功したと考える。まだ道半ばだが・・・。3月以降の好調感をさらに後押しする些細な出来事だが、感受性が強くなったブログ主にはそれがたまらなく嬉しい。

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前回記事 西風新都線は本当に必要なのか? 
カテゴリー記事 
広島の都市交通 アストラムライン


【考察その5】
アストラムライン西風新都線の代替え案 その1
LRTと共に現在の都市交通の潮流のBRTとは?

 
動画1 Bus Rapid Transit de Curitiba

 BRTとは、バス・ラピッド・トランジットの略称で、日本語に訳すとバス高速輸送システムになる。世界初のBRTの開業は、1974年のブラジルの都市クリチバ(上記動画1参照)の開業である。当時はBRTなる言葉は存在せず、『統合輸送ネットワーク(ウィキペディア)』と称された。LRTがトラム(路面電車)の短所-信号停車による低速達性、低輸送能力、他の交通機関と良好ではない結節-を改善し昇華させたシステム同様に、BRTも従来のバス輸送の短所を潰し、速達性、定時性、輸送能力を大幅に改善し、中量輸送システムとして昇華させた。BRTの定義は、LRTのそれよりも幅広いが交通開発政策研究所(ITDP)の定義では、以下の基準を満たしたものとしている。デリニエータボラード、カラー舗装などで区切られた終日専用走行路(出来れば中央車線が望ましい)を有する事 ②交差点での優先走行権を有する事(PTPS設置) ⓷車両外(乗車前)での運賃徴収システムである事 ④ホームと車両の段差がない乗降である事(超低床車両の導入) ⑤一編成当りの輸送能力は3連接車両(定員270人)以上である事 以上5点を掲げた。⑤の一編成当りの輸送能力の項目については議論の余地があるが、国際公共交通連合(UTIP)の掲げる定義だと、BRT-3連接車両(定員270人)以上、それ以下の場合(2連接車両-定員130名前後)は、BHLSと定義している。現在、BRTは2015年8月現在、世界195の都市で400を超す路線が運行しているが大体、①~④の条件を満たしていればBRTと定義することが一般例となっている。①~⑤の全条件をフルに満たしているのは、南米の都市が多い。これはその国の経済力に由来するところが大で、本来であればフル規格地下鉄の時間当たりの片方向の最大輸送能力(2万5千人以上/時間)が必要とされる場合でも、自国の技術で建設が困難だったり、資金調達がままならないため、1㌔当たりの建設コストが約5~15億円で、フル規格地下鉄の1㌔300~400億円(日本のコスト)よりも安価なために飛びついているからである。00年に開業したコロンビアの首都ボゴタの同システムは、時間当たりの片方向の最大輸送能力4万5千人/時間、旅行速度40km/h程度を達成し、世界に衝撃を与えた。


動画2 
Guangzhou Bus Rapid Transit(BRT)video

 LRTについては、諸説あるが路面走行式に限れば、78年カナダのエドモントンで開業し70~80年代半ばまで北米中心に普及し、欧州では85年フランスのナントで復活開業した。その後、フラン数などの数都市で普及した。94年のストラスブールの大成功でその動向を伺っていた国内都市が導入に一気に傾き、その動きが欧州全体に伝播した。さらに世界各地に拡大し、現在の都市交通の潮流の先頭の座を築いた。BRTは、74年のクリチバの大成功こそあったが、その後は普及はしなかった。バスシステムの高速化の方法論の模索は70~90年代にかけ、続けられていた。カナダの首都オタワの高速道路にHOVレーンを設定したシステム、旧西ドイツのエッセンの案内軌条式バス-ガイドウェイバスシステムなどが考案されたが、コスト高、システムが複雑な事、他のバスシステムとの相互交換性が低いなどの理由で、後に続く都市は少なかった。一般道路の路面走行中心の『クリチバ方式』で、00年導入のボゴタの大成功で導入検討都市が圧倒的に増えた。BRTのLRTに勝る優位性は、フル規格地下鉄、モノレール、AGTシステムよりも導入コストが安価なLRTよりもさらに安価な事、軌道線車両よりもバス車両は交差点での制約が少なく、加速性能に優れているので短間隔の運行が可能な事、コンパクトシティ建設の手段として用いてにぎわい性創出に寄与する事、などが挙げられる。先にも触れたが、通開発政策研究所(ITDP)の定義①~⑤を全て満たす形で、ブラジルを中心とした南米、中米、北米、そしてアフリカなどで導入されている。本来であれば、フル規格地下鉄相応の需要路線に都市の基幹公共交通として取り扱われ、他の下位階層のバス(フィーダーバスなど)との『バス&ライド(同一ホーム乗り継ぎ)』なども積極的に進めて、高い相互交換性を如何なく発揮している。同時に問題点も生じている。これらの国々では、現在高い経済成長率を誇り、人口増加が顕著となっている。当面の都市交通問題の解決になり得ても、公共交通移動需要の伸長で将来的には運びきれなくなる事態も想定されている。


画像1 フランスの都市ナントの4本目の基幹公共交通として導入された通称『バスウェイ』。開業当初は2連接バス車両だったが、利用者増で3連接バス車両に改められ、名実ともにBRTとなった(画像 セミタン公式HPり)


画像3 ドイツの都市ドレスデンのトラム(路面電車)の軌道敷内に乗り入れているバスライン62の2連接バス車両(画像 ユーチューブ画面撮影より)

 
LRT導入に積極的である欧州都市ではフル規格でのBRTは意外と少ない。どちらも中量輸送機関のカテゴリーの選定機種ではあるが位置づけとしては『LRT>BRT』としている。LRTを導入するほどの需要がない都市(都市人口10~15万人以下)の基幹公共交通としてや、複数のLRT路線の整備が終わり、その次の路線として導入される事例(上記画像1参照)が多い。他には、旧型トラム(路面電車)をそのままLRTに昇華させた都市では、トラムの軌道敷を公共車両専用レーンと見立てて、利用者が多いバス路線のトラム重複区間で乗り入れさせて2連接バス車両を導入し、BRTに準ずる高度化を図っている(上記画像2参照)。都市によっては、LRT整備までの過渡的な交通対策として疑似BRT導入することもあり、その都市交通の考え方や実情に合わせ、画一的ではない弾力的な運用をしている。肝心の日本に話を移す。日本でも世界の都市交通の潮流の波が訪れている。国土交通省の国庫補助制度では、中量輸送機関のモノレール、AGTなど同様にLRTBRTの整備補助制度が創設されている。問題なのは日本においてはLRTでは、大正時代に定めた軌道法運転規則第6条(一編成長30.0㍍以 下)、同53条(最高速度40km/h)が幅を利かせ、中量輸送機関としての昇華を妨げ、LRT導入の高いハードルとなりBRT整備に流れているが、ここでも道路輸送法の特認処置で2連接バス車両(車体長18㍍、定員130名前後)が上限となり、3連接バス車両導入は禁止されており、輸送能力では、個別輸送機関以上、中量輸送機関未満となっている。国土交通省の定義(日本式BRT)では、『連節バス、PTPS(公共交通優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせた高度バス輸送システム』として国際基準よりも実に曖昧なものになっている。導入された名古屋市(基幹バス)、岐阜市、新潟市(下記画像3参照)においても時間別バス専用レーン、2連接バス車両(名古屋市は単行バス車両)、部分PTPS設置のみでBRTと称している。酷いものでは、それすらなく2連接バス車両の導入だけでBRTと自称する福岡市や大阪市の事例もある。LRTの時もそうだったが高速輸送システム全体を指す呼称であり、車両そのものを指すものではない。上辺でしか見ないで物事の本質まで見極めようとしない日本人の悪弊が如実に出ている。日本では国際基準の真のBRTは存在せず、上記3都市のそれは『疑似』『もどき』でしかない。ただ、この方式であれば効果こそ先行投資コストが低い分大きくは望めないが、逆転の発想だと導入ハードルも比例して低いのもまた事実である。


