封入体筋炎患者闘病記

 封入体筋炎患者のヒロです。病歴は2019年で満11年、12年目に入りました。在宅勤務の仕事とリハビリの日々を送り、細やかながらも家族3人で暮らしています。ブログ記事は闘病記と広島地元ネタ、社会保障などの時事ネタ中心です。希少疾患の封入体筋炎の周知が目的です。関心があれば、ツイッターなどでご紹介していただければ幸いです。疾患関係で直コメントが苦手の方は、ツイッターのダイレクトメールを利用してください。封入体筋炎の闘病史は各進行段階の症状や生活障害、必要な社会保障制度等をまとめています。良ければ参考にしてください。最新の封入体筋炎の状況は『近況について色々と』、取り組んでいるリハビリについては『2019年春~夏 筋疾患(封入体筋炎)リハビリ』にて素人の体感目線で書いています。モバイル版で読みにくい場合は、PC版に転換してからお読みください。

Category:広島の都市問題 > 広島市予算

カテゴリー記事 広島の都市問題 広島市予算

今日の話題 6月5日中国新聞27面より引用
サッカー場検討盛る
広島市補正案8億円

【記事概要】
 広島市は4日、2019年度補正予算案を発表した。一般会計の総額は8億円で、中央公園自由・芝生広場(中区)へのサッカースタジアム建設に向けた検討費用など新規事業など新規事業を重点的に盛り込んだ。当初予算は、4月の市長選を控えて『骨格予算』としており、3選した松井一実市長が重点とする施策を中心に拡充した。


画像1 6月5日中国新聞27面より

【記事詳細】
主な内容は以下の通り
①サッカースタジアム関連1億8,794万円
 広島市、広島県、広島商工会議所の3者の基本方針に基づき、基本計画費用総額約1億8
,9
 94万円 
 スタジアムに盛り込む機能について、関係者や有識者の意見を聞く会の開催、市・県民の意
 見を募るネットアンケートの実施
 個人と法人からの寄付を募る『市サッカースタジアム建設基金』を設置。個人からはふるさ
 と納税制度を活用し、19年度分は約2千万円を目途に呼び掛ける
②基町地区の活性化 3,491万円
 宿泊機能を持つ介護事業所建設に向けた事業者の選定の他、県営住宅跡地のオープンスペー
 スの在位低整備
➂中央公園活用の基本方針の策定 1,908万円
 旧市民球場跡地(中区)の活用も含め、中央公園全体の今後の活用方針の策定に向けた有識
 者会議費用など
④都市再生緊急整備地域の開発促進の検討や協議会の設置 512万円
 提案手続きの簡略化を後押しする独自の支援策の検討、制度の緩和策の検討、調査するコン
 サルタントへの委託など

【考察その1】
補正予算のブログ主の所感


画像1(左)広島城上空から基町地区(高層の建物がある所)とスタジアム建設予定地を望む
画像2(右)旧市民球場跡地を含めた中央公園全体を望んだ姿(画像3と4共に広島市議会議員HPより)

 今回の補正予算案は、広島市が縮小社会下(超高齢化+大幅人口減)であっても持続的な都市の成長に不可欠の機能強化に力点を置いたものとなつた。本当にそうなるのかは置いておいて、4月の市長選挙で3選を果たした松井市長は、人口減少が始まる20年代からを広島市の『成熟期』と捉えているようだ。4月の市長選挙では公約の中で『広島都心の大改造』を掲げ、それを実現する術としてスタジアムの建設、旧市民球場の跡地活用、紙屋町・八丁堀地区の都市再生緊急整備地域の指定を想定しているようだ。この日の会見にて4月の当初予算を『幹』、今回の補正予算を『枝』に例えて、こう語った。『植物に葉を茂らせ、もっと発展する可能性秘めた予算』だと。これに併せて『経営改革』の視点から経費を徹底的に見直し、施策の選択と集中を加速させるらしい。一定の財政出動を踏まえ、それに耐えうる財政基盤を整えるとの事だ。市長の覚悟のほどが十分伺える。それ自体は一定の評価をしたいと思う。やることは取りあえずやっている印象は持った。同時にハード整備一辺倒の高度・安定成長期さながらの成功事例踏襲の域を出ていない。これはかねてから当ブログ記事で指摘している通りだ。『広島市が人口減?あり得ないだろ!』とお怒りになる人もいるだろうが、これは事実で10年の国勢調査にデータに基づき国立社会保障・人口問題研究所の試算方法で計算すると、下記画像4の通りになるらしい。60年人口が93.3万人である。もっともこれは想定される一番低い数値で、実際には合計特殊出生率が少し改善されているので、ブログ主は100万人前後だろうと予測する。ただ、人口減の大きな流れは少子化を堰止めない限り変わらない。現在の人口微増傾向から、減少に転じ始める20年代を『成熟期』と位置付けるのはそのためだ。それで、本格突入し財政の硬直化する手前の間隙を縫って、積極投資をしようとするのが松井市長の政治姿勢のようだ。


画像4(左) 広島市の2060年までの人口推移推計
画像5(右) 広島市の2060年までの高齢化率推移推計(画像共に広島市HPより)

 この姿勢は現在の安倍政権の姿勢とも符合している。考え方に二通りあり、1つ目は今説明した考えだ。2つ目は、それを承知した上で、敢えて将来コストセンターとなり維持する上でお荷物になりそうなものは現在の必要性が多少あっても、代替え施設等で我慢して建設しない、である。まあブログ主は両者を足して二で割る考えに近いが、
ハード(上物)整備こそ、都市成長のバイブルと信じて疑ってない松井市長は前者の考えのようだ。広島経済界も概ねその考えのようで、広島市の発展という大義名分などは、自身の企業活動を正当化する旗頭のようなものでしかない。といった主旨の発言をブログ主は10年位前に直接聞いたことがある(笑)。企業の本音と建前の使い分けだ。別に悪いことではないが・・・。今回の補正予案の内容は、都心部地区の大改造に資するものが多い。スタジアム、旧市民球場跡地利用を含めた中央公園の在り方の検討、都市再生緊急整備地域などである。ピンポイントの集約施設-スタジアム、中央公園の再整備、旧市民球場跡地利用、市営基町駐車・駐輪場跡地開発-は行政主導で牽引して、民間投資をいざなう空気感を醸し出し、都市再生緊急整備地域の優遇処置で民間投資を誘引する、これが松井市長の都心大改造の青写真だ。間違いではないが、これだけの事足りるのかと問われたら、答えに窮してしまう。都心部改造を謳う背景には同地区の商業機能を中心とした求心力の低下が挙げられる。下記画像6は都心部中心地の紙・八地区の小売売上高と売り場効率の推移だ。この四半世紀で半分以下どころか、4割程度の水準まで落ち込んだ。大店立地法(ウィキペディア)の施行で、郊外大型商業施設が乱立してこのような結果となっている。集約施設の建設はあくまでも点でしかなく、疾患治療で例えると症状を改善させる対処療法の一つと知るべきだ。根本治療と体質改善の発想がすっぽりと抜けている。自動車移動前提の利便性を誇る郊外大型商業施設に打ち勝つには、従来の都市開発手法だけでは絶対に勝てない。


画像6 広島市都心部地区中心地の小売売上高と売り場効率の推移(画像 日本政策投資銀行HPより)

【考察その2】
松井市長の最後の任期(?)の種まきかも・・・


画像7 かっての旧西ドイツの首都ボンの都心部地区の賑わい(画像 歩行者空間による中心市街地の構成より)

