個人的な趣味全開のブログ

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Emil Chronicle Online

2010年02月

完全犯罪に猫は何匹必要か?/東川篤哉5

完全犯罪に猫は何匹必要か? (光文社文庫)完全犯罪に猫は何匹必要か? (光文社文庫)
著者:東川 篤哉
販売元:光文社
発売日:2008-02-07
おすすめ度:4.5
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  『招き寿司』チェーン社長・豪徳寺豊蔵が破格の金額で探偵・鵜飼杜夫に愛猫の捜索を依頼した。その直後、豊蔵は自宅のビニールハウスで殺害されてしまう。なぜか現場には巨大招き猫がおかれていて!?そこでは十年前に迷宮入りした殺人事件もおきていた。事件の鍵を握るのは“猫”?本格推理とユーモアの妙味が、新しいミステリーの世界に、読者を招く。

 

  東川先生の作品にはユーモアという特徴があるので、一度読んだらどうしても他の作品が気になってしまう。そして、この作品には猫が登場する。
  僕は犬よりもネコ派。大好きな東川さんのネコをモチーフとした作品というのがこの作品を手に取った理由なのですが、結果としては大当たりでした。
  東川先生の作品に組み込まれているユーモアは、いい意味でバカミスといってもいいくらいの領域。その辺のコントや漫才よりも面白いと言ってしまってもいいかもしれない。
  しかも、この作品の場合はそのユーモアとミステリーが程よく絡まっていてすごく良かったです。
  ユーモアに意識が行きがちなのですが、ミステリーの部分もしっかりとした作りでした。
  探偵パートになるとストーリーがだれてくる作品は多いと思うのですが、この作品の場合はユーモアのおかげでストーリーがだれてくる事が少なかったのも良かったです。 

  動機についての真相は、ネコに関する知識がある程度あったので早い段階で気づけたのですが、それ以外にもネコに関するトリビアは多かったですね。

  ユーモアとミステリーのバランスがすごくいい作品でした。個人的には充分にオススメできるレベルの作品だと思います。

白い家の殺人/歌野晶午5

新装版 白い家の殺人 (講談社文庫)新装版 白い家の殺人 (講談社文庫)
著者:歌野 晶午
販売元:講談社
発売日:2009-04-15
おすすめ度:4.0
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  冬の八ヶ岳山麓の別荘で、猪狩家の令嬢・静香が逆さ吊り死体で発見された。凄惨な密室殺人は別荘を恐怖の渦に巻き込み、そして第二の被害者が出てしまう…。一冊の日記帳によって明らかになる猪狩家の悲しく暗い過去。事件解決に挑む青年探偵・信濃譲二は完全犯罪を暴けるのか!?傑作長編推理第二弾。

 

  いつからなのだろう。情熱を持ってミステリーを書いていた若者の情熱が持つベクトルが、いかにして人をだますかという方向にシフトしてしまったのは。
  しかも、この人の場合は人をだますための手法ほ使って成功してしまっているんですよね。個人的には叙述トリックというヤツはあまり好きではないんですけど。やられても「ふーん」と思うだけで驚きはあまりないですね。それよりも、一読者としては著者との真っ向勝負を楽しみたいですね。
  それでも、叙述トリック等の手法を取り入れる人が、他にもたくさんいるのだからミステリーのあり方も変わってきているのだと思う。

  さて、この作品は、個人的にはほぼ満点に近かったです。その理由は作者が情熱を持って書いた作品だから。最近はこういう著者の情熱が詰まった作品を滅多に見かけなくなってしまった。ラノベばかりにかまけていて守備範囲が狭くなっているせいもあるとは思うのですが。
  粗い部分もちらほら見受けられるのですが、それをはるかに上回るストーリー展開に引き込まれてしまい、すっかり夢中になってしまった。
  真相はデビュー作の様なシンプルなものではなく、かといってシリーズ3作目の様な叙述トリックでもなく。ちょうどその中間といった感じでした。