画像3 15年に運行開始した『萬代橋(ばんだいばし)ライン』(画像 新潟市HPより)

【考察その6】
アストラムライン西風新都線の代替え案 その2
基幹バス路線『西風新都~都心部地区』の疑似BRT化の提案


画像4 広島市の直近の公共交通整備計画のバス版『バス活性化基本計画』(広島市HP)で示された基幹バス構想路線(画像 広島市HPより)


画像5 広島市内の時間別バス専用・優先レーンとPTPS(公共車両優先システム)設置区間図(画像 広島市HPより)

 長々とBRTについて解説したが、アストラムライン西風新都線の代替え交通機関としてBRTいや、先の考察で後半で述べた疑似(日本式)BRTの導入を提言したい。何も新規建設するのではなく、既存のインフラ設備を僅かに手を加えることで、何も全体事業費570億円(市負担289億円)もの巨費を今の時代に投じなくとも同様、いやそれ以上の費用対効果が見込まれる(と思う)。広島市の直近の公共交通計画の中で、西風新都線と競合するであろう広電バスのバス路線『西風新都⇔広島バスセンター(横川駅)』は基幹バス構想路線として、広島市の基幹公共交通(階層最上位)の一つとして位置づけられている。新規路線-湾岸部路線、『西風新都⇔商工センター』-などの新規路線も含まれているが、既存の郊外バス路線-『可部⇔広島BC(バスセンター)』『高陽地区⇔広島BC(バスセンター)』など-も含まれている。現行の広島市内のバスの走行環境は上記画像5の通りで、全区間ではないが、可部、高陽方面の郊外バス路線では時間別バス専用レーンと一部PTPSが設置されている。一般車両に対しての道路通行の優先権を与えられているのは、ほぼこの区間のみと言っても過言ではない。優先処置もあり、急行便に限り旅行速度は、20.9~22.0km/h(下記画像6参照)とそう悪くない水準である。高陽方面のバスは、沿線のJR芸備線が非電化かつ、都心部地区に直結しておらず、迂回して広島駅に達するのでその点は有利になっている。可部方面バスは、同様にJR可部線は電化路線で競合するが単線で、芸備線同様に都心部地区に直結していないのでやはりそこそこ戦える環境にある。西風新都方面については専用レーンやPTPSなど一切ないが、広島高速4号(広島西風新都)線経由で実質この区間がバス専用レーンと化しており、バスとは思えない旅行速度-23.9~27.3km/h-を誇っている。この基幹バス3路線は、然程手を加えていない現在でも高い利用者数があり、少し手を加えれば今以上に速達性と利便性が大きく向上し、幾分かの利用者増加が見込まれると考える。


画像6 朝のラッシュ時における西風新都及び可部方面の基幹バス都心方向路線の旅行速度(画像 広島市HPより)


画像7 城南通りの走行帯イメージ図(画像 ポートランド公式HPより)

ここで、ブログ主の西風新都方面の基幹バスの疑似BRT化を提案を紹介する。

 アストラムライン西風新都線の代替え交通機関『広島駅~広島BC~西風新都地区
 
』基幹バス路線の疑似BRT化
①対象路線
 60~61号『五月が丘・免許センター・ジアウトレット広島・そらの線』 ルート図
 62~63号『西風新都線』 
ルート
②整備方法
 一気に行うのではなく財政状況を鑑み、2段階に分けて整備する。目標旅行速度を現行の2
 3.9~27.0km/hを28.0~31.0km/hとし、現行アストラムライン程度
 (30.0km/h)を確保する。
 【ステップ1】 走行環境の整備(上記画像7参照) 
 時間別(7~9時、17~19時)バス専用レーン(カラー舗装化)の導入。導入道路は
  城南通り-中広2丁目交差点~駅前大橋南詰交差点、中広通り-横川駅前交差点~中広2
  丁目交差点、高陽沼田線-大塚駅北交差点~広域公園南交差点 
 ●PTPS(公共車両優先システム)設置。導入道路は、時間別バス専用レーン区間。
 ●低床車両(ノンステップバス)を他の路線よりかき集め、それのみで運用する
 ●主要停留所のかさ上げ(段差のない乗降の実現)と上屋、位置情報式ロケーションシステ
  ムの設置
 
 【ステップ2】 輸送能力の向上 ~導入車両イメージ(西日本鉄道HP)~
 ●2連接バス車両(車体長18.0㍍ 定員130人)を20編成導入。1編成当りの導入
  価格は約8,000万円なので、全体導入コストは約16億円。1国-33.3%、市-
  66.7%とする。広島市所有の車両として、1編成当り50万円(計1,000万円)
  のリース料で広電に貸し出す形にする。2連接バス車両は3扉方式とし、横川駅、広島B
  C、広島駅では全扉乗降可能とし、他の停留所では乗車は中扉、降車は前扉だけとする
 ●2連接バス車両は、62~63号線のみの運用とする
 
●ルート上の停留所は、乗り入れ可能な切り込み構造に改める。ターミナル的要素が強い
  川駅、広島BC、広島駅の3停留所では、2連接バス車両専用バースを設置する

 【ステップ3】 他の郊外バス路線のフィダーバス化(下記画像8参照)
 大塚駅北交差点の広島高速4号線誘導道路にトランジットセンター(バス乗り継ぎ拠点)化
 を進める広電バス路線の市西部方面の路線-彩が丘、美鈴が丘団地、山田団地の西広島BP
 経由-を都心部乗り入れ路線を一部残しつつも、大半をフィーダーバスに改める。トランジ
 ットセンターではバス&ライドとして同一ホームで乗り継ぎを実現させ、導入を機に再編と
 強化を行う

⓷事業費、その他 

ステップ1~3で全体の約136億円(国71.3億円、市64.7億円)
内訳:2連接バス車両購入費-約16億円、走行路・停留所整備費120億円
   インフラ部分-120億円(国66億円、市54億円)、インフラ外部-16億円
   (国5.3億円、市10.7億円)
工期:ステップ1~3で概ね5年程度

④アストラムライン西風新都線との比較          
                                  1時間当たりの
          事業費    市負担額   旅行速度      最大輸送力
基幹バスの疑似 約136億円  約65億円  28~31km/h 7,800人/時間
BRT化

アストラムライ 約570億円  約289億円 25km/h    1,716人/時間
ン 西風新都線

※1時間当たりの最大輸送力は、疑似BRTは1分間隔(時間60本)運行で試算(130人×60本)、西風新都線は単線構造なので10分間隔(時間6本)運行で試算(286人×6本)