 話が前後するが、ブログ主の予測だと松井市長は年齢が現在66歳で、3期目と言うこともあり最後の任期になると思っている。広島市の停滞案件だった西広島BP高架延伸事業への並々ならぬ意欲など、最後の任期に向けた総仕上げを感じる。都心部地区の求心力回復もやり残した感が満載で、将来の芽となり花となる種まきだけはしておこうとの意欲を感じる。これ自体悪くはないと思う。『ただ手法が・・・』である。先の考察の続きになるが、従来の手法の域を出ておらず、大願成就は難しい。広島市都心部地区の老朽ビル群の建て替えは、都心改造の趣きこそあれ、同地区が抱える課題の克服にはならない。前回のサカスタ記事でも少し触れたが、回遊性向上の問題を何一つ解決していないからだ。ブログ主は都心部求心力回復の処方箋は 
①根本治療-歩行者中心の都市空間への再配分、回遊性の向上、公共交通の再編と強化、環状道路整備などの交通体系の変革 ②対処療法-再開発や跡地利用などによる集客施設の設置 ➂体質改善-郊外大型商業施設の立地規制、立地適正化計画の厳格運用、体系化しエリアマネジメント を短・中・長期的にメニューを設定して取り組むことが肝要だと考える。特に回遊路である歩行者中心の都市空間の再配分は最重要視しなければならない。これなくして語れない。下記画像8と9は、欧州のコンパクトシティ建設に成功したナント(仏)とエッセン(独)歩行者専用道路(モール)ネットワークの概略図だ。都心部地区(旧市街地)は自動車利用の制限をかけ、歩行者中心の都市空間を実現して、上記画像7のようなにぎわい性を創出している。回遊路を整備しない事には集客施設は単なる点で終わり、回遊は発生しない。郊外大型商業施設が逆立ちしても真似出来ない都市空間を創造する。散在する点を回遊路整備で大きな線として、回遊性を飛躍的に向上させる。これしかないのである。広島市も素人のブログ主のこんな指摘をされなくとも百も承知していると思う。で、広島市の歩行改善計画らしきものは次の通り。『紙屋町・八丁堀地区の歩行環境整備計画』の基本方針(案) (広島市HP) う~ん微妙だ(笑)。何となくのテイストのみ導入したもので、回遊性の向上に資するものとは言い難いのが残念だ。
 

画像8(左) フランスの都市ナントの歩行者専用道路(モール)ネットワークと外周(内環状)道路
画像9(右) ドイツの都市エッセンの
歩行者専用道路(モール)ネットワークと外周(内環状)道路

 都心部地区の求心力の低下は、広島市だけに限らず都市規模の大小係わらず国内都市が一様に抱える課題だ。広島市の商業機能低下はかなり酷いが、これでも都市圏規模が大きいのでまだマシで、地方中枢都市以下の規模の都市ではアーケード商店街のシャッター街化、老舗百貨店の撤退、表通りの空き地&コインパーキング増加など目を追うばかりの惨状だ。短・中期的な取り組みで解決可能なほど根は浅くない。10年以上の年月を要するものになると思う。課題解決の答えは、既にコンパクトシティの本場欧州では出ており、その目指す姿、段階ごとの整備手順、必要とされる包括メニュー、失敗した都市事例など取捨選択に困るほどだ。 ~コンパクトシティ実現手法 ステップ1・2 
ステップ3・4 ステップ5・6~ 現在の広島市の都市計画を見渡すと、集約都市を標榜しながらリンクページのステップ1・2・5が欠如しており、松井市長が総仕上げとしている都心大改造がとても成功すると思えない。➂体質改善も不可欠で、いくら都心部地区を魅力が溢れた都市空間に改造しても郊外大型商業施設の問題を野放しにしていたら、解決できない。コンパクトシティ本場のオランダ、フランス、ドイツでは原則郊外開発の抑制が基本で、都市計画に沿ったものだけが例外的に認められる。都市の成長管理-スプロール化(ウィキペディア)の抑制-の概念は広島市の立地適正化計画では取り入れられてはいるが、それ以上ではない。日本でこの議論をすると、自由な経済活動の阻害要因として大反対されるが、本気で成熟社会云々を語るのであれば、まちづくりに市場原理主義を一定の規制なしでそのまま当てはめるのは少し、筋が違うだろう。それまで野放図にし続けた結果が、現在の都心部地区の求心力の低下につながっている事実は軽くない。
 
 
画像10 ドイツ、フランス、オランダにおける郊外の建設行為に関する諸制度一覧
 
 縮小社会(超高齢化+人口大幅減)に本格突入する20~30年代以降は、都市観光やMICE(マイス)需要などの外需の取り込みを巡り、都市間競争がより激しくなる。外から見る広島市がどう映るのかが勝負分かれ目になる。個人的な意見になるが、高度・安定成長期さながらの上物整備だけの手法では、商業施設などの厚みではライバルになるであろう関西大都市圏の格上都市や地方最強都市になりつつある福岡市には勝てないどころか遠く及ばない。この考察で説明した日本初の本格集約都市への短観も重要だが、同時に日本の都市では東京と京都以外ではまだ前面に打ち出していない都市ブランド力の構築も急務だ。都市ブランドとは平たく言うと、
『都市(地域)ブランドの確立=差別化と優位性の確立』になる。広島市が他都市に勝るものを都市イメージとして海外も含め外にいる人たちの強く認識させて、『訪れたい』『住みたい』と思わせる事だ。都市観光やMICE(マイス)の需要の取り込みに大きな効果があるのは言うまでもないが、大学進学や卒業後の就労といった都市の転入・転出(人口の社会増減)にも大きく左右する効能がある。これと都心部地区の求心力の向上と上手くリンクさせれば、相乗効果は高くなる。また欧州都市の事例を持ち出し恐縮だが、日本の都市よりもEU統合で国境が取り払われた欧州の各都市では、いち早くこの概念を取り入れ、都心ブランドの構築に躍起になっている。ブログ主的には、無駄に髙い高層の再開発ビルを建設するよりも有益に思う。今回の補正予算案の詳細を見るにつれ記事で書いた感想を持った次第だ。


画像11 『地域ブランド2018』 魅力度上位都市ランキング表

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19年度広島市当初予算案について その1その2その
カテゴリー記事 広島の都市問題 広島市予算

【考察その7】
原爆・平和関連の緒施策について


画像1 改修工事中の平和記念資料館の本館の様子(画像 アンドビルド広島より)

▼被爆体験の継承・伝承-8憶1,649万円
 ①平和記念資料館再整備事業(8憶899万円)
  被爆の実相をより一層分かりやすく伝えるため、常設展示の全面的な更新を行うとともに、
  開館から60年以上が経過し老朽化している建物の改修を行う。19年度は、本館開館、
  本館改修工事・展示整備等、発掘調査整理業務、仮設テント設置等を行い、4月25日の
  開館を目指す。オープニングセレモニーも開催する
 ⓶被爆体験伝承者の養成(279万円) ➂被爆体験伝承者による伝承講話の実施 (470
  万円)


画像2 中区袋町にある旧日本銀行広島支店(画像 広島・都市創生会議より)

▼原爆ドーム保存事業等基金の活用による事業展開-2億385万円
 ①平和首長会議インターシップ(398万円)⓶青少年『平和と交流』支援事業980万
 ➂ユースピースボランティア事業 (36万円) ④ピースツーリズム推進事業(95万円
 ⑤民有被爆建物等保存・継承事業 への補助(9,996万円) ⑥旧中島地区被爆遺構
の展
  示
整備検討(828万円) ⑦平和記念公園レストハウスの改修(320万円) ⑧旧日
  本
銀行広島支店の保存(7,732万円)
【ブログ主の印象】
  ブログ主は別に『ひだりつばさ君』(笑)ではないが、広島市特有の平和都市施策につい
  ては、概ね好意的に受け止めている。極論だが、下手な費用対効果が低い都市インフラ整
  備などよりもよほど有用だと考える。そう思う理由は、今後本格突入する縮小社会(超高
  齢化+大幅人口減)を鑑みると、都市ブランド力の有無で、外需-都市観光、MICE(
  マイス)、その他-の取り込み具合が大きく変わるし、特に海外に向けてはその傾向がよ
  り強くなる。『広島市の都市ブランド力とは一体何か?』を突き詰めると、結局国際平和
  都市を究極までに極めるしかない。極め次第では、他都市が逆立ちしても持ちえない大き
  な武器になるのは確実だ。今後、激しさを増すであろう都市間競争を勝ち抜き、他都市よ
  りも先んじるには唯一無二の武器でもある。地方他都市同様に、再開発や跡地利用による
  商業集積に厚みを持たせ、どこから切っても金太郎飴、リトル東京的な都市を志向しても
  福岡市や関西圏の大都市には逆立ちしても絶対に勝てないし、財政事情を鑑みずに費用対
  効果が低いものまで手を出した日には、負の遺産(市債)を積み重ねるだけだ。その広島
  の都市ブランド力の向上と都市の個性を醸成するのが、こうした広島市の平和施策と考え
  る。その意味合いで、民間所有の被爆建物への一定の助成や被爆伝承者の要請などは必要
  不可欠だろう。市民の一定割合で、こうした平和施策の批判が今も昔もある。理解力の低
  い人間はいつの時代でもいるものだが、予算全体で俯瞰すると建設関係以外のものだけを
  見ると高コストのものはそう多くない。何となくの全体イメージのみで批判している節が
  ある。この方面の投資は費用対効果として量るのが難しく、観光客や国際会議開催件数で
  しか量るしかないが間接的なものまで含めると、決して小さくはないだろう。国内向けの
  都市ブランド力の向上はある程度の、再開発や跡地利用などでそこそこやり、内よりも外
  向けの都市ブランド力向上への努力は、今後今以上に重要になるものと思われる。広島市
  は18年遂に人口の転出超過(人口の社会減)に転じた。外国人居住者も含めた数字だが
  ▲661人でお隣の東広島市の▲192人よりも多い。その要因の一つに都市ブランド力
  の低下(国内都市としての)が絶対にある。

