封入体筋炎患者闘病記

 封入体筋炎患者のヒロです。病歴は2019年で満11年、12年目に入りました。在宅勤務の仕事とリハビリの日々を送り、細やかながらも家族3人で暮らしています。ブログ記事は闘病記と広島地元ネタ、社会保障などの時事ネタ中心です。希少疾患の封入体筋炎の周知が目的です。関心があれば、ツイッターなどでご紹介していただければ幸いです。疾患関係で直コメントが苦手の方は、ツイッターのダイレクトメールを利用してください。封入体筋炎の闘病史は各進行段階の症状や生活障害、必要な社会保障制度等をまとめています。良ければ参考にしてください。最新の封入体筋炎の状況は『近況について色々と』、取り組んでいるリハビリについては『2019年春~夏 筋疾患(封入体筋炎)リハビリ』にて素人の体感目線で書いています。モバイル版で読みにくい場合は、PC版に転換してからお読みください。

Category:広島の都市問題 > 広島港

カテゴリー記事 広島の都市問題 郊外・その他 
 
今日の話題 9月16日中国新聞デジタル版より引用
入城400年、再現行列華やか 鉄砲隊や山車


動画1 令和元年9月 広島城 時代・入城行列

 旧広島藩主・浅野氏が広島城に入城して今年で400年になるのを記念し、当時の入城を再現した時代行列が15日、広島市中区であった。武士や町人に扮(ふん)した市民たち約150人が、華やかに練り歩いた。この日は初代長晟(ながあきら)が前領地の和歌山から入城した旧暦8月8日に当たる。勇壮な鉄砲隊や弓隊が隊列を組み、長晟役や家老役を乗せた山車が続いた。柳橋公園から本通り商店街を通り、広島城まで約2.4㌔を歩いた。

 広島城では長晟役を務めた広島商工会議所の深山英樹会頭が『浅野氏は全国屈指の繁栄を築いた。この城は今も広島のシンボル』と挨拶し、勝鬨をあげた。中区のJMSアステールプラザでは記念式典があった。東京大史料編纂所の本郷和人教授が『広島藩は瀬戸内の要として浅野氏とともに発展した』などと講演した。ともに中国経済連合会、広島県、市などでつくる推進会議の主催。(森岡恭子)


画像1 浅野長晟に扮した深山広島商議所会頭(画像 中国新聞HPより)

【考察その1】
大河ドラマの主役を張れそうにない地味過ぎる浅野氏
浅野氏とは何者なのか


画像2(左)1994年に復元された二の丸(画像 ひろしまたびより) 
画像3(右)広島城跡地を正面から見た様子

 浅野と聞くと、赤穂浪士の播州(播磨国)赤穂の浅野家が有名だが、こちらの芸州(安芸国)広島の浅野家はその本家筋に当たる。そもそも、浅野氏自体鎌倉、室町の名門武家貴族-守護、守護代など-系統ではない。元は織田家の家来で一応、美濃の名門土岐氏庶流で、土岐光衡の次男で判官代土岐光時承久の乱で宮方であったために乱後、土岐郡浅野の浅野館に蟄居するとともに浅野と名乗り、光時に始まる土岐氏草創期の一族であると称しているが、江戸時代に作成した家系なので真偽のほどは怪しい。浅野長晃よりも父-浅野長政や兄-浅野幸長の方が著名だ。元々は、将軍徳川家の譜代大名ではなく、豊臣恩顧の大名だ。浅野氏が豊臣秀吉の正室北政所の養家で、外戚にあたる。豊臣秀吉は、本来の意味合いで日本を完全体的な形で初めて統一した歴史上の人物だ。と言うと、『鎌倉幕府や室町幕府は?』になるが、鎌倉時代は寺社、公家勢力が強く、荘園制度が健在で天皇、公家の既得権益との共存・並立で成立していた公権力だった。室町時代は、天皇・公家勢力の御料所及び、荘園はその土地の大名や国人(在地)領主に横領され、室町幕府自体、関東以西の御分国を守護大名を置いての間接統治だった。しかも、関東及び東北は鎌倉府(鎌倉公方)の管轄で、絶えず京の公方(将軍)と鎌倉(古河)公方(疑似将軍)と対立していた。よって日本津々浦々を完全支配していた公権力ではなく、安定政権には程遠かった。その国の守護大名も、直接統治ではなく、在地の国人領主の支持を取り付けることでその領国経営を安定させていた。その形は、直接的な主従関係ではなく、現在の国会議員の選挙区の地元勢力の支持取り付けに少し似ている。守護大名も国人領主の代表的な勢力を守護代として置いて、自身は京に屋敷を構え幕府内の政争にかまけていた。こうした間接統治、多重構造を支えたものが血統-源氏の嫡流-崇拝と、将軍を筆頭とした守護、守護代、官位などの室町幕府の権威だった。しかしそれも、嘉吉の乱(ウィキペディア)、応仁の乱(同)、明応の政変(同)などの動乱を経て、その権威も年々失墜し、下々の勢力は恐れなくなり、下剋上(戦国時代)を誘引した。この時代よりもずっと後年の織田信長など、尾張の守護大名の斯波氏の家来の守護代(尾張下四郡)の清州織田氏の分家(織田弾正忠家)の出である。豊臣秀吉などはそのまた家来なので、戦国の世を制したのは、室町(足利)将軍をトップに見立てると、『家来の家来の家来の家来』になる(笑)。で、話を戻すと、その豊臣秀吉も父の代までは貧民層(諸説あり)で、政権を支える父祖代々の家来はおらず、一門衆(分家など)の勢力は皆無だった。織田信長の家来時代から、自身の兄弟(大和大納言秀長)や姉の子ども(後の関白豊臣秀次など)をにわか一門衆(内戚)に仕立てたり、遠縁の見込みのありそうな若者(加藤清正、福島正則など)を子飼いの家来や与力としてかき集めた。その中に、正室の養家の浅野氏、実家の杉原氏(後の木下氏)があった。


画像3 安芸広島藩の初代藩主の浅野長晃(あさのながあきら) 画像 ウィキペディアより

 その関係で、浅野長晃の父、浅野長政は豊臣政権下では重用され、政権末期には甲府21万5千石の大名に取り立てられ、五奉行の筆頭の地位にいた。豊臣政権の瓦解の理由は未だに
よく議論される。①天下統一後の朝鮮出兵が派閥抗争(関ヶ原の戦い)に発展させたこと ②元々が武家上がりの氏族ではなく、政権維持の一門衆や譜代衆がいなかった(疑似的なものはあった)➂養子の関白秀次を殺害し、実質第2世代(子ども)の血族が皆無となり、後継者が第3世代の孫世代の幼君(豊臣秀頼)だけだった ④徳川家康(仮想敵)を滅ぼせなかった だとブログ主はそう考える。浅野長政は、領国運営は嫡男の浅野幸長に任せ、自身は上方(京、大坂)に詰めていることが多かった。五大老筆頭の徳川家康とは親しい関係にあり、関ヶ原の戦い(1600年)石田三成と不仲だったこともあり、嫡男の幸長が東軍に属し、合戦後、和歌山城37万石の大加増を受けている。長政自身は、秀吉死去後の徳川家康の天下取りを巡る政争に巻き込まれ、1599年、家督を嫡男の幸長に譲り徳川の領国内で謎の蟄居をしている。その幸長は、自身の政治行動が豊臣政権瓦解の原因となったが、江戸幕府成立後もかつての主家である豊臣家への畏敬の念を忘れることはなかった。娘・春姫が家康の九男・尾張大納言徳川義直(徳川御三家の尾張家藩祖)と婚約したりなど、お家存続のため徳川家とのつながりを深く持ちつつも、1611年には徳川家康と豊臣秀頼の二条城での対面に尽力した。その2年後の1613年、和歌山にて38歳で病死した。死因は、疱瘡(ほうそう)とも梅毒(ばいどく 性病)とも言われるが詳細は不明。よく江戸幕府による外様大名潰しの一環で、暗殺されたのでは?との疑念を持たれるが、その後の歴史-さらなる加増による芸州転封、浅野家の明治維新までの存続、領内の分知ではなく別家の創設(播磨赤穂)-を考えると、違うだろう。北政所の実家である木下氏杉原氏)も小大名として存続しており、豊臣氏の外戚に関しては幕府の対応も寛容だった。その幸長に男子がいなかったので、次弟の長晃が世継ぎとなった。豊臣秀吉の墓所である豊国神社の豊国廟(1599年創建)は、大坂夏の陣(1615年)の後に、神号である豊国大明神は称号ははく奪され神社も廃絶となった。前政権の豊臣政権への警戒ぶりが窺える。長晃自体は、父の長政、兄の幸長と異なり2代将軍徳川秀忠の小姓を務め、1610年、幸長とは別に備中足守に2万4千石を与えられるなど、覚えは目出度かった。1613年の浅野紀州家の宗家相続から6年後の1619年、福島正則改易に伴い浅野家が安芸国広島藩に移された。それから400年が2019年に当たるのである。仙台の伊達政宗、熊本の加藤清正、甲府の武田信玄、旧越後地域の上杉謙信、旧尾張地域&岐阜の織田信長と言ったお国自慢の歴史上の人物が広島の場合いない。毛利元就がそれに該当するのだろうが、カッコいい合戦ではなく謀略で成り上がった感がし、歴史の表舞台になったこともなく、今一つマイナー感が漂う。それに広島市と毛利元就との関連性は殆どなく、広島築城(1589年~)したのは嫡孫の毛利輝元である。