 補足説明をすると、日本型の時間別バスレーン採用理由は、フル規格BRTの中央走行の終日バスレーンでは合意形成を得るのに時間がかかるからだ。日中は専用走行帯を必要としているほど交通渋滞は酷くない。あくまでも疑似なのでこれで十分だ。提案では広島BC止まりの対象路線を広島駅まで延伸するのは、横川駅と結節しているので必要ないと思われがちだが、高規格の公共交通で陸の玄関口である広島駅と広域拠点の西風新都を直結する意義は大きいと考えるからだ。幸い、広島駅南口広場の再整備が予定されているので、広場内の容量も大きくなる。そして、広島駅の拠点性の向上にも寄与する。主要停留所のかさ上げも必須で、段差をなくすことは乗降時間の短縮にもつながり、旅行速度向上に貢献するのは言うまでもない。2連接バス車両の導入だが、単年度で一気に20編成も導入になると路面電車の100%超低床車両よりも1/4程度の価格とはいえ、従来の事業者負担率では広電規模では過剰投資になる。名義上は広島市保有の車両として、格安のリース料で広電に貸し出す形にすれば日本特有の『税金を一民間企業に~』の批判は起きない。公共交通のインフラ設備は社会の共有材という意識の啓蒙活動も必要と思われる。年間50万円のリース料を20年間支払い続けると、一編成当り1,000万円の負担となり、車両価格が8,000万円なので、12.5%の事業者負担になる計算だ。トランジットセンター(乗り継ぎ拠点)でのバス&ライドだが、階層が異なるバス同士であっても問題はない。彩が丘、美鈴が丘団地、山田団地のフィーダーバス化を想定しているが、現行の西広島BP経由の直結の路線も一部残す。全廃すると、公共交通利用層が離れる可能性があるのでリスク回避のためだ。工期は5年程度を想定。大規模な土木工事としないので3段階整備であっても、妥当な工期だろう。最後に西風新都線と比較した。挙げただけの指標だけでも、アストラムライン西風新都線の低い費用対効果が浮き彫りになっている。事業費ベースだと疑似BRTは約24%、市負担ベースだと約23%と1/4程度の投資額で西風新都線以上の効果が出ると試算した。『以上~』と断定する根拠は、速達性と輸送能力である。『まちづくりの波及効果が西風新都線の方が勝る』との反論は想定内だが、西広島駅の結節点改善は、西風新都線との分離論で進めれば問題ないし、西風新都線自体導入波及効果は沿線のみに留まる。西風新都地区の開発促進の大義名分も開発飽和の現状では虚しく響くだけだ。伺った見方すれば、西風新都線延伸は地区内で土地を保有し事業展開をする企業、広島高速交通の経営対策ためだけに忖度(そんたく)する事業と断定するのは言い過ぎだろうか?財政に余裕のある高度・低成長期であればそれもまた良しかも知れないが、限られた原資を選択と集中、取捨選択を厳しく求められる今の時代では違和感しか残らない。ブログ主は、これからの公共事業は新規のものは集約都市構造への転換の資するものと既存インフラ設備の更新中心に進めるべきと考える。その論に沿うとアストラムライン西風新都線は費用対効果が著しく低く、広島市東部連続立体交差化事業、国道2号線西広島BP高架延伸と共に不要な公共事業にしか思えない。


画像8 フィーダーバスと基幹バスとのバス&ライド-同一ホーム乗り継ぎイメージ 新潟市の萬代橋ライン市役所前停留所の一例(画像 新潟市HPより)

終わり
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カテゴリー記事 時事考察 障害者全般

今日の話題 4月24日朝日新聞デジタル版より引用
強制不妊強制法、首相が『お詫び』 
国の責任には触れず


動画1 被害者1人に320万円 強制不妊手術問題で救済法案(19/3/14)

【記事詳細】
 旧優生保護法(1948~96年)の下で障害のある人らに不妊手術が行われた問題で、被害者に一時金320万円を支給する議員立法の救済法が24日、参院本会議で全会一致で可決され、成立した。欧州訪問中の安倍晋三首相は、反省とおわびを盛り込んだ談話を書面で発表した。ただ、被害者側が明確にするよう求めてきた旧法の違憲性や問題を放置した政府の責任には言及しなかった。『不良な子孫の出生を防止する』ことを目的に不妊手術を推し進める旧法が成立してから71年で、ようやく国会と政府が救済に動く。救済法は24日に施行され、早ければ6月に一時金の支給が始まる見通し。

 
首相は救済法成立を受け、閣議決定を伴わない『首相の談話』を発表。被害者が「心身に多大な苦痛」を受けたことに対し、『政府としても、旧優生保護法を執行していた立場から、真摯(しんし)に反省し、心から深くおわび申し上げます』とした。また『全ての国民が疾病や障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、最大限の努力を尽くす』と強調した。救済法の前文には『我々は、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびする』と記してあるが、違憲性などには絡めない形となっている。首相の談話は、この前文をなぞる内容だった。被害弁護団の新里宏二共同代表は24日に記者会見し、救済法成立を『被害回復の第一歩』と評価。首相の談話については『内容は不十分だが、一国の首相が優生被害に向き合ったことを評価する』と述べた。

【考察その1】
そもそも優生保護法とは?
優生学の暴走を合法化した法律


動画1 障害者と戦争 ナチス① 続き⇒
障害者と戦争 ナチス②』
 
 19世紀後半にフランシス=ゴルトンが提唱した優生学は、20世紀に入って世界的に国民の保護や子孫のためとして大きな支持を集めるようになった。その教義の一環は断種法の制定であり、早くも1907にアメリカ合衆国のインディアナ州で世界初の優生思想に基づく堕胎・断種法が制定された。それ以降、1923年までに全米32州で制定された。カリフォルニア州などでは梅毒患者、性犯罪者なども対象となったこともあった。1930年代はドイツ、北欧諸国など世界的に断種法が制定されていった。日本でも1940年の国民優生法が制定され、戦後、1948年に優生保護法に改められた。この頃になると、優生学は、『民族衛生』や『絶滅政策』といったナチスによる蛮行と結びつけて認識されるようになり、廃れた。因みに優生学の暴走政策に邁進し、ユダヤ人と共に障害者を迫害していたナチスドイツの総統のヒトラーは、晩年パーキンソン病に苛まれ、左手の震えが止まらなかったという。パーキンソン病は、比率は低いが家族(遺伝)性型もあり、彼が仮にそうであれば党の政策と整合性を取ったのか見てみたかった(笑)。ブラックユーモアでしかない。日本の優性保護法導入の背景には、戦後の治安組織の喪失・混乱や復員による過剰人口問題、強姦による望まぬ妊娠の問題があった。要は産児調整である。産児調整とは、望まぬ子ども、母胎の死の危険もある流産の恐れがあると判断された時点での中絶の選択肢の合法化である。これに加えて、国民優生法では不充分とされた断種手術の徹底も求めた。断種手術とは、優生学の歪んだ定義で劣等遺伝子保有者と判断された者が、精管卵管の切除手術などによって生殖能力を失わせることをいう。優生保護法では、遺伝性疾患だけでなく、ハンセン氏病や『遺伝性以外の精神病精神薄弱』を持つ患者に対する断種が定められた。優生保護法に基づく強制的な優生手術は、49年から94年の間に1万6千件に及んだ。断種は男性にも女性にも行われたが、このうち7割は女性の断種であった。同意に基づく優生手術は80万件以上であった。優生保護法第三条では、以下の場合本人及び配偶者の同意を得て医師が優生手術を行えるとしていた。