  気になったのは主役級以外のサブキャラクター。すごく簡単に言ってしまうと、頭が悪すぎ。思い込みが激しいタイプの人が多く、不快感を感じさせる発言が多かった。

  個人的に満点に近い満足感が得られたのはこういう古いタイプのミステリーが読みたかったから。作品自体の出来としては、あえて点数にすると70点くらいでしょうか。

幕末魔法士―Mage Revolution/田名部宗司5

幕末魔法士―Mage Revolution (電撃文庫)幕末魔法士―Mage Revolution (電撃文庫)
著者:田名部 宗司
販売元:アスキーメディアワークス
発売日:2010-02-10
おすすめ度:4.5
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  一冊の魔導書が秘めた無窮の闇。激動の時代を舞台に繰り広げる幕末ファンタジー。第16回電撃小説大賞“大賞”受賞。

 

  コンクールの結果にこだわるつもりはないのですが、何だかんだで受賞作は手に取ってしまう自分がいる。
  特に、電撃大賞で大賞なんか受賞されると、その作品がすごく気になります。今回の大賞受賞作は大賞受賞も納得の完成度が高い作品でした。

  幕末を舞台に西洋のファンタジー要素を絡めるという大胆な手法が取られている作品でした。ま、舞台が幕末なだけでやっている事は他の作品と変わらないわけですが。
  幕末の日本と西洋ファンタジーの融合という手法は大胆なのですが、ストーリーの展開は王道的な物でした。
  にも関わらず、ストーリーが二転三転していて、途中から読むのが止まらなくなったので、やっぱり面白いんだと思います。
  シンプルでバランスが崩れる事もなく。後半は一歩間違えれば大味になりかねない内容だったのですが、ド派手で面白かった。

  個人的に感じた欠点としては、登場人物の紹介欄からある程度は先の展開が読めた事。それと、最後に大切な事を次巻に引き伸ばした事でしょうか。それでも、次巻からも作品の面白さに期待できる内容でした。

  明治と魔法使いを意味するメイジを掛けたダジャレが発想の起点となっているみたいですが、内容はいたって真面目で、キレイなイラストとマッチしていてすごく良かったです。

ロマンティック・サイボーグ/倉田牛吾5

ロマンティック・サイボーグ (mag2libro)ロマンティック・サイボーグ (mag2libro)
著者:倉田 牛吾
販売元:パレード
発売日:2009-12-15
おすすめ度:4.5
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  「異世界へ行ってきて」サイボーグとして生きる早乙女由宇は妹に面倒事を押しつけられた。謎の研究施設で明かされる異世界の存在。そして、その世界から届いたというSOS。科学の力が異世界への道を切り開き、最強の地球人が前人未踏を踏みしめる。魔法使いが大海原に歌い―醜悪なる怪物が大空に叫び―早乙女由宇が拳を振り上げて―これは、麗しき姉妹を絶望の暴力から救い出すための疾走ファンタジア。

 

  こんな面白い作品がマイナーなレーベルから出ているというだけで知名度が低いなんてもったいないと思う。
  置いてある本屋がほとんどなくて入手にすごく苦労しました。まあ、ネットショッピングで普通に手に入るのですが、本は余程のことがない限り本屋で買う主義なものですから。

  さて、本作の内容ですが、異世界に召喚される事から始まる冒険譚というのはよくあるパターンだと思うのですが、この作品はその逆で、異世界からのSOSはあるのですが、こちらから異世界に乗り込むというパターン。

  感想としては、とにかく疾走感が心地よい作品でした。特に、この疾走感を感じたのがバトルシーンでした。
  主人公の強さがシンプルなだけあって、バトルが非常にスピーディーで、しかも豪快。この速さが相乗効果で迫力も生み出していてすごくよかったです。
  最初から最後まで突っ走ってくれました。非常に疾走感が溢れるいい作品でした。展開の速さと読みやすさも手伝ってあっという間に読み切ってしまった。いやぁ。面白かった。

