封入体筋炎患者闘病記

 封入体筋炎患者のヒロです。病歴は2019年で満11年、12年目に入りました。在宅勤務の仕事とリハビリの日々を送り、細やかながらも家族3人で暮らしています。ブログ記事は闘病記と広島地元ネタ、社会保障などの時事ネタ中心です。希少疾患の封入体筋炎の周知が目的です。関心があれば、ツイッターなどでご紹介していただければ幸いです。疾患関係で直コメントが苦手の方は、ツイッターのダイレクトメールを利用してください。封入体筋炎の闘病史は各進行段階の症状や生活障害、必要な社会保障制度等をまとめています。良ければ参考にしてください。最新の封入体筋炎の状況は『近況について色々と』、取り組んでいるリハビリについては『2019年春~夏 筋疾患(封入体筋炎)リハビリ』にて素人の体感目線で書いています。モバイル版で読みにくい場合は、PC版に転換してからお読みください。

Category:広島の都市交通 > 道路

カテゴリー記事 広島の都市交通 道路

今日の話題 7月12日中国新聞26面より引用
東部延伸 年明け着工
広島南道路 海田西ICまで
【記事概要】
 国土交通省広島国道事務所は本年度、自動車専用道路である広島南道路の東部延伸工事(2・2㌔)に着手する。南道路と接続を予定している国道2号東広島バイパス西側の工事で橋脚建設などが本格化してきたため、南道路延伸も同時に進め、東広島バイパスと、広島都市圏を走る都市高速網を結ぶ考えだ。


画像1 7月12日中国新聞26面より

【記事詳細】
 延伸区間は、海田大橋出入口(安芸郡坂町北新地)から、建設中の東広島BPに予定されている海田西IC(同郡海田町日出町)までの高架道路。東広島BPと併せ、国道2号の渋滞緩和や山陽自動車道の不通時の迂回路などを目的とし、無料区間となる。海田大橋(有料)を経由し、広島南道路(広島高速3号線 有料)とつながる。建設予定地は、県道矢野海田線沿い。途中、西明神橋近くにICを造る。また、現在の海田大橋出入口とは別に、海田大橋に高架で乗り入れるための料金所を設ける。当面は片側1車線の暫定開通予定。将来は2車線化を見込んでいる。

 延伸区間は1998年度に都市計画決定され。2006年度に用地買収が終わっている。国交省は本年度、事業費4億3千万円を計上。設計の他、工事のため矢野海田線を管理する県との調整を進める。着手は年明けになる見通し。開通時期は未定。広島南道路と接続する東広島BP(9.6㌔)は瀬野西IC(広島市安芸区瀬野南町)-海田東IC(海田町寺迫)間の7.1㌔が開通済み。南道路の延伸区間と接続する海田東ICと同西IC(1.2㌔)では43基の橋脚のうち32基で下部工事が完成するなど急ピッチで建設が進んでいる。


画像2 画像1の広島南道路の東部延伸区間(赤点線)と東広島BP工事区間(黒点線)

【考察その1】
広島南道路の概要について


画像3 拡大図 広島南道路の路線図(画像 国土交通省HPより)

 広島のまちづくりに多少なりの関心がある方は、広島南道路(以下 南道路)の名はお聞きになったことがあるだろう。一般イメージとしては、『湾岸道路』『広島高速3号線』『開通したと言っているが中途半端な道路』だと思う。当ブログでは、デルタ内外、都心部地区の通過交通を迂回させるという集約都市建設に資する道路として高く評価している。広島都市圏の地域高規格道路網の基幹路線で都市経済を支える大動脈でもある。地域高規格道路での名称は、接続する東広島BP、安芸BPと一括りにされ『東広島廿日市道路(51.9㌔)』となっている。本題に入る前に南道路の概要について説明する。

1 広島南道路の概要
路線名:広島南道路 
計画延長:23.3㌔(事業区間14.8㌔)
起終点:起点 広島県安芸郡海田町日の出町(まち)
    終点 広島市西区商工センター4丁目
車線数:自動車専用道路部分 4車線 一般道路部分 4車線 幅員:40~60㍍(全体)
都市計画決定:1988年 
安芸郡海田町日の出町~出 97年 出島~商工センター4丁目
都市計画変更:2007年 太田川放水路渡河部の構造変更(地下式⇒高架式へ)
事業着手:89年 
安芸郡海田町日の出町~出 97年 出島~商工センター4丁目
用地着手年度:90年 
安芸郡海田町日の出町~出島 98年 出島~商工センター4丁目
工事着手年度:98年 仁保JCT~宇品 02年 宇品~吉島 07年 吉島~
商工センター
       4丁目
事業の進捗状況:
 自動車専用道路部 90年 海田大橋(2.3㌔)供用開始 
00年 仁保JCT~宇品
          間2.6㌔
供用開始 10年 宇品~吉島間2.2㌔供用開始 15
          年 吉島~商工センター間4.2㌔(一部市道区間あり)供用開始
 一般道路部(  94年
海田町日の出町~海田大橋間2.2㌔矢野海田線区間)02年
 
国道2号線)  宇品~出島間1.3㌔供用開始 10年出島地区内、吉島地区内計0
         7㌔供用開始 15年吉島~観音間2.6㌔供用開始
事業費:事業化区間 4,120億円 全体5,657億円
その他:商工センター4丁目以西については、一般道路部分にあたる臨港道路『廿日市草津
    線』を鋭意整備中

2 広島南道路の事業目的とその効果について
 事業目的:広島市中心部の通過交通を適切に処理し、渋滞緩和・交通安全の確保を図るととも
      に、港湾を拠点とする物流の効率化を図る

 事業効果:
  ①円滑なモビリティの確保  ②物流効率化の支援 ③個性ある地域の形成 ④安全で安心で
  きるくらしの確保 ⑤安全な生活環境の確保 ⑥災害への備え ⑦地球環境の保全 ⑧生活
  環境の改善・保全

とこんな感じになっている。具体化の話は90年代以降だが、構想は80年代初頭からあった。その期待は大きかった。西広島BP高架延伸が、71年以降完全ストップして工事再開の目途がつかず、代替え道路の市道霞庚午線や山陽自動車道路が整備されても国道2号線の慢性的な道路渋滞は一向に解消しなかった。当時の空気感としては広島市の都市交通の切り札的存在は、鉄・軌道では新交通システム(AGT アストラムライン)、道路では広島南道路だった。 ~
1985(昭和60)年の中国新聞記事~ バブル期に構想された出島地区のメッセコンベンションシティや西部丘陵都市(現西風新都)などもこうした都市交通基盤整備が大前提としてあった。アストラムラインは、94年の第1期開業(本通~広域公園前)以降は、計画こそ提案されたが諸般の事情で1㍉とも延伸されず、計画いや構想も大幅な削減を余儀なくされ、西風新都線の開業を以て終了の気配が濃厚だ。ものの見事に建設期を逸した。一方の南道路は、国、県、市の財政難の中、予定を大幅に遅らせながらも印象として継ぎはぎ形態で整備を続けている。有料自動車専用道路、高架下の一般道路の一体でフル規格(各4車線)で開通区間は皆無で海田町日出町~西区商工センター4丁目まで一応、1本の道路でつながってはいるが、高架式の有料・無料道路、高架下の一般道路の合体作である。今回の東部延伸区間は、東広島BPの海田西ICとの接続区間になり、高架式の自動車専用道路区間として建設される。ただし、暫定2車線区間である。事業化区間の事業費が4,120億円と相当の高額である以上は仕方がないのかも知れない。


画像4 東広島BPの海田西~同東IC区間の橋脚が立ち並ぶ様子(17年現在) 画像 アンドビルド広島より

 先にも触れたが、ブログ主は南道路区間を含めた東広島廿日市道路は広電路面電車やバスの疑似LRT/BRT化と共に最優先すべき公共事業だと考える。さして費用対効果が高いと思われないアストラムライン延伸、広島市東部連続立体交差化事業、西広島BP高架延伸の市負担分を集中投資してほしいと思うくらいだ。理由としては以下の点がある。①広島都市圏全体の高規格道路ネットワークの最重要基幹路線であること ②自動車産業をはじめとする都市経済の物流機能を担っていること ➂国道2号線の渋滞緩和効果だけではなく、都心部地区やデルタ内地区の通過交通を排除する効果が見込めること ④集約都市建設に資する道路であること である。広島西道路として高規格道路としての有難い名称を頂きながらネットワークにも組み込まれず、低スペックの癖に03年試算で総事業費300億円(市負担100億円)と費用対効果が低過ぎる西広島BP高架延伸事業など建設しても、2車線の平野町止まりで自動車専用道路区間である東雲地区まで4車線高架道路として延伸しない限り、潜在需要の誘導、渋滞箇所の変更がされるだけの結果に終わる。南道路も実は、ある程度開通している割には、国道2号線(西広島BP含む)の道路交通需要の分散が図れていない。~交通量の推移~ これが西広島BP高架延伸復活の背景となっている。図れていない理由として、西端の西広島BP地御前JCT~木材港間は未整備で分散誘導路がないこと、東端の東広島BPとの接続がフル規格で整備されていないこと がある。その意味合いで今回東端の自動車専用道路部の建設着工は喜ばしい。欲を言えば暫定2車線ではなく、フル規格(4車線)であれば言うことはなかったのだが・・・。いつも思う疑問だが、広島市の道路ネットワークで不可解に思うのが、広島高速1・4号線の事例を見ても他の別規格道路との接続をこうも疎かにするのだろうか?高規格道路同士の接続はネットワーク形成のカギとも言えるはずだが、中途半端な接続をして費用対効果を自ら下げている。まさしく『安物買いの銭失い』の典型例だ。ブログ主流の解釈は、必要なコストまで削減して(安物買い)中途半端なものに仕上げ、結果的に利用者が低迷して計画した減価償却が出来ない(銭失い)』である。建設しない理由がコスト削減との反論があるかも知れないが、財政に余裕がありコスト云々などがうるさく言われなかった時代でも、広島市はこんな感じだった。都市計画のセンスの問題としか言いようがない。


【考察その2】
縮小社会時代~超縮小社会時代の道路整備の在り方



画像5 集約都市の一般概念(画像 広島市HPより)

