February 01, 2007

5-1 Secret story

お裁縫をするのは楽しいです。

アウツさんやチェルシーに頼まれるお洋服は、いつもダークネス布を使ったものばかりだけど、たまに、ぼくが自分で着る服をつくるときには、好きな色の布を使います。
でも、きらきらして綺麗な布は、とても高いので、買ってもらえません。
「おまえが自分ではたらいて買えばいいだろう、ばか」と、アウツさんにいわれました。
ぼくはどうやってはたらいていいのか、どうやったらはたらいたことになるのか、わからなかったので、きらきらする布をあきらめました。
おとなりに裁縫屋さんがありますので、そこへ走って行って、おにびさんにもらったおこづかいで、布をそめる絵の具を買いました。
走って行かないと、大きな蛇がきて、ぼくを食べます。
桶に水をといて、くふうして、ちょっと灰色をまぜた青とか、ちょっと白をまぜた紫色とか、ちょっと茶色をまぜた白とかの、絵の具をつくって、布をそめました。
好きな色の布になりましたので、それで自分の服をつくりました。
とても気にいっています。



縫い物をしていると、いつの間にかすごく時間が経っていて、じぶんのお腹のぐうぐう鳴る音にびっくりします。

そういうときは下に降りて、バナナを食べます。
3本ぐらい食べます。
箱の中には、20000本ぐらいのバナナが入っています。
うそではありません。
アウツさんは「好きなだけ食べてもいいよ」といっていました。
それを思い出すと、いつもうれしくなります。
でも、3本ぐらい食べるとお腹がいっぱいになるので、損な気持ちがします。
バナナを食べたあとは、少しお腹がゆるくなります。
ぴりぴりした味のバナナにあたると、もっとゆるくなります。
そのことをアウツさんにいうと、「あははばーか、うんこたれ」といって笑いました。
お腹がゆるいからといって、ばかではないと思うので、これは冗談だと思って、僕も笑いました。
そしたら、チェルシーが、アウツさんの頭に、アンビルを投げました。
それで、アウツさんの頭がへこみましたので、ぼくはびっくりしてしまいました。
チェルシーはあぶない。



ぼくはいつも、おどり場にあるベンチにすわって、お裁縫をします。

石のかべにつたがいっぱい生えていて、そこにあみぶくろを吊るしたり、裁縫手帳をひっかけたりします。
ゆかとか、階段とかは、崩れていて、すこし危ないです。
ことしはとてもさむいけど、ほんとうは、蛇島はあたたかいところなので、ひなたぼっこをしながら編み物をすると、とてもきもちがよいです。
まえに、チェルシーの冬もののセーターのお腹のフレンチナッツステッチをしているときに、綺麗なお姉さんがきて、「こんなところに住んでいて、寂しくないの?」といいました。
ぼくはここで生まれたので、寂しくありませんと、答えました。
それに、ここはざっそうがいっぱいだけど、よく探したら小さな白いお花が咲いていると、おにびさんに教えてもらいましたといいました。
お姉さんは、お砂糖のように にっこり笑って、「じゃあ、いっしょに探しましょう」といいました。
ぼくは、はい、といって、お姉さんといっしょに屋上でお花を探しました。
ほんとうは、どこにお花があるのか、ぼくは知っていたのです。
でもなぜだか、宝探しのように、とてもどきどきした気持ちだったので、ぼくはだまっていました。
お姉さんと、屋上をいっぱい探して、とてもたのしかったです。
白いお花は、お姉さんにあげました。
お姉さんは、「どうもありがとう」といいました。
ぼくもつい、ありがとうございますといってしまいましたので、お姉さんは笑いました。

そのときに、どこまで編んだのかわからなくなったから、今チェルシーが着ているセーターの背中のバックステッチが、いち段ずれているのです。
だから、これはないしょのことです。

しー。


zudah at 21:14│ 05 Rend's diary notebook