封入体筋炎患者闘病記

 封入体筋炎患者のヒロです。病歴は2019年で満11年、12年目に入りました。在宅勤務の仕事とリハビリの日々を送り、細やかながらも家族3人で暮らしています。ブログ記事は闘病記と広島地元ネタ、社会保障などの時事ネタ中心です。希少疾患の封入体筋炎の周知が目的です。関心があれば、ツイッターなどでご紹介していただければ幸いです。疾患関係で直コメントが苦手の方は、ツイッターのダイレクトメールを利用してください。封入体筋炎の闘病史は各進行段階の症状や生活障害、必要な社会保障制度等をまとめています。良ければ参考にしてください。最新の封入体筋炎の状況は『近況について色々と』、取り組んでいるリハビリについては『2019年春~夏 筋疾患(封入体筋炎)リハビリ』にて素人の体感目線で書いています。モバイル版で読みにくい場合は、PC版に転換してからお読みください。

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カテゴリー記事 広島の都市交通 空港

今日の話題 5月11日中国新聞1面より引用
広島空港運営権に動き 地元連合や大手準備

【記事概要】
 2021年に民営化される広島空港(三原市)の運営権取得を目指し、広島銀行(広島市中区)中国電力(同)マツダ(広島県府中町)などの地元企業連合が三井不動産(東京)と組み、国の公募に向けて準備していることが10日分かった。三菱地所(同)三菱商事(同)などのグループも名乗りを上げるもようで、他にも複数の企業が関心を寄せている。月内に公募手続きが始まるのを前に、広島の『空の玄関口』を巡る合従連衡の動きが活発になっている。


画像1 5月11日中国新聞1面より

【記事詳細】

 複数の関係者によると、県内の財界で『御三家』と呼ばれる広島銀と中電、マツダのほか、広島電鉄(中区)と三井不動産がグループを組み、応募を検討している。三井不動産は熊本空港の民営化で、地元企業などと優先交渉権者に選ばれた実績がある。三菱地所と三菱商事のグループには大成建設(東京)と建設コンサルタントのパシフィックコンサルタンツ(同)も入り、準備を進める。三菱地所などは高松空港の運営に加わっており、ノウハウを生かすとみられる。

 他の地元企業や大手も運営に関心を寄せているほか、他の空港民営化では外資系企業も応募実績がある。国土交通省が3月にまとめた実施方針では、第1次審査後に新たに企業グループに加わることができるため、情報収集を続けているもようだ。事業者の公募は、国交省が5月下旬にも募集要項を公表して手続きが始まる。8〜9月に1次審査があり、2次審査を経て20年6月に優先交渉権を得る運営事業者が決まる。運営を委ねる期間は21年4月から51年3月末までの30年間。対象施設は滑走路やターミナルビルのほか、県営のゲストハウス『フォレストヒルズガーデン』、広島エアポートホテルなども含まれる。

【考察その1】
『地元企業連合+三井不動産vs三菱グループを筆頭とした中央資本』のバトル


画像2
 広島県三原市(本郷地区)にある広島空港(画像 国土交通省大阪航空局HPより)

 広島空港の民営化の動きはブログ記事にてその都度紹介しているが、また動きがあったので紹介したい。今年の3月に国土交通省が、『実施方針の公表』(国土交通省HP)を行った。下記画像3の民営化開始まで工程表と照合すると、5月下旬の募集要項等の公表前の企業グループの動きとなる。全国の主要空港での民営化に向けた動きがこの5年ぐらい活発化しているので、国内の主要空港の民営化の動きには広くアンテナを張っていたものと思われる。全国の動向は下記画像4の通りとなる。広島空港だけを注視すると、さも先進的な取り組みをいち早くしている印象が強いが、実は他空港よりも少し遅れている。遅れているとはいっても、
一連の流れの中から取り残されている訳ではないのだから問題はない。数年程度の遅れでむしろ後発組の強み-先行空港の事例を参考に出来る-を発揮できるのでむしろ良かったのではないだろうか?今回の報道で注目したいのは、広島地元企業連合として三井不動産の後押しの元、マツダや中国電力、広島銀行、広島電鉄が参画していることが特筆される。三井不動産は熊本空港の民営化でも地元企業連合との協力の元、優先交渉権者に選ばれている実績があり信頼できそうだ。広島だけの地場資本連合だけでは資金的に限界があり、30年(最長35年)という長期間の運営には心もとないので心強い。ただ、熊本空港の運営開始は20年4月からで、実績という点ではないに等しい。審査に当たるのは広島県ではなく国土交通省が直接当たるので、地元資本連合が入ることをどう評価するのか?純粋に提案のみの評価となるのか?非常に気になるところだ。広島県が審査するのであれば、多少に身びいき、いや地域経済に忖度(そんたく)した配慮もあるのだろうが、今回はそんなことはなさそうだ。ブログ主は期待値を込めて、『地元企業連合+三井不動産グループ』に運営権を獲得してほしいと願う次第だ。

国内主要空港民営化の運営事業者の内訳
関西国際空港 16年4月~ オリックス(東京)、仏バンシグループなど32社
仙台空港   16年7月~ 東京急行電鉄(東京)など7社
高松空港   18年4月~ 三菱地所(東京)など4社
福岡空港   19年4月~ 地元企業出資の新会社(福岡市)、三菱商事(東京)など5社
熊本空港   20年4月~ 三井不動産(東京)、九州電力(福岡市)など11社
新千歳など7空港 20年6月以降順次 ⓵地元+大手、②外資系の2グループで最終審査中


画像3 広島空港民営化の工程表(画像 国土交通省HPより)

 個人的に目を引いたのは、地元企業連合の中にマツダ、中国電力の旧二葉会の地元名門企業の他に広島電鉄が参画している点だ。ブログ主はかねてから都市交通運営事業で、営業エリア(広島都市交通圏域)の殻に閉じこもるのではなく、外に出るべきだと思っていた。本業の都市交通事業は斜陽産業そのもので、今後は縮小社会(超高齢化+人口大幅減)の進行で増々窮地に陥るからだ。経営の多角化といっても流通業は中央、地元資本の企業に押され、堅調な不動産事業も現在は所有不動産物件の開発で何とかしのいでいるが何れは開発減資が尽きる。やはり『餅は餅屋』である。今回の空港運営という未知数の分野で参画した点は評価したい。推察すると空港アクセス(リムジンバスなど)部分を担当する企業としての参画だろう。既得権益死守の側面はあるのだろうが、『地元企業連合+三井不動産 グループ』が運営事業者になった場合、不参加の他の都市交通事業者よりも優位に立ちたい思惑もあるのだろう。国土交通省の3月公表の『広島空港民営化実施方針の公表』では、空港利用促進事業として『二次交通アクセス事業者等との連携を含めた提案を受ける』が含まれていた。二次交通アクセスとは、空港への公共交通アクセスだとJR山陽本線を一次交通アクセスと定義し、白市駅や西条駅からバスでのアクセスを指す。空港への鉄・軌道アクセスを昨年8月に正式に断念しているので、現行の公共交通アクセスの充実が迫られている。現在白市駅から広電資本の芸陽バスが『JR白市駅~広島空港』間を運行している。 ~【JR山陽本線を利用した広島空港アクセス】~(広島空港HP) これ以外の新提案が果たしてあるのか?興味深い。

【考察その2】
現状では最後の案件となりそうな広島空港の民営化
広島空港に係ることを色々と



画像4 世界の主要空港の離陸料(航空機1回当たり)

 今回の報道の耳にしてブログ主は、広島空港の人気ぶりが思いのほか意外だった。報道によると既に挙手している2グループの他にも、様子見を決め込んでいる企業グループの存在を指摘している。より良い条件を提示し、利益を生み出すのであれば悪いことではない。広島空港の人気ぶりの背景には、二つの世界遺産(原爆ドーム、宮島)があり今後も外国人観光客の大幅な増加が期待され、ビジネスチャンスが大きいと見込まれていることがあるらしい。もう一つは、関西国際空港から始まった空港民営化の流れは今回の広島空港でひと段落する。現状では、広島空港に続く案件は存在せず、最後の案件となる。日本人気質の『バスの乗り遅れるな』的な強い意識も働いているようだ。事業期間が30年間の長期に渡り、縮小社会の進行やリニア中央新幹線(JR東海)開業など今とは比較にならない社会情勢の変化も予測されるので、この辺りをどう考えているのか?少し疑問に感じた。特に広島空港のドル箱路線である『羽田空港~広島空港間』は山陽・東海道新幹線との競合で劣勢を強いられているだけにリニア中央新幹線が大阪まで開業すると、wスコアになると思うのだが・・・。『その時に考えればよい』と捉えているのかも知れない。現在の広島空港は定期便12路線-国内5路線、国際7路線、チャーター便12路線-国内5路線、国際7路線 を抱えている。左右に関西国際空港と福岡空港に挟まれていることを考えると健闘している。広島市の都市観光目線で見れば、訪れる国内外の観光客の45.8%はJR利用で玄関口は広島空港ではなく、JR広島駅となっている。広島空港は、僅か9.25%でしかない。~航空ダイヤを見る~(広島空港HP)によれば国際便は、外国人観光客が多いとされる欧州、北米、オセアニア大陸のからの路線はほぼなくアジアが中心のビジネス路線となっている。こうしたものは需要があるので供給をするのか?逆に供給をして需要を発掘するのかの『鶏が先か卵が先か』の論争に近いが、今後白熱化する都市間競争を見据え、国内・国際路線のより一層の充実が期待されるところだ。