【考察その2】
歴史を活かすまちづくりも悪くない


動画1 
浅野氏広島城入城400年記念事業動画


画像4 広島城本丸、二の丸の復元図

 仮に広島城の現存している本丸と内堀、そして二の丸(馬出曲輪)を復元したら、こちらにリンクのような都市景観になるらしい。~CGで蘇る日本の城 広島城~ 浅野氏入国400年を記念事業が、かつては別国(備後国)だった福山共々行われている。『2つ揃って凄いじゃん』と思うが、これには訳があり、元々関ヶ原の戦いの恩賞で、改易された福島正則が安芸国と備後国を領有しており、広島城の無断修繕を理由に改易されたからこうなった。その後釜に安芸国-42万6千石を浅野氏に、備後国-約10万石-譜代大名の水野氏を据えた。広島県では、これを記念して400周年記念事業を色々と開催している。~
浅野氏広島城入城400年記念事業~(広島県HP) 上記動画の再生回数を見ても、とても周知されているとは言い難い(笑)。イベントの様子も動画、地元マスコミのニュースなどで見たが、『う~ん』である。他都市の毎年行われている古式ゆかしい風情の行列には程遠く、にわかのお遊戯会そのものだ。取り組みはそう悪くはないと思うので、歴史好きなブログ主からすれば残念至極である。もう少しなんとかならないものか?などと思ったりする。今年限定の一過性のイベントとして終わるだろう。近年の興味深い取り組みの一つとして、旧西国街道の広島市取り組みである。『西国街道を軸としたにぎわいづくり計画』の基本方針(案)の概要(広島市HP) ブログ主的には、都市の多様性の欠片もないマンション、ホテル建設や〇〇の一つ覚えとしか思えない郊外大型商業施設建設などよりも食指をそそる(笑)。広島市に限らず、日本の都市は過去の都市の歴史を否定するかの形で、市場経済原理を取り込む形で成長を続けてきた。これを否定するつもりは毛頭ない。その成功果実の恩恵を少なからずブログ主も受けているので、これの全否定は自身の全否定にもなる。経済的な恩恵の対価として、景観などの都市の個性を意識することなく支払い続けた。目に見える形での都市のアイデンティティの喪失である。これを指摘されて、ピンと来ないこと自体その症状の深刻さを量る指標にもなる。


画像5 『西国街道を軸としたにぎわいづくり計画』の対象区域(画像 広島市HP)

 よくまちづくりなどのブログやコメント欄を閲覧すると『どこどこには〇〇があるけど、広島市にはない』的な論調が多い。日本人的な強い横並び意識かつ精神の幼稚性を感じてしまう。広島市規模では絶対に欠かせないものの場合、その限りではないが、そうではないものに対しても万事、この調子だ。『確かに〇〇はないけど、どこどこにはない△△がある』にはならないのである。この思考法を起点にまちづくりの出発点にすれば、他都市よりも都市の個性-都市ブランド-を先んじて打ち出すアドバンテージになる、と思ったりする。現在広島市では、広島駅周辺の再開発を中心とした都市のスクラップ&ビルドが進みつつある。昨年、紙屋町地区と八丁堀地区も都市再生緊急整備地域に追加指定され、今後民間の投資先は旧来の都心部地区の両地区に重点が移るだろう。これ自体悪い流れではないし、更新期に入っているのは事実だろう。ブログ主も異論はない。問題は戦略ではなく、戦術である。広島の地場資本だけでは到底成し遂げるのは不可能で、当然中央資本が介在する。これも資本主義の原理原則論に沿えば、当然の流れだ。問題はその結果、リトル東京的な都市景観が出現することだ。その規模や厚みでライバルと目される都市を凌駕出来れば、それに越したことはない。日本的な価値観に照らすとそれも都市の個性の一つかも知れないからだ。残念ながら、それは叶わぬ夢である事はアジア大会開催の失敗で広島市は手痛い対価を支払い、学習した筈だ。ところが『喉元過ぎれば熱さを忘れる』の例え通り、忘れ去られつつある。都市の個性の観点だと、中にいる広島人目線、外にいる他都市の日本人目線よりも縮小社会時代を見据えると、国外の外国人目線での広島市の姿、イメージが今後は重要になる。と言うのは、
縮小社会においては、外需-都市観光、MICE(マイス)、その他-が都市の成長の可否を握る鍵となるからだ。これまでは、人口増加により都市の様々な生産活動を喚起してきたが、今後はそれは望めないので定住人口増ではなく、交流人口の増加でそれを果たさないといけなくなるからだ。そこで都市ブランドの構築が重要となる。都市ブランドとは、都市のアイデンティティ、他都市との差別化を確立させて、『住みたい』『訪問したい』と思わせる人間を増やす良好な都市イメージの事を指すが、日本の都市よりも一周期早く、EU統合で厳しい都市間競争に入った欧州都市は、都市ブランドの構築に躍起になっている。この視点で、まちづくり全体を俯瞰すると、開発一辺倒の従来の手法では限界があり、都市のアイデンティティを放棄したかのようなまちづくりでは広島市は没個性のまちとなり、競争に勝つどころか埋没する危惧を感じる。その意味合いでは、広島市の歴史をまちづくりに活かすことは方向性としては、正しいと思う。


画像6 かつての広島城の縄張りを現在に当てはめた姿(画像 遺跡分布図 広島城より) 

 ここで、荒唐無稽の案は百も承知で、広島城の復元を提案したい。復元の意義として、新たな観光集客施設として、そして都市のアイデンティティの確立の2点を挙げたい。仮に広島城の現存している本丸と内堀、そして二の丸(馬出曲輪)を丸ごと復元したら、こちらにリンクのような都市景観になるらしい。~CGで蘇る日本の城 広島城~ 築城当時は、現存する大城郭が築城された江戸時代初頭ではなくその前の豊臣政権時(1589年~)ということもあり、大坂城、聚楽第に匹敵する大城郭だった。江戸城や熊本城、姫路城などの名だたる城の本格登場は、江戸時代以降である。現存するのは、内郭の一部分に過ぎない本丸と二の丸だけ。明治期以降、平城ゆえに堀の大半は埋め立てられ、石垣は取り壊された。現在の城郭などの復元は適当な基準-天守はおろか、石垣さえまともにない城に鉄筋コンクリート造の模擬天守建設など-では許されず、文化庁の基準だと ①建築物の存在を裏付ける発掘調査、現地資料の有無 ②材料や構造を裏付ける史料の存在、材料等を判断可能な外観写真、詳細な図面の有無 ➂指定理由に即した復元、史実に即した整備内容であること である。要は幕末期や明治初頭の外観が分かる写真、縄張り図や設計図などが最低限必要で忠実に模写しなければならない。広島城の場合はそれらが殆ど、残っているのである。~しろうや!広島城~ 二の丸復元が出来たのもこうした背景があればこそだった。現在の天守は、原爆投下で焼失したため鉄骨・鉄筋コンクリート(SRC)製で1958年に外観復元したものだ。現行の財務省令で定めている鉄骨・鉄筋コンクリート(SRC)製の耐用年数は47年だ。延命補修などを施せば、20年以上の延命が十分可能とされるが、いずれは建て替え期を迎える。建て替える場合、文化庁の基準だと、安易な鉄骨・鉄筋コンクリート(SRC)製では許されず、木造での建て替えになる。それならば、いっそのことこれを機に本丸部の建物も復元しましょうか?という話だ。


