2012年06月

2012年06月29日

「ユンさん!あの書きかけの記事、一体どうするつもりですか!!」

「いや…だって、結局は試合をあんまり見られなかったから…」

「そんなの、見てなくても見てきたように書けばいいんですよ!」

「それは無理ですよ…」

「無理じゃないです!例えば 、
“次の瞬間、吉岡選手は宙高く舞い上がった!
「よけられるものならよけてみろ!貴様は助かっても地球はコナゴナだーッ!」
そう叫び、吉岡選手が必殺の”ギャリック砲“を放つ!
「ならば…4倍界王拳だあっ!!」
ライダー清水俊裕選手は、自らの身体に多大なる負荷を与える”4倍界王拳“の”ライダーキック“でそれを迎え撃つ!
どうなるライダー!
どうなる地球!!
続きはWEBで。べべんべん”
とか、適当に書いとけばいいんですよ!!」

「フィクションにも程があるでしょうが!」

「いいんですよ!どうせZFC通信なんて全世界で9人ぐらいしか見ていないんだし、そもそもこの会話自体の8割以上がフィクションなんですから!」

「んな無茶な!」

というわけで、会話の内容はかなりフィクションが入っているが、このように「一杯のかけそば」的なハートウォーミングなやりとりが、ユン氏と私の間でなされたのは事実である。

プレッシャーをかけた甲斐もあり、やっとユンさんが書きあげてくれたので、これで私も書けるなと思ったのであるが、数日後(当時)の17日にGAORAで放送されるから、それを見て、内容を再度確認してから書こう。じゃあまだ書かなくていいか。よし、野球しようぜ!等と余裕ぶっこいている内に月日は流れ、気が付けばカザフスタンで“中央アジアの頂点”を獲った清水兄も帰国し、やべぇ、書くこと一杯ありすぎてどれから手をつけていいかわかんねぇよ的な、宿題を溜め込んだまま迎える夏休み最後の日のような状態になっているのが現状である。ああ、人ってなかなか成長しないものですねぇ。

正直なとこ、もう何から書くべきなのかアレなのだが、今回は先月に行われた「ニコニコグラップリング東北ツアー」の事を書こうと思う。何故にこのタイミングで、と思われる方もあろうとは思う。まあこれも、“タイミングを逃した為にボツ”フォルダに片足を突っ込みかけていた文章であったのだが、「第二回 ニコニコグラップリング東北ツアー」の開催も決まったようなので、このタイミングで書かなければ、もう絶対に書き上げる事はあるまい。じゃあついでだから書き上げてしまおうという、ただそれだけの理由だったりするのだが、よろしければ最後までお付き合いください。



さて、落語の演目の一つとして「まんじゅうこわい」という噺がある。有名な噺なので今更説明する必要も無いと思われるが、念のためにあらすじを書いておこう。

ストーリーは男達が数人集まって、それぞれの嫌いなもの、怖いものを言い合っているというシチュエーションで幕を開ける。皆、それぞれに、ヘビが怖い、蜘蛛が怖い、お化けが怖い、と言い合っていくわけだが、その中に一人、「怖いものなど何もない」と、うそぶく男が一人いた。

それだけならまだいいのだが、各自が怖いと申告するモノに対し「なんでそんなモノが怖いのだ。だからお前はチキンと言われるのだ!このチキン!!」と、ご丁寧にも逐一ディスっていくとあっては、言われた面々も面白かろうはずもない。そこで皆は、男を囲み「いや、そういうお前だって怖いモノの一つぐらいあるだろう」と問い詰める。問い詰められた男は仕方なく語りだした。

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「オレは…“まんじゅう”が怖いんだ!!」

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「なっ、なんだってー!!」

皆が驚くのも無理はない。これは予想の斜め上。よりによって何故“まんじゅう”なのだ?“まんじゅう”の何が怖いのだ?人は何処から来て何処へ行こうというのか?皆の頭の中で様々な疑問が渦巻いている内に男は「まんじゅうの話をしているだけで怖すぎて気分が悪い」と言い出し、隣の部屋で寝てしまった。

これはチャンス。先ほど、各自ディスられたこともあって、皆の心の中の永田さんが「いいんだね?殺っちゃって!!」と叫びだした。そんなブルージャスティスと化した男達は、皆でまんじゅうを買いこみ「これがヤムチャの分!これはピッコロの分!!そしてこれが…折られたモップの分だぁ!!」と寝ている男の部屋に饅頭を投げ込んだ。

