2011年11月08日

松本人志・宮本茂スペシャル対談 テキスト起こし その2 ~後半30分~

NHK BSプレミアムにて放送された「松本人志大文化祭」。
この中でのスペシャル企画として松本人志がぜひ会いたいという人物との対談。
その人物とは任天堂のマリオシリーズ、ゼルダシリーズなどの生みの親、宮本茂(58)さんでした。

これをテキストに起こしてみました。
テキストに起こす際に、実際に映像を見るのとでは、
ニュアンスが若干違うように受け取れてしまう場合がある点をご了承ください。
あと、省いている言葉もありますのでご注意を。
(書かなくても話の流れに影響のない小さな言葉など)
ミスなどがあればご気軽にご指摘ください。


このページは後半30分です。
前半30分はこちら

・・・後ほどキャプチャした画像を追加しますorz


11/11追記 :テキスト起こし完了。



松本人志(以下、松):あの、なんか、発想はどこから、あの、生まれ・・・ましょうか(生まれるんでしょうか)。
宮本茂(以下、宮):あのね、そもそもね、分かんないですよ自分があの、発想するっていうか、
 ゲーム作りたくて作ってんのかも分かんないくらい。
松:それも僕もよく聞かれるんですよ。
宮:やっぱりそうなんでしょうね。で、松本さんのテレビとか見てても、誰かが提案するでしょ?
 「・・・悪くはないけどなー」って。(悩んでるようなジェスチャー)
 それじゃアカンって思ってるんですよ?
 でも一応「悪くは無いんやけどなー」って言ってしまうやないですか。(笑)
松:(笑)
宮:「悪くは無いんやけどなー、でもどうせそれするんなら・・・」ってとこから企画が始まるでしょ、
 そしたらその企画はまあ、「でもどうせそれするんなら」が大事なポイントなんですけど、
 その発想はその「駄目やけどなー」っていう提案をした人の発想。
 そういうものの積み上げでしょ。
 それは自分の中に、であったり、会議のメンバーであったり、お客さんの意見であったりするんで。
 だからキッカケは、っていうとやっぱりグルグル作るっていうこと前提に回ってるのがキッカケで
 何もしていない時に突然「ポッ」って思い浮かばないです。(笑)
松:・・・あのー、ピクミンはどっか(どこか)庭でアリを見てて、思いついたっていうのを・・・あれは?
宮:あれはアリを見てて思いついたんじゃなくて、作っている物を整理していくうちに
 「これはアリとして作るのが一番いい」って。