画像1 遺伝子のイメージ(画像 
かわいいフリー素材集いらすとやより)

 この過去の経緯を抑えた上で話を進めたい。人権意識が日本よりも高い欧米各国でもこの断種手術は第2次世界大戦後のも継続された国が意外と多い。下手をすれば当事者だったかも知れないヒトラーの獅子奮迅のご活躍(笑)で優生学は下火にはなったが、日本においては健常者男性に性的暴行を受けて女性障害者の望まぬ妊娠、生殖行為の意味を障害内容上、理解出来ない障害者への問題の対処、障害者が加害者だった場合の責任能力の有無、などがまことしやかに語られたが、根底に『遺伝性疾患患者=劣等遺伝子保有者』との間違った認識があったのは言うまでもない。日本では戦前よりも戦後に断種手術が建前の理由を探し出して隆盛を極めた。96年に母体保護法に改称され、障害者およびハンセン病患者への強制的な優生手術に関する条文が削除されたため、現在では本人および配偶者の同意のない断種は禁止されている。かっての旧優生学はすっかりと影を潜め、疑似科学に過ぎないと研究する学者はほぼ皆無となったが、その一方で2000年代に入り、ヒトゲノムが解明された事によって、再び優生学的なヒト遺伝子の選抜が論じられるようになり、新たな優生学が誕生しつつある。かっての優生学の理想を体現化する可能性も秘めている。遺伝子工学の暴走を防ぐために00年に採択された国連ミレニアム宣言は、こうしたヒトゲノムや生物工学の倫理的配慮を要請し、同年に欧州連合が採択した欧州連合基本権憲章では、人の選別を目的とした優生学的措置を禁止している。また障害者権利条約も、第10条に障害者差別のない生存権、第15条に医学的実験の禁止、第17条に不可侵性の権利を掲げ、障害者に対する優生学的措置を否定して、新優生学の誕生に万全のバリアを張っている。因みにブログ主の持病の封入体筋の正式名称は『孤発性封入性筋炎』で、書いて字の如く家族(遺伝)性は皆無だ。11年筋生検で摘出した部位の遺伝子検査の結果、そうらしい。子どもが生まれた後に発症した疾患だったのでその点だけ、心配だった。

【考察その2】
優生学は否定すべき愚論だが、自分が体験した苦しみを子や孫の世代に残すのはどうなんだろうか?
批判覚悟であえて問う



画像2 広島大学病院の様子。手前が診療棟、奥の高い建物が入院棟になる。11年入院当時は、この診療棟は工事中だった

 ここでブログ主の体験談を紹介したい。ブログ主は8年前の11年の秋口に4週間の検査入院をした。当時の担当医から別の疾患名の疑いを持たれ、筋疾患発症4年目で、日常生活障害も徐々に出始め、当時勤めていた会社からも労働生産性が落ちたポンコツには用がないとばかりに手帳取得をして特例子会社行きを打診いや、強要された。理性では納得する部分もあったので、それを良しとして退行する決意をした。ヘッドハンティングで三顧の礼で来たのに・・・との感情的な引っかかる部分こそあったが、割り切った。そもそもしみったれた感傷は持たないほうだ。そうした事情もあり、検査入院に踏み切った。今後の進行を踏まえた、障害者資格での就労を当時は考えていた。当時は喫煙者で、入院中1日10回ぐらい喫煙所(当時)に通った。そこで、とある十代後半の入院患者と親しくなった。彼は、脊髄小脳変性症患者(難病情報センター)だった。彼の両親も同病患者、兄もそうだった。この疾患は、2/3は孤発性タイプだが、1/3家族(遺伝)性タイプらしい。この事実を知り、ブログ主はさすがに考えさせられた。確かに結婚は個人の自由で赤の他人がとやかく言う問題ではないが、先天性で遺伝する可能性が高い疾患患者の場合、自分が難病患者、身体障害者として味わった辛苦を子や孫に味わすのは、控えるべきではなかろうか?優生学の断種に近い考え方と思われるだろうが、現実問題として捉えればそこに行き着く。人権や差別の問題を論ずる以前の人としての在り方の問題ではなかろうか?そもそも家族を養える経済力を有していない人間は、そもそも結婚する権利こそあるが、資格の有無は微妙なところだ。同じ疾患の者同士が傷を舐め合うかの如く、寄り添い互いの障害基礎年金目当てで結婚をする。そして子どもが生まれる。しかも二人もだ。その子どもも例外なく、脊髄小脳変性症を発症。子どもは犬猫のようなペットではない。自分のことさえままならない身の上であるのに、障害を持つ子どもの人生に不幸の種を拡散して『結婚の自由がある』を掲げられても、大きな違和感と同じぐらいの不快感しか残らない。ブログ主が遺伝性の先天性疾患患者であれば、『不幸の連鎖は自分の代で終わらせる』と考え絶対に結婚はしないし、仮にしても子どもはつくらない。彼は屈託がない笑顔が絶えない好漢で、ブログ主に大学や会社のことなどを目をキラキラさせながら聞いてきた。年齢がそう変わらない息子を持つ親として、彼の笑顔を見るたびに心が痛んだ。

 一般論としての優生学の暴走の象徴の断種手術は、言語同断だが個々の問題に目を向けた場合、100%の絶対悪とは言い切れない。不幸の拡散を防ぐ意味合いでだ。治療法が確立しておらず、健常者並みの人生を望めない現実を少なくとも幸福とは言えないだろう。『価値観など人それぞれ』と言われればそれまでだが、総論としては概ね賛同するが各論に話が及ぶと賛同しかねる。『重い障害を持つ人生=不幸な人生』との定義は、本人的には自己肯定感覚で否を唱えるだろうが、客観視すれば残念ながらそうなる。健常者時代が45年あったブログ主は特にそう思う。今回の
旧優生保護法の下で障害のある人らに不妊手術が行われた問題をこの視点で捉えるとまた別の感慨も浮かぶ。『間違った政策を取り続けた国(加害者)vs有無も言わずに断種手術を強要された人たち(被害者)』の構図で、見ると人権蹂躙の暴挙でしないが、賛否を承知で言えば、『不幸の拡散防止』の意味合いではある程度の効果はあったと考える。本人同意の元、行われるのが理想だが、その判断を本人が(能力的に)下せるか否かの問題もある。単純な善悪論で片づけていい問題ではない。左寄りの意識高い系の人権主義者の方々から、強いお叱りを受けそうだが理想論の強要は、新たな不幸を生み出しかねない事も知った方が良いだろう。それでも『重い障害を持つことは不幸ではない』と言い張るのであれば、ブログ主は軽めの重度障害者の一人としてこう言いたい。『お試しで1カ月ぐらい体験されてから仰ってください』と。そしてこうも言い加える。『体験後、その主張に変化がなければ意見の一つとして尊重します』。よって状況にもよるのだが、同じ障害者ではあるが、今回の問題、あまり障害者側には同情していない。一時金320万円については桁一つ少ないなと思う。曲がりなりにも非を認め、謝罪をしたのだから『人生の対価分』の金額としては少ないというか、随分と足元を見たものだ。双方が納得しているのであればブログ主が口を挟む問題ではないが・・・。優生学の暴走の象徴である断種というブレーキが人権の問題でなくなった以上、遺伝性が強い先天性の疾患患者の方は、この辺を深く考える義務がある。

