封入体筋炎患者闘病記

 封入体筋炎患者のヒロです。病歴は2019年で満11年、12年目に入りました。在宅勤務の仕事とリハビリの日々を送り、細やかながらも家族3人で暮らしています。ブログ記事は闘病記と広島地元ネタ、社会保障などの時事ネタ中心です。希少疾患の封入体筋炎の周知が目的です。関心があれば、ツイッターなどでご紹介していただければ幸いです。疾患関係で直コメントが苦手の方は、ツイッターのダイレクトメールを利用してください。封入体筋炎の闘病史は各進行段階の症状や生活障害、必要な社会保障制度等をまとめています。良ければ参考にしてください。最新の封入体筋炎の状況は『近況について色々と』、取り組んでいるリハビリについては『2019年春~夏 筋疾患(封入体筋炎)リハビリ』にて素人の体感目線で書いています。モバイル版で読みにくい場合は、PC版に転換してからお読みください。

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前回記事 広島市、立地適正化計画策定
カテゴリー記事 
広島市の都市問題 コンパクトシティ

【考察その1】
オランダの立地条件に起因した国土政策
40年近い都市の成長管理の歴史



動画1 アムステルダム旅行ガイド | エクスペディア


動画2 The Hague, Netherlands in 4K (UHD)

 オランダは日本語表記であり、オランダ語表記の『ネーデルラント』(低地の国々)の音訳である。日本語ではオランダ王国とされるが、オランダ語ではネーデルラント王国が正式名称となる。その名が示すようにライン川下流の低湿地帯に位置し、国土の多くをポルダーと呼ばれる干拓地が占める。国土の1/4は海面下に位置している。ヨーロッパにおける最高地点はドイツのアーヘンに近い南端のファールスにあるファールス山における322.5㍍と低く、最低地点はロッテルダム北東のマイナス6.7㍍である。過去数世紀にわたり、一世紀当たり15~20㌢も低下していると考えられ、近年では地球温暖化の影響で、海面水位の上昇しており環境問題に敏感なEU諸国の中でも実害がある分、さらに敏感になっている。それは国土政策に色濃く反映されている。高成長期(1960年代~)以降の国土政策の変遷を見てみたい。

オランダの国土政策の変遷
①第1次国土計画(1960年)※注1ラントスタットの過大化防止と
※注2グリーンハ ートの保全 
②第2次国土計画(66年)-ラントスタットへの開発圧力を抑制するためにオーバースピル策をと取るが、分散した市街地はある程度集中させる集中的分散策を提示
⓷第3次国土計画(73年)-集中的分散策を一層現実化するために既存都市を拡充して成長センター・成長都市に指定するニ ュータ ウン政策をとる。人口と産業の全国土への均等配置を目指す
 
④第4次国土計画(88年)-大都市機能の低下を防ぐためにラントスタットへの投資を増大させるコ ン パ ク ト・シティ策を提示 。 ABC策の採用。しかし環境対策が欠如していたため廃案となる
⑤第5次国土計画(93年)-EUの統合とグローバル化の進展に対応するためにラントスタットの一層の強化を目指すシティ・リージョン策を提示 。新自由主義路線のため社会的排除の問題が顕在化
⑥第6次国土計画(00年)-EU内での都市間競争と共存を目指した一層のシティ・リージョン・ネットワークの強化。その一翼を担うラントスタットを中心とした『デルタメトロポリス構想』の推進


※注1ラントスタット
 オランダ西部に位置し、オランダの面積の約1/5を占める帯状の地域である。ヨーロッパで最大規模の都市集積のひとつであり、オランダの総人口の約45%にあたる710万人の人口を擁し、オランダの政治経済の中心地帯
※注2グリーンハ ート
 オランダ西部のロッテルダム、ハーグ、アムステルダム、ユトレヒトなどの4大都市の中間地域の広大な田園地帯。緑が良く保全され、国立景観にも指定されている開発緩衝地帯

 ラントスタット地区(日本の首都圏に相当)の肥大化抑制と都市の成長管理(拡散都市化抑制)に相当、神経を払っていることが容易に伺える内容になっている。コンパクトシティの概念の芽は、60年代よりあったようだ。『集中的分散策』の言葉に矛盾を感じる方もいるかも知れないが、『集中~』とは、オランダレベルで拡散してしまった都市構造を転換して都市機能を集中(集約)させることを意味し、『分散』とは、ラントスタット地区への一極集中を回避させて、国土全体の均衡ある(分散)発展を目指すとの意味だろう。オランダもそうだがドイツ、フランスなどもモーターリゼーションに迎合した拡散都市化の弊害-都心部地区の求心力の低下、環境問題(大気汚染、自然破壊)など-が社会問題化した60~70年代に道路建設中心の都市交通政策から公共交通中心の都市交通政策に方向転換をし、人間性重視の都市建設にも舵を切り直している。日本も同時期においては、多少の影響を受け、公共交通整備の重要性を大都市中心に認識され始めていたが、どちらかと言うと道路整備に膨大なコストと年月がかかる事から効率性のみに重きを置かれ政策転換された気配が濃厚だった。欧州都市でこの時期に多く誕生したトランジットモールやモールネットワークなどは、随分と形骸化(日本風アレンジ)され一部の都市に誕生した(モールのみ)だけに終わった。肝である筈の都市の成長管理の概念は、自由な経済活動の阻害要因になるという頓珍漢な解釈の元、見向きもされなかった。都市の成長管理の概念は、拡散都市化-都市のスプロール化-抑制で、21世紀の今日ではコンパクトシティや日本の集約都市の実現に欠かせない要素の一つとなっているが、当時の日本においては都市の成長-無秩序な郊外開発-は何にも増して善だと認識されていた。農地や自然の多い地区など保全して開発緩衝地帯にする発想など皆無で、遊休地扱いにされ恥じていたぐらいだ。



画像1 多核分散型環状ネットワーク都市一※注1ラントスタット

 88年策定の第4次国土計画辺りから、国策として抑制していたラントスタット地区への投資を増大させる政策に転換させている。これはEUの統合を視野に入れ、オランダ国内での都市間競争ではなくEU諸国との各都市との競争力の向上をたぶんに意識したものだ。日本よりも一周期どころか、二~三周期も早く拡散都市化の抑制-都市の成長管理-都市政策に掲げていたオランダが自動車利用の実情をある指標を持ち出して見てみる。

オランダ国内と主要都市の自動車に係る諸指標
       
         千人あたりの乗用車    旅客輸送の構成比(09年 %)
         登録台数(台/千人) 
乗用車   バス   鉄道    都市鉄道 
オランダ       460     
83.0  6.9   9.3   0.9
ドイツ        510     
84.6  6.0   7.9   1.6
日本         323     
69.5       30.5

           通勤・通学ベースの交通分担率(%)
         自動車    公共交通    自転車   徒歩などその他
アムステルダム   23     12      32     33
ロッテルダム    35     13      22     30
デン・ハーグ    31      9      25     35

ユトレヒト     26      6      36     32
広島市       48     16      17     19

 オランダ国民の自動車保有率は日本よりも少し高い。個人所得にこの3か国は大きな隔たりはないので、経済的なことは理由にはならない。オランダの主要4都市と言っても、人口30~80万人台で100万人を超えている都市は一つもない。日本のこの規模の地方都市であれば、自動車の分担率は60~70%で推移するのが常だ。交通分担率でわざとらしく広島市の数値も書き足してみた。公共交通利用は4都市よりも多いが、自動車利用が群を抜いて高く、自転車や徒歩などの分担率が群を抜いて低い。一概には言えないが、オランダの都市よりも通勤・通学距離が平均すると長いと思われる。4都市を見ると、公共交通の整備水準が日本とは比較にならないくらい高い割には、あまり利用されていない。理由は察すると、公共交通が自転車と競合関係にあるのだろう。オランダはデンマーク同様に世界冠たる自転車大国である。誤解されるのが嫌なので補足説明をするが、日本は先進国でもダントツの鉄道大国だ。国内の旅客輸送の30%も占めている。日本の国土は面積の割には東西に細長く、自動車の移動時間がかかることや高速道路の有料制、そしてモンスター都市圏である首都圏輸送が貢献しているのがその理由だろう。地方都市の公共交通に絞れば、整備水準やその利用率からも決して公共交通大国とは言えない。即ち、コンパクトシティや集約都市が公共交通移動中心の都市建設と定義するなら、自動車移動中心の日本の地方都市は、拡散都市構造にどっぷりと浸かっていることになる。『オランダには世界での市場で戦う自転車メーカーがなく日本にはある』も理由にならない。自動車メーカーの主要市場はグローバル化により市場が縮小傾向の日本ではなく、北米、中国、EUに既に移っているし、国民1000人当りの保有台数は、日本よりも多いオランダの通勤・通学での自動車利用の低さはやはり都市交通施策に『一日の長』どころか『二日の長』があると言える。次の考察では、その自動車利用に大きな制限を課しているオランダ特有の政策について考察したい。


画像2 縦横に運河が張めぐされているオランダの憲法上の首都アムステルダムの市街地(画像 GVB公式HPより)

【考察その2】
オランダ独自の自動車利用抑制策『ABCポリシー』
机上の空論の批判も強いが・・・



画像3 オランダの実質首都で第3の都市デンハーグの官庁街のビネンホフ地区の様子(画像 ウィキペディアより)


画像4 オランダ第2の都市ロッテルダムの市街地の様子(画像 ロッテルダム公式HPより)


画像5 鮮明図 憲法上の首都で最大都市アムステルダムの公共交通路線図。メトロ(地下鉄)5系統、トラム16系統、バス55系統、フェリー5系統をGVB(アムステルダム市営交通会社)が運営している(画像 GVB公式HPより)