隣の部屋からは、寝ていた男の恐怖に震えた声が響く。

「げえっ!関羽!…じゃなくて、ま、まんじゅうっ!」

してやったりと喜ぶ皆であったが、どうもそこから先の展開がおかしい。

「ひゃあああ、怖い。こんな怖いまんじゅうは食ってしまえ!」

アレ?アイツ、なんか怖いとか言いながら普通にまんじゅう食ってんじゃね?皆が隣の部屋に乗り込むと、そこには既にまんじゅうを食い尽くした満足そうな男の姿が。ここで皆はやっとこさ、これは男に一杯食わされた、ということに気付くも後の祭り。怒った皆の「騙しやがったな!本当に怖いモノはなんなんだ!」という問いに男はこう答える。

「そうだな…今度は熱いお茶が怖い」


まあこのように、上手くタダまんじゅうにありついた男のエスプリを楽しむ話であるが、これは一つのサイコロジー(心理学)としての側面を持っている話でもある。

つまり男は「まんじゅうが怖い」と発言する。行間を読めば「だからオレにまんじゅうを近づけるなんて以っての外ですよ」という事を言っているわけであるが、ここで出てくるのが“カリギュラ効果”という言葉だ。これはある行為を禁止されると、かえってその行為をやりたくなってしまうという心理の事を指す言葉である。

この“カリギュラ効果”の語源となったのは、1980年に制作された「カリギュラ」という映画である。この作品、表向きはローマ皇帝カリギュラの残忍さや放蕩ぶりを描く歴史大作という事であったのだが、その実態たるや、ただのハード・コア・ポルノという、とんでもない作品であった。この作品に騙されて出演したのが「時計仕掛けのオレンジ」のアレックス役で有名なマルコム・マクダウェルであったりするのだが、それはそれでまた一つ話が書けそうなぐらいドロドロしているので割愛。

まあこの「カリギュラ」という映画、その内容がかなりアレであった為、一部地域では当然のように公開禁止となったのであるが、そこが逆に世間の興味を惹いてしまったのである。公開禁止になるってどのくらいハードなんだよと、気になった人達が「乗るしかない、このビッグウェーブに!」とばかりに劇場に殺到。禁止されたという事により、かえって人々の興味をかき立ててしまったのである。

“カリギュラ効果”とはこの様に「このスイッチ押しちゃダメですよ。絶対ダメですよ。とにかくダメですよ」と禁じられれば禁じる程、興味が掻き立てられて、ついついそのスイッチを押したくなってしまう、といった心理メカニズムの事なのだ。

この手法を積極的に取り入れている一つの分野として、テレビのバラエティー番組がある。年末に放送されている、ダウンタウンの「笑ってはいけない○○」シリーズなどは、その最たるものであろう。「笑ってはいけない」という、バラエティーにあるまじき枷を敢えてつけることによって、通常以上の破壊力を生み出しているのである。

枷をつけるとは例えばこういう事だ。「カリギュラ」の監督の一人に“ボブ・グッチョーネ”という人物がいる。おそらく学校のテストには出ないであろうし、取引先のお偉いさんとかに「あぁ、ときにキミ。ボブ・グッチョーネという人物を知っているかね?」という話題を振られる事も多分ないハズで、この名前を覚えていても、これから先の皆さんの人生において、何一つ得をする事は無いと思われる名前である。そんなボブであるが、この“グッチョーネ”という部分に、幾らか面白い響きが含まれてはいないだろうか。

「グッチョーネが弁当を食っちょーね」

先に謝っておきたいが、画面の向こうの皆様方に関しては「それはひょっとしてギャグのつもりなのか?」レベルのネタだとは思う。確かに私も、これを他人が自信満々のギャグとして出してきたら、そやつとの今後の「距離感」とか、そういったものを考えるにやぶさかではないであろう。そう。確かに今現在この状況では、このギャグの殺傷度は限りなくゼロに近い。ドラクエの武器で言えば“ひのきのぼう”レベルの攻撃力だ。