宮:アリっていうのは子供のころの経験なんですよね。
 分かりやすく言う、今でも言いますからね。ただ、それは分かりやすく庭のアリって言うんですけど、
 別にウチの庭のアリを取材しながら「これを作ろう」って思ったわけじゃなくて。
松:そうですよね。
宮:たくさんの物が動いているのを遊びにしよう、と思って作ってるうちに、
 たくさんの物がどっかに攻めていくとか、どっかずっと先の方に遠征していくとか、ステージをクリアしていくとかなると、
 目的が決めにくいですよね?
 「大勢のものが行くけど、どこ行ったらいいと思う?」って誰かに聞いてもなかなか的確な答えって出てこないですよね?
松:(頷く)
宮:それでアリを見てると帰ってくるんですよ、家に。
 ゴールは家、ですよね。これ、分かりやすいじゃないですか、遊びの作り方として。
松:(頷く)
宮:そしたら、ゴールにするんなら自分が連れて行くより、勝手に帰ってくんのを見た方がいいなーって。
 そうすると、なんかアリって自分の仲間のあとを追いかける習性があって。
 この仕組みで、この、たくさんのものが動いてるゲームをまとめられへんかなー、
 と思った時点で仕上がりなんですけども、けど説明するのに難しいから、
 「実は家のアリがいてな・・・」って。(笑)
松:(笑)
宮:(笑)
松:・・・いや、すばらしい、人生を教えてくれるゲームやなって思うんですよねー。
宮:いや、僕も作ってみてそう思いましたよ。
 作ってる時はアリをやる、作ってみようと思って作ってるんですけど、
 その、偶然デザインしてくれた人が、野菜とか植物っていうのを作ってくれたんですよね。
 いろんなスケッチの中で「これいいわー」って、
 何かこう、頭に花とか葉っぱとか付けてくれて葉っぱで水飲むとかね、こう。(頭を下げる仕草)
 「これいいよな」って作ってみたら、目が「点」なんですよ、黒い丸の。
 で、表情ないんですよ。
 で、デモを作った時にずーーーっとカメラを寄せていったら、
 漠然とどこを見るわけでもなく、目が点になってる奴がズラーッって並んでたときに
 『ゾクゾクッ』としたんですよ、自分で。(笑)
松:『ゾクゾクッ』ってした、あーしました、僕もしました!
宮:で、「こういう子たちに何かやらしていいのかなー」とか。
松:(笑)
宮:そういう。(笑)
松:・・・そうですよ!いや残酷なんですよ、アレ、すごく残酷ですよ!
宮:青い奴(ピクミン)とか水の中行けるけど、出来るだけ水に落ちないように仕上げたいなって。
松:一匹でも。
宮:一匹でも落ちないように。
 そうすると、一匹も殺さずにコンプリート出来てクリアするっていうのを
 最終の上級者の罠にしたいなーとか。
松:うーん。(唸る)
宮:いう風になってくるぐらい、見てたら自分の心が動くんですよね。
 で、あの、自分の心が動いたら嬉しいんですよ。
 自分で作ったもので自分が思わず笑ったとか、泣いたっていうのが嬉しいんで。
 「あっ、この線はまだゲームではいじってないなー」って思う。
 けど説明は「アリ見てたから~」って言った方が分かりやすい。
松:分かりやすい。(頷く)
宮:原点はそこです。ピクミンっていうのは、
 その、社会的なモラルの度合いっていう、とかを量(はか)られますよね?
 で、けっこうズルいとこあるじゃないですか、あの、偽善、とか。
松:はい、自分ある・・・
宮:みんなあると思うんですよ、どっかに。
 どっかに線引いてる訳で、ホントに自然に生きている人っていない。
 ホントの善意で生きている人はいない。
 で、それを量(はか)られてしまうので、作る方はもっと痛いんですよ。
 「これやっていいんかなー」とかって。割とそういう事を。(笑)
松:(笑)
宮:僕はそういう事を考える機会があるっていうゲームと、
 まああとはゲームですから!
 そういう事をこのゲームで遊んで考えたっていうだけでもう役割は十分として、
 あとは面白いからそれくらいにしよう!って割り切るんですけど。(笑)
 怖いですから。
松:そうですねー。
 でも僕はズルい人間なんでピクミンいっぱい死んだときはすぐ電源切って、また無かったことにしてやっちゃうんですけど。
宮:その方が。(頷く)
松:ハイ。
宮:ゲームらしくていいと思うんで。(笑)
松:(笑)



松:あとはもう、また全然新たなもんですよね、次どうなさるのかなっていうところが。
宮:それでね、いろいろ悩むんですけど。
 やっぱり全般には原点に戻ろうとしますよね、発展、発展になるんで、
 もう一回原点に戻ってキッチリ。
 すると新しい技術がいっぱいありますから、もう一回新しい技術で原点のところやると、
 何か新しいもの作るのが、楽しい。
松: ! ・・・マリオカートも、じゃあ宮本さんですか?
宮:マリオカートもそうですね。
松:全部、宮本さんや・・・。
宮:マリオカートもやってもらいましたよね!すごい。(笑)
松:やってもらいました。(笑)
宮:やってもらいましたよね。(笑)
松:やってもらいましたよね。(笑)
宮:ありがとうございます。(笑)