 その自動車利用抑制策とは『ABCポリシー』である。90年にVORM(住宅 ・空間計画 ・環境省)と VENW(運輸 ・公共事 業 ・水利省)が 共同で 『The Right Business in the Ringht Place』の標語と共に打ち出した政策で、土地利用と交通需要双方 のコントロールを図るものとして注目された。 コンパクト・シティ政策と違って、明確に記述された法的拘束力のある施策で、アクセス特性と事業所のモビリティ特性を適切に組み合わせ、企業立地を誘導、立地条件を整備する事を目的とした。国内の4大都市圏(アムステルダム、ロッテルダム、デン・ハーグ、ユトレヒト)にこのシステムを導入した。アクセス特性-公共交通の駅・停留所や幹線道路からのアクセス性に応じて、土地をA、B、Cの3段階に分類して指定し、ABCの地区ごとに駐車場の設置基準を定めて公共交通利用への誘導を図るとした。概略は以下の通りとなる。

A立地:公共交通の利便性が高い
 【アクセス特性】
 ①中央駅への距離が1.2㌔未満 ②同駅への距離が1.8㌔未満で、バス停留所が300㍍以内 

 ③同駅への距離が2㌔未満で、地下鉄駅などが300㍍以内 ④同駅への距離が1.4㌔未満
  で、トラム停留所が300㍍以内 -のいずれかに該当
 【駐車場設置基準】 従業員数×10~20%
 【自動車利用率目標】20%以下
B立地:公共交通の利便性が比較的高くて自動車の利便性もよい
【アクセス特性】
 ①鉄道駅か地下鉄駅などから800㍍以内 ②高速道路へのアクセスが2㌔以内、もしくは主要
 道路から500㍍以内 -の全てを満たす
【駐車場設置基準】 従業員数×20~40%
【自動車利用率目標】35%以下
C立地:自動車の利便性がよい。
【アクセス特性】
 高速道路へのアクセスが2㌔以内
【駐車場設置基準】 制限なし

 更にモビリティー(コトバンク)特性を決める指標を ①従業員密度 ②来訪者密度 ③自動車
 の業務利用割合 ④ 貨物の搬出入
の条件から、11分類の事業所タイプごとに適切な立地先を指
 定。そして
これら地区ごとに駐車場比率設定を実施。

 1 低密度な工場 =C  2 農業関連企業
 C  3貿易関連企業 B 4運輸・通信関連企業
 C  5自動車依存度の高い業務オフィス
 B  6 高密度な工場B  7 自動車依存度の低い
 業務オフィス
A 8官公庁 A 9 社会サービスB 10 公共施設 A 11 医療施設 
 =

 たぶんに実験的な意味合いで導入された施策で、導入前より机上の空論の批判が付きまとっていた。①導入後も新規事業所立地にしか効果が発揮されない ②A地区指定では事実上、企業誘致の大きな障害となりB地区に変更する事例が多数発生した ⓷自動車の平均的通勤距離は80年の15㌔から、95年には21㌔に伸長した ④週末は規制だらけの都市から脱出する市民が多く誕生した などを導入後指摘され、その実効性に疑問が呈された。専門的な調査チームの報告では、『都市形態よりも多い世帯当たりの所得分布の方が自動車利用に大きな影響を与える』と結んでいる。そんな否定的な意見がある一方、自転車利用王国の土壌があったとは言え、欧州都市でも低い自動車利用率にとどまり、(公共交通利用転換ではなく)自転車利用転換にシフトした意義は大きく、環境持続空間、都市交通計画のアプローチとして評価する意見も多数寄せられた。特に移動距離5㌔未満では、自動車利用から自転車利用への転換率が異常に髙かった。都市交通系の他記事でもよく指摘するが、欧米先進国(OECD加盟国)の都市交通事業はモーターリゼーションの影響から営利目的としては既に終わっている。オランダもその例外ではなく、燃料税(日本のガソリン税に相当)の一部と天然ガスの収益が専用財源としてインフラ整備と運営補助に充てられ、全国共通運賃制を導入しており、運営もごく一部が民間に委ねられているが数は少なく、未だに公営系企業が運営に当たっている。インフラ整備の補助率は60~90%である。独立採算制を原則としていないので、先に触れたように公共交通網の整備水準は日本とは比較にならない。都市の人口密度も高いので、都心部地区とその近隣地区の殆どがA地区に該当しそうだ。オランダでは、ABCポリシーを廃止することなく、他の政策でも駐車場の立地制限と削減を施し、燃料税の値上げを断行し、ラントスタット地区へのロード プライシング(道路課金)が提案されている。自動車保有率の高さがそのまま利用率の高さには繋がらない、自動車利用の抑制策は集約都市構造への本格転換を目指す広島市及び、日本の良いモデルケースになると思うのはブログ主だけだろうか?集約都市実現の手法に都心部地区の駐車場の制限を設けるのは、必須メニューの一つになっている。


画像6 オランダ第3の都市デン・ハーグの市内に6つある広場の様子。日本では絶対に見られない光景だ(画像 デン・ハーグ公式HPより)

 欧州都市が数十年かけてあれこれと試行錯誤してきた過程を経ることなく、後発組の日本は答えを知って最初から入っていける。広島市個々の問題で言えば、今年に入り『百貨店その他の店舗150平方㍍ごとに1台』と『事務所、その他の特定用途 250平方㍍ごとに1台』という附置義務の改正、撤廃の検討を表明した。モーターリゼーションが進行している現状を顧みない施策にも映るが、そうではない。既存の公共交通網を再編・強化して、それ中心の移動になる都市構造にするのが集約都市の本懐だ。都心部地区の求心力回復のために同地区の駐車場を増やす政策を導入している都市など欧州では皆無で、むしろ駐車場を減らして、その跡地を公的空間や駐輪場などに転用している。そもそも土地の高度利用が求められる同地区で、移動需要に見合う駐車場を提供するなど物理的に不可能だ。民間事業者に対しては附置義務を原則求めず、市営駐車場は段階的に全廃。公共施設は、必要最小限度の設置で問題はないと考える。ABCポリシーのような制度をそのまま日本に持ち込むのは難しいが、その思想は今後の集約都市建設の中で取り入れて欲しいものだ。

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今日の話題 3月15日 広報ひろしま 市民と市政より引用

都市全体の調和を図るため
立地適正化計画を作成しました

 市は、より安心・安全で暮らしやすいまちづくりを進めるため、このたび、生活サービス提供の拠点となる『都市機能誘導区域』および『誘導施設』と、人口減少時代に一定の人口を維持するエリアとして『居住誘導区域』を定める、立地適正化計画を作成しました。

3月29日金曜日から運用開始

 市は、高齢者をはじめとする住民が過度に自家用車に頼ることなく暮らせるまちを目指しています。その方法の一つとして、公共交通などの利便性の高い区域に居住機能や都市機能を集約したコンパクトなまちづくりの推進に取り組んでいます。1月に、その取り組みの基礎となる区域や施設を設定した『広島市立地適正化計画』を作成しました。今後この計画を基に、税財政や金融、居住などに関するさまざまな支援策を実施していきます。なお、計画は3月29日金曜日から運用開始します。

日常生活を便利にする『都市機能誘導区域』

 生活サービス提供の拠点として設定する、福祉施設や病院、お店などを集める区域です。福祉・医療・商業などの機能を集め、便利で生活しやすいまちづくりを目指します。

地域のつながりを強くする『居住誘導区域』

 人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう、人の住まいを集める区域です。暮らしやすく、住み続けたいと思えるまちづくりを目指します。 
図
画像1 立地適正化イメージ図(画像 ひろしま広報紙市民と市政より)

都市機能誘導区域

①都市機能誘導区域
●一般地域型
市内の公共交通などにアクセスしやすい場所に設定(JR在来線やアストラムライン駅などからの徒歩圏)
日常生活に必要な施設を集める(食品スーパー、地域子育て支援拠点など)
●地域拠点型
一般地域型に加えて、地域的な都市機能を担う拠点地区に設定(西広島駅周辺、横川、古市、大町、高陽、可部、船越、五日市)
地域の生活者のために必要な施設を集める(区図書館、区民文化センターなど)
②高次都市機能誘導区域
●広域拠点型
広域的な都市機能を担う拠点地区に設定
(宇品・出島、井口・商工センター、緑井、西風新都)
都心との役割分担や地区特性などを踏まえ、立地が相応しい施設を集める(大規模オフィス、大規模商業施設など)
●都心型
都心の核とその隣接エリアに設定(広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区)
中四国地方を引っ張るエンジンとしてふさわしい施設を集める(コンベンション施設、シティホテルなど)
居住誘導区域
①区域設定の考え方
 現在の市街化区域を基本に設定。ただし、災害危険区域などは除外します。なお、浸水想定区域や土砂災害警戒区域は居住誘導区域に設定するが、そのことを居住者に周知するため、これらの区域であることを明示。
②居住誘導区域外での居住の考え方
 区域外には、豊かな自然に囲まれた田園生活など多様な居住ニーズがある。立地適正化計画によりこれらのエリアでの居住を制限するものではない。


【考察その1】
立地適正化計画の概要とそしてその策定背景


画像2 コンパクトシティの本場ドイツの都市ブレーメンの美しい街並み(画像 公式HPより)

 まずは、立地適正化計画の説明から行う。ここ十数年、コンパクトシティや集約都市といった言葉を耳にする機会が増えた。この2つの言葉は厳密な意味合いでは少々異なるのだが、日本においては同義とされることが多く、『日本型コンパクトシティ=集約都市、コンパクトシティプラスネットワーク』と解釈されている。平たく言って、これを実現するための計画を立地適正化計画という。意義などをまとめると下記の通りとなる。