考察その8】
社会保障やその他の施策について


画像3 南区出島地区にある広島市立広島特別支援学校の様子(画像 公式HPより)

▼障害者福祉-351億6,107万円
 ①施設サービス(2,430万円) ②総合的な就労支援(9,378万円) ※➂障害者自
 立支援(350憶2,834万円) ④障害福祉人材の確保・育成(962万円) ⑤意識
 啓発(503万円 差別解消に向けた取り組み)

 ※➂障害者自立支援-350憶2,834万円の詳細
   自立支援給付264億4,284万円
    -介護給付費・訓練等給付費191億3,213万円、 地域相談支援給付費・計画相談
     支援給付費2億9,481万円、自立支援医療費66億8,788万円、補装具費 2億8
     ,590万円、高額障害福祉サービス等給付費4,212万円
   地域生活支援事業23億億7,121万円
    -各事務費23億6,484万円、障害者スポーツ大会出場支援事業85万円、障害者ピ
     ースアート事業552万円
   障害児支援給付 62億1,430万円
    -障害児通所給付費・肢体不自由児通所医療費57億8,244万円、障害児入所給付費
     ・障害児入所医療費 1億9,091万円、障害児相談支援5,105万円 、心身障害児
     福祉施設措置費1億8,989万円、


【ブログ主の印象】
  ブログ主が体幹機能障害3級の重度身体障害者であることを鑑み、障害者福祉も取り上げて
  みた。額自体は非常に多く、手厚い印象がする。よくツイッターなどで『日本の社会保障は
  弱者に冷たい』などと発言している方がいるが、中福祉、中負担が国是の日本では、これが
  限界でありサービス拡大は無理だ。それが嫌なら消費税の最高税率が20%を超え、給与所
  得の半分を所得税として徴収される北欧の国々に移住することをお勧めする。障害者だけで
  この金額を費やされている意味をよく知るべきだろう。受益者負担が大原則の行政制度で、
  負担以上のサービスを享受している筈だ。その差額は、制度利用とは無関係の市民や国民の
  税負担で成立している。自身の個々の事情という近視眼的見地からではなく、予算全体の見
  地からだと不足を言うのはお門違いだ。予算の半分以上は、障害者自立支援の自立給付金だ
  が、就労可能な障害者を福祉の保護から解放して、納税者に育てる支援は必要だ。『障害が
  あって大変な人たちを無理やり働かそうとしている』などの批判は、的を得ていない。一見
  、支持されそうな意見ではあるが、障害者を小馬鹿にしている意見でもある。重度障害者、
  メンタルの健康を害した障害者以外は、福祉の保護下にいることを良しとしてはいない。就
  労し経済的に独立して、個人としての尊厳を確立したいと望んでいる。そうした障害者が社
  会参加のハードルが下がり、急増している昨今の情勢を鑑みると、金額的には妥当に感じ
  る。これは賛否が分かれるところだが、先天性の障害を持つ児童を特別支援学校や同学級に
  入れるのではなく、普通学級への受け入れ態勢を整備する予算がもう少し欲しいところだ。
  特別支援学校や同学級では、どうしても障害を持つことへの同情心が必要以上に募り、障害
  とは係らない部分でも甘やかせてしまう。これでは精神的に自立した人間には絶対にならな
  い。本人のためにもよくない。こうした障害児が増えると、授業の進捗状況が低下すると指
  摘されそうだが、これも的を得ていない。義務教育ということを忘れてはいけないし、嫌な
  ら私学の小学校に編入すればいいだけの事。そこまで言うなら、『障害もないのに学習能力
  の低い児童の問題は?』と反論したくなる。もう一つ加えるならば、市独自の障害者の就労
  支援-企業説明会やセミナー開催を単独ではなく県との連携や『200万人広域都市
圏構想
  』の周辺自治体と共同で行うことも検討してほしいものだ。自立支援とは、給付・免除一辺
  倒では垂れ流しになるし、自治体のリターンもない。その辺をよく考えないといけないと思
  う


【考察その9】
その他の気になった予算など


画像4 広域拠点の一つ西風新都地区の大塚業務地区の様子(画像 広島市HPより)

▼企業等の立地誘導の推進-29億9,038万円
 補助の概要
【建物を新築する場合】
   区分               補助の対象となる各要件
   業種           製造業           物流関連

  立地エリア        市域全域        西風新都 商工センター
                              宇品・出島
 業務内容・機能   圏域内初立地 研究開発部門    圏域内初立地 共同化
           成長産業分野 大規模投資

 延床面積     1,000平方㍍以上かつ圏域全体で1,000平方㍍以上増加
 常用労働者数    10人以上かつ圏域全体で10人以上増加 

 補助内容     建物・機械設備等に対する投下資本額×15%
          ※圏域全体での純増部分のみ対象 限度額5億円

【建物を賃借する場合】
   区分              補助の対象となる各要件
 業務内容・機能    都市型産業(情報サービス業、コールセンター業等)で圏域内初立地
            または大規模雇用 本社機能
 立地エリア                市内全域
 常用労働者数     10人以上かつ圏域全体で10人以上増加 
            (中小企業は5人以上かつ圏域全体で5人以上増加) 
 補助内容       賃借料年額×1/2 限度額 1,000万円/年を3年間

【ブログ主の印象】
 広島市にも企業立地を促す優遇制度がある。上記の制度がそれになる。製造業、物流関連、都
 市型産業の業務系と産業ごとに分けられているのがその特徴だ。制度的にはそう悪いものでは
 ない。ただ不足感は漂っているのは事実だ。ご存知の通り、広島市も国策に従い、集約型都市
 -ネットワーク型コンパクトシティ-構造への転換を打ち出し、今年の1月にその実施計画と
 して『広島市立地適正化計画』(広島HP)を策定し、今後その取り組みが本格化する。ざっ
 くりと言って、コンパクトシティや集約都市と言うのは郊外開発自由のモーターリゼーション
 の迎合した拡散都市構造を、縮小社会(超高齢化+大幅人口減)の到来に合わせ、公共交通中
 心移動中心で都心部地区の求心力を現在よりも飛躍的に高めコンパクトかつ管理しやすい都市
 構造に改めることだ。東京や大阪のようなメガシティ-市域及び、都市圏人口1,000万人以
 上の都市-以外の殆どの都市では、今の時代標榜している。同時に世界の都市計画の潮流でも
 ある。この計画の中で都心部地区に求められる高次都市機能(誘導施設)として、次のリンク
 ページのものを設定している。~高度都市機能誘導区域(都心型)における誘導施設~ これ
 についてどうこう言うつもりはない。ただ、誘導するに当たりインセンティブともいうべき優
 遇制度が存在しない。現行制度だけで、市が思い描く姿になるなど絶対にあり得ない。それは
 、仮にそうならなくとも市は困っても当の市民はさして困らないからだ。経済摂理を超える形
 で、都心部地区に高度都市機能を誘導するには、民間事業者が飴とも受け取れるインセンティ
 ブを与えない限り、非常に難しい。行政主導の再開発や跡地利用計画とて永遠には続かないし
 、限界がある。あくまでもリーリングプロジェクトでしかないのだから。規制緩和と、立地を
 則す優遇制度の創設が望ましい。ブログ主的には、市域及び都市圏域の規模を考えると、圏域
 外からの多くの新規立地は難しいと思うので、都心部地区外に分散している業務機能を同地区
 内に再集約を促す制度を確立してほしい。特定の主要通りの容積率の緩和だけでは少々弱い。
 市の集約都市への本気度が試されている、とするのは言い過ぎだろうか?