松:ただマリオカート、あれやっててちょっと思ったのが、ピーチ姫が邪魔しよる時があって
 あれを体験してしまうと、普通のマリオでピーチを助ける気がなくなってくるっていうのを思ってたんですけどね。
宮:(笑)
松:(笑)
宮:「マリオカート」って言ってしまうから、マリオがカートに乗って走ってしまっても、
 ちっともおかしくないですけども、何もない時に言うと
 「マリオそんな事してていいんですか?」っていう。(笑)
松:そうですね、ちょっと・・・。(笑)
 ああそうか・・・、でもあれ、そうですかー。
宮:マリオカート、面白かったですよ、なんかあの、コインひらいますよね(拾いますよね)、マリオカート。
松:ああ、ひらいますね。
宮:アレ、ありえないですよね。
松:(笑)
宮:レースゲームでコインひらうんですよ。
 で、今マリオカート知っている人たちがいっぱい居るんで、
 別にレースゲームでコインひらうのが当たり前になってる。(笑)
松:ああ、当たり前になってきてますね!
宮:ルーレットが回ったり。
松:あ!確かにそうかもしれません。
宮:あれはね、カートのレースゲームを作ってて。
 で、マリオを乗せて初めて、出来たんですよ。
 だから「マリオ、コインあったほうがいいでしょう(マリオなんだからコインあったほうがいいでしょう)」っていう。
 今までレース(ゲーム)作ってる人は「コインなんてありえない!」って怒るんですよ。
 けど「マリオやからコインあったほうがいいでしょう」って、
 「いっそのことジャンプしようか」って言って。
 ボタン押したらジャンプしますよね。
松:(頷く) あれもマリオですもんね。
宮:そうマリオやから。(笑)
 だからマリオを無理やりくっつけたことで、すごいその、レースゲームじゃないレースゲームが作れて、
 結局ポイントは、競輪ですよ。
松:あー・・・。
宮:だからレースゲームっていうのは速い人が絶対勝つけど、マリオカートっていうのは最後まで様子を見て、
松:そうなんですよねー。
宮:最後の一瞬で勝負を決めるっていう。
 だから色んな意味でレースゲームをマリオとくっつけることで、自由に考えれて。
 誰もやってないから楽しんで色々ネタを放り込んで、「あ!スロットマシン!」みたいな。
 面白かったら何でもすごい詰め込んでまとめあげるんですよね、マリオカート。
松:素晴らしい・・・。素晴らしいですねー。
宮:(笑)
松:(笑) いやホント素晴らしい・・・。
宮:いやでもホント好きな事は自由にやれている環境がありがたいんでしょうね、ホントに。



松:いややっぱこう、なんていうんでしょうかね、ちょっとよく分かんないですけども、
 人の大切な時間をですね、見事に奪っちゃってるっていうところが、
 なんかやったった感がすごくないですか?
 いやちょっと僕もちょっとそれをテーマにしてるところあるんですけど、
 なんか「人の時間とってやれ!」っていうか、あの、
 ホントはね、そんな事より仕事の方が大事やったりするんですけど、
 でも、人の大切な時間を取っちゃってますもんねー。
松:あのーゼルダがものすごい長いじゃないですか。
 あれは、どう、どういう事からああなってるんですか。
宮:今度作ってるのはもっと長くなってます。(笑)
松:(笑)
宮:僕も自分で遊んでも100時間くらい。(笑)
 僕けっこう時間かかって遊ぶ方なんで。
松:はい。
宮:自分である程度知っていながら遊ぶのに100時間くらいかかったっていう。
 作ってるとあれもこれも入れて、そうなってしまうんですよね。
 これは欠かせないとか、外せないとか言ってる間に。
 で、長くなるのはついつい、やっぱり、なんていうんですかね・・・
 お話をこう、追うっていう感じがしますよね。
 ロールプレイングゲームとか言われたり、アドベンチャーって言われるとお話を追っていくっていう、
 ただ、お話を追っていくだけやとつまんないですよね、なんか。
 それなら映画作ればいいし。
 インタラクティブに自分で、こう触ってるから。
松:そうですよ、宮本さん映画作ればいいんですよ。
宮:いやいやいや、映画はたぶん全然違うと思いますよ。
松:僕は宮本さんの映画見てみたいですねー。
宮:とても怖くてできませんね。(笑)
松:いやいやいやいや、絶対面白いと思いますけどねー。
宮:んー、いや映画はね、映画は似てて違うんですよ。
 映画は見たお話で泣くっていう流れになっちゃうんですけども(←ちょっと聞き取りづらい)
 ゲームっていうのは自分のした苦労に対して泣く、んでしょ?
松:そうですねー・・・。自分に泣いてるんですね。
宮:自分に泣いてるんです。
 だからそれくらい本気で使ってもらえるなんか、場所を作るとか環境を作るのが僕らの仕事なんで。
松:箱作りというか・・・。
宮:そう、そうするとその箱が良くできていたら遊ぶ方は時間がかかってしまうんですよね。
 「もう一回遊んでも大丈夫なようにしとこう」って言うたのを全部、端から全部さらえながら使われると、
 「いや、そこは後からでいいんですよー」みたいな物が。(笑)
 「これも入れとこう、これも入れとこう」ってみんなで仕上げていきますよね。