画像5 全国の主要空港の『航空機系事業と非航空機系事業』の収支(EBITDA) 画像 国土交通省HPより

 上記画像4は広島空港ではないが、日本の空港と世界の主要空港の1回当たりの離陸料の比較だ。空港利用料金も含め総じて高いと常に指摘されている。当然航空機の利用料金にも反映され、コスト高になり新規路線開設のハードルも上がる。民営化により黒字幅が拡大されれば設備投資への原資が確保され、この二つの料金値下げも夢ではなくなる。民営化前でも広島空港は、4大空港-東京国際(羽田)、成田国際、関西国際、中部国際-+新千歳、福岡の6空港に次ぐ黒字を出して優等生ぶりを示している(上記画像5参照)。よくある無駄なコストセンターにはなっていない。現在の黒字は10億円台だが、民営化により20~30憶円程度になるのでは?と予測する。
EBITDAとは空港建設で要した減価償却費を含まない収支のことだ。現広島空港は中四国地方の基幹空港を目指し、93年10月に現在地(三原市本郷地区 広島市より約50㌔程度)で開港した。利用者は年々増加して、02年には年間利用者数は、344万人に達した。その後、景気低迷や新幹線等の競合などで減少に転じたが近年は、アベノミクスによる景気回復やインバウンド需要の高騰もあり再び増加に転じ、17年度は297.5万人にまで回復している。 ~広島空港の利用状況について~(広島県HP) 現広島空港については、開港前から賛否が大きく分かれている。広島市目線だと非の方が圧倒的に多い。遠隔地移転のデメリット-広島市の中枢性の低下-が囁かれ国立広島大学の西条移転と共に失政として語られる。広島空港に関しては、旧広島空港(現広島ぺリポート)が滑走路が1,800㍍しかなく、中型ジェット機の就航しか出来ず、需要への対応が難しかったことや地元住民の騒音に対しての反対、拡張性に乏しいなどの理由から移転止む無しとなった。そうした当時の状況を鑑みると、失政とは言い切れない面がある。空港単体で見ると、少なくとも失敗の空港ではない。


画像6 広島県が想定している公共交通アクセス強化策(画像 広島県HPより)

 建設当時最大でも年間300万人と言われた利用者は一度達成して、基本的な利用者数になりつつある。空港の収支では、主要6空港に次ぎ、広島空港よりも利用が多い那覇空港よりも上位に位置する。むしろ成功部類に入る。残念なのは、鉄軌道系アクセスだけだ。最初は山陽新幹線の分岐線、その後はHSST200型のリニア鉄道、JR山陽本線を活用した通常鉄道方式が検討されたが、昨年8月に採算ラインの空港利用者数が1,000万人以上が必要とされるために正式に断念した。JR西日本が協力を拒否した時点で、詰んでいる。JR白市駅からの乗り継ぎの鉄軌道系(二次交通アクセス)交通網を整備しても、現行の芸陽バスの路線が切り替わるだけのことで、時短効果などの費用対効果は限りなく低い。上記画像6の選択ルートがそれになるが、現行の平均64分が、二次交通アクセスの鉄軌道線化で20分以上も短縮されない。主要ルート2の基盤となる東広島・安芸BP整備促進が、現実的な選択肢になりそうだ。広島市の外国人観光客は151.9万人(17年度)で観光客全体の底上げをしている。構成を見ると、アジア-37.4%、欧州-27.9%、南北アメリカ-21.0%、オセアニア-11.3%になっている。日本国内のそれは、アジアは84.3%のワントップ体制だ。要はアジア、特に中国や韓国、台湾からの取り込みが弱い。買い物観光ではなく学習観光の側面が強く、難しいところもあるが、彼らが持つ消費能力は欧米のそれよりも高く、魅力的だ。インバウンド需要のさらなる取り込みを図るため、LCC路線(格安航空路線)の新規路線開設、既存路線の便数増加などアジアに近い西日本の立地の良さを民営化以降、活かしてほしい。広島市の場合、関西大都市圏や北九州・福岡大都市圏に挟まれた立地が、ハンディとなっていたが、これは国内目線で見た場合の話。外需の取り込み目線だと、経済発展が著しいアジアに近い立地で西日本の都市との競争にはなるが、良好だと考える。それを下支えする施設として『中四国地方のグローバルゲートウェイ』を目指してほしい。この視点だと現広島空港の立地は決して悪くはない。エゴ的な広島市目線だけに立脚するから、失政云々の話に終始してしまうのだ。今さら死んだ子どものを年齢を数えるようなことを議論しても無駄だ。今あるものを今後にどう活かすのか?と考える方が建設的だ。その意味合いでは、広島空港の環境が長期的には厳しくなることが予測する中、民営化でどう変わるのか?注視したい。

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今日の話題 3月7日中国新聞29面より引用
民営化3周辺施設も
広島空港 国、5月公募方針

【記事概要】
 広島空港の民営化で、国土交通省は6日、2021年4月開始に向けたスケジュールを示す実施方針をまとめた。運営を民間に委ねる施設には滑走路とターミナルビルだけではなく、広島県営ゲストハウス『フォレストヒルズ』などの周辺3施設も加えた。国交省が民営化で周辺施設を含めるのは全国で初めてで、今年5月の民間事業者の公募を始める。


画像1 3月7日中国新聞29面より(ブログ画像からは全て読めません)

【記事詳細】
 実施方針は対象施設について、国が保有する滑走路と国営駐車場、県出資の第3セクター『広島空港ビルディング』(三原市)が建物を保有するターミナルビルを明記した。加えて、
フォレストヒルズガーデン▽県営駐車場▽広島空港ビルディングの子会社が営む広島エアポートホテル-の3施設も位置づけている。3施設はいずれも、県が『地域の一体的な活性化につながる』として、民営化の対象とするように要望してきた。一方でフォレストヒルガーデンは婚礼や宴会の利用が中心で、空港運営との関連が薄く、一部の事業者からは『採算性の悪化につながりかねない』との声も出ていた。国交省は『地元や事業者の意見を踏まえ、対象に含めるのが妥当と判断した』と説明した。

 運営を委ねる期間は21年4月から1年4月末までの30年間とした。事業者は運営権を得るために国交省に金を払うほか、広島空港ビルディングの株式を購入する必要がある。従業員の雇用は子会社も含めて引き継ぐ。事業者の公募は、国交省が5月に募集要項を公表して手続きが始まる。大学教授や県関係者たちでつくる審査委員会で9月に3者に絞り込む。20年6月に事業者を決め、同8月に契約を交わす。地場大手やゼネコン大手などを含む2つに企業グループが経営参画の経営組織を設けるなど、企業の動きが活発化している。県は民営化で、事業者がより多くの利益を上げるため、ターミナルビルの改装や新築などの設備投資を進めるとにらむ。集客力が高まり、生み出した利益を着陸料の値下げに充てれば、新たな路線の開拓につながると期待する。


画像2(左) 広島空港民営化に向けたスケジュール
画像3(右) 広島空港位置図(画像3と4共に中国新聞より)

【考察その1】
国土交通省公表の広島空港民営化の諸指針
について


画像4 
広島県三原市(本郷地区)にある広島空港(画像 国土交通省大阪航空局HPより)

 まずはうんちくを語る前に、今回の国土交通省の広島空港の民営化で示した概要を書き連ねてみる。

広島空港特定運営事業等実施方針
▼本事業の概要
①目的
 航空輸送の安全性や空港の公共性を確保しつつ、民間の資金・経営能力の活用による空港の一体的かつ機動的な経営を実現し、内外交流人口拡大等による地域の活性化を図る
②事業期間
 30年間(+不可抗力延長で最長35年間)
⓷事業方式
・ 運営権者は、本事業の遂行のみを目的とするSPC(特別目的会社)とし、滑走路等の運営(着陸料の収受等)とターミナルビル等の運営を一体的に実施
・ 運営権者は、国から公共施設等運営権の設定を受けることにより滑走路等の運営を実施、ビル会社の株式を取得することによりターミナルビル等の運営を実施
・ 運営権者は、着陸料その他の収入を設定・収受し、これらの収入により事業実施に要する費用を負担 (※注1独立採算型PFI事業)

④本事業の範囲
・ 空港運営等事業 (滑走路等の維持管理・運営、着陸料等の設定・収受等)
  広島空港滑走路の維持・管理 広島空港運営事業他
・ ビル・駐車場事業 (旅客・貨物ビル施設事業、駐車場施設事業)
  国営駐車場 県営駐車場 ターミナルビルの運営
・ その他 (応募者による提案業務(地域共生事業、空港利用促進事業)等)
  
フォレストヒルズガーデン 広島エアポートホテルの運営

特徴
・ 周辺施設(県営駐車場等)と空港を一体的に活用することを可能とする仕組み
・ 空港の利用促進事業として、二次交通アクセス事業者等との連携を含めた提案を受ける