 ブログ主が西広島BP高架延伸事業や今回の南道路東部延伸の報道を聞いて、思うことがある。道路建設に対しての行政の意識が高度・安定成長期時代から全く変わっていない点だ。道路建設自体が悪などと更々いうつもりはない。鉄・軌道系公共交通や道路というのはそれ自体が建設目的の場合もあるが、目標とする都市建設(戦略)を実現する手段(戦術)の一つに過ぎない。60~80年代の高度・安定成長期は、都心部地区にありとあらゆるものが過度の集中をするので、郊外に複数の極-副都心らしきもの-を建設するという『多極分散』が都市計画の主流だった。拡散都市化が都市の成長と誤解され是とされた。これは広島市だけに限らず、日本の場合どの都市もそうだったので広島市に特別非があるわけではない。都市基盤と言うべき都市交通網-特に道路網などは主要幹線道路のBP建設が最優先された。都市経済を下支えする効果もあり正の側面も大きく、一定の成功を収めた。欧州先進国のような厳しい縛りの都市計画の元で行わず、OECD加盟国では断トツに緩いザル法の都市計画法の元で実施したので、モーターリゼーションに迎合した度を超えた拡散都市化-都市のスプロール化(ウィキペディア)が進んだ。低成長時代(90年代~00年代半ば)を経て、08年頃から縮小社会時代(高齢化+緩やかな人口減)に入った。行政の借金が嵩む中、高齢化が進んだため扶助費(社会保障費)を高騰して義務的経費が比例して高騰、財政の硬直化が加速した。10年代に入り、将来-30年代半ば以降-の超縮社会時代(超高齢化+大幅人口減)の到来が現実のものとして予測されるようになり、日本もまちづくりの観点ではなく、都市の効率的な管理の観点から周回遅れで、欧州都市のコンパクトシティを模した集約都市-
日本型ネットワーク型コンパクトシティ-への転換に舵を切り直した。 ~『集約型都市構造の実現に向けて』~(国土交通省HP) 要は都心部地区には高次都市機能、拠点地区に都市機能を再集約させて、拡散都市化の歯止めをかけ自動車移動前提の都市構造から公共交通移動中心の都市構造に改め、コストがかからない管理しやすい都市にしましょうというのがその主旨である。


画像6 コンパクトシティ(集約都市)建設のステップ1と2の手順
 
 集約都市建設にはいくつかの必要不可欠のステップがある。都市の立地条件や拡散都市化の進行度合いが異なるので、一律に当てはめるのは禁物だが、大体こんなパターンが多い。ステップ1・2(上記画像6参照)、3・45・6 イロハのイに当たるのが環状道路網の整備である。日本でも集約都市建設を本気で考えている都市では少なくとも2本、大体は3本の一般道路での環状道路整備計画を持っており、整備に邁進している。新潟市 姫路市 宇都宮市 熊本市 秋田市 3本の環状道路の整備と言っても新規建設ではなく、都心部地区の外周道路である内環状線とそれよりも一回り大きな中環状線は、既存の市道や県道の流用が多く、郊外及び都市圏内を結ぶ外環状線も既存のBPなどの高規格道路を路線に組み込み、新規建設区間もあるが極力抑えている。環状道路の効能は、①
郊外部から都心部地区に流入する通過交通の排除 ②都心部地区に流入する目的交通の分散誘導(一方向の偏り是正) ➂郊外拠点地区間の直接移動(交通需要の調整) である。要は都心部地区の自動車交通量を減少させ、歩行者中心の都市空間を現出させる下準備のために必要なものだ。これなくして、自動車利用の制限をかけた場合、デルタ内外の深刻な交通渋滞を誘引し都市の物流機能を寸断するかも知れない。そうなると『集約都市=悪』との考えが蔓延し、支持を失い失敗に終わる。この場合は戦略上の失敗ではなく、戦術の選択肢の失敗になるが感情論が支配して一顧だにされないだろう。で、広島市はと言うと一般道路での環状道路を名称を頂く道路は一つも存在せず、構想すらない(広島高速道路では構想あり)。他都市が道路整備という双六(マス目40で上がり)で、マス目30ぐらいにいるのにまだマス目20前後にいる。集約都市建設でも他都市の後塵を拝するつもりなのだろうか?ここに至っては、一気に過剰投資をして追いつくのではなく、マス目21~29までを無視してすっ飛ばす必要がある。南道路は環状道路同様の効果があるのでまだいいとして、復活事業となりそうな国道2号線西広島BP高架延伸事業は、スペックと費用対効果の問題もあるがこの道路が持つ性格上、時代のニーズからもずれている。超縮小社会時代を迎えるに当たり、その必要性は限りなく低い。

【考察その3】
自動車移動需要の対処の道路建設から、交通需要マネジメント(TDM)への転換を!



画像7 交通需要マネジメント(TDM)の施策一覧

 ここでもう一つ先の考えも、先んじる都市との競争を鑑みると必要になる。放射線道路にせよ、環状道路にせよ高規格道路が整備されれば、沿線開発が進みそれに呼応した新たな需要を生み出す。それにこれまで自動車利用を控えていた潜在需要が実際需要になることも多々あるものだ。年々増え続ける需要を後追いするイタチごっこには限界がある。道路整備には、南道路の例を見る通り途方もないコストと時間を必要とする。時代は既に人口、経済共に右肩上がりではないのである時期を以て集約都市建設に資するもの以外は取りやめる。個別の道路の道路需要の対応では都市交通問題における道路問題の抜本解決は不可能なので、市域及び都市圏域全体の自動車交通量の調整をする
交通需要マネジメント(TDM)の概念の導入だ。簡単にまとめてみる。

1 交通需要マネジメントとは?
 都市または地域レベルの道路交通混雑を緩和するため、道路利用者の時間の変更、経路の変更、手段の変更、自動車の効率的利用、発生源の調整等により、交通需要量を調整(=交通行動の調整)する手法

2 具体的な手法

  ①自動車利用時間の変更-時差出勤、フレックスタイムの導入により一定時間に集中する交
   通量を均等化させる
  ②移動交通手段の変更-パーク&ライドなど主要駅・停留所付近に駐車場を整備して自動車
   利用者を公共交通利用に誘導する
  ➂自動車の効率運用-マイカーやシャトルバスなどの相乗りや共同集配により自動車交通量
   を減少させる
  ④自動車利用経路の変更-道路交通情報の提供により混雑地域の自動車交通量の分散を図る
  ⑤自動車発生源の調整-交通負荷が少ない土地利用や勤務形態などにより自動車交通量の

   少を図る 

 この手法はさほど目新しいものではなく、取り組んでいない自治体が少ないぐらい濃淡の差はあれど導入されている。広島市もご多聞に漏れず、広島市総合交通戦略を10年に策定。その中で交通ビジョン推進プログラム』(広島市HP)を設定し、交通需要マネジメント(以下 TDM)施策を推進している。現在は、次期同計画策定の協議を続けている。 ~広島市総合交通戦略協議会~(広島市HP) 現計画の検証作業で様々なものが取り上げられているが、TDMといったソフト施策は完全に無視されている。よほど効果がなかったのか、はたまた現市長の意向なのかは定かではないが、ソフト施策軽視の批判は免れないところだ。ハード一辺倒の短絡まちづくり指向が窺える。『ソフト施策=左寄り思想』との解釈であれば、数十年時計の針が止まっているとしか思えない。TDMの緒施策のうち、最も効果が高いのは、自動車利用者の公共交通利用への転換だ。欧米のコンパクトシティ先進国においてはパーク&ライドが最有力施策だとされている。市域と交通圏域の駅、停留所に5,000~数万台規模の台規模の駐車場が整備され、公共交通利用転換に成功している。ただ、日本にそのまま導入するのが難しい理由として、都市交通事業が営利事業なので主要駅前は、商業施設やマンション開発されており大規模駐車スペースが少ないこと。整備の専用財源がないので、多くの整備が難しいこと。提供する場合でも欧米諸国のように無償(一部低額の有償)の形が取れないこと、がある。よってにほんのそれは、民間駐車場や近隣商業施設
とのタイアップが関の山で、今後の大々的な展開も無理だろう。


画像8 欧州都市の中で最も公共交通分担率が高いスイスの都市チューリッヒのトランジットモール区間の様子(画像 ユーチューブ動画撮影より)

 そこで自動車利用者の公共交通利用者転換の施策で、ある提案をしたい。『
自動車利用を今よりも公共交通よりも不便なものとする』である。具体的には、PTPS(公共車利用優先システム)をデルタ以内外を問わず、全主要交差点や広電路面電車、基幹バス路線沿線の道路上に設置する。技術的には既に確立され、欧州のLRTが走る都市でも実証されているのでその辺の問題はない。道路走行の優先権を私的車両である自動車ではなく、公共交通に譲るのだ。さらに詳しく説明すると、個別交差点の信号のリアルタイム制御 ②ミクロセル制御-4~8交差点分の信号のグループ ➂マクロセル制御-市内複数(6~10)のゾーングループ による三層制御を行い、市内全域の道路管理を意図的に管理し、市内流入方向の自動車交通に対して青信号時間の短縮化で、実質的な自動車の流入規制を課す。これにより路面公共交通が中心の広電路面電車やバスの旅行速度は、平均20~30%程度上がり、逆に自動車は同程度近く下がる。荒唐無稽案、机上の空論にも思えるが、実際に実施している都市はスイスの世界都市チューリッヒがある。市内移動に関する公共交通の分担率は37.0%。他の欧州都市よりも20%近く高い。この数字は日本の都市では、大阪市の37.7%に匹敵し、地下式鉄・軌道公共交通がないことや、市域人口30万人台であることを思えば驚異的な数字だ。因みにチューリッヒは欧州都市の中で最も公共交通分担率が高い。広島市は16.0%、類似都市の仙台市でも16.5%である。この分担率を見ると地下式鉄・軌道公共交通の存在が、必ずしも公共交通利用の決定打にはならないことを示唆している。要は公共交通移動需要がどれだけあるのかの問題なのだから。話を戻すと、終日だと問題があるとした場合は、時間限定専用バスレーンのように『7~9時』『17~19時』といった形でも効果は高い。導入コスト云々の話をすれば、既に基本インフラとなる光ビーコンは、市内の主要道路の地下に埋設され、後は優先信号の設置と車載装置の搭載で事足りる。中小事業者が多い中、負担に耐えられるかだが、単価自体低い上にLRT/BRT整備に絡ませれば国の1/3補助が見込め、残りを各1/3ずつ、市と県、事業者が負担すれば大丈夫だろう。この方法は厳密な意味合いでは、ソフト施策のTDMではないが、自動車移動需要のコントロールの観点から同義させてもらった。最大の関門は県警の協力となるが、公共交通の公益性の高さ&終日ではなく時間限定であることで歩み寄ってほしいものだ。まとめとしては、道路建設の基本理念は、湧き上がる需要を追いかける時代ではなく、需要をコントロールする時代なのは確かだ。その事に早く気付いてほしいと考える。