  これは掘り出しモノでしょう。続きが出るのかが気になったり。出て欲しいなぁ。 

ガーデン・ロスト/紅玉いづき3

ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫)ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫)
著者:紅玉 いづき
販売元:アスキーメディアワークス
発売日:2010-01-25
おすすめ度:4.0
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  誰にでも、失いたくない楽園がある。息苦しいほどに幸せな安住の地。しかしだからこそ、それを失うときの痛みは耐え難いほどに切ない。誰にでも優しいお人好しのエカ、漫画のキャラや俳優をダーリンと呼ぶマル、男装が似合いそうなオズ、毒舌家でどこか大人びているシバ。花園に生きる女子高生4人が過ごす青春のリアルな一瞬を、四季の移り変わりとともに鮮やかに切り取っていく。壊れやすく繊細な少女たちが、楽園に見るものは―。

 

  人喰いシリーズなんてシリーズを出していた紅玉さん。人喰いシリーズはおぞましさを感じさせる外見とは裏腹に、実際はキレイないい話系のストーリーでした。
  そして、この最新作。女子高生達を書いた現代モノなのですが、何故か、人喰いシリーズよりも悲壮感を感じさせる作品でした。
  ずっと抱えていたコンプレックス。それと上手く折り合えず、しかし、それは自分にとって大きな存在意義であり心の置き所でもある。
  この作品にはスカートという単語が多くでていると思う。このスカートという単語がストーリーを現すいい言葉であり作品の大きな象徴の一つだと思います。
  スカートは風にたなびいても元の形に戻る。風に吹かれて形を変え、元の姿に戻った時、そこには成長した新しい自分がいる。そんな風に。
  キャラによっては、その高いプライドが他のキャラや読み手の心に牙をむいてきます。牙を剥いたり、毒を撒き散らしたり。主に第4章。いいキャラもいたのにそんなキャラばかり印象に残ってしまった。
  心をえぐられた後のフォローが少ないので、悲しい気分のまま読了しました。
  キレイないい話なんですけど、明るい気分になりたい時には向かないかもしれないです。
  

ベン・トー〈5〉北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円/アサウラ5

ベン・トー〈5〉北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円 (集英社スーパーダッシュ文庫)ベン・トー〈5〉北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円 (集英社スーパーダッシュ文庫)
著者:アサウラ
販売元:集英社
発売日:2010-01-22
おすすめ度:4.5
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  半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋たちHP同好会は合宿を終え、地元に戻って日常の争奪戦に精進していた。そんなある日、佐藤のかつての憧れのクラスメイト、現在芸能アイドルとして活躍する広部さんが転校生として現れる。傍若無人の振る舞いをする彼女に、案の定巻き込まれる佐藤は、徐々に弁当争奪戦から遠ざかってしまう。さらに、しばしの沈黙を破り、再び立ちはだかる猟犬群たちの乱入で戦闘は激化していき…!佐藤は「狼」としての誇りを失ってしまうのか!?それとも秋鮭のごとくスーパーに戻ることはできるのか―!?庶民派シリアスギャグアクション、原点回帰の第5弾。

 

  タイトルの弁当の値段が巻を重ねるごとに5円ずつ上がっていたのですが、ここにきてまさかの値下げ。これはこのシリーズが長く続くということでしょうか。だとしたらすごく嬉しいですね。
  あらすじを見てラブコメの要素が強いのかと思っていたのですが、それは後半の話。
  前半はバトルとコメディが充実していて、後半はいつもよりラブコメしているといった感じの内容でした。
  どの要素もバランスよく入っていて、作品のバランスを崩す事もなく、バトルにラブコメにと、大充実している分満足度もすごく高い巻となりました。