松:・・・・・・なんか、羨ましいなー。
宮:(笑)
松:いいですねー。
宮:ええ、ゲームは面白いですよ。
松:面白いですねー。
宮:箱さえちゃんと作れればホントに。
松:いや僕はそんなん出来ないですけども、あー、そうか羨ましいなー・・・。
 僕も生まれ変わったらそんなんなりたいなー・・・。
宮:(笑)
松:(笑)



<2人がなりたかったもの>

宮:僕自身がマンガにすごいのめり込んで、子供のころ漫画読んで、
松:あ!僕もそうでした!
宮:で、描き始めたっていう。
松:あ、僕も漫画家になりたかった!
宮:あ、中学校の時漫画家になりたくてしょうがなくて。
松:(笑)
宮:で中学校に漫画クラブが無いので友達と漫画クラブ作って、投稿を始めたり、こうコミケみたいなの、
 自分で印刷したものを作ったり。
 中学校三年になって挫折したんですよ。
松:なんでですか?
宮:これはやっぱり、上には上がいるなっていっぱい見て。(笑)
 「あ、これは無理やなー」と思うて、高校へ。
松:あー、僕は赤塚不二夫さんの「まんが入門」を買ったんです小学校の時に。
 お小遣い、なけなしのお小遣いはたいて。
 そしたら、なんかその一番最初の辺りで
 「漫画家は掛け算ができないと駄目ニャロメ」って書いてたんですよね。
 ニャロメがこう、言ってたんです。
宮:(笑)
松:僕、九九が出来なかったんでそれで諦めたんです。
宮:早いです。(笑)
 早い!(笑)
松:(笑)
 ああ、そうですか、そういうとこなんですね。
宮:四コマ漫画とかは高校になっても書いてたんですよね、投稿したり。
 だから四コマ漫画描いてると、こう・・・大喜利とか興味持ちますよね。
松:(頷く)
宮:落語とか。
松:落語研究しますよねー。
宮:「あの落とし方はイマイチやなー」とか「これネタ割れてるで」とか。
 だからどこで仕掛けてどこで落とすか、落とす時にどうもう一段裏かくか(裏をかくか)とか、
 終わったと思てからもう一発かますとか。(笑)
松:そればっかり考えてるんですよねー。
宮:それをけっこうゲームの構成の中で、考えるようになりますよね、もともとそういう事してたので。
松:! ・・・それでちょっと思い出しましたけど、
 僕大好きな落語家の枝雀さん、枝雀師匠が、あのーマリオカート大好きで。
宮:えっ!?そうなんですか!?
松:もう、ずーっとやってはったらしいですね。
 あの人、一個それ好きになるとどんどんやるタイプの人で、
 ずっとマリオカートやってはったっていうのを話聞きましたねー。
宮:嬉しい・・・。