1 立地適正化計画の意義と役割 ~コンパクトシティ・プラス・ネットワ
  ークの推進~


①都市全体を見渡したマスタープラン
 立地適正化計画は、居住機能や医療・福祉・商業、公共交通等のさまざまな都市機能の誘導により、都市全域を見渡したマスタープランとして位置づけられる市町村マスタープランの高度化版
②都市計画と公共交通の一体化
 居住や都市の生活を支える機能の誘導によるコンパクトなまちづくりと地域交通の再編との連携により、『コンパクトシティ・プラス・ネットワーク』まちづくりを進める
⓷都市計画と民間施設誘導の融合
 民間施設の整備に対する支援や立地を緩やかに誘導する仕組みを用意し、インフラ整備や土地利用規制など従来の制度と立地適正化計画との融合による新しいまちづくりが可能になる
④市町村の主体性と都道府県の広域調整
計画の実現には、隣接市町村との協調・連携が重要で、都道府県は、立地適正化計画を作成している市町村の意見に配慮し、広域的な調整を図ることが期待される
⑤市街地空洞化防止のための選択肢
 居住や民間施設の立地を緩やかにコントロールできる、市街地空洞化防止のための新たな選択肢として活用することが可能

画像3(左) 広島市の2060年までの人口推移推計
画像4(右) 広島市の2060年までの高齢化率推移推計(画像共に広島市HPより)


2 集約都市構造に舵を切り直す理由

①縮小社会(超高齢化+大幅人口減)の本格到来に向けたに向けた準備
②モーターリゼーションに迎合した拡散都市化の歯止め
 日本も現在、本格高齢化、そして人口減時代に入った。人口減に関しては、3大都市圏や地方大都市圏では19年時点では、まだ入っていないが都市規模関係なく、十数年後の30年代に入るとこれらの都市でも突入されることが予測されている。『人口の増減=+出生者数 -死亡者数 +市域外転入者数 -市域外転出者数』が加味され決定するが死亡者数が多過ぎて、少子化の影響で出生者数が極端に少ないために人口の大幅減少が避けられなくなる。広島市の名誉のために言うが、これは広島市の失政とかではなく、程度の差はあれど全国一律の問題で、地方最強都市の福岡市や東京23区でさえ、同様だ。広島市も50年以降に人口100万人割れが予測され、60年人口は93.3万人である。高齢化率も今後もうなぎ上りで、60年頃には4割近い37.8%。2.5人の現役世代で、1人の高齢者を社会保障費負担で支える騎馬戦型から肩車型に移行する。縮小社会時代において、モーターリゼーションに迎合した現状の拡散都市を放置した場合のデメリットとして以下のものがある。

地域の生活機能の縮小一定の人口集積に支えられている医療、福祉、各商業施設、公共交通の採算が取れなくなり、成立しなくなる。生活そのものが困難になる可能性が高い。利便性の高い地域に経済理由による転居出来ない人間だけが取り残される⇒生活困難地域の増加、低密度市街地のさらなる低密度化、行政コストの増大、自動車依存の加速(環境負荷の増大)
地域経済の衰退-生活の利便性が低い地域では雇用の確保が難しくなるので、立地企業等の撤退や新規立地の抑制要因になる(現役世代の流出)⇒社会保障制度の維持が困難に
地域活性化余力の衰退
 超高齢化による社会保障費の高騰(財政の硬直化加速)、都市インフラ設備の維持・更新費用の
 増大、住民税、固定資産税、法人税などの大幅減収⇒自治体財政の逼迫


拡散都市化に一定の歯止めをかけ、本来あるべき姿に戻し想定しうる事態に備えるのは急務となっている。


画像5 
70年と00年の広島市の市街地拡大の比較。人口増は1.4倍(79.9⇒113.4万人)に対して、市街地拡大は2.3倍となっている。可住地面積が、地形上の制約が多く(平野部が少ない)狭いはずの広島市でもこの有様だ


画像6 広島市都心部地区中心地の小売売上高と売り場効率の推移(画像 日本政策投資銀行HPより)

⓷都心部地区の求心力の回復

 広島市に限らず、全国の都市で都心部地区の求心力の低下が叫ばれ始め幾久しい。これも広島市歴代為政者の失政とかではなく、00年に立法化された大規模小売店舗立地法(以下大店立地法)による郊外大型商業施設の乱立が最大の原因だ。イオンモールやゆめタウンなどが競い合うように自由に立地し、増えるたびに都心部地区からは市民の足が遠のいた。求心力低下の大部分が商業機能で、伝統ある一等地の百貨店の撤退、アーケード商店街のシャッター街化など、空洞化が加速度的に進んだ。上記画像3は、バブル経済は弾け、『失われた20年』こそ始まっていたが大店立地法施行前の96年と、あらかた郊外大型商業施設が立地し終わった13年の広島市都心部地区中心地の小売売上高と売り場効率の推移である。弁解の余地が全くないほど売り上げが落ち込んでいる。単なる景気低迷だけでは説明がつかない。他の地方中枢都市の仙台市福岡市、の売上ダウンが軽微に留まっているのに対して、広島市は13年時点で96年の40%で、60%もの極端な落ち込みを示している。仙台、福岡2市との相違点を探すとすれば、広島市にはゆめタウンの本社があり、イオンモールが出店すれば対抗上、出店せざる負えずガチンコバトルを繰り返した事。二点目は、工場跡地(キリンビール、三菱重工)などの遊休地が多くあり、出店環境が整っていた事が挙げられる。他の証左を探すと、紙屋町地下街シャレオ日計通行人数が、02年-平日16.2万人 休日16.3万人 17年-平日14.6万人(90.1%) 休日13.0万人(79.8%)にまで落ち込んでいる。都市観光やMICE需要の取り込みなど国内外の都市との熾烈な競争が予測され、都心部地区の空洞化は競争に後れを取る要因になるばかりか、ネガティブイメージすら植え付け都市ブランド構築にマイナスに働く。都市の顔でもある都心部地区の求心力の回復もまた急務である。

以上が、
集約都市構造に舵を切り直す理由である。集約都市転換に反対する声もそれなりにある。その多くは本来の主旨を理解していないとか、感情的な反論が多く見受けられる。日本より一周期早くコンパクトシティに舵を切った欧州各国には、書き切れないほどの成功事例がありごく稀に失敗もあるが、戦略の問題と言うよりは戦術-コンパクトシティ実現の施策-に問題がある場合が圧倒的だ。現実問題、これ以上の施策もなく、成功事例があまたあるので反論の余地は皆無と言える。『所詮は縮小再生産の繰り返し』とまで言う場合は、そもそも論の縮小社会の少子化を多産化に切り替えない限り、ナンセンスだ。


画像7 世界初の『トラムトレイン』(ウィキペディア)が導入されたドイツの地方都市カールスルーエ。鉄道線と軌道線(トラム)の相互乗り入れは『カールスルーエモデル』とも言われる。人口31.8万人程度だが、DBのSバーン(都市近距離鉄道)との相互乗り入れ㌔数は、829㌔にも及ぶ。系統数と本数が増え過ぎて、軌道内渋滞が発生。路面区間に拡張の余地がないので、軌道を地下に増設する工事が始まっている(画像 KVV公式HPより)

【考察その2】
『広島市立地適正化計画』のブログ主の所感


画像8 広島市立地適正化計画で定めたコンパクトシティ・プラス・ネットワーク(集約都市)図(画像 広島市HPより)

 欧州都市のコンパクトシティのその多くが都心部地区一極の集約型が多いのに対して、日本のそれはこのパターンは殆どない。理由は、アメリカほどのモーターリゼーションに迎合した都市建設には達していないが、日本特有のザル法的な都市計画により欧州都市よりも拡散都市化-都市のスプロール化-が進み、一極に都市機能を集約することが難しい実情がある。要は、現実策ではないのだ。欧州都市でもパリ、ロンドン、ベルリンのようなメガシティ-市域人口及び、都市圏人口1,000万人クラスの都市-ではコンパクトシティは採用されていないが、この規模以下の大都市の場合、殆どの都市で採用されている。よく日本において誤解されるのが、『コンパクトシティ=中・小都市』『コンパクトシティ=強制移住』『コンパクトシティ=多様性の排除』といった間違った解釈を基に論じている人たちが見受けられる。コンパクトシティは都市規模を指すものではなく、あるべき都市の在り方の指針に過ぎないし強権を以て移住を迫るものではない。高次都市機能・都市機能誘導地域や居住誘導地域に何らかのインセンティブを与え、誘導する性質のものだ。多様性の排除についても、多様性というのはその地域の特有の歴史や伝統文化、風習を指す。それは時代は変わっても尊重されるべきものだが、コンパクトシティとは何ら係わりのないことで、なぜ排除になるのか理解に苦しむ。画一的なまちづくりが進むことへの懸念かも知れないが、そもそも日本の多くの都市が東京を範とした画一的な都市計画を好む傾向が強く、今更何を言っているんだ、と思ったりする。コンパクトシティよりも日本人の国民性に由来する部分が大きいのではなかろうか。欧州では都市のアイデンティティを守るために、コンパクトシティの建設に舵を切るケースが多い。

 話を広島市個々の立地適正化計画(広島市HP)に戻す。戦略性を持たせた各機能誘導地域の指定ではなく、現状容認の色合いが濃い印象を持った。現時点である程度の各集積を持っている地域なりを指定し、今後さらに強化させていく手法のようだ。これ自体は非常に現実的かつ、理に適っており問題はない。逆に気になった点としては、『高次都市機能誘導区域』として都心部地区(紙・八・広島駅周辺)と広域拠点-井口・商工センター、西風新都、宇品・出島、緑井-をほぼ同列に扱っていることだ。個人的には階層分けをして、この広域4拠点の上位に都心部地区を置くのが妥当で広島市及び同都市圏を牽引する役割を強く前面に打ち出す必要性を感じた。計画の中で言葉だけが躍っても仕方がないので、先に触れたインセンティブ-誘導施設整備に係る緒施策-について見てみたい。。上記リンクのP87以降に国と市独自の支援策の一覧が掲載されている。