※注1独立採算型PFI事業とは?
 PFI事業は、事業費回収方法によって( SPCの事業収入)によって、サービス購入型、ジョイントベンチャー型、独立採算型の3つに事業形態に分類される。この中の独立採算型は、事業収益で総事業費をすべて賄う方式で、運営を取り行う民間事業者が公共施設を整備・運営し利用者から徴収する料金収入により民間事業者が運営費用とインフラ部の整備費用を独立採算(基本的には公的補助なし)により回収する類型をいう。

▼運営権者の募集・選定
①国による優先交渉権者選定手続 (19年5月~20年6月)
・ 有識者等で構成する審査委員会により審査 ・ 応募者が一定の参加資格要件を満たしているかを確認の上、提案内容を2段階で採点 (下記画像5-①)
・ 競争的対話等で民間事業者との間での相互理解を醸成 ・ 地域活性化等の実現に資する者を総合的に 判断のうえ優先交渉権者を選定 (下記画像5-②)
・ 優先交渉権者が設立したSPCと実施契約を 締結、所要の引継ぎを実施 ※スケジュールは現時点での想定であり、今後、変更があり得る (国及び広島県の代表各1名を含む数名を選任予定) (運営権対価はゼロ円を上回る金額を提案 (一括払い)) 下記画像5-➂


⇒上記の手続きを経たうえで、21年4月からの運営委託開始を目指す


画像5 広島空港民営化スケジュール表 赤太線が現在位置(画像 国土交通省HPより)

【考察その2】
今回公表のブログ主の所感
独立採算型PFI 二次交通アクセス事業者等との連携 事業期間30年・・・


画像6 拡大図 国管理26空港の2017年度 『航空系事業+非航空系事業』の収支(損益) 画像 国土交通省HPより

 今回の国土交通省公表の諸指針を読み、着目する点が3つあった。独立採算型PFIと二次交通アクセス事業者等との連携、事業期間30年である。まずは現時点の広島空港の経常損益をみてみる。17年度だと、『航空機系事業△227(百万円)+非航空機系事業376(百万円)=150(百万円)』と全体では1.5憶円の黒字となっている。赤字施設の民間への押し付けにも映るが、特に航空機系事業の損益計算に空港建設の減価償却費とその支払利息が含まれていると思われるので、この数字を鵜呑みには出来ない。
運営委託させる民間事業者には当然これらの支払い義務はないので、この2つの額が分からないので断言は出来ないが、ブログ主の予測だと減価償却費とその支払利息がなければ、最悪でも収支トントン、もしくはそこそこの黒字になっているのではなかろうか? そうでないと、独立採算型PFI方式の採用などあり得ない。この方式だと事業の収益を以て、空港インフラ部の改修などを自らの手で行うというハードルが高いタイプのPFI事業だからだ。それ相応の黒字を出せる見込みがなければ成立しない。委託する行政側(国と県)からすると一番美味しいのは言うまでもない。ここで、広島空港における空港経営改革について(16年3月) を見てみたい。議論の過程で『赤字の主要因である基本施設の減価償却費は運営権者に引き継がれない』、『広島空港の航空系事業はEBITDA(償却前利益)では黒字(13年度では2.8億円)であり収益性は高いため、広島空港の場合は航空系事業 の赤字を非航空系事業の黒字で補てんする構図にはならない』と自信満々に述べている。上記のリンクによると、営業費用の約4割が減価償却費が占めており、この点が帳簿上の赤字の要因で運営のみを行う事業者の経営の場合、収益性の高い事業になる、としている。さらに民間ノウハウを上乗せさせて運営に当たれば、収益の伸びしろはまだあるとの認識のようだ。これは行政運営時の設備投資に対する減価償却費の話であり、民営化後発生した設備投資に関しては、委託民間事業者がその分の減価償却費は負担する。  


画像7 全国の空港の航空系事業の収支(EBITDA) 画像 国土交通省HPより

 次の着目点は、『二次交通
アクセス事業者等との連携』だ。二次交通とは、拠点となる空港や鉄道の駅から観光地までの交通を指すことが多い。広島空港に当てはめると、この理屈だとJR山陽本線の白市駅&西条駅からの公共交通アクセスを指すと考える。昨年、正式に空港に直接乗り入れる鉄・軌道系アクセスを正式に断念した。採算性確保の年間利用者数が1,000~1,070万と1日平均に換算すると、2.4~2.9万人。17年度の広島空港の年間利用者数が288.5万人しかいないので、とても確保可能な数字ではない。結果的には妥当な判断と言えるだろう。陸上アクセスが中心にならざる負えない。県の構想では 主要ルート①/広島高速5号+山陽道 主要ルート 約40分 ②/国道2号東広島・安芸BP+山陽道 約65分 が基幹陸上アクセスと考えられているが、第3のルートとして選択ルート/白市ルート(JR+連絡バス) 約64分 の強化も謳われている。その事を指しているのだろう。速達性では陸上アクセスの主要②ルートと変わらないが、渋滞や天候に左右されないアドバンテージがある。『バス+JR』(広島空港HP)を見ると、日中はほぼ時間当たり4本程度の運行で、断念した鉄・軌道系アクセスの代替え公共交通アクセスとしてそれなりに機能している。『連携』とは、さらなるルートの開拓や片道運賃390円の値下げなのか、その辺がよく分からない。今後、挙手した企業グループの提案書に注視したい。

 最後は、『事業期間30年』だ。
21年4月から1年4月末までを指すが、印象として非常に長過ぎる。公共交通という社会的な公益性を鑑みての処置だということは理解するが、10~15年単位でも良かったように思える。懸念されるのは、経営難に陥った場合の撤退、倒産等の空港機能停止の両リスクだ。ここで持ち出したいのは、JR東海によるリニア中央新幹線計画ウィキペディア)である。27年東京(品川)~名古屋間、37年には名古屋~大阪間が全通して、東京~大阪間が最短で67分で結ばれる。山陽新幹線+中央リニア新幹線の組み合わせだと、東京(品川)~広島間が27年に1時間の短縮で3時間程度、37年には1時間半の短縮で2時間半程度となる。現在でも航空機は新幹線との広島~東京間の競争で劣勢を強いられている。航空機系事業の大半の収益を占める東京便のリニア開通後の利用者大幅減も高い可能性で予測される。多角化経営といっても出来ることは限られる。20年代後半以降、懸念されるリスクが浮上し独立採算型PFI方式が仇となり、よくても事業者の撤退、再枠の場合SPCの倒産になる、と予測する。空港運営という性質上、行政も看過できず財政支援せざる負えない状況になるのではなかろうか?当初の契約内容の事業スキームでの運営は不可能となり、再構築しないと絶対に行き詰る。その辺を考えると事業期間の30年というのは、やはり長過ぎる。中央リニア新幹線の影響は、実際に開業しないと分からない部分もあるが少なくとも開業前の経営状態の維持は無理なのは容易に予測可能だ。現時点では予測しえない事態も今後発生する可能性もあり、事業期間を長期設定するリスクは大きいと言わざる負えない。報道だと2つの企業グループが挙手しそうだが、その辺をどう考えているのか、知りたいところだ。
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西日本豪雨 被災地への募金受付窓口まとめ ボランティア情報
前回記事 広島の都市交通 広島空港の話題 その5
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 今から30年以上も前の話だが、旧広島西飛行場(当時の広島空港)の移転が豊田郡本郷町(現三原市)に正式に決まった時に、広島市民や経済界からは大きな移転反対は起きなかった。空港が時代のニーズに合わせ、より機能を拡張するためには、遠隔地への移転は不可欠とされそれは成田国際空港や関西国際空港(当時は移転予定)の例を見ても時代の趨勢として受け止められていた。特に広島市の場合は、平野部が狭く都市規模の割には地価が高い。大規模な高次都市機能用地を確保するのもままならない事情もあった。しかし、移転を容認した理由として広島市からのアクセス鉄道が空港開業後に整備されるだろう、という安心感があればこそ容認した。しかし、そのアクセス鉄道は、時代の変革の中で結局整備されないことが決まった(提言段階)。そんな残念な話題が中国新聞に掲載されていたので、当ブログでも取り上げる。
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今日のお題 8月24日中国新聞1面より引用
広島空港民営化 軌道系の整備断念
県表明 採算見通せず

【記事概要】
 広島空港(広島県三原市)で最大の課題とされているアクセス手段の改善を巡り、広島県は23日JR白市駅(東広島市)と空港を結ぶ鉄道の整備を断念する考えを示した。採算を確保するためには空港の年間乗客数をが少なくとも1千万人になる必要があるとして、現実的ではないと位置付けた。アクセスの向上は道路網の整備や改善を軸とし、経済界からの理解を得たい考えだ。


画像1 8月24日中国新聞1面より(ブログ記事画像からは全て読めません)

