泣き笑い!指圧師夫婦の介護日記

現役指圧師の介護奮闘記。90才と85才の両親を一人で介護しています。

★介護で疲れたあなたを支える治療室★

  「経絡指圧普及会・指圧治療室」は介護で疲れたあなたのための治療室です。

    ※ 東京・豊島区、℡.03-3985-1060、http://www.keiraku-shiatsu.com/

リョウ、再びショートステイに旅立つ

 リョウはしばし時間調整して、次のショートステイ先に向かいます。昼は久しぶりに大好きな寿司を食べて大はしゃぎです。「あそこは監獄と同じだ」、「二度と行きたくない…」、そして「一体誰が相談もなしに、俺をあんな所で入れたんだ…?」と寿司を頬張りながら訴えます。実は私とヨネが共謀して決めた事なのです。それには触れず黙っていると、「実はオレ、知ってるんだ、そいつを…」と言うのでありました。

  あの女だ。あのオンナが、オレを入れやがったんだ…。

と息巻くのでした。「あのオンナ…」とは担当のケアマネージャーの事で、気立ての優しい穏やかな人です。リョウはその女性が自分を監獄に送り込んだと思っているようでした。人間思い込みと言うのはスゴイもので、リョウは「オレは見たんだ。入院していた時、あのオンナが知らない男と何か相談してた所を…」と自慢気に言うのでありました。私はその時、心の中でつぶやいたのであります。「お父さん違いますよ。その時のオトコとは『わたし』。あんたの息子ですよ」と…。もう90才の脳ミソは他人と息子の区別も時として出来ないのであります。

 ともあれ、リョウは3時間ほどわが家で息抜きをして、次のショートステイ先に元気に旅立ったのでありました…。


taiho_rouya


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リョウ退所、家の前で男泣き…。

 「どうしようか…」と思案に暮れていると、やはり神様はお見捨てにならないのですね。丁度タイミング良く、リョウがいつも通っているホームから

   一つ部屋が空いたので、こちらに移れますョ。どうしますか?

と連絡が入ったのです。当初は和やかなお婆さんが沢山いる事だし、この際ここでガールフレンドでも作ればと思っていたのですが、リョウが口をポカンと開けて天井を見上げる姿を見るに及んで、こりゃダメだと思いました。渡りに船で、速攻で「移ります」と返事をしたのは言うまでもありません。それをリョウに言いますと、小躍りこそしませんでしたが大喜びです。

 その日からリョウは指折り数えて退所の日を待ったのであります。それまで毎晩ヨネの元に電話を入れて、ヨネから嫌われても「電話でもしないと気が狂いそうだ…」と言っていたリョウは、それ以後は「あと4日で出られるんだよ」、「あと3日で…」、「あと2日で…」と電話口で唱えるようになりました。

 いよいよ当日の朝ホームに迎えに行くと、リョウは荷物をまとめ服も着て、いつでも退所スタンバイの状態で待っていました。リョウの護送はレンタカーを借りて、一旦家に寄って時間調整してから、次のステイ先に向かいます。「リョウさん、もういいですよ」と職員が言いに来ると、リョウは部屋を出ていつものたまり場で、一人一人に出所の挨拶をしています。「オレ、帰るからさ」、「頑張ってね」、「元気でね」とまるでお釈迦様が慰めるような慈愛に満ちた顔をしております。玄関を出て車を出すと、リョウは建物を見ながらこの一週間は長かった…と言いました。

 20分程で我が家に到着。リョウにしてみれば骨折の入院から今日まで、90才の老人にとっては目まぐるしい地獄の日々だったのであります。車から出て我が家を見上げると感極まったようで、塀に両手をついて

    ううっ、やっと家に戻れた…あぁん

と男泣きしたのでありました。

男泣き





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リョウ、ショートステイ入所…悲鳴の毎日

 一週間が過ぎたころ、病院側も「手首の骨折程度で長期間入院させるわけには…」と言う事で、リョウに退院をほのめかすようになりました。と言って自宅には戻れません。そこで骨がくっつくまで、リョウは転地療養する事になりました。新療養先は病院から少し離れた市内の特養老人ホームです。行ってみると

   意外といい所じゃん!

と言った感じで、閑静な森の中にありました。ホームの利用者も皆ニコニコ穏やかで、部屋も個室です。ただ何か親をたらい回しにしているような罪悪感を感じましたが、とに角ここでお願いするしかありません。翌日、再びホームに行ってみるとリョウは

  いやぁ、ここは監獄だよ…。

と言います。聞くとおしゃべりのリョウは早速、食事の時間に広間に行って話し掛けたそうなのですが、皆トンチンカンな事を言うのだそうです。そう、ここは認知症の老人ホームだっのです。自分も広間へ行ってみると、老人たちが黙って皆上を向いて、口をポカ~ンと開けている。それはイースター島のモアイ像を思い出させる壮観な光景でありました。それでもリョウはその老人たちの中で笑顔で話し掛け、必死に頑張っておりました。3日が過ぎ、4日めの昼にいつものように訪問すると、広間のテーブルにはモアイの老人の群れが口を開けて座っています。リョウを探すと、何とテーブルの端に

   口を開けてポカンと上を見上げる

リョウの姿があるではありませんか。このままでは本当に痴呆になるかも…と本気で心配したのでありました。

   う~ん、何とかせねば…!

そう思ってホームを後にしました。

モアイ像





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