画像9 拡大図 広島市立地適正化計画における誘導区域図(全図) 画像 広島市HPより

(1)都市機能誘導区域に係る施策
① 誘導施設の整備に係る施策
財政支援(国の支援策)-都市機能立地支援事業、都市再構築戦略事業、優良建築物等整備事業 ( 都市再構築型)、市街地再開発事業、都市再生区画整理事業、スマートウェルネス住宅等推進事業
税制支援(国の支援策)-都市機能誘導区域外の資産を区域内の誘導施設に買い換える場合の特例、誘導施設を整備した事業者が当該誘導施設とともに整備した都市利便施設等に係る課税標準の特例、誘導施設の整備の用に供する土地等を譲渡した場合の譲渡所得の課税の特例、都市再生推進法人に土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特例
金融支援(国の支援策)-まち再生出資 (民間都市開発推進機構)
都市計画制度や事業者選定制度の補充支援(市の支援策)-シティホテル、大規模オフィス、 大規模商業施設、コンベンション施設、地域密着型サービス事業所、地域子育て支援拠点など
② その他の施策
財政支援(国の支援策)
-民間まちづくり活動促進・普及啓発事業、都市再生事業等 (独立行政法人 都市再生機構)

(2)居住誘導区域に係る施策
① 住宅の整備等に係る施策
財政支援(国の支援策)-公営住宅整備事業
財政支援(市の支援策)-住宅団地における住替え促進事業
② 地域コミュニティの維持に係る施策
財政支援(市の支援策)-三世代同居・近居支援事業、“まるごと元気”地域コミュニティ活性化補助事業
③ 居住環境の整備に係る施策
財政支援(国の支援策)-ストック再生緑化事業、集約促進景観・歴史的風致形成促進事業、市民緑地等整備事業
●特例措置(国の支援策)
-都市計画・景観計画に係る特例的提案制度
④ 空き家の活用や空き家の発生抑制に係る施策
財政支援(国の支援策)-空き家再生等推進事業(活用事業タイプ)
財政支援(市の支援策)-住宅団地における住替え促進事業【再掲】、空き家等を活用した住民間の交流拠点づくり
空き家の発生抑制・流通促進(市の支援策)-空き家の発生抑制・流通促進

こうして並べ立てると充実のラインラップに映るが、既存の制度が殆どで立地適正化計画と同時につくられた制度は驚くほど少ない。飴のインセンティブとして果たし本当に機能するのかはどうか実に疑わしいと感じる。疑えばキリがないが、当たり前の話だが鞭がを設定出来ないのでも目論見通りに民が動くのかの疑問を拭えない。集約都市構造への転換を本気で目指すのであれば、民間が涎(よだれ)をたらし食指が動くような飛びっきりの飴と誘導地域外への新規建設を抑制する鞭を使い分けた方が絶対に良いだろう。下記画像10は欧州のコンパクトシティの本場、ドイツ、フランス、オランダの郊外開発の制度一覧だ。原則制限を加え、例外を認める場合は都市計画との連動性を厳しく求められている。一見、社会主義的な都市計画で市場経済論理を無視したものに映るが、都市計画に市場経済を導入したなれの果てがモーターリゼーションに迎合した拡散都市であり、その反省の元、あるべき姿に是正するのが集約都市の本来の主旨だ。鞭を設けないことは、誘導区域外に都市機能が立地することを黙認するのに等しい行為だからだ。一応、区域外の場合は届け出制にはなっているが、監視しきれるのか疑問だ。監視体制の強化と罰則の設定が求められる。罰則はかなり高めの罰則金や営業停止などの重いものが良い。市場原理を導入したいのであれば、景観保護区域以外の高次都市機能誘導区域であれば問題はない。鞭の議論ばかりしていてもあれなので、次は飴の話をしたい。市の支援策の中に、都心部地区にシティホテル、大規模オフィス、大規模商業施設、コンベンション施設などを立地させる場合、立地場所にもよるが容積率の50~200%程度の上乗せがある。逐30年以上の老朽ビルの複合ビルでの建て替えを促す施策だ。良い施策だが、これだけで、高次都市機能の立地が加速するのか、と問われたら答えに窮する。ハコだけの整備策だけでは片手落ちだ。都心部地区の高次都市機能の一つである業務機能強化を目的に、都心部地区外に立地する事業者を都心部地区に再集約させる方策も必要だ。現行の制度は次の通り。 ~広島市企業立地促進補助制度のご案内~(広島市HP) 圏域内初立地と大規模雇用(常用雇用50人以上)に限り補助対象としている。この制度の法改正を行い、都心部地区限定とし対象も都心部地区外立地事業者まで拡げ、常用雇用10人でも補助対象にするのだ。デルタ内外に分散立地している業務機能を新制度で都心部地区に再集約する。市の財政に過大な負担になるほど挙手する事業者が出るとは思えないが、財源は宿泊税の導入もしくは、市民税の非課税枠の一部撤廃で財源を確保する。現在の老朽ビルの建て替えは好調なインバウンド需要を見越したホテルとマンションが主流だが、ホテル建設も何れは頭打ちとなる。マンションが悪い訳ではないが、やはり業務系テナントビル中心のものであってほしいと思ったりする。広島市を始め、日本国内都市は欧州都市と比べ一周期遅れて、集約都市構造への転換に舵を切りなおした。縮小社会(超高齢化+大幅人口減)であっても、持続的な都市の成長を図れるか否は、取り組みの本気度にかかっていると言っても過言ではないだろう。


画像10 ドイツ、フランス、オランダにおける郊外開発の建設行為に関する制度一覧
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シリーズ記事 
広島市の集約都市について 


【考察その11】
広島型(多極型)コンパクトシティ(集約都市)の実現 その1
強力な都心部地区の復活



画像1 現在の拡散した市街地を政策的な誘導策で再集約するイメージ図(画像 広島市HPより)


画像2 13年度の政令指定都市の総生産(名目)の構成比率(画像 札幌市HPより) 拡大図(要拡大)

 人口減・超高齢化時代であっても持続的な都市の成長が見込める方策の提言だが、選択肢は1つしかない。現在広島市はおろか、全国の自治体が標榜している多極型ネットワーク型コンパクトシティ(集約都市)への転換だ。国内の経済の潤滑だけで都市経済活性化を図るには、人口減時代にあっては限界はあるしその伸びしろは小さい。外需-インバウンド・MICEの取り込みなくしてこの時代の成長戦略は描けない。国内外の需要の取り込みに成功している東京23区、福岡市等を参考にすべき好例だ。上記画像2は政令市の総生産(名目)ベースの産業構成比率だ。広島市を見ると四地方中枢都市では製造業比率が突出している印象を持つが、特化もしていない。卸売・小売業とサービス業もそんなには弱くない。自動車産業のケチをつける気持ちは毛頭ないが、30~40年代にかけ世界の主要市場である北米、中国、EUがこぞってガソリン車からEV車へと移行する。ガソリン車のような部品が必要なくなり組み立てメーカーを筆頭とした現体制は崩れる。異業種参入を含めた戦国時代に突入する筈。自ずと広島市の産業構造の転換も迫られる。となると、今以上に卸売・小売業とサービス業が重要となり本格人口減により市場の縮小もこの時期と被るので、外需の取り込みに失敗した場合、縮小都市街道まっしぐらになる。国外からの広島来訪者の絶対数を増やし、そこで長く滞在させ消費してもらう事が肝要となる。その受け皿として強い都心部は欠かせない。他のシリーズ記事で詳しく書いたので、この記事では概略のみを書く。


画像3 上空から見る広島市の都心部地区の様子 欧州の都市には及ばないが日本の大都市でも公園と緑が多い(画像 広島県HPより)

【ブログ主の提案 その1】
市域と都市圏全体をけん引する強い都心の復活
 ▼歩行者中心の都市空間の再配分 詳細記事
広島都心部地区の再生を考える 4』
  ●500㍍スクエアの設置=相生通り八丁堀交差点~同紙屋町交差点~平和大通り白神社交差
   点~同三川町交差点~相生通り八丁堀交差点の内側のモール化・歩行者専用道路ネットワー
   クの
構築
  ●相生・平和大通りの主要通りの車線減少と歩道拡幅、自転車道路整備による半モール化
 ▼自動車利用の制限
  歩行者専用道路、一方通行、ゾーン20~30(低い最高速度規制)の導入、市営駐車場の廃止
 ▼東西南北の緑の回廊ネットワーク=都心部全体の回遊性強化
  詳細記事『広島都心部地区の再生を考える 5』
  
東西(平和)ルート
  
平和記念公園(広島最大の観光集客施設)-元安川右岸河岸緑地(オープンカフェ)-平和大通
  り歩道(飲食、その他物品販売の臨時野外店舗)-京橋川左岸緑地
(オープンカフェ)-比治山
  公園
 
  
南北(歴史)ルート
  平和記念公園(広島最大の観光集客施設)-中央公園 イベント広場(旧市民球場跡地)-中央
  公園
自由・芝生広場(スタジアム?)-中央公園 広島城-縮景園(県立美術館)
 ▼準基幹公共交通(路面電車、バス)の再生 
  詳細記事
『広島都心部地区の再生を考える 5』
  
