星くずの殺人 (講談社文庫)
桃野雑派
講談社
2025-02-14




  3000万円の完全民間宇宙旅行のモニターツアーで、念願の宇宙ホテル『星くず』についた途端見つかった死体。それも無重力空間で首吊り状態だった。添乗員の土師穂稀は、会社の指示に従いツアーの続行を決めるが――。
一癖も二癖もあるツアー客、失われる通信設備、逃げ出すホテルスタッフ。さらには第2の殺人まで起きてしまう。帰還を試みようとすると、地上からあるメッセージが届き、それすら困難に。『星くず』は、宇宙に漂う巨大密室と化したのだった。

  衝動買いした作品です。好きな作家さんの作品も、買ってはいるのですが、読むのがもったいなくて、優先的に読むのは、こういった衝動買いした、初見の作家さんの作品です。
  意外と面白かったというのが、素直な感想なのですが、いろいろと気になる所もあった。そんな感想ですね。
  自分が残念脳みそ男というのがあるのですが、登場人物の一覧表をですね。付けて欲しいんですよ。
  一回では全員のプロフィールを覚えられないのでね。犯人が明らかになるじゃないですか。自分のリアクションは、何だって!ではなく、誰だっけ?でした。
  読後にもやもやしたものがあって、その原因が犯人に全く共感できなかったからなんですよ。宇宙船が舞台なのですが、ずっとトラブル続きで、犯人の悪意がその原因で、それにさらされ続けるわけなんですけど。
  犯人を知った時には、これが真相か?と思ってしまった。誰かを助けるためなら、誰かを殺していいのか?偽善ですらないですよ。
  それと宇宙が舞台という事で、前例がないミステリーだからこそ、これって成立するのか?と思ってしまった。犯人の動機になっている物。もしも成立するなら、人類全体に対するテロなのでは?
  それと殺人方法も成立するのか?現状では無重力を体験している人は、極めて限られているからこそ、この方法で殺せるのかは、実験できないと思うので。作者も推測で書いている部分は大きいのではないでしょうか。
  それとストーリー進行に関して、細かな明かされていない部分があったりして。それとその後がどうなったのか分からなかったりですね。
  これに関しては、1冊で完結するので、投げっぱなしになっている印象ですね。作者さんの他の作品で、本作の登場人物が出てくるみたいです。そちらで多少は明かされるのでしょうか。
  面白かったんですけど、読んでる時はいいんですけど、読後にモヤモヤが残る。ミステリーによくある感想なのですが、本作にもそれが当てはまりますね。それ書評家って本当にすごいと思った。巻末で本作について、めっちゃ語っていましたが。筆力高いですし、ミステリーへの造詣は深いですし。さすが専門家ですね。