仕事

October 14, 2009

顧客は何を買うか

ドラッカー教授は、著書『マネジメント』で次のように記しています。

「企業とは何かを決めるのは顧客である。なぜなら顧客だけが、

財やサービスに対する支払いの意志を持ち、経済資源を富に、

モノを財貨に変えるからである。しかも顧客が価値を認め購入

するものは、財やサービスそのものではない。財やサービスが

提供するもの、すなわち効用である。」

ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、これを間違えました。

 

SCEは当初、家庭用ゲーム機PS3内臓HDD20GB版を税込62,790円で

発売する予定でした。SCEの言い分としては、PS3は単なる家庭用ゲーム機

ではなく、エンタテインメント機能をふんだんに盛り込んだ家庭用スーパー

コンピュータだ、ということでした。発売時点で税込49,980円に値下げした

にもかかわらず、PS3は競合製品のWii(任天堂)に敗れました。

 

SCEは、家庭用ゲーム機のユーザーは家庭用スーパーコンピュータなど

欲しがってはいないということに、気付くことができませんでした。

どれほど高性能な機能を付加しても、ゲーム機はゲーム機です。

わざわざハードウェアの価格を吊り上げるような機能は、まったく必要

ではなかったのです。

ゲーム機に7万円も出すようなユーザーは、ほとんどいないでしょう。

 

これは「こんなにすごい技術を搭載したハードなのだから、このくらいの金額

は出してください。」という、顧客がゲーム機に対してどのような価値、効用を

求めているのかを無視した技術の押し売りです。当然、売れませんでした。

 

「ものづくり」という言葉に拘りすぎたために、市場のニーズを見失ってしまった

のでしょうか。中小の製造業の社長さんなどでも、「俺たちの技術は世界に通用

するものなのに、製品が全然売れない。国は何とかしてくれ。」なんて仰る方が

いますが、これもSCEと同じです。どんなにすごい技術が使われた高品質な製品

も、ニーズがなければ売れるはずがありません。

 

さて、国土交通大臣が羽田空港をハブ化するという主旨の発言をしたことに

対して、千葉県の知事や成田市の市長が苦言を呈しているようです。

 

たしかに、成田国際空港の開港には、長い闘争の歴史があります。命を落とさ

れた方もいます。千葉県や成田市の方々は、あの闘いは何だったのか、という

思いもあるでしょう。

 

しかし、海外からやって来る渡航客にとっては、そんなことは何の関係もあり

ません。利用者にとって大事なのは利便性であって、開港前後の闘争の歴史

など、特に海外の方にとっては、知ったことではないのです。

 

実際に、成田国際空港は便利が悪い。海外からの帰国の際、成田到着が夜

となる場合があります。このときがひどい。私は、東京に行くために高速バスを

利用したのですが、待ち時間をコーヒーでも飲んで過ごしたかったのに、売店や

喫茶店は軒並み閉店してました。だから食事もできません。まわりは真っ暗。

時間を潰す場所がないのです。おまけに東京までが、あまりにも遠過ぎます。

 

最も重視すべきである利用者のニーズを考えれば、羽田のハブ化は妥当だと

思うのです。快適だと思ってもらわなければ、利用者は減ってしまうのですから。



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October 02, 2009

能力

私が歴史に興味を覚えたのは小学校低学年のころで、

きっかけは例の「ウグイス三人衆」の児童向けの書籍を読んだことでした。

 

「ウグイス三人衆」とは、私が勝手に命名したのですが

「鳴かぬなら… 」でおなじみの織田信長、豊臣秀吉、徳川家康です。

当時私は中部地方に住んでいたので、この三人ははずせませんでした。

というより、戦国武将といえばこの三人しか知りませんでした。

 

このころ私が最も好きだったのは秀吉でした。

理由はよく覚えていませんが、おそらく秀吉の人生が最もストーリー的に

面白いと感じたからだと思います。

家康のように、機が熟すのをひたすら待ち続けるという人生は、

子供が読むストーリーとしては、あまり面白くなかったのでしょうね。

 

今、この三人の誰が好きか、ときかれたら、迷わず信長と答えます。

誰が天下を統一する人物としてふさわしかったのか、ときかれたら、

ちょっと迷いつつ家康と答えます。

 

なぜ迷うのかというと、三者を取り巻く環境や条件はそれぞれ異なっており、

その時々で必要とされた能力が異なると考えるからです。

そして、今となっては、信長や秀吉に国家を維持していく力量があったのか、

逆に、秀吉や家康に天下統一の下地を作ることができたのか、などを

知ることができないからです。

 