画像7 江戸期の広島城下街並みの再現模型

 ただし、膨大な建設コストがかかる。18年完成の名古屋城本丸御殿は約150億円。河村市長が並々ならぬ決意で取り組む天守木造復元は、500億円を超えると言われている。名古屋城の本丸御殿は、将軍上洛時の御成専用御殿でしかなく、二の丸御殿が藩主の住居兼尾張藩の藩庁機能を持たせていたので、規模自体はさほど大きくはない。広島城の本丸御殿は、藩主の住居兼藩庁機能なので、坪数も2千坪を優に超え、余裕で250億円はかかると思われる。天守は名古屋城の方が一回り大きいので400億円ぐらいだろうか? 他の小天守、櫓、櫓門等も含めると、750億円程度と予測する。これを3期に分け、30年事業として取り組むのである。で、以下のようなイメージを抱いてみた。

広島城本丸復元計画
  工期:18年 建設期間:2030年代前半着工~2060年頃完成
  総事業費:750億円
  【内訳】社会資本整備総合
交付金375億円 広島市270億円(年平均負担額約9.65
      
億円)広島県100億円 市民・企業寄付5億円
  ①第1期 2030年代前半~同後半 
   工期:3年 事業費:100億円程度
   本丸主要建築物復元-中・裏御門、多門櫓など各櫓、南・東小天守閣など。護国神社は
   
い。よってここの敷地の復元は行わない
  ②第2期 40年~50年前後
   工期:10年 事業費:250億円程度(名古屋城本丸御殿復元費用150億円参照)
   本丸御殿復元(本丸内のお土居高台部分)-玄関、式台、広間、小広間、書院、能舞台、
   役所、台所、長局など当時の姿を忠
実に再現
  第3期 50年代半ば~60年頃
   工期:5年 事業費:400億円程度(名古屋大天守閣木造復元費用504億円参照)
   大天守閣の木造復元ー現在の鉄筋コンクリート製の大天守閣を原爆投下前の姿に、木造
   復元
る。エレベーターなどのバリアフリー施設は設置せず、足元が弱い障害者対策と
   して、車
いすでの階段昇降を補助する職員を配置

 書きながら、絶対に無理だと思いつつも最後まで書いてみた。30年代以降の着手とした理由は、現在広島市が鋭意取り組んでいる各事業が、ほぼ終わり公共事業の枠が多少空いていることを期待してのそれである。実際には、超高齢化(高齢化率30%以上)などにより扶助費が高騰し、財政の硬直化や既存のインフラ施設やハコモノ施設の更新などでこんな余裕はほぼないと思うが、原爆ドームと双璧の都市のラウンドマークの新たな建設と思えば、支払う対価としては高くはない気がする。本丸御殿や他の本丸の建物の話は別にしても、天守はいずれは建て替える必要が出てくる。文化庁の復元基準に変更がない限り、木造での建て替えとなり名古屋城の例を見ると、相当額のコストがかかる。コストが捻出できないために建て替えられずに、取り壊すことはまずないと思われるので、広島城に限らず
鉄骨・鉄筋コンクリート(SRC)製で外観復元した他都市の城などどうするのだろうか?気になるところだ。今日は浅野氏入城400年にかこつけて、歴史を活かしたまちづくりについて考えてみた。

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前回記事 
広島港について 1 長期整備構想 その1
カテゴリー記事 広島の都市問題 広島港

【考察その3】
広島港長期構想の要点 その2『宇品地区』


画像1 クローズド調査とは不特定多数の調査ではなく特定の属性を持ったモニターに限定したアンケートのこと。広島港に求める役割(画像 広島県HPより)

 この地区は、前回記事でも書いたが、『3千人程度が乗り込める12万㌧クラスの大型クルーズ船が接岸出来るように既存の係留施設を拡張する。県全体の寄港数が増える中、市中心部に近い立地を活かし国内外から観光客を呼び込み消費喚起を見込む。老朽化が進む宇品外貿地区の倉庫の解体と新設も進める』との方向性が打ち出されている。上記画像1は、広島港に必要とされるものアンケート調査だが、本来の港湾機能の強化と並び『人流・にぎわい性』の強化を求める声も強い。項目ごとのアンケートとなっているが、『市民の憩いの場』『親水性の高い場所の充実』『交通アクセスの向上』などが上位を占め、期待の高さと同時に現状への不満を示している。厳密な意味合いではないが、広島人の一般的なイメージだと『広島港=宇品・出島地区』であり、海田、五日市、廿日市のなどの他地区は思い浮かばない。今でこそ、広島港と呼んでいるが少し前までは宇品港と呼ぶのが一般的だった。よって『人流・にぎわい性』の強化は、宇品地区に求める機能と解釈するのが自然の成り行きだ。広島市の要望も一定のにぎわい性の創出を求めており、広島都市圏では数少ないウォーターフロント的な都市空間実現の需要は高い。かってのポートルネッサンス21計画のメッセ・コンベンションシティ-構想では、出島地区埋め立て地の『メッセ・コンベンション等交流施設用地(計51.9㌶)』に大規模なメセコン施設整備(下記画像3参照)と共に宇品内港埋め立て地区(宇品西地区)も関連整備する予定だった。現在この地区は、規模をかなり縮する形で商業施設の立地が進み、それなりのにぎわい性が生まれている。広島市は、出島地区の『メッセ・コンベンション等交流施設用地』を51.9㌶から8.0㌶に縮小しており、県主導の宇品地区のにぎわい性創出に期待するところが大だ。


画像2 
拡大図(要拡大) かっての広島県の港湾計画『ポートルネッサンス21』の中に組み込まれた『メッセ・コンベンションシティ構想』の交流施設用地(計51.9㌶)、2ヵ所の港湾緑地(計31.6㌶)の施設配置図(画像 広島県HP)

 市の財政難理由もあるが、地区の土地が殆ど県所有なのも理由として大きいかも知れない。『広島立地適正化計画』(広島市HP)は日本型集約都市の実行計画だが、その中で宇品・出島地区は、商工センター地区、西風新都地区、八木・緑井地区と共に広域拠点となっており、広島都市圏を支える産業港としての役割と同時に殺風景ではない潤いのある都市空間としての機能も求められている。今回の長期構想に先立つこと約8年前の2010年より、波止場公園再整備や宇品プロムナード(下記画像4参照)、県営3号上屋活用した商業施設立地など賑わい性創出空間が整備された。 ~宇品・出島地区賑わい創出事業~(広島県HP) ここで別の問題が発生する。にぎわい性創出空間が誕生すると、物流と人流が接近し交じり合う可能性が高くなる。サッカー専用スタジアム問題でも、地元物流業者の反対はそこだった。みなと公園スタジアム案は、街中スタジアム案にこだわるサンフレの拒否で事実上棚上げされたが、スタジアムを迷惑施設扱いにされ、存在を否定されたも同然の扱いを受けているのを見るとさすがに同情を禁じ得ない。話を戻す。双方の調和のために物流動線と人流動線の分離が不可欠だ。広島港長期構想(広島県HP)では、将来イメージ図とし『瀬戸内と世界をつなぐ国際交流拠点』と大きなアドバルーンを上げている(笑)。長期整備構想は以下の通りとなる。