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今日の話題 5月29日中国新聞31面より引用
西広島バイパス延伸再開計画
費用対効果精査続く



画像1 5月29日中国新聞31面より

【記事詳細】
 広島市中心部の国道2号線西広島BP高架延伸事業を巡っては、
市や国土交通省広島国道事務所などでつくる検討会が早期再開を目指し、整備効果の検証を続けている。2019年度の早期に検討結果をまとめ国土交通大臣に報告する見込み。着工予定だった02年度から続く中断が続く事業の行方は、延伸の必要性と費用対効果の精査が鍵となる。計画期間は、西区観音本町~中区平野町までの計2.3㌔。昨年6月、地元57団体が国や市などに早期の全線開通を要望した。市は近隣市町との『200万人広島都市圏構想』に必要なバイパスとして、経済界などと組んで国土交通省への要望活動を強める。19年度の国の予算額は2億3,300万円。これまで通り、環境対策のための遮音壁工事と調査設計費の計上に留まった。

 今年1月に開いた検討会では、今後事業費の新たな試算額の提示とその議論が一つの焦点になりそうだ。中断前の試算では、約300億円で、このうち市の負担額は約100億円だった。当時よりも人件費や資材費などが高騰しているため膨らむ見通し。渋滞緩和や騒音の軽減などの効果に比べ、妥当な整備なのかその見極めに注目が集まる。事業は、市の財政難などの背景に中断し、延伸効果を認めた15年の最高裁決定を機に市が再開を求める姿勢に転じた。市道路計画課は、『中枢性向上につながり、圏域に不可欠な事業。着実に進める必要がある』とする。

【考察その1】
西広島BP都心部延伸事業整備効果検討会の概要


画像2(左)、3(右)共に西広島BP都心部延伸事業整備効果検討会の様子(画像 広島市HPより)

 国道2号線の西広島BPの概要を簡単に説明したい。1965年に事業採択され、71年に『西区観音本町~佐伯区五日市町 (7.0㌔)』 の暫定2車線供用開始。74年、『佐伯区五日市町~ 終点(8.2㌔)、『観音高架の庚午~ 観音本町(1.5㌔)』を暫定2車線供用及び、『西区観音本町 ~広島市佐伯区五日市町(7.0㌔)』 の4車線化。78年、佐伯区五日市町~ 終点 (8.2㌔)の4車線化された。その後、沿線住民の強い反対で事業が完全ストップして、観音本町の高架橋の寸切れ区間はジャンプ台と揶揄され、広島市の都市交通行政の遅れの象徴だった。99年にようやく観音高架延伸部(観音新橋東詰~庚午北 : 2.1㌔)が工事着手され、03年に開通した。残りの平野町までの延伸(2.3㌔ 2車線)開通まであと一歩までと思われた矢先、広島市が財政非常時低宣言を出し、第二次財政健全化計画期間(04~07年)に突入した。新聞記事でも触れているが、市負担の100億円が捻出できない状況と、当時広島南道路(広島高速3号線)との取捨選択も迫られ、こちらをの整備を最優先にした事情もあった。10年に市民団体『国道2号線沿道の環境を守る会』が事業の中止と損害賠償を求め行政訴訟にまで発展。15年、最高裁で国と市に一部賠償を命じる判決。但し、工事の差し止め請求については棄却し、事業の妥当性が認められた。この時点で、事業開始から半世紀が経過していた。その間、代替え道路として市道霞庚午線や広島南道路などが整備されたが、国道2号線の抜本的な渋滞解消とはならず、西広島BP高架延伸事業再開の機運が高まっていた。


画像4(左)西仁魔BP観音オフランプの様子
画像5(右)西広島BP庚午ランプ付近の様子(画像3と4共に広島市HPより)


 今年の1月から、市や国土交通省広島国道事務所などが西広島バイパス都心部延伸事業整備効果検討会』(広島市HP)を立ち上げて、整備効果や費用対効果などの検証作業が始まったところだ。2度目の検討会 第2回西広島バイパス都心部延伸事業整備効果検討会(広島市HP 以下整備検討会)の資料を読むと、導入効果に対しては称賛の嵐と言ってもいい内容で、ゼロベースからの検証ではなく、国、市、地元経済界が三位一体となった導入が大前提の阿吽の呼吸の元での議論の印象が強い。それもその筈で、よくこうした検討会に参加している学識経験者といわれるその道の専門家の参加は皆無で、公平性に欠いたものになっている。参加していれば、渋滞道路のBP建設だけで都市交通問題を解決しようとする時代錯誤的な発想の間違いを指摘されるのは確実で、余計なことを言う人間は最初から排除されたのではなかろうか?以前の中国新聞記事でも、市負担100億円以上の費用対効果への疑問、都心の活性化の観点に立った道路ネットワークの検討(環状道路の整備など)を優先すべきとの声が挙がっていた。要は邪魔なのかも知れない。3月に行われた整備検討会では、騒音と渋滞解消効果について検証し、騒音では『高架整備区間では、大型車等の交通を遮音壁等の環境対策が可能な高架道路へ転換し、各種環境対策により環境基準を満足している』、『 一方、未整備区間において騒音値は環境基準を超過している』とし、渋滞でも『高架道路が整備されることで、街路部から高架部へ交通の転換を図ることにより広島市中心部の国道2号及び西広島バイパス出口付近の交通混雑の緩和が期待される』などと全線開通すれば、バラ色の将来が約束されているかの幻想を抱くような文言で褒めちぎっている。ブログ主は違和感を感じざる負えない。近々の高架延伸事業の建設費を概算で構わないので、早急に出す必要がある。


画像6 西広島BP高架延伸事業の概略図(画像 広島市HPより)

 整備効果など、今更得意顔で強調しなくとも分かり切ったことで、問題はその効果を得るのにどれだけのコストがかかるのか?これが最も重要だ。以前の新聞記事では14年の試算で300億円と書いていたと記憶するが、今回の報道だと中断された02年の試算となっている。17年前の試算なので、ひょっとすると人件費と資材費などの高騰で400億円程度となり、市負担も130億円台になるのではなかろうか?延伸区間の観音本町~平野町間(2.3㌔)はBPと言っても片側1車線(計2車線)という謎だらけのスペックだ。本来であれば、片側2車線(計4車線)とし、BP区間に入る東雲地区まで延伸するのが常道だ。BPのような自動車専用道路の目的は、大型車両のような業務車両と一般車両の分離だ。スペックが中途半端過ぎて、これで130億円台の市負担は費用対効果を十分得られるとは思えない。従来からの主張の繰り返しとなるが、仮に建設したいのであれば東雲地区までとして4車線で建設すべきだ。そうした場合、建設費600億円程度で市負担は200億円以上になると思うが、まだ現行の計画よりは費用対効果が少し高いかも知れない。

【考察その2】
如何にして都心部、デルタ内の流入する自動車交通を減らすのか?そんな発想が皆無

時代は、放射状道路整備から環状道路整備に移っている


画像7 15年と30年の国道2号線と西広島BP高架部の交通量の予測(画像 広島市HPより)

 広島市の道路整備の方向性が未だに高度・安定成長期さながらの放射状道路整備中心に偏り、デルタ内や都心部地区に流入する通過交通を如何にして減らすのか?この視点が決定的に欠けている。『モーターリゼーションは仕方がない。自動車交通量は増えて当然、だからBPを整備する』との固定観念に囚われ、思考停止している。では広島市以外の地方都市はどうだろうか?とっくにその固定観念から脱却して、道路建設は環状道路整備に舵を切っている(下記画像8~11参照)。環状道路の効能は、⓵郊外部から都心部地区に流入する通過交通の排除 ②都心部地区に流入する目的交通の分散誘導(一方向の偏り是正) ➂郊外拠点地区間の直接移動(交通需要の調整) である。そして今や日本全国どの都市も標榜する集約都市建設の第一歩目が環状道路整備でもある。大笑いしたのは、前回参考とした中国新聞記事に『都心部地区の自動車アクセスを改善させる』とあったことだ。もう少し、集約都市の意味を理解してから発言したほうが良いだろう。平たく言うと集約都市とは、モーターリゼーションに迎合した拡散都市化を是正して、公共交通移動中心の都市構造に改めることで、それを全否定してどうするのだろうと思った次第だ。要は環状道路整備に邁進している他の地方都市は、都心部地区やその近隣市街地の通過自動車交通の問題を環状道路整備で解決しようとしている。『それなのに広島市ではまだ・・・』になるのだ。実は広島市には、正規の一般道路での環状道路計画は存在しない。一応それらしきものは計画ではなく、構想としてあるにはある。広島高速5号(東部)線と同南北線である。仮にこれが開通すれば既存の2号、3号線とつなぎ合わせて都市高速道路での環状道路が誕生する。 ~広島都市圏高規格道路計画図~ ただ有料道路方式では、『時間を買う』との概念に乏しい地方都市広島では効果は限定的だ。そもそも有料道路方式の環状道路は、多くの一般道路での環状道路を整備しても捌き切れなくなった時に導入するもので、順番が違う。広島市の高い都市計画センスがここでも如何なく発揮されている(笑)。

スクリーンショット (745)
画像8(左) 拡大図 秋田市の3環状道路(画像 秋田市HPより)
画像9
(右) 拡大図 宇都宮市の3環状12放射線道路図(画像 宇都宮市HPより)


画像10(左) 拡大図(要拡大) 新潟市の放射環状型の幹線道路網(画像 新潟市HPより)
画像11(右) 拡大図(要拡大) 姫路市の3環状道路(画像 姫路市HPより)

 どの都市も3本の一般道路方式での環状道路計画となっている。名称は内環状道路、中環状道路、外環状道路と呼ぶことが多い。全てではないが、内環状道路と中環状道路は既存の市道や県道を組み合わせることが多く、殆どの都市が開通している。市域内の外縁部や都市圏内を貫通させる外環状道路は、既存のBPなどの高規格道路を軸にして、足りない区間だけ地域高規格道路として整備している。国も地方も財政難なので、取り掛かりが早かった一部の都市以外は全線で開通している例は少ない。ただ20年代後半~30年代前半にかけて、計画されている
殆どの都市では開通するものと思われる。放射状の道路整備-主要幹線道路のBP-でも大きく後れを取った広島市は、ここでも大きく後れを取る可能性が実に高い。3本の環状道路計画がある都市が先進的ではなく、広島市が少しズレているのである。少なくとも数の上ではそうなる。広島市の道路交通問題はいつも周回遅れだ。話が前後するが、集約都市建設の第一歩目が環状道路の整備と書いた。理由は、都心部地区の通過自動車交通量を減らし、自動車交通量自体を大幅に削減して歩行者中心の都市空間に再配分することが求められるからだ。それには複数の一般道路での環状道路が必須となる。通過自動車交通を都心部地区やその近隣を迂回させる道路なくしてこれをやると、都市の物流機能に支障をきたすことも考えられる。だからこその環状道路整備になる。そして、今後大都市も含め広島市で重要となる路面公共交通-路面電車、バスなど-の走行環境整備にも好循環をもたらすものだ。沿線の自動車交通量の減少が最大のものだが、それにより専用走行路、PTPS(公共車両優先システム)設置のハードルも低くなる。