走行環境改善による旅行速度向上=速達性と定時性の向上
  
異なる交通機関の結節改善 交通施設(停留所、駅)の共有化
  
各停留所の集約・統合化 ●300㍍停留所徒歩圏構想
  ●分かりやすシステムへの移行(
サイン、デザイン、ゾーン運賃制、情報発信など)
 ▼主要大通りの条件付き容積率の緩和
  相生・鯉城・城南・中央・白島・駅前通りと平和大通りの容積率を1~2階部分を店舗及び、に
  ぎわい性を誘引する施設、そして建物部分の50%をそれらの施設が占める場合の限り、1.5
  倍まで認める。敷地内の一部を公有スペースとして提供した場合も同様の処置を施す
 ▼市域外及び、都心部地区以外から事務所を都心部地区に転居させた事業者に対して、移転費用の
  30%を補助する

 
画像4 広島市最大のメインストリート『相生通り』の現況(画像 アンドビルド広島より) 

【考察その12】
広島型(多極型)コンパクトシティ(集約都市)の実現 その2
広域拠点と地域拠点周辺への高次都市機能と都市機能の集約


将来都市構造図
画像5 広島市が目指す多極型コンパクトシティ(集約都市)の楕円形の都心部地区、広域拠点、地域拠点の立地図(画像 広島市HPより)



画像6 都市機能誘導区域の設定 拡大図(要拡大) ※注1高次都市機能集約地区-濃い赤(都心部地区)、薄い赤(広域拠点) ※注2都市機能誘導地区-肌色(地域拠点) 居住誘導地区-赤線内の薄紫(市街化区域) 画像 広島市HPより

 前
考察では別シリーズで提案した都心部地区の強化策をほぼそのまま転載した。記事投稿から日も浅く、私の考えも変わっていないのでそうさせてもらった。現時点の広島市の都市機能集積状況を鑑みると日本の他都市同様に拡散化が進み、欧州都市のような都心部一極型のコンパクトシティは非現実的で、標榜しても実現不可能だろう。シリーズ記事で紹介したクリチバ(ブラジル)やポートランド(アメリカ)のような多極型コンパクトシティ(集約都市)が実情に適っている。

【ブログ主の提案 その2】 広島市立地適正化計画(骨格)より引用
広域拠点、地域拠点への高次・都市機能集積と居住誘導地区への人口集積

 ① 財政支援による誘導
 ▼
広域拠点、地域拠点への高次・都市機能集積の誘導
 ●財政支援(国)
  都市機能誘導区域内で実施する都市再生事業(『都市再生整備計画事業』等で、誘導施設を核
  として整備するものに限る。)に対する補助 〔 補助率:50% 〕
   都市機能誘導区域内で実施する市街地開発事業(『区画整理事業』や『市街地再開発事業』等
  で、 誘導施設を核として整備するものに限る。)の交付率や補助対象額の嵩上げ 〔 区画整理事
  業の場合 交付率:1/3⇒1/2補助対象額(道路用地費参入率):2/3⇒100%〕
 ●税制支援 (市)
  誘導施設のうち、国土交通大臣が認定する『民間誘導施設等整備事業計画』に記載された誘導施
  設の所得税(譲渡所得)の繰り延べや固定資産税及び都市計画税の軽減

 ▼
居住誘導地区への人口集積の誘導
 ●財政支援(国)
  公営住宅整備事業において、公営住宅を除却し、居住誘導区域内に再建等を行う場合、除却費等
  に対して補助
 ●提案制度の特例
  都市計画又は景観計画について、住宅地の良好な環境や景観を保全するために当該計画の変更等
  の提案を行うことができる者は土地所有者等とされているが、居住誘導区域内において、20戸
  以上の住宅整備に関する事業を行おうとする者にあっては特例的に提案が可能


 ②届出・勧告による誘導
 都市機能誘導区域外での誘導施設の建築や、居住誘導区域外での一定規模以上の住宅建築につい
 ては、 必要に応じて当該区域内への誘導に向けて調整を行うため、事前の届出制とする。計画の
 主旨に反する場合は建築不許可、利用用途計画の修正を求める。
 対象とする誘導施設が設定されている都市機能誘導区域外において、次のいずれかの行為を行う場
 合、 30日前までに届出が必要 ・当該誘導施設を有する建築物の新築、用途の変更 ・当該誘導施
 設を有する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為


画像7 広島市における移動手段の各分担率(画像 広島市HPより)

 ➂ 基幹公共交通の再生
 ▼JR各線、アストラムライン、広電宮島線、基幹バスの再生と整備(高度化)
 ●08年度の市内自動車分担率-47.6%を37.6%に削減。公共交通分担率を現行(08
  年度)16.0%を22%。自転車分担率を12.6%から14.6%。徒歩分担率を19.
  0%から21.0%にそれぞれ上げる
 ●都心部地区の求心力向上を図り、移動需要を喚起させる
 ●居住誘導地区に基幹公共交通の駅・高規格停留所(基幹バス)を漏れなく設置して、徒歩500
  ㍍駅(停留所)圏を実現させる
 ●居住誘導地域内の人口比率を80~85%ぐらいまでに段階的に上げていく。
 ●郊外(デルタ外)については、異なる交通機関の乗り継ぎ拠点(トランジットセンター)を整備
  する

【用語説明】
※注1高次都市機能-行政管理(国の出先機関など)、業務管理(大企業等の支社・支店など)、高次商業(大規模商業施設、地下街など)、国際交流(国際会議施設、外国公館など)、研究開発(試験研究機関など)、一定規模の病院など、市域を越えて広域的に影響を及ぼし、地域の自立的発展の助けとなる都市機能を指す
※注2都市機能-高次都市機能と基本的には変わらないが、影響力が広範囲に渡らず地域内及びその近隣に限定されるものを指す。



画像8 集約都市構造に移行した場合と拡散都市構造を放置した場合のシュミレーション(画像 国土交通省HP)

【考察その13】
シリーズまとめ
 広島市に限らず日本の都市は規模の大小関係なく、経済最優先-モーターリゼーションと融合した交通計画・市街地拡大を是とする-都市建設にまい進してきた。その弊害が問われる時代と本格人口減と超高齢化(縮小社会)となる時代が不幸なことに重なってしまった。拡散都市のまま放置した場合、現在は問題がなくても、30~40年代に入ると大変なことになる。これは別の脅しでもなく、知ったかぶった警鐘でもない。参考事例としてドイツの旧東ドイツ地域の都市(一部の大都市は除く)をご覧になると良いだろう。人口の社会減(旧西ドイツ地域へ流出)と自然減のW減が起きている。まだ救いなのは市街地の拡散が旧共産圏の都市だったので日本ほど進んでいない。それでも、旧東ドイツ時代の膨大な都市インフラ設備の更新、返品不可能な不良在庫と山と化した労働者住宅などその扱いが、財政を逼迫し、それに輪をかけるように(旧西ドイツ政府に)年金保険料未納者(旧東ドイツ国民)に対しての年金支給-社会保障費の高騰-などが都市活性化余力を奪い、国の補助が生命維持装置になっている。その姿は、20~30年後の日本の将来を予見して余りあるだろう。ブログ主の個人的な見解だと、外需-インバウンドやMICE(マイス)-などの取り込みが出来ない都市は、縮小都市街道まっしぐらとなり、再浮上のきっかけさえ得られず埋没する可能性が高い。広島市もその可能性が低いとはいえ無きにしも非ず、と言える。都市インフラ整備には一定の効果があったが、70~80年代の広域合併がスケールメリットから、スケールデメリットになりつつある。安佐北区の過疎地域を抱えることは同時に集約都市構造への転換の足かせとなり、高水準の行政コスト負担が求められるからだ。

 現在の広島市が衰退都市とは全く思わない。衰退都市というのは、大幅な人口の社会減(市域外流出)を止まらず、人口全体が大きく減少して高齢化率(65歳人口比率)が同規模都市よりも遥かに高い都市を指す。政令都市クラスだと北九州市がそれに該当する。広島市は他の地方中枢都市よりも人口の社会増幅が小さいが、これは立地のハンディによるもので今に始まったものではない。30~40年前からそうだった。高齢化率もそう高くはない。合計特殊出生率については政令20市のうち3位で、地方中枢都市の中では一番高い。好調な自動車産業がけん引して、アベノミクスの好景気の上げ潮基調にも乗った。階層限定だが市民の所得も上がっている。インバウンド需要も絶好調で、市全体の消費活動も活発になっている。ただ大きな問題として、市街地の拡散、都心部地区の求心力の低下などで都心部地区に本来あるべきはずのにぎわい性が郊外に分散しているだけで、そこだけ切り取り近視眼的に見て活力が失われた停滞・衰退都市と決めつけるのはいかがなものだろうか?俯瞰的な見方だと決してそうはならない。ただこれはあくまでも現時点の話で、将来-20~30年後を考えると安閑とはしていられない。

