封入体筋炎患者闘病記

 封入体筋炎患者のヒロです。病歴は2019年で満11年、12年目に入りました。在宅勤務の仕事とリハビリの日々を送り、細やかながらも家族3人で暮らしています。ブログ記事は闘病記と広島地元ネタ、社会保障などの時事ネタ中心です。希少疾患の封入体筋炎の周知が目的です。関心があれば、ツイッターなどでご紹介していただければ幸いです。疾患関係で直コメントが苦手の方は、ツイッターのダイレクトメールを利用してください。封入体筋炎の闘病史は各進行段階の症状や生活障害、必要な社会保障制度等をまとめています。良ければ参考にしてください。最新の封入体筋炎の状況は『近況について色々と』、取り組んでいるリハビリについては『2019年春~夏 筋疾患(封入体筋炎)リハビリ』にて素人の体感目線で書いています。モバイル版で読みにくい場合は、PC版に転換してからお読みください。

Category:広島の都市交通 > JR

西日本豪雨被災地への募金受付窓口まとめ ボランティア情報
シリーズ記事 広島の都市交通 JR


 今日は久しぶりに広島市東部連続立体交差化事業を取りあげたい。長年の懸案が動き始めた感がするが、県も市も形を少し変えてでも実現を至上命題としている。動き始めている事業をブログで批判しても詮無きことだが、どうしてもブログ主は、その必要性に疑問を感じてしまう。『あれもこれも出来る時代ではないのに本当に大丈夫だろうか?』である。まずは中国新聞記事の紹介から始めたい。
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今日のお題 9月19日中国新聞28面より引用
JR線高架化 海田市3階向洋は2階
県、駅舎イメージ図公表

【記事概要】

 県は、広島都市圏東部のJR線を高架化する連続立体交差化事業に伴い、建て替える海田市駅(安芸郡海田町)と向洋駅(同郡府中町)のイメージ図を公表した。海田市駅は3階構造に、向洋駅は2階構造になる。線路の高架化とともに山陽線北側に並行して整備する幹線道路のうち、海田町の一部区間の道幅を当初計画より約3㍍狭くすることも明らかにした


画像1 9月19日中国新聞28面より(ブログ画像からは全て読めません)

【記事詳細】
 府中、海田両町で開催した17日の都市計画変更案に関する住民説明会で示した。計画案では、
 山陽線と呉線の分岐点となる海田市駅の駅舎は3階構造で、2階に山陽線、3階に呉線の駅ホ
 ームを設ける。向洋駅は、2階建て。整備主体は県となり、JR西日本と両町も建設費を負担
 する。イメージ図では両駅前のロータリーも併せて公開した

 また、海田町役場付近から向洋駅東側付近まで整備される幹線道路は、大正通第一踏切付近から
 市頭第一踏切付近までの間の約600㍍で道幅を狭くする。この区間は当初、16㍍と12㍍の
 2種類の道幅で整備するとしていたが、それぞれ13㍍と9.5㍍に縮小する。同事業の再検討
 により、高架区間を短縮する影響という。駅舎整備も含めた同事業の総事業費は約915億円。
 県は来年2月の都市計画審議会に諮(はか)り、19年度の早期に国の事業認可を得たい考えで
 いる


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【考察その1】
今回の発表の概要について
過去の計画と事業費の変遷


画像2 高架化に合わせ2階に山陽線、3階に呉線のホームが移設される(画像 広島県HPより)


画像3 海田市駅同様に高架駅化された向洋駅の完成イメージ図(画像 広島県HPより)

【今回までの大まかな流れ】
 99年3月-広島市東部連続立体交差化事業都市計画決定
 02年3月-国から事業認可取得
 07年1月-県と市の財政難により事業完了予定を15年から22年に先延ばしに
 12年2月-事業の見直し検討に着手する旨を公表
《見直し検討の経緯》
 13年8月 -見直し検討状況の公表 (向洋駅周辺の鉄道高架、跨線橋等による街路整備による
       まちづくりを検討)
 15年6月 -見直し案で関係4者※が合意 (見直し案:向洋・海田市駅周辺の鉄道高架(分割
       施工、跨線橋等による街路整備)
 18年2月 -見直し案を基本にした修正案で関係4者※が合意 (修正案:見直し案の船越地区
       を一部高架化)

    3月-見直し案の修正案の住民説明会の開催
    ※関係4者:広島県、広島市、府中町及び海田町


画像4 『広島市東部連続立体交差化事業』の対象地区の鉄道形式(画像 広島市HPより)

【今回の都市計画変更の概要:海田地区】
 《広島圏都市高速鉄道の変更》
  ① 山陽本線   ② 呉線 : 鉄道の高架区間等の変更
 《都市計画道路の変更・廃止》 
  ① 山の手線 : 鉄道の高架区間の変更に伴う構造形式等の変更
  ② 青崎中店線  ③ 海田瀬野線
:鉄道の構造形式等の変更に伴う道路区域の変更
  ④ 栄町南本町線 ⑤ 上市石原線 
⑥ 大正矢野線 : 鉄道の高架区間の変更に伴う廃止 
  広島市東部地区連続立体交差事業の都市計画変更素案に係る説明会 海田町~(広島県HP)
【今回の都市計画変更の概要 府中地区】
 《広島圏都市高速鉄道の変更》
  山陽本線 :鉄道の構造形式等の変更 
 《都市計画道路の変更・廃止》
  青崎中店線 :鉄道の構造形式等の変更に伴う道路区域の変更
  ~広島市東部地区連続立体交差事業の都市計画変更素案に係る説明会 府中町~(広島県HP)
  詳細については、広島県のHPを参照

 
広島市東部連続立体交差化事業の事業費の変遷】
             1999年都市計画決定時  2013年8月1次見直し案 
 ●概算事業費
  全体            1,050億円      630億円(60%)
  広島県域(※注1)      297億円      158億円(53%)
  広島市域
(※注1)      175億円      126億円(72%)
 ●高架延長
  全体              
6.3㌔      2.0㌔(32%)
  広島圏域            
4.4㌔      1.1㌔(25%)
  広島市域            
1.9㌔      0.9%(49%)
 ●踏切除去
  全体               20箇所     09箇所

  広島県域             13箇所     03箇所
  広島市域             07箇所     06箇所
 ●事業期間             10年間程度   10年間程度
……………………………………………………………………………………………………………
            2015年6月2次見直し案  2018年1月3次見直し案
 ●概算事業費
  
全体          770億円(73%)     915億円(87%)
  広島県域
(※注1)   220億円(74%)     245億円(82%)
  広島市域
(※注1)   126億円(72%)     166億円(95%)
 ●高架延長
  全体            4.0㌔(63%)       5.0㌔(79%) 
  広島圏域          2.7㌔(61%)       詳細不明
  広島市域          1.3㌔(68%)       詳細不明
 ●踏切除去
  全体             14箇所          16箇所
  
広島県域           08箇所          08箇所
  広島市域           06箇所          08箇所
 ●事業期間           15年程度(Ⅰ~Ⅱ期)   17年程度
(Ⅰ~Ⅱ期)
 ※注1 各指標から実質負担率45%で算出


画像5 
大正通第一踏切付近の高架化されたイメージ図(画像 広島県HPより)