画像12 広島市の都心部地区及びデルタ内地区の道路交通問題について

 環状道路の整備は有効だがこれだけで自動車交通量そのものを激減させるわけではない。あくまでも都心部地区、デルタ内地区を迂回させるだけ効能に終わる可能性が高い。自動車利用者を減らす努力が欠かせない。既存の公共交通の再編と強化-路面電車、バスの高度化-と共に交通需要マネジメント(TDM)などのソフト施策も必須となる。リンクページに飛ぶと各種の施策が所狭しと並んでいるが、一番効果的なのは公共交通利用への転換だ。理屈は簡単な話で、自動車利用を今よりも公共交通よりも不便なものとするだけだ。一例として挙げれば、スイスの世界都市チューリッヒがある。欧州の金融都市として名高い同市だが、欧州で最も公共交通が利用されている都市である。しかもフル規格地下鉄などの地下式鉄・軌道系公共交通機関なしで市内移動に係る各分担率では、公共交通が何と37.0%を占め比較的公共交通利用が高い欧州都市よりも20%近くも高い。因みに広島市は16.0%、仙台市は16.5%となっている。チューリッヒは過去に
地下式鉄・軌道系公共交通機関の導入の是非を住民投票で3度否決され、トラム(路面電車)を昇華させたLRT、速達性を向上させたバスが基幹公共交通として大活躍している。高度に効果的な公共交通の供給を維持するために公共交通を優先させる新しいソフトウエア(公共車両優先信号)が1975年開発され、82年より本格導入に至った。SESAMシステムと呼ばれ、現在の主流のPTPS(公共車利用優先システム)の雛形となった。市内の主要な約 400の交差点の各車線の地中には、約3,000の感知器が設置されている(カバー率90%以上)。トラムや各バスには車載装置が搭載され感知器で得た通行車両のデータが中央情報センターに送られている。要は、公共交通車両に道路走行の優先権を与え、自動車には与えず不便なものにしているのだ。


画像13 
欧州都市の中で最も公共交通分担率が高いスイスの都市チューリッヒのトランジットモール区間の様子(画像 ユーチューブ動画撮影より)

 チューリッヒのシステムの俊逸な点は、個別交差点の信号のリアルタイム制御 ②ミクロセル制御-4~8交差点分の信号のグループ ➂マクロセル制御-市内7ゾーングループ による三層制御を行い、市内全域の道路管理を意図的に管理し、市内流入方向の自動車交通に対して青信号時間の短縮化で、実質的な自動車の流入規制を課している点だ。これにより自動車利用者を公共交通利用にスムーズに転換させている。導入コストは当時のフル規格地下鉄500㍍建設程度(100億円未満)で、抜群の費用対効果となっている。交通需要マネジメント(TDM)の生きた教本のような都市交通政策だ。ここまで徹底している都市は多くはないが、発想を180度転換させると低コストでもここまでできる好事例だ。未だに交通需要の対応に四苦八苦している広島市との違いは明らかだ。考察2であれこれ語った点を踏まえると、広島市の対応の周回遅れぶりがよくお分かりだと思う。確かに他都市では既に終わっている主要幹線道路のBPなどをしてから、環状道路整備に取り掛かるのが筋だがこれをしていたのでは、遅れが取り戻せず他都市との差は埋まらない。そこの部分を捨て速やかに集約都市建設の沿った環状道路整備に軸足を移すべきだろう。まずは環状道路の計画を立案することが必要だ。ルートなどは下記画像13で問題ないと思う。3本の環状道路のうち完全新規事業となるのが中筋温品線の2~5工区、広島高速2号線高架下の一般道路の区間だけだ。市道方式では、数十年経っても開通しない可能性もあるので、1/3負担で済む国道扱いの地域高規格道路として整備すれば、問題は解決する。現行の西広島BP高架延伸事業の市負担は02年当時で約100億円。試算し直せば、130億円以上は確実だ。しかも謎の平野町止まりで2車線と言う低スペック。無駄な公共事業の批判のそしりは免れないだろう。そろそろ発想を転換させ、集約都市建設に資する道路整備の在り方を考える段階に入っている。

画像14 ブログ主提案の①都心環状道路 ②中環状道路 ➂外環状道路のルート図

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カテゴリー記事 広島の都市交通 道路

今日の話題 1月29日中国新聞22面より引用
延伸効果の検証始まる
西広島バイパス高架 検討会が発足


画像1 1月29日中国新聞22面より

【記事詳細】
 広島市中心部の国道2号西広島バイパス高架延伸事業の整備効果を検証するため、市をはじ
 め沿線自治体や国土交通省広島国道事務所などでつくる検討会が28日発足した。中断され
 ている計画区間の西区観音本町~中区平野町(約2.3㌔)の早期再開を目標とする。事業
 の必要性や費用対効果をまとめ、国土交相に報告する。会合は非公開で、この日、市役所で
 初会合があった。事務局の広島市によると、事務局が渋滞緩和や遮音壁による騒音軽減効果
 などの整備効果を説明。市が近隣市町と経済活性化を目指す『200万人広島都市圏構想』
 の進展や、昨年10月、都市再生緊急整備地域に指定された紙屋町・八丁堀地区への導入路
 としての意義も議論したいという。

 検討会は、広島、廿日市、大竹市と、広島商工会議所、中国経済連合会、広島国道事務所で
 構成する。会長に就いた広島市道路交通局の谷山勝彦局長は、報道陣の取材に『地域の期待
 が高まっている。出来るだけ早く進めたい』と述べた。2018年度内にも次回会合を開
 き、計画区間の費用対効果を検証する。02年度の着工予定だった延伸事業は、整備費の一
 部負担をする市の財政難などを理由に中断。渋滞緩和などの効果を認めた15年の最高裁の
 決定を機に、市は再開を求める姿勢に転じた。昨年6月、地元57団体が国や市などに早期
 の全線開通を要望。同10月には、松井一実市長たちが石井啓一国交省相を訪れ、事業再開
 を要望していた

【考察その1】
事業再開に目途がつきつつある西広島BP高架延伸事業


画像2 拡大図 西広島BP都心部高架延伸区間の概要(画像 西広島バイパス都心部延伸事業促進協議会HPより)

 今回の新聞報道によると、事業再開に向けた地ならし作業が順調に進んでいる印象を強く持った。底意地の悪い見方をすれば、要望する側もされる側も『復活ありき』を大前提に所定の手続き-沿線民意の盛り上がり、沿線自治体の事業再開への強い意思の醸成、国への要望、復活に向けた費用対効果などの理論武装-と各段階を歩んでいる。今後を予測すると、20年度頃に事業の再採択、基本・実地設計などの期間を経て20年代前半に工事再開、工事区間が約2.3㌔と短いので20年代半ば、遅くとも後半までには全線開通するのではなかろうか?仮にそうなれば、1965年の事業化から約60年(爆)の年月を経てようやく全線開通の運びとなる。強い沿線住民の反対や市の財政難に、散々振り回された感があるが、まさにようやくである。費用対効果の検証など、必要性はあるがそもそも口にこそ出せないが『復活ありき』が大前提となっているのでゼロベースからの再検証などでは決してなく、復活するに値する諸指標を並べ立てるのは世の倣(なら)いだろう。官に限らず、この種の検討作業というのは、検討以前から結果ありきでその結果に理論的に誘導し、正当化させるための儀式であることが非常に多い。良し悪しの問題は別として、世の中こんなものである。これまでの記事でも散々してきたが、今後、超高齢化や人口の大幅減少という縮小社会への本格突入を控え、本当にこのスペック程度の道路が必要なのか?根柢の疑問が払拭できないのがブログ主の偽ざる気持ちだ。『この程度のスペック道路』とこき下ろす理由は、①謎の平野町止まりで、自動車専用道路区間の東雲地区には接続しない単発道路 ②延伸区間の観音本町~平野町間(約2.3㌔)は全線開通でも両側2車線の対面通行 ➂①と②のような中途半端極まりない道路なのに沿線自治体(広島市)の負担金は約100億円(14年度試算)と決して安価ではない である。仮に高度成長期や安定成長期であれば、財政上の余裕があるので建設はありだと思うし、東雲地区まで両側4車線区間で建設すれば、都市圏の物流機能を下支えする欠かせない都市インフラになっていただろうが、諸般の事情で開通が遅れに遅れ、低成長時代の次段階である縮小社会に片足を突っ込んでいる時代に、低スペック道路を建設する意義があるのか?とつい思う。ブログ主の長年の所感だが、広島市及び同都市圏は、猫の額のような平野部が僅かに東西方向に広がり、そこに都市インフラや高次都市機能が集中立地している。道路や公共交通整備も自然に東西方向最優先になるのが自明の理である。自明の理だが、現実にはそうなっていない。公共交通に関しては、公共交通最大の移動需要がある東西方向の路線よりも、市北西部の交通渋滞解消のために南北路線(現アストラムライン)が優先された。道路に目をやると反対などもあり、棚上げされ結果的に南北方向(各国道54号線BPなど)が先に開通した。目先の都市課題解決に追われそれに終始して、大計的な都市戦略に乏しい。


画像3 現在の終点の新観音橋東詰付近の様子(画像 広島商工会議所HPより)