  人がいる所で読んではいけない作品なのも相変わらず。ギャグパートのみではなく、弁当を食べるシーンでも思わず感情移入してニンマリしてしまうのは僕だけでしょうか。

  このシリーズを読む度に、スーパーで弁当を買って食べてます。今回買った、カツサンドもすごく美味かった。

こもれびの国 得能正太郎5

こもれびの国 1 (GUM COMICS)こもれびの国 1 (GUM COMICS)
著者:得能 正太郎
販売元:ワニブックス
発売日:2010-01-25
おすすめ度:5.0
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  お城に暮らす小さなお姫様、街を守護する若き騎士たち、そしてそこに暮らすあたたかな人々…。ふんわりやさしいこの国で、リュリュはなかよしのともだちと共に元気に明るく学生生活を楽しんでいます。
いまにも動き出しそうな少女たち、細密画のように情報にあふれた画面構成、人気イラストレーター・得能正太郎の初めてのコミックスは、女の子たちのひそやかな息遣いであふれています。大幅加筆修正し全ページカラーの豪華単行本。

 

  私は「銀月のソルトレージュ」を読んで以来、得能さんのファンになってしまい、その後、得能さんが挿絵を担当しているというだけで、その作品に手を出しているくらい大好きです。

  そんな得能さんの初コミックスが出たので思わず買ってしまいました。ファンタジーの世界を舞台とした少女達の日常を書いた作品です。
  全編フルカラーの豪華な仕様なのですが、日常を書いたものなので、ストーリー性は薄いです。
  それでも、優しくて温かみがあるストーリーに得能さんの絵柄がマッチしていてすごく良かったです。
  1300円と値段が高めなので、コミックスとしてよりも、画集にストーリーが付いたものと考えるといいかもしれません。
  得能さんのファンなら迷わず買いな1冊だと思います。それ以外の方にはどうなんだろう。とりあえず、得能さんのキレイな絵柄が非常に魅力的な1冊というのは間違いないと思います。

夏海紗音と不思議な世界1/直江ヒロト4

夏海紗音と不思議な世界1 (富士見ファンタジア文庫)夏海紗音と不思議な世界1 (富士見ファンタジア文庫)
著者:直江 ヒロト
販売元:富士見書房
発売日:2010-01-20
おすすめ度:4.0
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  「あなた、うちの隊員にならない?なりましょうよ―ていうか、なれ!探検隊員ただ今、ホジュー中。未経験者OKよ」恐ろしく下手くそな字で“探検隊、幕集中!”と書かれた看板を掲げて意味不明な勧誘をしてる夏海紗音。これが彼女との初めての出会い。第一印象は…変な女、だった。幕集中って…。このときは思いもしなかったさ、すでに僕は彼女の能力によって重複世界に誘拐されていたなんて。紗音によって僕のちっぽけな常識が粉々に破壊され、ゲシュタルト崩壊した世界観。信じられないことばかりだったけど、僕は紗音と一緒に世界を破滅の危機から救ったんだ。第21回ファンタジア大賞、読者賞受賞作。

 

  なんと応募した2作品が受賞したらしいです。これがそのうちの1冊で読者賞を受賞した作品。もう1作品は金賞を受賞しているらしいです。ところで、読者賞ってコンクールの順位でいうとどれくらいなんだろう。
  読者賞という事で、一般の人が好きそうな作品でした。僕の好みでもありましたし。主人公がヒロインや女性キャラと共に、お約束となるイベントを一通りこなす等、読む側のツボをちゃんと心得ていて、しかもツボの突き方が的確。ストーリーの構成的にも完成度が非常に高かったですし。
  デビュー作とは思えないくらいの完成度の作品でした。ラストも良かったし。良作に必要な要素が一通り兼ね備えられている作品だと思います。

  これはハルヒの応用編といってしまっていいのでしょうか。想像していたのとジャンルが違っていたので驚きました。
  それとタイトルに1と付いているのも気になりますね。続編があるのでしょうか。キレイにいい終わり方をしていると思うのですが。
  まあ、ヒロインの能力を考えれば、ストーリー的にできることの幅が広がる、というか何でもできそうな気がする。無限の可能性を秘めたシリーズなのかもしれない。