【考察その2】
広島市東部連続立体交差化事業の必要性を考える
高度・安定成長期であれば必要な事業だと思うが・・・

 広島市東部連続立体交差化事業は、新聞記事や県のリンクページのように今後は大きな再修正なしに進んでいくものと思われる。前回の記事でもグダグダと書いたが本格縮小社会(超高齢化と人口大幅減)突入間近の今の時代にあって、この事業の必要性を今一度考えたい。別にブログ主は日本的リベラル主義者のように『こんな無駄な公共事業をするのであれば、福祉に』などと野暮なことを言うつもりは毛頭ない。過度な福祉のバラマキは勤労意欲の低下を招き、対象者の経済的な自立を確実に阻害する。現在、広島市の巨額の持ち出しを要する事業がいくつか具体化しつつある。まだ具体化していないものも含め少し考えたい。

ブログ主が考える費用対効果が『???』と思う3大事業
                 総事業費   広島市負担額   完成予定
 アストラムライン西風新都線   570億円   289億円  30年代初頭
 西広島BP都心部高架延伸事業  
300億円   100億円    未定
 広島市東部連続立体交差化事業  915億円   166億円    未定      

費用対効果が低いと断じる理由
 
アストラムライン西風新都線
 ①都心部区間の延伸計画が実質なく、競合する広電の都心部直通の西風新都方面バスの旅行速
  度が
23.9~27.3m/hと早く、速達性のアドバンテージが確立(既存アストラムラ
  イン30km/h)できないので利用が低迷すると思われる

 ②西風新都線と既存線ともに沿線の団地群が軒並み市の平均値よりも高齢化が進んでいる。通
  勤通学定期比率(53.8%)も高く、超高齢化と出生数減少の影響が大きく需要の先細り
  が懸念される
 ➂西風新都の開発も大半がめどがつき、開通波及効果も西広島駅周辺地区など一部に限られる
 ④沿線の交通事情がまったく逼迫していない
 西広島BP都心部高架延伸事業
  延伸予定区間は、フル規格でも片側1車線の対面通行となり、平野町止まりの中途半端な
  路線。片側2車線以上で東雲のバイパス
道までならその有用性は高いが、低クオリティの
  道路の割には市の負担が大きい

 広島市東部連続立体交差化事業
  市の負担額の大きさもさることながらまちづくりの貢献度が低い。都心部地区でも郊外の広
  域拠点でもないこの地にこの投資額は不要(と思う)。優先順位からも都心部地区に投資し
  たほうが費用対効果も高い。

代替え事業
 アストラムライン西風新都線
  市の基幹バス路線である『広島バスセンタ-~西風新都地区』の疑似BRT化。城南通りの
  走行高空の改善-停留所の高規格化、PTPS設置、専用レーン化など、連接バスの導入、
  西風新都線は、疑似BRTでの対応が難しくなったら検討する

 西広島BP都心部高架延伸事業
  広島南道路の商工センタ~宇品及び仁保新町間の一般道路部分のフル規格開通。そして現在
  工事中の
廿日市草津線の西広島BPの接続で東西方向の大きな背骨となる道路が完成すれ
  ば、
都心部高架延伸の必要性は薄れる。それでも国道2号線の交通渋滞が解消されない場合
  のみ、東雲地区延伸と4車線化前提で検討をする
 広島市東部連続立体交差化事業
  必要に応じた道路のアンダー、オーバークロスの建設。踏切の拡幅などの安全対策を施す。
  向洋と海田市駅は自由通路を建設し、バリアフリー化を推進する

画像6 
西広島バイパス都心部延伸計画とイメージ図(画像 西広島バイパス都心部延伸事業促進協議会HP)

 好き放題書かせてもらえば、こんな感じになる。これが80~90年代初頭の安定成長期であれば、財政にも余裕があり建設もありだと思うが、縮小社会(超高齢化と大幅人口減)の元での必要性は疑問を感じざる負えない。この市の負担額を供出出来るのであれば、もっと別の事業に投資したほうが有用ではなかろうか?要は優先順位と事業の取捨選択の問題になる。沿線住民の人たちからすれば恋焦がれ、市(県)が約束をしたと主張をするかも知れないが、諸般の事情を勘案するとその主張の論拠は強くない。もっと別の事業とは、都心部地区への投資に他ならない。3事業の広島市の負担額は約555億円と結構な額となる。事業ごとの国も補助率にもよるが大雑把に見積もり1,100億円クラスの事業が可能な額だ。目に見える経済波及効果が少ない広島市東部連続立体交差化事業よりも都心部地区の中央公園の老朽施設の建て替え、歩行環境の整備、路面電車とバスの高度化と再生、どう考えても必要なMICE(展示)施設などに投資するほうが波及効果が一部市域のみならず都市圏全域に行き渡る。最近では数年単位で起きている自然災害への備えとして、市域の強靭化も必要だ。特に災害に強い都市建設は、最優先して行うべきだ。広島市は立地上、自然災害には他の都市よりも弱い。地震が少なく、台風の直撃なども滅多にないので防災意識が希薄だが特に突発的な豪雨には無力だ。災害の置き土産の都市インフラの破壊、都市経済に与えるダメージを我々は今経験しているはずだ。郊外への投資は道路や交通結節点改善以外は、広島市立地適正化計画(広島市HP)に沿ったものを中心に投資。後は都心部地区を中心とし、選択と集中を加速させる必要がるのではないだろうか?市政全体目線で俯瞰すると、広島市東部連続立体交差化事業は然程の必要性を感じない。盛り土、部分高架区間の『西広島駅~広島駅付近』の完全高架化であれば必要性は高いと思うのだが・・・。

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西日本豪雨 被災地への募金受付窓口まとめボランティア情報
カテゴリー記事 広島の都市交通 JR

 今日はまた日本経済新聞広島地域経済版から、記事引用してJRについて考えたい。例の西日本豪雨災害後、復旧作業中ということもあり自粛ムードが広島地域全体を覆っているが、当ブログに関しては『それはそれ、これはこれ』で通常の記事更新を続けたい。別記事でも書いたが、ブログ主個人としては義援・支援金の寄付という形で貢献したいと考えている。この辺は個人の考えによると思う。まずは新聞記事紹介から始める。
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今日のお題 7月5日日本経済新聞地域経済面より引用

JR広島駅、乗降客数最高 
過去20年で昨年度、1日15万人


画像1 7月5日日本経済新聞広島地域経済版より

【記事詳細】
▼JR西日本広島支社によると2017年度の広島駅の1日当たりの15万4,348人と過去20
 年間で最高を記録した
▼過去最高を記録した要因として、広島東洋カープのリーグ2連覇と新幹線を利用した観戦客の増
 加、オバマ前大統領の広島訪問を機に認知度の向上、南北自由通路の開業、『ekie(エキエ
 )』などの開業などの複合要因が挙げられる
▼やはり09年のマツダスタジアムの開場効果は大きく、スタジアムの入場切符を見せれば割引新
 幹線切符を購入できる『赤ヘルきっぷ』(新幹線用)は発売枚数が09年の2.6万枚から17
 年は10.2万枚に急増した。
▼機を合わせるようにして広島駅周辺の再開発も大きく進み、南口地区の再開発は完了して自由通路
 とエキエの完成で人の動線が様変わりした。今後は北口の二葉の里地区(19年度完成)、南口広
 場再整備(24年度完成予定)に軸足が移る。
▼北口の二葉の里地区以外では移転した中国ジェイアールバス(広島市)の跡地にJR西日本系のホ
 テル建設が予定され、その付近では『ホテルリブマックス広島北』(19年完成)が予定されてい
 る。20年のJR西日本広島支社跡地の再開発もあり、南口地区のフタバ図書が入
居するビルの動
 向も注目が集まっている。
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【考察その1】
バブル経済崩壊後も順調に伸び続けるJR利用者
ただ公共交通全体の観点だと少し物足りないところも・・・