 
うろ覚えで大変恐縮だが、03年当時現在未開通区間の観音本町~平野町間の工事の見送りも、市が財政非常事態宣言(広島市HP)を出し、広島南道路(広島高速3号線)建設との財政上の理由による二者択一を迫られ、広島南道路を選択した経緯があった。これはこれで間違いではないと考える。広島南道路(以下 南道路)は東広島BP(9.6㌔)、安芸BP(7.7㌔)などと共に東広島廿日市道路(51.9㌔)の一部を形成している。広島都市圏の東西の大動脈である国道2号線の有・無料の自動車専用道路で地域高規格道路の背骨とも言える路線だ。現国道2号線の渋滞緩和だけではなく、広島市域や同都市圏の都市の物流機能としての役割を担う。現在の中途半端な形-有料道路(広島高速3号線)と一般道路とのつぎはぎ-で開通したのは14年3月だが、市道霞庚午線のBP効果は果たしているが、国道2号線のBP効果はさほど果たしてはいない。理由として、一般道路の無料区間が宇品・出島地区と商工センター~吉島地区と分離され繋がっていないことや暫定2車線区間が多いこと。西広島BP、広島岩国道路との廿日市Jctとも繋がっておらず、西広島BPを通行する自動車を誘導しにくい状況があると考える。逆に言えば、この理由を潰せば、現在の国道2号線のBPとして十分機能するとも言える。現在南道路の建設は、廿日市市の木材港地区の一般道路部分となる県道廿日市草津線2期区間(1.3㌔)が建設中で、23年頃の開通を目指している。他の区間は南道路に関しては動いていない。広島高速3号線(南道路高架有料道路)の減価償却目的でこちらに誘導したいのは十分理解できるが、本来の目的である国道2号線の渋滞解消もままならず、そのためにさらなる投資を余儀なくされている。中途半端なものを2つ建設するのであれば、『大は小を兼ねる』ではないが、多少のコストがかかり時間を要しても1つに絞りフル規格での開通を目指したほうが本来の目的も果たせ、結果的に安上がりに済むと思うのはブログ主だけだろうか?先に説明した低スペックの西広島BP高架延伸事業で、市負担分100億円も供出できるのであれば、南道路の広島岩国道路(西広島BP)廿日市Jct~宇品地区又は仁保新町地区の一般道路のフル規格(4車線)開通に県と共に投資したほうが、一挙両得のような気がしないでもない。西広島BP都心部延伸事業も、東西方向の地下式鉄・軌道系公共交通同様建設期を逸して、建設意義も低下していると思えるのだ。そもそも市内の放射状の主要幹線道路の整備する発想が、旧態然とした道路整備の域を超えておらず都心部地区やデルタ内地区に流入する自動車交通量をどう減らすのか?との発想が欠けている。根本治療ではなく、対処療法に終始しており『そろそろ頭の中を切り替えようよ』と言いたくもなる。新聞記事でも触れているが、『都市再生緊急整備地域に指定された紙屋町・八丁堀地区への導入路としての意義』はかなりの違和感を感じる。都心部地区への移動は公共交通が中心で考えるのが普通で、的外れだろう。自動車専用道路を都心部地区への誘導路に、と考える発想自体が集約都市構造への転換を掲げている自治体のそれとは到底思えない。


画像4 拡大図 広島南道路のルート図(画像 広島市HPより)

【考察その2】
対処療法的な道路整備から根本治療的な道路整備への転換を!

スクリーンショット (745)
画像5(左) 拡大図 福山市の福山環状道路の概要(画像 広島県HPより) 
画像
6(右) 宇都宮市の3環状12放射線道路図 概要(画像 宇都宮市HPより)


画像7(左) 拡大図(要拡大) 新潟市の放射環状型の幹線道路網(画像 新潟市HPより)
画像8(右) 拡大図(要拡大) 姫路市の3環状道路(画像 姫路市HPより)

 日本の都市の規模は関係なく、60~90年代半ば辺りまでの道路整備は主要幹線道路のBP整備などモーターリゼーションの進行で増え続ける自動車量にどう対応するのか?これに主眼が置かれていた。環状道路整備に着手していた自治体もあったが、どちらかと言えば少数派だった。自動車交通量自体をどう減らすのか?や、目的外の通過交通をどう迂回させ流入を防ぐのか?などの発想は皆無だった。その後、多くの自治体では都市規模関係なく、地域高規格道路での環状道路の整備に舵を切り直し、集約都市-ネットワーク型コンパクトシティ-への転換などもあり、全ての都市と言う訳ではないがと既存の都市計画道路を活用した都心部地区を外周する小規模な内環状道路、同様に市街地を結ぶ中規模な中環状道路、整備済みの既存のBPを取り込み、新設区間もある地域高規格道路として外環状道路の3本立てのパターンが多い。上記画像5~8はその一例である。画像の4市に限らず、取り上げたらきりがないほど多くの都市で計画され順次整備されつつある。コンパクトシティの本場欧州都市でも、まずは都心部地区(旧市街地など)を歩行者中心の都市空間に改変するに当たり、目的外の通過交通を排除する環状道路整備を行うのが常だ。 ナント(仏)の外周道路と歩行者専用道路 ストラスブール(仏) 
ミュンヘン(独 コンパクトシティの肝の中に自動車中心の移動から公共交通移動に、都心部区間を自動車中心から歩行者中心にすることなどがある。コンパクトシティの類似形である集約型都市においても同様で郊外地区にも核があるかないかの違いだけだ。道路系記事の中で散々指摘しているが、広島市の現在の道路計画の中には一般道路での環状道路計画は皆無である。類似構想としては、広島高速道路のそれはある。 広島都市圏高規格道路計画図  構想止まりの5号(東部)線の2期、南北線が開通してようやく実現の運びとなるが、今後整備対象となりそうな広島高速4号(広島西風新都)線の山陽自動車道路の接続や記事の西広島BP高架延伸事業が終わり次第になる筈なので、早期整備はまず望めない。反対などの問題が起きなくても開通は30年代初頭頃になると予測する。構想路線の計画路線への昇格を議論する際に、導入の是非の検討も当然行われ、この路線自体が不要となる可能性も高い。実現するにしてもルートが都心部地区近隣の住宅地を経由するので、騒音や日照権の問題で動かなくなるのではなかろうか? 


画像9 広島の道路交通問題の指摘(画像 中国地方整備局HPより)


画像10 ①赤点線-市道高陽沼田線(アストラム高架下道路)、茶点線-草津沼田道路、青点線-広島南道路一般道路、点線-市道中筋温品線で繋がっているが広島高速2号線部分の一般道路がないので環状化していない

 一般道路での環状道路計画の欠落が、広島市の都市計画センスを雄弁に語っている。今の時代に始まったことではないが、何かピントが少しズレているのだ。上記画像10は、広島市の都市計画道路を一部を関連分のみ貼りだしたものだ。広島高速2号線の高架下に一般道路を整備すれば、計画上は環状道路が現出する。ただし計画は、何度も言うがない(笑)。『広島高速道路があるだろ!』とのお叱りの声が聞こえてきそうだが、一般道路の環状道路と都市高速道路とではそもそもの役割が異なる。環状道路は通過交通の排除が目的であるのに対し、都市高速道路は一般車両と業務車両とを分離させ物流機能の強化がその目的で同じ道路でも非なるものだ。環状道路の効能は、①通過交通の都心部地区流入の抑制 ②郊外から都心部地区への交通を分散導するBP機能 ➂郊外地区間の直接移動 ④災害や事故による迂回路として機能 などがある。広島市の場合だともう一つ役割が加わる。それは、路面公共交通(路面電車、バス)への好影響だ。単純に考えれば、都心部地区及び周辺のデルタ内の各道路の自動車交通量が減少すれば、走行環境は改善される。交通量が減少すると公共車両に優先権を与える処置-PTPS(公共車両優先システム)設置-の環境も整う。走行環境に関して言えば良いこと尽くめなのだ。よってブログ主は、旧態然たる道路整備-放射線状のBP整備-から集約都市構造への転換の謳っている以上は環状道路整備に重きを置くことが肝要かと考える。広島市の大計(戦略)こそ集約都市なので、今の時代に沿ったものなので評価できるのだが、大計(戦略)を実現する術(戦術)が不足している。集約都市建設は、公共交通の再編と強化、そしてそれに係る道路整備と一体としたものであることが理想で、それぞれ別の問題ではない。分けて考えること自体、やはり広島市の都市計画センスがなせる業(わざ)だろう。まだ間に合うと考えるのであえて書くが、直近の市の公共交通計画策定 公共交通の体系づくりの基本計画(広島市HP)の時の議論のように、集約都市建設時代に促した道路整備の在り方を模索する協議会を設置する必要性を感じる。

画像11 ブログ主が『他都市先進事例 その6 環状道路』で提案した①都心環状道路 ②中環状道路 ➂外環状道路のルート図 大半は既存道路の流用である

 環状道路整備が目的外の通過交通の排除に一定の役割を果たすことは言うまでもないが、かといってすべての道路交通問題を万事解決する訳でもない。自動車交通利用の数自体を減らす発想も同時に求められる。参考にするには都市交通に係る諸制度が異なるので模写は難しいが、一応紹介する。スイス最大の都市で、スイス銀行に代表されるように国際金融市としても有名なチューリッヒだ。この都市は、フル規格地下鉄はおろか、地下式の鉄・軌道系公共交通がない。市内にはLRTに昇華されたトラム 109.3㌔、トロリーバス54.0㌔、バスネットワーク 89.9㌔だけで高密度かつ高頻度なサービスが提供されている。50~60年代に、地下式LRT案とフル規格地下鉄案は住民投票で否決され現在に至っている。82年に現在の主流のPTPS(公共車利用優先システム)の雛形になっているSESAMシステムを開発し、市内の主要な約 400の交差点の各車線の地中には、約3,000の感知器
が設置された(カバー率90%以上)。
トラムや各バスには車載装置が搭載され感知器で得た通行車両のデータが中央情報センターに送られる。このデータをもとに、中央情報センターの大型計算機は、各交差点の通過車両数と速度を推定し、次いでこれらの推定値をもとに、オペレーターのプログラムに沿ってリアルタイムで交差点のサイクル長やフェ ーズを調整する。個別交差点の信号の①リアルタイム制御、②ミクロセル制御-4~8交差点分の信号のグループ、➂マクロセル制御-市内7ゾーングループによる三層制御を採用している。細かい説明は割愛するが、マクロセル制御で郊外と市内とを結ぶ約20カ所の道路においては、市内流入方向の交通に対して青信号時間の短縮化で、実質的な自動車の流入規制が課されている。同時に公共車両(トラムとバス)に市内道路走行の優先権を与えており、自動車速度を抑え公共交通への誘導を行い交通需要マネジメント(東京都環境局HP)も実践している。公共交通分担率は欧州都市最大の37.0%で広島市の16.0%の2.3倍となっている。信号制御で敢えて自動車利用を少しだけ不便なものにして、公共交通利用を促進させる理想的な施策である。導入コストは100億円未満と、フル規格地下鉄の500㍍分の建設コストと同額であり得ないほどの高い費用対効果を示している。