【記事詳細】

  今回の軌道系アクセスの正式断念23日に県庁で開かれた官民組織が会合で提案された。現広
  
空港開業前の89年より検討された整備を巡る議論は大きな転換点を迎えた。

  県は今回、前回の本格議論時の試算をゼロベースから見直し、鉄路の採算性を弾いた。それに
  よると、JR白市駅と空港を結ぶ約8㌔を367億円で建設し、広島駅と空港を直通で54分
  で結ぶと想定。空港の乗客数に占める鉄路の利用者は、前回調査の20%から9%に引き下げ
  た。今回の試算には、広島高速5号(東部)線開通による空港リムジンバスの利用者増も含ま
  れているという。その結果、採算が確保できる空港の年間乗客者数が1,000~1,070万
  人となった。

  県の試算では空港の民営化の最終年度の乗客数の目標値は約500万人。現行の1.7倍の水
  準だが、採算ラインの半分程度の水準だった。他のJR西条、東広島駅(新幹線駅)の両駅と
  空港を結ぶ鉄道は費用対効果が低過ぎるとした。JR広島駅と空港を結ぶ鉄道と専用高架バス
  路線の整備も高額な建設費の面から非現実的とされた。県の提案を受けた官民組織の委員長
  で、広島商工会議所の広田享副会頭は、県の考えに一定の理解を示した。

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【考察その1】
広島空港の鉄・軌道系アクセス論議の歴史

結局、何もないになってしまった


画像2(左) かって検討された空港アクセス鉄道ルート図
画像3(右) 
検討された空港アクセス鉄道運行イメージ図

-1⃣ 鉄・軌道系空港アクセスの歴史 
 ~広島における空港の経緯より~(広島県HP)
 1983年-広島県、市共同で広島空港アクセス検討協議会を設置
   88~90年-新広島空港への鉄軌道系アクセス検討開始
   91年-案の1つだった
新幹線延伸案は廃案となる
   95年-リニア式鉄道案導入の骨子を固める ~HSST~(ウキペディア)
2000年-
HSST‐200型(最高速度200km/h)が開発断念となり、
リニ
      ア式鉄道導入から通常鉄道導入に方針転換。
  01年-J
R白市駅ー広島空港間約8kmを在来線(単線)で結ぶ構想を表明(上
      記画像2と3参照)     
  02年-広島県、広島空港アクセス鉄道運行計画の素案(建設費340億円)をまとめる
  06年-
JR西日本、『広島空港アクセス鉄道への協力は困難』との回答を示す。事実上、
       断念に追い込まれる。県議会にてアクセス鉄道計画の凍結を表明、年間空港

       
者が350万人を超えたら再度検討するとした



画像4 今回、広島県が試算したアクセス鉄道の詳細(画像 中国新聞より)

-2⃣ 今回の広島空港民営化議論で県が弾き出した試算
鉄道接続駅   距離     所要時間   事業費      空港利用者の採算ライン
JR白市駅    8㌔    54分   367億円     年1千~1,070万人
JR西条駅   15㌔    52分    ・・・          ・・・
JR広島駅   45㌔    34分   9,600億円    年2千万人以上
JR広島駅   45㌔    45分   3,200億円        ・・・
(バス専用
高架線)
白市駅と西条駅の所要時間の試算はJR山陽本線との直通運転をした場合


 現広島空港開業前から続いていた鉄・軌道系アクセスの過去の議論を、今回の試算と共に書き連ねてみた。今回の県の試算だと採算ベースに乗るには、年間90万人の鉄・軌道系アクセス利用者が必要となるらしい。1日平均だと2,466人となる。1日平均2,466人で採算ベースに乗ることに、個人的には驚いた。意外と低い。本当に開業してもこれ以下の数字になるのか?この点に疑問が残った。利用率9%とは随分とシビアに見積もったものだ。まあ、どんぶりの根拠なき過大な需要見通しを立てて、開業後大赤字になるよりはマシだが・・・。この考察では今回の提案の感想を中心に書いてみたい。需要予測よりも問題なのは、費用対効果だ。鉄・軌道系アクセス整備の最大の費用対効果は速達性の向上だ。試算によると、白市駅コースでも広島駅から空港まで54分である。現行の『広島リムジンバス 広島BC(バスセンター)線』の53分と変わらない。これでは何のためのアクセス整備なのか?というそもそも論になる。広島高速5号線が開業すると広島駅北口からは38分となり、整備の議論が根底から覆る。それでも自然災害時や高速道路での事故などのリスクへの備え、の視点も重要だが、独立採算性が大前提の日本の都市交通事業で、リスクへの備えだけの理由で赤字補てんの大義名分が得られるのか?これが大ネックになるのではなかろうか?開通当初は、理解されても時間が過ぎ去れば、コストセンターの批判を受けるのは目に見えている。

 試算では、JR山陽本線との直通運転が前提となっている。JR西日本は、06年表明したアクセス鉄道協力の拒否から立場は変わっていないので、県が建設を表明しても合意形成は困難どころか無理と思われる。『東京⇔広島』間の厳しいシェア争いを新幹線と航空機が繰り広げるライバル関係にある以上は、『敵に塩は送れない』のかも知れない。JR西日本の収益に二本柱が、関西圏の『アーバンネットワーク』と『山陽新幹線』なので経営の根幹に係る問題となる。仮に試算以上のアクセス鉄・軌道利用率があり、県が万感を排して整備したとする。当面どころか、短・中期的にはJR西日本の協力は得られず、山陽本線とアクセス鉄・軌道線の相互乗り入れ(たぶん、片乗り入れになる)は望めず、白市駅での乗り継ぎになる。現行の『JR山陽本線+空港連絡バス(平均約64分)コース』と基本的には変わらない。バスが鉄道になるだけ。直通運転をしない点では同じだ。JR西日本が協力姿勢を見せ始めるのは、新幹線vs航空機のシェア争いで、新幹線がダブルスコアいや、トリプルスコアぐらいの差がつき、盤石の体制になってからだろうと考える。いずれにしても当分先の話だ。しかし、広島駅~空港間の鉄道建設が約9,600億円。バス専用高架線(ガイドウェイバス?)だと、約3,200億円かかるらしい。費用対効果を考えたら。無駄の極みだ。広島の1つの事業でここまでのコストをかけるのであれば、羽田空港の第5滑走路を新設したほうが費用対効果も高く、国益にも適うだろう。00年頃まで、HSST式のリニア鉄道をアクセスとして導入する予定だった。今振り返ると、とんでもない計画だ(笑)。HSST‐200型が開発断念されなければ、建設していたのだろうか?これは建設すると県の財政が完全に破たんすると思うが、『たられば』世界の話になるが結果的に助かったになるのだろう。

【考察その2】
大局観(戦略)がなくその場しのぎの施策(戦術)に終始するまち広島
突き詰めると広島人全体の責任かも



画像5 新白島駅付近の掘削区間を走行するアストラムライン(画像 アンドビルド広島より)

 考察2では別のアングルから広島空港を含めた広島の都市開発について考えたい。どこがどうというわけではないが、広島市の都市施策にブログ主の素人目線で見ても一貫した都市戦略を感じないことが多々ある。よく地方中枢4都市(札・仙・広・福)の中で、最も中枢都市機能が低いとされるのは広島市だが、これは地政学的なハンディによるところが大きい。関西大都市圏と北九州・福岡大都市圏に挟まれ高速道路や新幹線の整備で時間距離が短縮され、経済のストロー効果で両側から吸われ続けているのが広島市だ。よってよく指摘される都市インフラ整備の遅れが、広島市の中枢性を低下させたというのは理由の1つには違いないが、数ある理由の1つでしかないだろう。最大理由は広島市が立地場所ではないか?というのがブログ主の解釈だ。これが外的な要因とすれば、内的な要因も当然ある。それは、広島市のまちづくりにおける戦略性と都市計画のセンスが欠けていることだ。いくつかの事例を挙げたい。ブログ主が記事でよく書く都市交通だ。今後本格的な縮小社会(人口減と超高齢化)に突入するのでゲームオーバーだが、この際なのであえて言わせてもらう。広島市及び都市圏規模を考えると中量輸送機関サイズの東西・南北の2本の地下式軌道系公共交通があれば事足りる。選定機種は何でもいいだろう。デルタ特有の地下開発の高コストを避けるためにも、フル規格地下鉄は必要ない。都市計画の常道として、最大需要路線を記念すべき1号線として普通は建設する。フル規格地下鉄を有する都市は全てそうしている。広島市でいえば、東西方向の『広島駅~紙屋町~西広島駅ルート』一択になる。しかし、広島市はそうはしなかった。二番手の路線でしかない南北方向(現在のアストラムライン)を市北西部の交通渋滞解消を理由として選択した。福岡市で言えば福岡空港~JR博多駅~天神地区を結ぶ地下鉄空港・箱崎線よりも七隈線を優先させたようなものだ。しかし、広島市は市域及び都市圏全体の発展よりも市北西部の交通渋滞解消を最優先させた。アジア大会の関連を指摘されそうだが、アストラムライン導入決定は77年で、アジア大会開催決定は80年代半ばなので関係ない。