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前回記事 広島の都市問題 MICE(マイス)の話題 3
カテゴリー記事 
広島の都市問題 MICE

今日の話題 4月23日建設通信新聞より引用
広島県/展示面積10㌶超MICE検討/参加申請5月10日まで


画像1 今回『MICE施設検討事業(大規模展示場実現可能性検討)に係る業務』の公募型プロポーザルを公告した広島県(画像 広島ニュース食ベタインジャーより)

【記事詳細】
 広島県は22日、展示面積が10㌶を超える大規模展示場を備えるMICE(国際的な会議・展示会など)施設整備の検討を進めるため、『MICE施設検討事業(大規模展示場実現可能性検討)に係る業務』の公募型プロポーザルを公告した。参加申請は5月10日まで、地域政策局都市圏魅力づくり推進課で受け付ける。同13日までに資格確認結果を通知し、23日の期限で提案書の提出を求める。27日に予定しているプレゼンテーション・ヒアリングで最優秀者を特定し28日に審査結果を通知する。 参加資格は、役務業務契約の『14A調査・研究』の有資格者を対象とする。事業予算上限額は、2,000万円(税込み)に設定している。同業務は、国内外の大規模な展示会やイベント開催の需要(市場・ニーズ)を調査し、広島西飛行場跡地利用計画での新たな産業(にぎわい)ゾーンを中心とした県・市有地を検討対象地として、展示面積10㌶を超える大規模展示場の実現可能性を判断する根拠資料を作成する。作成した資料は、県、市、有識者等で構成する検討会で議論するために使用する。

 業務内容は、国内外の大規模展示場現状調査(成功モデルのメカニズム)として、展示会(イベント)ビジネスの現状、海外の大規模展示場調査(施設概要、特徴、立地環境、事業費・費用分担等、収支構造、整備運営手法、官民の役割、行政支援策など)、大規模展示場の活用方策、大規模展示会やイベント等の開催需要・成り立つための機能・要件分析として、海外の市場調査から分かった必要な成功要件、主催者・出展者等へのヒアリング、運営手法等諸課題抽出として、広島での展開可能性、必要なインフラ抽出、整備手法を含めた運営手法検討(指定管理、PFI、コンセッションなど)、実現可能性判断のための資料整理として、ビジネスモデルのイメージ作成(概算でのインフラ等事業費、経済波及効果、持続可能な運営スキーム、MICE開催時以外の有効活用策など)。条件とする規模は、展示面積が10または20㌶を基本とする。履行期間は2020年1月31日まで。業務スケジュールは、6月上旬に委託契約を締結し、6月上旬から8月中旬にかけて調査を実施する。同下旬に調査結果を報告した後、9月上旬に検討会で意見交換、10月に課題を抽出・整理した上で11月上旬に中間まとめを作成する。20年1月下旬にも成果をまとめる。

【考察その1】
発端は広島商工会議所の昨年12月提言なのだが・・・
地に足をつけた西飛行場跡地活用に目を向けた方が・・・


画像2 広島市のMICEに係る諸指標(画像 広島市HPより)


画像3 広島商工会議所の大規模MICE建設候補地一覧(画像 広島市HPより)

 今回の広島県の『MICE施設検討事業(大規模展示場実現可能性検討)に係る業務』(広島県HP)の公募型プロポーザルの公告は、昨年12月の広島商工会議所の10㌶(10万平方㍍)規模の展示施設中心のMICEに係る提言を受けてのものだ。 ~広島におけるMICEのあり方提言~(広島市HP) プロポーザル方式は、主に業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、複数の者に目的物に対する企画を提案してもらい、その中から優れた提案を行った者を選定することである。今回の広島県の場合、国内外における大規模な展示会やイベント等開催の需要(市場・ニーズ) について調査を行い、広島西飛行場跡地利用計画(以下 跡地利用計画)に おける新たな産業(にぎわい)ゾーン(以下 にぎわいゾーン)を中心とした 県・広島市有地を検討対象地として、展示面積が10㌶を超える大規模展示場の実現可能性について判断するための根拠資料を作成することを目的としている。要は、広島商工会議所提言を本格検討するものだ。参考に上記の広島市のHPと画像2~4を参照して頂きたいのだが、地方中枢都市-札・仙・広・福-の中でMICE(マイス)部門で最後尾に位置しているのは、ハード-大規模展示場、同会議場-、ソフト-誘致組織など-共に不足しているからだと結論付けている。インバウンド需要が高騰している今こそ、好機と捉え本格検討すべきだ、と言いたいらしい。ご高説もっともで特に展示施設の貧弱感は否めないのは事実だが、そこでどうして展示施設規模が10㌶になるのか?少し理解に苦しむところである。前回この記事を書いた時には、提言内容の詳細がよく分からず、新聞記事だけの情報だけだったが、今回はようやくその詳細に触れることができた(下記画像4参照)。印象は前回同様にバブル期を彷彿させる、夢と現実の境界線が定かではないようなどんぶり勘定の計画のようだ。主な概要は以下の通り。

(1)ハード整備の方向性
 ①会議・学会・イベントの誘致拡大に向けた複合施設整備(商工センター地区)
  ア 2,000~3,000人超収容可能な会議場と3,000~5,000平方㍍規模の展示場
  イ 10,000平方㍍規模の多目的ホール(分割可能構造・可動席システムなど主催者ニー
   ズにフレキシブルに対応できる機能) ア又はイを有し、中小会議室とあわせ1施設で5,
   000人超規模の会議・学会・イベントに対応できる複合施設
 ②大規模な展示会・イベントの誘致拡大に向けた施設の整備(広島市西部湾岸地域[観音
  地区・商工センター地区]) 国内外をターゲットとした大規模展示会(展示面積100
  ,000平方㍍規模超)・イベントが開催できる国際水準の展示施設の整備 ⇒用地確保、施
  設の整備・運営スキーム確立が前提
 ③広島市中心部のMICE関連施設の機能強化・連携強化などイベント等開催機能、神楽な
  ど広島の観光・文化情報発信機能の強化に向けたオープンスペースの整備や各施設をつな
  ぐ動線の整備等

(2)ソフト強化の方向性
 ①MICE振興の強化に向け、(公財)広島観光コンベンションビューローの活動の強化及
  び共同事業実施などによる産学公の連携強化
 ②大規模展示施設の整備にあたっては、大規模な展示会・イベントが主催できる推進・運営
  体制の構築を、外資系専門機関の活用等を含め検討
 


画像4 広島商工会議所 グローバルMICE検討特別委員会が昨年12月のMICEに係る提言(画像 広島市HPより)