画像12 欧州都市の中で最も公共交通分担率が高いスイスの都市チューリッヒのトランジットモール区間の様子(画像 ユーチューブ動画撮影より)

 広島市の話に戻る。実は広島市は、PTPS(公共車両優先システム)導入の下準備と言える光ビーコンの設置は市内の殆どの道路で設置し終わっており、後は道路を管理する県警が英断を下し、公共車両が車載装置を搭載すればOKの状態なのだ。賛否が真っ二ついや、非の方が明らかに多い意見と承知の上言わせてもらうが、道路整備だけでこの記事内で触れた都市交通問題全体を解決するのは不可能だ。交通需要マネジメント(TDM)のようなソフト施策も併せて行わないと、集約都市建設で謳う公共交通中心の移動など絵に描いた餅に終わる。人間は、一度手にした利便性を絶対に手放さないからだ。広島市も前秋葉市政時に、財政難もあり交通需要マネジメント取り組みを重視してきた。
合交通戦略(広島市HP)の中でその姿勢を打ち出した。姿勢は評価できるのだが、実効性を伴うとは言い難く効果は殆ど上がっておらず、自己満足の範疇だ。ブログ主が考える究極の交通需要マネジメント(TDM)とは、先に紹介したスイスのチューリッヒのようにPTPS(公共車両優先システム)を都心部地区、及びデルタ内地区に漏れなく設置して朝のラッシュ時に都心部に流入する方向の自動車利用を意図的に不便なものに操作し、逆に公共車両には道路走行の優先権を与え、利便性を向上させる施策を取るのだ。終日に渡りこの姿勢では、さすがに問題があるので時間限定の処置とする。要は個人の自動車利用を今よりも不便なものとし公共交通に誘導させるのである。ある程度の道路整備は、都市経済を支える上で必要不可欠だ。その中でも環状道路は、集約都市建設には欠かせない包括メニューの一つで、これなくして実現はあり得ない。同時に、道路整備だけでは永遠のイタチごっこで、潜在需要を誘導する側面があることを忘れてはならない。ブログ主が提案した外環状道路の整備は、地域高規格道路として整備することを前提としている。建設費負担は、国が2/3となり、市道整備方式よりも早く開通するだろうが、それでも相当の年月を要することには変わりはない。広島市の交通施策を含めた都市政策全般を俯瞰すると、対処療法に終始してもう一つ上の根本治療を施す発想に乏しく感じる。対処療法のみでは、その時は一定の成果は得られても効果が現手にされ、時期が来ればまた同じような課題に直面し、悪戯に労力を要するだけで解決はしない。そろそろ、過去の悪弊と決別して大局的な視点からのソフトとハード両面からの道路整備の在り方が問われているのではなかろうか?


画像13 路面電車におけるPTPS(公共車両優先システム)の仕組み(画像 国土交通省HPより)
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前回記事 広島の都市交通 広島の道路の話題 2
シリーズ記事 
広島の都市交通 道路

▼今日のお題 10月31日中国新聞25面より


画像1 10月31日中国新聞25面より(ブログ画像からは全て読めません)

【記事詳細】
 広島高速5号二葉山トンネル(広島市東区 1.8㌔)の事業費が契約時と比べ膨らむ見通しと
 なった問題で、広島県の湯崎知事と広島市の松井市長は30日の記者会見で、事業主体の広島高
 速道路公社(東区)に苦言を呈した。増額に伴って追加負担が発生するかどうか、公社と工事請
 け負う共同企業体(JV)の協議を見守る考えも示した


 湯崎知事は、今回の問題について『公社とJVの間で認識に違いが生じており、遺憾だ』と受け
 止めた。松井市長は『当事者の受け止めが、ややあや府やになったまま、受注額を決定してい
 る。認識の違いがある中で作業を進めたのは問題だ』と述べた。公社によると、対象工事は西側
 の二葉の里地区から1.4㌔のトンネルを、地盤沈下を最小限度抑えるとされる『シールド工法
 』で掘る。199億9,999万800円で受注したJVは、見積書で6項目の経費を事業費から
 ていた。公社は記載内容を認識していながら、契約した可能性が高いという

 公社が進める事業で、県と市は原資の一部を出資金で負担する。追加負担について、松井市長は
 『必要な費用をどう処理するのか?当事者間の間での解決を見守る。その後、どう対応するか考
 える』とした。湯崎知事は『公社とJVが工事費を精査し、どちらがどう負担するのかを見た上
 で考える』と述べるにとどめた

【考察その1】
今回の不始末について
責任の所在は広島高速道路公社なのか、JVなのか

画像1 広島駅北口インターチェンジ(仮称)の二葉山トンネル東側出入り口の工事の様子(画像 アンドビルド広島より)


画像2 二葉山トンネル掘削で使うシールドマシーン(画像 広テレニュース画像より)

広島高5号線
画像3 広島高速1・2・5(東部)線ルート図(画像 広島高速道路公社HPより)

 広島高速5(東部)号線は、高速1号(安芸府中道路)線と2号(府中仁保道路)線が接続する東区温品の『温品ジャンクション』から、広島駅北口の二葉の里地区を結ぶ約4.0㌔の有料方式の自動車専用道路で都心部地区の東側外縁部と広島高速道路を介して、山陽自動車道と結ばれ広島空港への時間短縮効果などが期待されている。当初は、12年度に一部区間開通予定だったが、トンネル工事の反対運動が起きたため、17年に変更され、その後さらに20年3月頃まで引き延ばされ、最終的に21年3月開通予定になっている。今回、問題となっているのは、全区間4.0㌔の二葉山トンネル区間1.8キロのうちシールド工法で掘削する1.4㌔の工区だ。199億9,999万800円でJVが受注したのだが、実は見積書で6項目の経費を事業費から除いていたらしいのだ。しかもその事実を広島高速道路公社は知りながら、契約に至ったようだ。それで、湯崎知事や松井市長はお怒りを隠せない様子なのである。当然、6項目の経費を加算するとこの金額で収まる筈もなく、その負担は一体どうするの?の話になる。広島高速道路公社に出資している市と県に泣きつかれるのか?はたまた公社自身、それともJVになるのか?普通に考えたら、広島高速道路公社とJVの2者になり、不足分を補うのが真っ当な考えだが6項目の経費額にもよる。経費額が明らかになっていないので、強くは言えないが数十億円単位になれば、この両者だけで果たして負担できるのか?の問題が生じる筈。料金を値上げして利用者にも一定額の負担を求める考えもあるにはあるが、さすがに筋が通らない。過失責任が皆無だからだ。尻ぬぐいとしては、JVがその大半を負担し、公社もそれなりに負担。それでなおかつ足りないのであれば、市と県に救済の手を求めるのが妥当だろう。 ~高速5号線シールドトンネル工事の工事費増額について~(広島高速道路公社HP)

 
湯崎知事や松井市長の遺憾の意は至極もっともで、財政難の現状を鑑みれば白黒はっきりとコメントはできないし、『これ以上の財政負担だけはマジで勘弁』の本音が見え隠れする。ただ、6項目の経費を事業費から除いたJVもJVだが、知っていながら契約をした公社もそれ以上に罪が重い。公社の出方次第では未然に防げたからだ。事が露見した場合のリスクを考えなかったのだろうか?理解に苦しむ。『これだからお役所仕事は・・・』と揶揄されても反論は出来ない。上記リンクを読むと、今年の4月以降にJV側から含まれていない経費の存在を知らされていたようだ。契約時に公社が知っていたとの記載はないが、仮に知っていたとしても『はい、実は・・・』などとは口が裂けても言わないだろう。中央省庁の障害者雇用の水増し事件同様に、認識の違いという便利な言葉に隠された取り組みの甘さがここでも露見しているようだ。正確な建設費を精査して、予定外の不足分をどのように補うのか?注視したい。


画像4 広島高速道路5(東部)線の詳細図(画像 広島高速道路HPより)

【考察その2】
これからの広島高速道路
差し当って必要性を感じない東部線Ⅱ期と南北線


画像5 現在の広島高速道路ネットワーク図(画像 広島県HPより)


画像6 広島都市圏の高規格道路ネットワーク計画(画像 広島県HPより)

 今回取り上げた広島高速5号(東部)線の開通予定は、21年3月だ。その後の予定を現在分かる範囲で予測したい。俎上に上がっているのは4号(広島西風新都)線の山陽自動車道との接続だ。どうして最初から接続させて開通させないのか?の疑問が残る。1号(安芸府中道路)線も86年の開通当初(温品バイパス)、山陽自動車道広島東インターチェンジとは接続されておらず、06年に接続された。この道路は山陽自動車道との接続道路としての役割の他に、県道広島中島線のバイパスの役割もあったのだが、広島の都市交通計画は万事この調子だ。で、4号線の山陽道接続は20年代半ばぐらいに開通すると思われる。問題はその後だ。整備計画路線は21年3月の5号(東部)線の開通を以て完了。4号線の山陽道との接続は、基本計画路線だ。他には、3号(広島南道路)線の『西区観音新町四丁目 ~ 商工センター一丁目』があるが、この区間は本来の高架有料自動車専用道路(広島高速道路)区間が無料区間と称して解放されている。整備する場合は本来の無料区間の高架下の一般道路の整備となるので、緊急性は低いと認識されている。さらに次となると計画検討路線(上記画像6参照)になるのではなかろうか?この路線の中には5号(東部)線Ⅱ期(広島駅北口~4号線)、南北線(東部線Ⅱ期~3号線)、草津沼田線が入っている。と言いたいところだが、国道2号線都心部高架延伸の整備が割り込むのでは?と予測する。先に道路関連記事でも書いたが、この道路の広島市負担は14年試算時点で、約100億円(事業費全体で300億円)と言われる。国道バイパスと有料道路方式とでは資金調達方式が異なるので、比較は難しいが広島高速道路公社に市は17年度は38.6億円、18年度は46.3億円も出資している。国道2号線都心部高架延伸と並行しての広島高速道路建設は難しいだろう。20年代半ばはアストラムライン延伸(西風新都線)、広島市東部連続立体交差化事業、スタジアム建設、広島中央卸売市場中央市場建て替えなども本格化する筈なので、尚更そう思う次第だ。