 安閑としていられない理由は、このシリーズ記事の前半で散々書いたので割愛する。これもやり方ひとつで上手くいけば、被害幅を最小限度に抑え将来に渡り光輝く都市でいられる可能性も高い。その手法が
多極型コンパクトシティ(集約都市)への転換になる。一定の批判・批評もあるのを承知で書いたが、それ以上の代替え案はこの世のどこにも存在しない。一択しかない状況かつ、フランスやドイツの地方都市での多くの成功事例を見ると現時点では正しい判断だろう。コンパクトシティの後発組の日本は、数多くの成功事例や失敗事例を参考に出来る立場にある。模写可能な点は範を求め、実情にそぐわない点は、日本風にアレンジし直して他のアジアの都市が参考となる『日本式多極型コンパクトシティ(集約都市)』を確立すれば良い。世界の国々が、先進国が行き着く先(超高齢化、人口減)-東日本大震災や起きるであろう南海トラフ巨大地震に匹敵する国難をを日本がどう対処して解決をするのか?注視している。ブログ主の主観の見解だが、西日本の各都市は日本の経済発展と共に肥大化した首都東京の恩恵を東日本の都市よりも受けなかった。これは立地上のでデメリットだが、今後は経済成長著しいアジア諸国に近いことが立地上のメリットとして働くと考える。これまで通り、東京との関係は保ちつつもアジア諸国の都市との結びつきの強化が必要となる。軸足を東側偏重から西側にも向け、開かれた都市建設を志向してその経済力を取り込める体制を整える。そしてその体制とは多極型コンパクトシティ(集約都市)となる。シリーズ記事で言いたいことを端的に述べるとこの2点になる。記事の中では、悲観的な見解を多く書いたがあくまでも可能性としての話で必ずしもそうなる訳ではない。ただ、放置した場合そうなる可能性が高い、という話だ。これを回避するにはどうすれば良いのか?これをこのシリーズ記事で書いたつもりだ。時の流れはあっという間だ。既に来るべき国難に向けた準備をする段階に入っていることを大いに自覚するべきだろう。


終わり


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シリーズ記事 
広島市の集約都市について 
 

【考察その8】
広島市の拡散都市化の現状 その1
他の3地方中枢都市よりも拡散都市構造が進む


画像1 赤茶色部分が市街地となる。朝の混雑時になると青色のデルタ及び都心部地区を目指して、一斉に移動需要が発生。そして慢性的な交通渋滞を引き起こしている(画像 広島市HPより)


画像2 広島市における70年と00年DID地区拡大の推移。人口増の速度以上に拡散都市化が進んでいる(画像 国土交通省HPより)

 先ずは以下の数値を見て頂きたい。代表的な地方都市である地方中枢4都市の市街地拡散度を比較してみる。あくまでもDID面積(人口集中地区)での比較なので予め、断っておく。

1 日本の地方中枢都市のDID面積(人口集中地区)の推移 
単位:人口-万人、面積-km2
出典 『県庁所在地の平均人口と DID面積の推移にみる市街地の拡散について』より

         1970年              2015年
 
       市域人口  DID面積     市域人口        DID面積
札幌市   101.0  88.3    195.2(1.9倍) 235.5(2.7倍)
仙台市    59.9  53.0    108.2(1.8倍) 149.1(2.8倍)
広島市    90.7  63.9    119.4(1.3倍) 134.0(2.1倍)
福岡市    87.2  82.0    153.9(1.8倍) 154.4(1.9倍)
県庁所在地  27.4  19.8     34.3(1.3倍)  45.0(2.3倍)
(政令外)

2 指標1を参考にDID面積適正値を人口増加率とした場合の拡散度
  単位:人口-面積-km2
    人口増加率   DID面積適正値 実際のDID面積 過剰拡散率
札幌市  1.9倍     167.8   235.5    1.4倍
仙台市  1.8倍      95.4   149.1    1.6倍
広島市  1.3倍      83.1   134.0    1.6倍
福岡市  1.8倍     147.6   154.4    1.0倍
 
3 地方中枢都市の市域面積と可住地面積とその比率 
単位:人口-面積-km2
     市域面積   可住地面積   可住地面積比率 一世帯当たりの自動車保有台数
札幌市 1,121     440     49.3%    0.97台   
仙台市   786     341     43.4%    1.29台
広島市   907     293     32.3%    1.19台
福岡市   343     232     67.6%    0.97台

 書きながら思ったのだが、広島市の人口増加率が他の3都市よりも群を抜いて低い。周辺地域やブロック内の他県からの流入人口(社会増部分)が少なく、中枢性の低さを示している。これが中核都市以上、中枢都市未満と言われれる所以だ。まあこれは今回の記事の論点ではないので、割愛する。上の指標だと福岡市の集約都市度が異常に高くなるが、これは市域面積が他の3市よりも狭く、3市であれば郊外部分が福岡市の場合、他の自治体なのでこの点は差し引く必要がある。広島市の場合、単純なDID面積拡大率は、札幌・仙台2市よりもずっと低いのだが、人口増加率もかなり低いので増加率から試算したDID面積適正値を弾き出し、そこから過剰拡散率を別途に弾き出した。その試算が正しい前提で話を進めると、広島市の市街地拡散はかなり高い水準にあると言える。3の指標の可住地面積率は、広島市特有の地形が災いして他の3市よりも10%以上も低い。河川や丘陵、山岳地帯が多く、市街地の拡散やスプロール化の天然のバリアとなるのだが、あまりなっていない(笑)。本来であれば、平野部が少なく(市域の約18%程度)、地価が都市能力水準よりも割高で非拡散要素が多いのだが・・・。 仮の話をすると、これがもし平野部が多く可住地面積比率が他の3市並みだったとすると、市街地拡散度は今以上でスプロール化がさらに進んでいたと言える。

【考察その9】
広島市の拡散都市化の現状 その2
自動車の保有台数と自動車分担率から考えてみる



画像3 拡大図(要拡大) 国内主要都市のひと世帯当たりの自動車保有台数 福岡アジア都市研究所HPより)


画像4 広島市内の交通手段の各分担率の推移(画像 広島市HP)

4 コンパクトシティ化が進むドイツの都市と広島市との比較
 
 【人口100万人~】  
徒歩  二輪車    公共交通   自動車
  ミュウヘン         24   15     25     36
  ハンブルグ         
22   12     21     45
  広島              19   17     16     48

 【人口50~100万人】 
  ブレーメン      
21   22     17     40
  ハノーバー      
23   16     22     39
  ドレスデン      27   12     22     39

 【
人口30~50万人】  
  フライブルグ     
24   18     17     41
  チューリッヒ※    28   07     37     28
  ※スイスのチューリッヒはスイスの都市だが、EU圏で最も公共交通利用率が高いと言われる

 上記画像3のひと世帯当たりの自動車保有台数だが、鉄・軌道系公共交通ネットワークが行き届いた大都市部ほど低く、ネットワークが貧弱な地方都市ほど高い傾向がある。これは国内外関係なく共通の傾向だ。日本に限れば、首都・関西圏の都市は低く、それ以外の地方都市圏は高い。広島市は特殊な地形-平野部が少ない-であることを差し引いても高い水準になると言える。自動車メーカーのマツダの本社と同工場(安芸郡府中町)がある影響も大きい。自動車の保有台数と拡散都市との因果関係だが、勿論ある。自動車移動を大前提に居住地を定め、不動産の購入をするのが世の常だからだ。指標4は国内主要都市の移動手段の分担率が探せなかったので、あえて都心部一極型のコンパクトシティ化が進むドイツの都市と比較してみた。高い公共交通分担率は都心部地区の強さを示す指標の1つで、低い自動車分担率は逆に、郊外間同士などの低い自動車移動需要を示しているとも言える。ここで勘違いしてほしくないのは、低い自動車分担率が必ずしもひと世帯当たりの自動車保有台数とイコールにはならないことだ。ご存知の通り、ドイツにはフォルクスワーゲン、BMW、メルセデス・ベンツなど世界ブランドも自動車メーカーが多い。別の指標となるが人口1000人当りの自動車保有台数も日本-591台(17位)、ドイツ-572台(21位)とほぼ同レベルだ。この事実に基づき話すと、ドイツは移動目的や用途で自動車と公共交通を賢く使い分けている、と言えなくもない。

 公共交通が既に営利事業ではなく、有料の行政サービスの一環であり整備や運営に公的資金投入が当然とされるドイツとそうではない日本と単純比較は、難しい面があるが、高い自動車分担率を拡散都市進行の象徴として紹介した。日本とドイツの括りで見た場合、化け物じみた首都圏輸送と都市間移動の公共交通利用(新幹線など)が高いので全体の利用率を押し上げているが、地方都市圏に限ればその利用率は低く、都心部地区の惨状同様に瀕死の状態に近い。『高い自動車利用率=弱い都心部・拡散都市』と定義したら、ミュウヘンのような人口規模が近い都市は言うに及ばず、その下のカテゴリー都市(人口50~100万人)、さらに下のカテゴリー(人口30~50万人)よりも拡散都市構造になっている。『広島市は自動車メーカーのマツダがあるのだから、モータリーゼーションに融合した都市建設に邁進するべき』の意見は、完全に間違いで今の時代にこんな数十年前の理屈を持ち出す人間は認識を改める必要がある。上記指標のミュウヘンにはポルシェとメルセデス・ベンツの本社があるがご覧の通り、高い公共交通利用率を誇る。都心部地区(旧市街地)には総延長15㌔を超える歩行者専用道路がある。都市構造は、市域人口146万人、都市圏人口260万人を超える大都市圏であることも大きな理由だが、公共交通を基軸としたTOD
公共交通指向型開発)に邁進している。モータリーゼーションに融合した都市の限界や弊害を十分弁えた上で賢い選択をしている。ワンカンパニータウンなど、非常にバカげた発想でしかなく、その企業のために都市が存在するのではない。話が逸れたが、次の考察では、広島市の拡散都市としての問題点を洗い出したい。


画像5 ドイツを代表する都市の1つミュウヘン。公共交通はSバーン(都市近距離鉄道)、Uバーン(フル規格地下鉄)、シュトラセバーン(路面走行式LRT)、バスなど階層化されよく整備されている。

【考察その10】
拡散都市広島市の問題点
弱体化が止まらない都心部地区 再開発や跡地利用計画が求心力向上につながらない現状



画像6 都心部地区の商業機能凋落の象徴そごう広島店(画像 アンドビルド広島より) 


画像7 広島市全体と各区ごとの小売業売上高推移(画像 日本政策投資銀行HPより)

5 都心部地区の求心力低下と拡散都市化を示すデータ
 ① 年々弱体化する都心部地区
  ▼商業機能
   紙屋町地下街【シャレオ】日計通行人数
   02年-平日16.2万人 休日16.3万人 
   17年-平日14.6万人(90.1%) 休日13.0万人(79.8%)
   中国新聞社の広島市広域商圏調査
   
2002年
   都心部75%(紙34%+八34%+広7%) 
   郊外20

  (西10%+宇・皆5%+八・緑5%+府ー%、祇ー%、廿ー%、西風ー%)
   2017年
   
都心部34.9%(紙15.5%+八14.8%+広4.6%) 
   郊外54.3%
  (西7.4%+宇・皆9.5%+八・緑6.0%+府16.6%+祇6.6%+廿8.2%
   +西風ー%)
   小売業の売上推移
   98年 広島市全体1兆5,182億円 中区5,368億円(35.4%)
   13年 広島市全体1兆2,560億円 中区3,728億円(29.7%)
   広島市全体-98年⇒13年 17%減少 中区-98年⇒13年 31%減少

   ▼業務機能
   広島市内の事業所数推移
   81年-5.4万 86年-5.7万 91年-5.9万 96年-6.0万 01年-5.
   5万 06年-5.5万 12年-5.3万

  ⓶ 減り続ける公共交通利用(広島市内分)
   87年-59.0万人 94年-67.6万人 00年-58.7万人 05年-55.