 突っ込みどころが満載で、語る気にもなれない。秋葉市政時代の最大の大風呂敷だった広島オリンピック構想に匹敵する(笑)。日本最大の展示面積の96年開場の東京ビックサイトの建設費(当時は8万平方㍍)が、約1,985憶円。これには用地取得費や他の関連インフラ整備のそれは含まれていない。23年後の19年だと、優に2,200~2,300億円超は確実だ。それを都市圏規模1/18(1.5%都市圏)程度の広島市で建設、いや検討しようとする発想そのものが凄過ぎて、開いた口が塞がらない。他の施設も含めると、複数の施設だけで3,000憶円超の国家プロジェクト規模になる(笑)。人口減時代に入り、社会保障費の国庫補助が、予算の1/3を占める時代に国が認可する筈もなく『広島市君、君は何を言っているのかい?』と嘲笑されてもおかしくはない。提言後の県と市の反応は表向きは別として本心は冷ややかと思いきや提言前の検討段階で、双方の職員も参画していることもあり概ね好意的だった。特に松井市長は市長選挙を控えている関係もあるので、それに向けた社交辞令も含めたリップサービスもあると思っていた。どうやらブログ主の勘違いだったらしい。何れも単独の建設主体には(財政難理由で)絶対になりたくないと思いつつも、提言を真摯に受け止めているようだ。展示施設の10㌶(10万平方㍍)はあくまでも展示施設の建設議論の取っ掛かりに過ぎず、現需要(潜在需要も含める)の規模相応の新施設建設を行政に迫る意味合いもあると考えたい。ブログ主程度の人間でも分かることが、経済界のお歴々に分からない筈がないからだ。そうでないと話の辻褄が合わない。本気で、供給さえ増やせば放っておいても需要が見合うものに増えるという不思議理論を
崇拝していないと信じたい。何でもかんでもハード(ハコモノ)を後先考えずにつくり、ソフトは後回しにする手法は、建設だけが目的臭が漂い今の時代にそぐわない。今回は、需要(市場・ニーズ)を調査も含まれているので結果が待たれるところだ。まあ、調査する必要もないと思うが、適正規模まで提案してもらえれば、大いに参考になるだろう。

 
画像5 今回の検討で
一部の跡地利用がストップした広島西飛行場跡地(画像 アンドビルド広島より)

【考察その2】
広島市の新MICE(展示
施設立地に相応しい場所は?

東展示館外観
画像6 広島市最大の展示施設の広島県広島産業会館(南区比治山本町) 画像 同公式HPより

 ブログ主は、広島商工会議所提言10㌶(10万平方㍍)規模の展示施設は検討する必要性はないが、適正規模の新展示施設の必要性は絶対にあると考える。現在の需要と、今後広島市がMICE都市建設に邁進して発掘するであろう+@の需要を含め、1万平方㍍規模の展示施設+最大収容数2,000~3,000人規模の第2国際会議場との複合施設で早急に必要だ。現行施設の最大の展示施設の広島県広島産業会館(南区 展示面積9ヵ所 合計5,500平方㍍)、広島国際会議場(座席数1,504席)だけでは、戦う武器としては貧弱感は否めない。ただ手順としては、ハードありきではなく、ソフト面の強化で需要の発掘をしてその後に将来需要まで見極め、整備するのが筋だろう。では新施設整備の場所は一体、どこが相応しいのかを考える。

候補地1:広島中央公園自由・芝生広場(以下 広場 7.9㌶)  中区基町地区
 長所 大小のMICE関連施設の集積が高く、都市観光施設、商業施設なども徒歩圏内にあ
    りコンパクトMICEの実践が可能。~福岡市 北九州市 神戸市 横浜市の各事例
    ~ 
公共交通など整備されており、関連インフラ整備の必要性がない。敷地も7.9
    
あり、複合施設建設(スタジアム+展示場+大規模会議場)も可能。都心部地区の
    
ぎわい性創出に大きく貢献する。国の社会資本整備総合交付金(50%補助)の適
    
が見込める
 短所 都市公園法の縛り。国際会議場は問題はないが展示施設に関しては、展示内容などの
    制約がある場合も
ブログ主評価 


画像7 手前がアステールプラザで、奥が広島市文化交流会館(画像 広島・都市再生会議より)

候補地2:広島市文化交流会館
・アステールプラザ一帯地区(2.5㌶) 中区平和記念公園近隣
 長所 大小のMICE関連施設の集積が高く、都市観光施設、宿泊施設、商業施設など
    徒歩圏内にありコンパクトMICEの実践が可能。中央公園広場よりも平和記
    
園に近く立地は申し分ない。都心部地区のにぎわい性創出に大きく貢献する
 
短所 候補地のうち最も敷地が狭い(計2万4,520平方㍍)。既存の両施設は85~
    
年の竣工で比較的まだ新しい。しかも既存施設が複合化(アステールプラザ)
    
されており、高層化が必須で建設コストが高価になり、都市公園ほど(50%)
    
の国の補助見込めない
 ブログ主評価 


候補地3:出島埋め立て地区(8.0㌶以上~) 南区出島地区
 長所 かっての『メッセ・コンベンションシティー構想』の候補地だった。まとまった広
    
大な敷地があり、同地区の埋め立て事業の進捗次第ではさらに増える。将来の拡張
    
にも十分対応が可能
 短所 デルタ内地区の最南端に位置しており、都心部地区から少し遠い。アストラムライ
    ンの延伸構想が既に消えており、路面電車やバスの高度化などの関連インフラ整備
    が必須となる。地元物流業者も日常的なにぎわい創出には大反対している
 ブログ主評価 

候補地4:旧広島西飛行場跡地(10.6㌶) 西区観音新町地区 
 長所 特になし。強いてあげれば、跡地利用が正式決定していない未利用地があるぐらい
 短所 都心部地区から遠く、この地で集客しても都心部地区のにぎわい創出に取り込めない
    可能性が高い。既存の交通インフラ(道路、公共交通など)が候補地の中で最も貧弱
    で新規の整備が必須となる
 ブログ主評価 ✖✖✖

補地5:広島サンプラザ一帯(5.2㌶) 西区商工センター地区
 長所 デルタ内地区の西端に位置するが、比較的交通インフラが整っている
 短所 
都心部地区から遠く、この地で集客しても都心部地区のにぎわい創出に取り込めない
    可能性が高い。サンプラザ横の西部埋め立て第5公園も取り込むので、近隣にて代替
    え公園用地を探す必要がある

 ブログ主評価 ▲

 評価自体、ブログ主の趣向が加味されているので微妙なところだが中央公園広場及び、広島市文化交流会館一帯が最適地になる。評価査定に展示会、見本市、各イベント等で集客した人々を都心部地区のにぎわい性創出として還元可能か?これに重きをおいた。他の候補地は、都心部地区のとの連動性も多くは見込めないことを理由に▲以下とした。要は遠隔地なので、都心部地区を素通りしてそのまま帰宅するからだ。MICEの開催効果は、
①ビジネス・イノベーションの機会の創造  地域への経済効果 国・都市の競争力・ブランド力向上 などがある。にぎわい性云々に固執するほどもないと思うだろうが、紙・八地区の惨状を見るにつけせっかく集めたものを、そのまま帰すのは惜しい。世界の趨勢はと言うと日本は冠たるMICE大国と虚勢を張りたいところだが、xhibition(展示会・見本市・イベント)に限ると先進国の中でも下位の部類に入る。展示施設の延床面積数は、第3位のドイツの1割強の水準で、都市ごとのランキングでは、日本最大を誇る東京ビックサイトでさえ、78位である。因みに日本の展示施設の延べ面積は、世界最大施設のハノーバー(広島市の姉妹都市)1市よりも狭い。メッセ(国際見本市・展示会)を新産業化している都市などでは、郊外部に20~30万平方㍍規模の展示施設を抱えている。高速道路やフル規格地下鉄、LRT等を整備して国内はもとよりEU圏全体を取り込み、活動している。日本の場合は背後に抱える市場、ビジネス文化の相違、立地上のハンディもあり、メッセに限ればここまで発展する可能性は低い。よって10万平方㍍規模の大規模施設ではなく、小規模施設(1万平方㍍規模)による、都心型MICEが実情に適っていると考える。デルタ内地区やデルタ外地区の場合、交通関連のインフラ設備整備も併せて実施する必要があり、施設単体は低コストでもトータルで見ると、割高になりやすい。


