完全犯罪に猫は何匹必要か? (光文社文庫)
著者:東川 篤哉
販売元:光文社
発売日:2008-02-07
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『招き寿司』チェーン社長・豪徳寺豊蔵が破格の金額で探偵・鵜飼杜夫に愛猫の捜索を依頼した。その直後、豊蔵は自宅のビニールハウスで殺害されてしまう。なぜか現場には巨大招き猫がおかれていて!?そこでは十年前に迷宮入りした殺人事件もおきていた。事件の鍵を握るのは“猫”?本格推理とユーモアの妙味が、新しいミステリーの世界に、読者を招く。
東川先生の作品にはユーモアという特徴があるので、一度読んだらどうしても他の作品が気になってしまう。そして、この作品には猫が登場する。
僕は犬よりもネコ派。大好きな東川さんのネコをモチーフとした作品というのがこの作品を手に取った理由なのですが、結果としては大当たりでした。
東川先生の作品に組み込まれているユーモアは、いい意味でバカミスといってもいいくらいの領域。その辺のコントや漫才よりも面白いと言ってしまってもいいかもしれない。
しかも、この作品の場合はそのユーモアとミステリーが程よく絡まっていてすごく良かったです。
ユーモアに意識が行きがちなのですが、ミステリーの部分もしっかりとした作りでした。
探偵パートになるとストーリーがだれてくる作品は多いと思うのですが、この作品の場合はユーモアのおかげでストーリーがだれてくる事が少なかったのも良かったです。
動機についての真相は、ネコに関する知識がある程度あったので早い段階で気づけたのですが、それ以外にもネコに関するトリビアは多かったですね。
ユーモアとミステリーのバランスがすごくいい作品でした。個人的には充分にオススメできるレベルの作品だと思います。