 福岡市は西鉄福岡市内線が全廃。広島市の広電市内軌道線廃止にはせず、存続した大きな違いはあった。それならば、アストラムのようなAGT路線ではなく、路面電車サイズの車両が乗り入れ可能な旧西ドイツのようなシュタットバーン(地下式LRT)路線として、市交通局の地下鉄線として整備。広電市内軌道線は重複する本線のみ発展的廃止。他の市内軌道線や宮島線は廃止にはしないで相互乗り入れをすれば、少ない投資で既存の公共交通ネットワークも活用できて一石二鳥だった。市営地下鉄方式でこの手法が難しいのであれば、神戸高速鉄道(第3セクター)のように地下線建設のみ行い、インフラ部分(鉄道・駅など)を所有して、貸し出して運営は乗り入れる鉄道会社に一任する方法もあった。それをしないで手を付けやすいところだけを触りお茶を濁した。道路の問題もそうだ。広島都市圏は東西に広がり衛星都市が分布。そしてか細い平野部に高次都市機能が集中している。都市圏全体の発展を期するのであれば、国道54号線(現183号線)のBP(祇園新道)の建設と同時に、2号線のBP(西広島BP都心部延伸区間)の工事再開に向けた努力を最大限払うべきだった。そもそもこのBPが平野町止まりで、その先のBP区間の東雲地区まで計画されていないのも不可解だ。代替え道路の市道霞庚午線建設は評価できるが、所詮は市道だ。お陰でBPのBPである広島南道路(広島高速3号線)のほうが継ぎはぎではあるが、先に開通する逆転現象が生じている。この2つの事例に都市圏全体の発展という大局より、目先の問題を優先させる広島市の体質が出ている。現在もその体質は変わらない。随所に垣間見られる。広島市役所に脈々と受け継がれるDNAと、広島人気質がそうさせているのでは?と思う事さえある。為政者やその周囲の政治家だけの責任ではなく、広島全体の責任かも知れない。為政者や政治家の質は、選挙民の質とも比例する。選んでいるのは選挙民なのだから。選択肢が少ない上に、全体の質に問題が、といわれてもその程度の人間しか輩出出来ない地域の問題に帰結してしまう。批判・批評は必要だが度を超すとみっともない。天に唾する行為に等しい。


画像6 広島空港の様子(画像 アンドビルド広島より)

 記事の本題である空港に話を戻す。空港についても同様で、現広島空港誕生のきっかけとなったのは、72年に広島県及び広島市が、広島空港の航空需要・施設能力等を明らかにするために広島空港基本調査を実施である。82年広島空港基本調査結果を公表。『既存空港(後の広島西飛行場)の沖出し案』、『洞山案(東広島市、竹原市、豊田郡安芸津町)』、『用倉案(豊田郡本郷町)』の3案が併記された。  ~広島空港の候補地選定~(環境省HP) 83年に広島空港問題連絡会議において、新空港候補地として用倉案(現広島空港)を選定した。うろ覚えだが、広島大学移転の時のそうだが広島空港移転についても大きな反対運動は起きなかった。今さら言っても詮無きことだが、『既存空港(後の広島西飛行場)の沖出し案』がベターだったのは言うまでもない。広島市及び、同都市圏目線ではなく、中四国地方の基幹空港を目指す方向性が最優先された。アクセス鉄道については正式議論開始の88年以前より、山陽新幹線分岐線建設案が決定事項かの流れだった。協力者になるであろう国鉄(現JR西日本)との合意形成などこの段階では何一つなされていない。見切り発車すらなっていない状態で、この問題は走り出した。中四国地方の基幹空港を目指すと意気込んでも、各県にはそれぞれ空港がありドル箱の東京線は抑えられ、精々地方都市と海外との路線で差別化するぐらいしか手がなく、主たる利用者である広島市の利便性は無視された。『存在が当たり前過ぎて、その価値すらよく理解していない』だったのかも知れない。学術・研究拠点である国立大学と国内外から招き入れる空の玄関口の空港が市域内にない広島市は、MICE都市を標榜する上で大きなハンディを抱えることとなる。移転がカウントダウンに入り、慌てて市立広島大学の開校、旧空港のコミューター化などを実践したが世紀の大チョンボを穴埋めするまでには至らなかった。痛恨の極みの典型例だ。今更どうしようもなく、時計の針も巻き戻せない。

 福岡市は、安易な郊外地区への空港移転は選択せず、現福岡空港の施設拡張(第2滑走路増設など)計画(福岡県HP)を12年に取りまとめ、福岡は「東アジアのハブ空港都市」になれるか~(東洋経済オンライン) 20年代前半の完成を予定している。神戸市は、60年代後半~70年代前半にかけ現在の関西国際空港の建設候補地議論で淡路島播磨灘泉州沖共に4ヵ所の候補地だった。当時の宮崎市長は、争点となった市長選で建設反対派の支持を受け当選した関係上、有力視されながらも建設反対の世論の風が強い時期は建設反対だった。その風の風力を見極め、82年賛成に翻意し誘致活動を展開した。当初の反対などが仇となり現在の泉州沖に建設が決まったが、その後も建設実現に尽力してポートアイランド沖、三宮地区から8㌔先の海上に06年神戸空港を開港させた。16年度の年間利用者は、約278万人で関西圏の第3空港でありながら、破格の利用者数を誇る。神戸市は過去の失敗をかなり取り戻した。広島空港移転後、西飛行場としてコミューター空港として辛うじて存続。しかし定期路線が全て撤退して、市営空港案も議会で否決され廃港(ヘリポート化)となった広島市とは雲泥の差だ。航空行政における先見性と大局観の欠落が福岡・神戸両市との違いとして出ている。空港に関して言えば、現広島空港(三原市)と岩国錦帯橋空港(岩国市)の2空港が広島都市圏にある以上、第3の空港建設や広島空港の再移転の必要性は皆無だ。過去の反省から、将来を見据え広島市及び都市圏の都市施策の大局観を持つ必要性を感じる次第だ。記事本題で言えば、通常鉄道でのアクセスはコスト対比の問題で無理としても、アクセス鉄・軌道の利用率の向上策を施し自動車やリムジンバス利用者からの転移を図る。肝心のアクセスは通常鉄道方式ではなく、安価なLRT方式で単線建設。当面は空港~白市間の区間運転。初期コストの半減で採算のハードルが下がるので、当面の赤字は県が補填。運営は民間事業者に委託する。社会情勢の変化が将来あれば、JR西日本との相互乗り入れ(トラムトレイン化)を検討する、これがベストに感じるのだが・・・。日本の場合、全ての公共交通の路線に適用する必要性はないと思うが、戦略性の高いものに関しては維持運営する上で公的補助の発想があっても悪くない。モーターリゼーションの進行や縮小社会に突き進む中、営利事業としての都市交通は欧米先進国同様に難しくなっている。と、今回の報道を耳にして思った次第だ。


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前回記事 広島の都市交通 広島空港の話題 その4
カテゴリー記事 
広島の都市交通 空港


 今日は広島空港の話題をお届けする。取り上げるのは8か月振りだが、じっくりと考えたい。最後の考察では先日起きた西日本豪雨との関連性も含め、空港の在り方まで掘り下げ考察したい。では始める。
…………………
…………………………………………………………………………………………
…………
▼今日の議題 5月10日中国新聞22面より引用
参入意欲どう喚起 広島空港民営化まで3年
東京線の将来不安の声


【記事概要】
2021年4月に予定される広島空港(三原市)の民営化には、国に求めてきた広島県の広島県だけでなく、地元の経済界も期待を寄せている。最大の難関は民間事業者の選定で、19年2月から始まる公募でどれだけの手が挙がるのかが成否の行方を左右する。事業者に委ねる施設の範囲や、開港以来の課題であるアクセス改善も含めて、現状と課題を整理した。

http://livedoor.blogimg.jp/zono421128/imgs/6/a/6a943f3d.jpg
画像1 5月10日中国新聞22面より(ブログ画像からは全て読めません)

【記事詳細】
1)事業者の選定
▼国は19年2月、募集要項を公表し事業者を選定する作業に入る。
▼17年10~11月に実施した意向確認では、参入意欲がある企業が、不動産、商社、大手ゼネ
 コンを中心に地元企業も含め約60社に上ることが判明。参入の意向を明らかにしている某企業
 は、『中四国地方9県で隋一の経済規模と観光市場は非常に魅力的だ』と明かす。その一方で不
 安要素として、ドル箱の東京線の将来性に不安を抱く。JR東海が27年にも品川~名古屋間で
 リニア中央新幹線を開業させれば、東京~広島間が現在よりも1時間短い約3時間前後に短縮
 される。『主力路線をどう維持するのか工夫が欠かせない』としている。
▼今後のスケジュールは19年2月の募集要項の公表後、同年7月まで具体的な運営手法の提案を
 受け付ける。審査委員会での議論を経て、8月の第1次審査で事業者を3社程度に絞り込む予定
 だ。1次審査で挙手する企業数は、広島空港に対する企業の本音を推し量る指標になる。2次審
 査を経て最終的に事業者が決まるのは20年5月頃になる予定。

2)民営化の対象

▼1次審査にどの程度の事業者が応じるかは民営化するし越の範囲も重要。国は昨年10月に示し
 た『基本スキーム案』で対象となる施設を明示。この中で、空港ビルと駐車場、周辺ホテル、県
 が整備したゲストハウスの『フォレストヒルズガーデン』も入っている。この施設については事
 業者の賛否が分かれている。
▼国は今年10月にまとめる『実施方針』にて対象施設を正式に決める。周辺施設を含めるの
は全
 国で初のケースとなり、県としては一体運営しやすくなるのか、サポート策を練っている最