画像2 広島駅に入線する最新車両の227系(画像 アンドビルド広島より)

 低迷するイメージが強い紙屋町・八丁堀地区を尻目に広島駅周辺は活況を呈している印象が強い。街並みが一新され、新たな息吹が感じ始めている同地区に比べ、ホテルやマンションなどへのリ・メイクが一部では進んではいるが、全体的に見るとスクラップ&ビルドが滞っている印象は拭えない。地形の関係で手狭な広島駅周辺の場合、各地区の再開発、跡地利用、北・南広場再整備などの複数の計画が間隔を空けず、動いているので視覚に訴える迫力が違う。では、広島市が定める楕円形の都心部地区-紙屋町+八丁堀+広島駅-の中で突出した存在になれるのか?と問われたら、素直に『はい、そうです』とは言えない。だが、都心部地区をけん引する地区に成長している事実は変わらない。一般的な解釈では、09年のマツダスタジアム開場に端を発し、北口の若草町地区再開発(10年度完成)、南口地区B・Cブロック再開発(15~16年度完成)などの周辺再開発が広島駅乗降者数増加を含むJR全体の今をけん引しているになる。そうした側面も強いがへそ曲がりな(笑)ブログ主は、別の解釈も打ち立てたくなる。まずは下記画像3をご覧頂きたい。ここ四半世紀(25年)のうち広島市内の公共交通利用者がピークだったのはアストラムラインが開業した94年の67.6万人。12年をみると約17.8%減の55.6万人まで落ち込んでいる。全体的な理由としては、景気の低迷、少子化などの社会情勢の理由がまず1点。次は、商業機能を中心とした都心部地区の求心力低下による公共交通移動需要の減少。そしてモーターリゼーションの進行による拡散都市化の進行も輪をかけ、公共交通離れを加速させた。移動に際しての自動車分担率の向上『87年-39.0%⇒08年-47.8%』が物語っている。広電の市内軌道線と宮島線が公共交通利用率減少分程度の下がり幅であるのに対して、バスは更に深刻で上記説明の理由以外にも可部、廿日市・五日市方面の郊外線がフィーダー化され、正に弱り目に祟り目状態になり、全盛期の87年対比では約45%減となり壊滅的だ。その一方でJRは94年対比だと健闘して12年-約20.0万人と微増状態を維持している。要因としては、ある時期まで競合していた可部、廿日市・五日市方面の郊外バス路線がフィーダー化され、利用者として取り込めたことが大きい。定時性と速達性で大きく上回ることが強みとして発揮されたのだろう。


画像3 広島市内の公共交通機関別の利用者推移(87~12年) 画像 広島市HPより

 JR各線が広島市及び同都市圏の公共交通の中で果たす役割の大きさは以前より増しているのは事実だが、底意地の悪い見方をすれば公共交通利用者という限られた需要の中での右から左への移動に過ぎないとも言える。それは、公共交通全体の利用者増に大きく貢献しているとは言えないからだ。利用者を軒並み減らす他の交通機関を尻目に現状維持もしくは微増している点は評価に値するが、ただそれだけ。JRだけ増えて他の交通機関が減りしかも全体数が減っている現状では、手放しでは喜べないのだ。広島市を始めとする日本の各都市も2010年代に入り、モーターリゼーションを容認した拡散都市構造から、過度な自動車依存を是正して公共交通移動を中心とした多極ネットワーク型コンパクトシティ-集約都市構造への転換に舵を切り直した。縮小社会-大幅人口減・超高齢化が迫る中、この流れは都市戦略上、不可避だ。都市計画の世界のトレンドもこの流れになっている。この論に立脚した観点だとJRを含めた公共交通という一括りとなり、自動車分担率の向上の現状を鑑みると不足感が漂う。ただこれはJR西日本独自の取り組みだけでは自ずと限界もあり、JR西日本広島支社を含めた広島都市圏の各交通事業者と行政とのタッグを組んだ取り組みとも思ったりする。自身の力が及ぶ範囲では健闘している、こんな感じかも知れない。ただJR西日本の経営規模と他の広島都市圏の他の交通事業者の経営規模では、大関と幕下ぐらい異なる。JR西日本の広島地区への投資が活発になったのはこの5~6年ぐらい。その前は本当に酷かった。『広島地区は干されていた』と勘違いするほどだ。在阪民鉄線との競争が厳しく、関西圏のアーバンネットワークの強化と山陽新幹線が経営の二本柱なのは承知しているが、都市規模に見合った投資がされ続けてきたとは言い難かった。今だけに限らず、今後も見合った継続的投資が続くことを望む次第だ。


【考察その2】
基幹公共交通としてのJR各線
短・中期的には順調に推移するだろうが長期的には厳しい予感



画像4 広島市の直近の公共交通計画『公共交通の体系づくり』で階層・システム化されたイメージ図(画像 広島市HPより) 


画像5 拡大図(要拡大) 最上位に位置する基幹公共交通ネットワークのあるべき姿(画像 広島市HPより)

 広島市の直近の公共交通計画の『新たな公共交通の体系づくり』(広島市HP)では、JR各線は、アストラムライン、広電宮島線、郊外の基幹バス、空港リムジンバスなどと共に基幹公共交通の1つと位置づけられている(上記画像4参照)。基幹公共交通の定義は、一定の大量性と速達・定時性を有し、『デルタ外(郊外)地区⇒都心部地区、及びその外縁』に直接乗り入れる公共交通機関だ。細かいことを言えば、都市工学的な大量性とは片方向の1時間当たりの輸送能力-20,000人/時間を指す
。これだと大量性を満たす交通機関は、(能力的に)JR山陽本線のみとなる。後は、定時・速達性は別として輸送能力では中量輸送機関の範疇になる。独自の広島の都市規模解釈でも問題ないと思ったりする。17年度広島駅の乗降客数過去最高を記録したJR西日本だが、短・中期的には今後も順調に推移すると予測する。新聞記事でも書かれているが19年-北口二葉の里地区土地区画整理竣工、20年代半ば-JR西日本広島支社跡地再開発、24年-広島駅南口広場再整備などまだまだスケジュールが詰まっており強い追い風が吹く。一度大きな流れとなったものはそう容易く崩れない。今回の西日本豪雨の影響-山陽本線と呉線の数か月の部分運休(下記画像6参照)の影響(利用者大幅減)はかなりのものだが、17年度限定だと考える。復旧後は、災害発生前の状態に時間がかかっても戻るのではないだろうか?