   万
人 10年-54.6万人 12年-55.6万人
  
  ➂ オーバーストア状態の郊外大型商業施設乱立(99年以降)
   イオンモール-広島府中店(04年 9.8万平方㍍) 宇品ショッピングセンター(04
   年 3.2万平方㍍) 広島祇園(09年 5.7万平方㍍) ジ・アウトレット広島(1
   8年 5.3万平方㍍) 
   ゆめタウン-ゆめタウン広島(08年 3.9万平方㍍) ゆめタウンみゆき(09年 1.
   7万平方㍍) ゆめタウン廿日市(15年4.6万平方㍍) レクト(16年 3.9万平
   方㍍) 
   フジグラン-フジグラン広島ナタリー(99年 2.4万平方㍍) フジグラン緑井(04
   年8.5万平方㍍)
   ※日本政策投資銀行の18年の地域レポートでも市街地のオーバーストアを指摘している

7 広島市における拡散・スプロール化の弊害がさらに進行した場合・・・
 ▼出口がない地域経済の低迷
 ① これ以上都心部地区が弱体化すると、市域及び都市圏をけん引する力を失う恐れがある
 ⓶ 地方都市の中では人口規模が大きな都市圏域を形成しているので、中小都市よりも弊害が
   目に見える形で出てはいないが、それでも紙屋町地下街『シャレオ』の西通りのシャッター
   街化、天満屋広島店(12年)の撤退が起きている。これ以上進むと、未利用空き地やコイ
   ンパーキングの増加。本通や金座街のシャッター街化が進む可能性も否定出来ない
 ➂ 今後の超高齢化・本格人口減を見据えた場合、海外交流人口拡大の施策に転換をせざる負え
   ない状況下で、弱い都心部地区ではそうした外需を取りこぼす
 ④ ①~➂の状況となり活性化余力がなくなると、新規の投資先としての魅力を失い、斜陽都市化
   が進む
 ⑤ 
生活の利便性が低い地域では雇用の確保が難しくなるので、立地企業等の撤退や新規立地の抑
   制要因になる現役世代
(20~64歳)の市域外流出を招く
 ▼行政の財政の硬直化と破たんリスク、そして社会保障制度の危機
 ⑥ ⑤になると、法人・個人市民税などの税収の大幅減となり、さらに活性化余力が財政面からも
   困難になる。同時に、高騰する扶助費(市独自の社会保障予算など)の確保も難しくなり、減
   り続ける現役世代(20~64歳)への負担が増し、購買力低下が不可避となり経済市場の縮
   小が止まらなくなる可能性がある
 ⑦ ⑥になると行政硬直化が加速し、⑤と⑥の流れを数度周回すると財政破たんリスクが否が応で
   も高まる
 ⑧ ⑤は社会保障制度崩壊の危機にも直面する可能性を秘め、引退世代(65歳以上)への年金等
   の受給額を減らすと、介護・医療などの行政負担が増すという悪循環に陥る。どちらの道もい
   ばらとなる
 ▼地域の生活機能の縮小と崩壊
 ⑨ 独立採算制が大前提の日本の公共交通では、弱い都心部地区では一部の黒字路線以外、事業と
   して成立しなくなり、『利用者減⇒減便など合理化⇒路線撤廃⇒利用者減』の負のスパイラル
   に。結果、公共交通ネットワークの維持が難しくなり、移動難民が大量に発生する。
 ⑩ 拡散・広がりきった市街地のままで人口減が進むと、一定の人口集積で成立している生活機能 
  (商 業施設、医療、福祉、公共交通)が崩壊して縮小。
生活そのものが困難になる可能性が高
   くなる⇒⑤に続く

 現状考えられる最低・最悪のシュミレーションをある程度の可能性を秘めたものとして、書き並べてみた。これはあくまでも可能性を秘めたシュミレーションの一例で、100%そうなるとかの話ではない。忘れていけないのは、大幅人口減と超高齢化は多少の時間差はあっても必ず訪れることには変わりはないことだ。この問題が複雑なのは、それぞれの個々に問題が独立したものではなく、他の低迷要因を誘発する要因になり得る点だ、そう、全てリンクしていることだ。次回の記事では、その被害(?)を最小限度に抑え、人口減・超高齢化時代であっても持続的な都市の成長が見込める方策について考えたい。

続く


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シリーズ記事 広島市の集約都市について 

【考察その5】
コンパクトシティ建設の手法 その1
Step1~2 自動車を都心部地区から排除する

 前回、前々回とコンパクトシティ--都心部一極型・ネットワーク型コンパクトシティ-(集約都市)の説明をした。今日は、あくまでも一般的な方法論を論じたい。都市の実情により導入順序は前後するのでその辺は差し引いて読んで頂ければ幸いだ。言い訳ではないが、素人(ブログ主のこと)が各文献を読み、主観を織り交ぜた解釈中心の記事なので、それも追加して頂くと気が楽になる。ブログ主はよく広島系記事の中で、過度の自動車依存都市について、警鐘を鳴らすような文体で記事を書く。だからと言って自動車の存在は否定もしない。自身の話をすると、重度障害者の境遇上、唯一無二の移動手段でもあるし、家庭を持つと特に地方都市においては自動車は生活必需、との当然の認識は持ち合わせてはいる。ただ、目的地や移動理由により必要に応じて使い分けることは不可欠だと言いたいだけだ。では、始める。


画像1 コンパクトシティ実現のStep1~2の整備イメージ図

【Step1】 複数の環状道路整備
 コンパクトシティ-の型関係なく、共通点として都心部地区の歩行者空間の再配分がある。これを実現するには、同地区での自動車の占有されている区間(主に道路)を歩行者に再び開放する事が大前提となる。ただ、潜在需要を満たすほどの駐車スペースを取る余裕がない手狭な都心部地区では非効率だ。これは都心部地区に限った話で、都市全体で自動車の存在を完全否定すると都市経済全体に甚大な影響を及ぼすのも事実だ。道路交通は、個人の移動手段の性格を持っているが、同時に業務車両を中心に都市経済を支えている物流機能も持っている。これは決して無視できないのも事実だ。よって、都心部地区から自動車を一定数排除する場合、物流機能を阻害することなく都心部を通過しなくても済むような道路が必要となる。それが迂回路となる環状道路である。よって、環状道路整備はコンパクトシティ実現の包括メニューの1つとなる。環状道路の一般的な効能として、1)分散導入機能 2)バイパス機能 3)非常時の迂回路 などが挙げられる。特に2)は必要不可欠の機能となる。環状道路の整備をなくして都心部地区から自動車を排除した場合、都市のど真ん中に道路交通の真空地帯が生まれ、市域及び都市圏域の道路交通ネットワーク全体が機能不全に陥る可能性が出てくる。 一般的には、都心部地区の外縁を周回する小規模サイズの一般道の環状道路、次はそれよりも一回り大きな中規模サイズの一般道の環状道路(高速道路の場合も)、そして都市圏の都市を周回する高速道路の環状道路。都市規模や立地条件により形態は様々だが、2~3本の環状道路を整備している。 米-ポートランドの環状道路(青色部分が環状道路) 独-エッセンの環状道路(無色の部分が道路網) 仏-ナントの環状道路(赤部分)


画像2 左はフランスの都市-ストラスブールの環状道路ネットワーク(黄色の部分)。右はドイツの都市-ミュウヘン高速道路(アウトバーン)の環状道路
(黄色の部分) 

【Step2】 都心部を通過する自動車交通の排除(トラフィックゾーン=交通セル)
 このシステムは、何も最近編み出されたシステムではなく、1960年旧西ドイツの都市ブレーメンで考案された。歩行環境と自動車利用の両立を図るもので、自動車を排除するのではなく、車でのアクセスを阻害しないで通過車両をコントロールする手法である。具体的には、都心部地区を歩行者専用道路やトランジット・モール(歩行者と公共交通のみが通行可能な道路)によって、いくつかの小地区(セル)に区切り、車両はそれぞれの地区へ外周の環状道路からしか進入できなくするとともに、地区間を直接行き来できないようにしたものである。 ~トラフィックゾーン・交通セルシステムの概念図~ 各都市の道路ネットワークの形態やその整備水準にもよるが、都心部地区における自動車交通の30~50%程度が都心部目的ではない通過交通と言われている。複数の環状道路整備により通過交通の迂回路を整備して流入交通量を減らした後に、トラフィックゾーン=交通セルシステムを導入するのが一般的だ。後述するStep5と内容が重複するが、自由な通行を保障している都心部地区道路をモール(歩行者専用道路)やトランジットモール(許可車両のみ通行可能な歩行者専用道路)を数多く設定し、ネットワーク化。通行可能な道路も一方通行区間やゾーン20~30(最高速度制限)、交通静穏地区の設定で利用抑制の網をかける。モールなどへの進入許可車両は、業務、地区住民の車両などだけに限定する。時間設定をするのも有効手段だ。都心部地区の自動車通行可能な道路に共同荷捌き場、そして外縁部もしくはその周辺に駐車場を整備する。都心部地区の駐車場については、業務上必要最小限度に抑え、公営駐車場は廃止。再開発用地として高度利用をする。

