一週間が過ぎたころ、病院側も「手首の骨折程度で長期間入院させるわけには…」と言う事で、リョウに退院をほのめかすようになりました。と言って自宅には戻れません。そこで骨がくっつくまで、リョウは転地療養する事になりました。新療養先は病院から少し離れた市内の特養老人ホームです。行ってみると

   意外といい所じゃん!

と言った感じで、閑静な森の中にありました。ホームの利用者も皆ニコニコ穏やかで、部屋も個室です。ただ何か親をたらい回しにしているような罪悪感を感じましたが、とに角ここでお願いするしかありません。翌日、再びホームに行ってみるとリョウは

  いやぁ、ここは監獄だよ…。

と言います。聞くとおしゃべりのリョウは早速、食事の時間に広間に行って話し掛けたそうなのですが、皆トンチンカンな事を言うのだそうです。そう、ここは認知症の老人ホームだっのです。自分も広間へ行ってみると、老人たちが黙って皆上を向いて、口をポカ~ンと開けている。それはイースター島のモアイ像を思い出させる壮観な光景でありました。それでもリョウはその老人たちの中で笑顔で話し掛け、必死に頑張っておりました。3日が過ぎ、4日めの昼にいつものように訪問すると、広間のテーブルにはモアイの老人の群れが口を開けて座っています。リョウを探すと、何とテーブルの端に

   口を開けてポカンと上を見上げる

リョウの姿があるではありませんか。このままでは本当に痴呆になるかも…と本気で心配したのでありました。

   う~ん、何とかせねば…!

そう思ってホームを後にしました。

モアイ像





にほんブログ村 資格ブログ 医療・福祉系資格へ
にほんブログ村