画像6 西日本豪雨による県内の鉄道・道路の復旧見通し(画像 7月10日中国新聞より)

 次は長期的な観点でみてみる。今後15年以上先(2030年代前半~)の話だが、JR線はおろか、アストラムラインも相当に厳しい環境に追い込まれると予測する。基幹公共交通の宿命だが、通勤輸送の側面が強くそれが仇となる。アストラムラインは定期比率が50%を超えている。利用者の主たる沿線の各団地群の造成は60~80年代がその殆どで、超高齢化と空家率の増加で通勤輸送需要を失う。現在、西風新都線が事業着手されているがこの沿線の団地も同様だ。出生数も下げ止まらず、沿線の高校・大学も統廃合される可能性も否定できない。JRもまた同様だ。アストラムライン同様に、通勤輸送に特化しており、広島市の集約都市への移行 ~広島市立地適正化計画~(広島市HP)させ、沿線に各都市機能を再集約させない限り状況はアストラムライン同様に厳しいだろう、と予測する。これはJRだけの話ではないが、日本の都市交通事業の根幹である独立採算制は、30年代以降本格化する人口大幅減(下記画像7参照)下では成立しなくなると考える。人口減が顕著になるであろうデルタ外(郊外部)中心に路線網を持つJRはその影響をダイレクトに受けるだろう。集約都市への移行とはTOD-公共交通志向開発-推進なのだが、何らかのインセンティブを与えての誘導施策なので、短期間での沿線への集約化は難しい。その点、デルタ内準基幹公共交通の路面電車とバスは、都心部及びデルタ内という狭い範囲でデルタ外(郊外部)からの人口回帰の受け皿にもなり、高次都市機能の維持、再集約化の恩恵も受けると思われるので、人口減のダメージは願望を込め軽微にとどまる筈だ(と思う)。基幹公共交通網を持続的に維持していくには、JR西日本だけの自助努力だけで限界があり広島市などとの歩調を合わせた各交通施策の取り組みが肝要となる。

画像7 10年国勢調査準拠による国立社会保障・人口問題研究所の統計にに基づいた広島市の将来人口予測(画像 広島市HPより)

『新たな公共交通の体系づくり』(広島市HP)の中に記載されている、基幹公共交通強化策のJR関連分は次の通りとなる。(ア)中心JR可部線の輸送改善(電化延伸・上八木駅の行違い設備検討等)  (イ)JR芸備線の輸送改善(下深川・広島間の10分ヘッド化) (ウ)JR在来線の快速電車の運行(通勤ライナー等) (エ)JR在来線の車両設備の改善、新型車両の導入 (オ)駅舎のバリアフリー化 机上論からすれば不足感を感じなくもないが、現実に沿った実現可能な案とも言える。ややもするとこうした計画は、理想論と言うかお絵かきに終始する傾向が強い。その意味合いでもこの強化策を評価したい。直営の公共交通を持たない広島市(アストラムラインは第3セクター)の公共交通改善に向けての立ち位置は、大きな方向性(上記リンク計画)を掲げ、個々の具体計画実現は広島市地域公共交通再編実施計画 第1版 (案) の概要 ~(広島市HP)の中でも見られるように、直接の交通事業者との協議の上、各々の役割分担を定め進める手法を取っている。地元との交通事業者-広島市に本社を置く事業者との連携は密なもの感じるが、JR西日本との連携の密さが感じられない。JR西日本自体が経営規模が大きく、行政の助けなくそこそこ出来るからだ、という見方もあるがもう少し手を携えてほしい。JR可部線の復活・電化延伸の時に見せたような共同歩調的な取り組みの輪の中に地元交通事業者共々JR西日本も入れるべきではなかろうか?現在のJR西日本の投資の矛先は、交通インフラというよりも広島駅周辺の商業施設などに集中している。悪いことではないが、市が定める基幹公共交通を担う企業でもあるので、もう少し自覚を持っていただきたい、と言いたい。当面は今回の豪雨被害の復旧に最大限尽力して頂き、少し落ち着いたらその辺もじっくりと考えてほしい。

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前回記事 広島市東部連続立体交差事業 船越地区の話題

 広島市と県の財政状況の悪化で、先延ばしされ続けた広島市東部連続立体交差化事業がリメイクして再び動き始めたのは、2013年。最初の見直し案が、海田町の強い反対で後退して再見直し案として浮上したのが2015年のことだ。この案も高架化を見送られた安芸区船越地区の強い反対で、修正を迫られていた。昨年2月、再見直し案の再検討を広島市が表明した。それから約1年が経過。2018年度当初予算案編成に向け、大詰めを迎え最終案とすべくまとめ上げた。そんな記事が掲載されていたので取り上げたい。
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▽今日の議題 1月17日中国新聞25面より引用
船越の2踏切高架化 広島市 知事に伝達


画像1 1月17日中国新聞25面より(ブログ画像からは読めません)

【記事概要】
▼広島市は、広島市東部連続立体交差化事業の安芸区船越地区を高架化を見送る従来の『見直し案』を市が再検討(17年2月~)し、引地・船越2踏切を高架化する案を今回まとめた
▼船越地区の部分高架化決定により、総事業費770億円が145億円増え、915億円になる見込み
▼工期は1~2期に分け、約15年とした工期は17年になる見込み
▼広島市の松井市長は18日、広島県庁に湯崎知事を訪ねて伝える予定

【広島市東部連続立体交差化事業の大まかな流れ】
1999年に都市計画決定。当初案では、総事業費1035億円を投じ船越地区を含む計画全区間の6.3㌔を高架化。事業期間は10年程度だった。極度な財政難に陥っていた広島市と県は2013年、海田町と同地区の高架化を中止する案を提示。海田町の猛反発で、県は15年6月に向洋・海田両駅付近
4㌔を高架化する『見直し案』を提示。府中町を含む4者で合意した。総事業費は約770億円、工期は約15年であった。その後、高架化を見送られた安芸区船越地区住民が反発。市は、要望を受けいれる形で昨年2月、15年に提示した『見直し案』の再検討を表明した。2017年の広島市当初予算の中に、見直し作業の経費を計上して進めていた。 


画像2 船越地区の見直し案の高架区間
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広島市東部地区連続立体交差事業完成予想図
画像3 広島市東部連続立体交差化完成イメージ図(画像 広島県HPより)

【考察その1】
今回の最終案(?)について


画像4 見直し案の再検討で高架化される安芸区船越地区の引地踏切~船越踏切間概略図(広島市HPより)


画像5 画像4の事業区間を別角度から(広島市HPより)

広島市東部連続立体交差化事業の変遷をこの考察で振り返る。

-各案の概要比較一覧 (~%)は当初案との比較

            1999年都市計画決定時  2013年8月1次見直し案 
●概算事業費
 全体            1,050億円      630億円(60%)
 広島県域(※注1)      297億円      158億円(53%)
 広島市域
(※注1)      175億円      126億円(72%)
●高架延長
 全体              
6.3㌔      2.0㌔(32%)
 広島圏域            
4.4㌔      1.1㌔(25%)
 広島市域            
1.9㌔      0.9%(49%)
●踏切除去
 全体               20箇所     09箇所

 広島県域             13箇所     03箇所
 広島市域             07箇所     06箇所
●事業期間             10年間程度   10年間程度
……………………………………………………………………………………………………………
           2015年6月2次見直し案  2018年1月3次見直し案
●概算事業費
 