広島港長期構想宇品地区の方向性
▼現在取り扱われている貨物の輸送機能を強化し、また複合一貫輸送貨物に対応できるよう、物流
 関連ゾーンを既存の埠頭を中心に、生産活動が行われる生産ゾーンと隣接し、かつ交流拠点ゾー
 ン、環境・緑地レクリエーションゾーンと分離(機能分担)して配置 
▼立地企業の持続的発展が図られるよう、生産ゾーンを既存の生産活動のエリアに配置
▼海の玄関口としての旅客輸送機能を充実させると共に、回遊性のある賑わい空間が創出さ れる
 よう、交流拠点ゾーンを旅客ターミナルや港湾倉庫等を活用した既存商業施設を中心に、出島地
 区と連続し、かつ、物流関連ゾーンと分離(機能分担)して配置 
▼既存の緑地や元宇品の自然を踏まえて、環境・緑地レクリエーションゾーンを交流拠点ゾ ーンと
 一体的に、かつ物流関連ゾーンと分離(機能分担)して配置


画像3 広島港宇品・出島地区の利用用途図(画像 広島県HPより)


画像5 整備された宇品海岸プロムナードの様子(画像 広島・都市再生会議より)

【考察その4】
広島港長期構想の要点 その3 『宇品地区パートⅡ』


画像6 
拡大図(要拡大) 出島埋め立て地・宇品地区の各施設配置図(画像 広島県HPより)

 宇品地区を隣接する出島地区共々、回遊性のある賑わい都市空間を現出させ長期構想でも謡うように、国際交流拠点にするには交通網の整備が欠かせないのは言うまでもない。突き詰めると、道路と公共交通の整備になる。最初に公共交通の整備だが、出島地区の『ポートルネッサンス21』のメッセコンベンションシティーが構想された当時は、現在のアストラムラインを吉島経由、もしくは現在の広電宇品線のルート経由で、同地区まで延伸することを想定していた(92年公共交通施設長期計画策定委員会提言)。バブル経済崩壊後の需要の見直しで、99年策定の『新たな公共交通の体系づくり』では、出島・宇品地区への延伸がカットされ、広大跡地までとなった。その後、15年策定の『公共交通の体系づくりの基本計画』(広島市HP)では、さらにカットされ現在の都心部地区の始発駅の県庁前駅の少し先の白神社までと削りに削れらた。南北線に限らず、東西方向の路線も国が建設を認めない主旨の発言をするなど、アストラムラインが都心部地区で1㍉たりとも延びることはないと予測する。費用対効果や今後の縮小社会の進行を鑑みると、まあ国の判断は正しいと思う。ただ、アストラムラインの延伸計画はご破算でも、同地区への公共交通の強化は課題として残る。消去法で既存の広電市内軌道線とバス路線での対応となる。現在広電市内軌道線の1(広島駅~紙屋町東~広島港)・3(西広島駅~紙屋町西~広島港)・5(広島駅~比治山下~広島港)号線が就行しているが標準時間で広島駅~広島港間(比治山下経由)-32分(6.0㌔)、紙屋町~広島港間-34分(5.9㌔)、西広島駅~広島港間-53分(9.2㌔)と遅い。バスは広島バス21-1~2号線が就行、紙屋町~広島港間-21分。6㌔程度の距離であれば、アストラムラインでは約12分程度。実際の距離感以上のものに感じるのは、速達性の低さが大きい。


画像7 紙屋町交差点を右折する3号線(画像 アンドビルド広島より)

 標準時間での表定速度は、広島駅~広島港(比治山下経由)-11.25km/h、紙屋町~広島港-10.41km/h。実際の旅行速度9.0弱~9.5弱km/h。バスは実際の距離数が不明なので広電の路線㌔数で換算すると、16.85km/hになる。バスで十分かも知れないが、軌道系の広電の強化も欠かせない。上記画像6をよく見ると、現在の終点の広島港から出島埋め立て地区への延伸(ピンク線)も予定されているようだ。LRTへの昇華-PTPS(公共車両優先システム)設置、日本式信用乗車方式の拡大、軌道法運転規則の見直し(最高速度40km/hの緩和)、軌道の簡易センターリザベーション化、沿線道路の自動車削減-により、旅行速度を15.0km/h程度まで向上させなければならないだろう。15.0km/h程度であれば、所要時間が現在よりも10分ほど減り、23分ぐらいになる。出島・宇品地区への広域集客を考えると、どうしても自動車に分がある。公共交通だと出発点にもよるが乗り継ぎが多く、迂回コースになり敬遠されやすい。同時に、速達性の低さも公共交通利用を遠ざけている理由だ。ただ、集約都市型構造への転換を考えると公共交通利用率の向上が望ましい形だ。路面電車ではないが、広電バスと広島バス共同運行による『湾岸線・広島港~そらの』(仮称)の社会実験運行(広島電鉄HP)にも期待がかかる。これは、15年策定の『公共交通の体系づくりの基本計画』(広島市HP)の中でJR各線、アストラムライン、広電宮島線などと共に公共交通の最上位カテゴリーに位置する『基幹公共交通』の基幹バスに位置付けられ、他の路線が『デルタ外~都心部地区』なのに対して、都心部地区を経由しない郊外間の拠点地区を結ぶ新規路線だ。外環状線的な色合いが強く、郊外間の移動手段が自動車である広島でどこまで需要があるのか、興味深い。来年3月末までの社会実験なので、注目している。商業ベースに乗れば面白い。


画像8 拡大図(要拡大) 広島南道路ルート図(画像 広島県HPより)

 次は道路だ。これは広島港を産業港の視点で見れば、公共交通などよりも優先順位は遥かに高い。広島港の西端は廿日市木材港、東端は海田と坂地区。総延長は20㌔以上にも及ぶが一体感に乏しい。相互間の連絡道路-臨港道路が完全な形では未整備状態にあるのが最大の理由だ。その解消の役割を果たすのが広島南道路になる。西広島BP廿日市IC~東広島BP海田地区までの総延長23.3㌔で、幅員60㍍、一般道路4車線、自動車専用道路4車線を建設するという広島都市圏最大の公共事業だ。総事業費は6,123億円といわれる。89年に事業化され、小出しに部分開通を続けている。一般道路、自動車専用道路共にフル規格(4車線)開通区間が短く、相互の繋ぎ合わせで海田大橋~廿日市木材港間がか細く開通している。現在は、県が臨港道路廿日市草津線(広島県HP)が整備中だ。出島・宇品地区への広域集客の観点からも必要なのは当然として、広島都市圏全体の潤滑な道路交通の観点からも、最も必要とされる道路だ。現在の自動車専用道路(広島高速3号線)の通行量や西広島BP、国道2号線、霞庚午線の渋滞を見ると『西広島BP廿日市IC~商工センター~宇品(仁保新町)』間のフル規格での一般道路整備が最優先と考える。広島港は、各14地区に分かれているが各港がバラバラに立地して広島港の名称を使うのが憚られるほど、一体感がない。これでは、機能ごとに役割分担を担わせても相乗効果は見込めない。出島・宇品地区のにぎわい性創出は立地上、都市型リゾート空間の要素も多少入る。既存の商業施設利用者も含め、主たる客層はファミリー層の筈。移動手段は自動車が中心となる。その意味合いでも、広島南道路の一般道の早期フル規格化の実現が望まれる。

終わり


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カテゴリー記事 広島の都市問題 広島港


 今日は久々に広島港の話題をお届けする。MICE関連の記事で6月に投稿しているが、広島港の括りだと昨年の2月以来となる。1年半も間隔が空きさすがに驚いたが、大きなニュースも特になくご無沙汰していたようだ(笑)。一時期はサッカー専用スタジアム問題で同地区周辺も注目されたが、この地区が実質候補地から外された(名目上は一応残っている)事も大きい。それはにぎわい性を呼び込む施設の話であり、今回は本来果たす港湾機能の観点から長期構想の答申がされたようだ。今回はそのニュースを取りあげる。 
…………………………………………………………………………………………………
今日のお題 8月28日中国新聞18面より引用
出島・宇品・五日市・廿日市
 広島港4地区 重点整備
県が長期構想 大型客船施設など