しかし、この一文を脳裏に描いたのが、やれ真面目な会議中とか荘厳なるセレモニーの最中であるとか、笑うに相応しくない厳粛なる時間帯であったならどうであろう。これは危険だ。たちまち“グッチョーネ”の攻撃力はウナギのぼり。“ひのきのぼう”から“はがねのつるぎ”なみに攻撃力が上がると言っても過言ではあるまい。なにせ“グッチョーネ”が“食っちょーね”なのだ。これはヤバイですよ。ヤバイかなぁ。いかん、あんまり面白くないかもしれないな。うん、これはちょっと無かった事にしとこうかな。

まあとにかく、そういう「笑ってはいけない」というシチュエーションでは、普段なら何気ないギャグであってもその破壊力が増す、という感覚は理解いただけたものと勝手に想定して話を進めるが、まあ実のところ今回の本筋とはあまり関係が無いという事実に、ここまで書いてしまってから気が付いたので、特に覚えておかなくてもいいです。

というわけで前回の「ニコニコグラップリング」の通信を書いた際、岩手銘菓の「かもめの玉子」という固有名詞を出した上で「土産とかは気にしなくていいので」的な文言を三度ほど繰り返すという、言わばダチョウ倶楽部の「押すなよ!絶対押すなよ!」的なネタでオチをつけてみたのである。

この時点では“カリギュラ効果”的なモノを期待していたわけではなく、実際に土産を買いに行けるスケジュールでも無さそうだったので、むしろここまでネタフリっぽい事をやって“何も買ってこなかった”というのが、次の通信を書く際にネタにしやすいのではなかろうか、という計算が私の中ではあったのだ。

しかし、この“カリギュラ効果”が発動してしまったのか、普段から“ガチ”な人だから当然と言えば当然なのか、このツアーに参加した太田裕之選手が“ガチ”で買ってきてしまったのである。
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画像:東北では菊野選手と戦った“ガチ”の人(右)。

ツアー終了後、ZFC掲示板に、

“見て来たり、体験したこと、そして、感じたことをお話ししますが、とりあえずは、明日『かもめの卵』を持って行きます!”
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と書き込まれていたのである。個人的にはユンさん辺りが途中のサービスエリアで、“ご当地プリッツ”でも買ってくるかなぁ、ぐらいの予想しかしていなかったのでこれはまさしく予想GUY。“うわぁ、これだからガチな人は“と思いつつ、次の日、本来であれば行くつもりはなかった練習に参加したのである。

「昼休みの時間が短かったんで、カレーを三口で平らげて買いに行ってきました!カレーは飲み物です!!」

と、故・ウガンダ氏の名言を交えながら語る太田選手の話を聞きながら、「かもめの玉子」をいただいたのであるが、これがやはり銘菓というだけあって、結構おいしいモノであった。7月1日にアマチュア修斗に参加する荒木・ベッキー・幸輔選手も、二つぐらい食っていたような気がする。

今回の話から得られる教訓としては、「時に”ガチ“な人は、こちらの浅はかなジョークの範疇を超える」という事と、実際にZFCにカレーセットを送ってくれた、CoCo壱の江口選手の時にも書いたが「意外と言ってみると実現してしまう事も世の中にはある」という事の二つであろうか。
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そういった事を含め、今回の通信は最終的に次の一文でシメるべきであろう。

次回のツアーに参加する人は、今度は“松栄堂のごま摺り団子”などは決して買ってこないように、と。


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2012年06月11日

さる5月27日ディファ有明で行われた「BATTLE GENESIS vol.10」は、無事終了することが出来ました。
ご観戦に来てくださった方々、またこうして結果を気にして覗きに来てくださった方、ありがとうございます。

今回は、なぜか私「ユン・ドンツク」が書きます。
でも、全く構成も何もないです。そして、試合もほとんど見てないです。なので、前回の「SWAT!」の部で出場選手のフリは触りません。これはオールドバックさんがきっと書いてくれると思ってます。いや書きます。そう宣言してるのが聞えました。


と、いう書き出しで始めたのが先週ぐらい。いつのまにか、清水兄のカザフスタン遠征の結果が先に来てしまって、よくわからない状態になってしましましたね。
で、このまま無かったことにしようかと思ったのですが、どーしてもオールドバックさんからのリクエスト?があったため、泣く泣く書いてます。
これを買いたらきっとオールドバックさんも「リングスルール」での出場、いやアウトサイダーに出てくれると思ってます。
じゃ、また続きに戻ります。