全体          770億円(73%)     915億円(87%)
 広島県域
(※注1)   220億円(74%)     245億円(82%)
 広島市域
(※注1)   126億円(72%)     166億円(95%)
●高架延長
 全体            4.0㌔(63%)       5.0㌔(79%) 
 広島圏域          2.7㌔(61%)       詳細不明
 広島市域          1.3㌔(68%)       詳細不明
●踏切除去
 全体             14箇所          16箇所

 
広島県域           08箇所          08箇所
 広島市域           06箇所          08箇所
●事業期間           15年程度(Ⅰ~Ⅱ期)   17年程度
(Ⅰ~Ⅱ期)

※注1 各指標から実質負担率45%で算出

 全体的な印象として、見直しの理念である『コスト削減』が大幅に後退した。圧縮効果は概算事業費全体で見れば僅か13%。船越地区の高架案を追加したので、3年前の見直し案よりも膨れ上がった。13%程度の圧縮など、事業期間17年のサイクルで捉えた場合、事業費上昇分の足しにしかならない。松井広島市長は18日広島県庁に湯崎広島県知事を訪ね、今回まとめ上げた修正案を直接手渡した。その後非公開の会談を行い、会談後『ある程度は理解頂いたと思う。(見直し案より)費用は増えたが、当初案よりは削減効果は出ている』と語り、湯崎広島県知事は『地元の理解を得て事業を進めるのは重要で、市長からの申し入れは重く受け止める、事業費が増え、期間も延びるので関係者の意見を聞いて検討し、最終判断をしたい』と返した。即決は出来ないが前向きに検討するとみていいだろう。今後、県と市、海田、府中町の4者で合意。2018年度に概略設計と都市計画変更。国の事業認可を得次第、実地設計、着工と進むものと思われる。完成は明記されていないが、20030年代後半だろう(笑)。

【考察その2】
そもそもこの事業、必要なのか?
915億円の投資に値する事業にはとても思えない


画像6 一応危険視扱いされている船越踏切。高架化を見越して歩車分離され、問題はなさそうに見えるのだが・・・
(2015年 アンドビルド広島より) 

-全国政令指定都市の実質公債費率と将来負担率(2014年度)
将来負担率ワースト順 出典 総務省HPより

          実質公債費率  将来負担率   財政力指数 
01位 千葉市   18.4%   231.8%   0.95
02位 京都市   15.0%   228.9%   0.77
03位 広島市   15.4%   228.0%   0.82
04位 横浜市   16.9%   182.5%   0.96
05位 北九州市  11.8%   174.3%   0.71
06位 福岡市   12.6%   168.0%   0.86
07位 名古屋市  13.0%   153.9%   0.98
08位 大阪市   09.3%   141.8%   0.91
09位 新潟市   11.0%   135.1%   0.74
10位 仙台市   10.8%   133.2%   0.87

 のっけから、挑発的なタイトルだがブログ主の偽らざる本音だ。近年広島市では、アベノミクスの好景気の波を受け、様々な事業が完成したり佳境に入ったりしている。まだ目に見える形ではないが、予算がつき動き始めたものや今後動き始めそうなものなど星の数ほどある。殆どのものが今の広島、いや将来的にもその必要性があるものが多く滞ることなく、進んでほしいと思う。ただ、その数多い中にも、『本当に緊急性が高く、今必要か?』と思うものがある。アストラムライン延伸(西風新都線)、国道2号西広島BP高架延伸事業と共に広島市東部連続立体交差化事業がある。別に事業の必要性がゼロとは思わない。その必要性は認識しているが、優先順位の問題もあるし、全国の政令指定都市の中でもワースト3~4位の財政状況にある広島市の状況(上記指参照)を鑑みてもそう思う。この3つの事業は、事業費全体の額も高く広島市負担額も相当なものだ。その広島市の負担額を考えると、経済波及効果は開発地域のみならず、全市域及び都市圏全体に及ぶ費用対効果が当然求められるところだ。ところがこの3事業、そこまでの事業にはとても思えないのだ。アストラムライン延伸(西風新都線)は西広島駅周辺と西風新都地区に限られるし、そもそも無理やりコストダウン(単線建設)までして、導入する意義があるのかという疑問に行き当たる。国道2号西広島BP高架延伸事業については、事業採択はされていないが松井市長が政治生命をかけるかの発言までしている。延伸検討区間(観音本町-平野町間2.3㌔)はフル規格でも2車線道路。『そこまでの道路か?』と失笑を禁じない。

 『長年の懸案を一気に』との気持ちは分からないではないが、広島市の負担は
アストラムライン延伸(西風新都線)で355億円。国道2号西広島BP高架延伸事業は約100億円と言われている。同額負担するのであれば、アストラムラインの355億円は、常日頃からブログ記事で主張しているデルタ内の路面電車・バスの疑似LRT・BRT化に総事業費789億円(LRT、BRT補助率55%で計算)の投資が可能。高架延伸事業の100億は、もう少しだけ上乗せして、広島南道路の一般道-商工センター~仁保新町間のフル規格化(4車線化)整備をしたほうが経済波及効果が高いように感じる。鉄道高架事業の本来の目的は、鉄路で分断された地域の一体開発や、踏切の撤去による周辺地域の交通渋滞解消、安全確保だ。首都圏の鉄道線のごとく、朝のラッシュ時に片方向時間当たり30本以上の電車が走り、『開かずの踏切』になっている訳ではない。高架化されたとて、JR電車の速達性が向上して利用者の利便性は上がる訳でもない。周辺道路の渋滞の一因となり、危険な踏切には違いないが跨線橋、アンダークロス整備の改良で事足りると思う。ここは地方都市広島だ。鉄路で分断された地域の一体開発の目的も、広島駅~横川駅~西広島駅であればまちづくりの観点からも大いに意義はある。しかし、対象はデルタの東の端~デルタ外。取って付けた理由にしか感じない。今回の3度目の見直し案で総事業費は915億円。広島市負担額は40.5億円増え、166.5億円となる。17年事業とは言え、単純な年間平均負担額は9.79億円。決して軽くないを思うのはブログ主だけだろうか?


画像7 今回の修正案で目出度く高架化される引地踏切(2015年 アンドビルド広島より)

 ようやく本格始動し始めた事業に水を差す形で恐縮だが、正直なところ沿線住民しか求めていない。沿線以外の市民は建設の賛否どころか、関心すら持っていない現状。人口減、超高齢化が待ったなしの時代にあって、事業の選択と集中が求められている。デルタ外-いわゆる郊外地区への投資がNGとは決して思わない。求心力低下が叫ばれて幾久しい都心部地区への官民歩調を合わせた投資が急務だ。その後に市が長期ビジョンで定めるデルタ内外の広域拠点地区への投資。これが近々の優先順位だ。デルタ外に関しては、都市経済に直結する高規格道路などの産業インフラに絞った方が賢い選択なのは言うまでもない。結論としては、基本的には高架化の緊急性は低く、周辺の交通渋滞や安全面を指摘するのであれば、踏切地点の跨線橋建設、アンダークロス化、向洋・海田市両駅の橋上駅舎化で十分。用地買収が進み、いまさら引き返せないと言うのであれば、2013年時点の見直し案で事業を進めるべき、と考える。踏切の危険性だけなら、西区の広電宮島線とJR山陽本線が複々線のように並行して走る新井口駅(商工センター前)-五日市駅間のほうが深刻だ。時折踏切内に閉じ込められ、命を落とす人もいる。利害が全く絡まない一市民の目線だと、全市域での費用対効果が低い巨大事業に投資する余裕があるのなら、まずは都心部である。無駄とまで言わないが、今の広島県と市にそんな余裕はないと思うのだが・・・。