画像8 中央公園広場(広島城横の長方形の場所)の様子(画像 ひろたびより)

 〇以上と評価した2つの候補地を比較すると、アクセスなどの立地はほぼ互角で甲乙つけ難い。問題は建設コストと、行政に負担がどこまで及ぶのかになりそうだ。
広島市文化交流会館一帯(立地状況)はそれこそ、MICE戦略エリアになりそうな立地だが、社会資本整備総合交付金(50%補助)の適用が難しく、従来の県と市の第3セクター、最近主流のPFI方式であっても相当額の行政の持ち出しは避けられない。現行のアステールプラザは、広島市文化創造センター、広島市中区民文化センター、広島市国際青年会館、広島市立中区図書館の複合施設だ。集約可能な類似施設が多いので、1万平方㍍規模の展示施設+最大収容数2,000~3,000人規模の第2国際会議場に中区図書館、広島市国際青年会館の機能を加えれば、良いのではなかろうか?現行の敷地は、都市計画道路を挟んだ形で立地しているので、展示場棟と国際会議場棟の2棟の建設になりそうだ。その建物をエディオン本店本館と新館のようなデッキで結べばそれはそれで面白い。施設の集約の側面もあるので市主導となるが、単独では厳しいので県がどこまで係れるのかが、カギになりそうだ。一方の中央公園広場案は、ブログ主のかねてからの主張通りだ。広島市文化交流会館一帯地区を上回るアドバンテージは、都市公園でもあるので社会資本整備総合交付金(50%補助)の適用が可能な点である。『サッカー専用スタジアム+国際会議場+展示場』の複合化となる。単体施設では、コストセンターになりがちだがまとめて、相互補完関係にすることで、弱点がカバーできる。施設ごとの収支にするのではなく、3施設を一体化する収支体制にすれば十分黒字化も可能と考える。現行のスタジアム案は多機能単体スタジアム案だ。これではコストセンターになる可能性が高い。唯一の懸念は、都市公園法の縛りだ。ブログ主が調べた範囲では、展示内容によってはNGのケースもあるとなっていた。となると同公園内にある広島グリーンアリーナの小アリーナの存在の説明がつかない。裏技ではないが、メッセには一言も触れず名義上は全天候型(屋内)イベント広場みたいなネーミングでこの問題をクリア出来ないのか?本気でそう思っている(笑)。これ実現すると、行政主導では唯一かつ、現在の街中スタジアムの理想を兼ね備えたスタジアムになるだろう。大きな点(集客施設)が誕生すれば、他の点(同)と結ぶ回遊路を整備すればいいだけになる。また何かあれば記事にしたい。
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カテゴリー記事 時事考察 その他

今日の話題 4月16日毎日新聞デジタル版より引用
市職員、ALS患者側に『時間稼ぎですか』 埼玉・吉川市謝罪へ


動画1 難病患者に 埼玉・吉川市職員が『時間稼ぎですか』(19/4/16)

【記事詳細】
 全身の筋力が低下する難病『筋萎縮性側索硬化症(ALS)』を患う埼玉県吉川市の高田泰洋さん(43)らが16日、同県庁で記者会見し、重度訪問介護サービスを巡り、吉川市職員から暴言を受けたと明らかにした。高田さんらは『人権侵害だ』と主張。市側は毎日新聞の取材に『(同席した)弁護士に対する発言だったが適切ではなく、誤解を与えたことを謝罪したい』と釈明した。

     記者会見に出席した代理人の藤岡毅弁護士によると、高田さんが要望していた訪問介護時間数の増加の要否を調べるため、市障害福祉課の職員3人が12日に高田さん宅を訪問した。発語機能に障害がある高田さんが50音の書かれた文字盤を使い質問に答えていた際、職員から『時間稼ぎですか』と言われたという。市によると、3月以降、藤岡弁護士らとの間で高田さん宅を訪問する日程の調整を重ねてきたが、なかなか決まらなかったことなどが発言の背景にあったとみられるという。

     藤岡弁護士は『コミュニケーション障害を抱えた人々に対する侮蔑だ』と指摘し、高田さんも『ただただ悔しかった』と謝罪を求めた。

    【考察その1】

    不謹慎発言をした埼玉県吉川市職員


    動画2 ホーキング博士宇宙の起源論

     本題に入る前に、まず筋萎縮性側索硬化症(ALS)について説明したい。難病情報センターの記述によると、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだん痩せ衰え、力がなくなっていく疾患。しかし、筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害を受ける。その結果、脳から『手足を動かせ』という命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり、筋肉がやせていく。その一方で、体の感覚、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれる。国内患者数は約9,200人程度いる。遺伝性はごく稀(5%)で、殆どが孤発性タイプである。原因は不明だが、神経の老化ではないか、と言われている。筋肉理由による筋萎縮が起きるミオパチー疾患に比べ進行が異様に早いのもその特徴だ。個人差はあるが、発症後1年程度で車いすとなり、3~5年前後で肺の筋萎縮などで死か人工呼吸器の装着かの選択に迫られるケースが多い。著名人では、『クイズダービー』に出演していた篠沢教授、ホーキング博士(上記動画2参照)、FC岐阜の元社長の恩田氏などがいる。高田さんの動画を見たが、首の太さから判断すると発症してそう年数が経過していないと推察する。ALSもそうだが、ブログ主の封入体筋炎(難病情報センター)が属するミオパチー系疾患の身体的な特徴として、首及び四肢(手足)が針金のように細くなることがある。パッと見た感じでは、そこまで細くないのでそう推察した次第だ。ALSは、ミオパチー系疾患よりも恐ろしいとブログ主は認識する。共に筋肉が萎縮する経過を辿るのだが、その進行速度が次元を異にするぐらい違うのである。封入体筋炎であれば、3カ月~半年周期での筋萎縮現象がある。ない時には1年ぐらい進行を感じない時も稀にある。ところがALSの場合、週単位で筋肉で委縮する。正直これは恐怖である。割と長いスパンでの筋萎縮であれば、最初に進行を感じた時は確かに恐怖感に近い感情を持つものだが、何度か繰り返すとそれに慣れる。委縮すると言っても緩やかで、進行度合いに驚くことはあまりない。ALSは頻繁にあるために、あっという間に特急並みの速度で進み、身体を動かす自由を徹底的に奪われる。確認されたい方は、元FC岐阜の恩田社長の社長就任直後とその数年後の様子を見比べると、ブログ主が言っている意味を理解されると思う。