【考察その6】
コンパクトシティ建設の手法 その2
Step3~4 階層化された公共交通の整備



画像3 
コンパクトシティ実現のStep3~4の整備イメージ図

【Step3】LRT(BRT)の導入
 コンパクトシティの目的に『自動車に過度に依存しない』の文言が必ず入る。なぜ過度に依存するのが悪いのか?そこから説明する。

1 自動車依存都市の弊害
 1)都市のスプロール化の進行 2) スプロール化に伴う行政コストの増大 3)慢性的な交
 通渋滞による多大な経済的損失 4)公共交通の衰退(さらなるモータリーゼーションの進
 行) 5)郊外大型商業施設の立地加速(都心部地区の衰退・求心力低下) 6)経済弱者など
 の移動難民の発生 7)環境負荷増大 

以上7点が代表的なものとなる。自動車移動需要を減らし、公共交通移動需要を増やす方策は公共交通移動しかほぼ選択肢がない都心部地区への移動需要を増やすこと-すなわち強い都心部を復活させることが手っ取り早い。となると基幹公共交通の柱として、LRTやBRTなどの定時性の高い交通機関を新たに整備する必要が出てくる。なぜ、フル規格地下鉄や都市近距離鉄道などではダメなのか? を論じたい。

2 コンパクトシティ建設でヘビーレイル(フル規格地下鉄・都市近距離鉄道)が✖な理由
 1)この2つの都市交通モードは、中~長距離・大量輸送がその範中であること
 2)導入コストが高額で速達性の優位性はあるが、トータルでの費用対効果は言われるほど高くな
   いこと
 3)都心部地区のにぎわい性創出貢献度が低いこと
 4)最後に駅施設のアプローチが負担が大きい垂直移動であること

3 LRT(BRT)の優位性
 1)低額な導入コスト
  ㌔当たり建設費-LRT20~30億円、BRT5億円、フル規格地下鉄300~400億円
 2)多様な利用用途
  大都市以上-公共交通空白地域の解消、フィーダー路線、環状線 中~大都市-既存地下鉄に
  次ぐ基幹公共交通 小~中都市-基幹公共交通
 3)まちづくりとの一体感の創出 
  都心部地区ににぎわい性貢献度が高く、都市のイメージリーダーとしての役割
 4)移動のトータルの時間
  停留所へのアプローチが容易(水平移動)なこと。移動のトータル時間の地下鉄との比較では、
  3㌔以内だとLRT〇、5㌔だとほぼ互角。5㌔以上で地下鉄〇となる。



画像4 ドイツの都市ブレーメンのトランジットモール『オーバン通り』(赤線の灰色部分)とモールの歩行者道路ネットワーク図

となる。導入されたLRT(BRT)は都心部地区ではトランジットモール区間となり都心部地区の歩行者専用道路ネットワークの背骨的な役割を担う(上記画像3参照)。都心部地区以外ではネットワーク型コンパクトシティだとコリドー(回廊)型TOD-公共交通指向型開発)の開発軸、そして都市機能集約軸として機能。都心部一極型コンパクトシティだと、トランジットセンター(異なる交通機関との乗り継ぎ拠点)、P&R(パークアンドライド)として整備される。1期建設区間開業後は、予測利用者数と実利用者数とを比較、検証する。低迷している場合は、原因をあぶり出し適切な対応策を施し、利用者増となる努力をする。予測の範囲内であれば、2期線建設に向けた諸手続きに入る。

【Step4】バスサービスの拡充・基幹公共交通以下の公共交通再編
 公共交通網がよく整備されている欧米都市では、基幹公共交通を含め各交通機関が特性に合わせ階層整備されている。基幹公共交通だけを整備してもその導入効果は限られ、市域及び都市圏域の自動車利用削減にはつながらない。酷い場合は、各交通機関内の利用者移動に終わる可能性もある。反面教師として最適なのは94年導入のイギリスの都市-シェフィールドの『スーパートラム』(ウィキペディア)だ。同年開業し、大成功を収めたフランスの都市-ストラスブールとよく比較されるが、沿線開発の失敗、LRTを頂点とした公共交通の再編、一元化どころかバスとの競合に敗れ失敗事例として永遠に語り継がれることとなった。こうした轍を踏まないためにも導入したLRTを基軸とした公共交通の再編と一元化は、自動車利用抑制の観点からも必要不可欠だ。具体的には、基幹公共交通-LRT(BRT)沿線バスのフィーダー化。乗り換え拠点のトランジットセンター整備。重複路線の解消。
LRT(BRT)の将来導入予定区間のバス輸送の高度化(疑似BRT化)。明確なバスシステムの階層化。自動車利用者からの転換を促すため、運輸連合的な組織をつくり、公共交通の一元運用を進め使いやすいシステムへと再構築をする。

4 都市規模ごとの階層化された各交通機関一覧
 都市規模      大都市以上      中~大都市程度       小都市
基幹公共交通  地下鉄・都市近距離鉄道    LRT          BRT
                                   (
BHLS)

準基幹公共交通 LRT、BRT-公共交  
BHLS、度化され   高度化されたバス
        
空白地域、環状路線   たバス及び通常のバス   及び通常のバス

地域交通その1 
BHLS、高度化された  フィーダーバス、地域     ・・・・・
        
ス及び通常バス     内循環バスなど
        
地域交通その2 フィーダーバス、地域    ・・・・・         ・・・・・
        内循環バスなど

その他     船、ロープウェイなど
   船、ロープウェイなど   船、ロープウェイなど

都市規模ごとの公共交通を階層化すると、都市の実情により多少の違いが出るが大体、以上のようになる。輸送需要や地域特性に沿った輸送機関を適切に配置して、棲み分けさせること肝要だ。

【考察その7】
コンパクトシティ建設の手法 その3
Step5~6 歩行者空間の大胆な再配分



画像5 コンパクトシティ実現のStep5~6の整備イメージ図


画像6 コンパクトシティとして最も成功したと言われるフランスの都市-ストラスブールのトランジットモールの様子。斬新なデザインの停留所だが、重厚な街並みに溶け込み、開業から24年経っても色褪せない(画像 ユーチューブ動画撮影より)


画像7 
ドイツの都市ブレーメンの代表的な広場-マルクト広場の様子。特にイベントなど行われていないのに多くの人たちが集まっている(画像 ブレーメン公式HPより)

【Step5】歩行者空間の整備
Step4と5で整備、再生した公共交通路線が集中する都心部のメイン通りを、自動車を排除したトランジットモールとして整備。欧州の都市の場合、そうしたメイン通りの沿線には、必ずその都市の象徴となる市民広場や歴史的な建造物がある。同時に市内一番の商業施設集積地でもあるので、既存の都市景観に合わせたデザインや配色に配慮した交通施設(停留所など 上記画像6参照)を建設する。歩道と公共交通通行路との区別は段差などで明確にする。 ~ミュウヘンのトランジットモール(ミュウヘン公式HP)~ 歩道の拡幅は車線転用分を充て、そのスペースにオープンカフェとベンチ(またはその代用となる座れる場所)をピンポイントで配置。トランジットモールそのものが、1つの集客施設にする。そのトランジットモールを基軸にしてモールを配置。歩行者専用道路ネットワークを構築する。モール区間は、車両の通行が原則規制されるので、道路占用のカフェ、レストラン、屋台店、市場がつくるにぎわいを生み出す露店を配置して集客施設化させる。ポイントしては、線(道路)の導入概念ではなく、面(エリア・ゾーン)の指定の概念を持つ。単純でシンプルな案内、サインなどの導入、ユニバーサルデザインに特化したエリアにもする。モール区間全体を、あたかも水平移動の大型商業施設にいるかのような雰囲気とする。自動車に気兼ねすることなくストレスフリー出歩いていて楽しい都市空間創出に心掛ける。
 


画像8 スウェーデン第2の都市-ヨーテボリの都心部地区におけるトランジットモール、モール(歩行者専用道路)、複数の外周(環状)道路などの配置図


画像9 自転車先進国の一つオランダの歩道と分離した自転車専用道路の様子
(画像 国土交通省HPより)

【Step6】自転車道整備
 日本も含め欧米先進国では、自転車も環境負荷削減と健康意識の高まりを受け、公共交通同様に重要な移動手段として地位を確立させつつある。自動車利用抑制策により宙に浮いた都市空間を、歩道と分離した自転車専用道路として整備する。基本的には歩道面に専用道を整備するのではなく、区分化して専用レーンとして一目で分かるような構造にする(上記画像9参照)。都心部地区の自動車乗り入れ制限道路でも、自転車専用信号の設置などインフラ整備をする。廃止した都心部地区の公営駐車場などを駐輪場整備に充てる。これでは絶対数が足らないので、利便性が高く専用道路ネットワーク上に路面駐輪場を相当数配置する。違反駐輪は歩行環境の悪化にもなるので、厳しく執り行い罰金等、道路交通法などの法整備も併せて行う。 

続く


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