画像5 拡大図 『広島市立地適正化計画』で示された誘導区域(画像 広島市HPより)

終わり

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19年度広島市当初予算案について その1その2
カテゴリー記事 
広島の都市問題 広島市予算

【考察その5】
災害復旧と防災について

一番大事な都市インフラ整備


画像1 広島市19年度一般会計当初予算案の内訳(画像 2月9日中国新聞20面より)


画像2 平成26(2014)年8月豪雨災害【主な施設整備等の位置図】八木・緑井地区(画像 広島市HPより)

▼26(2014)年8月豪雨災害被災地の復興まちづくりの推進-72憶1,
 668万円
 集中復興期間(14~19年度)の最終年度にあたり、市道長束八木線などの街路整備に6
 億9,600万円、市道拡幅は14路線計19億1,410万円を計上。雨水管きょの整備に
 25億4,260万円、雨水排水施設の整備 7億8,900万円、普通河川の改良等12億3
 60万円も計上した。『防災・減災まちづくりの実現』に向け積極的に取り組む
 ~『復興まちづくりビジョン』の取組について~(広島市HP)


画像3 18年7月の西日本豪雨の被害の様子。広島市安芸区瀬野地区付近(画像 ユーチューブ画面撮影より)

▼橋りょう施設災害復旧-16億3,600万円(西日本豪雨関連)   
▼河川施設復旧-35億9,200万円(西日本豪雨関連)
  
 昨年7月の西日本豪雨を受け、その復旧工事や防災関連に総額76億6,300万円を重点
 配分をする。このうち河川や橋、水道、教育施設などの復旧に73億2,900万円を盛り
 込んだ。護岸が崩壊した河川の工事は東区の水晶郷川、安佐北区の桐山川、安芸区の榎山
 川など計144河川で予定する。倒壊または損傷した橋の復旧工事は、安佐北区の鳥声
 橋、安芸区の塚地橋など計17橋を見込んでいる。グランドに土砂が流れ込むなどした三
 田小(安佐北区)と美鈴が丘中(佐伯区)の復旧工事費も盛り込んだ。

【ブログ主の印象】
 26(2014)年8月豪雨災害の復興が完全に終わりきっていないうちから昨年7月西日本
 豪雨にてかなりの被害があった広島市だが、都合約149億円もの巨費を災害復旧・復興に投
 じている。オリンピック周期(4年ごと)で甚大自然災害がこう度々起こったら本当にたまっ
 たものではないが、天が我々をあざ笑うかの如く、広島市に狙いを定めているかの印象をつい
 持ってしまう。よく勘違いしている人が多くて驚くのだが、広島市ほど自然災害に弱い都市も
 珍しい。比較的地震が少なく、台風が発生しても直撃することはまれで大体避ける。そのあや
 ふやな根拠を以って、自然災害とは無縁だと思い込んでいる人が多いのだ。かって広島城に立
 ち寄った豊臣秀吉は『この地は要害ではない。水に脆い』と言い、江戸時代は
合計66回の大
 規模洪水が記録として残っている。洪水による水害頻度は、丁度4年に1度である。196
 7年の太田川放水路の完成で、豪雨による水害は殆どなくなった。それが広島市民の防災意
 識を希薄にしている側面は否定できない。市域面積の17%しか平野部がなく。
土石流が起
 きやすいといわれるまさ土の広島花崗岩中心の
山岳・丘陵地域である。こんな広島市が災害
 に強かろうはずはないのだ。豪雨災害の危険なところは、被害が市域全体に及ばず局地的に
 なりやす事だ。被害が少ないこと自体目出度いのだが、逆に考えると市民全体の防災意識の
 啓発にはつながりにくい。土砂災害警戒・特別警戒区域付近に住んでいる人は、心の片隅に
 とどめおく必要があると思うのだが・・・。
土砂災害警戒区域(土砂災害ポータルひろ
 しま) 災害弱者であるブログ主の神経過敏もあるかも知れない。ハード(砂防・治山堰堤)
 の整備も重要だが、減災の観点からソフト面の充実はそれ以上に大事だと考える。都市インフ
 ラの重要性を論じれば、①防災、減災に係るもの ②道路、公共交通、上下水道、学校、病院
 ➂様々な集客施設 とブログ主は考える次第だ。

安佐南区、安佐北区の被災地及びその周辺における地形・地質状況を示した図
画像4 広島市の山岳部の地形地質状況(画像 広島市HPより)

【考察その6】
都市観光、MICE(マイス)など都市活性化施策について


画像5 平和記念公園内の平和記念資料館本館と国際会議場を望む(画像 ひろたびより)

▼観光の振興-7億8,989万円
 ①観光プログラムの開発と推進 6,461万円-ピースツーリズム推進事業(487万円)
  、広島城観光振興事業(1、166万円)、広島神楽振興事業(571万円)、まち歩き
  観光の推進(132万円)、『食』による観光振興(1,856万円)、修学旅行誘致事業
  2,249万円

 ⓶ビジターズ受け入れ環境づくり 6億4,404万円-平和記念公園レストハウスの改修 (
  6億3606万円)、外国人旅行者の受け入れ環境整備(522万円)、クルーズ客船誘
  致事業(276万円)
 ➂MICE(マイス)の推進 3,441万円-MICE受け入れ態勢の整備(589万円)
  、シャトルバス運行支援(300万円)、伝統芸能等の実演によるおもてなし(210万
  円)、コンベンション開催助成(1,925万円)、コンベンション見本市への出展による
  誘致活動等(315万円)
 ④広島情報の発信 4,683万円-瀬戸内4県都市連携海外プロモーショ ン事業(123万
  円)、ビジット・ジャパン地方連携事業(420万円)、広島県観光キャンペーンへの参画
  4.140万円
 ⑤『水の都ひろしま』づくりの推進 4,638万円-『川の駅』のにぎわいづくり(120
  万)、水辺のライトアップ事業(4,470万円)
 以下略


画像6 外国人観客に大好評の広島県立美術館地下講堂で開催されている『夜神楽公演』(画像 こちら広島県庁広報課より)

【ブログ主の印象】
 PC、スマホ、タブレットなどが21世紀以降、爆発的に普及してネットでのプロモーション
 活動が容易になり、低コストで周知度が飛躍的に向上し観光集客施設さえあれば、インバウン
 ド需要を取り込めるようになった。広島市来訪観光客アンケート調査結果(平成29年)によ
 ると、来広動機の1位-『以前来てよかったから』(19.3%)、第2位『友人・知人にす
 すめられて』 (15.9%) 、第3位『インターネットで調べて』(7.7%)の順になってい
 る。1位は最も大事なリピーター層、2位は口コミ、3位はネット関連である。ブログ主的に
 は1位の理由が意外で、国内外の観光客の約2割は、再訪問で広島の地を訪れていることにな
 る(あくまでも統計上)。広島市の良い印象として(複数回答可)、1位-『きれいな街』(
 57.4%)、2位-『平和な街』(51.7%)、3位-『川や緑が豊かな街』(43.8
 %)、4位-『食べ物がおいしい』(40.0%)、5位-『電車の街』(29.0%)とな
 っている。広島市の都市景観全般と食べ物を良い印象として挙げている。少し驚いた点として
 、6位に『公共交通の便が良い』(17.7%)、7位-『道路整備が良い』(16.0%)
 があることだ。市民との意識の乖離を感じる。観光の全体予算約7.9億円の多寡についての
 議論は置いておいて、高い経済波及効果-MICE981億円、都市観光2,314億円(消
 費総額のみ)-を鑑みると非常に高いリターンでもある。17年度の観光動向(広島市HP)
 によれば、17年度観光客数は、1,341万人で7年連続過去最多を記録し、特に外国人観光
 客数は国の増加率(19.3%)を上回る29.2%増の151.9万人となった。18年度
 は西日本豪雨の影響でこの流れが一時ストップすることが確実視されるが、19年度以降再び
 再上昇するものと思われる。


画像7 広島市の観光客の推移(1985~2017年度) 画像 広島市HPより

 都市経済活性化の観点だと、他記事でもよく触れるが都市観光とMICE(マイス)に産業の
 軸足をそろそろ移し代える時期に差し掛かっているようにも感じる。規模はまださほど大きい
 とは思えないが、まだ需要はありそうだし伸びしろも十分だ。その点でも『
①観光プログラム
 の開発と推進』と『
⓶ビジターズ受け入れ環境づくり』の取り組みは的を得ている。もう一方
 の柱となるMICE(マイス)だが、国際会議開催に関しては助成制度 ~誘致・開催支援
(広島観光コンベンションビューローHP)を設け、誘致に躍起になっている。どこまで効果が
 上がるのかは定かではないが、制度による支援は絶対に必要だ。
『広島コンベンションホール』
(公式HP)やヒルトン広島など大型の再開発や跡地利用の複合ビルで民中心に受け皿は、ある
 程度は整備されるので問題はないだろう。今回の予算は市長選前の骨格予算でもあるので、継
 続事業以外の新規事業については市長選後の補正予算で組み込まれることが予測される。個人
 的には、昨年12月に広島商工会議所から提言があった展示施設(メッセ)についても、提言
 規模と立地は論ずるに値しないが市の専用施設の建設を前提に、再検討してほしいものだ。立
 地は地心部地区一択である。ブログ主的にはスタジアム記事でも散々書いているが、スタジア
 ムとの複合施設で1万平方㍍規模が最適と考える。どうせ、広島市規模では国際見本市など1
 00%不可能だし、全国見本市さえ開催は難しい。頑張っても精々、地域見本市や専門見本市
 の開催が関の山だ。一般論となるが、MICEは都市観光よりも経済波及効果が高いとされビ
 ジネス・イノベーションの機会を創造し、国・都市の競争力を向上させる効果もあり、一過性
 で終わらないところがみそだ。同時に都市ブランドイメージも向上して、MICEが新たなM
 ICEを呼び込むことも多い。縮小社会(超高齢化+大幅人口減)では縮小する国内市場を尻
 目に外需の取り込みが重要となる。長期的な視点に立ち、新産業を育成する感覚で取り組みた
 いところだ。