画像1 8月28日中国新聞18面より(ブログ画像からは全て読めません)

【記事詳細】
 広島港の今後30年間のハード整備の指針となる長期構想が27日固まった。構内14地区の
 うち、出島、宇品、五日市、廿日市の計4地区で大型のハード整備を重点的に進めるとした。
 出島地区では国際コンテナターミナル(11.6㌶)の拡充、宇品地区では大型クルーズ客船
 の受け入れ拠点化
などを進め、広島港全体の競争力を高める

 広島市中区であった有識者委員会に最終案を、この度提案し了承された。その最終案によると
 コンテナ貨物拠点である出島地区では、国際コンテナターミナル用地を大幅に広げる。用地南
 側の海面を埋め立て、11.6㌶以上の土地を生み出し、集荷能力を高める。用地東隣の海域
 でも30.0㌶以上埋め立て主に倉庫が建つ物流用地として活用する

 宇品地区では3千人程度が乗り込める12万㌧クラスの大型クルーズ船が接岸出来るように既存
 の係留施設を拡張する。県全体の寄港数が増える中、市中心部に近い立地を活かし国内外から観
 光客を呼び込み消費喚起を見込む。老朽化が進む宇品外貿地区の倉庫の解体と新設も進める

 他の2地区の五日市区では08年度末で受け入れが完了した産業廃棄物の処理跡地に企業用地-
 25.7㌶を造成したり、野鳥園などの港湾緑地(計33.3㌶)を整備したりする。その隣の
 廿日市地区では、県営貯木場(64.4㌶)の海面の半分程度を企業用地として埋め立てるほ
 か、広島ガス(南区)の液化天然ガス(LNG)の輸入基地を増設する。五日市地区を西端に草
 津、観音、江波、出島地区を経て東端の宇品地区に至る湾岸道路(広島南道路)の整備も位置づ
 けた。活用策が示されていない市有地の出島地区の『メッセ・コンベンション等交流施設用地
 』(8.0㌶)の方向性の打ち出しは保留となった
…………………………………………………………………………………………………
【考察その1】
現状の広島港に不満が多い県民・企業・各自治体
利害調整の県も大変だ(笑)



画像2 広島港主要地区の位置図(画像 広島県HPより)


 今回の向こう30年間の長期構想策定に当たり、県民や立地する企業(要拡大)、自治体からは以下の要望が多かったそうだ。項目ごとに並べ立ててみる。

広島港への県民、企業の要望一覧
【物流・産業】
 物流の拠点として円滑に機能するためのアクセスの改善や渋滞を解消 埋め立て事業を拡大し
 て、有効活用できる土地の確保  物流拠点港となるように、海運会社が共同で運航するシステ
 ムの構築 広島港を物流の拠点に 
【人流・ 賑わい】
 公共交通機関の利便性の向上 駐車場を充実と無料開放 集客力のある/参加しやすい/定期的
 なイベントの実施 商業施設野鳥園ホテル等の誘致 港を活性化し、賑わい性のある場に
【安心・安全】
 災害に強い港に  子どもが安全に遊べる場所の確保 海の環境改善  船舶入港の安全対策 桟
 橋等、老朽化した施設の改修工事の実施

【その他】
 広島港について広報し、認知度や知名度の向上  広島港を発展、活性化 魅力的な港に 宇品地
 区のサッカースタジアム建設反対  サッカースタジアムの誘致


画像3(左)広島港出島地区、画像4(右)宇品内港・外貿地区(画像 国土交通省HPより)

広島港背後市町(2市2町)の要望一覧
【広島市】

 広島港全体-港湾機能の強化と交流拠点機能の強化 港湾政策の目指すべき方向性として低炭素化
       の観点での検討
 広島南道路-臨港道路廿日市草津線(広島県HP)の早期4車線化 優先要望区間:木材港西~廿
       日市ICの整備促進
 五日市地区-五日市埋立地内の清掃処理用地の土地利用検討
 吉島地区-ボートパーク広島近接の小型船だまり整備の必要性の再検討
 宇品地区-クルーズ船が多数寄港する状況となってきているため、宇品地区をより一層魅力的で賑
      わいを創出する土地利用となるよう検討
【廿日市市】
 岸壁・物揚場等-昭南岸壁の整備(-12m 化)および港湾施設の老朽化対策の実施
 広島南道路-広島市の要望と同様

 土地利用-木材産業構造の変化に即した土地利用等(水面貯木場、海岸 保全施設、埠頭用地(桟
      橋・航路)都市施設、緑地など)
 渋滞対策-観光ピーク時及び五日市地区への大型クルーズ客船入港時における、宮島及び宮島口
      への不定期船航路新設の可能性検討
【海田町】
 東広島バイパス-海田地区の物流拠点の機能強化に資する道路ネットワークの強化
【坂町】
 ベイサイド ビーチ坂-海洋レクリエーションの場としてオールシーズン活用可能な利用促進の検
           討

 以上の通りになっている。それぞれの立場に立脚してからの要望なので、まあ実際に出来ることとそうでないことが入り交じっているが、要望段階では言ったもの勝ちのところがあるので、自然とそうなるのだろう。県民レベルだと、宇品・出島地区へのにぎわい性創出や公共交通の充実、広島南道路の整備加速が多く、企業だと広島南道路の整備加速と港湾機能強化、自治体になると抱えている地区の各課題に色分けされている。互いに相反する要望が同時に出されている感もあり、読んでいて面白かった。例えば宇品・出島地区のにぎわい性創出を例に挙げると、県民や広島市は要望項目となっているが、企業は物流機能の阻害要因になるとして日常的なにぎわい創出には反対している。サッカー専用スタジアムでも、双方の要望が出されているなど受け止め役の県の心情を量ると少し笑える。間違いなく言えることは、広島港の現状に満足している人間はそう多くなく、不満が多いことだ。この点は確実だ。道路・公共交通なども決して便利ではなく、都市空間としても魅力に欠けにぎわい性も乏しい。そして本来の機能である港湾施設としても使い勝手が悪く物足りない、に行き着く。この現状を踏まえ、今回の長期構想策定の考察に移りたい。

【考察その2】
広島港長期構想の要点 その1『出島地区』

画像5 広島港の地区別公共コンテナ貨物取扱個数の推移(画像 広島県HPより)


画像6 広島港背後圏発生・消費コンテナ貨物の利用状況(画像 広島県HPより)


画像7 広島港の中核をなす出島・宇品地区の利用用途イメージ図(画像 広島県HPより)

 今回の長期構想は、実は産業港としての強化と再生と都市空間の再配分が主目的と考える。その背景にあるのが、広島港の拠点性の低下だ。2013年全国輸出入コンテナ貨物流動調査によると,広島港背後圏の発生貨物の 56%、 消費貨物の 30%が他港を利用している状況であり、広島港背後圏の需要を汲み取れていない現状(上記画像6参照)がある。高い陸上輸送コストを負担してまで他港を利用する理由は、広島港のインフラに何かしらの問題があり、そうせざる負えない状況に追い込まれているからだ。そんな状況下でも、2016年のコンテナ取扱個数は 25.7万 TEUで全国第 11位となっており、増加傾向で推移しており産業港としての需要は決して低くない。また同年のコンテナ貨物の品目別割合は,輸出は自動車部品が37%%、 金属製品が9%、輸入はその他日用品が 27%、自動車部品が21%、移出は自動車部品が82%、移入は自動車部品が16%、輸送用容器が5%を占めており、自動車関連の比率の高さが際立っている。マツダを筆頭した自動車産業は今後も広島経済のけん引役を担うことが予測され、他港との競争で後塵を拝している現状と将来への備えの観点から
国際コンテナターミナル機能の強化は急務となっている。課題は、大型化するコンテナ船への対応、経済発展が目覚ましい東南アジア諸国へのダイレクト貨物便の新設、海田、出島の2地区に分散している機能(上記画像5参照)の集約などがある。今回の長期構想も現在の課題の克服に力点を置いている。海田地区がコンテナ貨物拠点として難しいのは、海田大橋の橋梁の高さ制限(30㍍)があり、コンテナ貨物船の大型化が進む今日では、相応しくないからだ。この他には、現在出島地区では埋め立て造成工事が進んでいる。第1~2工区は、既に竣工しており工事は第3~5工区に移っている。