 これらが落ち着くかも知れない30年代初頭にようやく『では次は?』になると予測する。ただ30年代は今よりも15年後の時代だが、アストラムライン都心線(広島市HP)や広島高速道路の新規路線建設などは、膨大な数の既存都市インフラの更新や30年代に入り本格化する縮小社会(超高齢化+大幅人口減)により目も向けられなくなるのではないだろうか?高騰する扶助費-市独自の社会保障予算-が手かせ足かせとなり、財政の硬直化がより進む。膨大な数の既存都市インフラの更新は現在でもほぼ更新期に入っているのだが、財政難のため耐震強化や延命補修でお茶を濁し(要は先延ばし)、耐用年度限界まで使い切る流れとなっており、それらが30~40年代に一気に『待ったなし』になりそうだ。5号(東部)線が最後の新規建設路線となる可能性は高い。4号線の山陽道接続後は、もしかしたら暫定2車線開通区間のフル規格(4車線)化工事が最後になるかも知れない。これは30年代の為政者の判断になる。5号(東部)線Ⅱ期(広島駅北口~4号線)、南北線(東部線Ⅱ期~3号線)は構想路線の域なので詳細ルートは不明だ。大雑把なルート図を見る限りでは、広島駅北口(5号線Ⅰ期終点)~(城北通り)~横川駅~(寺町・舟入通り)~江波(3号線)のようだ。仮にこれが開通すると自動車専用道路での環状道路が開通する。道路幅の問題で中央分離帯に橋脚を設けた高架道路ではなく、道路の左右の歩道に高架道路の橋脚を設ける形となり、日照権や騒音などの生活権侵害をめぐる住民訴訟の問題も絶対に起きる。それ以前にこの道路が本当に必要なのか?の根本的な問題もある。都市高速道路方式での環状道路整備は、確かに都心部地区目的ではない通過交通を排除する効果があるだろう。ただ一般道路方式のそれに比べ効果は限定される。都市高速道路の利用は、時間短縮効果が大きければその価値は上がる。逆に効果が低い場合や、代替えルートが複数あれば無料である一般道路を選択するのは当然だ。その観点だと、5号線Ⅱ期や南北線はさして緊急性が高いと思えない。



画像7 先進国首都クラスの最内側高速環状道路の延長と平均半径(国土交通省HPより)

 都市景観への影響も看過できない。ブログ主が想定した同線ルートだと都心部地区とデルタ内地区の境界線付近になる。無粋な高架道路が横川駅付近や寺町付近に相応しいのかと問われたら、答えは『否』だろう。東京23区や大阪市の事例を盾に取り、都心部地区及びその近郊の都市高速道路の存在を是とするのは少し違う。上記画像7は先進国の首都の環状高速道路の延長㌔数と平均半径の比較だ。延長㌔数が長く、平均半径が大きいほど都心部地区と高速道路が離れていることを意味する。東京23区の突出ぶりが明らかだ。北米大都市は例外として、それ以外の大都市では、都心部地区に無粋な高架道路を建設することなど都市計画上のタブーとされていることを知るべきだ。東京23区や大阪市が正解なのではなく、間違いなのだ。それに一度建設して都市景観を壊してしまえば、撤去には建設時の何倍もの労力が必要となる。地方都市の場合、一般車両と業務車両の分離を目的とした都市高速道路の利用は予測値を下回る場合が多い。『時間をお金で買う』という概念が希薄なのもあるが、首都圏や関西圏よりも道路交通事情が逼迫していないことも理由として大きい。要は使う必要性があまりなく緊急時のルートぐらいの認識だったりする。それよりも、ネットワーク型コンパクトシティ-集約都市実現に必須な複数の一般道路の環状道路整備のほうが緊急性が高い。環状道路計画がない集約都市計画などその本気度を疑う。広島市のそれが典型例で、コンパクトシティのイロハのイから学んだほうがいい。ブログ主の道路に関しての考えは次の記事リンクに大体書いている。 ~他都市先進事例 その6 環状道路~ 都市のステータス欲しさにフル規格地下鉄、都市高速道路などを求めるのは高度・安定成長期時代の発想で古い。本当に必要であれば、それはそれでいいのだがもうそんな時代ではないと考える。

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前回記事 広島の道路の話題 1
カテゴリー記事 
広島の都市交通 道路

 ついに国道2号線バイパス『西広島BP都心部高架延伸』の凍結解除に向け、市と国が動き始めた。ブログ主はかねてからこの道路のスペックの低さから、費用対効果に疑問を持っている。官民挙げての復活に向けての運動には、復活ありきが先行して危うさが伴う。そんな記事が中国新聞に掲載されていたので当ブログでも取り上げたい。
………………………………………………………………………………………………………………………
▼今日のお題 10月23日中国新聞3面より
西広島バイパス 高架延伸 効果検証へ
広島市長要望 国交相回答


【記事概要】
 広島市中心部の国道2号線西広島バイパス高架延伸事業について、石井啓一国土交通相は22日、凍結解除に向け、市などと整備効果の検証のための組織を設けると明らかにした、早期の事業再開を求めて国交省を訪れた同市の松井一実市長や広島商工会議所の深山英樹会頭たちの要望に答えた。市は、19年度予算に関連経費を盛り込めるよう、調査を急ぐ考えだ。


画像1 10月23日中国新聞3面より(ブログ画像からは全て読めません)

【記事詳細】
 計画区間は、西区観音本町-中区平野町の約2.3㌔。松井市長たちから要望書を受け取った石
 井国交相は『広島と都心部へのアクセスとして非常に重要』とした上で、『国や市、関係機関で
 整備効果について検討する場をつくり、具体的な動き出したい』と述べ、前向きな姿勢を示し
 た。冒頭を除き非公開の形式で行われた面会後、取材に応じた松井市長は『いい回答を頂けた。
 多くの方が納得できるよう事業効果を検証した上で再開したい』とした。検討組織は、市と県、
 国、経済団体などで構成される方針だ。

 要望書は、地元経済界の
西広島バイパス都心部延伸事業促進協議会』(公式HP)、広島市、
 廿日市市、大竹各市でつくる『国道2号線西広島バイパス高架建設促進期成同盟会』などの連名
 にしている。松井市長は面会の中で、周辺23市町と連携する広島広域都市圏の目指す経済活性
 化や人口維持にとって重要な幹線道路になると強調。紙屋町・八丁堀地区が国の都市再生緊急整
 備地域に指定されることを受け、活性化に不可欠だとも説明した

 今回の検討組織設置は、一旦凍結した事業の再開へと踏み出す第一歩になる。延伸事業は国が同
 区間の着工を目前に控えた03年頃、当時の秋葉忠利市長が市の財政難と周辺住民への説明不足
 を理由に凍結した経緯がある。14年試算では市負担が約100億円とも言われている。都心の
 活性化の観点に立った道路ネットワークの検討の声も上がる。これらの面で、巨額な投資額に見
 合うだけの効果が得られるのか?精査が欠かせない


画像2 画像1の拡大図
………………………………………………………………………………………………………………………
【考察その1】
先見性のない都市交通行政の象徴西広島BP都心部高架延伸

はっきり言うがこんな中途半端な道路は要らない

画像3 拡大図 西広島BP都心部高架延伸区間の概要(画像 西広島バイパス都心部延伸事業促進協議会HPより)


画像4 拡大図 西広島BP全区間の概略図(画像 国土交通省HPより)

 この記事の中国新聞は、良いことを言っている(爆)。記事文中の『都心
活性化の観点に立った道路ネットワークの検討の声も上がる』とか、『巨額な投資額に見合うだけの効果が得られるのか?』などはブログ主と全くの同意見だ(笑)。『ひろしま村の瓦版』だと思って小バカにしていたが、恐れ入りました。半ジョークはさて置き、かねてより、西広島BP都心部高架延伸は不要な道路だと考える。理由は以下の通り。

西広島BP都心部高架延伸が不要な理由
理由その1 何もかも中途半端な道路
 謎の平野町止まり。フル規格でも延伸区間(2.3㌔)は対面通行の両側2車線道路。延伸区
 間は他の自動車専用道路とのネットワーク化が予定されていない。
理由その2 低過ぎる費用対効果
 建設費は14年度試算で約300億円。国道や国道BP整備は政令指定都市の場合、沿線自治体
 負担が発生して広島市の負担は約100億円。こんな低スペックな道路に100億円負担は重過
 ぎる。逆に東雲の自動車専用道路区間までの延伸、4車線道路でこの負担額であれば、それなり
 の費用対効果が見込める(と思う)。整備しても
心部に流入する膨大な通過交通は排除できな
 い 
理由その3 優先順位の問題
 中途な半端かつ、継ぎはぎ状態でつないだ広島南道路の一般道路部分を廿日市木材港(出来れば
 西広島BP廿日市JCT)~宇品及び仁保新町までフル規格の4車線一般道路として整備したほ
 うが費用対効果が高い。この道路は自動車専用道路ではないが最南端の東西幹線道路なので、

 号停車の弊害が少ない 
 
 西広島BP都心部高架延伸事業を完全否定しているが、やみくもに『無駄な公共事業』だとか、『そんな巨額投資をやめ、福祉に(笑)』などと言い張るつもりは毛頭ない。福祉は知らないが、低過ぎる費用対効果を考えると、この事業は無駄には映る。下記画像4は現在の西広島BP都心部高架延伸区間の終点の様子だ。03年10月に観音高架延伸部(観音新橋東詰 - 庚午北 2.1㌔)の供用開始され画像のような姿になった。同区間を着工する99年まで、沿線住民の猛烈な反対で約四半世紀(25年近く)、計画が完全にストップしていた。尻切れトンボで野ざらしになった高架区間を『観音ジャンプ台』と揶揄して、広島の都市交通行政を象徴する造形物だった。文句を言っても仕方がないが、広島都市圏は東西方向に分布し、か細い平野部に高次都市機能などが広く集積している。当然道路や鉄・軌道系公共交通整備も東西方向を最優先して然るべきと考えるのだが、どうも感覚的に違うらしい(笑)。都市計画のセンスと言うか、着眼点の相違なのだろうか?少しだけ理解に苦しむ。周回遅れで本来であれば、70年代後半ぐらいには整備が終わっていないとならない道路だが、集約都市-都心部地区を歩行者中心の都市空間へ再配分-に高い効果が得られるとは考えにくい。広島市最大の紙屋町交差点の1日平均交通量は約8万台。都心部地区の全体交通量は68万台。うち都心目的ではない通過交通量は22万台にも及び、集約都市実現の支障になる。道路整備もこの視点からの発想が必要だ。



画像4 03年10月観音ジャンプ台から滑り台に昇華(笑)した西広島BP都心部高架区間の末端部分(画像 アンドビルド広島より)