松:あのーなぜ、その、最近昔ほどゲームが爆発的にヒットしたものが出てこないのかっていう事は、
 なんかありますか?
宮:(少し間を置いて)
 やっぱ人に伝わりやすい部分がなくなってきてんのかなって思ってるんですけどね。
 一言で人に伝わるものを作れたらええのになって、思いながらやってますけどね。
 ただ、分からないんですよ、それが。
 そっちに考えていったらホントに当たるものが出来んのか、とは思わへんので。
 もっと独自に作った方がいいのかなって。
 ただ、お客さんは広いよ、っていう意識だけはちゃんと持って、もっといろいろ作っていくしかないのかなって思てて。
 あの、減ったっていう事を考えてもしょうがないっていう。
 世の中のほとんどのものは自分が欲しいなーと思ったけど買わなかったものやと思ってるんですよ。
松:(頷く)
宮:世の中の80%以上のものは俺は欲しいと思ったけど買わへんかった、買ったのは20%や10%で。
 「じゃあそこに70%とかの需要はあるんですか」と。
 買わなくて済んだり見なくて済んでんでしょ?
 「(買わなくて済んだり見なくて済んだ事があったという事を)どうとりますか?」って話をして
 真剣に議論しても出てきいひん。(笑)
松:(唸る)
宮:自分自身がそうやから、って。
 だから「こういう客がいっぱいいるねやー(いっぱいいるんだ)」って思うてやってれば間違いないと思うので。
 自分にそういって。
松:そうなんですよねー、それは、そうなんですよ。
 そんなこと考えたってしょうがないんですもんねー。
宮:だから自分中心でいいかなって。
 世界中なんですよ、マーケットは。
松:宮本さんは自分中心でいいかなっていっても、やっぱりちゃんと大多数を取り入れてらっしゃるところがすごいですよね。
 で、僕はマニアックになるとどんどんマニアックにいっちゃってホントにマニアックですからね。
宮:(笑)
松:そこがすごいですよね。
宮:マニアックに走るときっていうのはなんか、走るべくして走るんですけど、
 その前に、なんか松本さんを見てるとこう、
 企画が出て「それやないよな」「それやないよな」って言いながら
 「それでいけるわ」っていう瞬間があるじゃないですか。
松:はい。
宮:「それでいけるわ」っていうときってマニアックじゃない脳が働いてるような。
松:そうなんでしょうかねー。
宮:合格点を何を出すのか?ってのは。
 僕も「うーん違うな、違うな」って言いながらどっかで合格点出すんですけど。
松:そうそう、そうなんですよね。
宮:出す理由っていうのがあんまはっきりは無いんですよ、自分の中で。
松:はっきりはないですね。
宮:でも、具体的にいくつか合格点を「どこで出してはんのか?(出してるのか?)」
 っていうのが分かると面白いなって。
松:ああー・・・・・・。
 でも、あんまりそこを考えだし過ぎるともう、
 面白くなってきなくなっちゃいますしね、また。
宮:合格点っていうのはやっぱ「他の人がやりそうやな」ってとこには無い、っていうのが一つあるんですけど。
松:それはありますね。(頷きながら)
宮:「どうせやるんならそっちの方が楽しそうやわ」とか。
 で、思ってこう考えていくと「それいけるで」「いけるで」って一人で盛り上がってるみたいになってしまうんですけど(笑)、
松:(笑)
宮:そのときは「見えへんか?」って話になるんですけど、
 キッカケになって、「他にはないよな」ってのがキッカケになった時に、
 経験でこうガーッって一瞬で数秒で肉付けしてるような気が。
松:あの・・・。
宮:(笑)
松:・・・なんでしょうね、こういう会話って、ちゃんと伝わってるんのかな。
 なんか外国語でしゃべってるようなもんでしょ。
 僕は宮本さん言ってることすごく分かるんですよ。
宮:(笑)
松:でもこれ見てる人わかんのかな。
 ・・・まあ、これ見て感じる人が居てくれたらいいなと思いますけど。