ま、本戦もまともに見てませんので何も書きようがないのですが、とりあえず清水ライダー俊裕
vs吉岡 弘晃の一戦から。
実はグラップリングの強い選手とは対戦経験が少なく、先日のZSTのグラップリングの大会、「「プロ・アマGT-F賞金トーナメント2012」であっさり秒殺負けした経験があるライダーには部が悪いと予想。
吉岡選手の引き込みやヒールホールドの苦戦するも、見てないうちに「ライダー胴4の字」から「ライダーチョーク」で一本勝ち!
ライダーの「ライダー胴4の字締め」は実は隠れた必殺技なのだが、なぜ必殺技になりえるのか?その秘密が試合後判明しました。
身体のある部分が凄いです。あの部分は中々発達しないです。でも、いつも通り当人は理解していないようでした。

もうひとつ理解できていないといえば、「ヴォルク・ハンへの引退試合の対戦表明」。
絶対分かってないハズ。いや断言してもいいでしょうね。

第6試合/RINGSルール/61.2kg以下契約(5分x2R)
○清水 俊裕(総合格闘技宇留野道場)
×吉岡 弘晃(ブライトネス)
(1R3分48秒 裸絞め)



他で見てたのが「奥出雅之vs鍵山 雄介」。試合前、奥出選手とモニターを見ながら雑談。鍵山選手はグラップラーなので、今回はボクシング担当のS君は休み。それが吉と出るか狂と出るか・・・。
1R、いきなり奥出選手が相手の蹴りをキャッチ。アームロック狙ったり、腕十字の体勢に入ったりと奥出ペース。終盤になるとスタンドで鍵山選手が大振りのロングフック。かわした奥出選手だったが、次の1発が被弾。
よろめきダウンです。そのまま、鍵山選手がパウンドでKO勝ち。
この試合、ZST関連の人は奥出選手が優勢で、逆転負けに見えたが、DEEP好きには鍵山選手の完勝の見えたようです。
そんな奥出選手、川崎フロンティアよりお花が届いておりました。そしてありがちな名前の看板付きでした。

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何か気付きませんか?


ええ、奥出選手の名前より川崎フロンターレの文字が大きいことではありませんよ。


持ってるお方がオールドバックさんなんですね。そう、アウトサイダーに向けて頑張っているであろう、あのオールドバックさんです。たぶん、ZSTの会場で見つけられると思うので、ぜひ声を掛けてあげてください。



zst_fczst_fc at 01:20│コメント(0)トラックバック(0)

2012年06月09日

カザフスタンで8日に行われた「BUSHIDO FC in ASTANA」であるが、ZSTの公式サイトに大会結果が載っていたので、便乗して速報してしまおう。

まあ、詳しい話は清水兄が帰ってきてから聞くとして、どうやら勝ったようである。さすがは“ASIAの頂点を取り損ねた男”。地元カザフスタンのアスタナフ・エルザン選手を相手に必殺の三角締めを極め、ユーラシア大陸の中心で“アッー!”と叫ばせてしまったようだ。

第9試合 BUSHIDO FC フェザー級(65kg)タイトルマッチ
○清水 俊一(総合格闘技字留野道場)
×アスタナフ・エルザン(カザフスタン)
( 2R1分45秒 三角絞め )

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それにしても全10試合の大会でセミファイナルとは、これは結構いいポジションではないか。さすがは“ASIAの頂点を取り損ねた男”よ、とか思っていたのだが、よく見たら清水兄の試合に、とある単語がくっついているではないか。

第9試合 BUSHIDO FC フェザー級(65kg) “タイトルマッチ”

そう。なんと、この試合は“タイトルマッチ”だったのだ。そんな話は全然聞いていなかったんだけどなぁ。と言うか、当の清水兄も知っていたかどうか。そこら辺は本人が帰ってきてから聞いてみたいところである。

とにもかくにも“ASIAの頂点を取り損ねた男”清水兄であったが、これで“ユーラシア大陸の頂点を取った男”になってしまった。しかし王者になったという事は、またタイトルマッチをやる時は、ユーラシア大陸のどこかで防衛戦をしなければならないという事であろうか。