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前回記事 JR可部線電化延伸復活
リーズ記事 広島市東部連続立体交差事業 船越地区の話題
  

 今日は当ブログでは珍しいJR線の話題をお届けする。他の都市交通の記事投稿は多いのだがJR線は記事は3つのみだけである。JR線といえど、鉄軌道線の1つと位置付けているのが最大の理由だ。要は話題が少ないのである。で、久しぶりに大きな話題が中国新聞に掲載されていたので取り上げる。 
………………………………………………………………………………………………………………………
可部線延伸1.6キロ開業 ~3月5日中国新聞1面より~
あき亀山・河戸帆待川 2駅を設置

 JR可部線可部ー安芸亀山間(広島市安佐南区)が4日、電化されて開業した。利用者減を理由に2003年に廃止された可部ー三段峡間(46.2㌔)の一部で、いったん廃止されたJRの区間が復活するのは全国でも初めてのケース。14年ぶりの鉄道再開に歓喜に沸いた。


画像1 3月5日中国新聞1面より

 延伸区間は、可部駅から新駅の河戸帆待川駅を経て、同じく新駅のあき亀山駅に至る1.6㌔。一番列車は午前5時8分にあき亀山駅を出発。住民250人が拍手をしたり、小旗を振ったりして祝福した。同9時半からあき亀山駅前であった開業記念式典には市やJR西日本、地域住民たち約650人が集まり、松井一美市長が「市北部の利便性向上に役に立つ。まちづくりを進めるための基幹交通として期待する」とあいさつ。JR西日本の吉江則彦副社長は「皆さんの支援で愛され、親しまれる鉄路になってほしい」と述べた。

 廃止前の可部ー三段峡間は非電化区間で、今回の延伸区間の住民は電荷を求める運動を長年継続。03年の廃止後も市などへの要望を続けてきた。07年に、鉄道事業への自治体の関与を認める地域公共交通活性化・再生化法(国土交通省HP)が施行。08年、同法に基づく国の補助事業に採択され、市やJR西でつくる協議会が電化延伸の検討を進めた結果、沿線人口増を踏まえ、市とJR西が13年に合意した。事業費は国と市が負担し、総額約27億円。これまで可部駅止まりだった列車は全て延伸区間に乗り入れ毎日約99本を運行する。

鉄路生かす先進地国に
【解説】

 前例のない鉄路復活を訴え続けていた地元の熱意が実を結んだ。車社会の進展と過疎化で鉄道の廃止が相次ぐ中、公共交通を軸にした地域づくりのモデルを示せるか。官民の姿勢が問われるのはこれからだ。ローカル線を中心に鉄道を取り巻く状況は厳しさを増しており、開業後は運営の在り方に注目が集まる。2000~15年度には、過疎地を中心に全国の鉄道38路線754.4㌔が廃止。三次市と江津市を結ぶJR三江線の来春廃止も決定した。

 延伸が決まる潮目となったのは、国が公共交通の再構築を補助金で支援する地域公共交通再生法。施行翌年の08年に市の調査事業が国に採択され、動き始めた。加えて、住民の粘り強い活動も市の最終判断を後押しした。過疎化が深刻な山間部に比べ、住宅地を走る区間という有利さも手伝った。通勤通学や買い物、通院など、手有働は地域の生活者を支える。車を運転できない高齢者が増え、その役割は今後増す。観光客の増加で新たな活用策も考えられる。利用者減を理由に廃止に追い込まれた苦い経験を教訓に、官民一体で鉄道を生かした先進事例を目指したい。
…………………
………………………………………………………………………………………………
……

1 可部線を含むJR各線の位置づけ
地方都市では車なしの生活を送れないが、過度の依存は危険


動画1 JR西 可部線電化延伸工事の現況 (2016年4月現在) 

 個人的なことで恐縮だが、私は東京の私大卒業後あちらで就職して約10年勤務後、広島にUターンした。東京では、車は通勤手段で使うことは皆無でその保有コストの問題からその保有率は地方都市に比べ驚くほど低い。極論すれば、持つ意味があまりないのである。しかし、地方都市ともなれば話は別だ。通勤手段として、そして仕事の移動手段としても必要不可欠で誤解を恐れず言えば車の未所有は、憲法で保障されている職
業選択・移動の自由を大きく制限される。結婚して家庭を持てばもはや必須である。良し悪しは別として、これが現実だ。

 よって広島に戻って就労開始まで、車の運転の練習をしてすぐに購入した。依然、通勤手段としての公共交通利用は多いが、都心部就労者と経済的な理由で車所持が難しい人たちに限定されている。買い物の移動手段としては、もはや車なしはあり得ない。これが広島を含めた地方都市の現状だと思う。 ~公共交通体系づくりの基本計画~(図2ー4・5参照 広島市HP)広島市などは地方都市の中では比較的大都市の部類に入るので、車依存度は他の地方都市の中でも軽症である。政令指定都市クラス以下では、より深刻な公共交通離れが進行している。地方JR各線の非電化路線の廃止、バス路線の減便、廃止などはその端的な例だ。こうした全国的な状況下で、今回可部線は廃止一部区間を電化復活させた。

 広島市のおける公共交通の長期的な在り方と整備の方向性の指針を示した 
公共交通体系づくりの基本計画~(P17~ 広島市HP)によるとJR各線、アストラムライン、広電宮島線、基幹バスはランク最上位のデルタ外基幹公共交通網に位置付けられている(下記画像2参照)。アストラムライン西風新都線整備(2030年代初頭開通)や湾岸線バス社会実験(広島市HP)はこの計画の延長線上にあると言える。市が、延伸復活費用の半額を国と折半で負担したのもこのためだ。広島市が、長期ビジョンに位置付ける日本型集約都市実現のために公共交通網整備が欠かせない。 ~第4章 めざすべき都市構造~(広島市HP) 欧州では、人口減時代に入っても持続的な成長が見込める都市施策として1980年代後半から取り入れられている。欧州では、コンパクトシティとして語られることが多い。日本ではコンパクトシティと集約都市を同義扱いだが、21世紀に入り、どの都市も標榜している。都市生活における車の有用性を容認しつつも、過度の依存を戒(いまし)めている。
 

画像2 広島市における公共交通体系のあり方 について(広島市HPより)

2 公共交通受難の時代で可部線は検討している


 今回の可部線一部区間
復活は、地元住民の絶えることがない運動の賜物ではあるが、それだけで復活させるほど甘くはない。以下がJR可部線乗車人員である。

ー① 可部線1日平均各駅乗車人員数(2015年 広島市統計書より)
※横川駅は山陽本線駅としてカウント
・三滝507人、・安芸長束2,645人、・下祗園4,930人、古市橋1,817人、大町5,730人、・緑井2,574人、七軒茶屋759人、・梅林1,138人、・上八木532人、・中島546人,・可部3,483人 計23,583人