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc4 /田尾典丈3

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc4 (ファミ通文庫)ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc4 (ファミ通文庫)
著者:田尾典丈
販売元:エンターブレイン
発売日:2010-01-30
おすすめ度:5.0
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  俺こと都筑武紀は突如訪れた新たな危機に戦慄していた。幼馴染に起こされ迎える朝、家族揃っての登校、そして校内一の美少女との学園生活。いつもと変わらない、愛すべき世界…のはずなのに、違う。こんなのは…俺じゃない!自らの手により崩れゆく理想の世界で、なんとか打開策を見出そうとする俺だったが―おい、これでまだ“世界改変”の途中ってことはないよな?選択肢無限の真世界を奔走する、青春ADVノベル、待望の第4弾。

 

  ギャルゲーというのは軽そうなイメージとは裏腹に中身はしっかりとした作る側としては難しいジャンルなんだと思う。
  このシリーズもライトなタイトルから受ける印象とは違っていて、内容はしっかりとしたラブコメだったりするんですよね。
  この、シリーズ4巻目もこのシリーズの特徴であるロジックの構築の上手さは健在でした。

  主人公達による壮絶な略奪愛合戦でしたね。武紀がゲーム内の主人公に自分の立場を奪われるという衝撃の鬱な展開。
  そこから序々に盛り返すわけですが、どの様に武紀が逆転していくのか。その辺りのバランスって難しい。読んでいてそう思うわけですから。書いている方はもっと難しかったんでしょうね。
  考えてみるとこのシリーズのシナリオってタイトルから受ける印象とは裏腹にかなり暗めなんですよねぇ。少しくらい遊んでくれた方が読んでいる方としては嬉しいかも。 

  個人的な点数は70〜80点くらいでしょうか。ドキドキするようなイベントも多く楽しませていただきました。
  元がギャルゲーのキャラなせいか、ヒロイン達の性格やストーリー展開が都合が良すぎるのが気になったりしますが、そこはご愛嬌。

漆黒の王子/初野晴5

漆黒の王子 (角川文庫)漆黒の王子 (角川文庫)
著者:初野 晴
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2009-09-25
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  ある地方都市のマンションで、男女の死体が発見された。遺体は暴力団藍原組組員とその情婦。だが、藍原組では以前から組員が連続不審死を遂げていた。しかも、「ガネーシャ」と名乗る人物から「睡眠を差し出せ」という奇妙な脅迫メールが…。一方、街の下に眠る暗渠には、“王子”他6名のホームレスが社会と隔絶して暮らしていた。奇妙な連続殺人は彼らの仕業なのか?ふたつの世界で謎が交錯する超本格ミステリ。

 

  「水の時計」を読んでこの人の大ファンになりました。この作品に関してはずっと文庫落ちを待っている状態だったのですが、やっと文庫落ちしてくれました。
  やっぱりこの人の作品。好きだなぁ。すごく面白かったです。大好きな作者さんの作品なので色眼鏡で見てしまっているのかもしれませんが。
  それでも、充分に面白い作品でしたし、重厚であり、透き通ってもおり、幻想的でもあり。
  様々なテイストが見事に違和感なく共存しているのがすごいと思う。特に、透明感の部分。暴力団を取り扱っているにもかかわらず、澄んだものを感じる。

  この作品は暴力団と地下世界を舞台とした話が交互に語られて進行していきます。
  暴力団の話はミステリー色が強く、地下世界の話は現代を舞台としているとは思えないほどに幻想感が強かったです。
  終盤にはこのテイストが全く違う2つの話が1つに収束していきます。壮大な話なだけに終盤はあわただしくなるわけですが。

  それでも、様々な異なる要素が1つにまとめ上げられています。その手腕は素直にすごいと思う。

  ミステリー作品なのに、幻想的でもあり美しさを感じる。デビューして間もない頃にこんなすごいのを書いていましたか。他の作品も早く文庫落ちして欲しくなりました。

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