清水俊一の、防衛ロードとマイルの貯まる日々は、まだ始まったばかりである。



余談ではあるが、大きいほうのボブ(サップ)は、予想と期待を裏切らない試合だったようだ。

第10試合 100kg超級契約
×ボブ・サップ(アメリカ)
○アキベコフ・トルゲン(カザフスタン)
( 1R1分29秒 TKO )

zst_fczst_fc at 16:43│コメント(0)トラックバック(0)試合 │

2012年06月03日

唐突ではあるが、あなたはカザフスタンという国をご存知だろうか。

「あー、ランボーが暴れたとこっしょ?」と思ったあなた。それはアフガニスタンである。

「モヘンジョ=ダロがあるところダロ?」等と、わざわざ踏まなくてもいい韻を踏んでしまったあなた。それはパキスタンである。それと今見たとおり、このネタはそんなに面白くないので、ここ以外では使わないほうが良いと思います。

「知っていますよ。あのウエスタン・ラリアットが強い人ですよね」とか思ってしまったあなた。それはスタン・ハンセンだ。うーん、ハンセン・スタンじゃないので、さすがに無理があったか。今は反省している。

とにかくザッとあげるだけで、他にも「ウズベキスタン」「タジキスタン」「トルクメニスタン」等々、世界最大の湖で知られるカスピ海の周辺はまさに「スタン天国」の様相を呈している。ちなみに「〜スタン」とは、ペルシア語で「〜の国、〜の多い場所」という意味らしいので、この名がついている国名が多いのも当然と言えば当然。バルカン半島の人達の名に、やたら「ビッチ」が付いているのと同じ様なものと考えて差し支えないであろう。

で、当のカザフスタンはと言えば、国土面積は世界で9位に入る広さを誇り、他のスタン達との違いを見せつける「キング・オブ・スタン(広さという点では)」な国である。そして2006年(日本では2007年)には「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」という映画がスマッシュヒットをとばし、知名度的な所でも他のスタン達に差をつけた感はある。

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もっともこの映画、実のところメイド・インUSAであり、内容は“カザフスタン人のフリをした英国人コメディアンが、アメリカ各地でちょっとした毒のあるドッキリを仕掛けまくる”という、色々とアレな内容の作品で、カザフスタン政府はこの作品に激怒。この映画をめぐって数々の訴訟も起きているという問題作である。2012年には、クウェートで行われた射撃大会の表彰式において、本来の国歌「我がカザフスタン」を流すハズが、運営事務局の手違いでこの「ボラット」の劇中曲である「替え歌(上品とは言えない内容。日本の国歌で言えば「君がYO!」みたいに改変したもの)」の方を流してしまうハプニングが発生し、選手団が謝罪を要求する事態にも発展したりしている。



さて、「BATLLE GENESIS vol.10」の事も書かんと、いきなりカザフスタンの事などを書いているのには二つ理由がある。

まず一つ目として、「BATLLE GENESIS vol.10」の方は、確かに私も書こうとはしたし、実際ある程度書いてはいるのだが、この人
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画像:この人。

が「BATLLE GENESIS vol.10」に関して書きかけている文章が「ZFC通信」の管理ページにあるのだ。

全世界で8人ぐらいしか見ていない、いや、最近グランドスラムの“グラババ先生”こと馬場高広選手も時折目を通していただいているっぽい事を人づてに聞いたので、8人改め9人ぐらいしか見ていないと思われる「ZFC通信」であるが、基本的にZFCのメンバーであれば誰が書いてもいい事になってはいる。しかしながら、ZFCのメンバーは全員が基本的に「後の先」使いであるので、なかなか書いてくれない。なので、珍しく他の人が「書こう」という熱意を持って執筆活動を行っているところに、私が先に書いてしまい水を差す様な事になっては申し訳ない。そういうワケで私は「BATLLE GENESIS vol.10」の通信に関しては“絶賛自主規制中”なのである。

そして二つ目の理由として、それだけなら幾ら待っていても構わないのであるが、そろそろ次の試合の事を書かんといかんのではないか、という時間が近付いてきてしまったのである。そしてその次の試合というのが、カザフスタンで行われる「BUSHIDO FC vol.51」なのである。

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この「BUSHIDO FC vol.51」であるが、“ボブ・サップが出る大会”以上の事は、私も詳しくは知らない。そしてこの大会に日本から、我等がZFCの外様(そとさま)枠でもある“ZSTの鉄人”清水俊一選手が出場するのである。