ー② 各年度ごとの可部線(三滝ー可部間)1日平均乗車人員数推移
JR 可部線活性化連携計画
(広島市HP)より
・1993年 18,598
人、・1994年(アストラムライン開業)21,534人、・2000年21,620人、2003年(可部ー三段峡間廃止)20,385人、2015年23,583人

ー③ JR可部線1993年と2015年との比較
・1993年 18,598人(100)⇒2015年 23,583人(127)

ー④ 他の公共交通機関1993年と2012~15年との比較
2015年は広島市統計書、1993・2012年は広島市の都市交通施策についてより抜粋

・公共交通全体
 1993年64.5万人(100)⇒2012年55.6万人(86)
JR
 1993年約20万人前後(100)⇒2015年19.9万人(100)
・バス
 1993年29.0万人(100)⇒2012年16.7万人(58)
・広電市内軌道線
 1993年
約11.0万人(100)⇒2015年10.6万人(96)
・広電宮島線
 1993年約4.0万人
(100)⇒2012年約3.0万人台後半(90~95)

である。ー①~④をご覧になれば、JR可部線の健闘ぶりがお分かりだろう。JR西の企業努力の側面も少しあるが、アストラムライン開業まで主要交通機関だった郊外バスの利用者転移に助けられている。可部線で言えば、市北部(可部方面)との競合で一方的に勝っている。広電は市内線、宮島線共に微減、バスは大幅減、JRはほぼ横ばい、公共交通全体だと減少している、といったところだ。復活の背景にはこうした点がある。

 可部線は広島市でも最も人口が多い安佐南区を縦断する形であ走る。沿線には高校、大学も多く(安芸長束・下祗園)、大型商業施設(下祗園、緑井)もある。今後、2022年に終点のあき亀山駅直近に安佐市民病院が分散移転予定で、現在の安佐市民病院南館跡地利用計画も動き始める。可部線への追い風は、しばらく続くだろう。これからも広島都市圏における、デルタ外基幹公共交通機関として期待したいところだ。


画像3 電化延伸開業した河戸帆待川駅ホームの様子(ユーチューブ画面撮影より)


動画2 JR西 可部線 電化延伸開業 2017.3.4




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シリーズ記事 広島の都市交通

 前ブログでは何度か取り上げた問題だが、現ブログでは初めて取り上げる。広島市東部連続立体交差化事業についてだ。ここにきて少し動きがあったので、掲載された中国新聞記事と併せて紹介する。
………………………………………………………………………………………………………………………
船越高架問題 再検討を正式表明
広島市長対応策探る 
2月7日中国新聞18面より
 
 広島都市圏東部のJR線を高架化する連続立体交差化事業で、広島市の松井一実市長は6日、市内安芸区船越地区の高架化を見送る「見直し案」を再検討する考えを正式に表明した。高架化を求める船越地区の住民の要望を踏まえ、対応策を探るという。見直し案については、広島県、市、海田・府中両町の4者で合意した経緯があり、「どこまで可能か、挑戦したい」と述べた。


画像1 2月7日中国新聞18面より

 2015年6月の見直し案は、向洋や海田市両駅付近の約4㌔を高架化する一方、船越地区の高架化を見送る内容。これを受けて市は16年1月、船越地区の住民の安全対策として線路をまたぐ歩道橋やアンダーパスなどを計7か所に造る方針を示した。ただ、見直し前の当初案では船越地区を含む6.3㌔を高架化する計画だったため、地元住民が猛反発。高架化を求め、先月26日に松井市長宛ての要望書を提出した。市はこうした経緯を踏まえ、今月13日開会の市議会定例会に提出する17年度一般会計当初予算案に、船越地区の対応策の検討費3,250万円を計上した。市街路課の説明によると、民間コンサルタントに委託し、高架を含む沿線構造物や必要な事業費などを算出してもらい、見直しの具体策について検討する。1999年の都市計画決定を変更するための資料を作成する費用も含む。

 松井市長は、記者会見の場で「見直し案を基本としつつ、市域内で地元意見への対応策を検討したい」と強調。高架化を求める船越地区の住民意見を踏まえて「もう少し踏みとどめる」と配慮したい姿勢を滲ませた。見直し案を堅持しながらも、本年度当初予算案に計上していた設計費2,000万円は未執行にする方針。事業のスケジュールへの影響については「時間を長くとることも考えられる。(関係町)事業に大きな影響を与えない範囲で可能かどうかを検討する」と説明した。

 
連中国新聞記事⇒地元、実現に望み 2月7日中国新聞20面より

高架化する区間
画像2 広島市東部連続立体交差化事業対象地域図(広島県HPより)
………………………………………………………………………………………………………………………
1 広島市東部連続立体交差事業の経緯
広島市も割と住民意見を尊重しているが・・・

 この広島市東部連続立体交差化事業はバブル経済崩壊後に事業採択され、その後広島県と広島市の財政難に、振り回され続けてきた。
約46年の経緯をざっくりと振り返る。

広島市東部地区連続立体交差事業完成予想図
画像3 広島市東部連続立体交差化完成イメージ図(広島県HPより)

広島市東部連続立体交差事業の約46年の経緯

1971年 8月

 安芸地区高架促進協議会結成(1市8町1村)
1991年 6月
 広島市東部地区連続立体交差事業推進協議会発足(県・市・海田町・府中町)
1993年 4月  国が事業採択、1998年11月  JR西日本と基本合意
1999年 3月  都市計画決定、2002年 3月  事業認可
2007年 1月
 工事完了を2015年度から2022年度へ7年延期
2012年 2月
 県と市が2012年度予算への設計費計上を見合わせ
2013年 8月
 県が海田町などに事業見直し案(広島県HP)を通知 
 ~広島市東部地区連続立体交差事業の見直し検討の状況について~(広島県HP)
2014年 3月
 県議会が縮小反対議員提案の予算修正案を否決


画像4 2014年6月の見直し案 拡大図(要拡大)

2014年12月
 県が海田町部分の高架化「維持」へ方針転換
2015年 6月
 県と市が海田町中心部の高架案を示す。高架案が見送りとなった船越地区住民が反発する。 
 ~広島市東部地区連続立体交差事業の見直しの方向性について~(広島市HP)

015年11月
 船越地区で開催した説明会における主な意見
 ① 鉄道の横断が不便になる見直し案ではなく、現計画での実施を求める
 ② 危険な引地踏切が残ることには反対
 ③ 的場川西踏切の閉鎖による日常交通の利便性の低下
 ④ 歩行者に関する鉄道の横断施設の具体的な提示がない
2015年12月
 広島市議会に「原案通りで実施を実現す る会」より全区間高架で実施を求める請願が提出
 
① 最も危険な引地踏切が残り利用される。
 ② 主要踏切で船越の的場川西踏切は向洋側からの線路勾配に合わ せ接続するために廃止される。
 ③ 船越踏切は海田側の線路勾配の低さに合わせ接続するために、 東西道路の下に接続が
 不便な深いアンダーパス構造にする。
 ④ 海田市駅西側新町踏切は、海田側の予定線路勾配の低さから東 西道路から県道への
 接続は大きくう回路で接続。 ⑤ 海田市駅側の線路レベルは、消防車(はしご車)が
 通れないレ ベルで構築される
2016年1月
 広島市、船越地区住民に高架化の代替え案として跨線橋、アンダーパスなどを計7か所建設する
 代替え案提示(下記画像5参照) 
 ~広島市東部地区連続立体交差事業の見直しの方向性について~(広島県HP)
 ~広島市東部連続立体交差化事業の見直しの方向性に関する質問~(広島市HP)