画像8 日本政府観光局(以下 JNTO)定義の国際会議開催件数(12~16年) 画像 JNTO公式HPより

http://livedoor.blogimg.jp/zono421128/imgs/7/0/70916cf8.png
画像9 国際会議協会(以下 ICCA)定義による17年度の国際会議件数と国内・世界ランキング(JNTO公式HPより)

その4へ続く
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前回記事 19年度広島市当初予算案について その1
カテゴリー記事 
広島の都市問題 広島市予算

【考察その3】
都市機能強化について その1
西広島駅結節点改善、東部連続立体交差化・・・


画像1 広島市19年度一般会計当初予算案の内訳(画像 2月9日中国新聞20面より)


画像2(左) 拡大図 西広島駅周辺の整備計画図
画像3(右) 西広島駅自由通路等施設配置図(画像5と6広島市HPより)


▼西広島駅周辺地区交通結節点整備-10億6,700万円
 北口と南口の駅舎の仮移転、線路を跨ぐ自由通路(上記画像3参照の本体工事に入る。バスや
 タクシーなどの乗降場の再配置などを計画する南口駅前広場の実地設計も進める。自由通路の
 建設に合わせ、橋上駅舎化も予定する。22年度末までの総事業費は約59億円を見込み、自
 由通路の一部供用は21年春を予定している
▼西広島駅北口地区まちづくりの推進-4憶1,804万円
 昨年9月に都市計画決定した約2.9㌶(上記画像2参照)の土地区画整理事業に取り組む。
 土地・建物の所有者は約130人。25年度末の完了を目指し、19年度は、用地の先行取
 得や基本・換地設計に入る。アストラムライン同駅については後述
【ブログ主の印象】 
 近々の詳細記事 『アストラムライン延伸(西風新都線)の詳細が明らかに』
 アストラムライン西風新都線の動向に散々振り回されてきた感がある西広島駅周辺地区だが、
 西風新都線と結節点改善がセット論で語られていたことが大きい。99年策定の『新たな公
 共交通の体系づくり』によると15年頃の開通を予定していたが、財政非常事態宣言(03
 年)と翌年からの第二次財政健全化計画(04~07年)の発動により、無期延期となっ
 た。
07年2月に、市は『現状ではアストラムラインの延伸は非常に厳しい』との見解を示
 し、
東西線と南北線延伸は、既存公共交通の活用に傾き西風新都線は『社会情勢を鑑み、導
 入時
期を検討する』とした。この辺りから、西風新都線と結節点改善の分離論が浮上した。
 西風新都線建設を公約に掲げた現松井市長が11年4月に就任し、セット論として再度動き
 始めた。西風新都線建設の是非は後述するが、10年代前半は市の意識は新白島駅建設によ
 るJR山陽本線とアストラムラインの結節や広電駅前大橋線による結節点改善に重きを置
 き、西広島駅の結節点改善は優先順位からおざなりにされた。前者の2つの事業は、廃棄し
 たアストラムライン東西線の代替え事業の色合いが濃かったので致し方がない面があった。

 社会情勢により、結果的に放置され続け昭和のオールウェイズ的な原風景が、今もふんだん
 に残り、市西部の商業機能は商工センター地区に取って代わられ、JR1日平均約9,30
 
人、広電1日平均1万2,000人、計21,000人(16年度)の利用があるのにも係
 わらず、こうなってしまった。北口以北では県道
伴広島線はとてもまともな道路とは言え
 ず、酷い有様だ。諸般の事情で遅れたことはどうしようもないので、今後は万全を期して、
 遅滞することなく事業を邁進させてほしいものだ。


画像4 広島市東部連続立体交差化事業の市内船越地区の 整備イメージ図(画像 広島市HPより)

▼広島市東部連続体交差化事業-6憶8,700万円
 全体事業費915億円(18年 第3次見直し案)で、国の補助を除いた市の負担は約166
 億円となる(ブログ主試算)。工期は当初の10年程度から単年度の財政負担の軽減で17年
 程度となった。度重なる事業見直しで、船越地区の高架化計画が削除され、沿線住民が異を唱
 えていた3度目の見直しを迫られ、船越地区の高架区間が一部復活した。 ~
広島市東部地
 連続立体交区差事業の見直しの方向性について~(広島市HP) 19年度は、鉄道詳細設
 計、関連道路の用地取得など
の取り組む。20年度以降に市域内の高架、関連道路整備に着手
 する

 【ブログ主の印象】
 シリーズ記事で散々書いたが、県と市の財政難や今後必ず訪れるであろう縮小社会を鑑みれば
 、本当に必要な事業なのかの疑問が未だに払拭出来ない。鉄道高架化の費用対効果として鉄道
 線によって分断されたまちづくりへの貢献や地域住民の安全性確保、交通渋滞の解消などがあ
 る。長年の懸案だったことを差し引いても場所柄、この時代に建設する意義があまりないと感
 じる。これが広島駅周辺の高架化であれば、コストがかかってもまちづくりの観点からその必
 要性は高い。市が掲げる集約都市構造への転換に貢献する訳でもなく、まちづくりと言っても
 デルタ東の端又はデルタ外である。広域拠点にも指定されていない地区で、市の事業全体の負
 担は約17年で約166億円と年平均10億円弱。負担の多寡は微妙だが、費用対効果の高い
 ものへの投資が最優先されるべきではないか?とつい思うのだ。安全面云々を論じるのであれ
 ば、跨線橋とアンダークロスで十分可能だろう。ブログ主はこの事業と、アストラム西風新都
 線、国道2号線西広島BP高架延伸と並び、緊急性が低い3大事業と考える次第だ。前回の記
 事でも触れたが、今後の公共事業は、既存インフラ設備の建て替え以外は、集約都市構造への
 転換に資するものに特化すべきだ。あれもこれも出来るほど財政の余裕はない。事業の取捨選
 択がより求められるのではなかろうか?この3事業を推進するのであれば、都心部地区に1万
 平方㍍規模のMICE(展示施設)の検討の方が急務ではなかろうか?



画像5 広島市東部連続立体交差化事業、船越地区の整備工程表(画像 広島市HPより)

▼アストラムライン西風新都線整備の推進-8,580万円
 近々の詳細記事 『アストラムライン延伸(西風新都線)の詳細が明らかに』
 20年代後半に、広域公園前駅~石内東間の部分開通、30年前後に全線開通を目指す西風新
 都線は、19年~20年度は
環境影響評価、都市計画法、軌道法の諸手続きを行い、21年度
 の工事着手に向けた準備を進める。関連して、己斐地区の親道路となる都市計画道路『己斐中
 央線』の用地の取得を西広島駅北口地区土地区画整理事業の中で併せて進める

【ブログ主の印象】

 詳しいことは上記リンク記事にて書いたが、①『優先順位を間違っている。最優先は都心部地
 区とデルタ内の準基幹公共交通(路面電車、バス)の再編と強化』 ②
『さしあたって、鉄・
 軌道線を導入するほど需要が逼迫していない』 ➂
『都心部区間延伸の可能性が皆無の同路線
 では、競合バス路線に絶対に負ける』 ④
『今後先細る沿線団地群の通勤・通学需要』 ⑤
 広島高速交通の新たなお荷物になる可能性も否定できない』 など以上5点の理由から事業費
 全体約570億円(市負担約289億円)のコスト負担をしてまで建設する必要性は全く感じ
 ない。単線にまでコスト削減して導入に拘る意図が理解に苦しむが、まだ複線化の可能性の素
 地を残してのそれであれば、多少理解できるところだが、未来永劫単線のままである。輸送能
 力の点でも費用に見合う効果が得られない。単線構造だと片方向の1時間当たりの最大輸送能
 力は、286人×6=1,716人が限界で、日本の道路運送車両法で
特認される2連接バス(
 車体長18㍍ 定員130人程度)でも1時間当たり15本(4分毎)で確保可能な輸送力
 だ。輸送能力のみで捉えても投資相応の効果が得にくい。速達性で捉えると現行アストラムラ
 インが表定速度30km/hではあるが、単線だと25km/h程度となると思われるので、
 現行広電バスの23.9~27.3km/hに対して優位に立てない。路面公共交通機関のバ
 スに勝てないものなど、はなっからお呼びではない、になる。西風新都の利便性向上を考えれ
 ば、城南通りの時間バス専用レーン、PTPS(公共車両優先システム)の設置、停留所の高
 規格化、2連接バス導入などの疑似BRT化で十分事足りる。城南通りは複数の郊外バス路線
 が乗り入れているので、恩恵を受ける。コストは市負担でも西風新都線の2割でお釣りがくる