松:宮本さんってお弟子さんみたいなのっておられるんですか、いわゆる・・・。
宮:ずーっと、もう30年一緒にやってるメンバーがけっこうたくさんいるんですよ、20年とか。
 そこと一緒に作ってるので。
松:(頷く)
宮:お弟子さんとか言わ・・・、けどホントに、今、主なメンバー100人くらい居ますけど、
 もう20年くらいやってる人ばっかで辞めた人ほとんど居ないですからね。
 それがありがたいんですけど。
松:どうなっていくんでしょうねー。
宮:今は自分が引くときにどうしよか?みたいな事真剣に考えますよ。(笑)
松:そうですよねー。
宮:ちょっと居ないものとしててって、なかなか居ないものとしては出来ひんので。
 口出さんようにってしても、またね、つい口出したりしますからね、それを今。
 徐々にね、60近付くとだいぶ切り離しが出来るようになって来たかなって。
松:そうですか・・・。
宮:5年ぐらいもがいてるんですけども、それで。
松:(唸る)
 いや、まあそうなんですよ、僕らお笑いもそうなんですよ。
 どうなっていくんやろーって。あの、全然みんな、こう、高年齢化していってって。
宮:(笑)
松:みんな第一線でやってて。
 どうなっていくんやろーってのはあるんですけど、
 やっぱりゲームの世界も、そうなんでしょうねー。
宮:いや・・・、まあこれもややこしいんですけど、どこもそうじゃないですか。
 昔はカリスマ、そういうリーダーが居たけども居なくなってるじゃないか、とか言いながら、
 また100年後に見るとそれなりになんとかなってんのかな、
 とか思わないとしょうがないかなって思うんですけどね。




松:日本の作品と海外の作品との差。
宮:僕は全然気にしないようにしてるんですよ、そんなものはないっていうくらい。
 働き方に違いはあるんですけど。
 仕事をどれくらい自分の生活に持ち込んでいいかっていう考え方がみんな違うので。
 で、それは違うんですけど、ただ最近、そうですね、
 日本のゲームが上手くいったのはお客さんにちゃんと分かってもらえるように作る、
 っていうのが上手、だったんですよね。
 それとあの技術が・・・、ほら、ビデオゲームってほら、限られた技術の中で作るので
 夢のような事言っても出来上がらへんのですよ。
 だから、そこの器で出来る事の中で面白いことをちゃんと作って、
 キチッと作ると丁寧なものが出来るので、その、快適にそれが使えて理解できる。
 それが日本すごい上手やったんですよね。僕も含めててすけど。
 アメリカはそれ割と関係なくバンバン押し込んでくるんです。
 ところが最近はそのパワーの方が凌駕するようになってきて、
 パワーとクオリティが「ゴーンッ!」と高いと
 「多少の所はいいやないか」って言ってる間にだんだん作り慣れてきて
 細かい所も上手に彼らもなっていくっていう風に。
松:あー・・・。
宮:だから今、アメリカの対策の方が日本よりすごいっていう風に言われるようになってきた。
松:格闘技と全く同じですねぇ。
宮:そうか、そうなんですね。(笑)
松:格闘技と全く同じですよ。これまた、またマニアックな話になりますけど。(笑)
宮:(笑) そういう・・・
松:だからその昔のその、
 いわゆる柔道だなんだってやってた、空手だなんだってなってた事が、
 だんだんアメリカとかに吸収されていって、今、技術どうこうより結局またパワーになってきたりなんかして、
 そのパワーの中にまた技術がちゃんと生まれてて。
 だから今UFC(Ultimate Fighting Championship)が一番面白かったりするんですよね。
 ごめんなさい、また全然ワケの分からん話をして。
宮:そうなんや、僕はあまり深くは知らないですけど、それも映画もそうでしょ?
松:ああ・・・。
宮:映画もなんかその、一番初めはハリウッドのパワーで行ったけど、
 今、逆にもうそれが疲れて、駄目じゃないですか。
松:そうですね。
宮:そやからもう一回原点に帰った、帰ってきてるっていう。
松:また帰ってきてますもんねー。・・・ホンマや。
宮:それはよくシネ坊主(シネマ坊主)とかでずっと書いてるでしょう?(笑)
 あれ結構、僕好きで、ずーっと読んでたんですよ。(笑)
松:ありがとうございます。(笑いつつ頭を下げる)
宮:で、それで興味を持ったんですけどね。ああ、って。
 やっぱ眺めてる目は面白いよなーって思ってみて。
 だから映画撮らはる度にけっこう楽しみにしてます。(笑)
松:いやいやありがとうございます。