ただ、信長は配下の明智光秀に謀反を起こされているので、人材のマネジメント

という点では秀吉や家康に及ばないのかもしれません。

秀吉は、信長のような強硬な手段を使わずに家康を抑えたので、人の扱いには

長けていただろうと推測できます。政権を運営する力も持っていたことでしょう。

ただ、秀吉の死後権力闘争が起きていることから、政権を維持していけるような

システムを作ってはいなかったようですね。リスクマネジメントができていなかっ

たということでしょうか。

 

これに対して家康は、非常にシステマチックに政権を運営し、400年もの間

幕府を維持しました。政権を引き継いでいった歴代将軍や参謀の力も当然

あったでしょうが、家康がそれを可能にするシステムを幕府に適用したからこそ

それは成されたのに違いありません。

400年間を生き延びた企業が、現在の日本にどれほどあるでしょうか。

 

そんな訳で私は、徳川家康は好き嫌いでいえば嫌いなのですが、その卓越した

マネジメントの力量には敬意を払っています。

 

 

ちなみに息子に買ったこの本。

 

徳川家康 (おもしろくてやくにたつ子どもの伝記)徳川家康 (おもしろくてやくにたつ子どもの伝記)
著者:西本 鶏介
販売元:ポプラ社
発売日:1999-02
クチコミを見る

ちっとも読んでくれません。

やはり、子供にはつまらないのかな。

伊達政宗は読んだのに…



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July 24, 2009

成功者とは何か。

何をもって成功とするか。

これらの定義は、当然人によって異なります。

 

まったく苦労をせずに成功を掴む人がいる。

ものすごく苦労をして成功を掴む人もいる。

そして、ものすごく苦労しても成功を掴むことができない人もいる。

 

私は、成功するためには、運を掴む必要があると考えています。

偶然に出会った幸運を正しく認知し、それを手にするために即座に動く。

こういうことが必要であると思います。

 

ノーベル賞を受賞した日本の科学者の方たちのうち何人かは、当初の目的とは異なったかたちで重大な発見をしています。

例えば、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんは、間違えて配合してしまった混合物を、捨てるのもなんだからと実験に使用してみたところ、それまで困難であったタンパク質の気化に成功したそうです。

偶然にも、間違えて混合された物質。幸運であると認識していたかどうかは定かではありませんが、それを捨てずに実験に使用した田中さん。

偶然を認知し、とにかく行動してみたからこそ、世界的な発見を成しえたのだといえそうです。

 

なかなか自分の思うような成功を手にできない、という人は、もっと自分の回りに目を向けてみてはいかがでしょう。

ひょっとすると、すぐそこに幸運の鍵が転がっているかもしれませんよ。

単に、あなたにそれを見分ける目がないだけなのかもしれません。

あるいは、まだその時期ではないのかもしれません。

運が目の前に転がってきた時に見逃さないよう、準備をしておくと良いのではないでしょうか。

 

 



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July 21, 2009

小学生のときに、遠足で富士山の五合目から六合目まで登ったことがあります。

出発時には快晴だったのに間もなく霧が出始め、やがて前方1メートル程度までしか見えないほど視界が悪化しました。

先生方の目配りなどが良かったのでしょう。幸いにも、全員無事に六合目に到着することができました。

私の前を歩く担任の先生が派手な色の上着を着てくれていたおかげで、私は先生を見失わずにすみました。ともすれば視界の外へ出て行ってしまいそうな先生の背中を、私は必死で追いかけました。

先生を見失ったら、進むべき方向がわからなくなる。ものすごい恐怖でした。私は本当に怖かった。

その時から現在まで、私は自発的に登山をしたことはありません。

 

北海道大雪山系のトムラウシ山で、ツアー客8人と別の1人の方がなくなるという事故が起きました。

非常な悪天候だったそうです。

このような惨事が起きてしまった原因の一つに、ツアーに同行したガイドが、ツアー客のコンディションや天候などの安全面よりも、スケジュールを優先したことが挙げられています。

企業とは、お客様に対して何らかの価値を提供し、その代価をお客様から頂戴することによって存在し得るものです。

このツアーのガイドには、それがわかっていなかった。

ツアーに参加された方が安全に登山を楽しむことを望んでいたはずであろうことは、登山が嫌いな私にさえ容易に想像がつきます。

しかしガイドは、お客様の生命を危険にさらし、死亡させてしまいました。

このツアーを企画した企業は、企業として最も基本的なことを忘れていました。

お客様の生命が危険にさらされる可能性がある状況において、お客様が最も望むことは何であるのか。このことを、ガイドに叩き込んでおかなかった。

責任は重大です。



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July 10, 2009

アイデアのつくり方

アイデアが浮かばずに困っている。

 

こんな悩みを抱えていませんか?