【考察その2】
必要としない三大事業『広島市東部連続立体交差化事業、アストラムライン西風新都線、西広島BP都心部高架延伸』
もっと費用対効果が高いものへと取捨選択を進めないと・・・


画像5 広島市東部連続立体交差化事業で高架駅化された向洋駅のイメージ図(画像 広島県HPより)

  ブログ主は、基本的には現在の広島の為政者-広島市長と広島県知事-を積極的ではないが支持している。百点満点で百点に近い理想の政治家など実際には存在しないし、選択肢も限られる。考えというか方向性が近い感覚であれば、細かな部分の相違はあっても大した問題ではない。盲目的な信者というのは個々の思考すら他人に預けると同義で、人として問題が大いにあると考える。で、松井市長の肝入り施策のうちで首をかしげたくなるものがいくつかある。今回の西広島BP都心部高架延伸、アストラムライン延伸(西風新都線)、広島市東部連続立体交差化事業などがそうである。簡単にまとめてみる。

ブログ主が断じる『無駄な3大事業』
                 総事業費   広島市負担額   完成予定
 アストラムライン西風新都線   570億円   289億円  30年代初頭
 西広島BP都心部高架延伸事業  
300億円   100億円    未定
 広島市東部連続立体交差化事業  915億円   166億円    未定
費用対効果が低いと断じる理由
 
アストラムライン西風新都線
 ①都心部区間の延伸計画が実質なく、競合する広電の都心部直通の西風新都方面バスの旅行速
  度が
23.9~27.3m/hと早く、速達性のアドバンテージが確立(既存アストラムラ
  イン30km/h)できない。得られる輸送力は片方向1時間当たり、1,728人/時間でし
  かなく、2連接バス(定員130名)を4分毎に運行させれば事足りる。

 ②西風新都線と既存線ともに沿線の団地群が軒並み市の平均値よりも高齢化が進んでいる。通
  勤通学定期比率(53.8%)も高く、超高齢化と出生数減少の影響が大きく需要の先細り
  が懸念される
 ➂西風新都の開発も大半がめどがつき、開通波及効果も西広島駅周辺地区など一部に限られる
 ④沿線の交通事情がまったく逼迫していない

 広島市東部連続立体交差化事業
 市の負担額の大きさもさることながらまちづくりの貢献度が低い。都心部地区でも郊外の広
 拠点でもないこの地にこの投資額は不要(と思う)。優先順位からも都心部地区に投資し

 うが費用対効果も高い。

『無駄な3大事業』で得られるかも知れない効果らしきもの
 アストラムライン西風新都線
  西広島駅周辺の民間開発の誘導 西風新都石内東地区の開発促進 
 広島市東部連続立体交差化事業
  沿線住民の安全性 事業区間付近の交通渋滞解消 
 
西広島BP都心部高架延伸事業
  国道2号線の渋滞緩和 市道庚午霞線の渋滞緩和


画像6 アストラムライン延伸計画図(一部構想路線含む) 画像 広島市HPより

いずれも市の負担金が百億円を超え、その負担額の割には、応分以上の効果が得られるのか?この疑問がつきまとう。これが60~90年代初頭までのような高度・安定成長期で拡大社会の流れであれば、決して無駄ではなく現在は供給過剰であっても将来への備えの投資としてありかも知れない。悲しいかな、広島市も含め日本全体が縮小社会(超高齢化+大幅人口減)へまっしぐらとなる。他記事でも散々警鐘を鳴らしているが、将来維持管理がコスト面で容易ならざるものはこの時期に自ら進んでつくる必要はない思うのだが・・・。本当に松井市長が主張する『人口維持にとって重要な幹線道路になる』が正しいのか?疑問が拭えない。費用対効果などを精査した検討をするとは一応言ってはいるが、復活ありきのそれでしかなく都合の良いデータなどを並べ立て、復活を正当化するだけの儀式に過ぎないので意味がない。ここ1~2年の松井市長の動きを見ていると、財政難や費用対効果が疑問視され凍結されていたものを、任期中に目途をつけたい意図をありありと感じる。凍結経緯を踏まえた上でのことだとは思うが、これではいつか経た道(アジア大会開催の大失敗)の再来ではなかろうか?アジア大会開催(94年)は、さしたる都市戦略を持たない広島市が遅れているとされた都市インフラ整備促進を目論み、開催した。開催時期の悪さ(バブル経済崩壊)も手伝い、これ以上ない見事な失敗に終わった。中々ここまで演じられる都市も多くはない(笑)。市財政に莫大な負の遺産だけを残し、効率の悪い投資を回収する機会も失われ『広島版失われた20年』に突入をした(ブログ主主観)。失敗を悔いても時間は戻らない。反省して学習することが肝要だ。『喉元過ぎれば熱さを忘れる』では学習能力の低さを疑われても仕方がない。

『都市インフラ未整備コンプレックス』に市長を筆頭に、各局幹部職員を含め囚われているような気がしてならない。新聞記事を読む限りでは経済界の面々もその一端を担っているようだ。『中国地方の盟主』『中国地方の経済中枢都市』といった実態とは少しだけかけ離れた姿を追っている。民間の調査ではあるが、森記念財団都市戦略研究所公表の『都市特性評価』ではあるが、広島市は東京23区を除く都市の中では総合ランランキングは12位。【経済・ビジネス】の指標グループではよもやの22位。しかも中国地方の岡山市(13位)、福山市(18位)よりも下位に甘んじるおまけもついた。民間調査という弁解も可能だが、劣っている事実は覆い隠せない。真の経済中都市であれば、いかなる調査でも2位以下を引き離し、1位の座にいるのが当然なのだから。その事実を薄々認めながらも、理由を都市インフラの整備の遅れに求めている。少数意見を百も承知で言うが、広島市の立地を考えると中国地方全体をけん引する中枢都市は不可能だ。西に関西大都市圏が控え、左には今や地方最強都市にまで成長した福岡市を中心とする北九州・福岡大都市圏が存在する。西日本地域という括りで見れば、広島大都市圏よりも大きな左右の都市圏よりストロー化されるのは明らかだ。『中国地方の経済中枢都市』(を目指す)の看板は、下ろしたほうが賢明だ。山口は九州に顔が向き、鳥取と岡山は関西に目が向いており、吸収における福岡、東北における仙台のような地位は望めないだろう。散々追いかけ、掴み取ったのは良いが手のひらには虚無しかなかったにならなればよいのだが。

【考察その3】
縮小社会(超高齢化+大幅人口減)で道路整備の在り方
都心部地区の自動車交通量削減に寄与する道路整備を最優先に


画像7 新潟市の外・中央など3環状道路計画(画像 新潟市HPより)

http://livedoor.blogimg.jp/zono421128/imgs/1/e/1e8d1971.png
画像8 宇都宮市の3環状12放射線道路ネットワーク図(画像 宇都宮市HPより)

 こう言ってはあれだが、21世紀の今日、市内最大の幹線道路の最初のバイパスなどを建設している都市は広島市ぐらいだ。他都市はそんなものはとっくに整備が終わり、2本目のバイパスや集約都市構造への転換に必須な環状道路整備に軸足を移している。周回遅れ感が本当にハンパない(笑)。広島市は国道2号線都心部高架延伸の整備が終わってから、ようやくそちらに取り掛かるのであろうか?そんなことをしていたら30年代に入り、他都市に大きな後れを取る。広島市も立地適正化計画(広島市HP)を立案して、集約都市構造への転換に舵を切り直しているが、広島市のそれには決定的なものが一つ足りない。一般道路の環状道路計画がないことだ。詳しい説明はこちらの記事に書いている。 ~他都市先進事例 その6 環状道路~ それに近い形態のものはある。広島高速道路東部線Ⅱ期、同南北線。 ~広島市内自動車専用道路ネットワーク~ もう一つは市道での組み合わせによるそれである。(下記画像9参照) 環状道路の役割を考えると、有料の自動車線道路方式では効果がかなり限定されるだろうし、そもそもこの2路線は未だに構想中で仮に具体化しても都心部地区に隣接する市街地の路線で、騒音や日照権の問題で反対すら予測される。複数の市道をつなぎ合わせる方式は悪くはないと思うが、市道整備方式だと市の財政難を考えると開通はいつになるやらだ。しかも完全な環状道路とはなっていない。他都市の状況を見ると一定規模の都市であれば2~3本の一般道路での環状道路計画があり、市単独で整備するのではなく地域高規格道路として整備する手法を用い、早期の開通を目指している。


画像9 ①赤点線-市道高陽沼田線(アストラム高架下道路)、茶点線-草津沼田道路、青点線-広島南道路一般道路、緑点線-市道中筋温品線で繋がっているが広島高速2号線部分の一般道路がないので環状化していない

 集約都市には、強い都心部地区が必要となり回遊性を阻害する道路中心の都市空間を歩行者中心に改めることが大前提となる。現在の道路交通量を放置したまま、これを行えばより渋滞が酷くなり、経済的な損失が拡大し都市経済に重大な影響を与えかねない。現在の都心部地区への流入する1日平均の自動車交通量は約68万台。うち都心部目的ではない通過交通が約1/3の22万台も占める。迂回路となる複数の環状道路整備は喫急(きっきゅう)の課題だ(と思う)。複数の迂回路が誕生することで、都心部地区及びデルタ内の自動車交通量が減れば、同地区の主たる公共交通機関の路面電車やバスの走行路改善にもつながる。その意味合いで、一石二鳥となると思うのだが・・・。道路整備の発想が、旧態然たる都市計画思想で取り組むからこんなお間抜けなことになる。アストラムラインなどの他の公共交通の環状化には人一倍、こだわる癖に肝心なかなめとなるものがすっぽりと抜け落ちている。環状化すべきはまずは道路からだ。過去記事で提案した新規投資を極力抑えた3本の環状道路については、
他都市先進事例 その6 環状道路~の【考察その17】を参考にして頂きたい。地域高規格道路に昇格させ、コストの2/3は国負担。残りの1/3を市が主体性を持ちつつ県と協力しながら建設すると、割と早く実現するのでは?と考える。あまり悪くは言いたくはないが、この辺の広島市の都市計画のセンスは絶望的にない(笑)。ブログ主は、集約都市構造への転換を推し進める施策の一環で、道路整備も必要に応じて行う、これが21世紀の道路整備の在り方だと思うのだ。周回遅れを費用対効果が低いものまでやみくもに整備しようとして取り返すのではなく、一旦リセットして陳腐化した過去のものは捨てて、今必要なものを将来への投資として行う。これがベストではなかろうか?その意味合いでも国道2号線都心部高架延伸は必要性をまるで感じない道路だ。


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