画像6 アストラムライン西風新都線ルート及び駅位置図(画像 地元ニュース番組より)

考察その4】
都市機能強化について その2
広島駅南口駅前広場再整備、スタジアム関連・・・



画像7
 広電駅前大橋線ルート図(画像 広島市HPより)

▼広島駅南口広場の再整備-4億1,320万円
▼路面電車のLRT化の促進-7,463万円 
近々の詳細記事『広電駅前大橋線の概略が明らかに』
 路面電車の広島駅高架乗り入れを計画する広島駅南口広場の再整備は、18年度に引き続き
 19年度も環境影響評価、実施設計などに取り組む。同事業の事業費は約155億円で市域
 最大の結節点改善事業になり、24~25年頃の完成を目指している。広電駅前大橋線開業
 後は、現在の広島駅~紙屋町間は14分から10分と約4分短縮される見込みである。
路面
 電車のLRT化の促進の一環で新型100%超低床車両5200形がお目見えする。全体事
 業費10億6,000万円(3編成)のうち、事業者負担5億4,667万円(51.6%)
 、国3億5,333万円(33.3%)、県6,333万円、市7,463万円の負担内訳とな
 る。2月に既に納車され試運転が行われている。

【ブログ主印象】
 厳しい見方をすれば、広島駅~紙屋町2.1㌔(直線距離では1.9㌔)間の4分の短縮に1
 55億円もの投資をするのか?になるのだが、速達性向上効果以上に大きいのが同線開業を
 機に既存系統や運転本数の抜本的な見直し、100%超低床車両導入による全扉降車(日本式
 信用乗車)方式の拡大、同区間の停留所の統廃合などが併せて実施されることがある。長年、
 古くて新しい課題と謳われながらも手を付けられなかったのでそちらへの期待が大きい。まだ
 まだ広電が抱える課題の半分も解決されないが、真のLRTへの昇華の大いなる第一歩と思え
 なくもない。遅々として進まない印象はあるが、これは日本の都市交通の整備制度の問題もあ
 るので、一概に事業者や行政を悪くは言えない。せっかちなブログ主などは、西風新都線こそ
 一旦棚上げして、平和公園周辺の景観問題(架線)と3つの橋の建て替えで、全く動いていな
 い平和大通り線(西観音町電停東交差点~白神社交差点 1.8㌔)を架線レスで実現すれば
 いいのに、と思う次第だ。先の考察でこけ降ろした西風新都線への投資余力があるのであれ
 ば、かって中国運輸局を中心とした検討会で議論された平和大通り東線(白神社交差点~田中
 町交差点~稲荷町交差点 1.8㌔)を復活させ、併せて『駅前大橋線+平和大通り西・東線
 』という形で整備しても西風新都線よりも安価なコスト-全体事業費400億円程度(市負担
 220億円)-で済む。沿線のみの波及効果に留まる西風新都線とは異なり、広電市内軌道線
 全体の効果、平和大通りのリニュアール効果、都市再生緊急整備地域に指定され民需の誘導効
 果なども加味すれば、費用対効果は直・間接的なものも含めると計り知れない、と思うのだ
 が。ブログ主は安易にアストラムラインの都心部地区路線の必要性は費用対効果の面から、皆
 無だと思うが、東西方向の基幹路線の必要性はあると考える。『路面電車のLRT化の促進』
 は大そうな名前がついているが、要は100%超低床車両の導入補助費用のことだ。
当初予
 算主要事業(建設関係)』(広島市HP)を見ると、バス、路面電車の改善(結節改善は除く
 )に係るものは、約1億1,000万円程度で雀の涙程度だ。出来ない理由として財政難を持ち
 出す以前に取り組む姿勢の問題と思うはブログ主だけだろうか?


動画1 広島電鉄新型車両5200形 2日目の搬入風景(ユーチューブ動画より)


画像8 最終候補地に晴れて選定された中央公園広場(7.9㌶) 画像 ひろたびより

▼サッカースタジアム関連
 基町住宅再整備-11.7億円
  高層住宅の住戸改善 高齢者対策、浴槽・給湯器設置、給水・排水管取替など350戸
 基町地区活性化-1,493万円

  活性化計画の改定326万円
   13年7月に策定した基町住宅地区活性化計画について、より実効性のある計画となるよ
   う、地区住民と協働して改定

  若年世帯・学生の入居促進297万円
   物件検索サイトへの掲載により、入居勧誘を充実するとともに、学生の入居を予定してい
   る住居にエアコンなどを整備
  基町ショッピングセンターの改修870万円
   老朽化した基町ショッピングセ ンターの改修のための実施設計を行う
【ブログ主の印象】
  スタジアム本体や関連道路事業に関しては、4月の広島市長選挙後の6月の補正予算で計
  上するとの事だ。近隣の基町地区のスタジアムに対しての強い反対は住環境の激変(?)
  によるアレルギー的な要素と、若年入居者が少なく高齢化が進む将来への不安の要素もあ
  るらしい。他地区市民からすれば、随分とお手盛り事業の山の数々にも映るが、まあ彼ら
  から見て迷惑施設を受け入れる対価の一つでもあるので、致し方がないのかも知れない。
  ただ、彼らを弁護する訳ではないが、元々スタジアム問題とは無関係で、同地区の活性化
  を模索する動きは以前からあり、色々と計画なども策定されていたのは事実だ。途中でス
  タジアム問題がそれとは別儀で割り込み、途中から別の色合いに変わってしまった。ネッ
  トでは匿名性にかこつけて言われたい放題だが、同地区の将来は市営住宅の中層棟(1~
  16号棟)は耐用年数ギリギリの30年代半ばまで改修を続け使用され、17号棟を高層
  
して入居者を収容して30年代半ば以降に機能停止。跡地は既に機能停止している県営
  住宅中層棟と同様に広場化されることが予定されている。同地は民有地でも市・県有地で
  もないので民間売却してのよくある再開発は出来ない。現在の高層棟は、新17号棟をあ
  の地に建設することからも現状を維持するものと思われる。基町地区の将来を見据えた
  まちづくりとサッカースタジアムについて~(広島市HP) ブログ主は住環境の改善も
  必要だと思うが、ネガティブな地区イメージの払拭もそれ以上に重要だと考える。その意
  味合いではスタジアム立地は好機だと思うのだが・・・。

▼プレミアム付商品券発行-18憶2,000万円
 19年10月からの消費税率引上げが、低所得者や子育て世帯の消費に与える影響を緩和す
 ると共にに、地域における消費を喚起するためプレミアム付商品券を発行する。対象者はの
 市民税均等割が課されていない者(市民税均等割が課されている者の生計同一の配偶者・扶
 養親族、生活保護受給者などは除く)と16年
年4月2日以降に生まれた子が属する世帯の
 世帯主に、2万円分(2万5千円分の消費可能)の同券を販売する。

【ブログ主の印象】
 こんなものがあったとは、初めて知ったが残念ながらブログ主は対象外らしい(笑)。別に
 欲しいものなど物品では全くないので別に構わないが。別の主旨でも同様の制度があり、こ
 こまでのプレミアム率ではないが自治体や商工会議所が発行し、甚大な災害後の観光客誘致
 目的のそれもあるらしい。要は低所得者向けの施策だが、消費増税の批判の矛先をかわそう
 とする意図がありありと見えて若干、不快だ。使用可能な店舗とそうでない店舗が二分され
 れば、効果はどうなのだろうと思う。使える店舗が限られると、そもそもの消費能力がそう
 高くない人たちを対象とした場合、効果が限られるのではなかろうか?むしろ高額所所得者
 の人たちを対象に10万円券(11万円の消費可能)を批判覚悟で販売したほうが、消費喚
 起に絶大な効果を発揮すると考えるのはブログ主だけだろうか?これは国策の追随施策なの
 で、広島市を批判しても仕方がない。