 だ。

3)アクセス改善
▼県は民営化により新路線の就行や増便などネットワークの強化に期待している。そのための最大
 の障壁となるのが県内各地からの空港へのアクセスと考えている。特に最大都市圏の広島都市圏
 のアクセス改善は急務。17年7月から官民組織で協議は始めているが、2次交通で連携が必要
 となるJR西日本は山陽新幹線が競合関係にあるため、及び腰だ。よって有力な打開策を見いだ
 せていないのが現状だ。
▼リムジンバスしかない状況下、山陽自動車道の代替え道路となる国道2号線東広島・安芸BP
(計17.3㌔)の早期開通が求められるが開通スケジュールを見通せない。20年度中に開通す
 る広島高速5号(東部)線も現行ルートの時短効果しか発揮できない。

…………………………………………………………………………………………………………………
【考察その1】
広島空港の民営化の現状
一様に民間企業の関心は高いようだが、果たして額面通り受け取っていいのか疑問も残る


画像2 
広島県三原市(本郷地区)にある広島空港(国土交通省大阪航空局HPより)

 中国新聞記事文中に出てくる『基本スキーム案』は以下の通りとなる。

▼ 広島空港の運営委託に係るマーケットサウンディングの開始~中四国地方の拠点空港としてのさら
  なる活性化に向けて~

1.意見を募集する「基本スキーム案」の概要
・事業期間:30年間(不可抗力等による延長含め最長35年間)
・事業方式:公募により運営権者を選定
      運営権者は、滑走路等の運営とターミナルビル等の運営を一体的に実施
                   広島空港特定運営事業等基本スキーム(案)(国土交通省HP)                              
2.今後のスケジュール(予定)
・17年11月30日   意見募集期限
・18年10月頃    実施方針の策定・公表
・19年2月頃     募集要項の策定・公表
・20年5月頃     優先交渉権者の選定
・21年4月頃     空港運営事業開始(民営化)

 東京線の将来に不安を抱く理由は事業期間が30~35年間と定められ、2051~56年までになり、その間に宿命のライバルであるJR東海・西日本の東海道・山陽新幹線がリニア中央新幹線に大部分が切り替わり開業するからだ。27年に東京(品川)~名古屋間(1時間短縮)、37年には名古屋~大阪間(1時間半短縮)に開通。広島~東京間が4時間から2時間半に短縮される。これは国費なしでの事業スケジュールであり、国費が投入された場合さらに短縮される可能性も否定できない。開業スケジュールがしっかり事業期間内に入る。この点を不安視している企業が多い。これが他の地方空港民営化と少し異なる。今でも一時期よりも苦戦(13年-新幹線59.7% 飛行機40.3%)を強いられているのに、状況によっては一気にWスコアになる可能性も高い。ブログ主は空港アクセスの問題よりも対リニア中央新幹線計画のほうが民営化に向けた大きな障壁になるのでは?と考える。これでもリニア中央新幹線の運賃がバカ高いものであれば競争力の点で一縷の望みがありそうだが、リニア中央新幹線の料金設定は東京(品川)-大阪間で現行のぞみ+1,000円程度が有力だそうだ。

 この点は期待しない方がいい。参入意欲がある企業が昨年10月時点で、約60社にも上っているようだが、話半分程度と見ていいだろう。『~
経済規模と観光市場は非常に魅力的だ』の件(くだり)も一種の社交辞令と受け止めるくらいでいい。記事に書かれているゲストハウスの『フォレストヒルズガーデン』も起き得るドル箱の東京線の需要の落ち込みを考えると、経営の多角化には欠かせないと考える。ブログ主が見るところだと、多角化を展開する経営原資が足りないとさえ思える。この辺は個人の考えの相違だろう。記事では触れられていないが、30年代以降本格化する広島市の人口減も暗い影を落とす。人口減問題は都市交通全体に係る市場の縮小なので、影響が多い。選定機種関係なく国内の移動需要が減る。減りつつあるパイの奪い合いとなるのだが、対リニア中央新幹線だとやはり分が悪い。確かに近年の広島空港乗降客数は一時期の低迷を脱して好調に推移している。 全国空港乗降客数一覧(東急エージェンシー) 短・中期的にはバラ色かも知れないが長期で見ると、懸念材料が非常に多いと言わざる負えない。ただ民営化に関しては挙手する企業体グループは少数ではなく、そこそこの数はあると思う。広島空港の民営化の成否は、民営化後の海外路線のネットワークの拡大と空港事業以外の多角化が握っているだろう。海外路線の場合、近隣空港の関西国際空港と新滑走路増設が計画されている福岡空港との競合が予測されるが、勝ち抜けないまでもある程度のインバウンド需要の取り込みに成功しないと先は厳しい。これに限らず、縮小社会(人口大幅減と超高齢化)では外需の取り込みが生命線だ。今後、空港の先にある広島の需要を民間企業がどう評価するのか、注視したい。


画像3 
リニア中央新幹線による時間短縮効果(広島県HP) ※後に名古屋駅 -大阪市内(新大阪駅の予定)間は、2037年開業予定に変更された

【考察その2】
根強いアクセス鉄・軌道系交通整備論
現在の需要だけではなく、将来の需要も鑑みての議論が必要


画像4 広島県内主要都市からの広島空港までアクセスの目安時間(画像 広島県HPより)


画像5(左) かって検討された空港アクセス鉄道ルート図
画像6(右) 検討された
空港アクセス鉄道運行イメージ図


 今年7月に発生した西日本豪雨にて山陽自動車道や国道2・31号線などの県内幹線道路やJRの在来線などの通行止めが発生して、復旧を要する被害が発生した。そして運行に差し障りがない広島空港が完全な陸の孤島と化した。広島の脆弱な都市インフラが露呈した形となり、現在および過去の係わった為政者の責任云々などという意見がネット界隈では一部取り沙汰されている。災害時の代替えルートの未整備を指しているのだろうが、
広島県の平野部面積は全体の26.7%しかなく代替えルートの整備にしても災害リスクが皆無なルートなどない。広島県の土砂災害危険地域はダントツの全国1位の3万2千箇所。代替えルート共々被害に遭い、通行止めになる可能性も低くない。自然災害と広島空港のアクセスの問題を直結させるのは少し無理があり別問題だ。例えば空港アクセス鉄道があっても今回の例だと山陽本線の海田市~三原間が不通になっているので、機能していない。ブログ主はインフラの強靭化もある程度は必要だが、それには限界がありそれだけでは絶対に問題は解決しない。強靭化などという甘美な響きに騙されてはいけない。こんな土地に住む以上は、災害時の都市インフラへの被害は仕方がないと諦めるしかないと思う。災害リスクが高いところに建設しているのだから。むしろ問題点は、広島人の防災意識だと考える。今回のような災害は4~5年周期で定期的に発生する前提で考えた方が賢い。広島県で亡くなった方の7割は高齢者。たまたま高齢者が多く住む地域で被害が甚大だったのか?それとも別の問題が実はあったのか?減災を教訓の柱に据える場合、この辺にヒントが隠されているような気がする。

 話を戻す。鉄・軌道系アクセスの議論の歴史は次の通り。 ~広島における空港の経緯~(広島県HP) 現在地への移転が取り沙汰された頃には、山陽新幹線の分岐線、その後広島駅からリニアの
HSST‐200型(最高速度200km/h)を建設する構想が中心になった。00年、開発断念となり通常の鉄道方式で検討されることに。上記画像5~6のような白市~空港間に単線の新線をつくり、山陽本線との快速運転が検討された。これもJR西日本が06年、山陽新幹線との競合を理由に拒否をして一時凍結と言うか実質廃案となり、現在に至っている。この時点では、年間乗降者数が350万人、最近では300万人(17年-297.5万人)を超えたら再度検討するとしていた。ここ数年の回復基調や今回の災害絡みで、議論が再燃するかも知れない。JR西日本の協力を得られない状況には変わりなく、どのような案を出すのか注目される。コスト面からも白市~空港間に建設することになると思うが、山陽本線との相互乗り入れを前提としないアクセス鉄道を整備して黒字化が果たして望めるのか実に怪しい。17年度の1日当たりの平均空港乗降者数は8,150人。全員利用したとしても(絶対にあり得ないが)、この数字がMAX値。現在の広島空港へのアクセスの公共交通利用率(広島県HP)は約48.6%。この比率をそのまま当てはめても1日平均4,000人未満。どう考えても、現在の乗降者数で換算しても黒字化など夢の夢でしかない。この区間の新規の公共交通が成立しないことは、白市ルート(JR山陽本線+空港連絡バス)の利用が1日345人程度にとどってまっている事実が如実に示している。バスを鉄道に切り替えて劇的に利用率が変わるなど絶対にあり得ない。仙台空港鉄道のように空港移動需要だけではなく、沿線の住宅、商業施設開発で利用者増を図りたいところだが、空港が遠隔地過ぎて非現実的だ。