     吉川市職員『今、寝返りはご自身で出来ますか?』
     ALS患者の高田さん『・・・・・・』
     吉川市職員『これ時間稼ぎですか?』
     藤岡弁護士『違います。なぜそういう解釈になるのか分からないのですが』


     こんな感じのやり取りが本当にあったらしい。市職員の『時間稼ぎ発言』の意味が全く理解に苦しむ。これでも市障害福祉課の職員とのことらしい。職員サイドに立ったとしても、この発言の伏線らしきものが以前からあったのかと勘繰りたくなるくらいだ。悪意がない不用意な発言だったとしても、この職員の人間性を少し疑いたくなる。ここまでこけ降ろす理由は、ALS患者に対しての知識が仮になかったとしても、あの状態の高田さんを見て時間稼ぎなどと言う言葉は普通、口からは出ない。時間稼ぎかどうかは、見れば一目瞭然で違うのは明らかだからだ。現場に赴き、この程度の判断力しか持ち合わせていない能力値に驚きを禁じ得ない。『人としてもう少し見る目を養えよ』とブログ主がこの職員の上司であれば、大声でどやしつけていたかも知れない。年齢などが定かではないので、一概には言えないが声を聴く限りでは、20代の若い職員ではなさそうだ。察するに、高田さんは、要望していた訪問介護時間数の増加を希望し、その判定に市の職員が訪れていたようなので重度障害者を演じている疑惑を持たれていたようだ。これもやはり市の職員の見識に強い疑問を持たざる負えない。やり取りを聞く限りでは、この問題がここまで大袈裟になっていなければ却下したのは想像に難くない。健常者の方は、『これぐらいでオーバーだな』『被害者意識が強すぎ』『市の職員も運がないな』ぐらいの認識が大半だと思うが、当事者感覚だと個人の尊厳や名誉に係る問題なので、『世の中、そんなものだよ』的な妥協で看過できないのが本音だ。直接的ではないとしても、無意識の差別行為に違いない。近年の障害者差別の定義では、直接的なものは言うに及ばず必要な合理的配慮の欠如(コストがかからないもの)など同様に今回の発言もその範疇に十分入る。ただ、吉川市が普段から障害者に対して表面上は別として本音レベルでどう思っていたのかが伺える。この職員一人の認識ではなく、このような発言が無意識に出るような土壌があり、共有していたのではなかろうか?今回の市職員の発言も問題だが、それ以上にこちらの方がもっと大きい問題だろう。

    【考察その2】

    健常者の何気ない発言にも心を痛める障害者たち

    今回の事件(?)をざっくばらんに語る


    画像3 障害者と健常者が何隔てなく共生するのは机上の空論なのだろうか?
    (画像 かわいいフリー素材集いらすとやより) 

     ブログ主は、健常者45年、障害者7年を過ごし双方のメンタルの在り方やその違いを片方しか知らない人間よりも理解している自負はある。これは『健常者⇒障害者』への発言だけに係らず、全体的に言えることだが、人の何気ない悪意がない発言で心を痛めることが多々ある。難病を患い、重い障害を持つことで通常では考えられない心の隙間を持っているのが障害者だとブログ主はそう理解している。回りくどい過剰配慮で何やら小馬鹿にされた気分になるのもあれだが、大して理解してもいない癖に分かったような口ぶりや態度を隠そうもせず、知ったかぶられるのも少し鼻につく。障害者サイドから差別云々の主張をするとややもすると、
    話こそ笑顔で聞く素振りはされるが、『神経過敏』、『自意識過剰』、『被害者意識が強い』と思われるのがオチだ。こちらの事情をすべて理解してほしいなどと偉そうなことを言うつもりは毛頭ないが、程度、内容の違いはあれど障害を持つ意味をもう少し理解してほしいとの思いは感受性に乏しいブログ主にもある。健常者の強いコンプレックスにも似た負の感情は障害者であれば皆等しく持っている。時折『障害も個性の一つ』という頓珍漢な方向の無理感満載の虚勢も聞くが、本音レベルでそう思っている障害者など一皮剥けば皆無の筈だ。ブログ主は同じ障害者ではあるが、そう主張せざる負えない人たちの現在、過去も含めた生活背景などに同情してしまう。日常生活に支障をきたすものなど『百街あって一利なし』だからだ。それにこんな個性など必要がない。話を戻すと、今回の事件の質(たち)が悪いのは、高田さんが住む埼玉県吉川市の市障害福祉課の職員の発言である点だ。個人差はあるが、障害者になると福祉や介護など住む自治体の障害福祉課がどうしても立場上、身近なものとなる。言わば、障害者福祉の窓口となる担当の職員が、今回のような発言をして高田さんのやるせない心情を思うと他人ごとながらも、同じ筋委縮をする難病患者として胸が痛んでしまう。障害云々を語る以前に、人としての相手への配慮が圧倒的に足りない。


    画像4 12年度の1年間通った県障害者能力開発校の様子(画像 同公式HPより)

     私事で大変恐縮だが、ここまで酷いことを言われたことはないが、12年に前職の金融機関を退行し障害者能力開発校(以下 開発校)に通っていた時に相手の胸ぐらを掴みたくなる衝動に駆られたことがある。何を言われその衝動に駆られたかと言うと、4月の入学後に身体測定と簡単な体力測定があった。その時に握力の計測があり、右手11㌔、左手5㌔しかでなかった。この様子を見た県の職員がこう言い放った。『げっ、これってマジ?』である。カチンの百乗ぐらい頭に血が上ったブログ主は目で相手を威嚇して、わざと表情に出して言い返してしまった。『今、何か言いました?よく聞こえなかったのでもう一度、言って頂いても良いですか?みんなに聞こえる大きな声で』と。さすがに障害内容に係ることなので、腹が立ち『こいつ言葉で虐待してやろう』と思ったのだ。最終的には校長がすぐに謝罪に来たので抜いた心の刀を鞘に納めた。困り果て泣きそうな顔をしている職員を見て溜飲が下がる思いがして、怒りも静まり満足したのだが(笑)。詳しく説明すると封入体筋炎の進行で、かって右手55㌔、左手65㌔はあった握力は、下がりに下がり就学前の幼稚園児並みになっていた。ただそれだけのことである。記事を書きながら思ったが、侮辱された意味合いでは今回の件とそこまで大きな差はないと思うのはブログ主だけだろうか?当事者の僻みも少し混じっているかも知れない。ブログ主は障害者歴7年だが、これが唯一の受けた不適切発言だ。後は実生活では一度もない。最後に批判の類ではないが気になった点を述べたい。まず、記者会見の場はどうして県庁なのか?、次はわざわざ、
    訪問介護時間数の増加の要否を調べるだけなのに大袈裟に弁護士が立ち会っているのか?この二点がブログ主の良くない頭脳と貧相な想像力ではよく分からなかった。訪問介護時間数の増加という福祉施策の対象になる経済環境であれば、弁護士費用を出せるほど余裕はない筈だろうし、県庁での会見については埼玉県にクレームでも入れたのだろうか?親族ではない介護者がいる事にも、家族しか介護者がいないブログ主からすれば、こういうのはどんな経緯を経て知り合うのか?少し謎である。これは深い意味はなく、素朴な疑問を言語化しただけである。事件全体を俯瞰すれば、問題提起の意味合いでは、表沙汰になることは悪いことではないだろう。

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