生徒会の九重  碧陽学園生徒会議事録9 (富士見ファンタジア文庫)生徒会の九重 碧陽学園生徒会議事録9 (富士見ファンタジア文庫)
著者:葵 せきな
富士見書房(2010-10-20)
販売元:Amazon.co.jp
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  ようこそ、私立碧陽学園生徒会室へ!美少女役員四人+おまけ一人、生徒諸君のため―突然ですが、ここで中継を繋ぎます!第801回ヘキヨウカップ、各馬一斉にスタート。先頭はヒンニューステータスとネッケツタロー。ヒンニューは常に本命視されながらやる気に欠ける状態、ネッケツはここに来て急躍進、新たな本命馬と名高いです!様子を窺うように二頭の後に続くのはドエスノホマレ。実力はNo.1と言われながらここ一番に弱い!最後に大きく遅れてビーエルラバー。以前他を圧倒する力を見せて以降、不振が続いています!最後まで目が離せない展開になってきました!おっと、ここで飛び出したのは―中を読んでご確認ください。

 

  作中の季節柄バレンタインの話も収録されているわけですが・・・ハーレム出来あがってるじゃん!まあ、そのメンバーの卒業と転校が決まっているので、少し砂上の楼閣のような感じもするわけですが。それでも、今までの巻で主人公が積み上げてきたものが実感できてすごく良かったですね。

  この巻では、シリアスに心に刺さるシーンが何箇所かありました。こういう真面目な内容もいいですよね。
  もちろん、そこまでの繋ぎはいつも通りのネタ満載なストーリーなわけですが。というか当然のごとく、むしろネタの方がメインなのですが、散々コメディな展開があった後に見せ場がやってきた方が、緩い空気とのギャップで感動が増すと思うんですよ。

  それと、またキャラが増えましたね。それにしても、この人が考えるキャラって可愛いだけにその人が持っている残念さが余計に引き立っているんですよね。
  キャラが増えるのはいい事なのですが、キャラが増えるごとに先生の影がどんどん薄くなってると思う。やっぱり扱いにくいのでしょうか。まさか、先生でテコ入れしようとして失敗したとかじゃないですよね。

  この巻はいつもの面白さに加えて、終わりが近づいている寂しさを実感させられる巻でした。自虐とも取れるネタがあったのも個人的には印象に残りましたね。
  次巻で本編が終了ですか。まあ、数字的に区切りはいいし、キャラが卒業&転校を迎えるので無理はないのですが。このシリーズの場合は番外編があるので、読む側としても安心して終わりを迎える事ができます。本編の最終巻となる10巻が素晴らしい作品になる事を祈っています。