 先の考察でも言ったようにリニア中央新幹線の開業と縮小社会の本格当来が空港利用者に暗い影を落とす。開業後、定着して徐々に利用者増に向かうとも思えない。ブログ主の個人の考えだとさして必要性は感じない。それでも万感を排して建設したとする。当然現状では大赤字確実。今の民営化の流れではアクセス鉄道も委託対象になる。運営側の大きな足かせになるだろう。黒字化が見通せないものに国が事業認可を与えるとも思えない。JR西日本の協力が閉ざされた時点で、アクセス鉄・軌道計画は完全にアウトと言うしかない。それでも、赤字は百も承知で公益性を鑑み、どんな状況に追い込まれても支える覚悟があるのであれば鉄道線ではなく、軌道線-LRT方式が良い。モノレールやAGTでは独立規格で将来の山陽本線との相互乗り入れが叶わない。当面は、白市~空港間(8.0㌔)を複線用地を確保した単線の全区間専用軌道で建設。白市駅付近は将来の山陽本線との相互乗り入れに備えた余幅を持たせた設計にする。もしかしたら40年代になると社会情勢も今とは大きく変わり、JR西日本の対応にも変化が見られるかも知れない。赤字になることには変わりはないが、初期コストを大幅に抑えることが出来て採算のハードルも幾分下がる。因みに06年の県の試算だと単線鉄道だと約360億円。LRT方式だとこの1/2~1/3程度に抑えられるのではなかろうか?高速運転が難しいとの指摘もあるが100%超低床車両の現在の最高営業速度は70km/h。今後の技術革新で100km/h超も十分可能だと考えるし、輸送能力の問題も1日平均利用者数が万人以下の需要が見通せない路線で、フル規格鉄道などそもそも必要がない。LRTのような中量輸送機関の範疇だ。ただ、空港アクセス鉄・軌道系交通を整備する大前提として公共交通の認識を180度改め、『公共交通は営利事業ではなく民間委託の有料行政サービスの一環。そして社会全体で支える』にでもならない限り、難しいだろう。

【考察その3】
現実的なアクセス改善案


画像7 広島県の道路アクセス強化策「トリプルウェイ」の概要 拡大画像(要拡大)

 現実的なアクセス改善策となる陸路(道路)での複数ルートの設定が県は考えている。消去法だが、ブログ主は評価したい。そのルートとは以下の通り。

トリプルウェイ構想(上記画像4参照)
【留意点】山陽自動車度広島東IC-西条ICが渋滞・事故多発区間
○ 高速ルート・・・広島高速5号線+山陽道【約38分】 
○ 一般ルート・・・※注1 東広島 安芸BP+東広島呉道+山陽道【約59分】 
○ 選択(白市)ルート・・・JR山陽本線+空港連絡バス【平均約64分】

○迂回ルート・・・県道矢野安浦線+東広島呉道路(2017年1月、非常時の利用可能に)

※注1東広島・安芸BP整備進捗状況
 ◎東広島バイパス
 ・起終点 広島 市安芸 区上瀬野町上瀬野⇔海田町南堀川町 ・延長㌔数 9.6㌔
 ・ 1974年都市計画決定 ・1975年事業化 ・1982年用地買収開始
 ・事業進捗率 (2016年度末)73% ・供用済み延長7.7㌔
 ・全通予定 未定
 ◎安芸バイパス
 
・起終点 東広島市八本松町宗吉⇔広島 市安芸 区上瀬野町上瀬野 ・延長㌔数 7.7㌔
 ・ 1974年都市計画決定 ・1995年事業化 ・1997年用地買収開始
 ・事業進捗率 (2016年度末)37% ・供用済み延長0.0㌔
 ・全通予定 2025年度末(予定)

現在のメインルートに次ぐルートとなるのが、一般ルートの東広島・安芸BP経由のコースとなる。このルートの問題点は他のルートとは異なり、肝心の
東広島・安芸BPが未だに開通していないことだ。東広島BPの事業進捗率は16年度末で73%、安芸BPに至っては半分程度の37%。フル規格での全線開通の予定はまだ決まっていない。事業進捗率がここまで低い理由は、国、県、市の財政難が最大の理由だ。暫定2車線での開通も20年代半ば~後半になりそうだ。下手をすると10年以上の時間を要するかも知れない。財政難も遅れている大きな理由だが、もっと大きな理由として、都市計画決定後の本格的な事業着手に入るまでの時間が怖ろしくかかっている。この辺の事情は関係者ではないので憶測の域になるが、当時の広島市及び同都市圏の道路交通事情によるところが大だ。70~80年代、国道2号線も深刻な交通マヒに陥っていたが、それ以上に酷かったのが市北部の国道54号線だった。祇園新道とアストラムライン建設に予算を重点配分をしたあおりを食らったのでは?と推察する。アジア大会開催が決まったこともこれを後押しした。2号線に関しては、広島市内は市道の霞庚午線、広島~東広島間については、当時建設中だった山陽自動車道が代替えするので後回しにされたものと思われる。過去の経緯は説明した通りだが、今後の展開としては、暫定2車線の形でも良いのでいち早く細切れ道路ではなく1本の真面(まとも)な道路として開通されることに尽力すべきだ。ブログ主の考えは、先の述べたように自然災害の減災に都市インフラ強靭化だけでは限界があると思うが、災害に備える名目で国の予算を予定よりも取り、前倒しして開通出来るのでは、と考える。空港移転やそのアクセス鉄・軌道系交通の未整備を悔いても今さらだ。時計の針は戻せない。現在の置かれた状況下で最善を尽くし、ベストよりもベターな案を模索して着実に実行するしかないだろう。


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前回記事 広島空港の話題その3
カテゴリー記事 広島の都市交通 空港


 今日は久々に広島空港の話題をお届けする。前回記事は4か月前の7月下旬。10月29日より広島空港の運用時間が1時間延長され、最終便ダイヤが延長された。東京-広島間の新幹線との競合関係にある現状にどのような変化をもたらすのか、そんな記事を出ていたので題材として取り上げ、色々と考えたい。

………………………………………………………………………………………………………………………
変わるか陸空シェア 広島空港運用延長
東京最終便1時間遅く 新幹線と競争激化
10月31日中国新聞30面より
 
 広島空港(広島県三原市)の夜間運用時間1993年の開港以来初めて延長され、搭乗者数のやく割を占める東京便は、最終便の発着が従来より約1時間近く遅くなった。運航会社や行政関係者は『この1時間は大きい』と利便性アップに期待し、利用者から歓迎の声が上がる。JR新幹線と競合し、逆転されている広島-東京間の『鉄路と空路のシェア』に、変化が起きるかどうかも注目される。


画像1 10月31日中国新聞30面より

 10月29日午後21時半、広島空港のターミナルビル。前日まで閑散としている時間帯だが、出発ロビーは羽田に向かう最終便の搭乗者で溢れていた。Jリーグ観戦から帰路についた横浜市在住の50代の男性は『おかげで余裕を持って空港まで移動できた』と笑顔。『新幹線も使うけど、飛行機が選ぶ機会を増えそう』と続けた。羽田行きの最終便の出発時刻は、28日まで、午後20時35分までだった。空港の運用時間が29日からこれまでより1時間遅い午後22時半まで延長されたことに伴い、全日空空輸がダイヤ改正で同21時35分発を増便。同時に、羽田からの最終便の出発時間も従来より50分遅い同20時20分とした。

15年度空路37%
『滞在時間が少しでも伸びる。【選ばれる輸送機関】への大きな一歩だ』。出発ロビーで搭乗者を見送つた全日空中四国支社(広島市中区)の丹羽明夫支社長はかみしめた。念頭には東京線がシェアを奪われてきた新幹線の存在がある。広島県によると、広島空港の利用者がピークだった2002年度、『広島-東京間シェア』は飛行機62%、新幹線が38%と空路優位だった。だが、新幹線は、03年品川駅開業や新型車両投入で広島-東京間の所要時間が4時間を切るようになったことが追い風となり、09年度以降はシェアが逆転。直近の15年度は飛行機37%、新幹線63%だった。
近隣空港を睨む
その一因として地元経済界から指摘され続けてきた最終便の発着時間の早さだった。例えば出張で訪れたビジネス客が県内を離れる際に、空路の従来のダイヤでは遅くとも広島市中心部を午後19時過ぎに離れる必要があり、『本音で語り合う飲み会の時間が取れない弱み』(地場メーカー幹部)があった。今回のダイヤ改正で、午後20時1分広島初の新幹線とほぼ同時間帯まで、市中心部に滞在できるようになった。財界の要望を受けても動きの鈍かった広島県を後押ししたのは、近隣空港の動向も大きかった。岡山(岡山市北区)、岩国錦帯橋空港(岩国市)とも昨年、夜間運用時間を30分間延長。利用者は既に両空港に流れており『利便性アップが喫緊の課題』(県空港振興課)との危機感が、国への運用時間延長手続きに必要な地元住民との合意調整を加速させた。一方、競合相手のJR西日本は、『新たなインターネット予約や早割のPR、新型車両の開発などのサービス向上に努める』と気を引き締める。広島空港の利用に関して過去に調査を手掛けた中国経済連合会の高見佳宏部長は『広島空港の弱点はアクセス。そのアクセスの改善でJRと手を携えるなどシェアの奪い合いに終始しない協力関係を築いてほしい。空路と鉄路が連携して地域を活性化する視点こそ人口減少社会では重要』としている。