その3へ続く

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カテゴリー記事 広島の都市問題 広島市予算

今日の話題 2月9日中国新聞1面より引用
広島市 最大更新6,700億円
19年度予算案 復旧や防災促進


画像1 2月9日中国新聞1面より

【記事詳細】

 広島市は8日、2019年度当初予算案を発表した。一般会計は6,700億5,200万円で前
 年度当初に比べて2・9%増だった。4月7日投開票の市長選を控えた『骨格予算』ながら、
 3年続けて、1980年度に政令指定都市へ移行した後の最大規模を更新した。昨年7月にあっ
 た西日本豪雨災害の復旧工事や消防通信指令管制システムの更新などで膨らんだ。災害の復旧
 工事は、安佐北、安芸、東区内の計144の河川を対象に35億9,200万円、安佐北と安芸の
 両区の計17の橋に16億3,600万円をそれぞれ計上した。課題を検証した有識者会議の提言
 を受け、市民の防災意識を高める取り組みも進める。避難勧告などを伝える防災情報メールの配
 信を、区から小学校区単位に変更するシステム改修に3,500万円を盛り込む。老朽化に伴って
 更新し、今年10月からの運用を目指す消防通信指令管制システムには、整備費27億3、60
 0万円を組んだ。

 サッカースタジアム建設の最終候補地が中央公園自由・芝生広場(中区)に決まったのを受け、
 地元の基町地区の活性化に向けた主な5事業に計1800万円を盛り込んだ。市と広島、山口両
 県の23市町でつくる『広島広域都市圏』の60事業には、前年度当初比で3・5倍の計43億
 2,100万円(特別会計を含む)を計上。都市機能強化には、JR西広島駅の南北自由通路の整
 備工事費などに10億6700万円を充てた。主要な政策を反映させた予算は次期市長の下で追
 加する。

 一般会計の歳出は、社会保障などの扶助費、人件費、借金返済に充てる公債費の義務的経費が5
 4・6%を占める。普通建設事業費は800億5500万円で、前年度当初より8・4%増え
 た。歳入では市税が2392億8800万円で3・2%増。借金に当たる市債は836億5,8
 00万円で、政令指定都市への移行後では2番目に多い。市債残高は1兆1,316億7,400
 万円となる見通し。
特別、企業を含む全会計の合計は1兆2426億8600万円で2・4%
 増。15日開会の市議会定例会に提案する

【考察その1】

財布のひもが緩み始め、増え続ける市債残高 
今後も続く大型事業 本当に大丈夫か?


画像2 広島市一般会計当初予算案の歳出内訳(画像 中国新聞より)


画像3 一般会計当初予算案、市債残高(臨時財政対策債残高等控除前)、市税収入の各推移(画像 中国新聞より)

 都市開発や広島のまちづくりを取り上げるブログなどで、財政の問題を取り上げるものは殆どない。興味がないのか、はたまた意味不明な解釈でネガティブなものとしてスルーしているのかはよく分からない。ブログ主が金融業界に20年以上在職していたので、関心が湧いてしまう。当ブログではこの方面からも考えていきたい。ブログ主が前秋葉市政をある程度評価していた理由の一つに、財政の破綻寸前の危機を回避させ、曲がりなりにも財政再建を果たしたことがある。現在、活況を迎えている再開発や跡地利用などはこうした基盤があればこそ、可能なのである。環境整備を任期中(99~11年)にした功績は、目に見えないので評価されることはまずないが、もっと注目されていいいだろう。ややもすると、市長の功績をインフラ整備だけという近視眼的な見方で『平和を唱えてばかりで、何もしなかった』と言うのは間違いで、この数年に完成したものの多くは秋葉市政時代に協議会や、検討委員会などで議論されていたものが実は多い。弁護する訳ではないが、任期12年のうち9年間が、財政健全化計画期間中と言うのはその意味合いでは『ご愁傷様です』としか言いようがない。アジア大会開催の70年代半ば~90年代初頭まで市長を務めた通称『植木市長』は、問題外で悪い意味で歴代市長最強(笑)だったので論外とするが、人柄は置いておいて個人の能力では平岡元市長や現在の松井市長よりも上だったと思っている。ただし、能力だけはの前置きは入るが。11年4月から松井市長が就任し、実は財政だけの観点で見るとじわりと悪くなっている。
市債残高(臨時財政対策債残高等控除前)の単純な比較では、1兆316.9億円から1兆1,316.7億円と約1,000億円ほど増えている。都市開発の貯金でもある土地開発基金は56.6憶円から0になり、財政調整基金は116億円から34.6憶円と枯渇待ったなしとなった。19年度当初予算案は4月の市長選の絡みで骨格予算で、具体的な肉付けは4月以降。最大規模更新だと財政調整基金も19年度末には枯渇するものと思われる。


画像4 広島市が財政上、大きく行き詰った最大の原因となった94年開催のアジア大会(画像 広島市HPより) 

 広島市の財政が悪い悪いとよく聞く話だが、なぜそうなってしまったのかを説明したい。

指標1 
全国政令指定都市の実質公債費率、将来負担率、財政力指数
    (2014年度)
将来負担率ワースト順 出典 総務省HPより

       ※注3実質公債費率  ※注4将来負担率  財政力指数 
01位 千葉市   18.4%    231.8%   0.95
02位 京都市   15.0%    228.9%   0.77
03位 広島市   15.4%    228.0%   0.82
04位 横浜市   16.9%    182.5%   0.96
05位 北九州市  11.8%    174.3%   0.71
06位 福岡市   12.6%    168.0%   0.86
07位 名古屋市  13.0%    153.9%   0.98
08位 大阪市   09.3%    141.8%   0.91
09位 新潟市   11.0%    135.1%   0.74
10位 仙台市   10.8%    133.2%   0.87

※注3 実質公債費率とは?
 地方公共団体の一般財源の標準的な規模に占める全部の会計の公債費や、加入している一部
 務組合が負担する公債費や、公債費に準ずる債務負担行為など
の、公債費に準ずる経費の比率
 のこと。実質公債費比率については財政健全化
法により早期健全化基準(2015度基準値
 25.0%)と、財政再生基準(
2017年度基準値35.0%)の二つの基準値が定められ
 ており、
この基準値で収まっていれば、健全財政であるといえる。
※注4 将来負担率とは?
 地方公共団体が現在抱えている負債(地方債の返済額及びこれに準じる額)の大きさを、財政規
 模に対する割合で表したもの。この比率が高いと、将来的に財政が圧迫される可能性が高くな
 る。都道府県・政令市では400%、市町村では350%を超えると、危険水域と言われる。


 広島市は県との二人三脚で80年代後半~90年代初頭、四地方中枢都市で最も遅れていた都市インフラ整備を挽回すべく、土木行政に邁進していた。アジア大会開催の官民合わせての投資額は、一説には1兆3,000億円(諸説あり)とも言われ当時、背中が見えなくなりつつあった福岡市との差を縮め、あわよくば追いつく気概をもって頑張っていた。90年の市債残高は、3,762億円(80年-1,099億円)だった。ところが、アジア大会開催数年前にバブル経済は見事に弾け、大会開催に国の全面支援を取り付けていなかった広島市は、スポンサー企業からの収入から開催費用を捻出する腹積もりだった。その目途が外れ、苦境に追い込まれる。自然と一般会計からの持ち出しが大幅に増えた。これが財政難となった最大の原因だ。付け加えると、本来であれば、大会開催のための都市インフラ投資は、大会後の都市経済活況による市税の増収にてある程度回収するのが常套手段となるのだが、バブル経済崩壊、出口のない景気低迷で回収期がなかったのも尾を引いた。タイミングが悪過ぎたとしか言いようがなかった。ブログ主などは、そもそも首都及び、それに準ずる都市クラスでしか開催が出来ないであろうアジア大会を広島市が分をわきまえず開催したこと自体が間違っていた、と考える。もう一つよく言われるのが、その後小渕政権時の国の緊急経済対策にて、公共事業を乱発した。お付き合いを強要され傷口を広げてしまった。その証拠に、90年度と00年度の市債残高を比較するとよくお分かりになるだろう。僅か10年間で、2.26倍と急騰している。IF世界の話になるが、アジア大会がなければ02年日韓ワールドカップは広島市でも開催され、広域公園のビックアーチ(現エディオンスタジアム)はFIFAの規定に沿った屋根と観客席で完成し、開幕戦もしくは決勝戦の舞台となっていただろう。90年代後半に議論終盤戦で国からクレームを入れられたアストラムラインの都心部区間も、実現したかは微妙だがクレームを入れられることはなかったと考える。十数年後に起きる街中スタジアムの議論を踏まえると、どんな展開になっていたかと思うと色々と興味深い。お陰で二度-98~03年、04~07年-にわたる財政健全化計画を策定し、回復に努めた。財政悪化による活性化余力の喪失は、広島市停滞の理由となったのは事実だろう。11年4月に現松井市政が誕生した。安倍政権誕生(12年12月~)以降、社会情勢が一変し、経済は上げ潮基調に入りインバウンド需要も高騰。広島市においても停滞していた各案件が、一斉に動き始めた。その事自体は、『広島版失われた20年』から反転攻勢の時期に入った証明でもあり目出度い限りだ。ただ、民需の誘導を図ろうとするあまり、費用対効果がさして高くないものまで連動して一気に具体化し始めている。例として挙げると当ブログで再三指摘している、アストラムライン西風新都線、広島市東部連続立体交差化事業、西広島BP高架延伸などがそうだ。事業期間を長期にすることで、単年度の財政負担を軽減させる処置は講じているが、事業自体の有無-費用対効果などの検証-をゼロベースから精査せず、事業化(西広島BPはまだ)したことに一種の危うさを感じる。そうタガが外れ財布にひもが緩むことを恐れる。一つ間違えれば、『いつか通った道を再び』の危険性を感じる次第だ。