既に忘れている人もいるかもしれないが、清水選手の愛称は“ぼぶ”である。本人のブログのアドレスも

http://blog.livedoor.jp/bobzst9/(コチラ)

となっており、確かに“bob(ぼぶ)”の存在が確認できる。これを見たカザフスタンの関係者が「でかいボブ(サップ)が出るんだから、小さいボブも出しとけばええんちゃうん?」等と、安直に考えたのかどうかは定かではないが、とにもかくにも清水兄の次なる戦いの舞台は、そんなまさかのカザフスタンとなったのである。

しかしアレだ。これで清水兄は、今年だけでも既に4戦目になる。1月の「BATTLE GENESIS vol.9」ではヒロ・ヤマニワの心を粉砕し、3月の「ZST 31」ではリングスUKのロブ・マックラムとの、我々素人の目にはわからぬ達人レベルの激闘に“辛くも”勝利し(ただし本人は無傷)、4月のパンクラスではメインイベントで手塚基伸選手とフルラウンドの死闘を繰り広げるなど、まるで生き急ぐ様にハイペースで戦い続けている。

なぜ清水兄は、この様に戦い急ぐのか。

これに関しては興味深いデータがある。以前、どこぞの選手を調べようと思ってネット上で色々と検索していた時に、SNS系の何かだったとは思うが、この様なプロフィールのページが出てきたのである。

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“ZSTの鉄人”清水兄の他にも、“ZSTの改造人間”ライダーHIROであったり、“元・スーパー高校生”のウェルター級王者の人であったり、“戦うIT社長”の人であったりが並んでいたのであるが、清水兄以外の全員の経歴が、かなりスゴい事になっている。

山田選手は“一級建築士”であるし、伊藤選手は、まあ元々社長でもある選手なのだが“東大卒”という、問答無用の学歴のオーナー。そしてライダーに至っては神奈川大学の教授で、「安心と信頼の日本経済」等という、普段のライダーを知る我々からすれば、「う、胡散臭ぇ〜〜ッ!」と叫ばすにはいられない程、真面目そうな著書の数々を世に送り出している事になっている。

つまり“格闘技”という浮き沈みの激しいこの業界において、清水兄以外の選手は、なにがしかの所謂“ツブシが利く”ソリッドな学歴やら資格やらを有しており、たとえ明日、格闘技の第一線を退いたとしても、すかさず他の業界の最前線に立つことが出来る選手達なのだ。

その一方で清水兄は、格闘技一直線という、現代の日本ではかなり難易度が高いと思われるルートを邁進している。他の選手と比べ、保険的なモノが無い清水兄にとっては、戦いこそがそのアイデンティティーであり、もはや試合を通して清水俊一という個を表現するのではなく、試合をするという行為自体が清水俊一という存在なのかもしれない、ってまたこのネタですか。

その愚直なまでの“格闘バカ一代”的と言うべきか、ドン・キホーテ(ドンペン君じゃない方の)的とでも言うべきかのスピリッツの中に、時に我々は、とうの昔に置き去りにしてしまった、自身の純粋なサムシングの欠片を見てしまうのであろう。そしてそれ故に、我々は清水兄を応援し続けるのである。

戦え!清水兄!

負けるな!清水俊一!

応援、よろしく頼むぞ!!

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BUSHIDO FC vol.51 in Astana , Kazakhstan
June 8th 2012
(時間までは書いてなかったんで興味のある人は調べてください。時差とかも各自でよろしく頼むぞ!)



あ、それと、ガチで信じている人はいないと思うが、あのプロフィールの画像はたまたま清水兄と並んでしまった同姓同名の人達だと思われるので、間違えても“地方財政と地域経営”等を読んだ上でライダーに「清水選手は財政赤字についてこう考えているみたいだけど、僕ぁちょっと違うと思うんだよね」等と言ってはいけない。ライダーは基本的に相手の言っている事がわかんない時は“適当に肯定して場を流す”というスキルを発動させてしまう為「そうですね。そういう感じも否めないですね」とか、なんかそんな事を言って、全く成立していないのに会話が成立している“っぽい”状況に陥る恐れがあるんで。

zst_fczst_fc at 17:27│コメント(0)トラックバック(0)試合 │