関連記事 シンガポール線復活 10月31日中国新聞1面より(要拡大)


画像2 10月31日中国新聞1面より
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1 少々のことでは難しいシェア逆転
ようやく対等の競争の土俵にあがっただけ


画像3 広島県三原市(本郷地区)にある広島空港(国土交通省大阪航空局HPより)

-1⃣ 広島-東京間の飛行機と新幹線の最終便比較(運用時間延長前と後)
 
空港運用時間21時半(10月28日まで)
 【飛行機】
  
広島市中心部(午後18過ぎ出発)⇒(空港リムジンバスなど)⇒広島空港 午後20時35分
  発⇒同22時羽田着
 【新幹線】
  広島市中心部(午後19時過ぎ出発)⇒(路面電車・バスなど)⇒広島駅 午後20時01分発
  ⇒同23時45分東京駅着
 ▽空港運用時間22時半(10月29日以降~)
 【飛行機】
  広島市中心部(午後19過ぎ出発)⇒(空港リムジンバスなど)⇒広島空港 午後21時35分
  発⇒同23時羽田着
 
【新幹線】
  広島市中心部(午後19時過ぎ出発)⇒(路面電車・バスなど)⇒広島駅 午後20時01分発
  ⇒同23時45分東京駅着
-2⃣ 他空港の運用時間
 ① 福岡空港
   運用時間 24時間(但し定期便の運用は通常7時- 22時迄に制限) 
 
 ② 北九州空港     ③ 小松空港
   
運用時間 24時間   運用時間 7時30分~21時30分 
 ④ 岡山空港               ⑤ 岩国錦帯橋空港
   
運用時間 7時00分~22時00分    運用時間 ?~21時50分
 ⑥ 山口宇部空港 運用時間 7時30分~21時30分
 
⑦ 広島空港 運用時間 7時30分~22時30分

 運用時間1時間延長-21時半⇒22時半 でようやく新幹線とのシェア競争の戦う環境が整ったに過ぎない。1時間延長と簡単に言うが、空港の場合、空港周辺の近隣住民の騒音問題が絡んでくるので、言うほど容易くはないと推測する。広島空港の場合、街中立地ではないのでそのハードルがそこまで高くないのが幸いした。現広島空港の最大の問題点として、空港アクセスを必ず指摘される。決して間違いではないが、現行条件下でもシェア競争で新幹線に勝っていた時代があった。立地云々はあくまでも広島市目線での議論で、広島市及び同都市圏だけの空港と捉えるのか、それともそれらを含めた広島県全域及び、他県の周辺地域も含めた空港と捉えるかで見解が異なる。むしろ使いやすさ-(広島市からのアクセス以外の)利便性の問題がおざなりにされていた気がする。空港を管理運営する広島県が今回、重い腰を上げ運用時間延長に踏み切ったのは経済界からの強い要望があったのも理由の1つだが、近隣空港の運用時間延長の動きに呼応せざる負えなかった側面が強い。ものは考えようで今回の改善は、利便性追及第1弾と捉えれば良い傾向だ。

 さらなる利便性追求と激化する他空港との競争を見据え、2021年4月の完全民営化を目指している。 ~広島空港特定運営事業等の実施に係るマーケットサウンディングのご案内~(国土交通省HP)広島空港だけの先進事業ではなく、2013
年7月に民活空港運営法が施行され、滑走路などを含めて空港を一体的に民間企業がPFI法にもとづき運営することが可能になった。~民間の能力を活用した国管理空港の経営(国土交通省HP) 既に関西国際空港と地方空港の仙台空港も民営化された。2018年4月には高松・神戸空港、2019年4月には福岡・富士山静岡空港の民営化が予定されている。民営化のメリットとして、①競争を意識した自由な価格設定(離陸料値下げ) ②格安設定による新規路線開設のハードルを下げる ③ 非航空機事業の拡大(収益の改善)がある。官主導の第3セクターよりも収支重視で、効率的な運用が可能(可能性として)なのは確かだ。中四国の基幹空港を標榜する広島空港もこの流れに乗らざる負えない。これは新幹線関係なく、他空港との競合関係上そうなる。インバウンド(訪日外国人観光委客)の取り込みでは、福岡・関西両空港、ドル箱の東京線の視点では直近の岡山・岩国錦帯橋両空港の動きに神経質になるのは当然だ。

2012hiroshima_airport-4.jpg


画像4 広島空港からの発着待ちの飛行機(アンドビルド広島より)
 
2『飛行機vs新幹線』時代の終焉
リニア新幹線開通後はダブルスコアになる可能性も

-3⃣ 広島-東京間の飛行機と新幹線のシェアの推移
 ◎2000年-飛行機58% 新幹線42% ◎2005年-飛行機55% 新幹線45% 
 ◎
2010年-飛行機46% 新幹線54% ◎2013年-飛行機40% 新幹線60% 
 ◎2015年-飛行機38% 新幹線
62% 
 ~広島空港の現状及び将来に向けた課題について~(広島県HP)


-4⃣ 脅威となるリニア中央新幹線開通(2027年~)


画像4 リニア中央新幹線による時間短縮効果(広島県HP) ※後に名古屋駅 -大阪市内(新大阪駅の予定)間は、2037年開業予定に変更された

 広島は東京から立地の関係上、飛行機と新幹線がガチバトルの競合関係にある。他の地方中枢都市で当たり前に整備されいている空港アクセス鉄道が整備されていないのはこれが最大の理由。別に歴代為政者達の失政ではない。一応、事実関係を言うと広島県と市は広島空港移転が決定した1980年代よりアクセス鉄道構想を暖めていた。当初は新幹線とリニア(HSST)の2案で検討したが新幹線案が脱落、その後リニア案も断念。在来線方式に転換。白市-空港間に第3セクター線を建設して、JR山陽本線との共同運用を目指していたが、競合関係にあるJR西日本が協力拒否(2006年)して、事実上の断念となった~。広島における空港の経緯(広島県HP) JR西日本としては、関西圏のアーバンネットワークと山陽新幹線が経営の二本柱で、JR東日本の首都圏輸送やJR東海の東海道新幹線ほどの力がないので、敵に塩は送れない。

 私の予測として、民営化後(2021年~)暫くは広島空港の逆襲が続くとみる。2027年のリニア中央新幹線品川-名古屋間開通(1時間短縮)で、少し戻したシェアを奪われるだけではなく、過去最大の差がつきその後そのまま推移する。そしてリニア中央新幹線が新大阪まで延伸される2037年以降は、ダブルスコアがつくと考える。リニア中央新幹線は、東海道・山陽新幹線との結節を重視しており既存新幹線駅の名古屋駅や新大阪駅に乗り入れる。注目される料金も、現行新幹線の料金より+300~2,000円程度を想定しており、料金面で不利に働くことはないからだ。こうなると、飛行機は少々の対抗策を打ち出しても太刀打ちできない。そして、数十年に渡りしのぎを削った
『飛行機vs新幹線』時代は終わりを迎える。この時代(2030年代後半)に入ると、広島だけではなく日本全体が急激な人口減局面に入る。 ~将来推計人口でみる50年後の日本~(内閣府HP) 実際の人口は少子化対策でここまでは落ち込まないだろうが、急激な減少局面であることには変わりはない。公共交通に限らず、国内市場の縮小を意味する。社会保障や経済、財政に多大な影響をもたらし、国難といっても差し支えない。話を戻すと、2017年現在は互いに緊張関係を持ち競い合う敵の意識だろうが、シェア競争に決着がつき広島を含めた日本の市場が縮小し続ける時代に入ると、これらの意識にも大きな変化で出てくる筈。競争の時代から共存共栄の道を探る時代に入るかも知れない。

 となると今は暗礁に乗り上げている空港アクセス鉄・軌道の問題も好転する。当面は、将来のJR山陽本線を視野に入れて西条-空港間を単線高架線をLRTで建設。始発駅の西条駅付近は総合乗り入れを考慮した設計にする。LRTを選択する理由はモノレールやAGT(アストラムライン)では、規格が異なるので鉄車輪方式の鉄軌道線との相互乗り入れは出来ない。白市ではなく、西条を始発駅とする理由は、白市では仙台空港アクセス線のように沿線開発が難しい。空港利用以外の利用者も取り込まないと、絶対に大赤字になる。それは現在の白市発のバス路線の乗車率でも明らかだ。JR山陽本線との相互乗り入れは、『トラムトレイン方式』を採用。海外では、ドイツの
カールスルーエ、ザールブリュッケンカッセルやオランダハーグなどで多くの実例がある。輸送能力云々を言い出す人がいそうだが、不足すれば連結運転をすれば事足りる。建設㌔数は増えるがフル規格鉄道から、LRT規格に変更するのでコストはそう変わらない(と思う)現状では、
空港年間利用者350万人に達したら再度検討するとの事だ。2016年度の広島空港利用者数は、285.2万人(東急エージェンシー統計より)。300万人台を3年くらい継続したら、是非検討してほしいと考える。

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画像5 広島空港ターミナルビル内の様子(アンドビルド広島より)

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