【考察その2】 
財政の硬直化について考える



画像5 広島市の扶助費の年度ごとの推移(画像 広島市HPより)

指標2 広島市当初予算案における義務的経費の内訳 その1
  義務的経費比率  広島市報号外題5号『財政事情』などより
  1990年度 一般会計予算4,377億円 義務的経費1,540億円(35.2%)
  2000年度 一般会計予算5,625億円 義務的経費2,206億円(39.2%)
  2016年度 一般会計予算5,989億円 義務的経費3,042億円(50.8%)
  2017年度 ー般会計予算6,456億円 義務的経費3,613億円(55.9%)
  2018年度 般会計予算6,509億円 義務的経費3,658億円(56.2%)
  2019年度 一般会計予算6,701憶円 義務的経費3,659憶円(54.6%)
指標3 
広島市当初予算案における義務的経費の内訳 その2
  年度毎の義務的経費の内訳  広島市報号外題5号『財政事情』などより
  1990年度 高齢化率9.9%
  人件費695億円 
費499億円 債費346億円 市債残高3,762億円
  2000年度 高齢化率13.9%
  人件費903億円 扶助費718億円 公債費585億円 
市債残高8,506億円(※注1
  2016年度 高齢化率 23.8%
  人件費868億円 扶助費1,413億円 公債費760億円 
市債残高6,949億円
  2017年度 高齢化率 24.2%
  人件費1,401億円 扶助費1,416億円 公債費796億円 市債残高6,795億円
  2018年度 高齢化率 24.6%
  人件費1,393億円 扶助費1.432億円 公債費837億円 市債残高6,700億円
  2019年度 高齢化率?
  人件費1,401憶円 扶助費1,441億円 公債費818億円 市債残高6,823億円
  ※注1 00年以降の市債残高は、臨時財政対策債残高等控除後※注2の残高
  ※注2 臨時財政対策債残高等控除後の残高とは、市債残高の総額から、臨時財政対策債
      残高と、将来の返済に備えて減債基金に積み立てている額を除いた残高




画像6 広島市の将来人口、高齢化率、年少人口などの推移(画像 広島市HPより)

 ブログ主が市の財政を懸念する理由に縮小社会(超高齢化+大幅人口減)がある。予算は、義務的経費-人件費、公債費、扶助費など-、政策的経費-公共事業-、その他経費で構成されている。少子高齢化の進行で、義務的経費の一つである扶助費が伸張している。扶助費とは、障害者福祉や子ども・ひとり親家庭福祉、生活保護や被爆者対策など市独自の社会保障費のことだ。90年対比では、約2.87倍。97年対比では、2.2倍となっている。扶助費の急騰は義務的経費比率の高騰-財政の硬直化も誘引している。90年度の義務的経費比率35.2%が、19年度は54.6%となり、半分を超えている。年々この比率が上がると政策的経費の選択肢が狭まる。今後、右肩上がりの傾向が収まるかと言われればさにあらずでより強まる。広島市を始めとした地方大都市部でも30年代に入ると人口減少傾向が顕著となり始める(上記画像6参照 60年-93.3万人)。これは人口の社会減(転出超過)ではなく、自然減(死亡数>出生数)の数が大き過ぎて、いち自治体では対応が難しい。高齢化も現レベルよりも10%上昇し、扶助費を中心とした義務的経費の天井知らずの高騰(60%台半ば?)が予測される。よって収まるどころか、さらに拡大するとみていいだろう。抑制努力を継続しなければならないが、いかんせ絶対数が多いのでままならない。社会保障全体を支える生産者人口も減り、二人三脚型から肩車型に変化する。生産者人口が減るということは社会保障制度の支え手が減ると同時に、市税の減収や経済市場の縮小も意味する。『それなれば、大胆にバッサリと切り捨てればいいだろ?』との声が聞こえそうだが、家計で例えると家賃や光熱・通信費、食費、ローン支払いに相当する。政策的経費は、家計で言えば趣味余暇などの遊興費や子どもの学習塾代などになる。前者はそう容易くカットできない。後者の方が比較的カットしやすいのも同様だ。


画像7 15年広島市長選直後の新市長に期待する施策一覧(画像 15年4月中国新聞より)

 新聞記事では全く触れられていないが、市は保有する公共施設の高度成長期以降に建設されたハコモノ資産(3,258施設)の設備更新・改修が今後、大きな足かせになるかも知れない。『ハコモノ資産の更新に関する基本方針』(広島市HP)によると、今後更新費用に年平均203.5憶円の財源不足が発生する可能性があるという。他には、道路や上下水道などの都市インフラもあるので、実際の額はどれぐらいになるのか不明だ。現在、そして将来にわたり需要があるのものインフラ投資は時代関係なく、なされるべきと思うが現在の需要がそこそこあっても将来的には、縮小するものに関しては類似施設での代替えで十分だろう。もう一つ、縮小社会の進行で見落とされがちだが、見落としてはならないものがある。公債費だ。公債費とは、債務償還費、利払費、事務取扱費から構成される経費のことで、プライマリーバランスを崩した発行を行うと、後年の公債費が急騰して扶助費同様に財政硬直を誘引する。先の考察で、長年の停滞期から脱してバブル期とまではいかないが、一種の高揚感に包まれた中で費用対効果も定かではない高い市の財政負担が伴うものまで、勢いに乗って手に染めると高い対価を後々支払う羽目になる。広島市の不幸は、財政が健全だった時代に市域及び都市圏域を都市経済を牽引する主だった都市インフラを整備できなかったことだ。自動車専用道路(都市高速道路、国道BP)、専用鉄・軌道の公共交通機関などがその最たる例だ。国道BPの例にとって見ても当時だと建設費は全て国持ちだったが、現在は1/3が地元負担(政令指定都市の場合)で整備ハードルが上がった。別に福祉ばかり連呼して、公共事業に何でも反対する某政党の真似ではないが、都市インフラ最強伝説-導入地域の地価が上がり固定資産税などの市税増収、企業立地が進み雇用も改善、官の先行投資の後を追った民間投資も誘引、結果的に市民所得も向上-と言ったバラ色の未来を広島市が未だに夢見ている節を感じる。むしろ市民の方が、アジア大会開催の失敗を教訓にしてすべての場合においてそうはならないと知っている。上記画像7は4年前の広島市長選直後の新市長に期待する施策一覧だが、単純な意味合いでの都市インフラ整備を求める声は、僅か2.2%で実質最下位。要望の約6割は、社会保障や医療、経済など家計に直結するものが占めた。保守的で急激な変化を求めない広島人気質が如実に出ているが、同時に広島人の賢さも示しているとブログ主は好意的に受け取った。肝心の行政と為政者を支える一部の人たちが、まだ冷めない夢の中にいる印象を持つ。ここ数年の積極的なインフラ投資はの結果は必ずしも、よくない。実は広島市は18年、人口の社会減(転出超過)に転じた。外国人在住者を含めた数値ではあるが、▲661人だった。東京23区を中心とした東京圏の吸引力が東京五輪景気のために強大になり、ダム機能が漸弱な広島市を筆頭に中国地方各都市、同様の傾向を示した。1年のみの結果で全てを量るのは早計だが、この結果のみで量れば従来思考の都市開発の限界を示している。国内外に発信する都市ブランド力の強化こそ、広島市が他都市との差別化が図られ生き残る無二の策だと考える。

その2へ続く

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