画像8 出島地区埋め立て完成予想図(画像 広島県HPより)

 今後縮小社会(超高齢化と大幅人口減)が進行が予測される中、無駄な公共事業との批判の声もある。しかし、現実には広島港の企業用地分譲が完了しており、このままでは新規需要の取り込みへの対応が不可能で、企業の流出を招きかねない。それを防ぐ目的もある。現時点でそれなりの需要があっても、将来的には厳しいものは造る必要はないと思うが、現在も将来も需要があるものについては時代関係なく造るべきだと考える。出島地区のコンテナ貨物拠点の高度化もその中の一つだ。広島港に限った話ではないが、広島県の製造品出荷額の約88.8%は臨海部関連で港湾への依存率が高い(全国7位)。平野部が少ない広島特有の事情があると思われる。今回の長期構想でも保留扱いとなっている同地区の
『メッセ・コンベンション等交流施設用地』(8.0㌶)についても少し触れる。この問題の市のスタンスを取りあげた記事はこちら⇒『広島の都市問題 メッセ・コンベンションシティ構想の今』 かっては、メッセ・コンベンションシティー構想(ポートルネッサンス21)を実現する地区として出島地区に展示施設のほか、国際会議場、ホテル、大型商業施設、高層住宅、業務系テナントビル、新スタジアム(新市民球場?)、展望タワー建設を謡い、西風新都(当時は西部丘陵都市)と共に広島の副都心を建設する予定だった。バブル経済崩壊で夢の計画はご破算となり、県と市の極度な財政難や都心型コンパクトMICEの考えが主流となり、交通の利便性が高くない出島地区に建設する意義は失われた。ブログ主の予測だと市が主体性を持ち建設するMICE(展示)施設はこの地には建たない、と考える。市の考えだと緊急性の高い施設との認識はなく、中・長期的な課題のようだ。当面ははっきりとした方向性は打ち出さず、このまま放置するものと思われる。長期構想で描かれている出島地区の将来イメージは以下の通りだ。


画像9 拡大図(要拡大) 出島埋め立て地・宇品地区の各施設配置図(画像 広島県HPより)  

広島港長期構想出島地区の方向性
▼国際的なコンテナ物流拠点の形成が図られるよう、物流関連ゾーンを既存のコンテナター ミナル
 を中心に、コンテナターミナルの拡充や背後に物流ターミナルを確保する形で、かつ、交流拠点
 ゾーンや環境・緑地レクリエーションゾーンと分離(機能分担)して地区の 南西側(出島沖の西
 側)に配置
▼在来貨物の既存埠頭での利用形態を踏まえ、物流関連ゾーンを地区の北西側(出島西)に 配置
▼国際的な交流拠点としての機能を確保すると共に、既存ストックを活用した回遊性のある 賑わい
 空間が創出されるよう、交流拠点ゾーンを宇品地区と連続し、かつ、物流関連ゾー ンと分離(機
 能分担)して地区の東側に配置
▼憩いやふれあい、レクリエーション等を楽しむ緑地として、廃棄物処分用地を活用し、元宇品の自
 然と対をなすよう、環境・緑地レクリエーションゾーンを物流関連ゾーンと分離(機 能分担)し
 て地区の南東側(出島沖の東側)に配置 

続く

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 この記事をみた瞬間、大爆笑した。サッカースタジアム計画にあれだけ噛みつき、日常的な賑わい施設建設も反対だった筈が、今回賑わい性施設の提案をしているのだ。色々と言っていたが、要はサッカーアレルギーだと思う。今回の提案は、はからずもその説を証明する形となった。他の社会忌嫌施設―大学、保育園、清掃工場、下水処理場、空港、火葬場同様にスタジアムもこの範疇に入るのだろう。スタジアムの問題はこれでやめる(笑) まずは中国新聞から紹介する。
………………………………………………………………………………………………………………………
出島埋め立て地活用策どう描く
 広島港の港湾計画改定作業
県 緑地・埠頭設置を提案、業者団体 ゴルフ場・海釣り公園
2月11日中国新聞21面より


 広島県が2017年度末までに完了を目指す広島港の港湾計画の改定作業で、同港出島地区(南区)に整備する3工区計86.5㌶の大規模埋め立て地の活用策をどう描くのかが、焦点となっている。物流関連の開発を軸とした上で、県は緑地や大型クルーズ船用の埠頭を設けたい考え。これに対して関連業者の団体からは、ゴルフ場や海釣り公園整備を求める声が出ている。
 

画像1 2月11日中国新聞21面より 拡大図(要拡大)

 埋め立て予定地は整備済みの第1、第2工区の南側海域で、市立広島特別支援学校沖の第3工区(43.7㌶)▽出島地区国際コンテナターミナル沖の第4工区(11.6㌶)▽産業廃棄物などを取り扱う出島処分場を含む第5工区(31.2㌶)に区分される。第3工区は、首都圏の建設残土を1994年から年3~45万㌧受け入れている。14年の広島土砂災害で発生した土砂やがれき計27万㌧も収容。最も早い完成が見込まれている。第4工区は未着手。第5工区は、県が14年5月に出島処分場を開設して、搬入された汚泥やがれきを護岸で囲まれた閉鎖海域に投じている。

 県は、周辺の物流倉庫の老朽化や近年の貨物量の増加に対応するために、第3・4工区の大部分を倉庫や荷役用地にする考え。港湾関係者や有識者でつくる検討会の1月下旬の会合で第3工区の埋め立てを段階的に進め、倉庫などを順次整備する方針を初めて示した。県によると、宇品・出島地区の倉庫は48施設のうち42施設(87.5%)が築30年以上。宮津智文空港港湾部長は「物流用地を確保すれば相当解消する。ますは第3・4工区を早期に完成させたい」と説明。17年度にはその第3工区の完成時期を決める予定だ。

続く⇒
出島埋め立て地活用策どう描く(要拡大)
…………………………………………………………………………………………………………………
……

1 遅まきながら進む広島のウォーターフロント開発 
周回遅れだが、これからの時代のマッチしたものが造れる


画像2 画像1部分拡大図その1


画像3 画像1部分拡大図その2 拡大図(要拡大)


画像4 出島・宇品中央・海田地区の老朽倉庫の第3工区移転案 拡大図

 今回の港湾改定計画は7年ぶりとなる。前回改定内容は次の通りだ。 ~広島港 港湾計画 一部変更~(国土交通省HP)焦点は第3工区(43.7㌶)の利用計画だ。広島県は老朽物流倉庫移転の受け皿と緑地、埠頭、荷役用地を想定。広島みなと振興会側は、第3工区の一部と第5工区にゴルフ場と海釣り公園整備を提唱している。県の埠頭案反対理由は記事にもあるが、不定期に寄港する大型客船が来ると、数千人単位で上陸するので、業務を阻害される恐れがあるからだ。スタジアム問題の時のような喧嘩腰の反論ではなく、あくまでも主たる施設利用者としての立場から冷静に提案しているのが、非常に印象的だ。埠頭かレジャー施設かの違いでしかない。下記画像5がその整備イメージ画像だが、大型客船が停泊している(第5工区?)勝手なイメージだと反対の声は強くなさそうだが、強くなれば意見を汲み取り、彼らが提案しているゴルフ場や海釣り公園でもいいと思う。現在、宇品外貿地区に停泊する外国旅客船は年20隻程度。慢性的な道路交通の阻害要因にもならないので、目くじらを立てるほどの事もない、と思う。この意見を、議論でどう反映させるか、今後の成り行きを見守りたい。


画像5 前回改正時(2010年)の出島埋め立て地整備イメージ図(広島県HPより)