<<目指すエンターテインメント>>

宮:(沈黙)
松:(沈黙) うーん・・・。
宮:やっぱりね、触ってすぐ面白いって言ってもらえて、でその、
 僕ビートルズの音楽が好きやったんですけど、
 やっぱり音楽を聞いたら思い出しますよね、その頃を。
 それは何とか、そうなりたいんですよ。
 そのゲームを見るとその頃を思い出すっていう風に。
 だから、すぐおいしくて、そういう思い出に残るものをやりたいなあって。
松:ああー・・・。
宮:だからメディアは別に何でもいいんです。
 今はビデオゲームが一番やりやすいし、たぶんこのままビデオゲームばっか作ると思うんですけど。
松:いや、作っていただきたい・・・。
宮:偉そうな言い方になってしまいますけど。
 けど、ホントは別にビデオゲームに限らずやったらいいので。
 だからビデオゲームが今の枠を飛び出したらいいのになぁって思いながら。
松:(唸る)
宮:そういう意味ではインタラクティブっていう事が前提ですよ。
 お客さんが使って思い出に残るっていうのになりたい。
 誰かと遊んだっていうのを覚えてるっていう風なものにしたい。
 「あいつと遊んだなー」とか。
松:ありますねー。映画も「あいつと行ったよなー」みたいな事。
宮:「ウチのお父さんは一回、さばけた(←?)とか馬鹿やったなー」みたいなのが
 子供に残るとか、僕はすごいビデオゲームの大事な可能性かなーって。
 松本さんは?
松:こんな言い方するとアレですけど、
 絶対なければいけないものではない、と一応されてるだけに
 「舐められたらいけないな」というか。
 だからこそなんですよね。だからこそ、人の時間を頂くわけやから(笑)、
 あの、しっかり納得のするものを作らないと申し訳ないな、とは思ってますけど、
 具体的にどうこうっていうのは僕もちょっと分からないですけどね。
宮:舐められたらあかん、っていうのはすごいありますよね。
 女子供のものやから、とかすぐ言うでしょ?
 それ絶対おかしいですよね。
松:絶対おかしいですよね。
宮:あの、子供をばかにしたものを見るとすごい腹立つんですよ。
 子供はばかじゃないよ、と。
 物を知らないだけで知性はあるっていつもそう思うので。
松:そうですよね。
宮:そういう作り方がもう明らかに世の中2種類あるので
 「こっちには行くなよ、こっちへ」みたいに。(止めるような手と移動させるような手の動き)
松:あのテレビでもそうなんですよ、
 こう「子供ってこんなん好きでしょ?」みたいに子供をちょっと舐めたような、
 こんなんやってたら子供が見るやろなーって思った作りの番組って悉くコケていきますね。
宮:そうですか。
松:やっぱりその、舐めすぎなんでしょうね。うん。舐めちゃいけないですよね。
宮:その通りですよね。
松:わかりました。
宮:(笑)




松:大丈夫でした?今日。
宮:いやいやいや。
松:やっぱり答えの出ないもんやから、難しいですねー、言葉で伝えるの。
 言葉で伝えられるもんなら作らないですもんね。うーん。



松:なんか、お疲れ様でした。
宮:いやすみません。(笑)
(頭を下げる二人)




<松本さんの印象は?>

宮:前から、やり口は似てる方だなって思ってて、
 今日の印象でもあまり大きく変わらない。
 やっぱり安全に行ってると面白くないっていう、事は、
 安全に行ってる事ってあんまカッコよくないやないかっていう風な美学があるんやないかって。(笑)
 やっぱ関西なんですかね、なんか。
 「俺」って決まり過ぎてたらちょっと嫌な、ハッタリ臭くっていう、あるのに、
 つい決めにいってしまう自分がいるっていう葛藤ですよ。
 ・・・また分かりにくい。(笑)



<宮本さんの印象は?>

松:やっぱ思った通りですよね、だからもう、絶対悪い人じゃないなっていうのが。
 絶対そうなんですよ。こういう仕事でこういうもの作る人は絶対悪い人じゃないんですよね。
 もう目が濁ってないですもんね。
 ・・・まあ、僕もそうなんですけどね。




(終わり)

<<前半に戻る>>




zot3six at 23:55│Comments(0)TrackBack(0)テキスト起こし | ゲーム

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