「アイデア」を得るためには、神が降りてくるのをひたすら待ち続けなければならないのか…。

 

そんな方に紹介したい本があります。

 

アイデアのつくり方アイデアのつくり方
著者:ジェームス W.ヤング
販売元:阪急コミュニケーションズ
発売日:1988-04-08
おすすめ度:4.5
クチコミを見る

 

非常にライトな本で、すぐに読み終えることができます。

この本には、非常に重要なことが書かれています。

「アイデア」とは一体何なのか。それはどのようにして得られるのか。

 

 

この本によれば、アイデアの作成は車の製造と同様、一定の明確な過程である、ということです。

アイデアとは、技術操作によって得られるものなのだそうです。

 

では、その具体的な技術とは?

それは、この本を読んでみてください。



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July 01, 2009

ビジネス理論

大人のたしなみ「ビジネス理論」一夜漬け講座大人のたしなみ「ビジネス理論」一夜漬け講座
著者:渋井 真帆
販売元:宝島社
発売日:2006-12-19
おすすめ度:3.5
クチコミを見る

3年前に刊行された書籍です。

8つのビジネス理論を紹介しています。

無論、8つはおろか1つでさえ、ビジネス理論を一夜漬けするなどということは無理なので、各理論の簡単な紹介と考えて差し支えありません。

 

なんか聞いたことがあるあの理論、一体どんな内容なんだろう?という時に便利な一冊です。



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June 11, 2009

口頭での伝達を避ける

ビジネスの現場では、「言った」「言わない」のトラブルが

日常茶飯事的に発生します。

これを防ぐ方法は、ズバリ、「あらゆる伝達は文書で行う」

ということです。



「言った」「言わない」「聞いてない」のトラブルの原因は、

証拠がないということです。

ですから、後々トラブルになるのを避けるために、

あらかじめ文書化しておけばいいのです。

大事な契約を交わす時、契約書を作成しますよね。

それと同じです。



「言った」「言わない」のトラブルと関連していることなんですが

もう一つ気になることがあります。

よく、「言われたことしかできない部下」「言われたことしかしない部下」

なんていう記事が、ビジネス雑誌などに書かれています。



これ、私は変だと思います。



「言われたこと」というのは「命令されたこと」「伝達されたこと」

だと思うんですが、これらは要するに、部下に対する業務上の

指示なんですよね。

ということは、目下のところ、部下は全力でその任務を遂行するんですよね。

それで十分なのではありませんか?



指示以上のことを期待するという姿勢は、おかしくありませんか?

期待するべきことは、キチンと指示すべきですよね。



「言われたことしかできない」と文句を言う上司のほうが、

実は、伝えるべきことを伝えていないのではありませんか?



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February 04, 2008

再生紙の偽装

私が以前働いていた所は紙も扱う会社でしたから、

製紙会社に対しては非常に強い憤りを感じています。

ずっと騙されていたわけですから。

結果的には私たちのお客様をも、騙していたことになるわけですしね。



取引のあったある自治体は環境政策に力を入れており、

色々な場面で環境に配慮した製品を採用していました。

私たちも非常に多くの、再生紙を使用した製品を納入してきました。

しかしそれは、無意味だったわけです。

いや、むしろマイナスですよ、騙していたんだから。

とんでもない話です。



しかし反面、私たちは環境環境と少し騒ぎすぎていたんじゃないかと

反省する良い機会でもあるような気がします。



私たちは「環境に良いから…」と言われれば、ちょっとぐらい

価格が高くてもその製品を買ってしまいがちです。

本当に環境に良いのかはわからないのにです。

納豆のときと同じことなのですが、それに気がつかないんです。



ペットボトルは、新品を作るよりもリサイクルするほうが

石油を多く使う、なんていう話もあるそうですよ。

もしそれが事実なら、私たちはペットボトルをリサイクルしていることで

余計に石油を消費していることになりますよね。

どう思いますか?



最近よく考えさせられるのは、

環境問題と、世界の貧困やエイズの問題とでは、

どちらが優先されるべきものなんだろうかという事です。



どこかの大国がバイオエタノールと称して食糧を燃料に変えている間に、

一体何人の人が、食糧がないために餓死しているのだろうか?