 県が主体となり2010年より波止場公園再整備や宇品プロムナード(画像6参照)、県営3号上屋活用した商業施設立地など賑わい性創出空間が整備された。 ~
宇品・出島地区賑わい創出事業~(広島県HP)第5工区(31.2㌶)では殆どの空間が、港湾緑地となっている。宇品プロムナードはみなと公園までだ。整備イメージ図だとみなと公園から第5工区まで、緑地帯で覆われている。公園内にどのような施設が建設されるのか、興味がある。今回広島みなと振興会がゴルフ場や海釣り公園を提案している。これも悪くないし、ボート遊覧可能な大規模な池を整備しても人気を博しそうだ。何も箱物一辺倒でなくとも、賑わい性創出は可能だ。

 そして、スタジアム問題のみなと公園案で人質に取られているMICE施設(展示場)も、スタジアム建設差適地が中央公園広場に正式決定すれば、MICE施設のみみなと公園に造れば良いだろう。現在の広島市の主要展示施設である広島市中小企業会館は、1979~80年完成で現在の需要に対応が出来ない。先日、
協同組合広島総合卸センター提案のサンプラザ一帯再開発の提案は、夢のあるプランだが、隣接する西部埋め立て第5公園も開発区域に入っている。都市公園法の縛り-MICE施設NGがある限り、実現は難しい。MICE都市を標榜する広島市には、新規のMICE施設は不可欠だ。みなと公園が最適だと考える。スタジアム部分を取り除けば、ヒステリックな反対はないと予測する。唯一の懸念は、軌道系アクセスの弱さだ。建設を機に、未だに路面電車の域でしかない、広電市内軌道線は高度・LRT化すればよい。宇品線の皆実町6丁目ー広島港間、比治山全線を軌道の高度化ーセンターポール・リザベーション化、PTPS(公共車両優先システム)設置で事足りる。万単位で集客するイベントなどそうそうないし、スポーツの試合のように、一定時間に混雑が集中することもない。

 平和の丘計画や西飛行場跡地記事でも書いたが、広島市とその周辺は家族連れで半日~丸一日遊べる場所が少ない。こうした選択肢が増えれば、現状満足派が多い広島市民の豊かさはより増すだろう。様々な事情で、他都市よりも周回遅れになった感があるウォーターフロント開発だが後発の強みを逆手に取り、身の丈に合ったものを整備すれば問題ない。


画像6 整備された宇品海岸プロムナードの様子(広島の街と音楽と・・・より)

2 広島港各地区の一体感創出のため南道路の早期開通を! 



画像7 広島港各地区平面図(主なもののみ)国土交通省HPより

 自動車関連産業は、日本が世界の市場で互角以上の戦いが出来る数少ない分野である。国内の就業者数は、547万人。全就業者数6,311万人の8.7%を占める。自動車関連に製造出荷額は年間50.3兆円で、全体の17.4%。国内市場が今後縮小する中、生産・輸出拠点としての役割は今以上に重要となる。年間30万台を超える輸出港は全国で6港のみ。広島港も39台で5位に入っている。~広島港 港湾計画一部変更~(国土交通省HP)これは宇品外貿地区である。広島港と言っても宇品・出島地区だけを指していない。各地区の概要は以下の通りとなる。

〇宇品内港地区
 旅客タミーナルは、四国と島しょ部を結ぶ交通の要衝。みなと公園は多目的公園でイベント開催も頻繁に行なわれる。
〇宇品中央地区
 市営桟橋があり、一部の旅客船はが発着する。宇品波止場公園~みなと公園まで宇品海岸
 プロムナードが整備(上記画像5参照)され、商業施設も立地して賑わい性創出に一役
 買っている。

〇宇品外貿地区
 広島が誇る自動車産業の要。不定期の大型旅客船も寄港する。
〇出島地区
 5万DWT級(4,000TEU積)の大型コンテナ船に対応した水深14mの岸壁やガントリー
 クレーン等を有する中四国最大の国際コンテナターミナルがある。現在も埋め立て工事が
 進行中で、今回の改定作業でも第3・4工区に老朽倉庫の移設が検討されている。
〇海田地区
 コンテナターミナルとして主に自動車部品の輸出に利用されている。台湾や中国などへのダイレクト
 輸送や神戸港へのフィーダーサービスが行われている。

〇五日市地区
 広島都市圏の物流拠点として3万トン級の貨物船の入港が可能な水深12mをはじめとする
 外貿岸壁がある。
市民の憩いの場となる公園・野鳥園なども整備されている。
〇廿日市地区
 広島港における輸入貨物の約5割を占めるLNG(都市ガスの主原料となる液化天然ガス)
 約80万トンを取り扱っており、
LNGの一大輸入拠点。
水面貯木場としての機能もある。


画像8(左)広島港出島地区、画像9(右)宇品内港・外貿地区(国土交通省HPより)

 各地区機能分担を果たしている。これらの横のラインを結ぶ交通網は貧弱だ。海田大橋ー広島高速3号線ー広島南道路ー
県道廿日市草津線と有料道と一般道の組み合わせで、1つの道路としている。車線数も2~4車線でまちまちだ。市と県の財政難が最大の理由だが、大動脈としての機能にはほど遠い。そもそも都市高速道路というのは、一般車両と業務車両を分離して、都市の物流機能を維持する目的がある。有料道(広島高速3号線)を整備したは良いが、その目的を果たしていない。一般幹線道(国道2号線、霞庚午線)利用に比べ、コスト応分(通行料金)の対価(時短効果)が少ないからだ。中小の事業者が多い物流業の場合、コスト増大は死活問題となる。それなら30分早く出ろ、になる。行政側の思惑は、有料道部分を整備して先行開通区間の原価償却に充てたいのだろうが、必ずしも上手くいっていない。やはり、広島南道路ー広島高速3号線の一般道整備促進が必要だと考える。

 現在広島南道路の一部として県道廿日市草津線(八幡橋東詰交差点ー広島はつかいち大橋東詰交差点 1.6km)の拡幅工事が完成間近だ。臨港道路廿日市草津線整備事業~(広島県HP)ただ、2期区間以降の整備スケジュールは未定だ。それにも増して、需要がもっともある2車線区間の新大田川橋-吉島間の4車線化と宇品地区への延伸が急務と考える。広島南道路が与える(フル規格整備の場合)インパクトは大きい。広島港エリアを結ぶ産業道路の役割だけではなく、都市圏全体の通過交通を捌く役割も担い、都心部、デルタ内エリアの交通量削減にもなり、広島の主たる公共交通の広電市内軌道線、バスの定時性向上にも寄与する。目に見えない費用対効果も含め、絶大の経済効果がある。西飛行場跡地では、2020年度末までに大規模な賑わい施設が完成。今年の春には海島博跡地には大型商業施設「LECT(レクト)」が開業。同地区の中 央 卸 売 市 場の建て替えも控え、ウォーターフロント地区としての賑わい性創出の後押しもする。

 高規格道路として
西広島高架都心部延伸(広島西道路)と、広島高速4号線の山陽道接続が新規採択の遡上に上っているが、財政に余裕があれば、南道路整備促進も含め3道路同時整備も可能だが、現状ではそれは望めない。事業の選択と集中を思えば、南道路整備促進一択だと考える。西広島高架都心部延伸など、不格好ではあるが南道路が完成すると左程の緊急性はなくなる。私個人の考えだが、道路を含めた都市交通で最も緊急性があるのは東広島廿日市道路ー安芸・東広島・西条BP、広島南道路の総称 の整備だ。特に南道路部分は強く感じる。次いで、デルタ内準基幹公共交通(広電・バス)の高度・LRT・BRT化だ。この2つが急務だ。先日まで市の予算案を特集記事で掲載した。賑わい性が生まれると、移動交通需要が発生する。その需要に応じた都市交通インフラも必要となる。最後は記事タイトルと少し、外れた内容となったが、また何か動きがあれば取り上げたい。


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シリーズ記事 広島港について考える ー広域拠点の観点からー
前回記事 広島港について考える 4 ー広域拠点の観点からー