画像5 船越地区の高架代替え案 7カ所の跨線橋、アンダーパスなどの設置案

2017年1月

 船越地区住民、従来通りの高架化を求める要望書を提出する
2017年2月
 広島市、船越地区高架案見送り再検討を正式表明する

 広島市も船地区住民の不満をよく聞き、限られた条件下で解決しようとする努力の跡が伺える、と思うのだが説明会に参加した方のブログを読むと、必ずしもそうではなさそうだ。高架案を含めた再検討にシフトチェンジした背景には、船越地区住民の強い反対があると容易に想像出来る。今回の計画は、従来総事業費960億円の巨大事業だったものを、高架区間を6.3㌔から、海田市駅と向洋駅駅周辺の4㌔に、高架の高さも4.7mから3m台に下げ770億円に圧縮した。広島県が490円(実質負担 220.5億円)、広島市は280億円(実質負担 126億円)をそれぞれ負担する。工期も10年から15年として、単年度負担を軽減している。事業の推進に重きを置いて、コスト負担額がべらぼうになってまで、東部連続立体交差化事業をする必要があるのか?この点が疑問である。

 船越地区は広島市内なので、広島市施行負担で、仮に100億円コスト増になった場合、広島市負担額は45億円増(上記実質負担額から計算)、工期15年として単純計算で単年度で3億円の負担増となる。この金額が多い、少ないかの議論は置いておいて、トータルでこの事業に年間11.4億円かかる計算となる。年平均11.4億円もこの事業に投資するのであれば、他に投資するものがあるだろう、が私の率直な感想だ。これを言うと、この地区の方は危険極まりない踏切が多いと反論するかもしれない。私が住む西区の新井口駅前(商工センター入口)~五日市駅間は、JR山陽本線と広電宮島線が並行して走り、地方都市では珍しい開かずの踏切だ。踏切の車道、歩道も狭く、渡るにはコツがいる。沿線に高校も多く、閉じ込められてしまい犠牲になる人もいる。危険度では後れを取らない。

 船越地区の方々は、従来通り高架化される海田、府中両町との比較で不満があると思われるが、7カ所も歩道橋などが建設されるのだから、広島都市圏西部地区に比べ恵まれていると言える。人口集積度では、都市圏東部よりも西部の方が多いのだ。鉄道連続立体交差化事業の費用対効果は、踏切周辺の安全確保・交通渋滞解消と鉄道で分断された街の一体開発である。踏切周辺の安全確保が最低限、約束された見直し案で十分と思う。広島市は、高架案の再検討を含めた再見直しを表明した。東部連続立体交差化はデルタ内の東の端かつ、デルタ外エリアの事業だ。広島市全体の街づくりの観点で見れば、その優先度はそう高くないと思ってしまう。高架化以外は絶対反対の姿勢は流石にどうかと思う、と利害が全く絡まない西区民のブログ主にはそう感じるのだ。この事業、つい都市圏西部に偏りがちな公共投資の東西のバランスを取る意味合いもあるのは十分、分かっているが・・・。

2 財政難かつ人口減時代の取捨選択について
あれもこれも全て出来ない時代


画像6 富山駅南口広場整備イメージ図(富山市HPより)
 
新幹線高架下停留場画像7 2015年3月に開業した南北接続事業第1期区間(富山駅高架下ターミナル)

 こ
の問題を広島市政の都心問題の1つと位置付けた場合、その優先度は決して高くないと書いた。その理由として、この地区が都心部及び、デルタ内・外の広域拠点ではないことが最大の理由だ。同じ鉄道立体交差化事業でも、広島駅周辺~新井口駅周辺がその対象だと街づくりの観点からも、大きな意義がある。踏切の交通渋滞、危険の解消は当然として、鉄道で分断された地域の一体開発が可能となる。特に広島駅が高架化されると、南口と北口が一体化される。現在の南口と北口は別の街である。南口広場に乗り入れているバスは、恐らく北口広場まで乗り入れるだろう。「wターミナル」となり、利便性が向上する。広電市内軌道線も高架式の軌道移設(駅前大橋線)が現時点でも予定されているが、建て替えられる駅ビルの中に乗り入れ、北口広場内まで延伸するかも知れない。広島都市圏の主要駅は、順次自由通路が建設され、橋上駅舎化されつつある。鉄道で分断された街の一体化を図る次善策としては、有効な手段だ。ただ、立体交差には及ばない。現実には、広島駅から太田川放水路まで盛土高架され、駅東部分も跨線橋があり、残念ながら、広島駅が高架化される可能性はゼロだ。

 画像6と7は北陸新幹線開業に合わせ、富山駅付近連続立体交差化事業(富山県HP)が採択され、富山地方鉄道富山軌道線の停留所を高架下に移設された様子だ。これが第1期区間となり、2020年には北口まで伸びて富山ライトレールと結ばれ、相互乗り入れを果たす計画だ。 ~路面電車南北接続事業の概要~(富山市HP)都市・都市圏規模は違えど「都心部活性化」「コンパクトシティ」「公共交通の充実」「交通結節点改善」などの複数の問題を、鉄道連続立体交差化事業(分断地域一体開発)で、リンクして解決しようとしている。効率的かつ上手い投資だと感じ入る次第だ。
富山の都市規模だから出来るのだ、と言われたらそれまでだが、限られた原資を有効かつ効果的に行う姿勢は見本になると思う。その意味合いから高額な投資額の割には、費用対効果が然程高くない広島市東部連続立体交差化は、緊急性の高い都市問題に思えないのだ。

 広島市は楕円形の都心部ー紙屋町・八丁堀・広島駅を筆頭に、郊外の広域拠点ー宇品・出島地区、商工センター地区、西風新都地区、八木・緑井地区の計5か所に、高次都市機能を再集約させるビジョンを持っている。典型的な日本型集約都市構造への転換である。今後本格的な人口減時代を迎えるにあたり、投資的経費(公共事業)はこの5地区中心にして、後は高規格道路(広島南道路など)のフル規格化、既存公共交通の高度化(広電、バス)、MICE関連、老朽公共施設の統廃合による建て替えなど都市ビジョンや戦略に沿ったものに限った方が良いのではなかろうか?義務的経費増大による財政の硬直化は、今後も進行する。広島市の市債残高は2017年度末で、
1兆1,200億円。返済義務がある市債残高は6,795億円。 ~平成29年度当初予算(案)~(広島市HP)これはあくまでも本会計の市債だ。この他にも企業会計や第3セクター債もある。この辺を鑑みると、あれもこれも投資出来ないのは一目瞭然だ。

 広島市の姿勢は、まだ投資的経費が自由に使えるうちに、滞っている事業をコスト削減をしてでも貫徹したい考えだ。基本的には賛成だが、この東部連続立体交差化事業をコスト負担を増やしてでも貫徹させたい姿勢は多少の疑問が残る。費用対効果が高い手つかずの事業がまだ残っている。私はこちらが先だと思うのだが・・・。また動きがあれば取り上げたいと思う。

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