一時流行った、ホワイトバンド。

あれは確か、3秒に1人、世界のどこかで誰かが貧困のために死んでいる、

と伝えていましたよね。



貧困やエイズに苦しめられている人たちにとって、

30年後とか100年後とか1000年後とか、そんな先のことが

現実的な問題なのでしょうか?

そんなはずはありません。

その人達は、今日を生き延びることができるかどうか

1時間後に生きていられるのか、ということでさえ、

私たちよりもはるかに不確実なのですから。



私にはどうも、環境環境と騒ぐ前に

やるべきことがあるような気がしてなりません。




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恐怖の存在 (上) (ハヤカワ・ノヴェルズ)


評判があまりよくない、この本。私は面白かったですね。

フィクションですが、考えさせられます。

環境テロリストというのが出てきます。

環境をネタに、儲けようという輩も出てきます。












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経営者の仕事

経営者の仕事のうち、最も重要なものの一つが、意思決定です。

どのような職務に就いたとしても、人は何らかの意思決定を行わなければなりませんが、職位が高くなるにしたがって、決定すべき物事が大きくなり、責任も増していきます。
当然、経営者が決定すべきことは全社的なものであり、責任も企業内で最高のものとなります。CEO(最高経営責任者)というのは、とてもわかりやすい肩書ですね。
経営者というのは、それだけ重大な決定を行わなければならないんです。

ところが中小企業には、経営トップがなかなか意思決定を行わない、という企業があります。

わが社が、まさにそうでした。
大手企業や異業種の企業、他地域の企業などが私たちの市場に続々と参入し始め、競争は激しさを増すばかり。
中小企業であるわが社には、大手企業と同じ市場で対等に渡り合うだけの体力など、あるはずがありません。
すぐにでも何らかの手を打つ必要がありました。

ところがわが社の経営者は、市場により多くの営業部員を投入すること以外の決断をしませんでした。
役員会やその他の会議で新規市場開拓など、色々な提案を示してみても、それらに対する決断が下されることはなく、先延ばしされた挙句に忘れ去られてしまうのが常でした。

私はすでにその会社を辞めているので詳しいことはわかりませんが、残念なことに昨年の売上高の落ち込みは相当酷いものだったようです。

決定すべき人が決定しない、決定できない。罪といっても過言ではありませんね。


「決定」で儲かる会社をつくりなさい


著者の小山昇さんは、以前ネットで「ワンマンで何が悪い」なんていう記事を書かれていて、私はあまり良い印象を持っていなかったのですが、仰ることはまともで、なるほどとうなずける部分も多い方です。

意思決定のできない経営者の皆さん、この本を読んで「決定」することの重要さを再認識してみてはいかがでしょうか。









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January 29, 2008

企業風土

中小零細企業では、企業風土とは経営者の価値観そのものといっても過言ではありません。経営者が会社に与える影響は、規模が小さいほど絶大です。

わが社もまた、40数年にわたってワンマン経営であったために、経営者自身の価値観によって強固な企業風土が形成されてきました。

好ましい企業風土が形成されているのなら良いのですが、時代に合わない古い観念が定着してしまうと、これを崩すのは容易ではありません。

私が、ある新しい試みをわが社に導入しようとしたときのことです。古参の社員が抵抗勢力になることはわかっていました。私が古い価値観を破壊しようとしたからです。

驚いたことに、勤続年数がまだ数年という若い社員までもが、私の試みに抵抗しました。このとき私は、企業風土とか体質というものが社員に与える影響は非常に大きいということを、痛感しました。

むしろ白紙状態に近い若者のほうが、企業風土に染まっていくスピードが速いのかもしれません。




このところ多発している企業の不祥事。最近になって不正に手を染めたわけではなく、今までバレなかったというだけの話で、不祥事そのものは昔から行われていました。

問題が起きたときに、部下のせいにしてしまう。パートさんのせいにしてしまう。知らなかった。

もっとも大きな権限を有する経営者が、知らなかった、パートが悪い、などという言い逃れをすることはできません。それらに責任を負うために権限を与えられているのですから。

会見でこのような発言をする経営者は、おそらく日常でも、良い結果は自分のおかげ、悪い結果は社員のせいにしているに違いありません。そういう心根が、会見の場にも現れるのです。

そんな心根の持ち主がワンマンに経営する企業の体質や風土も、大体察しが付きます。




なぜ会社は変われないのか―危機突破の風土改革ドラマ (日経ビジネス人文庫)





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