10 広域拠点としての交通インフラ整備 ~広電改良策 その2~

② 輸送力向上策


画像1 ハンガリーの首都ブタペストLRT
 新規開業都市ではないが、低床車両の編成長は54m(広電は30~30.5m)である(ユーチューブ動画撮影)

 輸送力向上は、ある意味速度向上よりも重要だ。MICE施設にスタジアムが併設される場合、万単位の集客イベントがサッカーだけで年間20~25回、その他イベントでも年に数度あるだろう。JR・アストラムラインがない宇品・出島地区では、広電市内軌道線が最大輸送単位の公共交通となる。JRの新型227系だと2両編成定員が259人、3
両編成定員408人、MAX8両編成定員1,075人、アストラムラインが一編成定員が286~288人に対して、広電5000形、5100形は149~153人である。JRの1/7、アストラムラインの半分強の輸送力でしかない。イベント輸送での路面電車の限界を見事に露呈している。
 日本で真のLRTが誕生しない理由は、軌道法の縛りが大きい。一編成長30m以下、最高速度制限40km/hがその代表的なものだ。30m以下だと、一編成定員が150人前後。小量輸送機関であるバス(70~80人)以上、中量輸送機関(300人前後~)であるモノレール、AGT未満の中途半端な輸送機関でしかない。運営費の独立採算が大前提にあるので、信用乗車方式採用が難しく人件費も嵩む。最高速度40km/h制限があり、専用車線を持たないバスにも速度で負ける。それならば、一部区間を専用レーン化、PTPS(公共車両優先システム)設置して、連接バス(18m130人ワンマン運転可)を走らせたほうが費用対効果が高く、理に適う。 ~軌道法運転規則(46・53条)~(国土交通省HP)欧米では、AGT・VALのようなゴムタイヤ軌道方式や、モノレールなどを中量輸送機関として採用している都市は少なく、巨大空港内の移動手段として使われることが多い。あちらでは、LRTとBRTが中量輸送機関としての認識だ。ドイツのシュタットバーン(地下式路面電車)は、路面区間を最大編成長75m電車が走り、LRT新規開業都市では、40~50mクラスが我が物顔で行き来している。

 万単位集客イベント開催時の5号線に限り、軌道法芝縛りの30m以下規制を取り払うしかない。広島県のスタジアム輸送計画(3.0万人集客
時)では、広電の時間当たりの輸送能力を6,240人/hとしている。輸送単位を150人/一編成だと、時間当たり42本。県の担当者の発言で、「時間当たり24本」があった。これでは6,240人も運べない。5号線が時間当たり24本(2分30秒毎)で、1・3号線各9本(約6分弱毎)、計42本と解釈した。 ~宇品地区の交通課題の解決策に関する検討状況について~(広島県HP) 本数的には複線軌道の容量限界だろう。広島港ターミナルの線増(4線化)で、軌道内混雑緩和を図る考えだが成功する可能性は高くない。5号線に限り、30m車両を連結運転すれば、運用本数は減らせる。分かりにくいのでまとめてみた。

広電5号線(広島駅ー比治山下ー広島港)の連結運転計画

・30m車両の連結運転(実質60m車両化)
単純に輸送力が150人×2=300
人となり、アストラムライン(286~288人)よりも少し高くなる。

後編成車両は広島駅と広島港のみ乗降可(途中電停乗降不可)
60m編成車両運行の場合、比治山線・宇品線電停の途中電停サイズでは当然はみ出す。物理的に不可能。ターミナル機能が備わった広島駅、広島港では車外改札が可能なので、車掌も必要ない。

・時間当たり15本(4分毎)
連結運転が実現すれば、300人×15本=4,500人となり、現行計画よりも900人増える、しかも運用本数は9本減である。軌道内渋滞回避にも繋がる。
 
・広島港ターミナル増設(4線化)、元宇品口ー広島港間に臨時電停設置
終点ターミナルの広島港の線増は、過密運行処理能力向上をもたらし、臨時電停設置は、みなと公園右横に設置。広島港ターミナルの混雑分散が目的。

といった感じだ。最後の部分は、ついでに付け加えた。画像2は京都市営地下鉄東西線に乗り入れる京阪電鉄京津線の路面走行の様子だ
が、京津線車両の編成長は66m、軌道法の特認を受けている。センターリザベーション、センターポール化された軌道ではない。日本でも例がないわけではない。スタジアム建設断念の場合は、連結運転の必要性はない。宇品・出島地区を賑わい性を持たせた広域拠点として整備する場合、広電宇品・比治山両線の走行環境の大幅改善は必要だろう。


画像2 京都市営地下鉄東西線に乗り入れる京阪電鉄京津線の路面走行の様子(ユーチューブ動画撮影)、イメージとしては、1960~80年代に建設された旧西ドイツのシュタットバーン(地下式路面電車)に近い。
 

11 広域拠点としての交通インフラ整備 ~バス編~

2016-06-30 (2)
画像3 岐阜駅前のバスターミナルに入る連接バスの「清流ライナー」
(ユーチューブ動画撮影)
 
 広電市内軌道線が輸送能力の面で、どうしても中量輸送機関になりえない可能性が高い。よって、本来であれば補完交通機関でしかないバスの役割も大きい。バス輸送改善の提案は2つ。既存路線の広島バス21-1・2号線のルート改変、今年の1~3月に行われた広島高速道路を利用した社会実験「湾岸線バス」の定期路線化だ。 ~「バス路線を統合する」社会実験の概要~(広島市HP)

① 広島バス21-1・2号線のルート改変
広島バス21-1・2号線(広島バスHP)

 広島市の路面公共交通の問題として、広島駅ー八丁堀・紙屋町地区の東西方向に移動需要が大きいことだ。バス路線は1日約3,800便が集中、広電市内軌道線も多くの系統が集中している。南北方向が弱いのだ。2015年3月にJR山陽本線とアストラムラインの結節が誕生したが、路線は本通で終わり。延伸計画も白神社まであるが、実現の可能性は極めて低い。東西方向のバス路線集中は、都心部道路の慢性的な渋滞を誘引している。21-1・2号線の広島駅ー紙屋町間を廃止。21-1号線を横川駅ー基町ー紙屋町、-2号線を新白島駅ー基町ー紙屋町に改める。始発駅は横川、新白島2駅となるが、横川駅前広場は多くの便を処理するのが難しく、新白島も後付け駅なので駅前広場がない。横川駅始発で新白島経由も考えたが、迂回コースとなり速達性が落ちる。そのために分けた。鷹野橋宇品線のPTPS設置も検討して、紙屋町ー広島港間の所要時間を21分から2~4分短縮する。

② 基幹バス「湾岸線」定期路線化

 この路線は、西風新都ー井口・商工センター広島港など広域拠点を結ぶ基幹バス構想が、そもそものスタートだ。社会実験の結果は定かではないが、広島市の都市戦略の沿った路線なので、一定の補助を行う委託路線として導入・維持を検討するべきだ。社会実験では、イオンモール広島府中が東側の起点となったが、他の交通機関との結節も考え広島駅北口広場、広島高速5号線完成時には、広島駅北口始発が良い。広電の西風新都のバス路線ともども、岐阜市の清流ライナー(上記画像3)のように連接バス導入も視野に入れる。停車停留所も少なく、長さ18mの連接バス停車の問題も起きないだろう。アルパークのバスターミナルの容量は余裕がある。広島高速道路が2車線区間なので、道路上に停留所設置は難しい。イオンモール始発と広島駅始発の分岐系統にしてもいいだろう。広島高速道路2・3号線の4車線化が完成した暁には、多くの停留所(観音、江波地区など)を設け、利用者増を図る。


動画1 フル規格で導入された広州BRT。中央車線の終日専用レーン化、PTPS設置など導入ハードルは高いが、1km当たりの建設コストがフル規格地下鉄300~400億円、リニアミニ地下鉄200億円、AGT地下200億円、AGT高架100億円、LRT20億円に比べ、5億円と安価で導入都市も多い。



続く。


 

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